説明

セサミンとセサモリンの製造方法

【課題】セサミンとセサモリンの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】セサミンとセサモリンを含有する油脂と、C5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液をシリカゲルカラムに通し、次に、C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラムから残余の油脂を溶出し、つづいて、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる溶剤を含有する溶剤でシリカゲルカラムに吸着されたセサミンとセサモリンを溶出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セサミン(sesamin)とセサモリン(sesamolin)の製造方法に係わり、特に、高純度のセサミンとセサモリンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴマは、古くから養生食事療法の主役として用いられている。中国漢方のバイブルである「神農本草経」によると、「ゴマ」は「その味が甘く平淡であり、その重要な役割として、欠陥や内臓損傷を治し、五臓の不足を補い、気力を益し、肉を付け足し、髄脳を補って埋め、長期にわたって服用すると体が軽くなり、若返る、……更に筋骨たくましくなり、長い間服用すれば、耳は聡くなり、目は良く見えるようになり、飢えず、老いず、且、長生きすることができる。」と記載されている。
【0003】
この外、近年の科学的研究の結果によると、ゴマの中に存在するセサミン(sesamin)とセサモリン(sesamolin)は、多くの優れた生理活性の機能を有する。これらの機能としては、例えば抗酸化活性、体内のトコフェロール(tocopherol)含量の向上、油脂代謝の増進、コレステロール(cholesterol)の低下、高血圧の防止、肝臓機能の改善と癌の予防などが挙げられている。上記の研究により、健康食品及び医薬関連分野において、明らかにセサミンとセサモリンは極めて有用であることが判る。
【0004】
今日、既にセサミンとセサモリンを製造する方法が次々と開示されているが、操作の便利性、又は産物の純度からみた場合、業界の需用にマッチした方法はまだ見当らないのが現状である。例えば、1993年5月11日に公開された米国特許第5209826号明細書(特許文献1)において、セサミンとセサモリンを分離する方法が開示されており、水蒸気による脱臭、メチルエステル化と分子蒸留などの工程が挙げられているが、これらの方法によると、非常に高価な設備が必要となる外、更に、270℃に達する高温処理を経るため、産物は劣化しやすくなる。明細書中に記載されている試験4の結果によると、産物の回収率は僅か約68%。しかも純度は僅か85%である。
【0005】
1999年5月11日に公開された米国特許第5902458号明細書(特許文献2)において、セサミンとセサモリンを分離する方法が開示されており、水蒸気脱臭した後、アルカリの存在下で、水とエタノールの溶液中に沈殿物を形成して分離工程を実施する方法が示されているが、この方法によると、回収率は僅か65〜85%であり、しかも、大量のアルカリを使うために、環境汚染を起こしやすい。
【0006】
又、2001年8月21日に公開された米国特許第6278005B1号明細書(特許文献3)において、超臨界炭酸ガスを利用したゴマ油中のセサミンの濃縮方法が示されているが、この方法の目的は、高濃度のセサミンを含有するゴマ油の製造にあって、セサミンとセサモリンを製造する方法では無く、しかも、この方法でも高価な設備を必要とし、得られたセサミンとセサモリンの合計濃度も3〜4%しかない。
【0007】
更に、2004年10月13日公開された中国特許出願公開公報第CN1535970A号明細書(特許文献4)において、セサミンの抽出方法が示されており、これによると中性アルミナのカラムにゴマ油を通し、親油性の溶剤を用いて油性の不純物を除去した後、カラム中間部のセサミン含有部分を収集し、次に、セサミンを溶解し得る溶剤を用いて吸着させたセサミンを抽出する方法が記載されている。しかし、この方法を用いた場合、大量の吸着剤と油性の不純物を除去するための親油性溶剤を必要とする。例えば、該特許出願明細書に記載の実施例2における実験結果を挙げると、ゴマ油と中性アルミナの使用量の比率は1:1であり、油性不純物を除去するための親油性溶剤の使用量は、ゴマ油の8〜12倍量であり(1〜1.5時間の流出液量のml数は中性アルミナの重量に相当するところ、溶出操作の時間は12時間である)、非常に多いことが判る。この外、セサミンの回収率は、僅か78.5%に止まり、且つ、この方法において、操作過程中にカラム内の中性アルミナを取り出して、70%以上のエタノール溶液で環流し、セサミンを抽出しなければならず、この取り出し作業のため、連続操作ができなくなって、不便となり、その生産性は低下する。又、取り出し作業中に溶剤は容易に揮発して環境を汚染し、人体にも危害をもたらし問題が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5209826号明細書
【特許文献2】米国特許第5902458号明細書
【特許文献3】米国特許第6278005B1号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開公報第CN1535970A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の事情を鑑み、セサミンとセサモリンを高収率かつ高濃度で製造し、且つ、簡便で生産コストを軽減することのできる、優れた製造方法が求められており、業界における早急に解決すべき課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、セサミンとセサモリンを含有する油脂とC5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液をシリカゲルカラムに通し、C5-8脂肪族炭化水素溶剤を用いてシリカゲルカラムから残余の油脂を溶出し、つづいて、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる溶剤を含有する溶剤で、該シリカゲルカラムに吸着されたセサミンとセサモリンを溶出すると、上記課題を解決することが出来ることを見いだし、本発明を完成させた。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1−A】図1-Aは、実施例9において、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液(9:1)で溶出して得られた画分-1のHPLCチャートである。
【図1−B】図1-Bは、実施例9において、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液(9:1)で溶出して得られた画分-2のHPLCチャートである。
【図1−C】図1-Cは、実施例9において、酢酸エチルで溶出して得られた画分のHPLCチャートである。
【図2】図2は、実施例9において、異なる溶剤を用いて再結晶化処理して得られた結晶の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語の説明
本明細書で使用する用語「収率」は、産物重量と原料重量との%比率を意味する。
本明細書で使用する用語「含量」は、産物中の各成分の重量と産物重量との%比率を意味する。
本明細書で使用する用語「回収率」は、産物中に回収されたセサミン及び/又はセサモリンの重量と原料中に含有されるセサミン及び/又はセサモリンの重量との%比率を意味する。
【0013】
本発明の第一の実施態様において、セサミンとセサモリンを含有する油脂とC5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液を、シリカゲルカラムに通し、次に、C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラム中の残余の油脂を溶出し、更に、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる溶剤を含有する溶剤でシリカゲルカラムに吸着されたセサミンとセサモリンとを溶出するセサミンとセサモリンの製造方法を提供する。
【0014】
又、本発明の別の一つの実施態様において、セサミンとセサモリンを含有する油脂とC5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液を、シリカゲルカラムに通し、次に、C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラム中の残余の油脂を溶出し、更に、n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合液によりシリカゲルカラムに吸着されたセサモリンを溶出するセサモリンの製造方法を提供する。
【0015】
本発明の又一つの実施態様において、セサミンとセサモリンを含有する油脂とC5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液を、シリカゲルカラムに通し、次に、C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラム中の残余の油脂を溶出し、n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合液、酢酸エチルの順でシリカゲルカラムに吸着されたセサミンを溶出するセサミンの製造方法を提供する。
【0016】
上記の実施態様の方法において、本発明は、更に、シリカゲルカラムから溶出して得られた溶出液の濃縮物を静置することにより、結晶を生成する方法をも提供する。
【0017】
又、上記の実施態様の方法において、本発明は、更に該結晶をC5-8脂肪族炭化水素溶剤、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる有機溶剤に溶解し、静置することで再結晶化により結晶を生成する方法をも提供する。
【0018】
上記の方法において、セサミンとセサモリンを含有する油脂としては、例えば、ゴマ油とゴマを圧搾した後のゴマケーキを有機溶剤により抽出して得られた油脂などが挙げられる。
【0019】
上記の方法において、C5-8脂肪族炭化水素溶剤としては、例えば、ペンタン、n−ヘキサンー、ヘプタン、オクタン、石油エーテルとそれらの混合物が挙げられる。その内、本発明の実施態様において、好ましいC5-8脂肪族炭化水素溶剤としては、例えば、n−ヘキサンーと石油エーテルが使用される。
【0020】
又、本発明のもう一つ別の実施態様において、本発明は、上記の方法にしたがいシリカゲルカラムから溶出したセサミンとセサモリンの溶出液より得た結晶を、更にC5-8脂肪族炭化水素溶剤、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選らばれる溶剤を含有する有機溶剤を用いて再結晶化処理して、セサミンを製造する方法を提供する。
【0021】
(発明の効果)
本発明によるセサミンとセサモリンの製造方法は、操作が簡便で、且つ、純化効果が優れているだけではなく、回収率が高いという特徴も有するので、関連業界にとっては、実用上極めて有用である。
【実施例】
【0022】
実施例
以下、本発明の特定した具体的な実施例について更に詳細に説明するが、当業者は、本明細書に記載の内容より、本発明のその他の特徴と効果とを理解できるものと確信する。
【0023】
また、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
定量分析法
1.セサミンとセサモリンの検量線の作製
異なる濃度のセサミン(0.2〜2mg/ml)溶液とセサモリン(0.2〜2mg/ml)溶液を調製し、それぞれHPLC(High performance liquid chromatographyの略称)により分析し、得られた吸収ピーク面積と対応する濃度について標準曲線方程式を求めた。
【0025】
2.セサミンとセサモリンの定量分析
1gのゴマ油又は0.01gの産物試料を精確に秤量し、酢酸エチル(EtOAcとも略称)に溶解し、10mlの定量液を調製した。均一に混合した後、その中から1mlを取り出してミクロ遠心管(Eppendorf)に移し、遠心分離処理した後、HPLCを用いて分析し、前記の標準曲線方程式により、それぞれの化合物含量を求めた。
【0026】
3.HPLCの分析条件
カラム:Waters PolarityTM dC18 (5 μm,250 × 4.6 mm)
移動相:70% メタノール
流速:1.0 ml/min
試料注入量:20 μL
検出器:290 nm (スペクトロ モニター(登録商標)3200)
【0027】
実施例1
50gのゴマ油(セサミン含量0.65%;セサモリン含量0.31%)を計り取り、50mlのn-ヘキサンを加えて均一に混合した。この均一な混合溶液をシリカゲル(10g,70〜230メッシュ)を充填したカラム(22mm x 55mm)に通し、n−ヘキサンを用いてカラム内に残留する油脂を溶出した。通過した液と溶出液とを共に集めて、減圧下でn−ヘキサンを蒸発させた後、HPLCにより分析した。この分析結果から、該油脂中には、セサミンとセサモリンが検出されず、即ち、セサミンとセサモリンは完全にシリカゲルに吸着され、n-ヘキサンを用いても溶出できなかったことが明らかとなった。次に、酢酸エチルを用いてカラムに吸着されたものを溶出し、溶出液が無色になる迄溶出を続けた。減圧下で溶出液から溶剤を除去し、残留物を計量したところ、収率は4.9%であった。残留物を酢酸エチルに溶かした後、適当な濃度に希釈してHPLCにより分析した結果、セサミンとセサモリンの回収率の合計は97.9%であり、その結果を下記の表1に示した。
【0028】
実施例2〜5
溶出に用いた溶剤の酢酸エチルをそれぞれアセトン、メタノール、エタノール又はn-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液(1:1)(V/V)に替えた以外は、実施例1と同様の方法を行って、セサミンとセサモリンの回収率の合計を求めた。その結果はそれぞれ95.8%、95.8%、89.6%と95.8%であり、その結果を整理して下記の表1に示した。
【表1】

【0029】
実施例6
n-ヘキサンの替わりに石油エーテルを用いた以外は、すべて実施例1と同様の方法により行った。得られた産物のセサミンとセサモリンの回収率の合計は96.4%であった。
【0030】
実施例7
シリカゲル(70〜230メッシュ)100gをn-ヘキサンでバランスし、カラム(4.4 cm x 14cm)に充填した。ゴマ油500gを計り取り、n-ヘキサン500mlを加え、均一に混合させた後カラム内に通した。次に、n-ヘキサンを用い溶出液が無色になる迄溶出を続けた。さらに、酢酸エチルを替わりに用い、溶出液が無色になる迄溶出を続けた。減圧下で溶剤を除去し、油状物を得た。該油状物を一夜静置し、結晶の沈殿物を生成させた。濾過により該沈殿物を収集し、n-ヘキサンにより油脂を洗い除き、粗結晶1.7gを得た。更に、HPLCにより分析した結果、セサミン含量は77.5%、セサモリン含量は16.8%、その含量の合計は94.3%であった。
【0031】
実施例8
実施例7にしたがい得られた粗結晶をそれぞれ10g計り取り、50℃で、酢酸エチル、アセトン、メタノール又はエタノールといった異なる溶剤をそれぞれゆっくり加えて、粗結晶が完全に溶解するまで続けた。それぞれの溶液を室温(27℃)に2日間静置して、再結晶化した析出物を得た。この結晶を濾過収集し、減圧下で溶剤を揮発により除去し、白色の結晶を得た。更に、HPLCにより分析した。その結果は、下記の表2に示したように、セサミン含量はすべて92%以上であった。
【表2】

【0032】
実施例9
シリカゲル(70〜230メッシュ)を100g計り取り、n-ヘキサンでバランスしたカラム(4.4 cm x 14cm)内に充填した。ゴマ油を500g計り取り、n-ヘキサンを2000ml加えて均一に混合した後、シリカゲルカラムに通し、続いてn-ヘキサンを用いてシリカゲルに残留した油脂を十分に溶出した。次に、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液(9:1)(V/V)、酢酸エチル、アセトンを、記載した順序で溶出溶媒として用いて溶出を行った。その内、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液(9:1)で溶出した際、500ml毎に分けて収集して2つの画分を得た(それぞれ画分-1と画分-2と称した)。次に、1Lの酢酸エチルと1Lのアセトンとをそれぞれ用いて溶出し、各画分を得た。続いて、減圧下で各画分の溶剤を蒸発除去し、その重量を計って収率を求めた。さらに、HPLCにより分析して、各画分のセサミンとセサモリンの収量と回収率を求めた。その内、溶剤を除去した後の画分-1と画分-2の濃縮物を静置し、結晶形成後n-ヘキサンで油脂を洗いさり、主成分のセサモリンの結晶を得た(図1-Aと図1-Bを参照)。溶剤を除去した後の酢酸エチル溶出画分の残留物に約同量の酢酸エチルを加え、混合後一夜静置し、主成分のセサミンの結晶を得た(図1-Cを参照)。なお、アセトン溶出画分の濃縮物量は極めて少なく、収率は僅か0.2%であり、セサミンとセサモリンは検出されなかった。上記の結果を整理して表3に示した。その内、n-ヘキサン-酢酸エチル(9:1)溶出液から高濃度のセサモリンが得られ、その回収率は80.9%に達し、又、酢酸エチルの溶出液から高濃度のセサミンが得られ、その回収率は96.3%であった。その後、これらセサミンとセサモリンの結晶をそれぞれ異なる溶剤(n-ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、メタノール又はエタノール)を用いて再結晶化処理を行い、得られた結晶を図2に示した。この結晶の純度はすべて95%以上であった(表3を参照)。
【表3】

【0033】
実施例10
ゴマを圧さくした後に得られたゴマケーキ500gを粉砕し、次に、4倍量のn-ヘキサンを加え、60℃において2時間加熱かく拌して抽出し、続いて減圧濾過して濾液を集めた。残渣について同様な条件で更に1回抽出し、これら抽出液を合併し、減圧下で溶剤を除去して、油脂43.6gを得た。これをHPLCにより分析したところ、0.48%のセサミンと0.32%のセサモリンを含有することが判った。この油脂40gとn-ヘキサン50mlとを混合し、シリカゲル(10g、70〜230メッシュ)カラム(22mmx55mm)に通し、続いてn-ヘキサンを用いて溶出液が無色になるまで溶出した。シリカゲルカラムを通過した溶液と、n-ヘキサンで溶出した溶出液とを合併し、減圧下で溶剤を除去して、37.8gの油脂を得たが、HPLCで分析したところ、セサミンとセサモリンは検出されなかった。次に、酢酸エチルを用いて溶出液が無色になる迄溶出した。この溶出液を減圧下で溶剤を除去して、1.72gの油状物を得た。HPLCで分析した結果、10.8%のセサミンと7.12%のセサモリンを含有することが明らかとなった。上記の結果よりセサミンとセサモリンの回収率の合計は96.3%であった。
【0034】
以上の実施例は本発明を説明するための事例に止まり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の要旨と範囲内で、上記の実施例に対して修飾と変化を与えることが可能であるが、本願の特許請求の範囲に記載されるものと同様にこれらも本発明の権利範囲内に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セサミンとセサモリンを製造する方法であって、
セサミンとセサモリンを含有する油脂と、C5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液をシリカゲルカラムに通し;
C5-8脂肪族炭化水素溶剤を用いてシリカゲルカラムから残余の油脂を溶出し;つづいて、
メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる溶剤を含有する溶剤で、該シリカゲルカラムに吸着されたセサミンとセサモリンを溶出することを特徴するセサミンとセサモリンの製造方法。
【請求項2】
前記セサミンとセサモリンを含有する油脂がゴマ油であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記セサミンとセサモリンを含有する油脂が、ゴマを圧搾した後のゴマケーキを有機溶剤で抽出した油脂であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記C5-8脂肪族炭化水素溶剤がペンタン、n-ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記シリカゲルカラムから溶出したセサミンとセサモリンの溶出液の濃縮物を静置することにより結晶を形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記結晶をC5-8脂肪族炭化水素溶剤、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる有機溶剤に溶解し、静置することにより再結晶化することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法により得られた結晶を、更にC5-8脂肪族炭化水素溶剤、メタノール、エタノール、アセトン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる有機溶剤を用いて再結晶化処理することを特徴とするセサミンの製造方法。
【請求項8】
セサミンとセサモリンを含有する油脂と、C5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液をシリカゲルカラムに通し;
C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラムから残余の油脂を溶出し;
つづいて、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液で該シリカゲルカラムに吸着されたセサモリンを溶出することを特徴とするセサモリンの製造方法。
【請求項9】
セサミンとセサモリンを含有する油脂と、C5-8脂肪族炭化水素溶剤との混合溶液をシリカゲルカラムに通し;
C5-8脂肪族炭化水素溶剤によりシリカゲルカラムから残余の油脂を溶出し;
つづいて、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合液、酢酸エチルの順で該シリカゲルカラムに吸着されたセサミンを溶出することを特徴とするセサミンの製造方法。

【図1−A】
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【図1−B】
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【図1−C】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−12049(P2011−12049A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292975(P2009−292975)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(509354329)富味▲郷▼生物科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】