説明

スライム処理装置

【課題】簡単な構造のスライム処理装置を用いながら、杭孔の底部に沈積するスライムを杭孔の全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させて、吸引し、排出することができるようにしたスライム処理装置を提供すること。
【解決手段】杭孔H内の泥水を、泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給し、この泥水噴射管2に形成した複数の噴射ノズル20から杭孔Hの底部に向かって噴出させることによって杭孔Hの底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプ4を介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置1において、泥水噴射管2に形成する噴射ノズル20の間隔(角度間隔α)を、泥水噴射管2に供給される泥水の流れFの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライム処理装置に関し、特に、場所打ちコンクリート杭の施工の際に、掘削した杭孔の底部に沈積するスライムを除去するためのスライム処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の施工においては、アースドリルバケットを用いて所定の深度まで基本形の杭孔を掘削するようにしているが、その際、杭孔の孔壁の崩壊を防ぐために杭孔内に泥水を満たして掘削を行うようにしている。
ところで、杭孔内に満たした泥水には、掘削土が混入し、杭孔の底部にスライムとして沈積することになる。
このスライムは、コンクリートを打設した際に、コンクリートに混入し、杭の支持力に悪影響を及ぼすため、コンクリートを打設する前に除去するようにしている。
【0003】
スライムの除去は、施工する杭がストレート杭の場合には、一般に、底浚い用バケットを用いて浚い取る方法が採用されている。
しかし、施工する杭が拡底杭の場合には、軸部より拡径する拡底部に沈積するスライムを、底浚い用バケットで浚い取ることが困難なため、杭孔内の泥水を泥水供給ポンプを介して複数の噴射ノズルから杭孔の底部に向かって噴出することによって杭孔の底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプを介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置を用いる方法が採用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
ところで、特許文献1に記載のスライム処理装置は、泥水供給ポンプから、複数の泥水供給管を介して、その先端に形成した噴射ノズルに泥水を供給するようにしているため、泥水供給管を含む装置の構造が複雑となり、杭孔内の泥水の流動性が阻害されるとともに、装置のメンテナンスに手数を要し、さらに、装置の製造コストや維持コストが上昇するという問題があった。
【0005】
一方、特許文献2に記載のスライム処理装置は、泥水供給ポンプから1本の泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給するようにしているため、複数の噴射ノズルに均等に泥水を供給することが困難なため、空気噴流を併用するようにしているが、このため、装置の構造が複雑となり、装置のメンテナンスに手数を要し、さらに、装置の製造コストや維持コストが上昇するという問題があった。
また、上記特許文献1及び2に記載のスライム処理装置は、共にスライムを含む泥水の吸引口が噴射ノズルの下方に配置されている。このような形態では、噴射ノズルから杭孔の底部に向けて泥水を噴出することによって、吸引口のまわりの泥水の流速が大きい状態となり、この泥水の流れは吸引口からの吸引によって作り出される流れよりも強いため、吸引口の付近に達したスライムが吸引されることなく通過してしまい、スライムの回収効率が低下する原因になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−120067号公報
【特許文献2】特開2002−088758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来のスライム処理装置の有する問題点に鑑み、泥水を泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給するという簡単な構造のスライム処理装置を用いながら、杭孔の底部に沈積するスライムを杭孔の全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させて、吸引し、排出することができるようにしたスライム処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のスライム処理装置は、泥水を泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給し、該泥水噴射管に形成した複数の噴射ノズルから杭孔の底部に向かって噴出させることによって杭孔の底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプを介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置において、前記泥水噴射管に形成する噴射ノズルの間隔を、泥水噴射管に供給される泥水の流れの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定したことを特徴とする。
【0009】
この場合において、泥水を泥水供給ポンプから環状の泥水噴射管に供給する泥水供給管を、泥水噴射管に対して鋭角の角度をもって接続することができる。
【0010】
また、スライム処理装置の装置本体の下部に、杭孔の底部の泥水を攪拌する攪拌羽根を配設することができる。
【0011】
また、噴出ノズルから泥水を杭孔の底部の外周側に向かって噴出させるとともに、泥水排出ポンプの吸引口を、泥水噴射管よりも上方に形成することができる。
【0012】
また、泥水排出ポンプの吐出量を泥水供給ポンプの吐出量よりも大きく設定することができる。
【0013】
また、泥水供給ポンプの吸引口を、泥水排出ポンプの吸引口よりも上方に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスライム処理装置によれば、泥水噴射管に形成する噴射ノズルの間隔を、泥水噴射管に供給される泥水の流れの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定することにより、泥水圧が高い流れの上流側の噴射ノズルと泥水圧が低い流れの下流側の噴射ノズルから噴射される泥水量を杭孔の全周に亘って均一化することができ、泥水を泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給するという簡単な構造のスライム処理装置を用いながら、杭孔の底部に沈積するスライムを杭孔の全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させて、泥水排出ポンプによって、吸引、排出することができる。
【0015】
また、泥水を泥水供給ポンプから環状の泥水噴射管に供給する泥水供給管を、泥水噴射管に対して鋭角の角度をもって接続することにより、泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給する際の泥水圧の低下を低減することができ、これによって、噴射ノズルから噴射される泥水の流速を高く維持することができる。
【0016】
また、スライム処理装置の装置本体の下部に、杭孔の底部の泥水を攪拌する攪拌羽根を配設することにより、スライム処理装置の装置本体の下方の杭孔の底部に沈積するスライムを確実に浮遊させることができる。
【0017】
また、噴出ノズルから泥水を杭孔の底部の外周側に向かって噴出させるとともに、泥水排出ポンプの吸引口を、泥水噴射管よりも上方に形成することにより、杭孔の底部に沈積する広範囲のスライムを吹き上げることができるようにするとともに、杭孔の内周面に沿って上方へ向かう泥水の流れを形成させ、これによって、泥水噴射管よりも上方に形成した泥水排出ポンプの吸引口から、泥水の流れによって集まったスライムを効率よく吸引できる。
特に、泥水排出ポンプの吸引口の位置では泥水の流速が十分に低下しているため、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプの吸引口の位置を通過することなく、確実に吸引することができる。
【0018】
また、泥水排出ポンプの吐出量を泥水供給ポンプの吐出量よりも大きく設定することにより、噴射力に比べて周囲に与える影響が小さくなりやすい泥水排出ポンプの吸引力を大きい値に保持して、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプの吸引口の位置を通過することなく、より確実に吸引することができる。
【0019】
また、泥水供給ポンプの吸引口を、泥水排出ポンプの吸引口よりも上方に形成することにより、泥水供給ポンプの吸引口にスライム等の異物が吸引させないようにすることができ、これによって、噴射ノズルの目詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のスライム処理装置の一実施例を示す一部切り欠きの正面図である。
【図2】同スライム処理装置の環状管を示す図1のX−X断面図である。
【図3】環状の泥水噴射管に対する泥水供給管の接続例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のスライム処理装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図2に、本発明のスライム処理装置の一実施例を示す。
このスライム処理装置1は、杭孔H内の泥水を、泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給し、この泥水噴射管2に形成した複数の噴射ノズル20から杭孔Hの底部に向かって噴出させることによって杭孔Hの底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプ4を介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置1において、泥水噴射管2に形成する噴射ノズル20の間隔(環状の泥水噴射管2の中心を基準にした角度間隔α)を、泥水噴射管2に供給される泥水の流れFの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定するようにしている。
【0023】
この場合において、スライム処理装置1は、掘削用のアースドリルバケットと同様に、作業機のブーム上端のシーブに掛けられ、ウインチによって操作される索条8によって吊り下げられ、所定の剛性を有する吊り金具等からなる枠部材7と、枠部材7に支持される泥水供給ポンプ3及び泥水排出ポンプ4と、泥水排出ポンプ4の下方に杭孔Hの底部に設置可能な枠材から形成した台座5と、台座5から放射状に延設した取付板5Aを介して取り付けられた環状の泥水噴射管2と、台座5内に配設した杭孔Hの底部の泥水を攪拌する攪拌羽根6とを備えるようにしている。
【0024】
泥水供給ポンプ3及び泥水排出ポンプ4は、特に限定されるものではないが、本実施例においては、内部にインペラーを備えたサンドポンプを用い、泥水供給ポンプ3は、吐出量1.0m/min、泥水排出ポンプ4は、吐出量2.0m/min程度の容量のものを使用するようにしている。
そして、本実施例のように、泥水排出ポンプ4の吐出量を泥水供給ポンプ3の吐出量よりも大きく設定することにより、噴射力に比べて周囲に与える影響が小さくなりやすい泥水排出ポンプ4の吸引力を大きい値に保持して、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置を通過することなく、より確実に吸引することができる。
【0025】
また、泥水供給ポンプ3の吸引口31を、泥水排出ポンプ4の吸引口41よりも上方に形成することが好ましい。
これにより、泥水供給ポンプ3の吸引口31にスライム等の異物が吸引させないようにすることができ、これによって、噴射ノズル20の目詰まりを防止することができる。
【0026】
ここで、泥水供給ポンプ3及び泥水排出ポンプ4の駆動源は、本実施例においては、個別のものとしているが、共通にすることもできる。
【0027】
また、本実施例においては、スライム処理装置1の装置本体の下部となる台座5内に、杭孔Hの底部の泥水を攪拌する攪拌羽根6を配設するようにしているが、これにより、スライム処理装置1の装置本体の下方の杭孔Hの底部に沈積するスライムを確実に浮遊させることができるものとなる。
そして、攪拌羽根6は、泥水排出ポンプ4の駆動軸を延出して形成した回転軸6aに取り付けることによって、泥水排出ポンプ4と連動して回転駆動するようにしているが、攪拌羽根6の駆動源として、別の駆動源を設けることもできる。
【0028】
ところで、本実施例において、泥水を泥水供給ポンプ3から接続管32を介して環状の泥水噴射管2に供給する泥水供給管21を、泥水噴射管2に対して鋭角の角度βをもって接続するようにしている。
泥水供給管21の泥水噴射管2に対する接続角度βは、好ましくは、45°以下、より好ましくは、30°以下(本実施例においては、約30°)に設定することが望ましい。
これにより、泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給する際の泥水圧の低下を低減することができ、これによって、噴射ノズル20から噴射される泥水の流速を高く維持することができるようにしている。
なお、本実施例において、泥水供給管21は、泥水噴射管2の内側から、泥水噴射管2と略同一平面内で接続するようにしているが、泥水噴射管2の上方や泥水噴射管2の内側の斜め上方から接続する(この場合、泥水供給管21及び接続管32が、平面視して、環状の泥水噴射管2の内側に位置するようにする。)ようにすることもできる。
【0029】
環状の泥水噴射管2に形成する噴射ノズル20は、泥水の噴出方向が、杭孔Hの底部の外周側に向くように、すなわち、水平面に対して角度θをなして泥水が噴出されるように形成するようにする。
水平面に対する角度θは、泥水噴射管2の直径と杭孔Hの底部の直径との関係に合わせて、適宜設定することができるが、通常、10°〜45°程度、泥水噴射管2の直径が1900mm、杭孔Hの底部の直径が4700mmである本実施例においては、30°程度に設定するようにする。
これにより、杭孔Hの底部に沈積する広範囲のスライムを吹き上げることができる。
【0030】
そして、泥水排出ポンプ4の吸引口41を、泥水噴射管2よりも上方に形成することにより、噴射ノズル20から噴出された泥水によって吹き上げられた杭孔Hの底部に沈積していたスライムが、杭孔の内周面に沿って上方へ向かう泥水の流れに乗って舞い上がり、泥水噴射管2よりも上方に形成した泥水排出ポンプ4の吸引口41から、当該泥水の流れによって集まったスライムを効率よく吸引できる。
特に、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置では泥水の流速が十分に低下しているため、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置を通過することなく、確実に吸引することができる。
【0031】
なお、泥水噴射管2の直径は、通常、杭孔Hの軸部径(本実施例においては、2100mm)に合わせて、可能な限り大きな径に設定することが好ましい。
また、噴射ノズル20は、泥水噴射管2に直接開口を形成して構成するほか、別途形成したノズルヘッド(図示省略)を配設して構成することもできる。
【0032】
また、泥水噴射管2に形成する噴射ノズル20の間隔(環状の泥水噴射管2の中心を基準にした角度間隔α)を、泥水供給管21の環状の泥水噴射管2に対する接続位置を基準として、泥水噴射管2に供給される泥水の流れFの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定するようにしているが、より具体的には、図2に示すように、噴射ノズル20を3個ずつを単位として、角度間隔α1、α2、α3、α4を、38°、33.5°、28°、20.5°にそれぞれ設定することにより、泥水圧が高い泥水の流れFの上流側の噴射ノズル20と泥水圧が低い泥水の流れFの下流側の噴射ノズル20から噴射される泥水量を杭孔Hの全周に亘って均一化することができるようにしている。
これにより、泥水を泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給するという簡単な構造のスライム処理装置1を用いながら、杭孔Hの底部に沈積するスライムを杭孔Hの全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させることができるものとなる。
【0033】
なお、本実施例においては、噴射ノズル20を3個ずつを単位として、角度間隔αを設定するようにしたが、例えば、図3(a)に示すように、噴射ノズル20を1個ずつ(又は2個以上の任意の個数)を単位として、角度間隔αを設定するようにすることもできる。
【0034】
また、図3(b)に示すように、泥水供給管21を、環状の泥水噴射管2に対して90°の角度をもって接続することもでき、この場合は、泥水供給管21の環状の泥水噴射管2に対する接続位置を基準として、泥水噴射管2の両側に分かれて供給される泥水の流れFの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定するようにする。
【0035】
次に、このスライム処理装置1による、杭孔Hの底部に沈積するスライムの除去工程について説明する。
【0036】
まず、アースドリルバケットによる掘削作業の終了後、作業機のウインチを操作して索条8の下端に吊り下げるようにして取り付けられたスライム処理装置1を、台座5が杭孔Hの底部に到達するまで降下させる。
【0037】
その後、スライム処理装置1の泥水供給ポンプ3及び泥水排出ポンプ4のモータを駆動する。
これにより、泥水供給ポンプ3によって、杭孔H内の底部より上方の泥水を吸引口31から吸引し、吸引した泥水を、接続管32及び泥水供給管21を介して、環状の泥水噴射管2に供給し、この泥水噴射管2に形成した複数の噴射ノズル20から杭孔Hの底部に向かって噴出させることによって、杭孔Hの底部、特に外周部(拡径部)に沈積しているスライムを泥水中に浮遊させるようにする。
【0038】
また、これと同時に、泥水排出ポンプ4の駆動軸を延出して形成した回転軸6aに取り付けられた攪拌羽根6を、泥水排出ポンプ4と連動して回転駆動することにより、スライム処理装置1の装置本体の下方の杭孔Hの底部に沈積するスライムを浮遊させるようにする。
【0039】
そして、浮遊したスライムを含む杭孔H内の底部の泥水を、泥水排出ポンプ4によって吸引口41から吸引し、排出管42を介して杭孔外に排出するようにする。
【0040】
この場合、スライム処理装置1を、3本以上の索条8を介して吊り下げるようにすることにより、噴射ノズル20から杭孔Hの底部の外周側に向けて噴射される泥水により生じる回転力の反力を索条8から得ることができ、スライム処理装置1が回転することを防止することができる。
【0041】
なお、本実施例においては、泥水噴射管2に供給する泥水に、杭孔H内の底部より上方の泥水を用いるようにしたが、杭孔外から別途供給される泥水、例えば、排出管42を介して杭孔外に排出したスライムを含む泥水を処理した泥水を用いることもできる。
【0042】
このようにして、杭孔Hの底部に沈積するスライムを杭孔外に排出し終えると、泥水供給ポンプ3及び泥水排出ポンプ4を停止し、作業機のウインチを操作して、索条8に吊り下げるようにして取り付けられたスライム処理装置1を引き上げて、スライム除去工程を終了する。
【0043】
以上、本発明のスライム処理装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のスライム処理装置は、簡単な構造のスライム処理装置を用いながら、杭孔の底部に沈積するスライムを杭孔の全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させて、吸引し、排出することができるという特性を有していることから、拡底させた杭孔の底部に沈積するスライムの除去の用途に好適に用いることができるほか、通常の杭孔の底部に沈積するスライムの除去の用途等にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 スライム処理装置
2 環状の泥水噴射管
20 噴射ノズル
21 泥水供給管
3 泥水供給ポンプ
31 吸引口
4 泥水排出ポンプ
41 吸引口
6 攪拌羽根
H 杭孔
α 角度間隔
β 接続角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泥水を泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給し、該泥水噴射管に形成した複数の噴射ノズルから杭孔の底部に向かって噴出させることによって杭孔の底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプを介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置において、前記泥水噴射管に形成する噴射ノズルの間隔を、泥水噴射管に供給される泥水の流れの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定したことを特徴とするスライム処理装置。
【請求項2】
泥水を泥水供給ポンプから環状の泥水噴射管に供給する泥水供給管を、泥水噴射管に対して鋭角の角度をもって接続したことを特徴とする請求項1記載のスライム処理装置。
【請求項3】
スライム処理装置の装置本体の下部に、杭孔の底部の泥水を攪拌する攪拌羽根を配設したことを特徴とする請求項1又は2記載のスライム処理装置。
【請求項4】
噴出ノズルから泥水を杭孔の底部の外周側に向かって噴出させるとともに、泥水排出ポンプの吸引口を、泥水噴射管よりも上方に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスライム処理装置。
【請求項5】
泥水排出ポンプの吐出量を泥水供給ポンプの吐出量よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスライム処理装置。
【請求項6】
泥水供給ポンプの吸引口を、泥水排出ポンプの吸引口よりも上方に形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスライム処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−157748(P2011−157748A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21176(P2010−21176)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000157289)丸五基礎工業株式会社 (11)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】