説明

セルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末

【課題】万引の発生を防止し、かつ、迅速な決済処理が可能なセルフ決済型店舗運用方法を提供する。
【解決手段】来店した顧客が購入商品30に貼付された商品情報を携帯端末20で読み取ると、該商品30の万引防止タグ34の精算フラグ34−1を“1”に書き換え、かつ、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1を“1”から“0”に書き換える。顧客カード10で決済する場合、携帯端末20の購入商品30の情報を顧客カード10へ書き込んだ際に、精算フラグ21−1を“1”に書き換え、かつ、顧客カード10の万引防止制御11の精算フラグ11−1を“1”から“0”に書き換える。顧客カード10の購入商品30の情報が精算機40に読み取られて、購入商品30に関する決済が完了した際に、精算フラグ11−1を“1”に書き換える。精算フラグ34−1,21−1,11−1がすべて“1”の場合に限り、店舗ゲート50の通過を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店等で買物を行う場合、購入商品を買物カゴや買物カートに投入し、最後に、レジ(精算機)にて、購入商品の売上登録を行い、決済を済ませるのが通例である。この方法では、精算機において集中的に購入商品の売上登録が行われ、夕方や休日等の繁忙時には混雑が発生する。混雑の原因は、精算機にて購入商品の売上登録を人手によって1点ずつ逐一行うためである。特に夕方や休日等の繁忙時においては、来店した顧客の一人あたりの買物数も多くなり、購入商品の売上登録に時間がかかり混雑が発生し易い。店舗側の対応として、繁忙時には従業員を多く配置する等の措置を取っているが、効果的な改善には至ってはいないのが現状である。
【0003】
かかる事態を解決して、繁忙時においても迅速な売上決済処理を可能とするために、特許文献1の特開2004−348361号公報「セルフスキャニングPOSシステムおよび販売方法」や特許文献2の特開平9−81859号公報「セルフスキャンシステム」に記載されているように、来店した顧客自身が、バーコード読取機やカード読取機などを操作して、精算機にて売上登録を行う「セルフPOS」の技術を提案しているものもある。
【特許文献1】特開2004−348361号公報(第3−4頁)
【特許文献2】特開平9−81859号公報(第3−5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や前記特許文献2に記載の技術は、顧客自身が売上登録処理を行うことにしても、従来の他の技術と同様に、精算機のセルフPOSにて、購入商品を1点ずつ売上登録を行うため、混雑緩和への抜本的な解決策には至っていない。
【0005】
また、決済処理に習熟していない顧客自身の操作に委ねられていること、人的作業であることなどから、購入商品が正しく登録されなかったり、正しく決済処理が行われかったりする可能性があり、顧客や店舗側は不安を感じるという側面もある。さらに、店舗側にとって、万引などの不正行為が発生してしまう事態を確実に防止することができないという問題もある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、顧客が来店してから決済が完了するまで、常に万引防止機能を作動させつつ、顧客自身がそれぞれの携帯端末を用いて自動的に決済可能とする仕組みを構築することにより、万引などの不正の発生を確実に防止するとともに、迅速な決済処理を可能とするセルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明によるセルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0008】
(1)商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うセルフ決済型店舗運用方法において、購入する商品を決定して、顧客が携帯する携帯端末により、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、該携帯端末において前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、前記携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させ、前記携帯端末から前記購入商品の情報を店舗に設置された精算機に送信して、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除するセルフ決済型店舗運用方法。
(2)商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うセルフ決済型店舗運用方法において、購入する商品を決定して、顧客が携帯する携帯端末により、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、該携帯端末において前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、前記携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させ、顧客が携帯する顧客カードを利用して決済を行う場合、前記携帯端末に登録された前記購入商品の情報を前記顧客カードへ書き込んだ際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除するとともに、前記顧客カードに備えられた顧客カード用万引防止機能を作動させ、前記顧客カードの前記購入商品の情報が店舗に設置された精算機にて読み取られて、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記顧客カード用万引防止機能を解除するセルフ決済型店舗運用方法。
(3)前記携帯端末は、前記購入商品の情報の登録を行う際に、購入商品の合計金額を算出して、前記購入商品の情報と合計金額とを少なくとも含む会計情報を生成し、前記精算機および/または前記顧客カードに、前記購入商品の情報の代わりに、前記会計情報を転送する上記(1)または(2)のセルフ決済型店舗運用方法。
(4)前記店舗の店舗ゲートを、買物を終了した顧客が通過する際に、前記商品用万引防止機能、前記携帯端末用万引防止機能、さらには、前記顧客カードを利用して決済を行う場合は、前記顧客カード用万引防止機能も含め、いずれの万引防止機能も解除された状態にある場合、前記店舗ゲートの通過を許可し、いずれかの万引防止機能が作動中の状態にある場合、前記店舗ゲートの通過時に、アラームを鳴動させる上記(1)ないし(3)のいずれかのセルフ決済型店舗運用方法。
(5)前記携帯端末から前記精算機に対して、前記購入商品の情報または前記会計情報を転送する際に、無線信号または赤外線信号を用いて直接送信するか、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して送信する上記(1)ないし(4)のいずれかのセルフ決済型店舗運用方法。
(6)店舗内に設置される前記精算機の代わりに、ネットワークに接続された専用装置上で動作する精算アプリケーションを用い、前記携帯端末から前記ネットワークを介して前記購入商品の情報または前記会計情報を前記専用装置上で動作する前記精算アプリケーション向けに送信することにより、購入商品に関する決済処理を行う上記(1)ないし(5)のいずれかのセルフ決済型店舗運用方法。
(7)商品決済用の電子マネーを蓄えた電子財布を顧客が携帯し、前記携帯端末に電子マネーによる決済機能を備えている場合、店舗内に設置される前記精算機にて購入商品に関する決済を行う代わりに、当該携帯端末にて前記電子マネーによる決済を行う上記(1)ないし(6)のいずれかのセルフ決済型店舗運用方法。
(8)前記携帯端末が、顧客それぞれが所有する個々の携帯端末および/または店舗内に備え付けられ顧客に貸し出される携帯端末である上記(1)ないし(7)のいずれかのセルフ決済型店舗運用方法。
(9)商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が携帯端末を用いて購入商品の登録、決済処理を行うために、店舗内に設置される精算機であって、購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記携帯端末から受信して、購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末において万引防止用として作動している携帯端末用万引防止機能を解除する精算機。
(10)前記携帯端末と通信を行う手段として、無線信号または赤外線信号により直接信号を送受信する手段、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して信号を送受信する手段を備えている上記(9)の精算機。
(11)商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が顧客カードを利用して購入商品の登録、決済処理を行うために、店舗内に設置される精算機であって、購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記顧客カードから読み取って、購入商品に関する決済が完了した際に、前記顧客カードにおいて万引防止用として作動している顧客カード用万引防止機能を解除する精算機。
(12)前記顧客カードと情報の読み書きを行う手段として、無線信号または赤外線信号により情報の読み書きを行う手段を備えている上記(11)の精算機。
(13)商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うために用いる携帯端末であって、購入する商品を決定して、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、当該携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させる携帯端末。
(14)前記購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を精算機に送信して、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除する上記(13)の携帯端末。
(15)前記精算機と通信を行う手段として、無線信号または赤外線信号により直接信号を送受信する手段、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して信号を送受信する手段を備えている上記(13)または(14)の携帯端末。
(16)顧客が携帯する顧客カードを利用して決済を行う場合、前記購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記顧客カードへ書き込んだ際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除するとともに、前記顧客カードに備えられた顧客カード用万引防止機能を作動させる上記(13)の携帯端末。
(17)前記顧客カードと情報の読み書きを行う手段として、無線信号または赤外線信号により情報の読み書きを行う手段を備えている上記(16)の携帯端末。
(18)当該携帯端末が、携帯電話機、PHS電話機、PDA(携帯情報端末)、携帯ノートPCのいずれかである上記(13)ないし(17)のいずれかの携帯端末。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末によれば、以下のような効果を奏することができる。すなわち、来店した顧客は、顧客自身が携帯する個々の携帯端末(個人の所有物)または店舗備え付けの携帯端末を用いて購入商品の情報の登録処理や合計金額の算出処理を行い、かつ、当該携帯端末あるいは当該携帯端末から購入商品の情報や合計金額を含む会計情報が転送された顧客カードを用いて、精算機で自動的に決済処理を実施可能としているので、店舗での決済処理にかかる時間を大幅に短縮することができ、たとえ、夕方などの混雑時であっても円滑に買物を行うことを可能としている。
【0010】
また、購入商品の売上登録を、店舗内の精算機にて集中的に行うものではなく、前述のように、顧客自身それぞれが携帯端末を用いて買物をしながら売上登録を行うという、分散処理を行わせることにより、商品の購入登録や決済処理に要する作業を円滑に実施することができ、決済処理に要する時間を短縮することが可能となる。
【0011】
また、来店時から決済完了時点まで常に万引防止機能を作動させることにより、セルフ決済において懸念される万引の問題も確実に排除し、店舗側に対して安定した運用を提供することが可能である。
【0012】
さらに説明すれば、本発明によれば、顧客側にとって、買物時間の短縮が可能であり、顧客満足度を向上させるとともに、店舗側にとっても、従業員の負担を軽減することができる。
【0013】
すなわち、来店した顧客側においては、従来の技術では、繁忙時に、精算機すなわちレジが混雑し、レジ待ち時間が長く、顧客が無駄な時間を過ごすことが多かった。本発明によれば、従来の決済処理にて行われていた「購入商品の売上登録」の作業を、顧客自身がそれぞれの携帯端末を利用して事前に済ませていること、および、売上登録データを携帯端末または顧客カードから精算機に人手を介することなく伝送することにより、決済処理に要する時間を大幅に短縮することができ、顧客の待ち時間を短縮することが可能となる。而して、決済時に、来店した顧客が、無駄な時間を過ごすことなく、円滑に買物を行うことが可能となる。
【0014】
一方、店舗側においては、従来の技術では、繁忙時において、精算機にて決済処理を行う作業に多数の人員を投入することが必要であった。本発明によれば、携帯端末または顧客カードから自動的に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送させることにより、従業員が購入商品の情報を一件ずつ人手で精算機に入力していく必要はなく、従業員の決済処理における負担を大幅に軽減することができるので、決済処理に関わる人員を削減することが可能となり、その分、他の業務(接客等)に従事させることができ、効果的に従業員を配置することができる。さらには、繁忙時においても、従来の技術に比べて、短時間で多くの決済処理を実施することが可能となり、混雑を大幅に緩和することができる。
【0015】
また、前述のように、顧客自身によるセルフ決済であっても万引の発生を確実に防止することができる。すなわち、従来の技術では、セルフ決済の場合、未決済の商品でも店外に持ち出すことが可能になる場合が発生して、万引の問題が懸念されるが、本発明によれば、前述したように、来店時から精算機による決済が完了するまでの間、常に万引防止制御が作動しており、未決済のまま商品を店外に持ち出すことは不可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明によるセルフ決済型店舗運用方法、精算機および携帯端末の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0017】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、まず、本発明の特徴について説明する。本発明は、店舗に来店した顧客自身が、購入商品の売上登録、決済処理を行うセルフ決済型店舗運用方法を実現するものである。すなわち、来店した顧客が、それぞれで携帯端末を携帯して、該携帯端末にて、購入商品の情報を読み取らせることによって、事前に、購入商品に関する合計金額を算出する。ここで、顧客カードを用いて決済する場合には、顧客は、携帯端末から、購入商品の情報や算出された合計金額を、顧客カードに記録させる。しかる後、顧客カードを利用しない場合は、携帯端末から精算機に購入商品の情報や合計金額を直接伝送することにより、または、顧客カードを利用する場合は、顧客カードを精算機に通したりかざしたりすることにより、購入金額を精算する。また、来店時から決済完了時(精算完了時)までの間、常に、万引防止機能を作動させることにより、精算しないまま店舗から出てしまうような不正行為を防止する。
【0018】
(実施例の構成)
次に、本発明のセルフ決済型店舗運用方法を実現する具体的な実施例について図1を用いて説明する。図1は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法の一例を示す説明図である。図1に示すように、店舗を訪れる顧客は、顧客カード10と携帯端末20とを携帯しており、店舗側には、商品30が陳列されていると同時に、精算機40と店舗ゲート50とが設置されている。なお、携帯端末20は、顧客自身が所有している個々の携帯端末(個人の所有物)であっても良いし、店舗内に備え付けられていて、顧客に貸し出す専用の携帯端末(共用型の携帯端末)であっても良い。また、精算機40は、有人の形態であっても良いし、無人の形態であっても良い。
【0019】
図1において、店舗に陳列された各商品30には、価格情報32、販売履歴33などを含む商品情報31が、バーコードあるいはICタグなどの形態で取り付けられており、顧客が携帯する携帯端末20により読み取り可能とされている。さらに、各商品30には、万引を防止するための万引防止タグ34も取り付けられている。
【0020】
また、顧客が携帯する顧客カード10は、ICカードや磁気カードなどにより構成され、当該顧客が携帯する携帯端末20や店舗に設置されている精算機40によって読み書き可能な媒体であり、万引防止のための万引防止制御11、携帯端末20からの書き込み指示に基づいて、購入する商品情報を記録するための商品情報記録領域12を少なくとも備えている。
【0021】
また、顧客が携帯する携帯端末20は、携帯電話機、PHS電話機、PDA(携帯情報端末)あるいは携帯ノートPCなどから構成されており、購入商品の情報の登録や購入商品の決済に関する機能を備えている。なお、携帯端末20には、通常の電話機能やメール送受信機能や情報処理管理機能も備えられているが、図1には、本発明において主要な機能となる購入商品の登録および決済に関する機能のみを示している。
【0022】
図1に示すように、携帯端末20は、万引防止のための万引防止制御21、商品30に取り付けられている商品情報31を読み取る商品情報読取装置22、商品30に取り付けられている万引防止タグ34の表示を消去する万引防止タグ消去装置23、顧客カード10に記録されているカード情報を読み取るカード情報読取装置24、会計情報記録領域27に記録された会計情報などを顧客カード10にカード情報として記録するカード情報書込装置25、商品情報読取装置22により読み取られた商品30の商品情報31の計算などを行う計算機能26、計算機能26により計算された結果や購入商品の情報などからなる会計情報を記録する会計情報記録領域27、精算機40との間で会計情報などを送受信するための通信機能28、および、これらの各機能を制御するためのアプリケーション29を少なくとも備えている。
【0023】
また、店舗内に設置されている精算機40は、商品売上決済用のいわゆるPOS端末であるが、本発明においては、決済処理を司る決済システム41の他に、顧客カード10に記録されたカード情報(会計情報)を、伝送路1の経路を経て無線信号や赤外線信号により直接読み取るカード情報読取装置42、携帯端末20に蓄積された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報などを、伝送路2の経路を経て無線信号や赤外線信号により直接あるいは無線LANなどのネットワークを介して通信する通信機能43、さらに、これらの各機能を制御するためのアプリケーション44を、少なくとも備えている。また、店舗の出入り口近傍に設置されている店舗ゲート50には、万引を防止するための万引監視装置51が少なくとも備えられており、顧客カード10の万引防止制御11、携帯端末20の万引防止制御21、商品30の万引防止タグ34と連動して、未決済の商品30が店外に持ち出されるような、商品30の万引行為を監視して、アラームを鳴動させる。
【0024】
次に、図1の各装置の動作の一例について、購入商品登録、決済、万引防止の各処理方法を例にとって説明する。
【0025】
(購入商品登録方法)
まず、購入商品登録時の動作について説明する。各商品30には、前述のように、当該商品の価格が記録された価格情報32や、商品が売れたことを記録する販売履歴33などの情報が含まれる商品情報31が記録媒体(ICタグなど)として添付されている。来店した顧客自身が、この商品情報31の読み取り操作を行うことにより、購入商品の売上登録を行う。購入商品の売上登録には、顧客自身が携帯する携帯端末20を用いる。携帯端末20は、前述のように、携帯電話機、PHS電話機、PDA、携帯ノートPC等であり、来店した顧客自身の個人の所有物であっても良いし、店舗で貸し出す専用の端末であっても良い。
【0026】
来店した顧客は、携帯端末20の商品情報読取装置22を操作して、購入する商品の商品情報31を取得する。商品30の購入を決定する都度、取得された商品情報31に含まれる価格情報32に基づいて、携帯端末20の計算機能26を用いて、購入金額の合計すなわち合計金額が算出される。算出された結果は、購入商品の情報とともに、携帯端末20の会計情報記録領域27に会計情報として保存される。
【0027】
(決済方法)
次に、購入商品の決済時の動作について説明する。来店した顧客は、買物を終えると、決済処理を行う必要があるが、決済処理は、店舗内に設置された精算機40にて行う。ここで、精算機40は、前述のように、無人の形態であっても良いし、有人の形態であっても良い。精算機40に対して購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送する伝送方法として、「間接伝送」と「直接伝送」との2つを用意する。すなわち、顧客が顧客カード10を利用して商品の購入を行う場合は、携帯端末20に記録された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を顧客カード10に転送して、購入商品の情報や合計金額を含む会計情報が転送された顧客カード10を精算機40に通すかまたはかざすことによって、精算機40に対して購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を間接的に伝送する「間接伝送」を用い、一方、顧客が顧客カード10を利用することなく商品の購入を行う場合は、携帯端末20に記録された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を通信機能28を用いて直接精算機40に伝送する「直接伝送」を用いる。
【0028】
−間接伝送(伝送路1)
携帯端末20から精算機40へ、他の記憶媒体等を介して、購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を間接的に伝送させる仕組みを用いる。本実施例においては、この「他の記憶媒体」を、顧客が携帯する顧客カード10と表現している。顧客カード10には、前述のように、情報を記憶、蓄積することが可能な領域として商品情報記録領域12を備えている。携帯端末20内の会計情報記録領域27に保存されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、カード情報書込装置25を介して、顧客カード10の商品情報記録領域12へ保存する。
【0029】
顧客は、商品情報記録領域12に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報が記録された顧客カード10を携帯して、精算機40の傍へ移動する。精算機40は、精算機40内のカード情報読取装置42を用いて、顧客カード10内の商品情報記録領域12から、無線信号や赤外線信号により、購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を読み取る。精算機40は、読み取った購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を決済システム41へ移行して、購入商品の合計金額を顧客に提示して決済を促す。
【0030】
−直接伝送(伝送路2)
携帯端末20から精算機40へ、直接的な通信手段を用いて、購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を直接伝送させる仕組みを用いる。すなわち、携帯端末20の通信機能28と精算機40の通信機能43との間で、無線信号や赤外線信号による直接通信や、無線LANなどのネットワークを介した通信を行い、携帯端末20内の会計情報記録領域27に保存されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、精算機40へ伝送させる。精算機40は、伝送された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、決済システム41へ移行して、購入商品の合計金額を顧客に提示して決済を促す。なお、携帯端末20の通信機能28と精算機40の通信機能43とは、Bluetooth規格などに準拠した無線信号やIrDA規格などの赤外線信号を直接送受信する形態であっても良いし、IEEE802.11a/b/g/n等の規格に準拠した無線LANなどのネットワークを介して送受信する形態であっても良い。
【0031】
(万引防止制御方法)
次に、万引防止制御の動作について図2を用いて説明する。図2は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法における万引防止制御の一例を説明する説明図である。顧客の来店時から退出するまでの間、継続して、万引の監視が可能な万引防止対策として、図2に示すように、商品30、携帯端末20、顧客カード10それぞれに万引防止制御機能を設ける。商品30、携帯端末20、顧客カード10のそれぞれには、万引防止用のタグとして、それぞれに固有のID(例えば“1”または“0”)を用いて、商品が精算されたか否かを管理するための精算フラグを有している。
【0032】
店舗の出入り口に設けられた店舗ゲート50に万引監視装置51内に、精算フラグ確認51−1が備えられており、来店の顧客が店舗を出ようとした際に、精算フラグ確認51−1により、当該顧客が所持携帯する商品30、携帯端末20、顧客カード10それぞれに備えられている万引防止タグ34、万引防止制御21、万引防止制御11に対して、精算フラグを問い合わせる。万引防止タグ34、万引防止制御21、万引防止制御11のいずれの精算フラグもすべて“1”(万引防止制御がOFFの状態)であれば、商品30は決済済みと判定して、顧客が店舗ゲート50を通過することを許可する。しかし、万引防止タグ34、万引防止制御21、万引防止制御11のいずれかの精算フラグが“0“であれば、持ち出される商品30は未決済であるものと判定して、万引監視装置51のアラーム(警報)が作動し、万引が行われたことを周囲ならびに従業員に通報する。
【0033】
万引防止制御を行うために、購入商品の登録時、顧客カード書込み時、精算時のそれぞれの段階において、商品30、携帯端末20、顧客カード10の各精算フラグのIDの書き換えが行われている。その一例について、以下に説明する。
【0034】
−商品30の万引防止制御の仕組み
商品30には、前述のように、万引防止タグ34(つまり商品用万引防止機能)が備え付けられている。万引防止タグ34内には、ID管理されている精算フラグ34−1が設けられている(初期値は“0”)。来店した顧客が商品30の購入を決断すると、携帯端末20に購入商品の情報を登録する作業を行う。その際に、携帯端末20内の万引防止タグ消去装置23のフラグ書き換え機能により、商品30の精算フラグ34−1のIDの書き換えが自動的に行われる。すなわち、携帯端末20への購入商品の情報の登録時に、商品30の精算フラグ34−1を“0”から“1”へ自動的に変更し、商品用万引防止機能を解除する。この精算フラグ34−1の“0”から“1”へのIDの変更を行わずに、当該商品を所持して店舗ゲート50の通過を試みると、万引監視装置51が働き、アラーム(警報)が作動する。
【0035】
−携帯端末20の万引防止制御の仕組み
携帯端末20には、前述のように、万引防止制御21(つまり携帯端末用万引防止機能)が備え付けられている。万引防止制御21内には、ID管理されている精算フラグ21−1が設けられている(初期値は“1”)。来店した顧客が商品の購入を決断すると、携帯端末20に購入商品の情報を登録する作業を行う。その際に、携帯端末20のフラグ書き換え機能により、万引防止制御21の機能が作動するように、精算フラグ21−1のIDの書き換えが自動的に行われる。すなわち、携帯端末20への購入商品の情報の登録時に、携帯端末20の精算フラグ21−1を“1”(無作動状態)から“0”(作動状態)へ自動的に変更し、携帯端末用万引防止機能を解除する。携帯端末20の万引防止制御21が作動中に、当該携帯端末20を携帯して店舗ゲート50の通過を試みると、万引監視装置51が働き、アラーム(警報)が作動する。
【0036】
買物終了後、携帯端末20に記録された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、顧客カード10に書き込んだ際に、または、精算機40に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送し、決済が完了した際に、携帯端末20の万引防止制御21の機能は解除され、精算フラグ21−1のIDの書き換えが自動的に行われる。すなわち、携帯端末20のフラグ書き換え機能により、携帯端末20の精算フラグ21−1は“0”から“1”へ変更されて、携帯端末20の万引防止制御21の作動が停止する。この結果、万引防止制御21の作動が停止した携帯端末20を携帯して店舗ゲート50を通過する場合は、当該携帯端末20を携帯しても万引監視装置51のアラームが作動することはない。
【0037】
−顧客カード10の万引防止制御の仕組み
顧客カード10には、前述のように、万引防止制御11(つまり顧客カード用万引防止機能)が備え付けられている。万引防止制御11内には、ID管理されている精算フラグ11−1が設けられている(初期値は“1”)。来店した顧客が顧客カード10を用いて決済を行う場合、携帯端末20のカード情報書込装置25を用いて、顧客カード10に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を登録する。その際に、顧客カード10内の万引防止制御11の機能が作動するように、精算フラグ11−1のIDの書き換えが自動的に行われる。すなわち、顧客カード10への購入商品の情報や合計金額を含む会計情報の登録時に、携帯端末20のフラグ書き換え機能により、顧客カード10の精算フラグ11−1を“1”(無作動状態)から“0”(作動状態)へ自動的に変更し、顧客カード用万引防止機能が作動する。顧客カード10の万引防止制御11が作動中に、当該顧客カード10を携帯して店舗ゲート50の通過を試みると、万引監視装置51が働き、アラーム(警報)が作動する。
【0038】
買物終了後、顧客カード10に記録された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、精算機40に伝送し、精算機40による決済が完了した際に、顧客カード10の万引防止制御11の機能は解除され、精算フラグ11−1のIDの書き換えが自動的に行われる。すなわち、精算機40のフラグ書き換え機能により、顧客カード10の精算フラグ11−1は“0”から“1”へ変更されて、顧客カード用万引防止機能が解除され、顧客カード10の万引防止制御11の作動が停止する。この結果、万引防止制御11の作動が停止した顧客カード10を携帯して店舗ゲート50を通過する場合は、当該顧客カード10を携帯しても万引監視装置51のアラームが作動することはない。
【0039】
以上に説明したように、顧客が来店した時点から精算完了する時点までの間、商品購入の各段階に応じて、精算フラグ11−1,21−1,34−1の“0”、“1”状態を書き換えることによって、万引監視装置50にて万引の有無を確実に監視する万引制御動作が実施される。その様子を、図3を用いてさらに説明する。図3は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法における万引防止制御用の動作の一例を説明する説明図であり、来店時から精算完了時までの商品購入の各段階に応じて、商品30の精算フラグ34−1、携帯端末20の精算フラグ21−1、顧客カード10の精算フラグ11−1の“0”,“1”の状態を適宜書き換えることにより、決済までの全段階において常に万引防止制御を継続して動作させている例を示している。
【0040】
すなわち、図3に示すように、顧客が来店して買物を開始し、商品30を選定するまでの間は、商品30に取り付けられている万引防止タグ34の精算フラグ34−1が“0”の状態に設定されていることにより、商品30の万引防止タグ34による万引防止制御動作が作動中の状態にある。購入する商品30が選定されると、選定した商品30の商品情報31が携帯端末20に読み取られた時点で、商品30の万引防止タグ34の精算フラグ34−1は“1”に書き換えられて、万引防止タグ34による万引防止制御動作が終了する一方、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1が“0”の状態に書き換えられることにより、携帯端末20の万引防止制御21による万引防止制御動作が作動を開始する。
【0041】
しかる後、携帯端末20から顧客カード10への購入商品の情報や合計金額を含む会計情報の書き込みが終了した時点で、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1が“1”の状態に書き換えられて、携帯端末20の万引防止制御21による万引制御動作が終了すると同時に、顧客カード10の万引防止制御11の精算フラグ11−1が“0”の状態に書き換えられることにより、顧客カード10の万引防止制御11による万引制御動作が作動中の状態になる。しかる後、精算機40による購入商品の決済処理(精算処理)が完了した時点では、顧客カード10の万引防止制御11の精算フラグ11−1が“1”の状態に書き換えられて、顧客カード10の万引防止制御11による万引制御動作が終了する。この結果、顧客は、購入商品30を所持し、携帯端末20、顧客カード10を携帯している状態であっても、万引発生用のアラームが鳴動することなく、店舗ゲート50を通過することが可能な状態になる。
【0042】
なお、図3は、顧客カード10を利用して決済を行う場合について例示したものであるが、顧客カード10を利用しないで決済を行う場合についても、図3の場合の動作とほぼ同様の万引防止制御が実施される。すなわち、顧客カード10を利用しない場合、購入商品の情報が書き込まれて、万引防止制御21の精算フラグ21−1が“0”の状態に書き換えられた携帯端末20から、精算機40への購入商品の情報や合計金額を含む会計情報の直接的な転送動作が終了した後、精算機40における精算が終了した時点で、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1が“1”の状態に書き換えられて、携帯端末20の万引防止制御21による万引制御動作が終了する。この結果、顧客は、購入商品30を所持し、携帯端末20を携帯している状態であっても、万引発生用のアラームが鳴動することなく、店舗ゲート50を通過することが可能な状態になる。
【0043】
(実施例の動作の説明)
次に、図4、図5のフローチャートを参照しながら、図1、図2に示す本実施例の動作についてさらに説明を行う。図4は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法において顧客カード10を用いて精算機40にて決済処理を行う場合の一例を示すフローチャートであり、図5は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法において顧客カード10を用いないで精算機40にて決済処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。前述したように、図4、図5のいずれの場合においても、来店した顧客は、携帯端末20を用いて、顧客自身でそれぞれ購入商品の売上登録を行い、決済処理を行うという「セルフ決済」の場合を示している。
【0044】
まず、顧客カード10を利用して決済を行う場合について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
<顧客の入店から買物開始までの準備段階>
来店した顧客は、入店時に、携帯した個々の携帯端末20に、または、店舗に備え付けられた専用の携帯端末20を借り出した場合は、この専用の携帯端末20に、顧客自身が携帯する顧客カード10を読み取らせる(ステップS1)。読み取りが完了することにより、店舗に陳列されている商品30の買物が可能となる。ここで、顧客カード10に、当該顧客を特定するための顧客情報などが登録されていれば、携帯端末20は顧客個人を識別することも可能である。
【0046】
<商品の購入決定段階>
来店した顧客は、陳列された商品30を選定する(ステップS2)。購入しない場合は(ステップS3のNO)、ステップS2に復帰して、商品30の選定作業に戻るが、購入すると決定した場合(ステップS3のYES)、当該商品30の商品情報31を、携帯端末20に読み取らせる(ステップS4)。
【0047】
しかる後、商品30の万引防止タグ34の精算フラグ34−1は“1”に自動的に書き換えられるとともに、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1が“0”に自動的に書き換えられて、携帯端末20の万引防止制御21による万引防止制御がONに設定される(ステップS5)。さらに、読み取られた商品情報31は、携帯端末20の計算機能26で処理され、購入商品の情報とともに、会計情報として、会計情報記録領域27に蓄積される(ステップS6)。この購入商品の選定動作は、買物が終了(購入商品のすべての選定が終了)するまでの間(ステップS7のNO)、繰り返され、ステップS2〜S6の処理が繰り返して実行される。
【0048】
<決済処理段階>
来店した顧客は、商品30の選定を終了すると(ステップS7のYES)、決済処理を行う。顧客カード10を用いて決済を行う場合、携帯端末20に蓄積されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、一旦、顧客カード10に移す必要がある。来店した顧客は、携帯端末20の会計情報記録領域27に蓄積されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を顧客カード10の商品情報記録領域12へ書き込む作業を行う(ステップS8)。この際、図3にて説明したように、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1を“1”に書き換えて、携帯端末20の万引防止制御21による万引防止制御をOFFにすると同時に、顧客カード10の万引防止制御11の精算フラグ11−1を“0”に書き換えて、顧客カード10の万引防止制御11による万引防止制御をONにすることにより、万引防止制御を継続させる。
【0049】
しかる後、決済処理を行うために、顧客は、顧客カード10を携帯して精算機40の傍へ移動する(ステップS9)。顧客は、精算機40に顧客カード10の商品情報記録領域12に蓄積した購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を読み取らせることにより、精算機40に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送させる(ステップS10)。精算機40においては、精算機40の決済システム41にて、伝送された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報に基づく決済の処理が行われ、精算機40の表示部に購入商品の合計金額などが表示される(ステップS11)。顧客は、表示された購入商品の合計金額を支払うことによって、精算を行う(ステップS12)。
【0050】
精算が終了すると、顧客カード10の万引防止制御11の精算フラグ11−1は“1”に書き換えられて、顧客カード10の万引防止制御11による万引防止制御をOFFにすることによって、商品30、携帯端末20、顧客カード10のいずれによる万引防止制御もすべてOFFの状態に設定する(ステップS13)。
【0051】
次に、顧客カード10を利用しないで決済を行う場合について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5において、ステップS21〜S26までの商品の購入決定段階は、図4の顧客カード10を利用する場合のステップS2〜S27までの商品の購入決定段階と全く同様であり、以下では、図4の動作とは異なるステップS27〜S31の決済処理段階の動作について説明する。なお、本利用方法の場合は、顧客カード10を利用しないので、図4のステップS1のような買物開始時の準備段階として顧客カード10を読み取らせる作業を行う必要はない。
【0052】
<決済処理段階>
来店した顧客は、商品30の選定を終了すると(ステップS26のYES)、決済処理を行う。顧客カード10を用いないで決済を行う場合、携帯端末20に蓄積されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、直接精算機40に移す必要がある。顧客は、決済処理を行うために、携帯端末20を携帯して精算機40の傍へ移動する(ステップS27)。しかる後、携帯端末20と精算機40との間で通信を行い、携帯端末20の会計情報記録領域27に蓄積されている購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、精算機40に伝送させる(ステップS28)。この段階では、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1はそのまま“0”の状態を継続させて、携帯端末20の万引防止制御21による万引防止制御を継続させる。
【0053】
次いで、精算機40の決済システム41にて、伝送された購入商品の情報や合計金額を含む会計情報に基づく決済の処理が行われ、精算機40の表示部に購入商品の合計金額などが表示される(ステップS29)。顧客は、表示された購入商品の合計金額を支払うことによって、精算を行う(ステップS30)。
【0054】
精算が終了すると、携帯端末20の万引防止制御21の精算フラグ21−1は“1”に書き換えられて、携帯端末20の万引防止制御21による万引防止制御をOFFにすることによって、商品30、携帯端末20のいずれによる万引防止制御もすべてOFFの状態に設定する(ステップS31)。
【0055】
(本実施例の効果の説明)
以上に詳細に説明した本発明の実施例により明らかなように、本実施例によれば、来店した顧客は、顧客自身が携帯する個々の携帯端末20または店舗に備え付けの専用の携帯端末20を用いて購入商品30の情報の登録処理や合計金額の算出処理を行い、かつ、当該携帯端末20、あるいは、当該携帯端末20から購入商品の情報や合計金額を含む会計情報が転送された顧客カード10を用いて、精算機40で自動的に決済処理を実施可能としているので、店舗での決済処理にかかる時間を大幅に短縮することができ、たとえ、夕方などの混雑時であっても円滑に買物を行うことを可能としている。
【0056】
また、購入商品の売上登録を、精算機40にて集中的に行うのではなく、前述のように、顧客自身それぞれが携帯端末20を用いて買物をしながら売上登録を行うという、分散処理を行わせることにより、商品の購入登録や決済処理に要する作業を円滑に実施することができ、決済処理に要する時間を短縮することが可能となる。
【0057】
また、来店時から決済完了時点まで常に万引防止機能を作動させることにより、セルフ決済において懸念される万引の問題も確実に排除し、店舗側に対して安定した運用を提供することが可能である。
【0058】
さらに説明すれば、本実施例によれば、顧客側にとって、買物時間の短縮が可能であり、顧客満足度を向上させるとともに、店舗側にとっても、従業員の負担を軽減することができる。
【0059】
すなわち、来店した顧客側においては、従来の技術では、繁忙時に、精算機40すなわちレジが混雑し、レジ待ち時間が長く、顧客が無駄な時間を過ごすことが多かった。本実施例によれば、従来の決済処理にて行われていた「購入商品の売上登録」の作業を、顧客自身がそれぞれの携帯端末20を利用して事前に済ませていること、および、売上登録データを携帯端末20または顧客カード10から精算機40に人手を介することなく伝送することにより、決済処理に要する時間を大幅に短縮することができ、顧客の待ち時間を短縮することが可能となる。而して、決済時に、来店した顧客が、無駄な時間を過ごすことなく、円滑に買物を行うことが可能となる。
【0060】
一方、店舗側においては、従来の技術では、繁忙時において、精算機40にて決済処理を行う作業に多数の人員を投入することが必要であった。本実施例によれば、携帯端末20または顧客カード10から自動的に購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送させることにより、従業員が購入商品の情報を一件ずつ人手で精算機40に入力していく必要はなく、従業員の決済処理における負担を大幅に軽減することができるので、決済処理に関わる人員を削減することが可能となり、その分、他の業務(接客等)に従事させることができ、効果的に従業員を配置することができる。さらには、繁忙時においても、従来の技術に比べて、短時間で多くの決済処理を実施することが可能となり、混雑を大幅に緩和することができる。
【0061】
また、前述のように、顧客自身によるセルフ決済であっても万引の発生を確実に防止することができる。すなわち、従来の技術では、セルフ決済の場合、未決済の商品でも店外に持ち出すことが可能になる場合が発生して、万引の問題が懸念されるが、本実施例によれば、図2、図3にて説明したように、来店時から精算機40による決済が完了するまでの間、常に万引防止制御が作動しており、未決済のまま商品を店外に持ち出すことは不可能である。
【0062】
(本発明の他の実施例)
次に、本発明のセルフ決済型店舗運用方法の前述の場合とは異なる他の実施例について、いくつかの実施例を説明する。
【0063】
まず、本発明のセルフ決済型店舗運用方法として、商品30を陳列している店舗内に設置された精算機40を用いて決済する代わりに、ネットワークを介して、遠隔地にある他の装置(例えばインターネットのサーバ装置)上に備えられている精算アプリケーションを用いて購入商品の決済を行うネットワーク決済の実施例について、図6を用いて説明する。図6は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法の図1とは異なる例を示す説明図であり、ネットワーク60を介して遠隔地に存在する精算アプリケーション40A(例えば、インターネット上の当該店舗のWebサーバ上で動作する精算アプリケーション)により決算処理を行う一例を説明している。
【0064】
図6において、図1と同一の機能を実施する回路部やアプリケーションについては、図1と同一の符号を付しており、ここでの重複する説明は省略する。以下には、図1とは異なる回路部、アプリケーションについて説明する。なお、本実施例においては、図1のように、顧客カード10を利用した決済処理を行うものではなく、顧客カード10を利用しないで、携帯端末20Aから精算アプリケーション40Aへ、ネットワーク60を介して、購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を伝送する場合を示している。
【0065】
このため、携帯端末20Aは、図1のカード情報読取装置24、カード情報書込装置25を必ずしも備える必要はない。また、通信機能28Aは、図1の通信機能28とは異なり、ネットワーク60を介して情報の送受信を行うためのネットワーク接続機能を有しているものである。ここで、ネットワーク60としては、インターネットであっても良いし、携帯電話網やIP網であっても良い。通信機能28Aは、接続するネットワーク60に対応する機能を備えている。
【0066】
また、精算アプリケーション40Aは、例えば、インターネット上に設置された当該店舗専用のWebサーバ上で動作するものであり、ネットワーク60を介して送信されてくる購入商品の情報や合計金額を含む会計情報を、アプリケーション44Aにより受信して、決済システム41Aを起動することにより、決算処理を行う。なお、合計金額の精算処理は、クレジットカードによる仕組みを利用しても良いし、振込み処理の仕組みを利用しても良い。また、図6のネットワーク決済の場合においては、店舗内に決済処理を行うための精算機40を設置する必要がないものの、図1、図2の場合と同様に、来店時から遠隔地の精算アプリケーション40Aによる決済処理が完了するまで、常に万引防止制御が作動しており、未決済の商品が店外に持ち出される事態を確実に防止可能としている。
【0067】
次に、本発明のセルフ決済型店舗運用方法として、購入商品の決済を行う際に電子マネーを用いて決済を行う実施例について、図7を用いて説明する。図7は、本発明のセルフ決済型店舗運用方法の図1とはさらに異なる例を示す説明図であり、現金やクレジットカードの代わりに、電子マネーを用いて決済を行う一例を説明している。
【0068】
図7において、図1と同一の機能を実施する回路部やアプリケーションについては、図1と同一の符号を付しており、ここでの重複する説明は省略する。以下には、図1とは異なる回路部、アプリケーションについて説明する。なお、本実施例においては、来店した顧客が携行した電子財布80に蓄積されている電子マネー81によって、購入商品の決済を行う動作の一例を示すものであるが、電子マネー81による決済を、図1のような店舗内に設置した精算機40で行う代わりに、携帯端末20自身で行う場合を例示している。また、本実施例でも、顧客カード10を利用しないで決済処理を行う場合を示している。
【0069】
このため、携帯端末20Bは、図1のカード情報読取装置24、カード情報書込装置25、通信機能28を必ずしも備える必要はなく、その代わり、電子財布80から電子マネー81を読み取る電子マネー読取装置72と、読み取った電子マネー81により購入商品の決済処理を行う決済システム71とを備えている。
【0070】
顧客から、携帯端末20Bに対して購入商品が決定した旨が通知されると、携帯端末20Bは、当該顧客が携行している電子財布80から電子マネー81を読み取って、決済システム71によって、購入商品に関する決済処理を行う。これにより、顧客は、現金を所持しなくても、商品30を購入することが可能であるとともに、店舗内の精算機40における集中的な精算処理を行うことも不要となる。なお、図7の携帯端末20Bを用いた電子マネーによる決済の場合においては、店舗内に決済処理を行うための精算機40を設置する必要がないものの、図1、図2の場合と同様に、来店時から携帯端末20Bを用いた電子マネーによる決済処理が完了するまで、常に万引防止制御が作動しており、未決済の商品が店外に持ち出される事態を確実に防止可能となっている。
【0071】
(本発明の利用が考えられる分野)
本発明は、短時間で買物を済ませたい顧客が多く来店するコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の小売店において、特に有効に利用することが可能である。すなわち、このような小売店においては、来店した顧客自身にて、購入商品の売上登録を行うセルフ決済を可能とすることにより、決済に要する時間が大幅に短縮され、「顧客満足度向上」、「従業員の負担軽減」などが実現されるとともに、来店時から決済完了時までの間常に万引監視動作が作動している状態にあり、セルフ決済であっても「万引防止」を確実に行うことができる。
【0072】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のセルフ決済型店舗運用方法の一例を示す説明図である。
【図2】本発明のセルフ決済型店舗運用方法における万引防止制御の一例を説明する説明図である。
【図3】本発明のセルフ決済型店舗運用方法における万引防止制御用の動作の一例を説明する説明図である。
【図4】本発明のセルフ決済型店舗運用方法において顧客カードを用いて精算機にて決済処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のセルフ決済型店舗運用方法において顧客カードを用いないで精算機にて決済処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明のセルフ決済型店舗運用方法の図1とは異なる例を示す説明図である。
【図7】本発明のセルフ決済型店舗運用方法の図1とはさらに異なる例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
10 顧客カード
11 万引防止制御
11−1 精算フラグ
12 商品情報記録領域
20 携帯端末
20A 携帯端末
20B 携帯端末
21 万引防止制御
21−1 精算フラグ
22 商品情報読取装置
23 万引防止タグ消去装置
24 カード情報読取装置
25 カード情報書込装置
26 計算機能
27 会計情報記録領域
28 通信機能
28A 通信機能
29 アプリケーション
30 商品
31 商品情報
32 価格情報
33 販売履歴
34 万引防止タグ
34−1 精算フラグ
40 精算機
40A 精算アプリケーション
41 決済システム
41A 決済システム
42 カード情報読取装置
43 通信機能
44 アプリケーション
44A アプリケーション
50 店舗ゲート
51 万引監視装置
51−1 精算フラグ確認
60 ネットワーク
80 電子財布
81 電子マネー
71 決済システム
72 電子マネー読取装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うセルフ決済型店舗運用方法において、購入する商品を決定して、顧客が携帯する携帯端末により、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、該携帯端末において前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、前記携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させ、前記携帯端末から前記購入商品の情報を店舗に設置された精算機に送信して、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除することを特徴とするセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項2】
商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うセルフ決済型店舗運用方法において、購入する商品を決定して、顧客が携帯する携帯端末により、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、該携帯端末において前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、前記携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させ、顧客が携帯する顧客カードを利用して決済を行う場合、前記携帯端末に登録された前記購入商品の情報を前記顧客カードへ書き込んだ際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除するとともに、前記顧客カードに備えられた顧客カード用万引防止機能を作動させ、前記顧客カードの前記購入商品の情報が店舗に設置された精算機にて読み取られて、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記顧客カード用万引防止機能を解除することを特徴とするセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記購入商品の情報の登録を行う際に、購入商品の合計金額を算出して、前記購入商品の情報と合計金額とを少なくとも含む会計情報を生成し、前記精算機および/または前記顧客カードに、前記購入商品の情報の代わりに、前記会計情報を転送することを特徴とする請求項1または2に記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項4】
前記店舗の店舗ゲートを、買物を終了した顧客が通過する際に、前記商品用万引防止機能、前記携帯端末用万引防止機能、さらには、前記顧客カードを利用して決済を行う場合は、前記顧客カード用万引防止機能も含め、いずれの万引防止機能も解除された状態にある場合、前記店舗ゲートの通過を許可し、いずれかの万引防止機能が作動中の状態にある場合、前記店舗ゲートの通過時に、アラームを鳴動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項5】
前記携帯端末から前記精算機に対して、前記購入商品の情報または前記会計情報を転送する際に、無線信号または赤外線信号を用いて直接送信するか、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項6】
店舗内に設置される前記精算機の代わりに、ネットワークに接続された専用装置上で動作する精算アプリケーションを用い、前記携帯端末から前記ネットワークを介して前記購入商品の情報または前記会計情報を前記専用装置上で動作する前記精算アプリケーション向けに送信することにより、購入商品に関する決済処理を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項7】
商品決済用の電子マネーを蓄えた電子財布を顧客が携帯し、前記携帯端末に電子マネーによる決済機能を備えている場合、店舗内に設置される前記精算機にて購入商品に関する決済を行う代わりに、当該携帯端末にて前記電子マネーによる決済を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項8】
前記携帯端末が、顧客それぞれが所有する個々の携帯端末および/または店舗内に備え付けられ顧客に貸し出される携帯端末であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のセルフ決済型店舗運用方法。
【請求項9】
商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が携帯端末を用いて購入商品の登録、決済処理を行うために、店舗内に設置される精算機であって、購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記携帯端末から受信して、購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末において万引防止用として作動している携帯端末用万引防止機能を解除することを特徴とする精算機。
【請求項10】
前記携帯端末と通信を行う手段として、無線信号または赤外線信号により直接信号を送受信する手段、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して信号を送受信する手段を備えていることを特徴とする請求項9に記載の精算機。
【請求項11】
商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が顧客カードを利用して購入商品の登録、決済処理を行うために、店舗内に設置される精算機であって、購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記顧客カードから読み取って、購入商品に関する決済が完了した際に、前記顧客カードにおいて万引防止用として作動している顧客カード用万引防止機能を解除することを特徴とする精算機。
【請求項12】
前記顧客カードと情報の読み書きを行う手段として、無線信号または赤外線信号により情報の読み書きを行う手段を備えていることを特徴とする請求項11に記載の精算機。
【請求項13】
商品を陳列した店舗に来店した顧客自身が、購入商品の登録、決済処理を行うために用いる携帯端末であって、購入する商品を決定して、当該商品に貼付された商品情報を購入商品の情報として読み取って、前記購入商品の情報の登録を行った際に、当該商品に貼付された商品用万引防止機能を解除するとともに、当該携帯端末に備えられた携帯端末用万引防止機能を作動させることを特徴とする携帯端末。
【請求項14】
前記購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を精算機に送信して、該精算機にて購入商品に関する決済が完了した際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除することを特徴とする請求項13に記載の携帯端末。
【請求項15】
前記精算機と通信を行う手段として、無線信号または赤外線信号により直接信号を送受信する手段、あるいは、無線LANを含むネットワークを介して信号を送受信する手段を備えていることを特徴とする請求項13または14に記載の携帯端末。
【請求項16】
顧客が携帯する顧客カードを利用して決済を行う場合、前記購入商品の情報または前記購入商品の情報とその合計金額とを少なくとも含む会計情報を前記顧客カードへ書き込んだ際に、前記携帯端末用万引防止機能を解除するとともに、前記顧客カードに備えられた顧客カード用万引防止機能を作動させることを特徴とする請求項13に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記顧客カードと情報の読み書きを行う手段として、無線信号または赤外線信号により情報の読み書きを行う手段を備えていることを特徴とする請求項16に記載の携帯端末。
【請求項18】
当該携帯端末が、携帯電話機、PHS電話機、PDA(携帯情報端末)、携帯ノートPCのいずれかであることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の携帯端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−181454(P2008−181454A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16027(P2007−16027)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】