説明

スロットマシン、遊技装置及び遊技システム

【課題】 クレジット可能な規定数を超える分の遊技媒体の数量と、遊技媒体の出入数とを外部装置に管理させることで、スロットマシンで取得された遊技媒体の数量を明確に把握できるとともに、クレジット数を規定数まで上げる不正行為を確実に発見する。
【解決手段】 スロットマシン100の制御部は、クレジット数を監視し、入賞数の追加によってクレジット数が規定数を超えるときには、超過分のメダル数を示すメダル超過信号を出力部から台間装置10に出力し、入賞数の追加によって規定数を超える分のメダル数を、台間装置10に管理させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されているスロットマシンと、スロットマシンに併設される遊技装置及び遊技装置を管理する管理装置と、これらを備える遊技システムに関し、特に、クレジット可能な規定数を超える分の遊技媒体の数量を、外部装置に管理させるスロットマシンと、この外部装置として機能する遊技装置及び管理装置と、これらを備える遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止したリール上の図柄の組合せが入賞に係る図柄の組合せの場合、所定数の遊技媒体が払い出される遊技機である。
このようなスロットマシンは、投入した遊技媒体と払い出される遊技媒体とを規定数(例えば、メダル50枚)まで内部的に記憶するクレジット機能を備え、このクレジットされた遊技媒体は、ベットボタンを操作することによりゲームに投じる(掛ける)ことができるとともに、精算ボタンを操作することにより払い出すことができるようになっている。
また、払い出される遊技媒体によって規定数を超えるときには、この超過分の遊技媒体は、機外に直接払い出され、所定の受け皿に貯留されるようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−218892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のスロットマシンでは、受け皿にどの位の数量の遊技媒体が貯留されているのかを明確に把握することができなかった。
【0005】
また、近年、クレジット機能を悪用した以下のような不正行為が増加している。
例えば、先端部に発光素子が設けられた特殊な不正器具を、遊技媒体の投入口から挿入し、その先端部を遊技媒体を検出するセンサ(例えば、透過型フォトインタラプタ)まで到達させた後、発光素子の点滅によってセンサを誤作動させ、クレジット数を短時間で最大値(規定数、例えば、50枚)まで上げるという不正が知られている。
【0006】
このようなクレジット機能を悪用した不正は、発見が難しいだけでなく、クレジット数を最大値まで上げ、それをクレジット精算で払い出すという行為が繰り返されるので、大量のメダルが不正に窃取され、大きな被害を生じる可能性があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために提案されたもので、ゲームに掛ける遊技媒体を記憶するクレジット機能を有するスロットマシンにおいて、クレジット可能な規定数を超える分の遊技媒体を外部装置に管理させるとともに、当該スロットマシンにおける遊技媒体の出入数を外部装置に管理させることで、当該スロットマシンで取得された遊技媒体の数量を明確に把握できるとともに、上記の不正行為を確実に発見することができるスロットマシンと、外部装置として機能する遊技装置及び管理装置と、これらを備える遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、遊技媒体の投入される投入口と、前記投入口から投入された遊技媒体を機内へ導く投入通路と、投入された遊技媒体の真偽を所定の選別基準で選別して真遊技媒体のみを機内に導くとともに、偽遊技媒体と所定のゲーム状態中に投入された遊技媒体とを機外に排出する選別部と、ゲーム毎に入賞の当否を判定する入賞判定部と、入賞により付与する遊技媒体の数量を示す入賞数を設定する入賞数設定部と、前記投入口から投入された真遊技媒体及び入賞により付与される遊技媒体を規定数まで記憶するクレジット部と、前記クレジット部で記憶する遊技媒体の数量を示すクレジット数を表示するクレジット表示部と、外部から入力される遊技媒体の数量を示す数量情報にもとづいて遊技媒体の数量を記憶・管理するとともに、記憶した数量を表示し、記憶した数量までの遊技媒体を払い出し可能、及び/又は、記憶した遊技媒体の数量を示す情報を所定の記録媒体に記録して発行可能な所定の遊技装置に対して、前記数量情報を出力する出力部と、前記各部を制御してゲーム管理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記クレジット数を監視し、前記入賞数の追加によって前記クレジット数が前記規定数を超えるときには、超過分の遊技媒体の数量を示す超過数情報を前記出力部から前記遊技装置に出力し、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量を、前記超過数情報にもとづいて前記遊技装置に管理させる構成としてある。
【0009】
また、本発明の遊技装置は、上記のスロットマシンの出力部から前記超過数情報を入力する通信部と、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量を、前記超過数情報にもとづいて記憶・管理する演算処理部と、記憶した遊技媒体の数量を表示する表示部と、所定の入力操作にもとづいて記憶した数量までの遊技媒体の払い出しを行う払出部と、記憶した遊技媒体の数量を示す所定の情報を所定の記録媒体に記録して発行する発行部と、を備える構成としてある。
【0010】
また、本発明の遊技システムは、上記のスロットマシンと、上記の遊技装置と、この遊技装置から、前記超過数情報と、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量から前記払出部が払い出した遊技媒体の数量を示す払戻数情報とを受信し、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量と、前記払出部が払い出した遊技媒体の数量とを、受信した前記各情報にもとづいて記憶・管理する管理装置と、を備える構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスロットマシンと、遊技装置及び遊技システムによれば、クレジット可能な規定数を超える分の遊技媒体を遊技装置及び管理装置に管理させるとともに、スロットマシンにおける遊技媒体の出入数を遊技装置及び管理装置に管理させることで、スロットマシンで取得された遊技媒体の数量を明確に把握できるとともに、クレジット数を規定数まで上げる不正行為を確実に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン、遊技装置及び管理装置を含む遊技システムを模式的に示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシン及び遊技装置の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部を中心とした制御構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技装置の制御部を中心とした制御構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技システムを構成する各装置間において送受される遊技信号を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンから出力される超過数情報(メダル超過信号)の出力処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る遊技装置において実行させる不正判定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る管理装置の管理する記録媒体を特定可能な情報(コインID)と取得メダル数とを紐付けした図表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るスロットマシン、遊技装置及び管理装置、これらを備える遊技システムの好ましい実施形態について図1〜図9を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るスロットマシン100、遊技装置として機能する台間装置10及び管理装置として機能する持ち玉管理装置70は、複数の遊技機が設置される遊技場(ホール)に設けられ、本発明に係る遊技システムSを構成する装置の一部として組み込まれている。
具体的には、遊技システムSは、スロットマシン100、台間装置10、持ち玉管理装置70に加え、台コンピュータ30、島コンピュータ40、会員管理装置50、ホールコンピュータ60、景品交換装置80、現金貸玉管理装置90、精算機91などで構成され、これらは所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0014】
本実施形態に係る遊技システムSは、遊技者が予め預け入れた遊技媒体(以下、メダルという)を貯留遊技媒体(以下、貯メダルという)として管理するとともに、後日再来場した際に、その貯メダルで再プレイ可能な、いわゆる貯玉再プレイシステムとして構築され、会員管理装置50で管理する遊技者の予め預け入れた貯メダルを台間装置10において引き出して、これに併設されたスロットマシン100において貯メダル遊技を行うことができるようになっている。
また、予め預け入れた貯メダルがないときには、台間装置10に現金を投入することで、台間装置10から貸メダルが貸し出され、スロットマシン100において貸メダル遊技を行うことができる。
【0015】
スロットマシン100は、従来のスロットマシンと同様、遊技者がメダルを投入してスタートレバー104を操作することで、複数のリール121が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタン105が押下されることでリール121が停止し、停止したリール121上の図柄の組合せにより入賞の当否が決定されるスロットマシンでありながら、入賞による入賞メダルの払い出しは行われず、その代わりに、台間装置10に対して入賞メダルの数量を示すメダル超過信号(後述)を出力することで(図6参照)、入賞メダルを台間装置10から払い出し可能としてある。
【0016】
台間装置10は、本発明に係る遊技装置の一例であり、スロットマシン100毎に併設され、コンピュータ制御によりメダルを払い出す機能を備えており、スロットマシン100から入力されるメダル超過信号にもとづいて当該スロットマシン100における入賞メダル数を管理するとともに、遊技者による入力を受けて入賞メダル数を上限として入賞メダルを遊技者に払い戻すようになっている。
また、台間装置10は、入賞メダル数から遊技者に払い戻した分の払戻メダル数を管理するとともに、入賞メダル数から払戻メダル数を減算して入賞メダル数を更新する。
【0017】
台コンピュータ30及び島コンピュータ40は、それぞれスロットマシン100毎及び複数のスロットマシン100が取り付けられた遊技機島毎に設けられる情報中継処理装置であり、スロットマシン100と台間装置10と会員管理装置50とホールコンピュータ60の間で送受される情報を中継する。
【0018】
会員管理装置50は、遊技場に予め預け入れた貯メダルを遊技者(貯メダル会員)毎に管理する情報処理装置であって、貯メダルが台間装置10から引き出しされる毎に、預け入れられた貯メダル数から引出数を減算して貯メダル数を更新する。
【0019】
ホールコンピュータ60は、所定の遊技データを集計する情報処理装置であって、スロットマシン100及び台間装置10からの遊技信号(例えば、後述するボーナス信号(BB信号、RB信号)、メダル投入信号、メダル入賞信号、メダル貸出信号、貯メダル引出信号など)を収集して、スロットマシン100毎、スロットマシン100の特定の機種毎、遊技機島毎、遊技場全体における所定の遊技データ(例えば、総投入数、総入賞数、ボーナス発生確率、売上げ、粗利、割数など)を集計する。
【0020】
持ち玉管理装置70は、本発明に係る管理装置の一例であり、複数の台間装置10と接続され、各台間装置10で管理する入賞メダル数、払戻メダル数を、台間装置10毎に管理する情報処理装置である。
具体的には、持ち玉管理装置70は、各台間装置10からメダル超過信号とメダル払戻信号(後述)を受信して、台間装置10毎の入賞メダル数、払戻メダル数を記憶・管理する。また、入賞メダル数から払戻メダル数を減算して入賞メダル数を更新するとともに、各台間装置10からの要求に応じて、該当する台間装置10に現在の入賞メダル数、払戻メダル数を送信する。
さらに、持ち玉管理装置70は、台間装置10から送信されるICコイン82を特定可能な情報であるコインIDと入賞メダル数を含む後述の取得メダル数とを紐付けして記憶・管理し、景品交換装置80から送信されるコインIDを含む要求信号に応じて、このコインIDと紐付けされた取得メダル数を景品交換装置80に返信する。
【0021】
景品交換装置80は、取得メダル数に応じた景品との交換処理を行う情報処理装置であって、付設されたICコインリーダ81を介して取得メダル数を特定可能な情報(コインID)をICコイン82から読み込み、この取得メダル数とほぼ等価な価値を有する景品との決済処理を行う。
具体的には、景品交換装置80は、ICコインリーダ81によりICコイン82からコインIDを読み込むとともに、このコインIDを含む要求信号を持ち玉管理装置70に送信することで、持ち玉管理装置70からこのコインIDと紐付けされた取得メダル数を受信し、この受信した取得メダル数とほぼ等価な価値を有する景品との決済処理を行う。
【0022】
現金貸玉管理装置90は、各台間装置10に投入された現金の金額と、この台間装置10から貸し出された貸メダル数及び貸メダル数分を除いた残金とを、台間装置10毎に管理する情報処理装置であって、さらに、残金とコインIDとを紐付けして管理している。
【0023】
精算機91は、現金を遊技者に払い戻す現金払戻装置であり、投入されたICコイン82からコインIDを読取るとともに、現金貸玉管理装置90の管理するコインIDと残金とを紐付けした情報を参照して、読取ったコインIDに対応する残金を遊技者に払い戻す。
【0024】
このような遊技システムSにおいて、スロットマシン100は、入賞メダルによってクレジット可能な上限値を超えるときに、超過分の入賞メダル数を示すメダル超過信号を台間装置10に対して出力する。
台間装置10は、入力されたメダル超過信号にもとづいて、スロットマシン100で取得した入賞メダル数を記憶・管理するとともに、記憶した入賞メダル数を表示し、記憶した入賞メダル数までのメダルを遊技者に払い出すとともに、記憶した入賞メダル数とコインIDとを持ち玉管理装置70に出力し、ICコイン82を発行するようになっている。
また、持ち玉管理装置70は、台間装置10から入力される、メダル超過信号とメダル払戻信号とにもとづいて、台間装置10と接続されたスロットマシン100における入賞メダル数、払戻メダル数とを、各信号にもとづいて記憶・管理するようになっている。
以下、スロットマシン100と、台間装置10と、持ち玉管理装置70について詳述する。
【0025】
[スロットマシン]
スロットマシン100は、図2、図3に示すように、前扉101aの前面側に、クレジット数表示部102と、掛け数表示部102aと、スタートレバー104と、メダル投入口106と、精算ボタン106aと、BETボタン107と、複数の停止ボタン105(105a〜105c)と、メダル返却口108とを備え、また、前扉101aの後面側に、メダルセレクタ109を備え、さらに、筐体101bの内部に、ドラムユニット120と、制御部150と、移送通路111を備えている。
【0026】
メダル投入口106は、ゲームに掛けるメダルを受け入れる投入口である。スロットマシン100では、ゲームにメダルを掛ける方法として、ゲーム毎にメダル投入口106からメダルを投入する方法と、クレジット機能により内部にクレジットされたメダルをゲームに掛ける(ベットする)方法とがある。
クレジット機能は、メダル投入口106から投入された投入メダルや、入賞内容に応じて払い出される入賞メダルを、規定数(例えば、50枚)を上限として内部に記憶する機能であり、クレジットされたメダル数を示すクレジット数は、クレジット数表示部102に表示される。
【0027】
BETボタン107は、クレジットされたメダルをゲームに掛ける(ベットする)ための操作手段(スイッチ)であり、MAXBETボタン107aは、1回のゲームに掛けられる最大掛け数(例えば、3枚)を、1回の押下操作で掛けることができ、1BETボタン107bは、1回の押下操作につき1枚ずつメダルを掛けることができる。
【0028】
掛け数表示部102aは、1回のゲームに掛けられる投入メダル数を表示し、メダル投入口106から又はBETボタン107の操作によって、投入された投入メダル数を、最大掛け数(例えば、3枚)まで表示する。
また、上記のクレジット数は、入賞メダルのみならず、投入メダル数が最大掛け数までに達した後に投入された投入メダルによっても増加する。
【0029】
例えば、クレジット数は、投入メダル数が最大掛け数(3枚)に達した後に投入される投入メダルによって増加が始まり、メダルが1枚ずつ投入される度に1ずつカウントアップし、規定数となる50枚まで増加される。その結果、投入メダルは、実質的に53枚まで投入することができる。
なお、入賞時(リプレイ入賞を除く)に付与される入賞メダルは、掛け数に加えられることなくクレジット数に加算される。
【0030】
スタートレバー104は、メダルが掛けられた後に操作されるゲームスタート手段として構成され、スタートレバー104を操作すると、ドラムユニット120に設けられるリール121a〜121cの回転が開始されるとともに、制御部150において、ボーナス役、リプレイ役、小役、ハズレを含む複数の抽選対象から今回ゲームの当選内容を決定する内部抽選が行われる。
【0031】
停止ボタン105a〜105cは、リール121a〜121cと同数設けられている。これらの停止ボタン105a〜105cが押下されると、この押下タイミングと内部抽選の当選内容にもとづいて対応するリール121a〜121cの回転が停止制御され、停止した各リール121に表された図柄の組合せにより入賞又はハズレが決定される。
【0032】
メダル返却口108は、メダル投入口106から投入された投入メダルを遊技者に返却するためのメダルの排出口である。
メダルセレクタ109は、投入メダルが流下可能に傾斜する投入通路を形成しており、この投入通路において、投入メダルの真偽の選別と、経路の切り換えと、メダルの通過検出を行うように構成される。
【0033】
具体的には、投入メダルの真偽の選別は、例えば、メダルの径寸法を基準として行われ、適合しない径寸法の偽メダルは、受入口110aからシュート110内に取り込まれるとともに、メダル返却口108から排出され、真メダルのみを筐体101b内に導く。
経路の切り換えは、例えば、制御部150により駆動制御される電磁開閉機構(図示せず)により行われ、電磁開閉機構をオンにすると、投入メダルが筐体101b内へ導かれ、電磁開閉機構をオフにすると、投入メダルが受入口110aからシュート110内に取り込まれるとともに、メダル返却口108から排出される。この電磁開閉機構は、リール121の回転中においてオフされ、リール121の回転中に投入される投入メダルを、メダル返却口108から排出させる。
メダルの通過検出は、例えば、透過型や反射型のフォトインタラプタなどの光学センサを用いて行われ、この検出信号は制御部150に入力される。
【0034】
ドラムユニット120は、複数のリール121a〜121cと、モータ駆動回路(図示せず)と、複数のステッピングモータ(図示せず)と、リール位置検出部(図示せず)とを有している。
リール121a〜121cの外周面には、複数の図柄が描かれている。これらの図柄は、前扉101aの表示窓103を介して、遊技者に目視される。
【0035】
モータ駆動回路は、制御部150からのパルス信号にもとづき、ステッピングモータを駆動制御して、リール121a〜121cの回転を始動・停止させる。
リール位置検出部は、リール121a〜121cの回転が停止すると、このリール121a〜121cに記されたマーカにもとづいて、リール121a〜121cの回転停止位置を検出し、この検出により制御部150が停止図柄の組合せを判定する。
この図柄の組合せが予め設定された入賞に係る組合せのときには、制御部150は、入賞により付与する入賞メダル数を示すメダル入賞信号を台コンピュータ30に対して出力するとともに、この付与によりクレジット数がクレジット可能な規定数を超えるときには、台間装置10に対して、超過分の入賞メダル数を示すメダル超過信号をさらに出力する。
【0036】
移送通路111は、メダルセレクタ109により筐体101b内へ導かれた投入メダルを、台間装置10に移送するバイパス通路であり、投入メダルが流下可能な傾斜通路として形成されている。
流入口111aは、前扉101aを閉じた状態で、メダルセレクタ109の流出口109aと重なり、流出口111bは、筐体101b側面に形成された開口部に通じることで、併設される台間装置10に投入メダルを移送可能に構成されている。
【0037】
外部出力端子板130は、本発明に係る出力部の一例であり、制御部150で生成される各種の遊技信号を外部に出力する情報出力基板である。これらの遊技信号の出力形態は、いずれもスロットマシン100から外部装置に対して出力する単方向出力形態となっている。
このような外部出力端子板130から出力される遊技信号には、図6に示すように、メダル投入信号S1(投入数情報)、メダル入賞信号S2(入賞数情報)、BB信号S3、RB信号S4、メダル超過信号S5(超過数情報)、メダル精算信号S6(精算数情報)がある。
【0038】
制御部150は、クロック発生回路、乱数発生回路、外部出力回路などの各種回路や、CPU151、ROM152、RAM153などを有し、図4に示すように、CPU151が、メダルセレクタ109、スタートレバー104、停止ボタン105、BETボタン107、精算ボタン106aなどからの信号の入力を監視し、これらの入力信号にもとづいて、今回ゲームの当選内容を決定する内部抽選処理、ドラムユニット120のリール121の回転・停止制御を行うリール制御処理、停止した図柄の組合せから入賞の当否を判定する入賞判定処理、入賞により付与する入賞メダル数を設定する入賞メダル数設定処理、投入メダル及び入賞メダルを規定数まで記憶するクレジット処理、上記の遊技信号を生成して出力する信号出力処理などの遊技に係る各処理を実行することで、スロットマシン遊技を進行・管理するようになっている。
【0039】
ROM152には、CPU151が前記各処理を実行するためのプログラム及びデータが記憶されている。また、データには、入賞役ごとに付与される入賞メダル数が記憶されている。
RAM153は、遊技に係る各種のワークデータを記憶する。このワークデータには、クレジットされるメダル数を示すクレジット数153a、掛け数表示部102aに表示される掛け数も含まれる。
以下に、制御部150で実行される上記の各処理について説明する。
【0040】
例えば、内部抽選処理では、スタートレバー104の操作されたタイミングで乱数を取得するとともに、この乱数にもとづいてボーナス役(BB、RB)、リプレイ役、複数の小役、ハズレからなる複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選内容を決定する。
また、リール制御処理では、停止ボタン105a〜105cの押下操作を検出すると、この押下タイミングと内部抽選処理における当選内容にもとづいて、当選内容に対応する図柄の組合せで停止するように、回転するリール121a〜121cを停止制御する。
また、入賞判定処理では、停止した各リール121に表された図柄の組合せを識別し、入賞の当否を判定する。
【0041】
入賞メダル数設定処理では、停止した図柄の組合せが小役に対応する入賞と判定した場合に限り、付与する入賞メダル数を設定する。この設定では、例えば、RAM153の所定領域に入賞メダル数をセットする。
設定する入賞メダル数は、ROM152に記憶された小役の種類ごとの入賞メダル数を参照しながら、今回入賞した小役に係る入賞メダル数を設定する。
【0042】
クレジット処理では、クレジット数153aを監視しつつ、投入メダル数と入賞メダル数を、クレジット可能な上限値である規定数(50枚)まで加算しながらクレジット数153aを更新する。
また、入賞メダル数の加算により、クレジット数153aが規定数を超えるときには、超える分の入賞メダル数を示すメダル超過信号を生成する。
例えば、クレジット数153aが「47枚」であり、今回ゲームで新たに設定された入賞メダル数が「10枚」のときには、「3枚」をクレジット数153aに加算するとともに、「7枚」が超過分の入賞メダルとなることから、「7枚分」の入賞メダル数を示すメダル超過信号を生成する。
【0043】
また、信号出力処理では、前述の遊技信号を生成し、外部出力端子板130から出力する。
メダル投入信号S1は、ゲームに掛けられた投入メダル数をそのパルス数により示す信号であり、例えば、スタートレバー104が操作されたタイミングで生成され、台コンピュータ30に対して出力される。
メダル入賞信号S2は、入賞メダル数をそのパルス数により示す信号であり、RAM153に入賞メダル数が設定されたタイミングで生成され、台コンピュータ30に対して出力される。
なお、メダル入賞信号S2は、停止した図柄の組合せがリプレイ役に対応する入賞と判定した場合にも出力され、このときには、投入メダル数と同数のメダル数をそのパルス数により示す信号が出力される。
【0044】
BB信号S3、RB信号S4は、それぞれ停止した図柄の組合せがビッグボーナス役(BB)、レギュラーボーナス役(RB)に対応する入賞と判定された場合に出力開始となり、各ボーナスゲームが終了すると出力停止となる。これらの信号も台コンピュータ30に対して出力される。
【0045】
メダル精算信号S6は、クレジット数153aと掛け数とをそれぞれそのパルス数により示す信号であり、精算ボタン106aが操作されたタイミングで生成され、台間装置10に対して出力される。
【0046】
具体的には、メダル精算信号S6は、精算ボタン106aが操作されたタイミングにおけるクレジット数153aと掛け数の有無に応じて出力する内容が異なり、例えば、精算ボタン106aが操作されたタイミングで、クレジット数153aのみがある場合は、クレジット数153aをそのパルス数により示す信号として出力され、掛け数のみがある場合は、掛け数をそのパルス数により示す信号として出力される。
【0047】
一方、精算ボタン106aが操作されたタイミングで、クレジット数153aと掛け数の双方がある場合には、精算ボタン106aの最初の操作で、掛け数を示すメダル精算信号S6が出力され、その後、メダル投入口106からのメダルの投入、又はBETボタン107の操作がされることなく、続いて二回目の精算ボタン106aの操作により、クレジット数153aを示すメダル精算信号S6が出力される。
【0048】
これにより、ゲームに掛ける掛け数を変更したい場合、例えば、先にメダルを3枚投入して3枚掛けゲームを行おうとしたものの、これをキャンセルしてメダルを1枚投入して1枚掛けゲームに変更するような場合には、精算ボタン106aを1回操作して、掛け数をキャンセル(ゼロにする)するとともに、新たにBETボタン107(1BETボタン107b)を操作することで、掛け数を簡単に変更することができる。また、キャンセル分の掛け数は、台間装置10において、精算メダル数として記憶・管理される。
【0049】
なお、精算ボタン106aが操作されたタイミングで、クレジット数153aと掛け数とがある場合において、精算ボタン106aの最初の操作で、掛け数を示すメダル精算信号S6が出力され、その後、メダル投入口106からのメダルの投入、又はBETボタン107の操作がされたときには、続く二回目の精算ボタン106aの操作により、再び掛け数を示すメダル精算信号S6が出力される。
【0050】
メダル超過信号S5は、付与される入賞メダル数により規定数を超える分の入賞メダル数をそのパルス数により示す信号であり、上記のクレジット処理において、入賞メダル数の加算によりクレジット数153aが規定数を超えるときに生成され、台間装置10に対して出力される。
ここで、メダル超過信号S5を生成・出力するメダル超過信号出力処理について、図7を参照しながら、以下に説明する。
【0051】
まず、停止した図柄の組合せを識別することにより、入賞か否かを判定し(S1)、入賞でなければ(S1−No)、すなわちハズレのときは、処理を終了する。
一方、入賞のときは(S1−Yes)、さらに、入賞メダル数がゼロか否かの判定を行う(S2)。入賞メダル数がゼロの入賞には、例えば、ボーナス入賞やリプレイ入賞があり、入賞メダル数がゼロでない入賞には、小役入賞がある。
そして、入賞メダル数がゼロのとき(S2−Yes)、すなわち、ボーナス入賞やリプレイ入賞のときには、処理を終了する。
【0052】
一方、入賞メダル数がゼロでないとき(S2−No)、すなわち小役入賞のときには、クレジット数153aに、入賞メダル数となるまで、入賞メダルを1ずつ加算しながら、その和(クレジット数153a+入賞メダル1)と規定数(50)とを比較する(S3)。
規定数を超えるときには(S3−Yes)、1パルスのメダル超過信号を外部出力端子板130から出力するとともに(S4)、入賞メダル数に達した否かを判定し(S5)、入賞メダル数に達しないときには(S5−No)、入賞メダル数となるまで、メダル超過信号を1パルスずつ繰り返し出力する(S3,S4)。そして、入賞メダル数に達したときには(S5−Yes)、処理を終了する。これにより、規定数を超える分の入賞メダル数を示すメダル超過信号が台間装置10に対して出力されることになる。
【0053】
一方、規定数を超えないときには(S3−No)、さらに、入賞メダル数に達した否かを判定し(S5)、メダル数に達しないときには(S5−No)、入賞メダル数となるまで、繰り返しS3,S4又はS3,S5の各ステップを実行し、メダル数に達したときに(S5−Yes)、処理を終了する。
このようなメダル超過信号出力処理により、例えば、クレジット数153aが「47枚」であり、入賞メダル数が「10枚」のときは、S3の処理に次いでS5の処理を実行するループを「3回」繰り返した後、S3の処理に次いでS4とS5の処理を実行するループを「7回」繰り返して処理が終了され、その結果、超過分の入賞メダル数「7枚」を示す、「7パルス」のメダル超過信号が出力されることになる。
【0054】
[台間装置]
台間装置10は、図2に示すように、スロットマシン100毎に設置され、当該スロットマシン100の外部出力端子板130から出力される、メダル超過信号S5とメダル精算信号S6とを入力して、これらの入力にもとづいてスロットマシン100で取得した超過分の入賞メダルと精算メダルとをそれぞれ累計しながら記憶・管理するとともに、記憶した入賞メダル数と精算メダル数の合計数(以下、取得メダル数という)を表示し、また、遊技者による入力操作にもとづいて取得メダル数までのメダルの払い出しを行い、さらには、遊技者による精算操作にもとづいて取得メダル数とコインIDとを持ち玉管理装置70に出力し、ICコイン82を発行するようになっている。
このような動作を実現するために、台間装置10は、以下のように構成されている。
【0055】
具体的には、台間装置10は、図2及び図5に示すように、紙幣投入口11、紙幣識別部11a、貯メダル数表示部12、貯メダル引出ボタン12a、取得メダル数表示部13、取得メダル払戻ボタン13a、入力部14、会員カード挿入口15、会員カードリーダ15a、ICコイン投入口16a、ICコイン返却口16b、ICコインリーダ/ライタ16、精算ボタン17、メダル払出部18、ノズル18a、通信部19、報知部20、制御部21を備えている。
さらに、制御部21には、CPU22、ROM23、RAM24が設けられ、CPU151が、ROM23に記録されたプログラム及びデータにもとづいてRAM24をワーク領域として用いながら、上記各部を制御することで、前述の動作が実現されるようになっている。
【0056】
紙幣投入口11は、遊技者が予め遊技場に預け入れた貯メダルがない場合に、現金を対価として新たにメダルを貸し出すときに紙幣を投入する投入口であり、この投入された紙幣は、紙幣投入口11の内部に設けられた紙幣識別部11aにおいて金種及び真偽が識別されるとともに、RAM24においてその金額が記憶される。
また、この記憶された金額の範囲内において、入力部14に配置された貸出ボタンを操作することで、メダル払出部18が制御部21により駆動制御され、貸メダルがノズル18aから払い出されるようになっている。貸メダルは、投入金額1000円を一単位として払い出され、このとき払い出される貸メダル数は、1枚当りの貸メダル料金を20円とすると、50枚となっている。
【0057】
貯メダル数表示部12は、液晶ディスプレイからなり、遊技者が予め遊技場に預け入れた貯メダル数を表示し、この表示された貯メダル数の範囲内において、貯メダル引出ボタン12aを操作することで、メダル払出部18が制御部21により駆動制御され、貯メダルがノズル18aから払い出されるようになっている。
【0058】
取得メダル数表示部13は、液晶ディスプレイからなり、スロットマシン100で取得した超過分の入賞メダル数と精算メダル数とを合計した取得メダル数(精算メダル数がないときには、入賞メダル数のみ)を表示し、この表示された取得メダル数の範囲内において、取得メダル払戻ボタン13aを操作することで、メダル払出部18が制御部21により駆動制御され、取得メダルがノズル18aから払い出されるようになっている。
【0059】
入力部14は、前述の貸出ボタンや所定の文字情報等を入力可能なテンキーなどの操作ボタンを備え、貯メダルからの引き出しに際して会員カードを挿入した遊技者に対して要求されるパスワードを入力することができ、この入力されたパスワードは、下記の会員IDとともに通信部19を介して会員管理装置50に送信される。
【0060】
会員カード挿入口15は、遊技場が発行する会員カード(例えば、ICカード)を挿入する挿入口であり、会員カードを挿入すると、会員カード挿入口15の内部に設けられた会員カードリーダ15aにより貯メダル会員を特定可能な情報である会員IDが読取られるとともに、この会員IDは上記のパスワードとともに通信部19を介して会員管理装置50に送信される。
これを受信した会員管理装置50は、会員ID等の照合一致を条件として、当該会員IDに該当する貯メダル会員の貯メダル数を、台間装置10に返送する。これにより、送信された貯メダル数が貯メダル数表示部12に表示されるとともに、貯メダル引出ボタン12aを操作することで、貯メダルを引き出す(払い出す)ことができる。
また、挿入された会員カードは、精算ボタン17の操作にもとづいて、会員カード挿入口15から排出される。
【0061】
ICコイン投入口16aは、記録媒体の一例であるICコイン82を投入する投入口であり、ICコイン82を投入すると、ICコイン投入口16aの内部に設けられたICコインリーダ/ライタ16によりICコイン82から当該ICコイン82を特定可能な固有情報であるコインIDが読取られるようになっている。
本実施形態では、このコインIDがスロットマシン100で取得した超過分の入賞メダル数と精算メダル数とを合計した取得メダル数を特定可能な情報となっており、持ち玉管理装置70においてこのコインIDと取得メダル数とが関連付けられて記憶・管理されている。
【0062】
ICコイン返却口16bは、発行手段として動作し、ICコイン82を発行・返却する返却口であり、精算ボタン17の操作にもとづいて、ICコイン82がこのICコイン返却口16bから発行・返却される。
このとき、取得メダル数を、ICコインリーダ/ライタ16により記録媒体であるICコイン82に直接書き込むこともできるが、本実施形態では、コインIDと取得メダル数を、通信部19を介して持ち玉管理装置70に送信し、これらを持ち玉管理装置70に記憶・管理させるようになっている。
【0063】
精算ボタン17は、遊技の終了時に操作されるボタンで、これを操作することで、会員カード挿入口15に挿入された会員カードが排出されるとともに、取得メダル数がある場合には、ICコイン82がこのICコイン返却口16bから発行・返却される。
【0064】
メダル払出部18は、メダルを貯留するホッパーと、メダルを払い出す(送出する)モータと、払い出し数(送出数)をカウントするカウントセンサとを備え(いずれも不図示)、入力部14に配置された貸出ボタン、貯メダル引出ボタン12a、取得メダル払戻ボタン13aの操作にもとづいて払い出し動作を開始するとともに、所定数のメダル(例えば、50枚)をカウントすると動作を停止する。
すなわち、メダル払出部29は、これらのボタンが操作されると、RAM24に記憶された、金額、貯メダル数、取得メダル数の範囲内において所定数(50枚)単位でメダルを払い出すようになっている。
【0065】
このように、いずれのボタン14、12a、13aの操作によっても、一つの操作で、同数のメダルを一単位として払い出すこととしたのは、払い出したメダル数(50枚)を消化するまでのゲーム数をカウントするときの目安を同じにするためである。
つまり、遊技者は1000円の投入により貸し出される貸メダルを消化可能なゲーム数をカウントして、この回数を目安に、スロットマシンの設定確率を推測するので、1000円の投入により払い出される貸メダル数と同数を一単位としてメダルを払い出すことで、同じ目安で、消化可能なゲーム数をカウントすることができるからである。
【0066】
また、メダル払出部18から払い出されたメダルは、メダル払出部18を装置外につなぐメダルの誘導路として構成されたノズル18aを通じてスロットマシン100の受け皿に排出される。
また、上記のホッパーは、移送通路111の流出口111bと連通し、メダル投入口106から投入された投入メダルを貯留する。
これにより、外部から台間装置10にメダルを補給する必要がなくなることから、遊技場の店員による補給作業の軽減が図られる。
【0067】
通信部19は、図6に示すように、スロットマシン100の外部出力端子板130と、台コンピュータ30と、会員管理装置50と、持ち玉管理装置70と接続され、これらの装置間で以下の信号を送受する通信手段である。
【0068】
通信部19は、スロットマシン100との間では、スロットマシン100からメダル超過信号S5と、メダル精算信号S6とを入力する。
また、台コンピュータ30との間では、台コンピュータ30からは、メダル投入信号S1と、メダル入賞信号S2とを入力し、台コンピュータ30には、貸し出された貸出メダル数をパルス数で示すメダル貸出信号S7と、引き出された貯メダル数をパルス数で示すメダル引出信号S8とを出力する。
そして、台コンピュータ30に出力された信号は、後述の異常信号も含み、島コンピュータ40を介してホールコンピュータ60に入力される。
【0069】
また、会員管理装置50との間では、前述した、パスワード、会員ID、貯メダル数などの貯メダル会員に関する情報である貯メダル情報信号S9を送受する。
持ち玉管理装置70との間では、メダル超過信号S5と、メダル精算信号S6と、メダル払戻信号S10と、前述のコインID等の信号を送受する。
メダル払戻信号S10(払戻数情報)とは、取得メダル払戻ボタン13aの操作により払い出される払戻メダル数をパルス数により示す信号である。
【0070】
報知部20は、LED等の発光手段からなり(不図示)、後述の不正判定処理において異常と判定されたときに点灯して、外部に異常を報知する。
【0071】
このような構成からなる台間装置10において、制御部21(CPU22)が、演算処理部として機能することで、RAM24に設定されたワーク領域に各データを記憶・更新しながら、スロットマシン100で取得した超過分の入賞メダルと精算メダルとをそれぞれ記憶・管理するとともに、記憶した入賞メダル数と精算メダル数とを合計した取得メダル数を表示し、また、取得メダル払戻ボタン13aの操作にもとづいて取得メダル数までのメダルの払い出しを行い、さらには、精算ボタン17の操作にもとづいて取得メダル数とコインIDとを持ち玉管理装置70に出力するとともに、ICコイン82を発行するようになっている。
【0072】
具体的には、RAM24には、貸出メダル数24a、引出メダル数24b、投入メダル数24c、入賞メダル数24d、超過メダル数24e、払戻メダル数24f、精算メダル数24gが記憶され、制御部21は、貸メダルが貸し出される度にこのメダル数を貸出メダル数24aに加算して更新し、貯メダルが引き出される度にこのメダル数を引出メダル数24bに加算して更新し、メダル投入信号S1が入力される度にこのパルス数を投入メダル数24cに加算して更新し、メダル入賞信号S2が入力される度にこのパルス数を入賞メダル数24dに加算して更新し、メダル超過信号S5が入力される度にこのパルス数を超過メダル数24eに加算して更新し、取得メダルからの払い戻しがある度にこのメダル数を払戻メダル数24fに加算して更新し、メダル精算信号S6が入力される度にこのパルス数を精算メダル数24g加算して更新する。
【0073】
さらに、制御部21は、超過メダル数24eと精算メダル数24gとを加算して取得メダル数を算出するとともに、この取得メダル数を取得メダル数表示部13に表示させる。
このとき、精算メダル数24gがないときには(メダル精算信号S6が入力されず、精算メダル数24gがゼロのとき)、超過メダル数24eを取得メダル数として取得メダル数表示部13に表示させる。
【0074】
また、払戻メダル数24fがあれば、取得メダル数から払戻メダル数24fを減算して取得メダル数を更新し、この更新した取得メダル数を取得メダル数表示部13に表示させる。
また、制御部21は、取得メダル払戻ボタン13aの操作を検出すると、メダル払出部18を駆動制御して、取得メダル数表示部13に表示されている取得メダル数までの払い出しをメダル50枚単位で行なわせる。
【0075】
また、制御部21は、精算ボタン17の操作を検出すると、会員カードが会員カード挿入口15に挿入されているときには、会員IDとともに取得メダル数を会員管理装置50に送信して、取得メダル数を貯メダルとして会員管理装置50に記憶・管理させるとともに、会員カードを排出する。
一方、会員カードが会員カード挿入口15に挿入されていないときには、コインIDとともに取得メダル数を持ち玉管理装置70に送信して、コインIDと取得メダル数とを紐付けして持ち玉管理装置70に記憶・管理させるとともに、ICコイン82をICコイン返却口16bから発行する。
【0076】
さらに、制御部21は、上記の各メダル数24a〜24gに対して所定の演算処理を行なうことで、所定の異常を判定する。
具体的には、投入メダル24cと、超過メダル数24eと、精算メダル数24gとを加算した第一の合計メダル数を算出するとともに、貸出メダル数24aと、引出メダル数24bと、入賞メダル数24dと、払戻メダル数24fとを加算した第二の合計メダル数を算出し、投入メダル数24c又は精算メダル数24gを更新する度に、第一の合計メダル数と第二の合計メダル数とを比較し、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じときに、不正行為に係る所定の異常と判定する。
【0077】
これは、第一の合計メダル数の加算要素となる投入メダル、超過メダル、精算メダルは、第二の合計メダル数の加算要素となる貸出メダル、引出メダル、入賞メダル、払戻メダルにもとづいて取得されるメダルであることから、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいことはあり得ないからである。また、超過メダル数24eには、リプレイ入賞に係る入賞メダル数が含まれないとともに、入賞メダル数24dにはリプレイ入賞に係る入賞メダル数が含まれるので、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数と同じとなることもあり得ないのである。
【0078】
しかしながら、このようなあり得ないことが起こる事象として、以下のような不正行為等に係る異常が想定できる。
例えば、スロットマシン間の台移動を禁止している遊技場では、あるスロットマシンで取得した取得メダルを、他のスロットマシンで使用すると、この他のスロットマシンでは、貸出メダルがないにもかかわらず投入メダルが発生することにより、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じになることがある。
【0079】
また、先端部に発光素子が設けられた特殊な不正器具をメダル投入口106から挿入し、その先端部を遊技媒体を検出するセンサ(例えば、透過型フォトインタラプタ)まで到達させた後、発光素子の点滅によってセンサを誤作動させ、クレジット数153aを短時間で規定数まで上げ、これにもとづいて精算メダル数24gが増加したときには、入賞メダルがないにもかかわらず精算メダルが発生することにより、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じになることがある。
【0080】
そこで、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じになるか否かを判定することで、上記のような不正行為等に係る所定の異常を判定することができる。
このような不正行為に係る異常の判定は、制御部21が実行する不正判定処理において行なわれる。ここで、不正判定処理について、図8を参照しながら、以下に説明する。
【0081】
制御部21は、電源が投入されるまで処理待ち状態であり(S11−No)、電源が投入されると(S11−Yes)、上記の各メダル数24a〜24gの値を初期化(ゼロクリア)する(S12)。
その後、スロットマシン100又は台コンピュータ30からの上記各信号の入力又は自らの払い出し動作による、各メダル数24a〜24gの値の変化を監視し(S13)、変化がないときには、待ち状態となり(S13−No)、変化があると(S13−Yes)、そのメダル数24a〜24gの値を更新する(S14)。
【0082】
その変化の中で、メダル投入信号S1又はメダル精算信号S6の受信により、投入メダル数24c又は精算メダル数24gが変化(更新)したか否かを判定し(S15)、これらの値の変化(更新)がなければ(S15−No)、各メダル数24a〜24gの値の監視、及び更新を繰り返す(S13,S14)。
一方、投入メダル数24c又は精算メダル数24gが変化(更新)したときには、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じか(24c+24e+24g≧24a+24b+24d+24f)否かを判定し(S16)、大きい又は同じときには(S16−Yes)、異常とみなし、報知部20(LED)を点灯制御して外部に異常を報知する(S19)。
【0083】
さらに、このときには、通信部19からホールコンピュータ60に異常信号を出力する(S20)。次いで、入力部14からの解除入力待ちとなり(S21−No)、解除入力があると(S21−Yes)、異常報知や異常出力が解除されるとともに、S12に移行し、その後の処理を繰り返す。
なお、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じか否かを判定するタイミングを、投入メダル数24c又は精算メダル数24gが変化(更新)したときとしたのは、クレジット機能を悪用した不正行為では、不正に取得したメダルを、スロットマシンの精算ボタン106aを操作して獲得するか、又は、遊技に投入するかのいずれかであるため、これらの行為が数値として直ちに現れる投入メダル数24c又は精算メダル数24gの変化を監視することで、不正行為を迅速に判定できるからである。
【0084】
一方、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より小さいときには(S16−No)、正常と判定し、精算ボタン17の操作によりICコイン、又は会員カードが排出され、かつ、これらの排出から所定時間経過したか否かの判定を行う(S17)。つまり、この判定により、遊技の終了か否かを判定する。ICコイン、又は会員カードが排出され、かつ、排出から所定時間経過していないときには(S17−No)、未だ遊技中であると判定して、S13に移行し、その後の処理を繰り返す。
ICコイン、又は会員カードが排出され、かつ、排出から所定時間経過したときには(S17−Yes)、遊技の終了と判定して、各メダル数24a〜24gの値をクリア(初期化)するとともに(S18)、処理を終了する。
【0085】
このような不正判定処理を制御部21が実行することにより、スロットマシン間の台移動を禁止している遊技場では、台移動によるメダルの持ち込みを確実に発見できるとともに、先端部に発光素子が設けられた特殊な不正器具をメダル投入口106から挿入し、クレジット数153aを不正に増加させる行為を確実に発見することができる。
【0086】
なお、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数より大きいか又は同じか否かの判定に際して、条件成立後ただちに異常と判定するのではなく、一定の許容数を超えたタイミングで、異常と判定することもできる。
例えば、第一の合計メダル数が第二の合計メダル数に許容数(例えば、50)を加算した値を超えたときにはじめて異常と判定させることもできる。
この許容数は、判定誤差を吸収するためのもので、クレジット機能を悪用した不正行為では、一度に50枚のメダルが窃取されることから、許容数を50以上としておくことで判定精度を向上させることができる。
【0087】
[持ち玉管理装置]
持ち玉管理装置70は、複数の台間装置10と接続され、各台間装置10からメダル超過信号と、メダル精算信号と、メダル払戻信号とを受信して、台間装置10毎の超過分の入賞メダル数、精算メダル数、払戻メダル数を累計しなから記憶・管理するとともに、入賞メダル数と精算メダル数とを合計して取得メダル数を算出する。さらに、取得メダル数から払戻メダル数を減算して取得メダル数を更新する。
また、各台間装置10からの要求に応じて、該当する台間装置10に現在の入賞メダル数、払戻メダル数、取得メダル数を送信する。
【0088】
さらに、持ち玉管理装置70は、図9に示すように、台間装置10から送信されるICコイン82を特定可能な情報であるコインIDと取得メダル数とを紐付けして記憶・管理し、景品交換装置80から送信されるコインIDを含む要求信号に応じて、このコインIDと紐付けされた取得メダル数を景品交換装置80に返信する。
これにより、景品交換装置80において、付設されたICコインリーダ81を用いてICコイン82からコインIDを読み込むとともに、このコインIDを含む要求信号を持ち玉管理装置70に送信することで、持ち玉管理装置70からこのコインIDと紐付けされた取得メダル数を受信し、この受信した取得メダル数とほぼ等価な価値を有する景品との決済処理を行うことができる。
【0089】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン100によれば、クレジット可能な規定数を超える分の入賞メダル数を外部装置として機能する台間装置10及び管理装置として機能する持ち玉管理装置70に管理させるとともに、当該スロットマシン100におけるメダルの出入数を台間装置10に管理させることで、当該スロットマシン100で取得された取得メダル数を明確に把握できるとともに、所定の不正行為を確実に発見することができる。
【0090】
以上、本発明のスロットマシンと、遊技装置及び管理装置と、これらを備える遊技システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスロットマシン、遊技装置及び管理装置、遊技システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、スロットマシン100に遊技媒体を払い出す払出装置及び遊技媒体を貯留するホッパーを設けていないが、従来のスロットマシンと同様に払出装置とホッパーを設けることもできる。
また、スロットマシン100からメダル超過信号とメダル精算信号とを出力したが、メダル超過信号のみ出力し、クレジットメダルは、精算ボタン106aの操作により、スロットマシン100に備える払出装置から払い出すこともできる。
また、本実施形態では、メダル投入口106から投入された投入メダルを台間装置10に移送したが、スロットマシン100の設置されている遊技機島に排出することもできる。
【0091】
また、本実施形態では、遊技装置及び管理装置に管理させるメダルを、入賞メダルに限定したが、投入メダルをこれらの装置に管理させることもできる。
すなわち、本実施形態では、規定数を超える分のメダルとして入賞メダルに限り、メダル超過信号を生成・出力したが、入賞メダルに加え、メダル投入口106から投入される投入メダルにより規定数を超えるときに、その超える分の投入メダル数を示すメダル超過信号を生成・出力するとともに、台間装置10及び持ち玉管理装置70に、これを取得メダルとして管理させることもできる。
【0092】
また、本実施形態では、取得メダル数をICコイン82のコインIDと紐付けして持ち玉管理装置70において間接的に管理させたが、台間装置10において取得メダル数をICコイン82に直接書き込み、この書き込んだ取得メダル数を景品交換装置80においてICコインリーダ81により直接読み込み、所定の景品交換処理を行なうことができる。
また、記録媒体は、ICコインに限らず、ICカード、磁気カード、取得メダル数を直接印刷したレシート等の記録紙でもよい。
【0093】
また、本実施形態では、台間装置10を本発明の係る遊技装置として機能させたが、例えば、台コンピュータ30、島コンピュータ40、ホールコンピュータ60、又はスロットマシン毎に設置される呼出ランプを遊技装置として機能させることもできる。
この場合、メダルの払い出しのみを台間装置10に行なわせ、その他の機能、例えば、取得メダルの管理、不正行為に係る異常の判定等を、台コンピュータ30、島コンピュータ40、ホールコンピュータ60、呼出ランプのいずれかに行なわせ、又はこれらの機能を各装置に分散させることもできる。
【0094】
また、本実施形態では、遊技場に予め預け入れた貯メダルの管理を、会員管理装置50に行なわせ、取得メダルの管理を、持ち玉管理装置70に行なわせたが、これらの管理をいずれか一つの管理装置で行なわせることもできる。
【0095】
また、本実施形態では、台間装置10(遊技装置)をメダル貸出装置として動作させたが、メダル貸出装置を別体に設け、台間装置10(遊技装置)がこの別体のメダル貸出装置からメダル貸出信号を受信する構成とすることもできる。
また、本実施形態では、台間装置10(遊技装置)から貯メダルを引き出し可能に構成したが、貯メダル引出装置を別体に設け、台間装置10(遊技装置)がこの別体の貯メダル引出装置から貯メダル引出信号を受信する構成とすることもできる。
【0096】
また、本実施形態では、メダル払出部18から払い出されるメダルを、ノズル18aを介してスロットマシン100の受け皿に誘導したが、メダル払出部18から払い出されるメダルを貯留する受け皿を台間装置10の下部に設けることもできる。
【0097】
また、本実施形態では、精算ボタン106aが操作されたタイミングで、クレジット数153aと掛け数の双方がある場合には、精算ボタン106aの最初の操作で、掛け数を示すメダル精算信号S6を出力し、その後、メダル投入口106からのメダルの投入、又はBETボタン107の操作がされることなく、続く二回目の精算ボタン106aの操作により、クレジット数153aを示すメダル精算信号S6を出力したが、精算ボタン106aの一回の操作で、掛け数とクレジット数153aとを合計した数量を示すメダル精算信号S6を出力することもできる。
具体的には、例えば、掛け数が3枚であり、クレジット数153aが50枚のときに、精算ボタン106aを操作すると、53枚のメダル数を示すパルス信号を一度に出力することもできる。
【0098】
また、本実施形態では、精算ボタン106aの操作順序に応じて、出力内容を変化させたが、操作態様の違いにより、出力内容を変化させることもできる。例えば、精算ボタン106aの1秒以上の長押しで、掛け数とクレジット数153aとを合計した数量を示すメダル精算信号S6を出力し、1秒未満の短押しで、掛け数のみを示すメダル精算信号S6を出力することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、規定数までクレジット可能なスロットマシン、これに併設され遊技媒体を払い出す機能を有する遊技装置、この遊技装置を管理する管理装置、及びこれらを備える遊技システムに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 台間装置(遊技装置)
13 取得メダル数表示部(表示部)
16 ICコインリーダ/ライタ(発行部)
16b ICコイン返却口(発行部)
18 メダル払出部(払出部,貯留部)
19 通信部
21 制御部(演算処理部)
70 持ち玉管理装置(管理装置)
100 スロットマシン
102 クレジット数表示部
102a 掛け数表示部
106 メダル投入口(投入口)
109 メダルセレクタ(投入通路,選別部)
111 移送通路(移送部)
130 外部出力端子板(出力部)
150 制御部(入賞判定部,入賞数設定部,クレジット部)
S1 メダル投入信号(投入数情報)
S2 メダル入賞信号(入賞数情報)
S5 メダル超過信号(超過数情報)
S6 メダル精算信号(精算数情報)
S7 メダル貸出信号(貸出数情報)
S8 貯メダル引出信号(引出数情報)
S10 メダル払戻信号(払戻数情報)
S 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入される投入口と、
前記投入口から投入された遊技媒体を機内へ導く投入通路と、
投入された遊技媒体の真偽を所定の選別基準で選別して真遊技媒体のみを機内に導くとともに、偽遊技媒体を機外に排出する選別部と、
ゲーム毎に入賞の当否を判定する入賞判定部と、
入賞により付与する遊技媒体の数量を示す入賞数を設定する入賞数設定部と、
前記投入口から投入された真遊技媒体及び入賞により付与される遊技媒体を規定数まで記憶するクレジット部と、
前記クレジット部で記憶する遊技媒体の数量を示すクレジット数を表示するクレジット表示部と、
外部から入力される遊技媒体の数量を示す数量情報にもとづいて遊技媒体の数量を記憶・管理するとともに、記憶した数量を表示し、記憶した数量までの遊技媒体を払い出し可能、及び/又は、記憶した遊技媒体の数量を特定可能な情報を記録した所定の記録媒体を発行可能な所定の遊技装置に対して、前記数量情報を出力する出力部と、
前記各部を制御してゲーム管理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記クレジット数を監視し、
前記入賞数の追加によって前記クレジット数が前記規定数を超えるときには、超過分の遊技媒体の数量を示す超過数情報を前記出力部から前記遊技装置に出力し、
前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量を、前記超過数情報にもとづいて前記遊技装置に管理させる
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記真遊技媒体として機内に導かれた遊技媒体を、前記遊技装置に移送する移送部を備え、前記移送部を介して真遊技媒体を遊技装置に貯留させることを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記制御部は、
遊技媒体の精算に係る所定の入力操作の検出にもとづいて、前記クレジット数、及び/又は、1回のゲームに掛ける遊技媒体の数量となる掛け数を示す精算数情報を出力部から前記遊技装置に出力して、当機の精算時における遊技媒体の数量を、前記精算数情報にもとづいて前記遊技装置に管理させるとともに、
前記入力操作の検出タイミングで、前記クレジット数と前記掛け数の双方がある場合において、
最初の前記入力操作を検出したタイミングで、前記掛け数を示す精算数情報を出力し、
その後、前記投入口からの遊技媒体の投入又は前記掛け数を設定する所定のベット操作がされることなく、二回目の前記入力操作を検出したタイミングで、前記クレジット数を示す精算数情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のスロットマシン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシンの出力部から前記超過数情報を入力する通信部と、
前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量を、前記超過数情報にもとづいて記憶・管理する演算処理部と、
記憶した遊技媒体の数量を表示する表示部と、
所定の入力操作にもとづいて記憶した数量までの遊技媒体の払い出しを行う払出部と、
記憶した遊技媒体の数量を特定可能な情報を記録した所定の記録媒体を発行する発行部と、を備える
ことを特徴とする遊技装置。
【請求項5】
前記払出部は、
前記スロットマシンから移送される前記真遊技媒体を貯留する貯留部を備えることを特徴とする請求項4記載の遊技装置。
【請求項6】
前記通信部は、
前記クレジット数、及び/又は、1回のゲームに掛ける遊技媒体の数量となる掛け数を示す精算数情報と、
前記スロットマシンに投入された遊技媒体の数量を示す投入数情報と、
前記入賞数を示す入賞数情報と、を前記出力部から入力し、
所定の遊技媒体貸出装置から貸し出された遊技媒体の数量を示す貸出数情報、及び/又は、遊技者が遊技場に予め預け入れた貯遊技媒体からの引き出し数を示す引出数情報を取得し、
前記演算処理部は、
前記投入数情報と、前記超過数情報と、前記精算数情報とから、これらの情報の示す遊技媒体の数量をそれぞれ加算した第一の合計数量を算出するとともに、
前記入賞数情報と、前記貸出数情報と、前記引出数情報と、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量及び前記精算数情報の示す遊技媒体の数量から前記払出部が払い出した遊技媒体の数量を示す払戻数情報とから、これらの情報の示す遊技媒体の数量をそれぞれ加算した第二の合計数量を算出し、
前記投入数情報又は前記精算数情報を受信する度に、第一の合計数量と第二の合計数量とを比較し、
第一の合計数量が第二の合計数量より大きいときに、不正行為に係る所定の異常を判定することを特徴とする請求項4又は5記載の遊技装置。
【請求項7】
前記払出部は、
投入金額にもとづいて遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置が所定の投入金額を対価として貸し出す遊技媒体の数量と同数の遊技媒体を一単位として、一回の入力操作により払い出す請求項4〜6のいずれか一項に記載の遊技装置。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシンと、
請求項4〜7のいずれか一項に記載の遊技装置と、
前記遊技装置から、前記超過数情報と、前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量から前記払出部が払い出した遊技媒体の数量を示す払戻数情報とを受信し、
前記入賞数の追加によって前記規定数を超える分の遊技媒体の数量と、前記払出部が払い出した遊技媒体の数量とを、受信した前記各情報にもとづいて記憶・管理する管理装置と、を備える
ことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−217456(P2012−217456A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82462(P2011−82462)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】