説明

ズーム機構保護装置及びズーム機構保護プログラム

【課題】電気的にズームモータ動作の異常を検出してズーム機構を保護する。
【解決手段】リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないよう、電流検出回路部36や位置検出回路48を設けて、電流検出回路部36や位置検出回路48の値から異常操作が検出されると、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させる。これにより、操作を中断させることなく、ズーム機構部16の保護でき、カメラマンに対する積極的に支援できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズーム機構保護装置及びズーム機構保護プログラムに係り、特に、ビデオカメラ用レンズのズーム機構保護装置及びズーム機構保護プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドヘルド・テレビカメラ用レンズは、ズーム機能を備えていることが一般的であり、そのためにズーム機構を具備している。このズーム機構には、手動操作用と電動モータの動作による電動操作用の機械的切り替えと、ズームモータのオフ時の回路切断用リレーが使われおり、手動モードと電動モードでの使用を明確に切り分けている。
【0003】
このようなテレビカメラ用レンズでは、カメラマン等の操作者の操作性向上や、ズーム機構の保護が必要である。
【0004】
特許文献1には、レンズ交換式のカメラシステムが開示されている。この文献では、ズームモータへの電力供給が異常か否かを検知し、異常を検知したときにズームモータへの電力供給を遮断している。
【0005】
また、特許文献2には、ズームモータの回転速度を可変にするため、感圧抵抗を設けて感圧力に応じてモータ駆動回路への給電を制御する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、フォーカス環の回動抵抗について、オートフォーカス時よりマニュアルフォーカス時の手動操作時の操作感を、機械的回動抵抗により得る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−171017号公報
【特許文献2】特開平1−259312号公報
【特許文献3】特開平8−334674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、大型のテレビカメラ用レンズでは、カメラマン等の操作者が電動モードで電動操作中にズームレバーに何らかの外圧を加えてしまったり、意図的に手動ズームレバーを操作し、モータロック、手動反転、正転動作を行う場合がある。この場合、電力供給異常による対応は困難であった。このような過酷な取り扱いに対してズーム機構を保護するために、モータ・ギヤヘッドにメ力的なスリップ機構を備えたギヤヘッドを採用したり、ズームレバー部の強度を確保したりすることで、コスト高になったり複雑な設計が要求されていた。
【0009】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、電気的にズームモータ動作の異常を検出してズーム機構を保護することができるズーム機構保護装置及びズーム機構保護プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明のズーム機構保護装置は、ズームモータを有するズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出手段と、前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出手段と、前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出手段と、前記ズームモータと直列に接続したスイッチ回路と、前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御手段と、を備えている。
【0011】
この発明によれば、ズームモータの駆動電流、ズーム位置が所定範囲を超えときに異常操作としてズームモータに直列接続したスイッチ回路を一定時間オフさせる構成としたため、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、前記ズーム機構は、前記ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたことを特徴とする。
【0013】
大型ビデオカメラ用レンズはズーム機構として、ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されている場合が多い。このようなカメラ用レンズでは、ズーム機構の電動動作中に操作者が意図的に手動操作を介在させると、電動動作中のために操作者が違和感を感じてしまう。そこで、ズームモータの駆動電流、ズーム位置が所定範囲を超えときに異常操作としてズームモータに直列接続したスイッチ回路を一定時間オフさせる構成とすることで、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できることに加え、操作者の操作を中断させることがなく、違和感を抑えつつ操作を継続させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記電流検出手段は、前記ズームモータの順方向のモーター電流を検出し、前記異常検出手段は、予め設定されたモーター電流以上の値を一定時間検出した場合に異常操作として検出することを特徴とする。
【0015】
ズームモータを駆動させているときは、ズームモータが順方向に回転しているので、そのモーター電流を検出することで、ズーム機構に付与される過大な付与力を検知でき、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、前記電流検出手段は、前記ズームモータの逆方向のモーター電流を検出し、前記異常検出手段は、予め設定されたモーター電流以上の値を一定時間検出した場合に異常操作として検出することを特徴とする。
【0017】
ズームモータを駆動させているときに逆のズーム操作を行おうとすると、ズームモータは逆方向に回転するので、そのモーター電流を検出することで、ズーム機構に付与される過大な付与力を検知でき、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、前記異常検出手段は、前記位置検出手段の検出値に基づいて、前記ズーム機構の動作中に該ズーム機構の動作として予め定めた許容範囲を超えた所定時間の位置変化を検出することにより異常操作を検出することを特徴とする。
【0019】
ズームモータを駆動させているとき、ズームモータは指示に従って回転しているので、そのズーム位置を検出することで、指示から逸脱したズーム機構に付与される過大な付与力を検知でき、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、前記異常検出手段は、前記位置検出手段の検出値に基づいて、ズーム位置について逆方向の所定距離の移動を検出した場合に、異常操作として検出することを特徴とする。
【0021】
ズームモータ駆動中に逆のズーム操作を行おうとすると、ズーム位置は逆方向になるので、そのズーム位置を検出することで、ズーム機構に付与される過大な付与力を検知でき、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、前記スイッチ回路に、所定値の抵抗を並列接続した抵抗手段を更に備えたことを特徴とする。
【0023】
ズームモータに直列接続したスイッチ回路をオフさせると、ズーム機構を手動操作しようとする場合、トルクが極端に小さくなる。そこで、スイッチ回路に抵抗を並列接続することで、ズーム機構にトルクを付与することができ、操作の違和感を軽減できる。
【0024】
請求項8に記載の発明では、前記抵抗手段は、前記ズームモータ停止時に、ズーム機構の自重による変動で生じるズームモータの電力を相殺するように設定された抵抗値の抵抗であることを特徴とする。
【0025】
大型ビデオカメラ用レンズのズーム機構は、大型になりがちであり、ズーム機構自体が一定の重量を有することになる。このため、スイッチ回路をオフした場合、ズーム機構の重量によるトルクがズーム機構非動作時のトルクを超えてしまい、ズーム機構が自然動作してしまう場合がある。そこで、ズーム機構の自重による変動で生じるズームモータの電力を相殺するように設定された抵抗値の抵抗をスイッチ回路に並列接続することで、ズーム機構の自重による動作を抑制できる。
【0026】
請求項9に記載の発明のズーム機構保護方法は、直列にスイッチ回路が接続されたズームモータを有し該ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出工程と、前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出工程と、前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出工程と、前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御工程と、を含む。
【0027】
請求項9に記載の発明のズーム機構保護プログラムは、直列にスイッチ回路が接続されたズームモータを有し該ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出ステップと、前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出ステップと、前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出ステップと、前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御ステップと、の各ステップをコンピュータに実行させるズーム機構保護プログラムである。
【0028】
請求項10に記載の発明のズーム機構保護プログラムは、ズーム機構の自重による変動で生じるズームモータの電力を相殺するように設定された所定値の抵抗を並列接続したスイッチ回路が直列に接続されたズームモータを有し該ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出ステップと、前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出ステップと、前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出ステップと、前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御ステップと、の各ステップをコンピュータに実行させるズーム機構保護プログラムである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ズームモータの駆動電流、ズーム位置が所定範囲を超えときに異常操作としてズームモータに直列接続したスイッチ回路を一定時間オフさせる構成としたため、ズーム機構に対する外部からの負荷付与からズーム機構を保護できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施形態に係るズーム機構保護装置の概略ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るズーム機構保護処理のフローチャートである。
【図3】モータ電流と検出電圧の関係を示す特性図である。
【図4】第2実施形態に係るズーム機構保護処理のフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係るズーム機構保護装置におけるタイムチャートである。
【図6】第3実施形態に係るズーム機構保護処理のフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係るズーム機構保護装置におけるタイムチャートである。
【図8】第4実施形態に係るズーム機構保護装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0032】
(第1実施形態)
【0033】
図1に、本実施形態に係るズーム機構保護装置10の概略ブロック図を示した。ズーム機構保護装置10は、モータ駆動回路部12、制御回路部14、ズーム機構部16、電流帰還回路部22、スイッチ回路部28、及び電流検出回路部36を含んで構成されている。
【0034】
制御回路部14は、CPUを含むコンピュータ構成とされており、後述する処理を実行するためのプログラムが記憶されている。また、この制御回路部14には、図示しない大型テレビカメラ用レンズに具備された電動ズームスイッチ54からの動作速度指示量が入力されるように、電動ズームスイッチ54が接続されている。また、図示しない大型テレビカメラ用レンズには手動ズームレバー52が具備されており、図示しない大型テレビカメラ用レンズに具備された光学系50について手動にてズーム操作ができるようになっている。この光学系50は、ズーム機構部16によって電気的にズーム操作が可能に構成されている。すなわち、光学系50は、ズーム機構部16による電動モード及び手動ズームレバー52による手動モードの双方にてズーム操作できるようになっている。なお、光学系50は、ズーム機構の他に、例えば複数の光学レンズから成るレンズ群、絞り調整機構、及び自動焦点調節機構等を含んで構成されている。
【0035】
ズーム機構部16は、ズームモータ18、及び位置センサ20を含んで構成されている。位置センサ20は位置検出回路48の検出センサであり、ポテンショメータ等の計測器により構成することができる。位置検出回路48は、位置センサ20による検出信号によりズーム位置を検出し、制御回路部14へ出力するようになっており。電流帰還回路部22は、直列に接続された抵抗24及び抵抗26を含んで構成されている。スイッチ回路部28は、リレースイッチ30、トランジスタ32、および抵抗34を含んで構成されている。電流検出回路部36は、抵抗38、及び増幅器40を含んで構成されている。
【0036】
モータ駆動回路部12は、ズーム機構部16のズームモータ18を回動させるための電力供給を行うためのものであり、ズームモータ18の一端へ至る電気経路42と、ズームモータ18の他端へ至る電気経路44が接続されている。この電気経路42と電気経路44のモータ駆動回路部12側には直列に接続された抵抗24と抵抗26との電流帰還回路部22が並列に接続されており、抵抗24と抵抗26との接続点は、モータ駆動回路部12に接続され、モータ駆動回路部12へ電流帰還値が入力されるようになっている。
【0037】
電気経路42は、電流検出回路部36の抵抗38が直列に接続されている。抵抗38のモータ駆動回路部12側は増幅器40の一方の入力端に接続され、抵抗38の他方側は増幅器40の他方の入力端に接続されている。増幅器40の出力側は、制御回路部14に接続され、電流検出回路部36で検出される電流値が制御回路部14に入力されるようになっている。
【0038】
また、制御回路部14には、ズーム機構部16の位置センサ20により検出されるズームモータ18の位置を示す信号が入力されるようになっている。
【0039】
電気経路44は、スイッチ回路部28のリレースイッチ30のスイッチ部30Sがズームモータ18に対し直列に接続される。30の制御部30Gは、一端が抵抗34を介して電源に接続され、他端は32のコレクタ側に接続される。トランジスタ32は、エミッタが接地され、ベースが信号線46を介して制御回路部14に接続される。これにより、制御回路部14がトランジスタ32を作動させるために信号線46を介して制御信号(ハイレベル信号)をトランジスタ32へ印加することにより、リレースイッチ30の制御部30Gがスイッチ回路部28のリレースイッチ30のスイッチ部30Sをスイッチオンさせ、電気経路44を導通状態に設定する。一方、トランジスタ32の作動を終了させるために信号線46を介して停止信号(ローレベル信号)をトランジスタ32へ印加することにより、リレースイッチ30の制御部30Gがスイッチ部30Sをスイッチオフさせ、電気経路44を非導通状態(信号遮断)に設定する。
【0040】
なお、図示しないテレビカメラ用レンズのズーム機構部16は、光学系50の手動操作による手動モードとズームモータ18による電動操作による電動モードの機械的切替スイッチ(図示省略)を備えており、図示しない機械的切替スイッチに連動して手動動作時、そして電源オフ時には、回路遮断用として、リレースイッチ30のスイッチ部30Sをオンオフさせるようになっている。
【0041】
すなわち、手動モードから電動モードへの切替と共に、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)がオンされる。一方、電動モードで54により操作された情報は制御回路部14を介し、モータ駆動回路部12に伝えられ、設計されたアンプゲインに応じた電圧が、ズームモータ18の両端に印加される。
【0042】
また、ズーム機構部16には、大きな動作トルクが必要でなるため、電流帰還回路部22によってモータ駆動回路部12に正帰還動作をかけ、動作トルクが上昇するとモーター両端電圧を上げて動作トルクに対応するようにしている。
【0043】
電源オフ時には、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)を切断し、逆起電力で発生するトルクによるモーター・ギヤヘッド及び、ズーム機構部の保護を行っている。
【0044】
本実施形態では、以下に詳細を説明するように、ズーム機構保護装置10によって、リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないように、電流検出回路部36、位置検出回路の値から異常操作を検出し、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させることで操作を中断させる事なく、汎用のモータードライブ回路でも対応することを可能にしている。
【0045】
次に、本実施形態の作用として、制御回路部14で実行される処理について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0046】
なお、図2に示す処理は、電動モードによるズーム処理を実行するように指示された場合に実行される。
【0047】
制御部24は、電動ズームスイッチ54により電動モードでのズーム処理の実行が指示されると、電動モードでの処理を開始する。
【0048】
まずステップ100では、信号線46へ制御信号(ハイレベル信号)を出力する。これによって、リレースイッチ30のスイッチ部30Sがオンされ、ズーム機構部16のズームモータ18は電気的にモータ駆動回路部12と接続される。次のステップ102では、電動ズームスイッチ54の押し込み量に応じた動作速度指示量を読み取り、次のステップ104においてモータ駆動回路部12に対して動作速度指示量を出力(DAC値出力)してズーム機構部16を動作させるように指示する。これにより、モータ駆動回路部12は、動作速度指示量(DAC値)でズームモータ18が動作するよう、電力供給を行い、ズームモータ18が正転動作または反転動作を行う。
【0049】
次のステップ106では、電流検出回路部36からの信号を読み取ることで、ズームモータ18が正転動作または反転動作しているときのモータ電流Ixを検出する。このモータ電流Ixの検出はモニタリングによる常時監視でもよく、サンプリングによる逐次監視でもよい。
【0050】
ここで、ズームモータ18の回転動作により光学系50のズーム処理が行われているとき、光学系50に対して、手動ズームレバー52による操作や光学系50を手動にて拘束する等の負荷が付与されると、ズームモータ18に対する負荷となり、電流帰還回路部22により正帰還が加わり、モータ駆動回路部12は、モータ電流Ixを増加させる。このため、本実施形態では、ズームモータ18に対する負荷が所定値を超えると異常操作がなされた状態であるとして、ズームモータ18のモータ電流Ixの閾値を予め設定している。ここでは、閾値として、電流検出回路部36からの出力である検出電圧Vを定めている。具体的には、図3に示すように、予め実験で求めた、ズームモータ18の正転動作時の閾値を正転動作閾値Vth1、反転動作時の閾値を反転動作閾値Vth2と設定している。これら正転動作閾値Vth1,反転動作閾値Vth2は、制御回路部14内の図示しないメモリに予め記憶されている。
【0051】
次に、ステップ108において、ズーム機構部16に対して異常操作がなされたか否かを判断する。具体的には、モータ電流Ixすなわち電流検出回路部36による検出電圧Vxが正転動作閾値Vth1〜反転動作閾値Vth2に収まっているか否かを判断する(Vth1>Vx>Vth2)。
【0052】
ズームモータ18の通常動作中、すなわち過負荷状態にないときは、ステップ108で否定され、駆動完了まで(ステップ120で肯定されるまで)、処理を繰り返す。なお、ズームモータ18の通常動作中は、後述するリレースイッチ30のオフ状態にはないため、ステップ116で否定され、ステップ120へ進む。ステップ120では、ズームモータ18の駆動が完了したか否かを判断し、肯定されると、ステップ122へ進み、モータ駆動回路部12へ完了指示を出力し、本ルーチンを終了する。一方ステップ120で否定されると、ステップ106へ戻る。
【0053】
一方、異常操作がなされたとき、すなわち検出電圧Vxが正転動作閾値Vth1〜反転動作閾値Vth2を超えたとき、ステップ108で肯定され、ステップ110へ進み閾値を超える継続時間をカウントし、継続時間が1秒以上になると(ステップ112で肯定)、リレースイッチ30をオフしたのち(ステップ114)、ステップ106へ戻り、モータ電流の検出を繰り返す。このステップ114では、信号線46へ制御信号(ローレベル信号)を出力する。これによって、リレースイッチ30のスイッチ部30Sがオフされ、ズーム機構部16のズームモータ18はモータ駆動回路部12と電気的に遮断される。一方、継続時間が1秒未満のときは(ステップ112で否定)、ステップ116へ進む。
【0054】
すなわち、継続時間が1秒以上継続しているときに、検出電圧Vxが正転動作閾値Vth1〜反転動作閾値Vth2になると、リレースイッチ30をオフする繰り返しループ処理を終了する。なお、リレースイッチ30をオフする繰り返しループ処理は、ステップ114の処理後に一定時間(例えば1秒)経過したのち、ステップ116へ進むようにしてもよい。
【0055】
ステップ116では、リレースイッチ30がオフであるか否かを判断し、肯定されるとステップ118へ進み、上記ステップ114でオフしたリレースイッチ30をオンする。すなわち、リレースイッチ30のオフを解除する。この処理では、上記ステップ100と同様に、信号線46へ制御信号(ハイレベル信号)を出力することで、リレースイッチ30のスイッチ部30Sがオンされ、ズーム機構部16のズームモータ18は電気的にモータ駆動回路部12と接続されることになる。
【0056】
なお、本実施形態では、ステップ116及び118において、リレースイッチ30を復帰させる処理を実行しているが、これらの処理を省略して、リレースイッチ30がオフである状態を維持したままにしても良い。また、ステップ116及び118の処理は予め設定によって実行の可否を選択させるようにしてもよい。さらに、ステップ118の処理を、本ルーチンを強制的に終了させる処理に代えても良い。
【0057】
このように、本実施形態のズーム機構保護装置10では、リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないように、電流検出回路部36の値から異常操作を検出し、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させることで操作を中断させることなく、ズーム機構部16の保護を可能とすると共に、カメラマン等の操作者に対する積極的な支援を可能にすることができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
本実施形態は、第1実施形態におけるズームモータ18が駆動しているときのモータ電流Ixの閾値による異常操作の判定に加えて、ズームモータ18のズーム位置による判定を追加したものである。このため、構成は、第1実施形態と同様である。
【0060】
次に、本実施形態の作用として、制御回路部14で実行される処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】
なお、図4に示す処理は、図2に示す処理のステップ108とステップ116の間にステップ130〜ステップ136を追加したものである。
【0062】
制御部24は、電動ズームスイッチ54による電動モードでの処理開始指示によって、リレースイッチ30がオンされ、ズームモータ18が電気的にモータ駆動回路部12と接続され、ズームモータ18が正転動作または反転動作を行う(ステップ100〜104)。次に、ズームモータ18のモータ電流Ixによる異常操作の検出を行い、異常操作であるとき(Vx>Vth1またはVx<Vth2)、継続時間が1秒以上になるとリレースイッチ30をオフする(ステップ106〜114)。
【0063】
ズームモータ18の回転動作により光学系50のズーム処理が行われているとき、光学系50に対して、手動ズームレバー52による操作や光学系50を手動にて拘束する等の負荷が付与されると、ズームモータ18が動作しているにも係わらずズーム位置は停止状態の場合がある。このため、本実施形態では、ズームモータ18が動作中にあるとき、ズーム位置が一定状態を保持しているとき異常操作がなされた状態であるとしている。
【0064】
そこで、ステップ130において、ズーム機構部16に対して異常操作がなされたか否かを判断する。具体的には、まず、位置センサ20からの信号(電圧位置)を読み取ることで、ズームモータ18によるズーム位置を検出する。このズーム位置の検出はモニタリングによる常時監視でもよく、サンプリングによる逐次監視でもよい。すなわち、本実施形態では、電流検出回路部36のモータ電流Ixの検出に加えてズーム位置検出を行う。つぎに、ズーム位置が一定状態を保持しているか否かを判断する。例えば、ズーム位置すなわち位置センサ20による電圧について単位時間当たりの変動量が所定範囲内に収まっているか否かを判断する。この単位時間当たりの変動量が所定範囲は、光学系50を手動にて拘束する等により予め決定される位置センサ20の電圧幅である。
【0065】
ズームモータ18の通常動作中、すなわちズーム位置が一定状態を保持していないときは、ステップ130で否定され、駆動完了まで(ステップ120で肯定されるまで)、上記と同様に、処理を繰り返す。
【0066】
一方、ズーム位置が一定状態を保持された異常操作がなされたとき、ステップ130で肯定され、ステップ132へ進み、その保持時間をカウントし、保持時間が1秒以上になると(ステップ134で肯定)、リレースイッチ30をオフしたのち(ステップ136)、ステップ106へ戻り、上記検出を繰り返す。一方、保持時間が1秒未満になると(ステップ134で否定)、ステップ116へ進む。
【0067】
すなわち、保持時間が1秒以上継続した後に、保持時間が1秒未満になると、リレースイッチ30をオフする繰り返しループ処理を終了する。なお、リレースイッチ30をオフする繰り返しループ処理は、ステップ114の処理後に一定時間(例えば1秒)経過したのち、ステップ116へ進むようにしてもよい。
【0068】
図5には、ズーム位置(電圧)、動作速度指示量(DAC)、リレースイッチの制御信号(ハイレベル信号、ローレベル信号)、電流検出回路部36による検出電圧Vx、の各々についてのタイムチャートを示した。図5の例では、検出電圧Vxが正転動作閾値Vth1を超えたとき(時刻t0)、ズーム位置が一定状態を保持している場合を示している。継続時間または保持時間(t1−t0)が1秒以上になると、リレースイッチ30が一定時間(図5では1秒、t2−t1)オフされ、その後に復帰させている。
【0069】
このように、本実施形態のズーム機構保護装置10では、リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないように、位置センサ20からの信号(電圧位置)から異常操作を検出し、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させることで操作を中断させることなく、ズーム機構部16の保護を可能とすると共に、カメラマン等の操作者に対する積極的な支援を可能にすることができる。
【0070】
(第3実施形態)
【0071】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0072】
本実施形態は、第1実施形態におけるズームモータ18のモータ電流Ixの閾値による異常操作の判定に代えて、ズームモータ18のズーム速度により判定するものである。ズーム速度は、ポテンショメータ等の位置センサ20からの単位時間当たりのパルス数を計算することで演算できる。このため、構成は、第1実施形態と同様である。なお、位置センサ20に代えて、MRセンサー等の速度計測センサを備えるようにしても良い。
【0073】
次に、本実施形態の作用として、制御回路部14で実行される処理について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0074】
なお、図6に示す処理は、電動モードによるズーム処理を実行するように指示された場合に実行される。
【0075】
制御部24は、電動ズームスイッチ54により電動モードでのズーム処理の実行が指示されると、電動モードでの処理を開始する。
【0076】
まず、リレースイッチ30のスイッチ部30Sをオンさせ、ズームモータ18とモータ駆動回路部12とを電気的に接続させる(ステップ100)。次のステップ140では、電動ズームスイッチ54が停止位置(センター位置)あることを読み取り、次のステップ142においてモータ駆動回路部12に対して動作速度指示量を出力(DAC値出力)する。すなわち、テレ側ズーム位置とワイド側ズーム位置の中間に、ズーム位置となるように指示する。これにより、モータ駆動回路部12は、動作速度指示量(DAC値)でズームモータ18が動作するよう、電力供給を行い、ズームモータ18が正転動作または反転動作を行う。
【0077】
次のステップ144では、位置センサ20からの単位時間当たりのパルス数を計算することでことで、ズームモータ18のズーム速度Sxを検出する。このズーム速度Sxの検出はモニタリングによる常時監視でもよく、サンプリングによる逐次監視でもよい。
【0078】
ここで、ズームモータ18の動作により光学系50のズーム処理が行われているとき、光学系50に対して、手動ズームレバー52による操作や光学系50を手動にて拘束する等の負荷が付与されると、ズームモータ18によるズーム速度Sxは変動する。例えば、センター位置へ向かう途中で順方向にさらに加速されたり、停止されたりすると、ズームモータ18の回転に応じた単位時間当たりのパルス数から逸脱したパルス数となる。このため、本実施形態では、ズームモータ18のズーム速度として検出するパルス数が所定値を超えると異常操作がなされた状態であるとし、ズームモータ18のズーム速度として検出するパルス数の閾値を予め設定している。ここでは、閾値として、順方向及び反転方向のそれぞれについて移動パルス(例えば2パルス)と反転パルス(例えば2パルス)とを定めている。これらのパルス数は、制御回路部14内の図示しないメモリに予め記憶されている。
【0079】
次に、ステップ146において、ズーム機構部16に対して異常操作がなされたか否かを判断する。具体的には、ズームモータ18の順方向の動作速度が変動したか否かを判断する。
【0080】
異常操作がなされたとき、すなわちズームモータ18の順方向の動作速度が変動したとき、ステップ146で肯定され、ステップ148へ進み移動パルスをカウントし、2パルス以上になると(ステップ150で肯定)、リレースイッチ30をオフしたのち(ステップ152)、ステップ144へ戻り、ズーム速度の検出を繰り返す。一方、移動パルスが2パルス未満のときは(ステップ150で否定)、ステップ162へ進む。
【0081】
次に、ステップ154では、ズームモータ18の反転方向の動作速度が変動したとき、または反転方向に動作速度が変動したとき、ステップ154で肯定され、ステップ156へ進み反転パルスをカウントし、2パルス以上になると(ステップ158で肯定)、リレースイッチ30をオフしたのち(ステップ160)、ステップ144へ戻り、ズーム速度の検出を繰り返す。一方、反転パルスが2パルス未満のときは(ステップ158で否定)、ステップ162へ進む。
【0082】
ステップ162では、リレースイッチ30がオフであるか否かを判断し、肯定されるとステップ164へ進み、上記ステップ152または160でオフしたリレースイッチ30をオンする。すなわち、リレースイッチ30のオフを解除する。
【0083】
なお、ズームモータ18の通常動作中は、ステップ146、154及び162で否定され、駆動完了まで(ステップ166で肯定されるまで)、処理を繰り返す。ステップ166では、電動ズームスイッチ54を読み取りズームモータ18の駆動が完了したか否かを判断し、肯定されると、ステップ168へ進み、モータ駆動回路部12へ完了指示を出力し、本ルーチンを終了する。一方、ステップ166で否定されると、ステップ144へ戻る。
【0084】
図7には、ズーム速度、動作速度指示量(DAC)、リレースイッチの制御信号(ハイレベル信号、ローレベル信号)、電流検出回路部36による検出電圧Vx、の各々についてのタイムチャートを示した。図7の例では、ズームモータ18の正転方向の動作速度と反転方向の動作速度とが順に変動した場合、それずれについて、リレースイッチ30を一定時間オフさせ、その後に復帰させた場合を示している。
【0085】
このように、本実施形態のズーム機構保護装置10では、リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないように、位置センサ20からの信号に基づくズーム速度から異常操作を検出し、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させることで操作を中断させることなく、ズーム機構部16の保護を可能とすると共に、カメラマン等の操作者に対する積極的な支援を可能にすることができる。
【0086】
(第4実施形態)
【0087】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0088】
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、スイッチ回路部28がリレースイッチ30に並列接続したトルク調整部80を備えた点であり、その他は第1実施形態と同様である。なお、このトルク調整部80は、光学系50の自重によるズームモータ18の回転により生起される電力を相殺する抵抗値の抵抗82で構成されている。
【0089】
上記各実施形態において、リレースイッチ30をオフしたとき、モータ駆動回路部12はオープン状態となり、42と44とで18を接続したことで保護回路を構成したときに比べて、極端に負荷が小さく(トルクが軽く)なる。
【0090】
そこで、本実施形態では、スイッチ回路部28のリレースイッチ30と並列に、抵抗82からなるトルク調整部80を接続する。並列に接続された抵抗82は、抵抗値が無限大に大きい場合には逆起電力の発生が無くなり、リレーオフと同時に急に軽いトルクに切り替わるが、抵抗82のトルク調整のための抵抗値を調整することで、リレーオフ時の操作トルクを適度に残すことができる。
【0091】
また、抵抗82の抵抗値を調整することで、光学系50の自重でリレースイッチオフ時にズーム機構部16が自然に作動したかのように動くことを抑制することができる。
【0092】
このように、本実施形態のズーム機構保護装置10では、リアルタイムで正帰還動作を行う電流帰還動作を邪魔しないように、異常操作を検出し、スイッチ回路部28のリレースイッチ30(スイッチ部30S)をオフさせ、一定時間後に再復帰(ショート)させることで操作を中断させることなく、ズーム機構部16の保護を可能とすると共に、カメラマン等の操作者に対する積極的な支援を可能にすることができる。さらに、トルク調整部を追加することによって、リレースイッチオフ時にトルクを付与できるので操作感を向上させることができる。また、トルク調整部を追加することによって、大型のテレビカメラ用レンズにあって、自重によるズーム機構の自然動作を抑制でき、意図しないズーム動作を抑制することができる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態では、電気的にズームモータ動作の異常を検出し、スリップ調整の設定が不要でコストの掛からない保護機能を果たすリレー保護装置を提供すると共に、保護作動時の残トルクを任意に調整する電気的調整手段を得ることによりズーム機構部の保護を行うと共に、カメラマンの要求操作に対し、積極的な支援とその操作性を確保することができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、ビデオカメラ用レンズのズーム機構に対する保護機能について説明したが、ビデオカメラとズームレンズとが一体構造の撮像装置に対して本発明が適用可能であることは勿論である。また、ビデオカメラ側に各種制御部や操作部が配置され、レンズを駆動する、例えばレンズ交換式のカメラシステムに本発明は適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 ズーム機構保護装置
12 モータ駆動回路部
14 制御回路部
16 ズーム機構部
22 電流帰還回路部
28 スイッチ回路部
30 リレースイッチ
36 電流検出回路部
48 位置検出回路
50 光学系
52 手動ズームレバー
54 電動ズームスイッチ
80 トルク調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズームモータを有するズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出手段と、
前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出手段と、
前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出手段と、
前記ズームモータと直列に接続したスイッチ回路と、
前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御手段と、
を備えたズーム機構保護装置。
【請求項2】
前記ズーム機構は、前記ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成された
ことを特徴とする請求項1に記載のズーム機構保護装置。
【請求項3】
前記電流検出手段は、前記ズームモータの順方向のモーター電流を検出し、
前記異常検出手段は、予め設定されたモーター電流以上の値を一定時間検出した場合に異常操作として検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のズーム機構保護装置。
【請求項4】
前記電流検出手段は、前記ズームモータの逆方向のモーター電流を検出し、
前記異常検出手段は、予め設定されたモーター電流以上の値を一定時間検出した場合に異常操作として検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のズーム機構保護装置。
【請求項5】
前記異常検出手段は、前記位置検出手段の検出値に基づいて、前記ズーム機構の動作中に該ズーム機構の動作として予め定めた許容範囲を超えた所定時間の位置変化を検出することにより異常操作を検出する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のズーム機構保護装置。
【請求項6】
前記異常検出手段は、前記位置検出手段の検出値に基づいて、ズーム位置について逆方向の所定距離の移動を検出した場合に、異常操作として検出する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のズーム機構保護装置。
【請求項7】
前記スイッチ回路に、所定値の抵抗を並列接続した抵抗手段を更に備えた
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のズーム機構保護装置。
【請求項8】
前記抵抗手段は、前記ズームモータ停止時に、ズーム機構の自重による変動で生じるズームモータの電力を相殺するように設定された抵抗値の抵抗である
ことを特徴とする請求項7に記載のズーム機構保護装置。
【請求項9】
直列にスイッチ回路が接続されたズームモータを有し該ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出ステップと、
前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出ステップと、
前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出ステップと、
前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御ステップと、
の各ステップをコンピュータに実行させるズーム機構保護プログラム。
【請求項10】
ズーム機構の自重による変動で生じるズームモータの電力を相殺するように設定された所定値の抵抗を並列接続したスイッチ回路が直列に接続されたズームモータを有し該ズームモータを駆動させることによる電動動作及び操作者の手動操作による手動動作の双方の動作が可能に構成されたズーム機構を具備した大型ビデオカメラ用レンズにおける前記ズームモータの駆動電流を検出する電流検出ステップと、
前記ズーム機構のズーム位置を検出する位置検出ステップと、
前記電流検出手段及び前記位置検出手段の少なくとも一方の検出値が予め定めた所定範囲を超えることを検知することにより異常操作を検出すると共に、前記異常操作が検出された後に前記検出値が前記所定範囲内になったことを検知することにより異常操作解除を検出する異常検出ステップと、
前記異常操作が検出された場合に、前記スイッチ回路を一定時間オフさせると共に、前記異常操作解除が検出された場合に、前記スイッチ回路をオンさせる制御ステップと、
の各ステップをコンピュータに実行させるズーム機構保護プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−215626(P2012−215626A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79245(P2011−79245)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】