説明

セリンヒドロラーゼ阻害剤

【課題】好中球エラスターゼを含む、セリンヒドロラーゼの作用を阻害する方法の提供。
【解決手段】式(I)のベンゾオキサジノン化合物又は前記化合物を含有する組成物を用いる。ある実施態様において、前記化合物又は組成物は、セリンヒドロラーゼ媒介疾患の予防、改善又は治療に用いられる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されないセリンヒドロラーゼ媒介疾患を治療、予防又は改善するための化合物、組成物及び方法を提供する。本明細書において提供される化合物は、セリンヒドロラーゼ阻害剤であるベンゾオキサジノン類である。
【背景技術】
【0002】
高等真核生物において、最も大きく最も多様なファミリーの酵素の一つを表すセリンヒドロラーゼは、非常に多くのセリンプロテアーゼ、リパーゼ、エステラーゼ及びアミダーゼを含む。ヒト好中球エラスターゼは、感染症又は炎症性疾患の場合に出現する好中球の顆粒から放出されるセリンヒドロラーゼの一種である。好中球エラスターゼは、エラスチン、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン又は肺、軟骨、血管壁、皮膚のような生体内の結合組織の間質を構成する他のタンパク質を加水分解する酵素である。更に、好中球エラスターゼが他のタンパク質又は細胞に作用することも明らかにされた。
生体において、好中球エラスターゼのようなセリンヒドロラーゼが生体のホメオスタシスを維持し、α1-プロテアーゼインヒビター、α2-マクログロブリン又は分泌型白血球プロテアーゼインヒビターのような内在性タンパク質性インヒビターによってその活性が制御される。しかしながら、好中球エラスターゼと内在性インヒビターとの間の平衡が、炎症部位の好中球エラスターゼの過剰な放出によって又はインヒビターレベルの低下によって失われる場合、好中球エラスターゼ活性の制御を維持することができず、それによって組織が損なわれる。
好中球エラスターゼを含むセリンヒドロラーゼが関与することがあり得る疾患は、例えば、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、特発性間質性肺炎(IIP)、嚢胞性肺線維症、慢性間質性肺炎、慢性気管支炎、慢性気道感染、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、喘息、膵臓炎、腎炎、肝不全、慢性関節リウマチ、関節硬化腫、骨関節炎、乾癬、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、臓器移植に対する拒絶反応、早期破水、水疱症、ショック、敗血症、全身性エリテマトーデス(SLE)、クローン病、播種性毛細血管内凝固症候群(DIC)、虚血-再灌流後の組織損傷、角膜瘢痕組織の形成、脊髄炎等である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、セリンヒドロラーゼ媒介疾患の治療のための治療法として有効なセリンヒドロラーゼ阻害剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
セリンヒドロラーゼ阻害剤である化合物、前記化合物を含有する医薬組成物及びその使用方法を、本明細書において提供する。一実施態様において、前記化合物は、ヒト好中球エラスターゼ阻害剤を含む、好中球エラスターゼ阻害剤である。前記化合物は、ベンゾオキサジノン類及びその薬学的に許容され得る誘導体である。ある実施態様において、本明細書において提供される組成物及び方法に用いられる化合物、又はその薬学的に許容され得る誘導体は、式Iを有する:
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、可変部分は、得られた化合物がエラスターゼ阻害剤としての活性を示すように選ばれる)。
式Iの化合物及び薬学的に許容され得る担体を含有する医薬組成物を、本明細書において提供する。また、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによってセリンヒドロラーゼ媒介疾患の一つ以上の症状を治療、予防、又は改善するための方法を提供する。ある実施態様において、セリンヒドロラーゼは、ヒト好中球エラスターゼのような好中球エラスターゼである。
ある実施態様において、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによって好中球エラスターゼを含むがこれに限定されないセリンヒドロラーゼの作用を阻止するための方法を提供する。他の実施態様において、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによって、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群、特発性間質性肺炎、嚢胞性肺線維症、慢性間質性肺炎、慢性気管支炎、慢性気道感染、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、喘息、膵臓炎、腎炎、肝不全、慢性関節リウマチ、関節硬化腫、骨関節炎、乾癬、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、臓器移植に対する拒絶反応、早期破水、水疱症、ショック、敗血症、全身性エリテマトーデス、クローン病、播種性毛細血管内凝固症候群、虚血-再灌流後の組織損傷、角膜瘢痕組織の形成、脊髄炎と関連している症状を含むがこれらに限定されない、疾患又は症状の一つ以上を治療、予防、又は改善するための方法を本明細書において提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
特に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語や科学用語は、当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開された出願及び他の文献は、本明細書に全体で含まれるものとする。本明細書に用語について複数の定義がある場合には、特にことわらない限り本項のものが優先する。
本明細書の“被検者”は、動物(ヒト(患者を含む)を含む哺乳類)に用いられる。
本明細書に用いられる用語“セリンヒドロラーゼ媒介疾患、又は“セリンヒドロラーゼ媒介症状”は、好中球エラスターゼ或いはプロテイナーゼ-3を含むセリンヒドロラーゼが役割を果たすことが知られるいかなる疾患又は他の有害な症状或いは状態をも意味する。例示的疾患或いは症状としては、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群、特発性間質性肺炎、嚢胞性肺線維症、慢性間質性肺炎、慢性気管支炎、慢性気道感染、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、喘息、膵臓炎、腎炎、肝不全、慢性関節リウマチ、関節硬化腫、骨関節炎、乾癬、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、臓器移植に対する拒絶反応、早期破水、水疱症、ショック、敗血症、全身性エリテマトーデス、クローン病、播種性毛細血管内凝固症候群、虚血-再灌流後の組織損傷、角膜瘢痕組織の形成及び脊髄炎が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に用いられる生物活性は、化合物、組成物又は他の混合物の生体内投与の際に生じる化合物の生体内活性或いは生理学的反応を意味する。
このような生物活性は、このような化合物、組成物及び混合物の治療効果及び薬物動態学的挙動を包含する。生物活性は、このような活性を試験するように設計されたin vitroの系において確認することができる。
【0008】
本明細書に用いられる化合物の薬学的に許容され得る誘導体としては、塩類、エステル類、エノールエーテル類、エノールエステル類、アセタール類、ケタール類、オルトエステル類、ヘミアセタール類、ヘミケタール類、酸、塩基、溶媒和物、水和物、N-オキシド又はこれらのプロドラッグが挙げられる。このような誘導体は、このような誘導体化の既知の方法を用いて当業者によって容易に調製することができる。製造された化合物は、実質的に毒性作用がなく動物或いはヒトに投与することができ、いずれも医薬的に活性であるか又はプロドラッグである。薬学的に許容され得る塩類としては、アミン塩、例えば、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンや他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミンや他のアルキルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンであるがこれらに限定されない; アルカリ金属塩、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムであるがこれらに限定されない; アルカリ土類金属塩、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウムであるがこれらに限定されない; 遷移金属塩、例えば、亜鉛であるがこれに限定されない; 及び無機塩、例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウムであるがこれらに限定されないものが挙げられるがこれらに限定されない; また、鉱酸の塩、塩酸塩、硫酸塩であるがこれらに限定されない; 及び有機酸の塩、例えば、酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、メシル酸塩、フマル酸塩が挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容され得るエステルとしては、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸及びボロン酸が挙げられるがこれらに限定されない、酸性基の、アルキルエステル、アルケニルエステル、アルキニルエステル、アリールエステル、アラルキルエステル、及びシクロアルキルエステルが挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容され得るエノールエーテル類としては、式C=C(OR)(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル及びシクロアルキルである)の誘導体が挙げられるがこれに限定されない。薬学的に許容され得るエノールエステル類としては、式C=C(OC(O)R)(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル及びシクロアルキルである)の誘導体が挙げられるがこれに限定されない。薬学的に許容され得る溶媒和物及び水和物は、一つ以上の溶媒又は水分子、或いは1〜約100、或いは1〜約10、或いは1〜約2、3又は4の溶媒又は水分子を有する化合物の複合体である。
【0009】
本明細書に用いられる治療は、疾患或いは疾病の症状の一つ以上が改善されるか又はさもなければ有益に変化するいかなる方法をも意味する。治療は、また、本明細書における組成物のいかなる製薬学的用途、例えば、呼吸器疾患を治療するための使用をも包含する。
本明細書に用いられる特定の化合物或いは医薬組成物の投与による特定の疾病の症状の改善は、永続的或いは一時的、持続的或いは一過性にせよ、化合物又は組成物の投与によるものであり得るか或いは関連しているものであり得るいかなる軽減をも意味する。
本明細書に用いられる用語“管理する”、“管理している”及び“管理”は、特に明記しない限り、疾患或いは疾病にすでに罹っている患者において指定された疾患或いは疾病の再発を防止すること及び/又は疾患或いは疾病に罹っている患者の回復が保たれている時間を長くすることを包含する。これらの用語は、疾患或いは疾病の許容限界、発症及び/又は持続期間をモジュレートすること或いは患者が疾患又は疾病に応答する方法を変化させることを包含する。
本明細書に用いられるIC50は、このような応答を測定する分析において最大応答の50%阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度又は用量を意味する。
本明細書に提供される化合物がキラル中心を含有することができることは理解すべきである。このようなキラル中心は、(R)或いは(S)構造を有してもよく、これらの混合物であってもよい。従って、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性体的に純粋であってもよく、立体異性体混合物或いはジアステレオマー混合物であってもよい。このように、当業者は、(R)体の化合物の投与が、生体内でエピマー化を受ける化合物には、(S)体の化合物の投与と等価であることを認識する。
【0010】
本明細書に用いられる命名アルキル、アルコキシ、カルボニル、等は、当業者によって一般に理解されているように用いられる。
本明細書に用いられるアルキル、アルケニル及びアルキニルの炭素鎖は、指定されない場合、炭素1〜20個、又は炭素1〜16個を含有し、直鎖或いは分枝鎖である。炭素2〜20個のアルケニル炭素鎖は、ある実施態様において、二重結合1〜8個を含有し、炭素2〜16個のアルケニル炭素鎖は、ある実施態様において、二重結合1〜5個を含有する。炭素2〜20個のアルキニル炭素鎖は、ある実施態様において、三重結合1〜8個を含有し、炭素2〜16個のアルキニル炭素鎖は、ある実施態様において、三重結合1〜5個を含有する。本明細書において、例示的なアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、アセチレン及びヘキシンが挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に用いられる低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルは、炭素1又は約2個〜炭素約6個を有する炭素鎖を意味する。本明細書に用いられる“アルカ(エン)(イン)イル→アルケン−イン−イル”は、少なくとも一つの二重結合と少なくとも一つの三重結合を含有するアルキル基を意味する。
本明細書に用いられる“ヘテロアルキル”は、炭化水素鎖に挿入された、一つ以上の酸素、S(=O)基やS(=O)2基を含むイオウ又はNR基やN+RR基を含む置換された又は置換されていない窒素原子(ここで、一つ又は複数の窒素置換基は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はCOR'であり、ここで、R'は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、OY又は-NYY'であり、ここで、Y及びY'は、各々独立して、鎖内に、一実施態様において、1〜20個の原子を有し、他の実施態様において、1〜12個の原子を有する、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルである)を有する、直鎖、分枝鎖又は環状、ある実施態様において、直鎖又は分枝鎖の、脂肪族炭化水素を意味する。
【0011】
本明細書に用いられる“シクロアルキル”は、ある実施態様において、炭素原子3〜10個、他の実施態様において、炭素原子3〜6個の飽和単環式又は多環式環系を意味し; シクロアルケニル及びシクロアルキニルは、それぞれ、少なくとも一つの二重結合と少なくとも一つの三重結合を含む単環式又は多環式環系を意味する。シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基は、ある実施態様において、炭素原子3〜10個を含有するのがよく、シクロアルケニル基は、更に、実施態様において、炭素原子4〜7個を含有するのがよく、シクロアルキニル基は、更に、炭素原子8〜10個を含有するのがよい。シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基の環系は、縮合、架橋又はスピロ結合の方法で一緒に結合できる一つの環又は又は二つ以上の環から構成されされてもよい。“シクロアルカ(エン)(イン)イル”は、少なくとも一つの二重結合と少なくとも一つの三重結合を含有するシクロアルキル基を意味する。
本明細書に用いられる“置換アルキル”、“置換アルケニル”、“置換アルキニル”、“置換シクロアルキル”、“置換シクロアルケニル”、及び“置換シクロアルキニル”は、一つ以上の置換基、ある実施態様において、1〜3又は4つの置換基で置換され、ここで、置換基は、Q1から一般に選ばれる、本明細書に定義される通りである、それぞれ、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基を意味する。
本明細書に用いられる“アリール”は、炭素原子6〜19個を含有する芳香族単環式基又は多環式基を意味する。アリール基としては、置換基が存在する場合には、Q1から一般に選ばれる本明細書に定義される一つ以上の置換基である、フルオレニル、置換フルオレニル、フェニル、置換フェニル、ナフチル及び置換ナフチルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0012】
本明細書に用いられる“ヘテロアリール”は、ある実施態様において、約5〜約15員の、単環式又は多環式芳香環系を意味し、ここで、環系内の原子の1つ以上、一実施態様において、1〜3がヘテロ原子、即ち、窒素、酸素又はイオウが挙げられるがこれらに限定されない炭素以外の元素である。ヘテロアリール基は、必要により、ベンゼン環に縮合されてもよい。ヘテロアリール基としては、フリル、イミダゾリル、ピロリジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-メチルピロリル、キノリニル及びイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に用いられる“ヘテロアリールイウム”基はヘテロ原子の一つ以上が正に荷電しているヘテロアリール基である。
本明細書に用いられる“ヘテロシクリル”は、一実施態様において、3〜10員、他の実施態様において、4〜7員、更に一実施態様において、5〜6員の、単環式又は多環式非芳香環系を意味し、ここで、環系の原子の1つ以上、ある実施態様において、1〜3が、ヘテロ原子、即ち、窒素、酸素又はイオウが挙げられるがこれらに限定されない炭素以外の元素である。一つ又は複数のヘテロ原子が窒素である実施態様において、窒素は、必要により、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、グアニジノで置換されてもよく、或いは、窒素は、置換基が上記のように選ばれるアンモニウム基を形成するために四基化されてもよい。
本明細書に用いられる“置換アリール”、“置換ヘテロアリール”及び“置換ヘテロシクリル”は、置換基がQ1から一般に選ばれる本明細書に定義される通りである、1つ以上の置換基、ある実施態様において、1〜3又は4つの置換基で置換されている、それぞれ、アリール基、ヘテロアリール基及びヘテロシクリル基を意味する。
本明細書に用いられる“アラルキル”は、アルキルの水素原子の一つがアリール基により置き換えられているアルキル基を意味する。
【0013】
本明細書に用いられる“ヘテロアラルキル”は、アルキルの水素原子の一つがヘテロアリール基により置き換えられているアルキル基を意味する。
本明細書に用いられる“ハロ”、“ハロゲン”又は“ハロゲン化物”はF、Cl、Br又はIを意味する。
本明細書に用いられる擬又は擬ハロ基は、ハロゲン化物と実質的に同様に作用する基である。このような化合物は、同様に用いることができ、ハロゲン化物と同様に処理できる。擬ハロゲン化物としては、シアノで、チオシアネート、セレノシアネート、トリフルオロメトキシ、及びアジドが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に用いられる“ハロアルキル”は、水素原子の一つ以上がハロゲンにより置き換えられているアルキル基を意味する。このような基としては、クロロメチル、トリフルオロメチル及び1-クロロ-2-フルオロエチルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に用いられる“ハロアルコキシ”は、Rがハロアルキル基であるROを意味する。
本明細書に用いられる“カルボキシ”は、二価基、-C(O)O-を意味する。
本明細書に用いられる“アミノカルボニル”は、C(O)NH2を意味する。
本明細書に用いられる“アルキルアミノカルボニル”は、C(O)NHRを意味し、ここで、Rは、低級アルキルを含むアルキルである。本明細書に用いられる“ジアルキルアミノカルボニル”は、式C(O)NR'Rを意味し、ここで、R'及びRは、独立して、低級アルキルを含むアルキルであり、“カルボキシアミド”は、-NR'CORの基を意味し、ここで、R'及びRは、独立して、低級アルキルを含むアルキルである。
本明細書に用いられる“アリールアルキルアミノカルボニル”は、-C(O)NRR'を意味し、ここで、R及びR'の一方は、低級アリールを含むアリール、例えば、フェニルであり、R及びR'のもう一方は、低級アルキルを含むアルキルである。
本明細書に用いられる“アリールアミノカルボニル”は、-C(O)NHRを意味し、ここで、Rは、低級アリールを含むアリール、例えばフェニルである。
【0014】
本明細書に用いられる“ヒドロカルボニル”は、COOHを意味する。
本明細書に用いられる“アルコキシカルボニル”は、C(O)ORを意味し、ここで、Rは、低級アルキルを含むアルキルである。
本明細書に用いられる“アリールオキシカルボニル”は、-C(O)ORを意味し、ここで、Rは、低級アリールを含むアリール、例えば、フェニルである。
本明細書に用いられる“アルコキシ”及び“アルキルチオ”は、RO及びRSを意味し、ここで、Rは、低級アルキルを含むアルキルである。
本明細書に用いられる“アリールオキシ”及び“アリールチオ”は、RO-及びRS-を意味し、ここで、Rは、低級アリールを含むアリール、例えば、フェニルである。
所定の置換基の数が指定されていない場合(例えば、“ハロアルキル”)、一つ以上の置換基が存在してもよい。例えば、“ハロアルキル”は、同じか又は異なるハロゲンの一つ以上を含んでもよい。
他の実施例として、“C1-3アルコキシフェニル”は、炭素1、2又は3つを含有する同じか又は異なるアルコキシ基の一つ以上を含んでもよい。
本明細書に用いられるいかなる保護基、アミノ酸及び他の化合物の略語も、特にことわらない限り、これらの共通使用、広く認められている略語又は生化学命名に関するIUPAC−IUB委員会に準じる((1972) Biochem. 11:942-944を参照のこと)。
化合物
ある実施態様において、本明細書に提供される組成物及び方法に用いられる化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体は、式Iである:
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、Aは、ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環の炭素原子によってベンゾオキサジンコアに接続された5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-ORc、-C(O)Rc又は-S(O)mRcであり;
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R1は、水素、ハロ、アルキル、-OR3、-SR3、-NO2又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下の通りに選ばれる:
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない; 或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し; ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、各々独立して、0〜6であり;
【0017】
R1、R2、R3、R4及びR5は、必要により、各々独立してQ1より選ばれる、1、2、3又は4つの置換基により置換されていてもよく、ここで、Q1は、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、
【0018】
N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキルオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q1は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
【0019】
Q2は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、アルキニルアルコキシカルボニル、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、
【0020】
アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンを形成し;
【0021】
Q3は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、
【0022】
アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ3基が一緒になって、アルキレンを形成し;
【0023】
Q3は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
R50は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71であり、ここで、R70及びR71は、各々独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである、か又はR70とR71が一緒になって、アルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレン又はチアアルキレンを形成する;
R51、R52及びR53は、各々独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R63は、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71である)。
ある実施態様において、式Iの化合物は、Aが3-ピリジニルであり、R2がハロ又はメチルである場合には、R1が2-フェノキシではないという条件で選ばれる。一実施態様において、式Iの化合物は、Aが3-ピリジニルであり、R2がハロ又はアルコキシである場合には、R1が2-フェノキシではないという条件で選ばれる。一実施態様において、式Iの化合物は、Aが3-ピリジニルであり、R2がハロ又はアルコキシである場合には、R1が2-アリールオキシではないという条件で選ばれる。一実施態様において、式Iの化合物は、Aがピリジニルであり、R2がハロ又はアルコキシである場合には、R1が2-アリールオキシではないという条件で選ばれる。
【0024】
一実施態様において、式Iの化合物は、Aがヘテロシクリル環又はヘテロアリール環の炭素原子によってベンゾオキサジンコアに接続された5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であるように選ばれ;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-Rc、-C(O)、Rc又は-S(O)mRcであり、
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールから選ばれ;
R1は、アルキル、-R3、-SR3又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下の通り選ばれる:
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない; 或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し; ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、各々独立して、0〜6であり、その他の可変部分は本明細書に記載される通りである。
一実施態様において、環Aは、5-10又は5-7員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環である。例示的なヘテロシクリル環及びヘテロアリール環としては、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピンジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラジニル、テトラゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル及び当業者に知られる他のものが挙げられるがこれらに限定されない。一実施態様において、環Aは、5-7員ヘテロシクリル環、例えば、ピロリジニル又はテトラヒドロフリルである。他の実施態様において、環Aは、5-7員ヘテロアリール環、例えば、ピリジニル、チエニル又はピロリルである。一実施態様において、環Aは、ピリジニルである。一実施態様において、Aは、3-ピリジニルである。一実施態様において、Aは、2-ピリジニルである。一実施態様において、Aは、4-ピリジニルである。一実施態様において、Aは、2-チエニルである。
【0025】
一実施態様において、R2は、ハロ、アルキル、ハロアルキル又はアルコキシである。一実施態様において、R2は、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はメトキシである。一実施態様において、R2は、ブチル、プロピル、イソブチル又はシクロプロピルである。
一実施態様において、R1は、アルキル、例えば、メチル である。一実施態様において、R1は、-OR3又は-NR4R5である。
一実施態様において、R3は、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ハロアリール、アルコキシアルキル、アルキルアリール又はアリールスルホニルアルキルである。他の実施態様において、R3は、メチル、エチル、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、4-トリル、フェニルスルホニルエチル、3,4-メチレンジオキシベンジル又はジメトキシアミノエチルである。
一実施態様において、R4は、水素、低級アルキル又はアルコキシアルキルである。一実施態様において、R4は、水素、メチル又はメトキシエチルである。
一実施態様において、R5は、アラルキルオキシカルボニルアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリル又はアルコキシアルキルである。一実施態様において、R5は、ベンジルオキシカルボニルメチル、ジメチルアミノエチル、4-モルホリノエチル、N-メチルピロリジン-3-イル又はメトキシエチルである。
一実施態様において、R4及びR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって5又は6員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成する。一実施態様において、R4及びR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって5員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成する。ある実施形態において、環は、ピロリル又はピロリジニルである。
ある実施形態において、R1は、以下の通りである:
【0026】
【化3】

【0027】
(式中、Arは、CR6R7又はNR6であり; R6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ヘテロアリール、アルコキシアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヘテロシクリルカルボニルアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル又はイミダミジルであり; R7は、水素又はアルキルであり; Q1は、アルキル、アルコキシカルボニル、フェニル、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-N+R51R52R53、アルキルスルフィニルアルキルカルボニル、シクロアルキルアミノアルキル、ハロ、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノ、ジアルキルアミノアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、-SO3H又はアルキルスルホネートであり; n1は、1又は2であり; n2は、0-5である)。
ある実施形態において、R6は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-プロペニル、2-プロピニル、3-ブチニル、フェニル、シクロプロピルメチル、2-ヒドロキシエチル、ヒドロキシカルボニルエチル、ヒドロキシカルボニルプロピル、エトキシカルボニルエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、シアノエチル、3-シアノプロピル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、4-モルホリノエチル、2-ピリミジニル、3-ピリミジニル、4-ピリミジニル、2-チアゾリル、4-フルオロフェニルメチル、4-メトキシフェニルメチル、ピロリジン-1-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、1,3-ジオキソラン-2-イルメチル、N-メチルピペリジン-4-イル、エトキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、モルホリン-4-イルカルボニルメチル、t-ブチルオキシカルボニルアミノエチル、ヒドロキシエトキシエチル、アミノカルボニルメチル、2-プロピニルオキシカルボニルアミノエチル、又は-C(NH)NH2である。
ある実施形態において、Q1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェニルメチル、ヒドロキシカルボニルプロピル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、1-イミダゾリル、4-モルホリノ、モルホリン-4-イルメチル、モルホリン-4-イルエチル、-N(CH3)3+、メチルスルフィニルメチルカルボニル、シクロアルキルアミノアルキル、フルオロ、ジ(ヒドロキシエチル)アミノ、ジアルキルアミノアルキルカルボニル、ピロリジン-1-イルメチル、ピロリジン-1-イルエチル、シクロプロピルアミノメチル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イル、N-メチル-N-(メトキシエチル)アミノ、N-メチルピペラジン-4-イルカルボニル、N,N-ジメチルアミノエチルアミノ(メチル)カルボニル、-SO3H又は-(CH2)3SO3Hである。
ある実施形態において、R1は、以下の通りである:
【0028】
【化4】

【0029】
(式中、A2は、CH又はNであり; R6、Q1、n1、及びn2は、本明細書に記載される通りである)。
一実施態様において、R6は、水素、メチル、メトキシメチル又はシクロプロピルメチルであり; R7は、水素であり; Q1は、メチル、ジメチルアミノ、tert-ブチロキシカルボニル又はメトキシカルボニルであり; n1は、1又は2であり; n2は、1又は2である。
ある実施形態において、R1は、以下の通りである
【0030】
【化5】

【0031】
(式中、R6は、水素、アルキル、アルコキシアルキル又はシクロアルキルアルキルであり; Q1は、アルキル、ジアルキルアミノ又はアルコキシカルボニルであり; n2は、0-5である)。
他の実施態様において、R6は、水素、メチル、メトキシエチル又はシクロプロピルメチルである。他の実施態様においては、n2は1であり、Q1は、メチル、ジメチルアミノ、tert-ブチルオキシカルボニル又はメトキシカルボニルである。
ある実施形態においては、R1は、以下の通りである
【0032】
【化6】

【0033】
(式中、Q1は、アルキル、ジアルキルアミノ又はアルコキシカルボニルであり; n2は、0-3である)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0034】
【化7】

【0035】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0036】
【化8】

【0037】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0038】
【化9】

【0039】
(式中、Xは、ハロゲンであり、その他の可変部分は、本明細書に定義される通りである)。一実施態様において、Xは、フルオロ又はクロロである。
一実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0040】
【化10】

【0041】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0042】
【化11】

【0043】
(式中、R2は、アルキル又はハロである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0044】
【化12】

【0045】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0046】
【化13】

【0047】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0048】
【化14】

【0049】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0050】
【化15】

【0051】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0052】
【化16】

【0053】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0054】
【化17】

【0055】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0056】
【化18】

【0057】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0058】
【化19】

【0059】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
一実施態様において、R2は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、ハロ、アルキルカルボニル又はアルキルスルフェニルである。一実施態様において、R2は、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、クロロ、アシル又はメチルフェニルである。一実施態様において、R8は、アルコキシ、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリルである。
一実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0060】
【化20】

【0061】
(式中、Rx及びRyは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ; その他の可変部分は、本明細書に定義される通りである)。ある実施形態において、Rx及びRyは、各々独立して、水素及び低級アルキルより選ばれる。
一実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0062】
【化21】

【0063】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
一実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0064】
【化22】

【0065】
(式中、R9は、水素又は置換されていない又は置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、n3は、1-20である)。
一実施態様において、n3は、3又は4である。一実施態様において、R9は、水素、メチル、フェニル又は3-カルボキシピリジン-2-イルである。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0066】
【化23】

【0067】
(式中、Lは、リンカーであり、その他の可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、リンカーは、第一ベンゾオキサジノン部分をリンカーの第一端に接続する第一共有結合又は化学官能基と第二ベンゾオキサジノン部分にリンカーの第二端を接続する第二共有結合又は化学官能基を特徴とする。第一及び第二官能性は、独立して、存在してもよく、存在しなくてもよい。
リンカー、Lは、直線部分又は非環式部分、環状部分、芳香環又はこれらの組み合わせを含むことができる。ある実施態様において、リンカーは、C、N、O、S、P及びSiより選ばれる、水素原子以外の1〜100の主鎖原子を有することができる。ある実施態様において、リンカーは、水素以外の主鎖原子50個まで、水素以外の主鎖原子40個まで、30個まで、20個まで、15個まで、10個まで、5個まで、2個までを含有する。ある実施態様において、リンカーは、非環式である。
ある実施態様において、リンカーは、エチレングリコール又はアルキレン鎖又はこれらの混合物のオリゴマーを含有する。ある実施態様において、二つベンゾオキサジノン部分がアミドスルホンアミド、又はエーテル接続を介してリンカーに結合される。
他の実施態様において、本明細書において提供される結合体のリンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含有する。本明細書に用いられるPEGは、水素以外の主鎖原子50個までを含有することができる。ある実施態様において、PEGは、水素以外の主鎖原子5、11、13、14、22又は29個を含有する。ある実施態様において、PEGは、水素以外の主鎖原子5、11、13又は29個を含有する。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0068】
【化24】

【0069】
(式中、可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の通りである:
【0070】
【化25】

【0071】
(式中、n4は、1-20であり、その他の可変部分は、本明細書に定義される通りである)。
一実施態様において、n4は、4である。
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下より選ばれる:
【0072】
【化26】

【0073】
【化27】

【0074】
【化28】

【0075】
ある実施態様において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下より選ばれる:
【0076】
【化29】

【0077】
【化30】

【0078】
化合物の調製
本明細書において提供される化合物は、当業者に知られる方法及び本明細書における実施例の項に記載されるものと同様の以下の手順及びその通常の変更によって調製することができる。
化合物の調製のためのある例示的な反応スキームを以下に示す:
スキーム1 :
【0079】
【化31】

【0080】
脱離基は、当業者に知られるいかなる脱離基、例えば、Br、Cl、Fでもあり得る。
スキーム2
【0081】
【化32】

【0082】
反応に用いられる例示的なカップリング剤としては、HBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート)、DCC(N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、BOP(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)及び当業者に知られる他のものが挙げられるがこれらに限定されない。当業者に知られるいかなる塩基をも用いることができ、例示的な塩基は、DBU(ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム)、DIEA(N-エチル-N,N-ジイソプロピルアミン)及びピペリジンである。当業者に知られる触媒、例えば、HOBt(N-ヒドロキシベンゾトリアゾール)が用いられてもよい。
スキーム3
【0083】
【化33】

【0084】
他の実施態様において、本明細書において提供されるベンゾオキサジノン化合物は、以下の方法によって調製することができる。
スキーム4
【0085】
【化34】

【0086】
スキーム4の方法の2-ピロンは、購入されてもよく、当業者に知られる方法により調製されてもよい。2-ピロンの調製のためのある例示的な合成を以下に示す。
ジケトエステルから4-ヒドロキシ-2-ピロンの合成:
【0087】
【化35】

【0088】
この手順は、例えば、J. Org. Chem.,70: 4854 (2005)に見い出すことができる。
ジケトエステルから4-ヒドロキシ-2-ピロンの合成:
【0089】
【化36】

【0090】
4-ヒドロキシ-2-ピロンから4-アミノ-2-ピロンの合成:
【0091】
【化37】

【0092】
アントラニル酸の調製のためのある例示的な合成を以下のスキーム8及び9に示す:
スキーム5
【0093】
【化38】

【0094】
スキーム6
【0095】
【化39】

【0096】
本明細書において提供されるあるベンゾオキサジノン化合物は、以下の方法に従ってアントラニル酸から調製することができる:
スキーム7
【0097】
【化40】

【0098】
スキーム8
【0099】
【化41】

【0100】
スキーム9
【0101】
【化42】

【0102】
スキーム10
【0103】
【化43】

【0104】
スキーム7、8及び9に用いられるキラルアミノピロリジンは、J. Med. Chem. 35:4205 (1992)からの以下の方法によって調製することができる:
【0105】
【化44】

【0106】
他の実施態様において、第三級アミンを含有するベンゾオキサジノンは、更に変性して、例えば、R-X(ここで、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、シクロアルキル、ハロアルキル及びヘテロシクリルより選ばれ、Xは、脱離基、例えば、ハロ、スルホネート、第四級アミノ、アルキルオキシカルボニル又はアリールオキシカルボニルカルボニルである)との反応によって第四級アミンを得ることができる:
【0107】
【化45】

【0108】
他の実施態様においては、本明細書において提供されるあるベンゾオキサジノン化合物は、以下の“ワンポット”法に従って調製することができる:
【0109】
【化46】

【0110】
他の実施態様において、アルコキシ置換ベンゾオキサジノンは、以下の方法によって調製することができる:
【0111】
【化47】

【0112】
提供されたベンゾオキサジノン化合物の塩は、以下の方法によって調製することができる:
【0113】
【化48】

【0114】
他の実施態様において、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、及び他の塩は、同様の方法によって調製することができる。
医薬組成物の製剤
本明細書において提供される医薬組成物は、好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されないセリンヒドロラーゼ媒介疾患の症状の一つ以上の予防、治療、又は改善に有効である本明細書において提供される化合物の一つ以上の治療的に有効な量を含有する。
組成物は、本明細書において提供される一つ以上の化合物を含有する。化合物は、適切な医薬品、例えば、経口投与用に、液剤、懸濁液剤、錠剤、分散性錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤又はエリキシル剤又は非経口投与用に滅菌液剤又は懸濁液剤だけでなく、経皮貼付製剤や乾燥粉末吸入器にも処方され得る。典型的には、上記化合物は、当該技術において、周知の技術と手順を用いて医薬組成物に処方される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Seventh Edition 1999を参照のこと)。
組成物において、一つ以上の化合物又は薬学的に許容され得る誘導体の有効な濃度は、適切な医薬担体又は賦形剤と混合される。化合物は、上記のように、対応する塩、エステル、エノールエーテル又はエステル、酸、塩基、溶媒和物、水和物又は製剤より前のプロドラッグとして誘導体化されてもよい。組成物中の化合物の濃度は、投与時に、好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されない、セリンヒドロラーゼ媒介疾患の症状の一つ以上を予防、治療、又は改善する量の送達に有効である。
【0115】
典型的には、組成物は、単一用量投与用に処方される。組成物を配合するために、化合物の重量分率を、治療された症状が軽減されるか又は改善されるような有効な濃度で選択された賦形剤に溶解、懸濁、分散或いは混合する。本明細書において提供される化合物の投与に適切な医薬担体又は賦形剤としては、具体的な投与方法に適切であることが当業者に既知のようないかなる担体をも挙げられる。
更に、化合物は、組成物中の唯一の医薬的に活性な成分として配合されてもよく、他の有効成分と組み合わせてもよい。組織標的化リポソーム、例えば、腫瘍標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液も、薬学的に許容され得る担体として適切であり得る。これらは、当業者に既知の周知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、当該技術において、既知であるように調製することができる。概要としては、多重膜小胞(MLV)のようなリポソームは; 卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(7:3のモル比)をフラスコの内部で乾燥することによって形成することができる。二価のカチオン(PBS)を欠いているリン酸緩衝食塩水中の本明細書において提供される化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振盪する。得られた小胞を洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によって沈降させ、次いで、PBSに再懸濁させる。
活性化合物は、治療される患者に対して望ましくない副作用がなく治療的に有効な効果を示すのに充分な量で薬学的に許容され得る担体中に含まれる。治療的に有効な濃度は、本明細書に記載される試験管内及び生体内系で化合物を試験することによって経験的に求め、次いで、そこからヒトのための用量に外挿できる。
医薬組成物における活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化及び排出の速度、化合物の物理化学的特性、用量計画、及び投与される量、並びに当業者に知られる他の因子に左右される。例えば、送達される量は、好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されないセリンヒドロラーゼ媒介疾患の症状の一つ以上を改善させるのに充分な量である。
【0116】
ある実施態様において、治療的に有効な用量は、0.1ng/ml〜約50-100pg/mlの有効成分血清濃度を生じなければならない。一実施態様において、医薬組成物は、1日体重1キログラム当たり約0.001mg〜約2000mgの用量を与える。医薬単位剤形は、単位剤形当たり必須有効成分又は必須成分の組み合わせの約1mg〜約1000mg、ある実施態様において、約10〜約500mgを与えるように調製される。
有効成分は、一度に投与されてもよく、時間間隔で投与される多数のより少量の用量に分けられてもよい。治療の正確な用量と持続期間は、治療されている疾患の関数であり、既知の試験プロトコールを用いて経験的に又は生体内又は試験管内の試験データから外挿により決定されてもよいことが理解される。濃度及び用量値が改善すべき症状の重症度によって異なってもよいことは留意すべきである。いかなる具体的な被検者の場合も、特定の用法−用量は、個々の要求及び組成物の投与を投与しているか又は指図している人の専門の判断に従って時間とともに調整されなければならないこと、及び本明細書に示される濃度範囲が単に例示であり特許請求された組成物の範囲又は実施を限定することを意図するものでないことも更に理解されるべきである。
薬学的に許容され得る誘導体としては、酸、塩基、エノールエーテル及びエステル、塩、エステル、水和物、溶媒和物及びプロドラッグ形が挙げられる。誘導体は、薬物動態学的な特性が対応する中性化合物より優れているように選ばれる。
従って、本明細書に記載される化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体の一つ以上の有効な濃度又は量を全身系、局部或いは局所投与に適切な医薬担体又は賦形剤と混合して、医薬組成物を形成する。化合物は、好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されないセリンヒドロラーゼ媒介疾患の症状の一つ以上を改善させるか又は治療もしくは予防するのに有効な量で含まれる。組成物中の活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化、排出の速度、用量計画、投与される量、具体的な製剤だけでなく、当業者に知られる他の因子に左右される。
【0117】
組成物は、経口的に、非経口的に、直腸に、局部的に及び局所的にが挙げられるがこれらに限定されない、適切な経路により投与されることが意図される。経口投与の場合には、カプセル剤や錠剤が配合され得る。組成物は、液体、半流動体又は固体であり、それぞれの投与経路に適した方法で配合される。
非経口、皮内、皮下、又は局所適用に用いられる溶液又は懸濁液には、以下の成分のいずれもが含まれ得る: 滅菌希釈剤、例えば、注射用蒸留水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド又は他の合成溶媒; 抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールやメチルパラベン; 抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム; キレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA); 緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩; 等張化を調整する物質、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロース。非経口製剤は、ガラス、プラスチック又は他の適切な材料からできたアンプル、使い捨て注射器又は一回投与又は複数回投与用バイアルに封入され得る。
化合物が不十分な溶解性を示す場合には、化合物を可溶化する方法を用いることができる。このような方法は、当業者に既知であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)のような共溶媒を用いること、TWEEN(登録商標)のような界面活性剤を用いること、又は水性重炭酸ナトリウムに溶解することが挙げられるがこれらに限定されない。
一つ又は複数の化合物を混合又は添加する際に、得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であるのがよい。得られた混合物の形は、意図された投与方法及び選択された担体又は賦形剤における化合物の溶解性を含む多くの因子に左右される。有効な濃度は、治療される疾患、疾病又は状態の症状を改善させるのに充分な濃度であり、経験的に求めることができる。
【0118】
医薬組成物は、化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体の適切な量を含有する錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口液剤又は懸濁液剤、又は経口液剤又は懸濁液剤、又は水中油型乳剤のような単位剤形でヒトや動物に投与するために与えられる。医薬的に治療的に活性な化合物及びその誘導体は、単位剤形又は複数の剤形において、配合され投与される。本明細書に用いられる単位投与形は、ヒトや動物の被検者に適切な物理的に分離した単位を意味し、当該技術において、既知であるように個別に包装される。それぞれの単位投与量は、所望の治療の効果を得るのに充分な所定量の治療的に活性な化合物を、必要な医薬担体、賦形剤又は希釈剤に関連して含有する。単位投与形の例としては、アンプルや注射器、又は個別に包装された錠剤或いはカプセルが挙げられる。単位投与形は、部分又はその倍数で投与できる。複数の投与形は、分離した単位投与形で投与される単一容器に包装された複数の同一単位剤形である。複数の投与形の例としては、バイアル、錠剤又はカプセルのびん又はパイント又はガロンのびんが挙げらる。つまり、複数の投与形は、包装する際に分離されない倍数の単位投与量である。
持効性製剤もまた、調製することができる。持効性製剤の適切な例としては、本明細書において提供される化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、そのマトリックスは、成形された製品、例えば、膜、又はマイクロカプセルの形である。持効性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L-グルタミン酸とエチル-L-グルタミネートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射用マイクロスフェア)、ポリD(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。ポリマー、例えば、エチレン-酢酸ビニルや乳酸-グリコール酸は100日間にわたって分子の放出を可能にし、ある種のヒドロゲルはより短い時間にタンパク質を放出する。封入された化合物が長期間体内に残る場合には、37oCの水分にさらされる結果として変性或いは凝集することがあり得、生物活性の低下及びそれらの構造の変化の可能が生じる。関係する作用機構によっては安定化のために合理的な方策を講じることができる。例えば、凝集機序がチオ-ジスルフィド相互交換によって分子間S--S結合形成であることを発見した場合には、スルフヒドリル残基を変性し、酸性溶液から凍結乾燥し、水分を制御し、適切な添加剤を用い、特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって安定化を達成できる。
【0119】
0.005%〜100%の範囲の有効成分を含有し、残部が非毒性の担体から構成された、剤形又は組成物を調製することができる。経口投与の場合には、通常使われる賦形剤、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム又はサッカリンナトリウムのいかなるものも取り込むことによって薬学的に許容され得る非毒性の組成物が形成される。このような組成物としては、液剤、懸濁液剤、錠剤、カプセル剤、散剤及び徐放性製剤、例えば、これらに限定されないが移植片及びマイクロカプセル化デリバリーシステム、又は生分解性ポリマー、生体適合性ポリマー、例えば、コラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの組成物の調製方法は、当業者に既知である。企図された組成物は、約0.001%-100%有効成分、ある実施態様において、0.1-85%又は約75-95%を含有することができる。
活性化合物又は薬学的に許容され得る誘導体は、化合物を時間放出製剤又はコーティングのような体内から急速な消失を保護する担体によって調製することができる。
組成物は、他の活性化合物を含み、特性の所望の組み合わせを得ることができる。本明細書において提供される化合物、又は本明細書に記載されるその薬学的に許容され得る誘導体は、また、有利には、治療又は予防のために、好中球エラスターゼ媒介疾病が挙げられるがこれに限定されないセリンヒドロラーゼ媒介疾病のような上文に示される疾患の又は病状の一つ以上を治療する際に有益であることが一般技術において、既知の他の薬理作用のある物質と共に投与できる。このような併用療法が、更に、本明細書において提供される治療組成物及び方法の態様を構成することは理解されるべきである。
【0120】
本明細書において提供されるラクトースを含まない組成物は、当該技術において、周知であり、例えば、米国薬局方(USP) SP(XXI)/IF(XVI)に記載される賦形剤を含有することができる。一般に、ラクトースを含まない組成物は、有効成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を薬学的に適合し且つ薬学的に許容され得る量で含有する。例示的なラクトースを含まない剤形は、有効成分、ミクロクリスタリンセルロース、アルファ化デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含有する。
本明細書において提供される化合物を含有する無水医薬組成物及び剤形も更に包含される。例えば、品質保持又は製剤の経時安定性のような特性を決定するために、水の添加(例えば、5%)は、長期貯蔵をシミュレートする手段として製薬技術に広く受け入れられている。例えば、Jens T, Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed,, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照のこと。要するに、水及び熱は、ある化合物の分解を加速する。従って、製剤の製造、処理、包装、貯蔵、出荷及び使用の間に、水分及び/又は湿度が一般的に遭遇するので、製剤に対する水の作用は非常に重大であり得る。
本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水成分又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を用いて調製することができる。ラクトース及び第一又は第二アミンを含む少なくとも一つの有効成分を含む医薬組成物及び剤形は、製造、包装、貯蔵の間に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合には、好ましくは無水である。
無水医薬組成物は、無水の性質が維持されるように調製され保存されなければならない。従って、無水組成物は、好ましくは、適切な配合キットに含まれ得るように水にさらされることを防止することが既知の材料を用いて包装される。適切な包装の例としては、密封ホイル、プラスチック、単位投与容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが挙げられるがこれらに限定されない。
【0121】
4.1.1 経口剤形
経口医薬剤形は、固体か、ゲルか或いは液体である。固体剤形は、錠剤剤、カプセル剤、顆粒剤、及び原末散剤である。経口錠剤の種類としては、腸溶性、糖衣又はフィルムコートであってもよい圧縮チュアブルロゼンジ及び錠剤が含まれる。カプセル剤は、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルであってもよく、顆粒剤及び散剤は、当業者に既知の他の成分を組み合わせて非発泡体又は発泡体で提供されてもよい。
ある実施態様において、製剤は、固体剤形、例えば、カプセル又は錠剤である。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、以下の成分、又は同様の種類の化合物のいずれもを含有することができる: 結合剤; 希釈剤; 崩壊剤; 滑沢剤; 流動促進剤; 甘味剤; 香味剤。
結合剤の例としては、ミクロクリスタリンセルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン液、スクロース及びデンプン糊が挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、石松子、ステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるがこれに限定されない。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、許可認定された水可溶性FD及びC色素、その混合物のいかなるものも; 及びアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD及びC色素が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール及び人工甘味剤、例えば、サッカリン、及び多くの噴霧乾燥フレーバーが挙げられる。香味剤は、植物、例えば、果実から抽出された天然フレーバー及びおいしい味覚を生じる化合物の合成ブレンド、例えば、限定されないがペパーミントとサリチル酸メチルが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウラルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア処理したシェラック及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。膜コーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。経口投与が所望される場合には、胃の酸性環境から保護する組成物に化合物を与えることができる。例えば、組成物は、胃の完全性を維持すると共に腸において、活性化合物を放出する腸溶コーティングに配合することができる。組成物は、また、制酸剤又は他のこのような成分と組み合わせて配合することができる。
【0122】
単位剤形がカプセルである場合、上記種類の材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含有することができる。更に、単位剤形は、投与単位の物理的形態を変える種々の他の材料、例えば、砂糖コーティングや他の腸溶性物質を含有することができる。化合物は、また、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハー、スプリンクル、チューインガム等の成分として投与されることができる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤及びある種の防腐剤としてのスクロース、色素及び着色剤及びフレーバーを含有してもよい。
活性材料は、また、所望の作用を損なわない他の活性材料と、又は所望の作用を補足する材料、例えば、制酸剤、H2ブロッカー、又は利尿剤と混合できる。有効成分は、本明細書に記載される化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体である。有効成分の約98質量%までの高い濃度が含まれるのがよい。
錠剤に含まれる薬学的に許容され得る担体は、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、及び湿潤剤である。腸溶錠は、腸溶コーティングのために、胃酸の作用に抵抗すると共に中性又はアルカリ性の腸に溶解するか又は崩壊する。糖衣錠は、薬学的に許容され得る物質の異なる層が適用される圧縮錠剤である。フィルムコート錠は、ポリマー又は他の適切なコーティングで被覆された圧縮錠剤である。多重圧縮錠剤は、前述の薬理学的に許容される物質を用いて一つ以上の圧縮サイクルにより製造された圧縮錠剤である。着色剤もまた、上記剤形に用いることができる。香味剤及び甘味剤は、圧縮錠剤、糖衣錠、多重圧縮錠剤及び咀嚼錠に用いられる。香味剤及び甘味剤は、特に、咀嚼錠及びロゼンジの形成に有効である。
液体経口剤形としては、非発泡性顆粒剤から再構成される水溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液及び/又は懸濁液及び発泡性顆粒剤から再構成される発泡性製剤が挙げられる。水溶液としては、例えば、エリキシル剤及びシロップ剤が挙げられる。エマルジョンは、水中油型又は油中水型である。
【0123】
エリキシル剤は、透明な甘い含水アルコール製剤である。エリキシル剤に用いられる薬学的に許容され得る担体には、溶媒が含まれる。シロップ剤は、砂糖の濃縮水溶液、例えば、スクロースであり、防腐剤を含有してもよい。エマルジョンは、一つの液体が他の液体の全体に小球の形で分散されている二相系である。エマルジョンに用いられる薬学的に許容され得る担体は、非水性液体、乳化剤及び防腐剤である。懸濁液は、薬学的に許容され得る懸濁剤及び防腐剤を用いる。液体経口剤形に再構成される、非発泡性顆粒剤に用いられる薬学的に許容され得る物質には、希釈剤、甘味剤及び湿潤剤が含まれる。液体経口剤形に再構成される、発泡性顆粒剤に用いられる薬学的に許容され得る物質には、有機酸及び二酸化炭素源が含まれる。着色剤及び香味剤は、上記剤形のすべてに用いられる。
溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが挙げられる。防腐剤の例としては、グリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールが挙げられる。エマルジョンに用いられる非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ベントナイト、及び界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。懸濁剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカントゴム、Veegum及びアラビアゴムが挙げられる。希釈剤としては、ラクトース及びスクロースが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、シロップ剤、グリセリン及び人工甘味剤、例えば、サッカリンが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、モノラウリン酸ジエチレングリコール及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、許認可された水溶性FD及びC色素のいずれも、及びこれらの混合物が挙げられる。香味剤としては、果実のような植物から抽出された天然フレーバー及びおいしい味覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。
【0124】
固体剤形の場合には、例えば、プロピレンカーボネート、植物油又はトリグリセリド中の溶液又は懸濁液がゼラチンカプセルに封入される。このような溶液、及びその調製及び封入は、米国特許第4,328,245号; 同第4,409,239号; 同第4,410,545号に開示されている。液体剤形の場合には、例えば、ポリエチレングリコール中の、溶液は、投与のために簡単に測定されるのに充分な量の薬学的に許容され得る液体担体、例えば、水で希釈されてもよい。
或はまた、液体又は半固体経口製剤は、活性化合物又は塩を植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、プロピレンカーボネート)及び他のこのような担体に溶解するか又は分散させ、これらの溶液又は懸濁液を硬ゼラチンカプセルシェル又は軟ゼラチンカプセルシェルを封入することによって調製することができる。他の有効な製剤には、本明細書において提供される化合物を含有するもの、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-55O-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルが挙げられるがこれらに限定されない、ジアルキル化モノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコール、ここで、350、550及び750は、ポリエチレングリコールのほぼ平均分子量を意味する、及び一つ以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、及びジチオカルバメートが含まれるがこれらに限定されない。
他の製剤には、薬学的に許容され得るアセタールを含むアルコール水溶液が含まれるがこれに限定されない。これらの製剤に用いられるアルコールは、プロピレングリコール及びエタノールが挙げられるがこれらに限定されない、一つ以上のヒドロキシル基を有するいかなる薬学的に許容され得る水混和性溶媒である。アセタールとしては、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタールが挙げられるがこれに限定されない。
すべての実施態様において、錠剤及びカプセル剤の製剤は、有効成分の溶解を改善するか又は持続させるために当業者が既知のように被覆されてもよい。従って、例えば、慣用の経腸的に消化性のコーティング、例えば、フェニルサリシレート、ワックス及び酢酸フタル酸セルロースで被覆されてもよい。
【0125】
4.1.2 注射用剤、液剤及び乳剤
一般に皮下、筋肉内又は静脈内注射を特徴とする非経口投与もまた、本明細書に企図される。注射剤は、慣用の形で、液体の溶液又は懸濁液、注射に先立って液体の溶液又は懸濁液に適した固体形態として、又はエマルジョンとして調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール又はエタノールである。更に、所望により、投与される医薬組成物は、また、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度エンハンサー、及び他のこのような物質、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、シクロデキストリンを含有することができる。一定の用量レベルが維持されるような持続放出製剤又は徐放性製剤の注入もまた、本明細書に企図される。概要としては、本明細書において提供される化合物を、体液に不溶性である外側の重合膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンとプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが取り囲んでいる、固体の内側のマトリックス、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化された又は可塑化されていないポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、架橋されたポリビニルアルコール、架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸とメタアクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲンに分散する。化合物は、外側の重合膜を通って放出速度制御段階で拡散する。このような非経口的組成物に含有する活性化合物のパーセントは、その個々の種類だけでなく、化合物の活性及び被検者の要求にも非常に左右される。
【0126】
組成物の非経口投与としては、静脈内、皮下及び筋肉内投与が挙げられる。非経口投与用製剤としては、すぐに注射できる滅菌溶液、皮下注射用錠剤を含む使用直前に溶媒と混ぜ合わせることができる凍結乾燥粉末のような滅菌乾燥可溶性製剤、すぐに注射できる滅菌懸濁液、使用直前に賦形剤と混ぜ合わせることができる滅菌乾燥不溶性製剤及び滅菌エマルジョンが挙げられる。溶液は、水性でも又は非水系でもよい。
静脈内に投与される場合には、適切な担体には、生理食塩水或いはリン酸緩衝食塩水(PBS)、及び増粘剤や可溶化剤を含有する溶液、例えば、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はこれらの混合物が含まれる。
非経口製剤に用いられる薬学的に許容され得る担体には、水性賦形剤、非水性賦形剤、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤、分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート化剤及び他の薬学的に許容され得る物質が含まれる。
水性賦形剤の例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、等張デキストロース注射液、注射用蒸留水、デキストロース及び乳酸加リンゲル液が挙げられる。非水性非経口的賦形剤としては、植物性由来の固定油、綿実油、コーン油、胡麻油及び落花生油が挙げられる。フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルヒドロキシ安息香酸エステル、プロピルヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムが挙げられる、静菌性濃縮物又は静真菌性濃縮物の抗菌剤が、複数回投与容器に包装された非経口製剤に添加されなければならない。等張剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、Polysorbate 80(TWEEN(登録商標) 80)が挙げられる。金属イオン封鎖剤又はキレート化剤としては、EDTAが挙げられる。医薬担体としては、また、水混和性賦形剤のためのエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコール及びpH調整のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸又は乳酸が挙げられる。
医薬的に活性化合物の濃度は、注射が所望の薬理効果を生じるのに有効な量を与えるように調整される。正確な用量は、当該技術において既知である患者又は動物の年齢、重さ及び症状に左右される。
【0127】
単位投与非経口製剤は、アンプル、バイアル又は注射器に針とともに包装される。すべての非経口投与用製剤は、従来技術において知られ実施されるように、無菌でなければならない。
説明的には、活性化合物を含有する滅菌水溶液の静脈内又は動脈内注入は、有効な投与方法である。他の実施態様は、所望の薬理効果を生じるのに必要であるように注入される活性物質を含有する滅菌水性又は油性溶液又は懸濁液である。
注射剤は、局所及び全身系の投与用に設計される。典型的には、治療的に有効な用量は、治療された組織に対して少なくとも約0.1% w/wから約90% w/w以上まで、例えば、1% w/wを超える活性化合物の濃度を含有するように配合される。有効成分は、一度に投与されてもよく、又は時間間隔で投与される多くのより少量の用量に分けられてもよい。治療の正確な用量及び持続期間は、治療されている組織の関数であり、既知の試験プロトコールを用いて経験的に又は生体内又は試験管内の試験データから外挿により決定されてもよい。濃度及び用量値が治療される個体の年齢によって変動してもよいことも留意すべきである。いかなる具体的な被検者の場合にも、個々の要求及び製剤の投与を投与しているか又は指図している人の専門の判断に従って経時調整されなければならないこと、また、本明細書に示される濃度範囲が単に例示であり且つ特許請求された製剤の範囲又は実施を限定するものでないことは、更に理解されるべきである。
化合物は、微粉化又は他の適切な形に懸濁されてもよく、より可溶性の活性製剤を生じるか又はプロドラッグを生じるように誘導体化されてもよい。得られた混合物の形は、意図された投与方法及び選択された担体又は賦形剤の化合物の溶解性を含む、多くの因子に左右される。有効な濃度は、状態の症状を改善させるのに充分な濃度であり、経験的に決定できる。
【0128】
4.1.3 凍結乾燥粉末
溶液、エマルジョン及び他の混合物としての投与に再構成できる凍結乾燥粉末もまた、本明細書において興味深い。これらは、また、固形物又はゲルとして再構成され配合され得る。
滅菌凍結乾燥粉末は、本明細書において提供される化合物、又はその薬学的に許容され得る誘導体を適切な溶媒に溶解することにより調製される。溶媒は、粉末又は粉末から調製される再構成溶液の安定性又は他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含有することができる。用いられることが可能である賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース又は他の適切な物質が挙げられるがこれらに限定されない。溶媒は、また、クエン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムのような緩衝剤又は当業者に知られる他のこのような緩衝剤を、一実施態様において、ほぼ中性pHで、含有してもよい。当業者に知られる標準条件下で凍結乾燥後の溶液の続いての滅菌ろ過によって所望の製剤が得られる。一般に、得られた溶液は、凍結乾燥用のバイアルに配分される。それぞれのバイアルは、化合物の単一用量(10-1000mg又は100-500mgが挙げられるがこれらに限定されない)又は複数用量を含有する。凍結乾燥粉末は、適切な条件下で、例えば、約4oC〜室温で貯蔵され得る。
この凍結乾燥粉末の注射用蒸留水による再構成によって非経口投与に用いられる製剤が得られる。再構成の場合には、1-50mg、約5-35mg、又は約9-30mgの凍結乾燥粉末が、滅菌水又は他の適切な担体1mLに対して添加される。正確な量は、選ばれた化合物に左右される。このような量は、経験的に決定され得る。
【0129】
4.1.4 局所投与
局所及び全身系の投与に記載されるように局所混合物が調製される。得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であるのがよく、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、乳剤、液剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液剤、チンキ剤、ペースト剤、発泡剤、エアゾール剤、洗浄剤、噴霧剤、坐剤、絆創膏、経皮貼付剤又は局所投与に適した他のいかなる製剤としても配合される。
化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体は、局所適用のための、例えば、吸入によるエアゾール剤として配合されてもよい(例えば、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号、同第4,364,923号を参照のこと、これらには、炎症性疾患、特に喘息の治療に有効なステロイドの送達用エアゾール剤が記載されている)。呼吸器管に対する投与用のこれらの製剤は、ネブライザーのためのエアゾール又は溶液の形で、又は吸入のための超微粒粉末として、単独で又はラクトースのような不活性担体と共にあり得る。このような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満〜10ミクロン未満の直径を有する。
局所或いは局部適用のために、例えば、皮膚や粘膜に対する局所適用のために、例えば、眼に、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤の形で、また、眼に対する適用のために又は嚢内又は脊椎内適用のために配合されてもよい。局所投与は、経皮送達のために、また、眼又は粘膜への投与のために、又は吸入治療のため企図される。経鼻溶液もまた、活性化合物単独で又は他の薬学的に許容され得る賦形剤と組み合わせて投与され得る。
これらの溶液、特に眼科使用のために意図されたものは、適切な塩によって0,01% - 10%等張溶液、pH 約5-7として配合されるのがよい。
【0130】
4.1.5 他の投与経路用の組成物
他の投与経路、例えば、局所適用、経皮貼付剤、直腸投与もまた、本明細書に企図される。
例えば、直腸投与のための医薬剤形は、全身系作用のための、直腸坐薬、カプセル剤、錠剤である。本明細書に用いられる直腸坐薬は、一つ以上の薬理的に又は治療的に活性な成分を放出する体温で融解するか又は軟化する直腸の中に挿入する固形物を意味する。直腸坐薬中に用いられる薬学的に許容され得る物質は、基剤或いは賦形剤及び融点を上げる物質である。基剤の例としては、カカオバター(カカオ脂)、グリセリンゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)及び脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物が挙げられる。種々の基剤の組み合わせが用いられてもよい。坐薬の融点を上げる物質としては、鯨ろう及びワックスが挙げられる。直腸坐薬は、圧縮方法によって又は成形により調製されてもよい。直腸坐薬の例示的質量は、約2〜3グラムである。
直腸投与用の錠剤及びカプセル剤は、同様の薬学的に許容され得る物質を用いて、経口投与用の製剤と同様の方法により製造される。
【0131】
4.1.6 徐放性組成物
本明細書において提供される有効成分は、当業者に周知である放出制御手段によって又は送達デバイスにより投与され得る。例としては、米国特許第3,845,770号; 同第3,916,899号; 同第3,536,809号; 同第3,598,123号; 同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号; 同第5,591,767号; 同第5,120,548号; 同第5,073,543号; 同第5,639,476号; 同第5,354,556号; 同第5,639,480号; 同第5,733,566号; 同第5,739,108号; 同第5,891,474号; 同第5,922,356号; 同第5,972,891号; 同第5,980,945号; 同第5,993,855号; 同第6,045,830号; 同第6,087,324号; 同第6,113,943号; 同第6,197,350号; 同第6,248,363号; 同第6,264,970号; 同第6,267,981号; 同第6,376,461号; 同第6,419,961号; 同第6,589,548号; 同第6,613,358号; 同第6,699,500号; 同第6,740,634号に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されず、これらの明細書のそれぞれの記載は本明細書に含まれるものとする。このような剤形は、例えば、所望の放出プロファイルを種々の割合で与えるヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、マイクロスフェア、又はこれらの組み合わせを用いて、一つ以上の有効成分の緩慢な放出又は徐放を与えるために使用し得る。本明細書において提供される有効成分と用いられる本明細書に記載されるものを含む当業者に既知の適切な徐放性製剤は、容易に選ばれ得る。
すべての徐放性医薬品は、これらの制御されていない対応物により達成される薬剤治療を改善する共通の目標を有する。一実施態様において、医学的な治療に最適に設計された徐放性製剤の使用は、最低時間において、症状を治癒させるか又は制御させるのに最少限の使われている薬剤物質を特徴とする。ある実施態様において、徐放性製剤の利点としては、薬剤活性の延長、用量頻度を減少、及び患者の服薬遵守の増加が含まれる。更に、徐放性製剤は、作用又は他の特性、例えば、薬剤の血中濃度の開始時間に影響するように使用できるので、副作用(例えば、有害な作用)の発生に影響させることができる。
ほとんどの徐放性製剤は、最初は、所望の治療効果をすぐに生じる薬剤(有効成分)量を放出し、徐々に持続的に、長時間かけてこのレベルの治療効果又は予防効果を維持する他の薬剤量を放出するように設計される。体内において、この一定レベルの薬剤を維持するために、薬剤は、代謝され体内から排出される薬剤量を置き換える速度で剤形から放出されなければならない。有効成分の徐放性は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件又は化合物が挙げられるがこれらに限定されない種々の条件により促進され得る。
【0132】
ある実施態様において、静注、注入可能な浸透ポンプ、経皮貼付剤、リポソーム、又は他の投与方法を用いて、物質を投与できる。一実施態様において、ポンプが用いられてもよい(Sefton, CRC Crit. Ref, Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照のこと)。他の実施態様において、ポリマー材料が使用し得る。更に他の実施態様において、放出制御系は、治療標的に接近して入れることができるので、全身系の用量の一部分だけを必要とする(例えば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照のこと)。
一部の実施態様において、放出制御デバイスは、不適当な免疫活性化部位又は腫瘍に近接し被検者に導入される。他の放出制御系は、Langer(Science 249:1527-1533 (1990)により概説されている。有効成分を、体液に不溶性である外側の重合膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンとプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが取り囲んでいる、固体の内側のマトリックス、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化された又は可塑化されていないポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸とメタアクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋されたポリビニルアルコール、架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルに分散する。有効成分は、外側の重合膜を通って放出速度制御段階で拡散する。このような非経口的組成物に含有する有効成分のパーセントは、その個々の種類だけでなく、被検者の要求にも非常に左右される。
【0133】
4.1.7 標的化製剤
本明細書において提供される化合物、又はその薬学的に許容され得る誘導体は、また、治療される被検者の体の具体的な組織、受容体又は他の領域を標的にするために配合することができる。多くのこのようなターゲティング法は、当業者に周知である。本組成物に用いられるすべてのこのようなターゲティング法は、本明細書に企図される。ターゲティング法の限定されない例について、例えば、米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,049,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号及び同第5,709,874号を参照のこと。
一実施態様において、組織標的化リポソーム、例えば、腫瘍標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液は、また、薬学的に許容され得る担体として適切であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号に記載されるように調製することができる。概要としては、多重膜小胞(MLV)のようなリポソームは、卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(7:3のモル比)をフラスコの内部で乾燥することによって形成することができる。二価のカチオン(PBS)を欠いているリン酸緩衝食塩水中の本明細書において提供される化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振盪する。得られた小胞を洗浄して、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によって沈降させ、次いで、PBSに再懸濁させる。
【0134】
製造品
化合物又は薬学的に許容され得る誘導体は、包装材料、好中球エラスターゼ活性を含むがこれに限定されない、セリンヒドロラーゼと関連している一つ以上の症状の治療、予防又は改善のに用いられる本明細書において提供される化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体、及び化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体が、好中球エラスターゼ媒介疾患が挙げられるがこれに限定されない、セリンヒドロラーゼ媒介疾患の一つ以上の症状の治療、予防又は改善に用いられることを示すラベルを含有する製造品として包装され得る。
本明細書において提供される製造品は、包装材料を含有する。医薬品を包装するのに用いられる包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号及び同第5,033,252号を参照のこと。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、びん、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、びん、並びに選ばれた製剤及び企図された投与及び治療の方法に適したいかなる包装材料も挙げられるがこれらに限定されない。本明細書において提供される化合物及び組成物の幅広い数々の製剤が企図される。
【0135】
化合物の活性の評価
所望の生物活性を有するものを同定するために化合物を試験するのに生理的、薬理学的及び生物化学的な標準手順が利用可能である。本明細書において提供される化合物の好中球エラスターゼ活性を含むがこれに限定されないセリンヒドロラーゼは、本明細書に記載される分析だけでなく、当業者に一般的に知られる分析を用いて、容易に検出できる。ヒト好中球エラスターゼ媒介症状の例として以下を示す:
急性呼吸困難症候群又は成人呼吸困難症候群について、ヒト好中球エラスターゼ(FINE)モデルによる方法(AARD, 141 227-677 (1990)); ミニブタにおけるエンドトキシン誘導急性肺損傷モデル(AARD, 142:782-788 (1990)); 又はハムスターにおけるヒトの多形核エラスターゼ誘導肺出血モデルによる方法(欧州特許公開第0769498号)を用いることができる; 虚血/再灌流において、再灌流損傷のイヌモデルによる方法(J. Clin. Invest,, 81: 624-629 (1988)を用いることができる。
【0136】
化合物及び組成物の使用方法
化合物及び組成物の使用方法を提供する。前記方法は、化合物及び組成物の試験管内及び生体内双方の使用を含む。
ある実施態様において、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによって、好中球エラスターゼを含むがこれに限定されない、セリンヒドロラーゼの作用を阻害するための方法を本明細書において提供する。一実施態様において、前記方法は、好中球エラスターゼを含むがこれに限定されない、セリンヒドロラーゼと本明細書において提供される化合物とを接触させることを含む。
他の実施態様において、急性呼吸困難症候群、成人呼吸困難症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び虚血再灌流損傷に関連している状態を含むがこれらに限定されない疾患又は状態の一つ以上の症状の治療、予防又は改善するための方法を本明細書において提供する。化合物は、また、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによって、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、心筋梗塞; 肝硬変を含むがこれに限定されない肝臓障害、全身性紅斑性狼瘡、Tリンパ球、Bリンパ球、胸腺細胞を含むがこれらに限定されない、リンパ系起源の炎症性疾患; 自己免疫疾患、骨髄; 関節の炎症(特に、関節リウマチ、骨関節炎、痛風); 胃腸管の炎症(特に、炎症性腸疾患、潰瘍性結腸炎、膵臓炎、胃炎); 皮膚の炎症(特に、乾癬、湿疹、皮膚炎); 腫瘍転移又は侵入; 骨関節炎のような細胞外マトリックスの制御されない分解と関連している疾患; 吸収性骨疾患(例えば、骨粗鬆症、パジェット病); 異常血管形成と関連している疾患; 糖尿病、歯周疾患(例えば、歯肉炎)、角膜潰瘍、皮膚の潰瘍、術後の状態(例えば、結腸吻合)及び皮膚創傷治癒と関連しているコラーゲン再構築の亢進; 中枢神経及び末梢性神経系の脱髄疾患(例えば、多発性硬化症); 痴呆、心臓血管由来の炎症性疾患のような加齢による病気; 肉芽腫性疾患; 腎炎及び多発性動脈炎が挙げられるがこれらに限定されない腎疾患; 癌; 肺高血圧、摂取した毒物、皮膚接触、針、咬創; 喘息; 鼻炎; HIV疾患の進行; ヒト臓器を含むがこれに限定されない臓器移植の臓器拒絶反応の作用を最小にすること; プロテイナーゼ阻害剤の代償療法を引き起こし且つ/又は広がる内在性及び/又は外因性生物学的製剤刺激物質のモジュレーションに有効であり得る。
他の実施態様において、本明細書において提供される化合物及び組成物を投与することによって、肺気腫、急性呼吸困難症候群、成人呼吸困難症候群、特発性間質性肺炎、嚢胞性肺線維症、慢性間質性肺炎、慢性気管支炎、慢性洞肺感染、びまん性汎呼吸細気管支炎、気管支拡張症、喘息、膵臓炎、腎炎、肝不全、慢性関節リウマチ、関節硬化腫、骨関節炎、乾癬、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、臓器移植に対する拒絶反応、早期破水、水疱症、ショック、敗血症、全身性エリテマトーデス、クローン病、播種性毛細血管内凝固症候群、虚血-再灌流後の組織損傷、角膜瘢痕組織の形成及び脊髄炎より選ばれる疾患又は状態の一つ以上の症状を治療、予防又は改善するための方法を本明細書に提供する。
【0137】
併用治療
本明細書において提供される化合物は、唯一の有効成分として又は他の有効成分と組み合わせて投与できる。本明細書において提供される化合物と組み合わせて用いることができる他の有効成分としては、セリンヒドロラーゼ媒介疾患を治療することが知られる化合物が挙げられるがこれらに限定されない。一実施態様において、本明細書において提供される化合物と組み合わせて用いられる第二活性剤は、好中球、例えば、ヒト好中球エラスターゼ媒介疾患の治療、予防又は改善に用いられる。ある実施形態において、第二活性剤は、セリンヒドロラーゼ阻害剤としての活性を有する。一般にセリンヒドロラーゼ、特に好中球エラスターゼのいくつかの阻害剤は、当該技術において既知である。セリンヒドロラーゼの例示的な阻害剤は、米国特許第6,001,814号; 米国特許第6,001,813号; 米国特許第6,150,334号; 米国特許第6,001,811号; 米国特許出願公開第20030203851号に開示されている。
本明細書において提供される化合物と上述の化合物の一つ以上、更に必要により一つ以上の薬理的に活性な物質のあらゆる適切な組み合わせが本明細書に企図されることは理解される。
上記の詳細な説明と次の実施例は、単に説明のためであり、内容の範囲を限定するものとして用いるべきものでないことは理解される。開示された実施態様に対する種々の変更や修正は、当業者に明らかである。本明細書において提供される化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤及び/又は使用方法を制限せずに含む、このような変更や修正は、本発明の真意及び範囲を逸脱することなく行われてもよい。本明細書に載せた米国特許及び文献は、本願明細書に含まれるものとする。
【実施例】
【0138】
本明細書において提供される化合物は、当該技術において、既知であり本明細書に記載される合成手順により調製される。例示的な化合物の合成手順を、実施例1-3に記載する。表1は、同様の手順とその通常の変更を用いて調製した実施例を更に示すものである。いくつかの化合物のエレクトロスプレー質量分析評価データを表1に示す。
すべての試薬及び溶媒は、特にことわらない限り、市販の供給源、例えば、Aldrich Chemical社(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)から入手した。ワング樹脂及びHOBtは、Novabiochemから入手した。CDI及び6-メチルアントラニル酸は、Alfa Aesarから入手した。2-フルオロニコチン酸は、Matrix Scientificから入手した。化合物は、1H NMR分光法及び/又はエレクトロスプレイイオン化質量分析を用いて確認した: プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、内部標準として1H残留溶媒ピークを用いて重水素化したクロロホルム(CDCl3)又は水(D2O)中でBruker400MHz NMR分光計により記録した。LC(ES)MS解析は、ChemStationソフトウェアを用いてAgilent 1100 Series LCA4SDにより行った。分析用LC/MSは、変性剤として0.1%トリフルオロ酢酸を有する水とアセトニトリルの二成分系を用いてC18逆相カラム(Onyx、一体型カラム、50×4.6mm; Phenomenex; トーランス、カリフォルニア州)により実施した。分取用HPLCは、C18逆相カラム(Polaris、5μカラム、150×21.2mm; Varian、トーランス、カリフォルニア州)を用いて実施した。分取用HPLC解析は、変性剤として0.1%酢酸を有する水とアセトニトリルの二成分系を用いてHitachi D-7000 Seriesにより行った。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィは、手で装填したカラム又は装填済みのシリカゲルカートリッジ(Biotage; シャーロッツビル、バージニア州)を用いてSP-4自動精製システムにより行った。血液は、被検者から5000カリクレインインヒビター単位のアプロトニンを含有するヘパリン被覆チューブに集める。血漿を4oCで遠心分離によってただちに分離し、次いで、分析されるまで-70oCで保存する。
実施例1. 2-(2-イミダゾール-1-イルピリジン-3-イル)-5-メチル-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(A)の調製
【0139】
【化49】

【0140】
2-フルオロニコチン酸(2.4g、17mmol)とN,N'-カルボニルジイミダゾール(CDI、2.76g、17.0mmol)の無水アセトニトリル(12mL)溶液を、室温下で30分間撹拌し、次いで、65oCで1時間加熱した。反応混合液に2-アミノ-6-メチル安息香酸(2.57g、17 mmol)を添加し、次いで、65oCで1時間撹拌した。撹拌反応混合液に追加のCDI(2.76g、17 mmol)を添加し、100oCまで1時間の加熱した。反応混合液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムに装填した。0-60% EtOAc/ヘキサン勾配を用いて不純物を除去し、変性剤として5%トリエチルアミンを含有する100% EtOAcによるカラムから化合物2を溶離した。回転蒸発させて、化合物Aを黄色粉末(2.28g、44%収率)として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 8.70 (dd, 1H, J = 4.8 Hz, J=2.0 Hz), 8.40 (dd, 1H, J = 8.0 Hz, J = 1.6 Hz), 7.94 (s, 1H), 7.67 (t, 1H, J = 15.6Hz, J = 8 Hz), 7.51 (dd, 1H, J = 7.6Hz, J = 4.8Hz), 7.33 - 7.38 (m, 3H), 7.16 (s, 1H), 2.83 (s,3H). ESMS: 305.1 [M + H]+, 327.1 [M +Na]+.
実施例2. 2-[2-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-メチル-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(46)の調製
【0141】
【化50】

【0142】
2-フルオロニコチン酸エステル化ワング樹脂の調製(B):
ワング樹脂(1,2 mmol/g、15g; 18mmol)のジクロロメタン(DCM、150mL)懸濁液に、室温で、2-フルオロニコチン酸(3.3g、23.4 mmol)と1-ヒドロキシ-4H-ベンゾトリアゾール(HOBt、3,58 g、23,4 mmol)のDCM(30mL)とN,N'-ジメチルホルムアミド(DMF、15 mL)溶液を添加し、続いて4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、286mg、2.34 mmol)及びN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC、3.65g、23.4 mmol)を添加した。混合液を室温で12時間攪拌した。樹脂は、DCM、次いで、MeOHで洗浄し、減圧下で乾燥して、樹脂B(17.54g、100%)を得た。
2-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ニコチン酸(C)の調製:
樹脂B(1.2mmol/g、5,0 g、8.0mmol)のピリジン(12 mL)懸濁液に、室温でジメチルピロリジン-3-イルアミン(1.37mL、12mmol)及び1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU; 2.2mL、4.4 mmol)を添加した。この混合液を、窒素雰囲気下100oCで12時間攪拌した。樹脂を、DCM、次いで、MeOH(3×)で洗浄し、減圧下で乾燥した。50%トリフルオロ酢酸/DCMを添加して化合物Cを樹脂から切断した。この混合物液を、室温で30分間攪拌した。樹脂をDCM(3×)で洗浄し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。1N HCl水溶液(2mL)を添加し、次いで、凍結乾燥して、化合物Cを薄いピンク色のゴム状物(2.2 g)として得た。この化合物を、精製せずに次の工程に用いた。
1H-NMR δ (CDCl3): 10.85 (s, 1H), 8.26 (dd, 1H, J = 4.8Hz, J= 1,6Hz), 7.96(dd, 1H, J = 7.2 Hz, J=2.0 Hz), 6.81 (dd, 1H, J= 7.6 Hz, J = 4.8 Hz), 3.92 - 3.94 (m, 1H), 3,70 - 3.80 (m, 2H), 3.52 - 3.54 (m, 1H), 3.43 (m, 1H), 2.80 (m, 6H), 2.20 (m, 1H), 2.17 (m, 1H). ESMS: 236.0 [M + H]+.
2-[2-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-メチル-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(46)の調製
化合物C(133mg、0.56 mmol)とCDI(91mg、0.56 mmol)の無水アセトニトリル(1.0mL)溶液を、室温下で1時間撹拌した。2-アミノ-6-メチル安息香酸(41mg、0.27 mmol)を添加し、この混合液を60oCで一晩撹拌した。この反応溶液を水(2mL)及びDMF(2mL)で希釈し、ろ過し、次いで、C18逆相クロマトグラフィによって精製して、化合物46をオフホワイト色の粉末(11mg、35%収率)として得た。
1H-NMR δ (CDCl3): 8.32 (dd, 1H, J:4.8H2, J =2.0 Hz), 8.09(dd, 1H, J =8.0Hz, J=1.6 Hz), 7,68 (t, 1H, J = 15.6 Hz, J = 0.8 Hz), 7.52(t, 1H, J = 4.0Hz, J = 7.6 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 6.82 (dd, 1H, J = 8 Hz, J = 4.8 Hz), 3.95 (br s, 1H), 3.81 (br s, 1H), 3.57 - 3.64 (m, 2H), 3.48 - 3.53 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 2.64 (br s, 6H), 2.30 (br s, 1H). ESMS: 351.1 [M + H]+.
実施例3. 2-[2-(2-{2- [2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(52)の調製
【0143】
【化51】

【0144】
2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)ニコチン酸(D)の調製
2-フルオロニコチン酸(70.6mg、0.50 mmol)とテトラエチレングリコールモノメチルエーテル(105.5μL、0.50 mmol)のTHF(2.0mL)溶液にtBuOKのTHF(20% wt、561.0μL、1.0 mmol)溶液をN2雰囲気下に室温下で添加した。この混合液を100oCで3時間加熱した。この反応混合液をEtOAcで希釈した。有機相を1N HCl溶液で酸性にし、NaCl飽和溶液で洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥した。ろ過し、減圧下で濃縮して、化合物Dを薄黄色の液体(148.1mg、90%)として得、精製せずに次の工程に用いた。
ESMS: 330.0 [M + H]+, 352.0 [M+Na]+, 368.0 [M+K]+.
2-[2-(2-{2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(52)の調製
化合物D(164.7mg、0.50mmol)のCH3CN(2.0mL)溶液にN,N'-カルボニルジイミダゾール(CDI、81.1mg、0.50 mmol)を加え、N2雰囲気下65oCで1時間反応した。6-メチルアントラニル酸(75.6mg、0.50mmol)を25oCで添加し、この混合液を65oCで一晩加熱した。追加のCDI(81.1mg、0.50mmol)を添加し、この混合液を65oCで8時間加熱した。粗混合液をC18逆相クロマトグラフィによって精製して、化合物52を無色のゴム状物(120.0mg、54%)として得た。
1H-NMR (400 mHz, CDCl3) δ 8.29 (dd, 1H, J = 5.2 Hz, J = 2.0 Hz), 8.25 (dd, 1H, J = 7,6 Hz, J = 2.0 Hz), 7.66(t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.50 (d, 1H, J= 7.6 Hz), 7.31 (d, 1H, J = 7,6 Hz), 7,01 (dd, 1H, J = 7.4 Hz, J = 5,0 Hz), 4.62 (m, 2H),3.94 (m, 2H), 3.78 (m, 2H), 3.62 (m, 8H), 3.51 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 2.82 (s, 3H). ESMS: 445.0 [M + H]+, 467.0 [M+Na]+.
実施例4. ジメチル 3-エチル-5-メトキシフタレート(I)の調製
【0145】
【化52】

【0146】
化合物D'、E及びFは、市販で入手でき、或いは、例えば、Meyers, A. L et al., Journal of Organic Chemistry, 1372 (1978)の当該技術において既知の方法により調製されてもよい。
2-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロキサゾール-2-イル)-3-エチル-5-メトキシ安息香酸(G)の調製
化合物F(80.0g、343mmol)とTMEDA(480mL、3.18mmol)の乾燥Et2O(1.70L)溶液にsec-BuLi(400mL、1.04mol/L ヘキサン/シクロヘキサン溶液)をAr雰囲気下に-78oC(内温-70〜-68oC)で30分かけて滴下した。この温度で1時間撹拌した後、この反応液(内温-70〜-55oC)にCO2ガスを20分間かけてバブリングした。1.5時間かけて室温に徐々に温めた後、反応混合液を氷水(1.0L)に注入した。水層を酢酸エチルで一度洗浄し、0oCにおいて、塩酸で酸性にした(pH 2〜3)。沈殿をろ過し、少量の水ですすいで、所望の化合物G(55.7g、201mmol)をオフホワイト色の固形物として得た。ろ液を酢酸エチル/メタノール(10/1)で15回抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、所望の粗化合物G(18.0g)をオフホワイトの固形物として得た。
1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz):δ1.13(3H, t, J= 7.6 Hz), 1.26 (6H, s), 2.65 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.80 (3H, s), 3.96 (2H, s), 7.04 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.15 (1H, d, J = 2.4 Hz). CIMS (+) : 278 [M+H]+
【0147】
3-エチル-5-メトキシフタル酸(H)の調製
化合物G(65.7g、237mmol)の1,4-ジオキサン(700mL)溶液に6.00モル/LのH2SO4水溶液(700mL)の溶液を室温で添加した。この混合液を130oC(油浴温度)で加熱し、撹拌した。64時間後、この混合液を減圧下で濃縮し、0oCに冷却した。沈殿をろ過し、少量の水ですすいで、所望の化合物H(23.8g、106mmol)をオフホワイト色の固形物として得た。ろ液を酢酸エチルで二回抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、所望の化合物H(10.8g、48.2mmol)オフホワイト色の固形物として得る。水相(NaClで塩にした後)をCHCl3/MeOH(4/1)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、出発物質G(26%)を回収した。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) : δ 1.14 (3H, t, J = 7,6 Hz), 2.60 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.80(3H, s), 7.04(1H, d, J = 2.4 H2), 7.16(1H, d, J = 2.4 Hz). EIMS (+) : 224 [M]+
ジメチル 3-エチル-5-メトキシフタレート(I)の調製
0oCにおいて、化合物H(34.6g、154mmol)のDMF(500mL)溶液にK2CO3(63.9g、462mmol)及びMeI(28.8mL、462mmol)を加えた。この混合液を室温に温め、2時間撹拌し、40oCで1時間撹拌した。MeI(28.8mL、462mmol)を添加し、この混合液を14時間撹拌した。次いで、この反応混合液に追加のMeI(28.8mL、462mmol)を添加した。8時間撹拌した後、この混合液を減圧下で濃縮し、残留物に水を添加した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相をH2O、次いで食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。次いで、有機相を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:6)によって精製し、所望の化合物I(36.0g、143mmol)を淡黄色の油状物として得た。
実施例5. 保護アントラニル酸である、メチル2-エチル-4-メトキシ-6-(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾエート(O)の合成
【0148】
【化53】

【0149】
4-メトキシ-6-メチル-2H-ピラン-2-オン(K)の調製
化合物J(50.0g、396mmol)の乾燥アセトン(1.45L)溶液に炭酸カリウム(71.2g、515mmol)とジメチル硫酸(48.7mL、515mmol)を添加した。この混合液を3時間加熱還流し、室温に冷却した。固形物をろ過によって除去し、ろ液は濃縮した。油状残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン= 1:1)によって精製して、油状固形物を得た。油状固形物をジイソプロピルエーテルで洗浄して、化合物K(42.3g、76%)を黄色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) : δ 2.21 (3H, s), 3.79 (3H, s), 5.41 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.77-5.78 (1H, m), EIMS (+): 140 [M]+
ジメチル 5-メトキシ-3-メチルフタレート(L)の調製
化合物K(41.4g、295mmol)とジメチルブタ-2-インジオエート(47.2mL、384mmol)の混合物を180oCで1時間、次いで210oCで30分間撹拌した。この混合液を室温に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=20:1-4:1)によって精製して、化合物L(53.4g、76%)を淡黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) :δ2.34 (3H, s), 3.84 (3H, s), 3.88 (3H, s), 3,90(3H, s), 6.91 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.29 (1H, d, J = 2.4 Hz). EIMS (+) : 238 [M]+.
5-メトキシ-2-(メトキシカルボニル)-3-メチル安息香酸(M)の調製
化合物L(50.0g、210mmol)の1,2-ジメトキシエタン(260mL)溶液に8%水性NaOH(262mL)を0oCで添加した。この混合液を室温で1時間撹拌し、酢酸エチルで洗浄し、3mol/L HClを用いてpH 2の酸性にした。沈殿をろ過し、水洗して、化合物M(40.0g)を得た。ろ液を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、溶媒を蒸発させて、化合物M(5.47、96%全収率)を白色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 2.35 (3H, s), 3.86 (3H, s), 3.90 (3H, s), 6.97 (1H, d, J = 2.4Hz), 7.39 (1H, d, J = 2.4Hz). EIMS (+): 224 [M]+
【0150】
メチル 4-メトキシ-2-(メトキシカルボニルアミノ)-6-メチルベンゾエート(N)の調製
化合物M(45.4g、202mmol)の1,4-ジオキサン(420mL)懸濁液に、MeOH(40.9 mL、1010mmol)及びトリエチルアミン(56.3mL、404mmol)を添加した。この混合液を100oCで加熱し、この混合液にジフェニルホスホニックアジド(65.3mL、303mmol)を15分かけて滴下した。この混合液を100oCで1時間撹拌し、濃縮した。残留物を飽和NaHCO3水溶液で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。次いで、合わせた有機層をろ過し、蒸発させた。得られた残留物をiPrOHから結晶化して、白色の固形物を得た。固形物を酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し溶媒を蒸発させて、化合物N(33.0g)を得た。更に、母液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、蒸発させた。得られた残留物をiPrOHから再結晶して、化合物N(4.29g、73%全収率)を白色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) : δ 2.45 (3H, s), 3.77 (3H, s), 3.84 (3H, s), 3.90 (3H, s), 6.45 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.84 (1H, d, J = 2.4 Hz), 9.97 (1H, s ). EIMS (+) :253 [M]+
メチル 2-エチル-4-メトキシ-6-(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾエート(O)の調製
カリウムtert-ブトキシド(50.7g、452mmol)とジイソプロピルアミン(63.3mL、452mmol)のTHF(600mL)溶液をアルゴン下に-78oCで冷却した。その溶液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6モル/L、226mL、361mmol)を25分かけて添加した。-78oCで15分間撹拌した後、この混合液に化合物N(30.5g、120mmol)のTHF(120ml)溶液を-78oCで15分かけて添加した。この混合液を-78oCで更に20分間撹拌した。ヨウ化メチル(22.5mL、361mL)を-78oCで一度に添加した。-78oCで10分間撹拌した後、その混合液を飽和NH4Cl水溶液に注入した。この混合液からTHFを減圧下で留去し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、溶媒を蒸発させて、化合物O(32.9g、定量的)を黄色油状物として得た。
実施例6. 保護アントラニル酸である、メチル2-エチル-4-メトキシ-6-(メトキシカルボニルアミノ)ベンゾエート(O)の別合成
【0151】
【化54】

【0152】
3-エチル-5メトキシフタル酸ジメチルエステル(P)の調製
以下は、Tam, T. F. and Coles P., Synthesis, 383 (1988)に記載される手順に基づく。6-エチル-4-メトキシ-2H-ピラン-2-オン(40.5 g、263mmol)を500mLの丸底フラスコに入れ、ジメチルアセチレンジカルボキシレート(42mL、342mmol)を添加した。固形物が完全に溶解されるまでこの混合液を撹拌した。フラスコに水冷冷却器を取り付け、180oCで3時間、予熱した油浴に入れた。この反応液を室温に冷却し、ジクロロメタン(75mL)で希釈し、5-20%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィによって精製した。適切な画分を集め、ロータリーエバポレーターによって濃縮して、化合物P(44.16g、67%)を透明な油状物として得た。
1H NMR CDCl3 δ: 7.30 (d, 1H, J = 3 Hz), 6.95 (s, 1 H, J = 3Hz), 3.90 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 2.64 (q, 2H, J = 8.0 Hz), 1.21 (t, 3H, J = 8.0 Hz). ESMS m/z: 221 [M - OCH3]+, 275 [M + Na+].
3-エチル-5-メトキシ-2-メトキシカルボニル安息香酸(Q)の調製
化合物P(44.06g、174.7mmol)の1,2-ジメトキシエタン(218.0mL)溶液にNaOH水溶液(218.0 mLのH2O中17.46g、436.6mmol)を0oCで滴下した。この反応混合液を室温で1時間撹拌した。次いで、水相をジクロロメタン(100mL)で洗浄し、3N HClでpH 2の酸性にした。酸性にした水層を酢酸エチル(3×400mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、ロータリーエバポレーターによって濃縮して、化合物Q(40.15g、96%)を白色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 7.41 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7,01 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 3,90 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 2.65 (q,2H, J = 7.5 Hz), 1.23 (t, 3H, J = 7.5 Hz). ESMS m/2 261.0 [M+Na+], 207.0 [M-OMe]+.
2-エチル-4-メトキシ-6-メトキシカルボニルアミノ安息香酸メチルエステル(O)の調製
化合物Q(40.15g、168.5mmol)の1,4-ジオキサン(360mL)懸濁液にMeOH(34mL、840mmol)及びトリエチルアミン(47mL、340mmol)をN2下に添加した。透明な溶液を100oCで加熱し、この反応液にジフェニルホスホニックアジド(54.48mL、252.8mmol)を滴下した。この混合液を100oCで1時間更に撹拌した。次いで、この反応混合液を濃縮し、得られた残留物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(1×600mL及び3×300mL)で抽出し、合わせた有機層をH2O(75mL)で洗浄し、次いで、ロータリーエバポレーターによって濃縮した。10-15%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィ処理して、化合物O(34.9g,78%)を黄色の油状物として得た。
1HNMR(CDCl3, 400 MHz) δ: 9.54 (bs, 1H), 7.78(d, 1H, J = 3.0 Hz), 6,48 (d, 1H, J = 3,0 Hz), 3.90 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3,76 (s, 3H), 2.78 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 1.18 (t, 3H, J = 7.5 Hz). ESMS m/z: 290.0 [M+Na+],236.0 [M-OMe]+.
実施例7: 2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(132)の合成
【0153】
【化55】

【0154】
5-エチル-2-(2-フルオロピリジン-3-イル)-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(S)の調製
2-フルオロニコチン酸(13.6g、96.6mmol)の無水アセトニトリル(400mL)懸濁液に1,1'-カルボニルジイミダゾール(15.7g、96.6mmol)を添加し、この混合液をN2下に室温で2時間撹拌した。化合物R(15.7g、80.5mmol)を添加し、この混合液を室温で一晩撹拌した。1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(30.86g、161.0mmol)を30分以内に二回に分けて添加した。この混合液を室温で1時間撹拌した。撹拌中に沈殿が生じ、これをろ別し、冷アセトニトリルで洗浄し、次いで、減圧下で乾燥して、化合物S(13.94g)を白色粉末として得た。更に、ろ液を濃縮し、10-15%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物S(6,78 g、86%全収率)の追加量を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 8.57 (t, 1H, J = 1.5 Hz), 8.40 (q, 1H, J = 1.5 Hz), 7.37 (m, 1H), 7.02 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 6.94 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 3.95 (s, 3H), 3.22 (q , 2H , J = 7.5 Hz), 1.30 (t, 3H, J = 7.5 Hz). ESMS m/z: 301.0 [M+H+], 323.0 [M+Na+].
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(132)の調製
化合物S(13.9g、46.4mmol)の無水1,4-ジオキサン(232mL)溶液に、(S)-(-)-3-(ジメチルアミノ)-ピロリジン(7,50 mL、60,3mmol)を加え、N2下に100oCで10分間処理した。この溶液を濃縮し、残留物を20-50%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたBiotage 40Mアミンカラムを用いて精製した。化合物132を含有する画分を合わせ、ロータリーエバポレーターによって濃縮し、アセトニトリル:水(1:1、50mL)に溶解し、次いで、凍結乾燥して、化合物132を淡黄色の粉末(12.81g、70%収率)として得た。
1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ: 8.30(dd, 1H, J = 1.5 Hz), 8.00(dd, 1H, J = 1.5 Hz), 6.95 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.88 (d, 1H,J = 3.0 Hz), 6.72 (q, 1H, J = 4.5 Hz), 3.92 (s, 3H), 3.66 (q, 1H, J = 4.0 Hz), 3.48 (m, 3H), 3.21 (m,2H), 2.78 (s, 1H), 2.26 (s, 6H), 2.12 (q, 1H, J = 6.0 Hz), 1.84 (m, 1H), 1.29 (t, 3H, J = 7.0 Hz); 13C NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 165.5, 158.8, 158.1, 155.7, 151.1, 151.0, 150.6, 140.3, 117.9, 112.2, 110,6, 107.3, 107.1, 65.4, 55.9, 54.4, 49.1, 44.5,30.3, 28.6, 15.2; ESMS m/z: 395.1[M+H+]; C22H26N4O3の計算値: C, 66.99; H,6.64; N, 14.20; 実測値: C, 66.81; H, 6.66、N, 14.14.
実施例8: 2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・HCl(132a)の合成
【0155】
【化56】

【0156】
2-アミノ-6-エチル-4-メトキシ安息香酸(R)の調製
化合物O(21.9g、82.0mmol)の H2O、THF及びMeOH(3:1:1、255mL)溶液に、水酸化リチウム(9.80g、41 0mmol)を加え、N2下に100oCで2時間処理した。この反応混合物を部分的に濃縮し、残留する水相はジクロロメタン(50mL)で洗浄した。水相を3N HClでpH4-5の酸性にし、次いで、酢酸エチル(3×400 mL)で抽出した。合わせた有機溶液を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。ろ過し、ロータリーエバポレーターによって濃縮して、化合物R(15.71g、98%)をオフホワイト色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz)δ: 6.18 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.01 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 3.79 (s, 3H), 2.93 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 1.23 (t, 3H, J = 7.5 Hz). ESMS m/z: 196.0 [M+H]+, 178.0 [M-OH]+.
5-エチル-2-(2-フルオロピリジン-3-イル)-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(S)の調製
2-フルオロニコチン酸(169mg、1.20mmol)のCH2Cl2(3mL)懸濁液にTsCl(275mg、1.44mmol)及びN-メチルイミダゾール(285μL、3.60mmol)をAr雰囲気下に0oCで添加した。この混合液を0oCで1時間撹拌した。この混合液に化合物R(195mg、1.00mmol)を5分かけて0oCで添加し、この混合物液を0oCで30分間、室温で1時間撹拌した。この混合液にN-メチルイミダゾール(47.5μL、0.60mmol)及びTsCl(114 mg、0.60mmol)を0oCで添加し、この混合液を0oCで1時間撹拌した。この反応混合液を氷水に注入し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液、水(5回)及び食塩水で洗浄した。次いで、有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、化合物S(300mg、1.00mmol)を白色の粉末として得た。
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(132)の調製
化合物S(37.60g、125mmol)及びトリエチルアミン(42mL、301mmol)の無水1,4-ジオキサン(800mL)溶液に(S)-(-)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン(17.1g、150mmol)をAr下に室温で滴下した。得られた混合液を8時間撹拌した。この溶液を濃縮し、水(200mL)及びEtOAc(50mL)で希釈した。得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウムでpH 9の塩基性にし、次いで、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した後、減圧下でEtOAcを除去した。粗生成物を20-25%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたカラムクロマトグラフィ(Chromatrex NH-DM2035、Fuji Sislysia Chemical Co. Ltd.)によって精製して、化合物132(37.03g、73%)を黄色のアモルファス固形物として得た。
【0157】
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・HCl(132a)の調製
化合物132(120mg、0.304mmol)のジエチルエーテル(2.0mL)溶液に塩化水素(4Mジオキサン溶液、0.0722mL、0.289mmol)を室温下で添加した。30分間撹拌した後、生じた固形物をろ別し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温下で乾燥して、化合物132a(114 mg)を淡黄色の固形物として得た。m.p.: 173-180 oC。
[α]D24: -308 (c 0.53, MeOH). 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ: 1.21 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.14-2.21(1H, m), 2.28-2.36 (1H, m), 2.72(3H, d, J = 4,9 Hz), 2.78 (3H, d, J = 4.9 Hz), 3,08-3,17 (2H, m), 3.36-3.49 (3H, m), 3.68-3.96 (2H, m), 3.92 (3H, s), 6.89 (1H, dd, J= 7.4, 4.3 Hz), 7.01 (1H, d, J= 2.4 Hz), 7.06 (1H, d, J = 2,4 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 7.4, 1.8 Hz), 8.32(1H, dd, J = 4.3, 1.8 Hz), 10.72(1H, s). 分析 C 58,45%, H 6.56%, N 12,35%, C22H26N4O3・HCl・H2Oの計算値, C 58.86%, H 6.51%, N 12,48%.
実施例9. 2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オンの塩の合成
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(化合物132)の塩を、更に、以下の方法に従って調製した。
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・HCl・H2Oの調製
化合物132(120mg、0304mmol)のジエチルエーテル(2.0mL)溶液に塩化水素(4Mジオキサン溶液、0.0722mL、0.289mmol)を室温で添加した。30分間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・HCl・H2O(114mg)を淡黄色の固形物として得た。
Mp 173-180 oC. [α]D24 -308 (c 0.53, MeOH). 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.14-2.21 (1H, m), 2.28-2.36 (1H, m), 2.72 (3H, d, J = 4.9 Hz), 2,78 (3H, d, J = 4.9 Hz), 3.08-3.17 (2H, m), 3.36-3.49 (3H, m), 3.68-3.96 (2H, m), 3.92 (3H, s), 6.89 (1H, dd, J = 7.4, 4.3 Hz), 7.01(1H, d, J = 2.4 Hz), 7.06 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 7.4, 1.8 Hz), 8.32 (1H, dd, J = 4.3, 1.8 Hz), 10.72(1H, s), 分析 C 58.45%, H 6.56%, N 12.35%, C22H26N4O3・HCl・H2Oの計算値, C 58.86%, H 6.51%, N 12.48%.
【0158】
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][3]オキサジン-4-オン・2HCl・2H2Oの調製
化合物132(120mg、0.304mmol)の1,4-ジオキサン(2,0 mL)溶液に塩化水素(4Mジオキサン溶液、0.228mL、0.913mmol)を室温で添加した。30分間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・2HCl・2H2O(120mg)を淡黄色の固形物として得た。
Mp 150-159oC. [α]D26 -272(c 0,52, MeOH). 1H NMR(DMSO-d6,400MHz): δ1,21 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2,21-2.36 (2H, m), 2,68 (3H, d, J = 4.3 Hz), 2.75 (3H, d, J = 4.3 Hz), 3.06-3.16 (2H, m), 3.50-3.55 (2H, m), 3.67-3.72 (1H, m), 3.84-3,96 (2H, m), 3.93 (3H, s), 6.92 (1H, dd, J = 7.4, 4.3 Hz), 7.00 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.10 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.10 (1 H, dd, J = 7.4, 1.8 Hz), 8.32(1H, dd, J = 4.3, 1.8 Hz), 11.34(1H, s), 分析 C 52.33%, H 6.53%, N 11.11%, C22H26N4O3・2HCl・2H2Oの計算値, C 52.49%, H 6.41%, N 11.13%.
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン メタンスルホン酸塩一水和物の調製
化合物132(120mg、0.304mmol)のジエチルエーテル(3.0mL)溶液にメタンスルホン酸(0.0394mL、0.608mmol) のジエチルエーテル(1.0mL)溶液を室温で添加した。30分間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン メタンスルホン酸塩一水和物(141mg)を白色の固形物として得た。
Mp 43-49 oC. [α]D25 -205 (c 0.34, MeOH). 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.07-2.12 (1H, m), 2.31-2.35 (1H, m), 2,33 (6H, s), 2.79 (3H,d, J = 4.9 Hz), 2.82 (3H, d, J = 4.3 Hz), 3.07-3.15 (2H, m), 3,48 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 3.68-3.80 (2H, m), 3.89-3.96 (1H, m), 3.91 (3H, s), 6.27 (1H, brs), 6.91 (1H, dd, J=7.9, 4.9 Hz), 7.01 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.03 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.05 (1H , dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 8.32 (1H, dd, J = 4.9, 1.8 Hz), 9.77 (1H, brs). 分析 C 47.64%, H 6.01%, N 9.21%, C22H26N4O3・2CH3SO3H・H2Oの計算値, C 47.67%, H 6.00%, N 9.27%.
【0159】
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン トリフルオロ酢酸塩の調製
化合物132(120mg、0.304mmol)のジエチルエーテル(2.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.0215mL、0.289mmol)を室温で添加した。30分間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン トリフルオロ酢酸塩(112mg)を淡黄色の固形物として得た。
Mp 117-119 oC. [α]D25 -258 (c 0.56, MeOH), 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.02-2.12 (1H, m), 2.28-2,36 (1H, m), 2.79 (6H, s), 3.08-3.17 (2H, m), 3.47 (1H, dd, J = 8.0, 5.5 Hz), 3.67 -3.79 (2H, m), 3.86-3.91 (1H, m), 3.91 (3H, s), 6.90 (1 H, dd, J = 7.9, 4.3 Hz), 7.00(1H, d, J=2.4 Hz), 7.02(1H, d, J = 2,4 Hz), 8.03 (1H, dd, J = 7.4, 1.8 Hz), 8.33 (1H, dd, J = 4.3, 1.8 Hz), 9.85 (1H, s), 分析 C 56.05%, H 5.21%, N 10.91%, C22H26N4O3・CF3CO2Hの計算値, C 56.69%, H 5,35%, N 11.02%.
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・1.5トリフルオロ酢酸塩の調製
化合物132(120mg、0.304mmol)のジエチルエーテル(2,0 mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.0678mL、0913mmol)を室温で添加した。1時間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・1.5トリフルオロ酢酸塩(131mg)を無色の固形物として得た。
Mp 124-125 oC, [α]D25 -235 (c 0.58, MeOH. 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.21 (3H, t, J = 7 .3 Hz), 2.03-2.12 (1H, m),2.30-2.36 (1H, m), 2.78 (3H, d, J = 4.3 Hz), 2.81 (3H, d, J = 4.3 Hz), 3.08-3.18 (2H, m), 3.47 (1H, dd, J=8.6, 5.5 Hz), 3.69 (1H, dd, J= 12.2, 7.3 Hz), 3.77 (1H, dd, J = 11.6, 6.7 Hz), 3.91 (3H, s), 3.91-3.95 (1H, m), 6.89 (1H, dd, J = 7.4, 4.3 Hz), 7.00 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.03 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8,03 (1H, dd, J = 7.4, 1.8 Hz), 8.32 (1H, dd, J= 4.3, 1.8 Hz), 9.86 (1H, s), 9.94 (0,5H, s). 分析 C 53.04%, H 4.8%, N 9.98%, C22H26N4O3・1.5CF3CO2Hの計算値, C 53.10%, H 4.90%, N 9.91%.
【0160】
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・0.5 D-酒石酸塩・H2Oの調製
化合物132(100mg、0.254mmol)のメタノール(2.0mL)溶液にD-酒石酸(19.0mg、0127mmol)を室温で添加した。1時間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、淡黄色の固形物として2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン ヘミ-D-酒石酸塩一水和物(49.3mg)を得た。
Mp 144-145 oC. [α]D25 -386 (c 0.22, MeOH). 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.20 (3H, t, J = 7.3Hz), 1.69-1.79 (1H, m), 2.06-2.12 (1H, m), 2.20 (6H, s), 2.82-2.90 (1H, m), 3.09-3.16 (2H, m), 3.21-3.31 (2H, m), 3.44-3.51 (2H, m), 3.90 (3H, s), 4.13 (1H, s), 6.80 (1H, dd, J = 8.0, 4,9 Hz), 7.01 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.03 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 8,28 (1H, dd, J= 4.9, 1,8 Hz). 分析 C 59.22%, H 6.56%, N 11.42%, C22H26N4O3・0.5C4H6O6・H2Oの計算値, C 59.13%, H 6.41%, N 11.49%.
2-[2-((S)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・0.75 L-酒石酸塩・H2Oの調製
化合物132(100mg、0.254mmol)のメタノール(2.0mL)溶液にL-酒石酸(19.0mg、0.127mmol)を室温で添加した。1時間撹拌した後、得られた固形物をろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下に室温で乾燥して、2-[2-((3)-3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-5-エチル-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン・0.75 L-酒石酸塩・H2O(86.3mg)を淡黄色の固形物として得た。
Mp 148- 155 oC. [α]D25 -345 (c 0.052, MeOH). 1H NMR(DMSO-d6, 400MHz): δ1.20 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.71-1.81 (1H, m), 2.06-2.14 (1H, m), 2.23 (6H, s), 2.88-2.94 (1H, m), 3.07-3.14 (2H, m), 3.33-3.40 (2H, m), 3.44-3.50 (2H, m), 3,90 (3H, s), 4.16 (1.5H, s), 6.80 (1H, dd, J = 8.0, 4.9 Hz), 7.00 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.02 (1H, d, J = 3,0 Hz), 7.76(1H, dd, J = 8,0, 1.8 Hz), 8.28 (1H, dd, J = 4.9, 1.8 Hz). 分析 C 57.5%, H 6.29%, N 10,53%, C22H26N4O3・0.75C4H6O6・H2Oの計算値, C 57.19%, H 6.24%, N 10.67%.
実施例10. 第四級アミンをもつHNE阻害剤の合成
【0161】
【化57】

【0162】
{1-[3-(5-エチル-7-メトキシ-4-オキソ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-2-イル)ピリジン-2-イル]ピロリジン-3-イル)トリメチルアンモニウムアセテート(232)の調製
化合物132(30mg、0.076mmol)のジクロロメタン(380μL)溶液にヨウ化メチル(14,2μL、0.228mmol)を添加し、得られた混合液を周囲温度で2時間撹拌した。この溶液を濃縮し、残留物を分取用HPLCを用いて精製した。所望の化合物を含有する画分を凍結乾燥して、化合物232(27.8mg、89%)を黄色の粉末として得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 8.30 (dd, 1H, J = 4.5 Hz), 8.11 (dd, 1H, J = 1.6 Hz), 6.95 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 6.89 (m, 2H), 4.74 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.91 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 3,43 (s, 9H), 3.19 (m, 2H), 2.52 (m,1H), 2.33 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.29 (t, 3H, J = 7.5 Hz). ESMS m/z: 409.1 [M+]
実施例11. ピロンの合成
【0163】
【化58】

【0164】
6-(2-シクロプロピル-2-オキソエチル)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキシン-4-オン(S')の調製
-78oCにおいてTHF(500mL)及びジイソプロピルアミン(32.45mL、227mmol)の撹拌溶液に、2M n-ブチルリチウム(126mL、250mmol)を添加した。次いで、反応液を-78oCで30分間撹拌した。この混合液にHMPA(66.58mL、383mmol)を-78oCで添加し、この反応液を更に30分間撹拌した。この冷却混合液に、2,2,6-トリメチル-1,3-ジオキシン-4-オン(25.3mL、191mmol)を滴下し、この反応液を-78oCで更に30分間撹拌した。この反応液に塩化シクロプロパンカルボニル(8.76mL、95.7mmol)を滴下した。この混合液を一晩撹拌しながら周囲温度に温めた。この反応液を氷浴中で冷却し、pH 6が得られるまで、1N HClを添加した。この反応液を、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、回転蒸発を用いて濃縮して、暗褐色の油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィを用い2.5-5% EtOAc/ヘキサンに続いて25% EtOAc/ジクロロメタンの勾配を用いて化合物S'の精製を達成した。画分を含有する生成物をプールし、回転蒸発を用いて濃縮して、化合物S'を透明な油状物(6.21g、28%)として得た。1H-NMR CDCl3 δ: 5,40(s, 1H), 3.50 (s, 2H), 2.02 (m, 2H), 1.74(s, 6H), 1.15 (m, 2H,), 1.02 (m, 2H,). ESMS m/z: 211 [M + H)+, 233 [M + Na]+, 1 53 [M -アセトン]+.
6-シクロプロピル-4-ヒドロキシ-2-ピロン(T)の調製
化合物S'(6.21 g, 29,5mmol)をトルエン(35mL)に溶解し、45分間還流する。反応混合液を周囲温度に冷却するにつれて、表題化合物が析出し、これをろ別し、減圧下で乾燥して、化合物T(3.21g、71%)を黄色の固形物として得た。
1H-NMR CDCl3 δ: 6.07 (s, 1H), 5.14 (s, 1H), 1.88 (m, 1H,), 0.90 (m,4H). ESMS m/z: 153 [M + H]+, 175 [M + Na]+.
【0165】
【化59】

【0166】
3,5-ジオキソヘプタン酸のt-ブチルエステル(U)の調製
以下は、B. Lygo, Tetrahedron, 51, pp. 12859-12868 (1995)に開示される手順に基づく。オーブン乾燥した5リットルフラスコに、水素化ナトリウム(60%分散液/鉱油、1.21 mmol、48.55g)を窒素ガス下に添加した。水素化物をヘキサン(4×250mL)で洗浄した。次いで、水素化物を乾燥テトラヒドロフラン(THF)(2000mL)に懸濁し、この混合物を氷浴中で0oCに冷却した。この溶液にt-ブチルアセトアセテート(160g、1.01mmol)を一定流量の窒素ガスにおいて、0oCで2時間かけて添加漏斗によって滴下した。添加が完了した後、この反応液を窒素下に0oCで更に30分間撹拌した。この混合液にn-ブチルリチウム(2M/シクロヘキサン、556mL、1.11mmol)を3時間かけて添加漏斗によって滴下した。添加が完了した後、この反応混合物を0oCで更に30分間撹拌した。エチルプロピオネート(85.94mL、1.01mmol)を添加漏斗に装填し、この反応液に徐々に1.5時間かけて添加した。この点で、この反応液を一晩撹拌しながら室温に温めた。この反応液を氷浴中で0oCにもう一度冷却し、2N HCl(1.15リットル、添加前に0oCに冷却)を添加漏斗によって2時間かけて滴下した。中和を確実にするためにこの反応液のpHを調べた。必要ならば、より多くの2N HClをピペットで添加して、この溶液をpH 7に調整した。この点で、THF/シクロヘキサンの大部分を水層から傾瀉し、有機溶媒を回転蒸発を用いて〜75%だけ減少させた。水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。容量減少から得られた残留物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水抽出からの有機プールと合わせた。この有機プールを飽和塩化ナトリウム(3×250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、回転蒸発によって濃縮した。次いで、残留物を高真空蒸留(140のミクロン、短経路蒸留ヘッド)にかけて、131gの粗化合物Uを透明な油状物として得た。1H NMR CDCl3 δ: 15.16 (bs, 1H), 5.59 (s, 1H), 3.24 (s, 2H), 3.22 (q, 2H, J = 8.0 Hz), 1.46 (s, 9H), 1.14 (t, 3H, J = 8.0 Hz). ESMS m/z: 237 [M + Na+], 159 [M - t-ブチル]+.
【0167】
6-エチル-4-ヒドロキシピラン-2-オン(V)の調製
トリフルオロ酢酸無水物(TFAA、1117mL)中の25%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)の溶液を2リットル丸底フラスコに入れ、氷浴中で40分間冷却した。粗化合物Uを添加漏斗に装填し、撹拌混合液に2時間かけて徐々に添加された。この反応液を一晩室温に温めた。TFA/TFAA溶液を回転蒸発によって除去した。残留TFAはトルエンと共沸的に除去され得る。次いで、ジクロロメタン中10-50%酢酸エチルの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィによって残留物を精製した。適切な画分を集め、回転式蒸発によって濃縮して、化合物V(63.15g; 45%)を黄色の固形物として得た。1H NMR CDCl3 δ: 11.08 (bs, 1H), 6,00 (s, 1H), 5.59 (s, 1H), 2.52 (q, 2H, J = 8,0 Hz), 1,22 (t, 3H, J = 8.0 Hz). ESMS m/z: 141.0 [M + H+].
6-エチル-4-メトキシピラン-2-オン(W)の調製
以下は、Deshpande, V. H. et al. Indian Journal of Chemistry, 35, pp. 790-793 (1996)に開示された手順に基づく。化合物V(57.65g、411mmol)を、オーブン乾燥した2000mLの三つ口フラスコに入れ、乾燥アセトン(1500ml)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(74g、540のmmol)及びジメチルスルフェート(51ml、540mmol)を添加した。フラスコに水分凝縮器と機械的スターラを装備した。この混合液を3.5時間加熱還流した。LCMSによる解析は、反応が完了していること示した。それ故、この反応液を室温に冷却し、固形分をろ過によって除去した。ろ液の溶媒を回転蒸発によって除去した。後に残った黄色の油状残留物を、10%〜50%酢酸エチル/ヘキサンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィによって精製した。適切な画分を集め、回転蒸発によって濃縮して、化合物W(40.55g、61%)を黄色の固形物として得た。1H NMR CDCl3 δ: 5.78 (s, 1H), 5.42 (s, 1H), 3.80 (s, 3H), 2,51 (q, 2H, J = 8.0 Hz), 1.22 (t, 3H, J = 8.0 Hz). ESMS m/z: 155 [M + H+].
【0168】
【化60】

【0169】
4-ジメチルアミノ-6-エチル-2-ピロン(X)の調製
化合物V(4.9g、35mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、トリエチルアミンを添加された(12.2mL、87.5mmol)。得られた溶液に、塩化トシル(6.7g、35mmol)を添加し、この反応液を窒素下に0oCで撹拌した。1時間後、ジメチルアミン(2.0M/テトラヒドロフラン、19.25mL、38.5mmol)を添加し、この反応液を0oCで更に2時間撹拌した。この反応混合液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、食塩水で洗浄し、次いで、回転蒸発を用いて濃縮した。0-10%メタノール/ジクロロメタンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィによって残留物を精製した。所望の生成物を含有する画分を集め、回転蒸発によって濃縮して、収量化合物X(3.6g、62%収率)を薄黄色の固形物として得た。1H NMR CDCl3 δ: 5,74 (s, 1H), 4.92(s, 1H), 2.95 (s, 6H), 2.43 (q, 2H, J = 20 Hz), 1.18 (t, 3H, J = 12 Hz). ESMS m/z: 168.1 [M + H+].
実施例12. キラルピロリジン化合物の合成
【0170】
【化61】

【0171】
(R)-4-(1-ベンジルピロリジン-3-イル)-チオモルホリン1,1-ジオキシド(Y)の調製
(S)-トルエン-4-スルホン酸1-ベンジルピロリジン-3-イルエステルをJ. Med. Chem, 1992, 35, 4205に記載されるように調製した。(S)-トルエン-4-スルホン酸1-ベンジルピロリジン-3-イルエステル(400mg、1.208mmol、1当量)及び1,1-ジオキソ-チオモルホリン(817mg、6.042mmol、5当量)をジオキサンに溶解し、140oCで20時間加熱した。この反応混合液を冷却し、回転蒸発を用いてジオキサンを除去した。得られた残留物を0-50%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いてBiotage 40Mアミンカラムにより精製して、表題化合物(88mg、75%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz) CDCl3 δ 7.30-7.20 (m, 5H), 3.55-3.54 (s, 2H), 3.19-3.17 (m, 1H), 3,01-2.91 (m, 6H), 2.62-2.58 (m, 2H), 2.51-2.43 (m, 2H), 2.00-1.97 (m, 2H), 1.71-1.67 (m, 2H). ESMS m/z: 295.2 [M + H]+.
(R)-4-ピロリジン-3-イルチオモルホリン1,1-ジオキシド(Z)の調製
化合物Y(88mg、.2989mmol、1当量)をEtOH(2.0ml)に溶解し、1N HClを添加した(300μl)。溶液をN2で3回脱ガスし、パラジウム触媒(10mg、5%mmol)を添加した。H2(g)で3回脱ガスし、90分間水素添加した。触媒をろ別し、1N HClを添加した(300μl)。溶媒を減圧下で除去し、水に溶解し、凍結乾燥して、所望の化合物を黄色の油状物として得た(59mg、82%)。1H NMR (400 MHz) D2O δ 3.88-3.68. (dm, 2H), 3.57-3.45 (m, 10H), 3.37-3.29 (m, 2H), 2.45 (m, 1H), 2.10(m, 1H), 205.1 [M+H]+.
5-エチル-2-{2-[3-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イル)ピロリジン-1-イル]ピリジン-3-イル}-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オンの調製
無水1,4-ジオキサン(850μL)中の5-エチル-2-(2-フルオロピリジン-3-イル)-7-メトキシ-4H-ベンズ[d][1,3]オキサジン-4-オン(50.0mg、0.17mmol)に化合物Z(52.9mg、0,22mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(120μL、0.85mmol)をN2下に室温で一晩添加した。この溶液を濃縮し、得られた残留物を20-75%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いてBiotage 40Mアミンカラムにより精製して、表題化合物を得た。表題化合物を含有する画分を合わせ、speedvacによって濃縮して、表題化合物を黄色の油状物として得た(19.2mg、23%収率)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.33 (dd, 1H, J = 1.0 Hz), 8.1 (d, 1H, J = 7.0 Hz), 6.92 (dd, 2H, J = 2.5 Hz), 6.83 (m, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.83 (m, 1H), 3.62 (m, 2H), 3.39 (m, 1H), 3.26 (m, 1H), 3.22(m, 4H), 3,17 (m,6H), 2.16 (m, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.29 (t, 3H, J = 7.5 Hz); ESMS m/z 485.2 [M+H]+.
【0172】
実施例13. ヒト好中球エラスターゼに対する阻害剤IC50値の定量
ヒト痰好中球エラスターゼ(Elastin Products Co.)を分析緩衝液A(200mMトリスpH 7.4、1mg/ml BSA)に0.55U/mlのワーキング濃度まで希釈した。50×にDMSOに溶解し希釈した阻害剤を分析緩衝液A中のエラスターゼに1×10-4M〜6.95×10-12Mの範囲にある最終濃度で添加し、室温で20分間プレインキュベートした。DMSO単独を負の対照として用いた。MeOSuc-AAPV-AMC(Bachem)基質をDMSOに20mMまで溶解し、使用直前に分析緩衝液Aに1mMまで更に希釈した。基質をエラスターゼ分析に1×10-4Mの最終濃度で添加した。この反応液を室温で20分間進行させ、次いで、3%(v/v)の最終濃度の酢酸で急冷させた。バックグラウンド蛍光対照は、基質を前急冷したエラスターゼに添加することにより調製された。355/460nmの励起/発光フィルタを備えたWallac(Perkin Elmer) Victor2プレートリーダーを用いてAMC蛍光を測定した。蛍光強度と阻害剤濃度をプロットし、ヒルの式に適合して、IC50値を定量化した。例示的な化合物のIC50値を表1に示す。
【0173】
【表1】

【0174】
【表2】

【0175】
【表3】

【0176】
【表4】

【0177】
【表5】

【0178】
【表6】

【0179】
【表7】

【0180】
【表8】

【0181】
【表9】

【0182】
【表10】

【0183】
【表11】

【0184】
【表12】

【0185】
【表13】

【0186】
【表14】

【0187】
【表15】

【0188】
【表16】

【0189】
【表17】

【0190】
【表18】

【0191】
【表19】

【0192】
【表20】

【0193】
【表21】

【0194】
【表22】

【0195】
【表23】

【0196】
【表24】

【0197】
【表25】

【0198】
【表26】

【0199】
【表27】

【0200】
【表28】

【0201】
【表29】

【0202】
【表30】

【0203】
【表31】

【0204】
【表32】

【0205】
【表33】

【0206】
【表34】

【0207】
【表35】

【0208】
【表36】

【0209】
【表37】

【0210】
【表38】

【0211】
【表39】

【0212】
【表40】

【0213】
【表41】

【0214】
【表42】

【0215】
【表43】

【0216】
【表44】

【0217】
【表45】

【0218】
【表46】

【0219】
【表47】

【0220】
【表48】

【0221】
【表49】

【0222】
【表50】

【0223】
【表51】

【0224】
【表52】

【0225】
【表53】

【0226】
【表54】

【0227】
【表55】

【0228】
【表56】

【0229】
【表57】

【0230】
【表58】

【0231】
【表59】

【0232】
【表60】

【0233】
表1において、ヒト好中球エラスターゼのIC50(nM)は、以下のように示されている: A≦15; B = 16-60; C = 61-150; D> 150; ND:データなし。
実施例14. 好中球エラスターゼ誘導肺出血分析
この生体内分析は、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)の肺気管内投与における出血の量を定量することに基づく。気管支肺胞洗浄液(BALF)のヘモグロビンの濃度を測定することによって出血を定量する。
化合物をDMSO又は生理食塩水に溶解し、雄balb/cマウス(22-30g)に0.01mL/10g又は0.1mL/10g体重の所定容量で静脈内にそれぞれ投与した。DMSO又は生理食塩水を賦形剤対照として使用した。マウスをハロセンで麻酔し、頸部に小さく切開して気管をさらした。化合物投与の10分後、25mL生理食塩水に溶解した7.5単位/動物のHNE(Elastin Products Co.)をマウスに投与した。HNE点滴注入の3時間後、マウスを過量のウレタンで安楽死させた。胸部を開き、肺を0.4%クエン酸三ナトリウム及び0.85%塩化ナトリウムからなる1mL溶液で気管カニューレによって洗浄した。収集したBALFにトリトンX-100を0.2%(v/v)の最終濃度で添加して、細胞破壊を確実にした。405nmにおける吸光度を測定することによってBALFのヘモグロビン濃度を決定した。賦形剤処理対照に関するHNE誘導出血の阻害%として結果を表2に示す。
【0234】
【表61】

【0235】
【表62】

【0236】
【表63】

【0237】
【表64】

【0238】
【表65】

【0239】
表2において、%阻害値は、以下のように示されている: A≦10; B = 11-30; C > 30; NI = 阻害せず。
実施例15: 急性肺損傷モデル(肺透過性測定)
成体の雄ウィスターラット(200-250g)を、ペントバルビタール(30mg/kg)の腹腔内投与によって麻酔した。麻酔中、リポ多糖類(LPS)(100μg/100μg/動物)又は生理食塩水(100μg/動物)を気管内に注入した。LPS点滴注入後の肺透過性の増加は、血液からエヴァンの青色色素(EBD)漏れで測定し、LPS抗原投与の5時間後に尾静脈を介してEBD(40mg/5mL/kg)を投与した。6時間目に、深い麻酔中に心穿刺によってラットを放血させ、及び、肺の血管を20mLの食塩水で灌流して、血管空間からのEBDの除去を確実にした。肺を取り出し、EBDを6mLのホルムアミドで65oCにおいて、一晩抽出した。分光光度計を用いて620nmの吸光度を測定することによってEBD含量を決定した。試験化合物を、少量の1N HClを有する食塩水に溶解し、静脈内に10mg/kg/時間の速度でLPS抗原投与の直後から始めて6時間かけて連続的に注入した。結果を表3に示す。
【0240】
【表66】

【0241】
表3において、%阻害値は、以下のように示されている: B = 11-30、c > 30。
本明細書に引用されるすべての文献及び特許出願の記載は、個々の文献又は特許出願が含まれるものであるように詳細に且つ個別に示されたかのように本願明細書に含まれるものとする。上記発明を理解の明瞭さのために例示と実施例によって一部詳細に記載してきたが、本発明の教示を考慮してある種の変更と修正が添付の特許請求の範囲の真意又は範囲を逸脱することなく本発明に行われてもよいことは当業者にとって容易に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体。
【化1】

(式中、Aは、5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であり、ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環の炭素原子によってベンゾオキサジンコアと結合しており;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-ORc、-C(O)Rc又は-S(O)mRcであり;
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R1は、-OR3、-SR3、-NO2又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない、或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し、ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれる。
の通りに選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、各々独立して0〜6であり;
但し、Aが3-ピリジニルであり、R2がハロ又はメチルである場合には、R1は、2-フェノキシではなく;
R1、R2、R3、R4及びR5は、必要により、各々独立してQ1より選ばれる、1、2、3又は4つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Q1は、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q1は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
Q2は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、アルキニルアルコキシカルボニル、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ3基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
R50は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71であり、ここで、R70及びR71は、各々独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである、か又はR70とR71が一緒になって、アルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレン又はチアアルキレンを形成し;
R51、R52及びR53は、各々独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R63は、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71である)。
【請求項2】
R1が、-OR3、-SR3又は-NR4R5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、5-7員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが、5-7員ヘテロシクリル環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、5-7員ヘテロアリール環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、ピリジニルである、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、3-ピリジニルである、請求項1〜3、5及び6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Aが、2-ピリジニルである、請求項1〜3、5及び6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Aが、4-ピリジニルである、請求項1〜3、5及び6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Aが、2-チエニルである、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R2が、ハロ、アルキル、ハロアルキル又はアルコキシである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
R2が、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はメトキシである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
R1が、-OR3又は-NR4R5である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
R1が、-NR4R5である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
R3が、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ハロアリール、アルコキシアルキル、アルキルアリール又はアリールスルホニルアルキルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
R3が、メチル、エチル、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、4-トリル、フェニルスルホニルエチル、3,4-メチレンジオキシベンジル又はジメトキシアミノエチルである、請求項1〜13及び15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
R4が、水素、低級アルキル又はアルコキシアルキルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
R4が、水素、メチル又はメトキシエチルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
R5が、アラルキルオキシカルボニルアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリル又はアルコキシアルキルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
R5が、ベンジルオキシカルボニルメチル、ジメチルアミノエチル、4-モルホリノエチル、N-メチルピロリジン-3-イル又はメトキシエチルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R4及びR5が、それらが置換されている窒素原子と一緒になって5又は6員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
R4及びR5が、それらが置換されている窒素原子と一緒になって5又は6員ヘテロシクリル環を形成する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
R1が、以下の基である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物
【化2】

(式中、A1は、CR6R7又はNR6であり;
R6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ヘテロアリール、アルコキシアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヘテロシクリルカルボニルアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、又はイミダミジルであり;
R7は、水素又はアルキルであり;
Q1は、アルキル、アルコキシカルボニル、フェニル、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-N+R51R52R53、アルキルスルフィニルアルキルカルボニル、シクロアルキルアミノアルキル、ハロ、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノ、ジアルキルアミノアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、-SO3H又はアルキルスルホネートであり;
n1は、1又は2であり;
n2は、0-5である)。
【請求項24】
R6が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-プロペニル、2-プロピニル、3-ブチニル、フェニル、シクロプロピルメチル、2-ヒドロキシエチル、ヒドロキシカルボニルエチル、ヒドロキシカルボニルプロピル、エトキシカルボニルエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、シアノエチル、3-シアノプロピル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、4-モルホリノエチル、2-ピリミジニル、3-ピリミジニル、4-ピリミジニル、2-チアゾリル、4-フルオロフェニルメチル、4-メトキシフェニルメチル、ピロリジン-1-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、1,3-ジオキソラン-2-イルメチル、N-メチルピペリジン-4-イル、エトキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、モルホリン-4-イルカルボニルメチル、t-ブチルオキシカルボニルアミノエチル、ヒドロキシエトキシエチル、アミノカルボニルメチル、2-プロピニルオキシカルボニルアミノエチル、又は-C(NH)NH2である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Q1が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェニルメチル、ヒドロキシカルボニルプロピル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、1-イミダゾリル、4-モルホリノ、モルホリン-4-イルメチル、モルホリン-4-イルエチル、-N(CH3)3+、メチルスルフィニルメチルカルボニル、シクロアルキルアミノアルキル、フルオロ、ジ(ヒドロキシエチル)アミノ、ジアルキルアミノアルキルカルボニル、ピロリジン-1-イルメチル、ピロリジン-1-イルエチル、シクロプロピルアミノメチル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イル、N-メチル-N-(メトキシエチル)アミノ、N-メチルピペラジン-4-イルカルボニル、N,N-ジメチルアミノエチルアミノ(メチル)カルボニル、-SO3H又は-(CH2)3SO3Hである、請求項23又は24に記載の化合物。
【請求項26】
R6が、水素、メチル、メトキシメチル又はシクロプロピルメチルであり;
R7が、水素であり;
Q1が、メチル、ジメチルアミノ、tert-ブチルオキシカルボニル又はメトキシカルボニルであり;
n1が、1又は2であり;
n2が、1又は2である、請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
R1が、以下の基である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物
【化3】

(式中、R6は、水素、アルキル、アルコキシアルキル又はシクロアルキルアルキルであり;
Q1は、アルキル、ジアルキルアミノ又はアルコキシカルボニルであり;
n2は、0-5である)。
【請求項28】
R6が、水素、メチル、メトキシエチル又はシクロプロピルメチルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
n2が、1であり、Q1が、メチル、ジメチルアミノ、tert-ブチルオキシカルボニル又はメトキシカルボニルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
R1が、以下の基である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【化4】

(式中、Q1は、アルキル、ジアルキルアミノ又はアルコキシカルボニルであり;
n2は、0-3である)。
【請求項31】
下記式を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【化5】

【請求項32】
下記式を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【化6】

【請求項33】
下記式を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【化7】

(式中、Xは、フルオロ又はクロロである)。
【請求項34】
下記式を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【化8】

【請求項35】
下記式を有する、請求項23に記載の化合物:
【化9】

【請求項36】
下記式を有する、請求項35に記載の化合物。
【化10】

【請求項37】
下記式を有する、請求項35に記載の化合物。
【化11】

【請求項38】
下記式を有する、請求項30に記載の化合物。
【化12】

(式中、R8は、水素、アルコキシ、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれる)。
【請求項39】
下記式を有する、請求項38に記載の化合物。
【化13】

【請求項40】
下記式を有する、請求項39に記載の化合物。
【化14】

【請求項41】
R2が、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、ハロ、アルキルカルボニル又はアルキルスルフェニルである、請求項39又は40に記載の化合物。
【請求項42】
R2が、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、クロロ、アシル又はメチルフェニルである、請求項36〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
R8が、アルコキシ、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリルである、請求項40に記載の化合物。
【請求項44】
下記式を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【化15】

(式中、R9は、水素又は置換されていない又は置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、n3は、1-20である)。
【請求項45】
n3が、3又は4である、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
R9が、水素、メチル、フェニル又は3-カルボキシピリジン-2-イルである、請求項44に記載の化合物。
【請求項47】
下記式を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【化16】

(式中、Rx及びRyは、各々独立して、水素又はアルキルより選ばれる)。
【請求項48】
下記式を有する請求項47に記載の化合物。
【化17】

【請求項49】
下記式の化合物。
【化18】

(式中、Lは、リンカーであり;
Aは、炭素原子によってベンゾオキサジンコアに結合した5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-ORc、-C(O)Rc、又は-S(O)mRcであり;
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R1は、-OR3、-SR3、-NO2又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下の通りに選ばれ:
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない; 或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し; ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、各々独立して、0〜6であり;
R1、R2、R3、R4及びR5は、必要により、各々独立してQ1より選ばれる、1、2、3又は4つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Q1は、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである;か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q1は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
Q2は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換いている、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ3基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
R50は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71であり、ここで、R70及びR71は、各々独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである、か又はR70とR71が一緒になって、アルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレン又はチアアルキレンを形成し;
R51、R52及びR53は、各々独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R63は、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71である)。
【請求項50】
下記式を有する、請求項49に記載の化合物。
【化19】

【請求項51】
下記式を有する、請求項49に記載の化合物。
【化20】

(式中、n4は、1-20である)。
【請求項52】
n4が、4である、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
下記より選ばれる請求項1又は2の化合物。
【化21】

【化22】

【化23】

【請求項54】
下記より選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物。
【化24】

【化25】

【請求項55】
請求項1〜54のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容され得る担体を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項56】
セリンヒドロラーゼの作用を阻害する方法であって、下記式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体を投与することを含むことを特徴とする方法。
【化26】

(式中、Aは、炭素原子によってベンゾオキサジンコアに結合した5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-ORc、-C(O)Rc又は-S(O)mRcであり;
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R1は、-OR3、-SR3、-NO2又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下の通りに選ばれ:
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない; 或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し; ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、0〜6であり;
R1、R2、R3、R4及びR5は、必要により、各々独立してQ1より選ばれる、1、2、3又は4つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Q1は、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q1は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
Q2は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アルキニルアルコキシカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ3基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
R50は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71であり、ここで、R70及びR71は、各々独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである、か又はR70とR71が一緒になって、アルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレン又はチアアルキレンを形成し;
R51、R52及びR53は、各々独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R63は、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71である)。
【請求項57】
セリンヒドラーゼ媒介疾患の治療方法であって、下記式Iの化合物又はその医薬的に示された許容され得る誘導体を投与することを特徴とする方法。
【化27】

(式中、Aは、炭素原子によってベンゾオキサジンコアに結合した5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環であり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、NRaRb、-ORc、-C(O)Rc又は-S(O)mRcであり;
Ra、Rb及びRcは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R1は、水素、ハロ、アルキル、-OR3、-SR3、-NO2又はNR4R5であり;
R3は、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールより選ばれ;
R4及びR5は、以下の通りに選ばれ:
i) R4及びR5は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールより選ばれるが、R4又はR5の少なくとも一つは水素ではない; 或いは
ii) R4とR5は、それらが置換されている窒素原子と一緒になって置換された又は置換されていない5-10員ヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し; ここで、置換基が存在する場合には、一つ以上のQ1より選ばれ;
mは、0 - 2であり;
nは、0〜6であり;
R1、R2、R3、R4及びR5は、必要により、各々独立してQ1より選ばれる、1、2、3又は4つの置換基により置換されていてもよく、ここで、Q1は、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q1は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
Q2は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、アルキニルアルコキシカルボニル、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキルオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ2基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、二重結合1〜2個を含有するアルケニル、三重結合1〜2個を含有するアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアリキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アルキンオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R51R52R53、P(R50)2、P(=O)(R50)2、OP(=O)(R50)2、-NR60C(=O)R63、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ペルフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル又はアルキルアリールアミノスルホニルである; か又は1,2又は1,3配置の原子を置換している、二つのQ1基が一緒になって、アルキレンジオキシ(即ち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(即ち、-S-(CH2)y-O-)又はアルキレンジチオキシ(即ち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1又は2である; か又は同じ原子を置換している、二つのQ3基が一緒になって、アルキレンを形成し;
Q3は、各々独立して、置換されていないか又は、各々独立してQ2より選ばれる、1、2又は3つの置換基で置換され;
R50は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71であり、ここで、R70及びR71は、各々独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである、か又はR70とR71が一緒になって、アルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレン又はチアアルキレンを形成し;
R51、R52及びR53は、各々独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R60は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり;
R63は、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール又は-NR70R71である)。
【請求項58】
R1が、-OR3、-SR3; 又はNR4R5である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
セリンヒドロラーゼ媒介疾患の治療方法であって、請求項1〜54のいずれか1項に記載の化合物を投与することを特徴とする方法。
【請求項60】
セリンヒドロラーゼの作用を阻害する方法であって、請求項1〜54のいずれか1項に記載の化合物を投与することを特徴とする方法。
【請求項61】
セリンヒドロラーゼが、好中球エラスターゼである、請求項56〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
好中球エラスターゼが、ヒト好中球エラスターゼである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記疾患が、肺気腫、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群、特発性間質性肺炎、嚢胞性肺線維症、慢性間質性肺炎、慢性気管支炎、慢性気道感染、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、喘息、膵臓炎、腎炎、肝不全、慢性関節リウマチ、関節硬化腫、骨関節炎、乾癬、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、臓器移植に対する拒絶反応、早期破水、水疱症、ショック、敗血症、全身性エリテマトーデス、クローン病、播種性毛細血管内凝固症候群、虚血-再灌流後の組織損傷、角膜瘢痕組織の形成及び脊髄炎より選ばれる、請求項58又は59に記載の方法。
【請求項64】
包装材料、セリンヒドロラーゼ媒介疾患の治療、予防又は改善に用いられる、包装材料中に含有する請求項1〜54のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体、及び前記化合物又はその薬学的に許容され得る誘導体がセリンヒドロラーゼ媒介疾患の治療、予防又は改善に用いられることを示すラベルを備える、製造品。

【公表番号】特表2010−504334(P2010−504334A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529245(P2009−529245)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/020427
【国際公開番号】WO2008/036379
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508276800)アクティヴィックス バイオサイエンシーズ インコーポレイテッド (2)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】