説明

スライドドア付き車両の後部ボディ構造

【課題】センターレールを取り付ける収納凹部の間の開口幅を小さくすることができるスライドドア付き車両の後部ボディ構造を提供する。
【解決手段】スライドドア付き車両の後部ボディ構造10は、アウトサイドパネル16に、車体前後方向に延びる収納凹部17を形成し、この収納凹部17の底面18に、スライドドア11を開閉自在に支えるセンターレール20を取り付けたものである。このスライドドア付き車両の後部ボディ構造10は、アウトサイドパネル16をアウターパネル23とリヤフェンダーパネル23との2部材に分割し、アウトサイドパネル16で上側凹み25を形成し、リヤフェンダーパネル23で下側凹み26を形成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドドア付き車両の後部ボディ構造に係り、特に、車両外側部となるアウトサイドパネルに、スライドドアを開閉自在に支えるセンターレールを備えたスライドドア付き車両の後部ボディ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のスライドドア付き車両の後部ボディ構造は、車両の外側部となるアウトサイドパネルを備え、このアウトサイドパネルに、車体前後方向に延びる収納凹部を設け、この収納凹部の底面にセンターレールを取り付け、このセンターレールで、スライドドアを開閉自在に支えるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−145116号公報
【0003】
このスライドドア付き車両の後部ボディ構造の一例を次図に基づいて説明する。
図7は従来のスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す断面図である。
スライドドア付き車両の後部ボディ構造100は、後輪101近傍において車両の外側部となるアウトサイドパネル102を備え、このアウトサイドパネル102の車体内側にクオータパネル103を備える。
【0004】
アウトサイドパネル102は、後輪101の上部外側にリヤフェンダー104が設けられている。リヤフェンダー104は、下端104aにおいて、第1下フランジ105が車体内側に折り曲げられている。
さらに、クオータパネル103の第2下フランジ106が第1下フランジ105に沿って折り曲げられ、第2下フランジ106が第1下フランジ105にスポット溶接で接合されている。
第1下フランジ105および第2下フランジ106で接合部107を構成する。
【0005】
アウトサイドパネル102には、車体前後方向に延びる収納凹部108が形成されている。この収納凹部108の底面109にセンターレール110をボルト止めし、センターレール110をカバー111で覆う。
このセンターレール110で、スライドドア112を開閉自在に支える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、収納凹部108は比較的大きな凹部なので、アウトサイドパネル102に収納凹部108を成形するためには、アウトサイドパネル102の素板材を成形する際に、素板材に比較的大きな引延ばし量が要求される。
このため、収納凹部108の上縁角部114や下縁角部115を大きな半径、すなわち比較的緩やかな曲線に保つことで、アウトサイドパネル102の素板材の引延ばし量を適量に抑える必要がある。
【0007】
上縁角部114や下縁角部115を大きな半径にすることで、上縁角部114や下縁角部115を成形する際に必要な引延ばし量を小さく抑えることができる。
これにより、収納凹部108の形成に必要な比較的大きな引き延ばし量を確保することが可能になる。
【0008】
しかし、上縁角部114や下縁角部115を大きな半径にすると、上縁角部114や下縁角部115が収納凹部108から離れる方向に位置する。このため、収納凹部108の開口108aの開口幅w1が比較的大きくなる。
【0009】
さらに、下縁角部115を大きな半径にすると、下縁角部115が下方に位置し、カバー111の下端111bから下縁角部115までの開口間隔の開口幅w2が比較的大きくなる。
同様に、上縁角部114を大きな半径にすると、上縁角部114が上方に位置し、カバー111の上端111aから上縁角部114までの隙間の隙間幅w3が比較的大きくなる。
【0010】
ここで、車両のデザイン性などから考慮すると、開口幅w2や隙間幅w3は小さい方が好ましい。特に、開口幅w2が大きいと目立つので、デザイン性の観点から開口幅w2を小さくすることは重要である。
【0011】
本発明は、センターレールを取り付ける収納凹部の間の開口幅を小さくすることができるスライドドア付き車両の後部ボディ構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、車両の外側部となるアウトサイドパネルを備え、このアウトサイドパネルに、車体前後方向に延びる収納凹部を形成し、この収納凹部の底面に、スライドドアを開閉自在に支えるセンターレールを取り付けたスライドドア付き車両の後部ボディ構造において、前記アウトサイドパネルを上サイドパネルと下サイドパネルとの2部材に分割し、分割した上サイドパネルで、前記収納凹部のうちの一部の部位を形成し、分割した下サイドパネルで、前記収納凹部のうちの残りの部位を形成したことを特徴とする。
【0013】
アウトサイドパネルを上下のサイドパネルに分割し、上サイドパネルで、収納凹部のうちの一部の部位を形成し、下サイドパネルで、収納凹部のうちの残りの部位を形成した。
このように、収納凹部を2部材に分担させて形成することで、上下のサイドパネルに必要な引延ばし量を小さく抑えられる。
【0014】
よって、上下のサイドパネルの素板材のそれぞれの引延ばし量に余裕ができ、余裕分の引き延ばし量をその他の部位に振り分けることができる。
これにより、上下のサイドパネルの他の部位において、形状を決める際の自由度が高まる。
【0015】
したがって、例えば、収納凹部の上縁角部や下縁角部を小さな半径で形成して、シャープな形状にすることができる。
上縁角部収や下縁角部をシャープな形状にすることで、上縁角部収や下縁角部を収納凹部側に引き寄せて収納凹部の開口幅を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、収納凹部の上縁角部や下縁角部をシャープな形状にし、かつセンターレールを取り付ける収納凹部の開口幅を小さくすることで、車両のデザイン性をより一層高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す斜視図である。
スライドドア付き車両10は、車両中央にスライドドア11を開閉自在に備え、スライドドア11の後方で、かつ後輪12の上方に後部ボディ構造(すなわち、スライドドア付き車両の後部ボディ構造)15を備える。
【0018】
後部ボディ構造15は、スライドドア付き車両10の外側部となるアウトサイドパネル16を備え、このアウトサイドパネル16に、車体前後方向に延びる収納凹部17を形成し、この収納凹部17の底面18に、スライドドア11を開閉自在に支えるセンターレール20を取り付け、センターレール20を覆うためにカバー22を取り付けたものである。
以下、後部ボディ構造15の構成を図2において詳しく説明する。
【0019】
図2は図1の2−2線断面図、図3は本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す分解図である。
後部ボディ構造15は、アウトサイドパネル16をアウターパネル(上サイドパネル)23とリヤフェンダーパネル(下サイドパネル)24との2部材に分割し、アウターパネル23で、収納凹部17のうちの一部の部位(上側凹み)25を形成し、リヤフェンダーパネル24で、収納凹部17のうちの残りの部位(下側凹み)26を形成し、この収納凹部17にセンターレール20を取り付けたものである。
【0020】
また、スライドドア付き車両の後部ボディ構造15は、アウターパネル23の車体内側に、後輪12の上方を覆うホイールアーチパネル28を備え、アウターパネル23の下端部をセンターレール20の下側近傍で外側に折り曲げて第1下フランジ(第1フランジ)31とし、第1下フランジ31に倣わせて、ホイールアーチパネル28の下端部を折り曲げて第2下フランジ(第2フランジ)32とし、第2下フランジ32を第1下フランジ31に接合し、接合した第1、第2のフランジ31,32の外側に、後輪12の上部外面12aを覆うリヤフェンダーパネル24を備え、リヤフェンダーパネル24の上部を、第1、第2のフランジ31,32を覆うアーチ部(下側壁面)33としたものである。
【0021】
アウターパネル23は、その上端、すなわち第1上フランジ(図示せず)に、ホイールアーチパネル28の上端、すなわち第2上フランジ(図示せず)をスポット溶接して窓枠を形成し、この窓枠にモール36(図1参照)を介してクオータガラス37(図1参照)を取り付け、下部に上側凹み25を形成し、上側凹み25の下端25aから第1下フランジ31を外側に向けて下り勾配状に折り曲げたものである。
【0022】
上側凹み25は、アウターパネル23の上縁角部38で上側壁面41を車体内側に下り勾配状に折り曲げ、上側壁面41の下端41aで第1底面42を鉛直方向に折り曲げ、第1底面42に第1取付孔42aを形成し、第1底面42の裏面に、第1取付孔42aと同軸上にナット57を溶接したものである。
【0023】
リヤフェンダーパネル24は、上フェンダーパネル44と下フェンダーパネル45とからなる。
上フェンダーパネル44は、第1底面42に、車体外側から当接して接合した第2底面46を備え、第2底面46に第2取付孔46aを形成し、この第2取付孔46aを第1取付孔42aと同軸上に配置し、第2底面46の上端に、車体外側に向けて折り曲げた折返片47を備え、第2底面46の下端に、車体外側に向けて折り曲げた下側傾斜面48を備える。
【0024】
下フェンダーパネル45は、下側傾斜面48の上面に当接して接合した上側傾斜面49を備え、上側傾斜面49の下端、すなわち下縁角部51で鉛直方向に折り曲げたフェンダー部52を備え、フェンダー部52の下端52aで車体内側に折り曲げた折返し部53を備える。
【0025】
ここで、下側傾斜面48と上側傾斜面49とをスポット溶接で接合することで、下側傾斜面48と上側傾斜面49で下側壁面33を構成する。
この下側壁面33は、前述したアーチ部33と同じ部位であり、以下、下側壁面33として説明する。
【0026】
さらに、下側傾斜面48および上側傾斜面49を接合することで、上フェンダーパネル44と下フェンダーパネル45とが一体化され、それぞれのパネル44,45でリヤフェンダーパネル24を構成する。
【0027】
すなわち、リヤフェンダーパネル24は、下側傾斜面48および上側傾斜面49を接合して、上下のフェンダーパネル44,45とを一体化することで、第2底面46の下端に、車体外側に向けて折り曲げた下側壁面33を備え、第2底面46および下側壁面33で下側凹み26を備える。
【0028】
この下側凹み26の第2底面46を、上側凹み25の第1底面42に接合することで収納凹部17が形成される。なお、第1、第2の底面42,46を接合する際に、第1、第2の取付孔42a,46aが同軸上になるように位置決めする。
収納凹部17は、第1、第2の底面42,46で底面18を構成する。底面18にセンターレール20をボルト56…(…は複数個を示す)およびナット57…で取り付ける。
【0029】
アウターパネル23の車体内側にホイールアーチパネル28を備える。
ホイールアーチパネル28は、アウターパネルの第1上フランジ(図示せず)に第2上フランジ(図示せず)がスポット溶接で接合され、第1下フランジ31に第2下フランジ32がスポット溶接で接合されることで閉断面に形成された部材である。
このホイールアーチパネル23は、後輪12の上方を覆う部位58を第2下フランジ32に隣接して備える。
【0030】
スライドドア付き車両10は、車両中央にスライドドア11を備える。
スライドドア11は、収納凹部17側へ延びる支持ブラケット61を備え、この支持ブラケット61の先端部61aに第1、第2のローラ62,63を回転自在に備え、第1、第2のローラ62,63がセンターレール20に沿って移動自在に取り付けられている。
センターレール20でスライドドア11を車体前後方向に開閉自在に支える。
【0031】
なお、支持ブラケット61は、収納凹部17の下縁角部51と、カバー22(図1も参照)の下端22aとの間の下側開口66を貫通して収納凹部17内に延びる部材である。
【0032】
センターレール20の上方には、カバー支持部68が上側壁面41にボルト止めされている。このカバー支持部68にカバー22が取り付けられている。
このカバー22は、収納凹部17の開口17aにおいて、アウターパネル23に対して略面一に配置されている。
カバー22は、センターレール20およびカバー支持部68を覆い、かつ収納凹部17の下側開口66を開口した状態に配置されている。
【0033】
次に、スライドドア付き車両の後部ボディ構造10の特徴を図4〜図5に基づいて説明する。
図4は本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の剛性をより一層高めることができる理由を説明する図である。
アウターパネル23の第1下フランジ31をセンターレール20の下側近傍に設け、第1下フランジ31に、ホイールアーチパネル28の第2下フランジ32を接合した。
センターレール20の下側近傍で第1、第2の下フランジ31,32を接合することで、接合した第1、第2の下フランジ31,32を、収納凹部17の底面18に近づけることが可能になる。よって、底面18の剛性をより一層高めることができる。
【0034】
このように、センターレール20の下側近傍で第1、第2の下フランジ31,32を接合するという簡単な構成で、センターレール20を取り付ける部位、すなわち底面18の剛性をより一層高めることができる。
これにより、センターレール20を底面18でより一層強固に支えることができる。
【0035】
さらに、第1、第2の下フランジ31,32の外側にリヤフェンダーパネル24を備え、リヤフェンダーパネル24の上部をアーチ部33、すなわち下側壁面33とした。
そして、下側壁面33で第1、第2の下フランジ31,32を覆うことで、第1、第2の下フランジ31,32を車両10の外側から見えないようにした。
これにより、第1、第2の下フランジ31,32を下側壁面33で隠して、車両10の外観性を好適に確保することができる。
【0036】
加えて、第1、第2の下フランジ31,32の外側にリヤフェンダーパネル24を備え、リヤフェンダーパネル24で第1、第2の下フランジ31,32を隠すことで、車両10の外観性を従来と同様に確保することが可能になる。
これにより、車両10のデザインを変更する必要がない。
【0037】
さらに加えて、センターレール20の下側近傍で第1、第2の下フランジ31,32を接合するだけでセンターレール20をより一層強固に支えることが可能になり、剛性を確保するために、補強部材を新たに追加する必要はない。
【0038】
図5は本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の上縁角部および下縁角部をシャープな形状にすることができる理由を説明する図である。
アウトサイドパネル16をアウターパネル23およびリヤフェンダーパネル24に2分割した。
アウターパネル23で上側凹み25を形成し、リヤフェンダーパネル24で下側凹み26を形成した。そして、上下側の凹み25,26とを組み合わせて収納凹部17を形成した。
【0039】
このように、収納凹部17を、アウターパネル23およびリヤフェンダーパネル24の2部材に分担させて形成することで、アウターパネル23およびリヤフェンダーパネル24をそれぞれの素板材から成形する際に、各素板材の引延ばし量を小さく抑えることができる。
【0040】
よって、それぞれの素板材の引延ばし量に余裕ができ、余裕分の引き延ばし量をその他の部位に振り分けることができる。
これにより、アウターパネル23の上側凹み25以外の部位において、形状を決める際の自由度を高めることが可能になる。
同様に、リヤフェンダーパネル24の下側凹み26以外の部位において、形状を決める際の自由度を高めることが可能になる。
【0041】
余裕分の引き延ばし量を有効に利用することで、収納凹部17の上縁角部38および下縁角部51をそれぞれ小さな半径で形成して、シャープな形状にすることが可能になり、車両10の外観性を高めることができる。
【0042】
加えて、上縁角部38および下縁角部51をシャープな形状にすることで、上縁角部38および下縁角部51をそれぞれ収納凹部17側に引き寄せることができる。
上縁角部38および下縁角部51をシャープな形状、すなわち、小さな半径で形成することで、上縁角部38および下縁角部51が収納凹部17側に引き寄せられる理由については図6で詳しく説明する。
このように、上縁角部38および下縁角部51をそれぞれ収納凹部17側に引き寄せることで、収納凹部17の開口17aの開口幅W1を、図7に示す従来技術の開口幅w1より小さく抑えることができる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、アウトサイドパネル16を、アウターパネル23およびリヤフェンダーパネル24に2分割した上に、リヤフェンダーパネル24をも上下のフェンダーパネル44,45(図3参照)に2分割した。
リヤフェンダーパネル24を上下のフェンダーパネル44,45(図3参照)に2分割することで、リヤフェンダーパネル24の下側凹み26以外の部位において、形状を決める際の自由度をより一層高めることができる。
【0044】
さらに、上述したように、下縁角部51をシャープな形状にすることで、下縁角部51を収納凹部17側(すなわち、上側)に引き寄せることができる。
これにより、収納凹部17の下縁角部51と、カバー22の下端22aとの間の下側開口66の開口幅W2を、図7に示す従来技術の開口幅w2より小さく抑えることができる。
【0045】
加えて、上縁角部38をシャープな形状にすることで、上縁角部38を収納凹部17側(すなわち、下側)に引き寄せることができる。
これにより、カバー22の上端22bと上縁角部38との隙間69の隙間幅W3を、図7に示す従来技術の隙間幅w3より狭めることができる。
このように、下側開口66の開口幅W2を小さくするとともに、隙間69の隙間幅W3を狭めることで、外観性を高めることができる。
【0046】
図6(a),(b)は本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の下縁角部の形状について説明する図である。(a)は図7の従来技術を比較例として示し、(b)は実施の形態を実施例として示す。
(a)において、下縁角部115の半径R1が大きくなると、下縁角部115は緩やかな曲線になり、下縁角部115の長さL1を短く抑えることができる。
よって、下縁角部115を成形する際に、素板材の引延ばし量を小さく抑えることができる。
【0047】
一方、下縁角部115の半径R1が大きくなると、下縁角部115の頂部115aが収納凹部108から離れる方向(すなわち、下方向)に位置し、収納凹部108の開口108aの開口幅w1が比較的大きくなる。
【0048】
(b)において、下縁角部51の半径R2を小さくすると、鋭角な曲線になり、下縁角部51は外側に大きく突出する。これにより、(a)に示す下縁角部115の長さL1に相当する長さは、L2と長くなる。
よって、下縁角部51を成形する際に、素板材の引延ばし量を比較的大きく必要とする。
【0049】
一方、下縁角部51の半径R2が小さくなると、下縁角部51の頂部51aが収納凹部17に引き寄せられた方向(すなわち、上方向)に位置し、収納凹部17の開口17aの開口幅W1を小さくできる。
図6においては、下縁角部51について説明したが、上縁角部38(図5参照)についても同様である。
【0050】
なお、前記実施の形態では、リヤフェンダーパネル24を上下のフェンダーパネル44,45に2分割した例について説明したが、これに限らないで、リヤフェンダーパネル24を一枚の素板材から一体成形しても同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、前記実施の形態では、収納凹部17にカバー22を備えた車両10を例示したが、これに限らないで、収納凹部17にカバー22を備えていない車両10に適用することも可能である。
この場合でも、収納凹部17の上縁角部38および下縁角部51をシャープな形状にすることで、収納凹部17の開口(開口幅)17を小さく抑えて、外見性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の後部ボディ構造は、車両外側部となるアウトサイドパネルに、スライドドアを開閉自在に支えるセンターレールを備えたスライドドア付き車両への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す分解図である。
【図4】本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の剛性をより一層高めることができる理由を説明する図である。
【図5】本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の上縁角部および下縁角部をシャープな形状にすることができる理由を説明する図である。
【図6】本発明に係るスライドドア付き車両の後部ボディ構造の下縁角部の形状について説明する図である。
【図7】従来のスライドドア付き車両の後部ボディ構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10…スライドドア付き車両(車両)、11…スライドドア、12…後輪、12a…上部外面、15…後部ボディ構造(スライドドア付き車両の後部ボディ構造)、16…アウトサイドパネル、17…収納凹部、18…底面、20…センターレール、23…アウターパネル(上サイドパネル)、24…リヤフェンダーパネル(下サイドパネル)、25…上側凹み(収納凹部のうちの一部の部位)、26…下側凹み(収納凹部のうちの残りの部位)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外側部となるアウトサイドパネルを備え、このアウトサイドパネルに、車体前後方向に延びる収納凹部を形成し、この収納凹部の底面に、スライドドアを開閉自在に支えるセンターレールを取り付けたスライドドア付き車両の後部ボディ構造において、
前記アウトサイドパネルを上サイドパネルと下サイドパネルとの2部材に分割し、
分割した上サイドパネルで、前記収納凹部のうちの一部の部位を形成し、
分割した下サイドパネルで、前記収納凹部のうちの残りの部位を形成したことを特徴とするスライドドア付き車両の後部ボディ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−213230(P2006−213230A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29413(P2005−29413)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】