説明

セロトニン受容体モジュレーターとしての置換アゼピン誘導体

本発明は、一般的には一連の化合物、前記化合物を含有する医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物の治療薬としての使用に関する。より具体的には、本発明の化合物はヘキサヒドロアゼピノインドール化合物及びオクタヒドロアゼピノインドール化合物である。これらの化合物はセロトニン受容体(5−HT)リガンドであり、セロトニン受容体(5−HT)の活性の調節が望まれている疾患、障害及び状態(例えば、不安症、うつ病及び肥満)の治療のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には一連の化合物、前記化合物を含有する医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物の治療薬としての使用に関する。より具体的には、本発明の化合物はヘキサヒドロチエノアゼピン化合物及びオクタヒドロチエノアゼピン化合物である。これらの化合物はセロトニン受容体(5−HT)リガンドであり、セロトニン受容体(5−HT)の活性の調節が望まれている疾患、障害及び状態(例えば、嗜癖、不安症、うつ病及び肥満)の治療のために有用である。
【背景技術】
【0002】
セロトニンは、中枢神経系に起因する多数の疾患、障害及び状態に関与している。前記疾患、障害及び状態には例えば睡眠、摂食、知覚疼痛、体温コントロール、血圧コントロール、うつ病、不安症、嗜癖及び統合失調症に関連する疾患、障害及び状態が含まれる。セロトニンはまた胃腸系のような末梢系において重要な役割を果たし、末梢系において各種の収縮効果、分泌効果及び電気生理学的効果を媒介することが判明している。
【0003】
セロトニンは体内に広く分布しているので、セロトニン作動系に影響を及ぼす薬物が必要である。特に、セロトニン作動系のアゴニスト、部分アゴニスト及びアンタゴニストは不安症、うつ病、高血圧、偏頭痛、肥満、強迫性障害、統合失調症、自閉症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン症候群及びハンチントン舞踏病)及び化学療法による嘔吐を含めた各種障害の治療において興味深い。
【0004】
セロトニン受容体の主要クラス(5−HT1−7)は、形式的に分類されている1〜7個の別々の受容体を含む。Glennonら,Neuroscience and Behavioral Reviews,14:35(1990);及びD.Hoyerら,Pharmacol.Rev.,46:157−203(1994)を参照されたい。
【0005】
例えば、受容体の5−HTファミリーは、一次構造、二次メッセンジャー系及び作用プロフィールに基づいてまとめて分類されている5−HT2aサブタイプ、5−HT2bサブタイプ及び5−HT2cサブタイプを含む。これら3つの5−HTサブタイプはすべてGタンパク質結合されており、主要伝達メカニズムとしてのホスホリパーゼCを活性化し、7膜貫通ドメイン構造を含んでいる。3つの5−HTサブタイプの哺乳動物での分布は明白に異なっている。5−HT2b受容体及び5−HT2a受容体は末梢神経系に広く分布しているのに対して、5−HT2aは脳でも見られる。5−HT2c受容体は中枢神経系のみで見られ、ヒト脳の多くの領域で高度に発現する。G.Baxterら,Trends in Pharmacol.Sci.,16:105−110(1995)を参照されたい。
【0006】
サブタイプ5−HT2aは血管収縮、血小板凝集及び気管支収縮を含めた効果及び特定のCNS効果に関係しているのに対して、サブタイプ5−HT2cはうつ病、不安症、強迫性障害、嗜癖、パニック障害、恐怖症、精神症候群及び肥満を含めた疾患に関連している。5−HT2b受容体の薬理学的役割については余り知られていない。F.Jenckら,Exp.Opin.Invest.Drugs,7:1587−1599(1998);M.Bosら,J.Med.Chem.,40:2762−2769(1997);J.R.Martinら,The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,286:913−924(1998);S.M.Bromidgeら,J.Med.Chem.,41:1598−1612(1998);G.A.Kennett,Drugs,1(4):456−470(1998);及びA.Dekeyneら,Neuropharmacology,38:415−423(1999)を参照されたい。
【0007】
国際特許出願公開第93/13105号はチオフェン誘導体を開示している。米国特許第4414225号はチオフェン、フラン及びピロール誘導体を開示しており、国際特許出願公開第96/12201号はフラン誘導体を開示している。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、式:
【0009】
【化2】

[式中、
XはS、OまたはNRであり、
及びRは独立してH、ハロゲン、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルケニル、ペルハロアルキル、CN、OR、SR、N(R、CON(R、NRCOR、NRCO、SON(R、NRSO、アリール及びヘテロアリール(前記したアリール及びヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される最高3個の置換基で置換され得る)からなる群から選択され;またはR及びRは一緒になって5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
3aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり;またはR及びRは5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
4aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール及びペルハロアルキルからなる群から選択され;またはRは結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する]
を有する化合物に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
本発明の更に別の態様は、哺乳動物(例えば、動物またはヒト)における5−HT2c受容体が関与しており、5−HT2c機能の調節が望まれている疾患、障害及び/または状態の治療方法を提供する。この方法は、哺乳動物に対して治療有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0012】
本発明の更に別の態様は、有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩を用いて5−HT受容体機能を調節する方法を含む。
【0013】
本発明の更なる態様は、中枢神経系の疾患、障害及び/または状態の治療または予防方法を提供する。この方法は、哺乳動物に対して治療有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0014】
式(I)を有する化合物が活性を有し得る具体的疾患、障害及び/または状態には肥満、うつ病、統合失調症、不安症、強迫性障害、嗜癖、パニック障害、睡眠障害、偏頭痛、II型糖尿病、てんかん、恐怖症及び精神症候群が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
別段の記載がない限り、以下の定義が使用される。
【0016】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキル」は指定数の炭素原子を含有する直鎖及び分枝鎖炭化水素基、典型的にはメチル、エチル、並びに直鎖及び分枝鎖のプロピル及びブチル基を含む。用語「アルキル」はシクロアルキル、すなわち環状C3−8炭化水素基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル)をも包含する。プロピルのような各基または部分を言及するときには直鎖の基または部分のみを指す。イソプロピルのような分枝鎖異性体は具体的に言及する。
【0017】
本明細書中で使用する場合、用語「アルケニル」は単独でまたは組み合わせて2〜10個の炭素原子を含有する置換もしくは未置換の直鎖または置換もしくは未置換の分枝鎖アルケニル基を指す。前記基の例にはエテニル、E−及びZ−ペンテニル、デセニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
本明細書中で使用する場合、用語「アルコキシ」は単独でまたは組み合わせて、アルキルエーテル基(ここで、用語“アルキル”は上に定義した通りである)を指す。適当なアルキルエーテル基の例にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書中で、用語「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを含むように定義される。本明細書中で、用語「ハロゲン」もフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含むように定義される。
【0020】
用語「アミノ」は単独でまたは組み合わせて、基−NHまたは−NR(ここで、R及びRは独立して水素、アルキル、アルキルアリールまたはアリールである)を含む。
【0021】
本明細書中で、用語「アリール」は単独でまたは組み合わせて、未置換であってもまたは例えば1個以上、特に1〜3個のH、ハロ、CN、NO、CF、N、C1−6アルキル、OH、NR、OC1−6アルキル、OR、C(=O)NR、C(=S)NR、テトラゾイル、トリアゾイル、アミジニル、グアニジニル、チオグアニジニル、シアノグアナジニル及びアリールからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい単環式または二環式芳香族基(例えば、フェニルまたはナフチル)と定義される。通常、「アリール」はフェニル基、または少なくとも1個の環は芳香族である9〜10個の環原子を有するオルト縮合二環式炭素環式基(例えば、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル)を指す。用語「アリール」は各種化学構造において“Ar”としても略記される。
【0022】
本明細書中で、用語「ヘテロアリール」は1〜3個の芳香族環を含み、芳香族環中に少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄原子を含有しており、未置換であってもまたは例えば1個以上、特に1〜3個のハロ、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルチオ、アルキルスルホニル及びアルキルスルホニルのような置換基で置換されていてもよい単環式、二環式または三環式環系と定義される。ヘテロアリール基の例には2H−ピロリル、3H−インドリル、4H−キノリジニル、4nH−カルバゾリル、アクリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、13−カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンノリニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミジゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、ナフト[2,3−b]、オキサゾリル、ペルイミジニル、フェナントリジニル、フェナントリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びキサンテニルが含まれるが、これらに限定されない。1実施態様では、用語「ヘテロアリール」は炭素原子と非ペルオキシド酸素、硫黄及びN(Z)(ここで、Zは存在しないか、またはH、O、C1−4アルキル、フェニルまたはベンジルである)からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6個の環原子を含む単環式芳香族環を指す。別の実施態様では、ヘテロアリールは約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式ヘテロ環及びその誘導体(特に、ベンゾ誘導体)、またはプロピレンまたはテトラメチレンジラジカルを縮合することにより誘導されるものを指す。
【0023】
用語「Het」は通常、酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含有し、場合によりC1−6アルキルまたはC(=O)ORで置換されている飽和または部分不飽和のヘテロ環式基を表す。典型的には、「Het」は酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1個以上含有する単環式、二環式または三環式基である。「Het」基は環に結合してオキソ基(=O)を含んでいてもよい。Het基の非限定例には1,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,4−ジチアン、2H−ピラン、2−ピラゾリン、4H−ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルホリン、ピペラジニル、ピペリジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン及びチオモルホリンが含まれる。
【0024】
本発明の好ましい実施態様には、
実施態様1:
【0025】
【化3】

[式中、
及びRは独立してH、ハロゲン、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルケニル、ペルハロアルキル、CN、OR、SR、N(R、CON(R、NRCOR、NRCO、SON(R、NRSO、アリール及びヘテロアリール(前記したアリール及びヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される最高3個の置換基で置換され得る)からなる群から選択され;またはR及びRは一緒になって5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
3aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり;またはR及びRは5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
4aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール及びペルハロアルキルからなる群から選択され;またはRは結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する];
実施態様2:
【0026】
【化4】

[式中、
及びRは独立してH、ハロゲン、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルケニル、ペルハロアルキル、CN、OR、SR、N(R、CON(R、NRCOR、NRCO、SON(R、NRSO、アリール及びヘテロアリール(前記したアリール及びヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される最高3個の置換基で置換され得る)からなる群から選択され;またはR及びRは一緒になって5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
3aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり;またはR及びRは5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
4aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、アリール、C1−8アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール及びペルハロアルキルからなる群から選択され;またはRは結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する];
実施態様3:
【0027】
【化5】

[式中、
及びRは独立してH、ハロゲン、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルケニル、ペルハロアルキル、CN、OR、SR、N(R、CON(R、NRCOR、NRCO、SON(R、NRSO、アリール及びヘテロアリール(前記アリール及びヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される最高3個の置換基で置換され得る)からなる群から選択され;またはR及びRは一緒になって5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
3aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり;またはR及びRは5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、CON(R及びアリールからなる群から選択され、
4aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール及びペルハロアルキルからなる群から選択され;またはRは結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する];
が含まれる。
【0028】
好ましくは、
XはSであり、
はハロゲン、C1−8アルキル、OR、SON(R及びペルハロアルキルからなる群から選択され、
は水素、ハロゲン、C1−8アルキル及びORからなる群から選択され;またはRと一緒になって5員環を形成し、
は水素またはC1−8アルキルであり、
は水素であり、
は水素またはC1−8アルキルであり、
は水素であり、
は水素またはC1−8アルキルであり;または結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する。
【0029】
その結果好ましい化合物には、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
(R,S)5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−4−オール、
2−クロロ−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−クロロ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−エトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−エチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクペンタ[cd]アズレン、
2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクペンタ[cd]アズレン、
トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ナフタレン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ナフタレン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、及び
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル
が含まれる。
【0030】
特に好ましい化合物には、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、及び
2−tert−ブチル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
が含まれる。
【0031】
本発明の特定化合物は異なる異性体(例えば、エナンチオマー及びジアステレオマー)形態で存在し得る。本発明は純粋形態及びラセミ混合物を含めた混合物のすべての前記異性体を包含する。エノール形態も含まれる。
【0032】
本発明の化合物は非溶媒和形態及び水和物形態(例えば、半水和物)を含めた溶媒和形態で存在し得る。通常、医薬的に許容され得る溶媒(例えば、水、エタノール等)との溶媒和形態は本発明の目的で非溶媒和形態と均等である。
【0033】
本発明の特定化合物は、酸付加塩のような医薬的に許容され得る塩をも形成する。例えば、窒素原子は酸と塩を形成し得る。塩形成に適した酸の例は塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸及び当業者に公知の他の無機カルボン酸である。この塩は、遊離塩基形態を慣用の方法で塩を生成するのに十分な量の所望酸と接触させることにより製造される。遊離塩基形態は、塩を適当な希塩基水溶液(例えば、希釈水性の水酸化物、炭酸カリウム、アンモニア及び炭酸水素ナトリウム)で処理することにより再生され得る。遊離塩基形態は、その各塩形態と極性溶媒中の溶解度のような幾つかの物性の点で若干異なるが、酸塩は本発明の目的ではそれぞれの遊離塩基形態と均等である。(例えば、参照により本明細書に含まれるとするS.M.Bergeら,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.,66:1−19(1977)を参照されたい)。
【0034】
本明細書中で使用する場合、用語「組成物」は特定成分を特定量含む製品及び特定量の特定成分を組み合わせることにより直接または間接的に生ずる製品が含まれると意図される。
【0035】
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から誘導される医薬的に許容され得る塩の形態で使用され得る。「医薬的に許容され得る塩」は、正確な医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしにヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な便益/リスク比で釣り合う塩を意味する。医薬的に許容され得る塩は当業界で公知である。例えば、S.M.BergeらはJ.Pharmaceutical Sciences,66:1以降(1977年)発行中に医薬的に許容され得る塩を詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製中にその場で製造され得、または塩基官能基を適当な有機酸と反応させることにより独立して製造され得る。代表的な酸付加塩には酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びウンデカン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。また、塩基性窒素含有基は低級アルキルハライド(例えば、塩化メチル、エチル、プロピル及びブチル;臭化メチル、エチル、プロピル及びブチル;及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル);長鎖ハライド(例えば、塩化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル;臭化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル;及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル)、アリールアルキルハライド(例えば、臭化ベンジル及びフェネチル)等のような物質で4級化され得る。こうして、油または水に可溶性または分散性の生成物が得られる。医薬的に許容され得る酸付加塩を形成するために使用され得る酸の例には無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸)及び有機酸(例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸)が含まれる。
【0036】
塩基付加塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製中にカルボン酸含有部分を適当な塩基、例えば医薬的に許容され得る金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、或いはアンモニアまたは有機の第1級,第2級または第3級アミンと反応させることによりその場で製造され得る。医薬的に許容され得る塩にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属をベースとするカチオンの塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩等)及び非毒性の第4級アンモニウム及びアミンカチオン(特に、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びエチルアンモニウムを含む)の塩が含まれるが、これらに限定されない。塩基付加塩を形成するのに有用な他の代表的な有機アミンにはエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン等が含まれる。
【0037】
本発明の化合物を局所投与するための剤形には散剤、スプレー剤、軟膏剤及び吸入剤が含まれる。活性成分は滅菌条件下で医薬的に許容され得る担体及び必要とされ得る保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合される。眼科製剤、眼軟膏剤、散剤及び溶液剤も本発明の範囲内であると考えられる。
【0038】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物及び投与モードに対して所望の治療応答を達成するのに有効な活性化合物の量が得られるように変更され得る。選択した用量レベルは特定化合物の活性、投与ルート、治療しようとする状態の重症度並びに治療対象の患者の状態及び病歴に依存している。しかしながら、化合物の用量を所望の治療効果を達成するのに必要な量より少ないレベルで始め、所望の効果が達成されるまで用量を漸増させることは当業界の技量の範囲内である。
【0039】
上記した治療または他の治療に使用する場合、本発明の1つの化合物の治療有効量は純粋な形態で、存在する場合には医薬的に許容され得る塩、エステルまたはプロドラッグの形態で使用され得る。或いは、本発明の化合物は、当該化合物を1つ以上の医薬的に許容され得る賦形剤と共に含む医薬組成物として投与され得る。本発明の化合物の「治療有効量」は内科治療に適応され得る合理的な便益/リスク比で疾患を治療するのに十分な化合物の量を意味する。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の1日総量は正確な医学的判断の範囲内で担当医により決定される。特定患者に対する具体的な治療有効用量は、治療しようとする疾患及びその重症度;使用する特定化合物の活性;使用する特定組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態も性別及び食事;使用する特定化合物の投与時間、投与ルート及び排泄率;治療期間;使用する特定化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;医学界で公知の類似要因を含めた各種要因に依存している。例えば、化合物の用量を所望の治療効果を達成するのに必要な量より少ないレベルで始め、所望の効果が達成されるまで用量を漸増させることは当業界の技量の範囲内である。
【0040】
ヒトまたは下等動物に対して投与される本発明の化合物の1日総量は約0.0001〜約1000mg/kg/日の範囲であり得る。経口投与の場合、より好ましい用量は約0.001〜約5mg/kg/日の範囲であり得る。所望により、投与の目的で有効1日用量を分割して複数回投与してもよい。従って、単位量投与組成物は1日用量を構成するような量またはその約量を含み得る。
【0041】
本発明はまた、本発明の化合物を1つ以上の非毒性の医薬的に許容され得る担体と一緒に処方して含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は特に固体または液体形態での経口投与のため、非経口注射のため、または直腸内投与のために製剤化され得る。
【0042】
本発明の医薬組成物は、ヒト及び他の哺乳動物に対して経口、直腸内、非経口的、槽内、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤または滴剤として)、口腔内、または口腔または鼻腔スプレーとして投与され得る。本明細書中で使用する場合、用語「非経口的」は静脈内、筋肉内、腹腔内、槽内、皮下及び関節内注射及び注入を含む投与モードを指す。
【0043】
別の態様で、本発明は、本発明の化合物及び生理学的に耐性の希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明では、上記した1つ以上の化合物が特に非経口注射、鼻腔内デリバリー、固体または液体形態での経口投与、直腸内または局所投与のために1つ以上の非毒性で生理学的に耐性または許容され得る希釈剤、担体、アジュバントまたはビヒクル(これらは本明細書中で希釈剤と総称する)と一緒に製剤化されている。
【0044】
組成物は、冠動脈内ステント(細い針金からなる管状デバイス)または生分解性ポリマーを用いて標的部位に局所デリバリーするべくカテーテルを介してもデリバリーされ得る。化合物を標的化デリバリーのためにリガンド(例えば、抗体)に複合体化してもよい。
【0045】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容され得る滅菌の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液;及び滅菌注射用溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末からなり得る。適当な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒またはヒビクルの例には水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)及びその適当な混合物が含まれる。
【0046】
上記組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤や分散剤のような佐剤をも含み得る。各種の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等)により微生物の作用を確実に防ぐことができる。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウム等)を配合することが望ましいことがある。吸収を遅らす物質(例えば、モノステアリン酸ナトリウム及びゼラチン)を使用することにより注射剤の吸収を延長させることができる。
【0047】
懸濁液は、活性化合物に加えて懸濁剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントまたはその混合物等)をも含み得る。
【0048】
幾つかの場合には、薬物の効果を延長させるためには薬物の皮下または筋肉内注射からの吸収を遅らすことが望ましい。これは、低水溶性の結晶質または非晶質材料の液体懸濁液を使用することにより達成され得る。薬物の吸収率はその溶解度に依存し、後者は結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。或いは、薬物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることにより非経口投与形態の薬物の吸収を遅らすことができる。
【0049】
注射用デポ剤は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に薬物を含むマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作成される。薬物/ポリマーの比及び使用する特定のポリマーの種類に応じて、薬物の放出速度がコントロールされ得る。他の生分解性ポリマーの例にはポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。デポ注射剤は、体組織に適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を捕捉することによっても作成され得る。
【0050】
注射剤は、例えば細菌保持フィルターを介して濾過するかまたは使用直前に滅菌水または他の滅菌注射媒体中に溶解乃至分散させることができる滅菌固体組成物の形態の殺菌剤を配合することにより滅菌され得る。
【0051】
経口投与用固体剤形にはカプセル剤、錠剤、ピル剤、散剤及び顆粒剤が含まれる。これらの固体剤形では、活性化合物は少なくとも1つの不活性で医薬的に許容され得る賦形剤または担体(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸ジカルシウム)及び/またはa)充填剤または増量剤、例えばスターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸;b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシア;c)保湿剤、例えばグリセロール;d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、特定のシリケート及び炭酸ナトリウム;e)溶解遅延剤、例えばパラフィン;f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物;g)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール;h)吸着剤、例えばカオリン及びベントナイトクレー;及びi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びその混合物;と混合され得る。カプセル剤、錠剤及びピル剤の場合、剤形は緩衝剤をも含み得る。
【0052】
類似タイプの固体組成物は、賦形剤(例えば、ラクトースまたは乳糖)及び高分子量ポリエチレングリコール等を用いて軟ゼラチンカプセル及び硬ゼラチンカプセル中の充填物としても使用され得る。
【0053】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤及び顆粒剤の固体剤形は、コーティング及びシェル(例えば、腸溶性コーティング及び製薬業界で公知の他のコーティング)を用いて作成され得る。場合により乳白剤を含んでいてもよく、腸管の特定部分に活性成分を単一または優先的に、場合により徐放的に放出するような組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には高分子物質及びワックスが含まれる。
【0054】
活性成分は、適当ならば1つ以上の上記賦形剤を用いてマイクロカプセルの形態をとり得る。
【0055】
経口投与用液体剤形には医薬的に許容され得る乳濁液剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。液体剤形は、活性化合物に加えて当業界で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤(例:エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びその混合物を含み得る。
【0056】
経口組成物は、不活性希釈剤に加えて佐剤、例えば湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、フレーバー及びパフュームも含み得る。
【0057】
直腸内または経膣投与用組成物は、好ましくは本発明の化合物を適当な非刺激性賦形剤または担体(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、または室温で固体であるが体温で液体であり、よって直腸または膣腔で溶融して活性化合物を放出する座剤ワックス)と混合することにより作成され得る座剤である。
【0058】
本発明の化合物はリポソームの形態でも投与され得る。当業界で公知のように、リポソームは通常リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散される単−または多重ラメラ水和液晶により形成される。リポソームを形成することができる非毒性の生理学的に許容・代謝可能な脂質が使用され得る。リポソーム形態の組成物は、本発明の化合物に加えて安定剤、保存剤、賦形剤等を含み得る。好ましい脂質は天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)であり、これらは別々にまたは一緒に使用される。
【0059】
リポソームの形成方法は当業界で公知である。例えば、Prescott編,Methods in Cell Biology,第XIV巻,ニューヨーク州ニューヨークに所在のAcademic Press(1976年)発行,p.33以降を参照されたい。
【0060】
本明細書中で使用する場合、用語「医薬的に許容され得るプロドラッグ」は、正確な医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしにヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な便益/リスク比で釣り合い、所与の用途に有効である本発明の化合物のプロドラッグを指し、可能ならば本発明の化合物の双イオン性形態も指す。本発明のプロドラッグはインビボで、例えば血液中での加水分解により上記式の親化合物に容易に変換され得る。十分な検討は、いずれも参照により本明細書に含まれるとするT.Higuchi及びV.Stell,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;及びEdwared B Roche編,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987年)発行に記載されている。
【0061】
本発明の化合物はスキームに示す手順により製造され得る。すべての実施例でここに記載した一般的分析条件を使用した。
【0062】
一般的分析条件:
HPLC分析及び精製は、ウォーターズ2525バイナリーグラジェントポンプ、ウォーターズ2767サンプルマネージャー、ウォーターズ2487UVデテクタ(220及び254nM)及びウォーターズ・マイクロマスZQエレクトロスプレー質量スペクトルデテクタを用いて実施した。マイクロマスZQは正イオン化及び負イオン化のために設定した(コーン電圧はそれぞれ25及び50)。
【0063】
分析用HPLC分析は次のように実施した:
ウォーターズ・XTerra MS C18 50×4.6mm 3.5μmカラム、
移動相:10mM 酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.75)及びアセトニトリル、
アセトニトリル:3.5分で10→75%、3.9分で75→99%、4.2分まで99%保持、4.5分で99→10%、再平衡。
【0064】
分取HPLCは次のように実施した:
ウォーターズ・XTerra Prep MS C18 50×19mm 5μmカラム、
移動相:10mM 酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.75)及びアセトニトリル、
アセトニトリル:8分で10→99%、9分まで99%保持、9.5分で99→10%、再平衡。
【0065】
NMR分析はブルカー・バイオスピン・ウルトラシールドNMR(300MHz)を用いて実施した。
【0066】
【化6】









【実施例1】
【0067】
2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1a)
【0068】
【化7】

【0069】
a) [エトキシカルボニル−(2−チオフェン−2−イル−エチル)−アミノ]−酢酸エチルエステル
2−チオフェン−2−イル−エチルアミン(21g,165ミリモル)をDCM(1L)中で撹拌した。グリオキシル酸エチル(165ミリモル,トルエン中50%)及びHOAc(50μl)を順次添加した。反応物を10分間撹拌した後、NaBH(OAc)(214ミリモル,45g)をゆっくり添加した。15分後、HOAc(214ミリモル)を添加し、反応物を20分間撹拌した。反応物を濃縮し、粗な物質をTHF(500ml)及び水(500ml)中に溶解した。NaHCO(42g,500ミリモル)及びクロロギ酸エチル(21ml,214ミリモル)を順次添加した。ガスの発生が最小となるまで反応物に飽和NaHCOをゆっくり添加した。一晩撹拌した後、反応物をEtOAc(400ml)で希釈した。生成物をEtOAcで2回抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮して、副題化合物を暗色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0070】
b) [エトキシカルボニル−(2−チオフェン−2−イル−エチル)−アミノ]−酢酸
ステップa)からの粗な物質(〜165ミリモル)をEtOH(700ml)中に溶解し、1M NaOH(600ml)で処理した。一晩撹拌した後、反応物を濃HClでpH〜1まで酸性化した。粗な反応物をEtOAC(400ml)で希釈し、水で洗浄した。水をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機抽出物を水(×2)で洗浄し、MgSOで乾燥した。濃縮し、トルエン(×2)から蒸発させて、副題生成物を固体として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0071】
c) 4−オキソ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)の生成物(〜165ミリモル)をDCM(1L)中に溶解した。DMF(100μl)を添加し、塩化オキサリル(21.7ml,247ミリモル)をゆっくり添加した。1時間後、反応物を濃縮乾固し、粗な物質をDCE(1L)中に再溶解した。AlCl(55g,410ミリモル)を注意深く添加し、反応物を室温で0.5時間撹拌した。粗な反応物を氷でクエンチし、EtOH(300ml)で希釈し、水(3×)で洗浄し、MgSOで乾燥した。標記生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中30% EtOAc)により精製して、10.5gの副題化合物をオフホワイト色固体として得た。MS:ESI(ポジティブ):240(M+H)。
【0072】
d) 4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
0℃でAlCl(3.95g,29.7ミリモル)をDCM(50ml)に添加した。ボラン−t−ブチルアミン複合体(5.2g,59.5ミリモル)及びDCM(50ml)中に溶解させたステップc)の生成物(2.37g,9.9ミリモル)を順次添加した。反応物を室温で2時間撹拌した後、更にAlCl(3.95g,29.7ミリモル)を添加した。10分間撹拌した後、反応物を0.1M HCl(〜50ml)で注意深くクエンチした。有機溶媒を濃縮した後、粗な反応混合物を1M HCl(70ml)とEtOAc(70ml)に分配した。水性層をEtOAcで1回逆抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製した後、副題化合物(1.45g)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.96(d,J=5Hz,1H),6.76(d,J=5Hz,1H),4.18(q,J=7Hz,2H),3.52−3.78(m,4H),2.78−3.08(m,4H),1.28(t,J=7Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):226(M+H)。
【0073】
e) 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップd)の生成物(200mg,0.89ミリモル)をCHCl(15ml)中に溶解し、TMSI(4.5ミリモル,600μl)で処理した。70℃に一晩撹拌した後、反応物をMeOH(10ml)及び1M NaOH(20ml)で注意深くクエンチした。副題化合物をDCM(3×20ml)で抽出した。抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、178mgの副題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ
7.20(d,J=5Hz,1H),6.85(d,J=5Hz,1H),3.42−3.61(m,4H),2.71−3.03(m,4H)。MS:ESI(ポジティブ):154(M+H)。
【0074】
f) 4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
ステップe)の生成物(296mg,1.93ミリモル)をアセトン/水の50:50混合物(8ml)中に溶解し、0℃でNaHCO(340.5mg,4.03ミリモル)で処理し、30分間撹拌した。生じた溶液にジ−tert−ブチルジカーボネート(463mg,2.12ミリモル)を添加した。反応混合物を周囲温度で14時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(75ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、粗な生成物を油状物として得た。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、副題化合物を透明油状物として得た(収率93%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.96(d,J=5Hz,1H),6.76(d,J=5Hz,1H),3.44−3.68(m,4H),2.76−3.06(m,4H),1.50(s,9H)。MS:ESI(ポジティブ):254(M+H)。
【0075】
g) 2−ブロモ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
ステップf)の生成物(10mg,0.039ミリモル)をクロロホルム/酢酸の50:50混合物(1ml)中に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(7mg,0.041ミリモル)で処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、CHCl(3×5ml)で抽出した。合わせた有機相を10% KOH溶液(5ml)、ブライン(5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、粗な生成物を油状物として得た。HPLCにより精製して、副題化合物を油状物として得た。MS:ESI(ポジティブ):332,334(M+H)。
【0076】
h) 2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
エーテル(1ml)中に溶解させたステップg)の生成物(0.39ミリモル)を4M HCl/ジオキサン(1ml)で処理した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。生じた沈殿を濾過した。無水ジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物をそのHCl塩として得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.40(s,2H),7.05(s,1H),3.14−3.33(m,4H),2.94−3.23(m,2H),2.76−3.06(m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):232,234(M+H)。
【実施例2】
【0077】
2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1a)
【0078】
【化8】

【0079】
a) 2−クロロ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
CHCl(1ml)及びHOAc(1ml)中の実施例1のステップf)の生成物(10mg,0.039ミリモル)をN−クロロスクシンイミド(6mg,0.041ミリモル)で処理した。反応混合物を周囲温度で12時間撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、CHCl(3×5ml)で抽出した。合わせた有機相を10% KOH溶液(5ml)、ブライン(5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、粗な生成物を油状物として得た。HPLCにより精製して、副題化合物を透明油状物として得た。MS:ESI(ポジティブ):288(M+H)。
【0080】
b) 2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。H NMR(300MHz,DMSO)δ 6.72(s,2H),2.78−2.85(m,2H),2.72−2.79(m,4H),2.51−2.70(m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):188(M+H)。
【実施例3】
【0081】
2,3−ジブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1b)
【0082】
【化9】

【0083】
a) 2,3−ジブロモ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例1のステップd)の生成物(95mg,0.42ミリモル)をCHCl(1ml)及びHOAc(1ml)中に溶解し、NBS(66.7mg,0.42ミリモル)で処理した。反応混合物を周囲温度で20分間撹拌した。この混合物に酢酸ナトリウム(138mg,1.68ミリモル)及び追加のNBS(133.4mg,0.84ミリモル)を添加した。LC/MS測定により反応が完了するまで反応混合物を60℃で撹拌した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(2ml)で希釈し、CHCl(3×2ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、生成物を粗な油状物として得た。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、副題化合物を油状物として得た。MS:ESI(ポジティブ):384(M+H)。
【0084】
b) 2,3−ジブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップb)の生成物(0.42ミリモル)をDCM(2ml)中に溶解し、ヨードトリメチルシラン(0.46ミリモル)で処理した。反応混合物を還流下で24時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)に注ぎ、ジクロロメタン(3×5ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、油状物を得た。分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 2.94−3.05(m,4H),2.85−2.92(m,4H),1.92(s,1H)。MS:ESI(ポジティブ):312(M+H)。
【実施例4】
【0085】
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム4)
【0086】
【化10】

【0087】
a) (4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル)−オキソ−酢酸エチルエステル
5〜10℃でクロロ−オキソ−酢酸エチルエステル(5.43ml,48.7ミリモル)を2,3−ジクロロチオフェン(5g,32.6ミリモル)に添加した。内部反応温度が10℃を超えないようにニトロメタン(13ml)中に溶解させたAlCl(6.49g,48.7ミリモル)の溶液を滴下した。1時間後、反応混合物を氷水に注ぎ、CHCl(2×100ml)で抽出した。有機層を10% NaHCO(2×50ml)、水(1×50ml)及びブライン(1×50ml)で洗浄した。乾燥し(NaSO)、濃縮して、淡橙色固体を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、6.8g(82%)の副題化合物を得た。
【0088】
b) (4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル)−ヒドロキシ−酢酸エチルエステル
ステップa)からの生成物(23.0g,90.9ミリモル)をTHF(500ml)中に含む溶液を60℃でNaBH(OAc)(23.1g,109ミリモル)及びAcOH(250μl)で1時間処理した。反応物をAcOH(8ml)でクエンチし、〜250mlに濃縮した。内容物をHO(400ml)で希釈し、CHCl(1×400ml;1×100ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮して、23gの副題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.91(s,1H),5.25(dd,J=6Hz,J=1Hz,1H),4.22−4.40(m,2H),3.52−3.60(br m,1H),1.33(tmJ=7Hz,3H)
c) (4,5−ジクロロ−3−メトキシカルボニルメチル−チオフェン−2−イル)−酢酸エチルエステル
ステップb)からの生成物(12.2g,48.0ミリモル)をデカリン(145ml)中に含む溶液をo−酢酸トリメチル(24.5ml,192ミリモル)及びヘキサン酸(0.61ml)で処理した。フラスコにビグリューカラムを取り付け、180℃に加熱した。追加のヘキサン酸(3ml)を6時間かけて周期的に添加し、反応物を一晩加熱した。反応物をrotavapを用いて濃縮し、残渣をMeOH(100ml×2)で抽出した。MeOH抽出物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、4.36g(29%)の副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):311,313(M+H)。
【0089】
d) (3−カルボキシメチル−4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル)−酢酸
0℃でステップc)からの生成物(1.14g,3.66ミリモル)をMeOH(7ml)中に含む溶液に2M NaOH(3.8ml)を滴下して処理した。反応物を22℃に加温し、一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を2M NaOH(50ml)中に溶解し、エーテル(2×50ml)で抽出した。塩基層を0℃に冷却し、6M HClでpH1に酸性化した。酸性層をEtOAc(4×100ml)で逆抽出し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。粗な固体をヘキサンと摩砕し、濾過して、2.75g(73%)の副題化合物を得た。MS:ESI(ネガティブ):267,269(M−H)。
【0090】
e) 2−[4,5−ジクロロ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオフェン−2−イル]−エタノール
ステップd)からの生成物(2.5g,9.33ミリモル)をTHF(85ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、1M BH−THF溶液(46.6ml,46.6ミリモル)を10分間かけて滴下し、添加が終了したら更に20分間撹拌した。反応物を22℃に加温し、2時間撹拌した。反応物を氷冷した飽和NaHCO(150ml)に注ぎ、EtOAcで抽出した。粗な反応物をシリカゲルプラグ中に通し、EtOAcで洗浄した。溶離液を濃縮して、1.99g(88%)の副題化合物を得た。
【0091】
f) メタンスルホン酸2−[4,5−ジクロロ−2−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−チオフェン−2−イル]−エチルエステル
ステップe)からの生成物(1.99g,8.25ミリモル)をCHCl(41ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(3.4ml,24.7ミリモル)で処理した後、塩化メタンスルホニル(1.4ml,18.1ミリモル)を10分間かけて滴下した。45分後、粗な反応物をCHCl(100ml)で希釈し、氷水(25ml)、10% クエン酸(2×25ml)、飽和NaHCO(2×25ml)及びブライン(25ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、20mlまで濃縮し、無水ジオキサン(76ml)で希釈した。残留CHClを除去するために混合物を濃縮し、生じたジオキサン溶液を次の反応に使用した。
【0092】
g) 6−ベンジル−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップf)で生じたビスメシレートジオキサン溶液を滴下漏斗及び冷却器を取り付けた3首反応フラスコに移した。無水炭酸カリウム(4.93g,35.7ミリモル)を添加し、内容物を還流加熱した。次いで、ベンジルアミン(2.71g,25.3ミリモル)を無水ジオキサン(27ml)中に含む溶液を45分間かけて滴下し、加熱を16時間続けた。塩を濾別し、溶媒を濃縮した。粗な生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、1.43g(62%)の副題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 7.20−7.40(m,5H),3.73(s,2H),2.68−2.89(m,8H)。MS:ESI(ポジティブ):312,314(M+H)。
【0093】
h) 2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン塩酸塩
ステップg)からの生成物(727mg,2.33ミリモル)を無水ジクロロエタン(11.6ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸1−クロロエチル(1.27ml,11.65ミリモル)で処理し、反応物を22℃に1時間加温した。反応物をCHCl(50ml)で希釈し、飽和NaHCO(25ml)で洗浄した。飽和NaHCOをCHClで逆抽出し、合わせた有機層をブライン(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮すると、油状残渣が生じた。これを無水MeOH(75ml)中に取り出し、1時間還流した。MeOHを蒸発し、粗な残渣をエーテルと摩砕し、濾過して、323mg(54%)の副題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.60(br s,2H),3.14−3.28(m,6H),2.97−3.50(m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):222,224(M+H)。
【実施例5】
【0094】
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1b)
【0095】
【化11】

【0096】
a) 2−ブロモ−3−クロロ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例1のステップf)の生成物(54mg,0.21ミリモル)をCHCl(1ml)及びHOAc(1ml)中に溶解し、ヒドロキノン(2mg,0.02ミリモル)及びN−ブロモスクシンイミド(38mg,0.21ミリモル)で処理した。周囲温度で20分間撹拌した後、N−クロロスクシンイミド(28mg,0.21ミリモル)を添加し、周囲温度で48時間撹拌し続けた。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)中に注ぎ、クロロホルム(3×5ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、粗な油状物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0097】
b) 2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン塩酸塩
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.12(bs,2H),3.22−3.31(m,4H),3.13−3.20(m,2H),2.98−3.05(m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):266,268(M+H)。
【実施例6】
【0098】
2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0099】
【化12】

【0100】
a) 2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例1のステップg)の生成物(20mg,0.06ミリモル)をDME(5ml)中に溶解し、酢酸パラジウム(1mg,0.004ミリモル)、トリフェニルホスフィン(4.7mg,0.018ミリモル)及び1M 炭酸ナトリウム(NaCO;0.45ml)で処理した。混合物を周囲温度で5分間撹拌した後、4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(28.4mg,0.138ミリモル)で処理した。85℃で5時間加熱した後、追加の4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(6.2mg,0.03ミリモル)を添加し、撹拌を12時間続けた。反応混合物を周囲温度まで冷却し、乾燥セライトパッド中に通し、DCM(5ml)及びEtOAc(5ml)を溶離液としてシリカプラグを介して濾過した。濾液を蒸発させて、副題化合物を粗な油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0101】
b) 2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。この反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ 7.76(d,J=8Hz,2H),7.48(d,J=8Hz,2H),7.36(s,1H),2.77−3.06(m,8H),2.0(s,1H)。MS:ESI(ポジティブ):314(M+H)。
【実施例7】
【0102】
2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0103】
【化13】

【0104】
a) 2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−トリフルオロメチル−フェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0105】
b) 2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):298(M+H)。
【実施例8】
【0106】
2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0107】
【化14】

【0108】
a) 2−(4−フルオロ−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−フルオロフェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0109】
b) 2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):248(M+H)。
【実施例9】
【0110】
2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0111】
【化15】

【0112】
a) 2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0113】
b) 2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):282(M+H)。
【実施例10】
【0114】
2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0115】
【化16】

【0116】
a) 2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
2,4−ジクロロフェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0117】
b) 2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):298(M+H)。
【実施例11】
【0118】
2−(4−エチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0119】
【化17】

【0120】
a) 2−(4−エチル−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−エチルフェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0121】
b) 2−(4−エチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。ただし、反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):258(M+H)。
【実施例12】
【0122】
2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0123】
【化18】

【0124】
a) 2−(3−メトキシ−フェニル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
3−メトキシフェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0125】
b) 2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。ただし、反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):260(M+H)。
【実施例13】
【0126】
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム2)
【0127】
【化19】

【0128】
a) 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
フェニルボロン酸を使用し、実施例6のステップa)の方法により副題化合物を製造した。
【0129】
b) 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例1のステップh)の方法により標記化合物を製造した。ただし、反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):230(M+H)。
【実施例14】
【0130】
2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム3)
【0131】
【化20】

【0132】
a) 2−ブロモ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例1のステップd)の生成物(300mg,1.33ミリモル)をクロロホルム(3ml)及び酢酸(3ml)中に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(248mg,1.40ミリモル)で処理し、周囲温度で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(20ml)で希釈することにより反応混合物を注意深くクエンチし、クロロホルム(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で蒸発させて、粗な油状物を得た。分取TLC(ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、副題化合物を油状物として得た。MS:ESI(ネガティブ):302(M−H)。
【0133】
b) 2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
乾燥ジエチルエーテル(2ml)中のステップa)の生成物(144mg,0.48ミリモル)をNiCl(dppp)(3〜5モル%)で処理し、2−クロロ−6−フルオロベンジルマグネシウムブロミド(0.25M溶液,1.2ミリモル,4.8ml)を周囲温度で30分間かけて滴下した。反応混合物を12時間還流加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、1M HCl(10ml)でクエンチし、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を水(30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させると、粗な油状物が生じた。HPLCにより精製して、副題化合物を得た。MS 計算値(C1819ClFNOS+H):369;実測値:369。
【0134】
c) 2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップb)の生成物を使用し、実施例3のステップb)の方法により標記化合物を製造した。H NMR(300MHz,C)δ 6.94(d,J=8Hz,1H),6.52−6.70(m,2H),6.49(s,1H),4.17(s,2H),2.47−2.78(m,8H),2.03(s,1H)。MS:ESI(ポジティブ):296(M+H)。
【実施例15】
【0135】
3−ブロモ−2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム3)
【0136】
【化21】

【0137】
a) 3−ブロモ−2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例14のステップb)の生成物(49mg,0.13ミリモル)をCHCl/HOAcの1:1混合物(1ml)中に溶解し、酢酸ナトリウム(43mg,0.52ミリモル)及びN−ブロモスクシンイミド(27mg,0.15ミリモル)で処理した。反応混合物を60℃で加熱し、30分間撹拌した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、水(5ml)で希釈し、クロロホルム(3×5ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を10% KOHで洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で蒸発させて、副題化合物を油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0138】
b) 3−ブロモ−2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を使用し、実施例3のステップb)の方法により標記化合物を製造した。H NMR(300MHz,C)δ 6.33−6.78(m,3H),4.09(s,2H),2.18−3.20(m,8H),1.62(s,1H)。MS 計算値(C1514BrClFNS+H):374;実測値:374。
【実施例16】
【0139】
2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム4)
【0140】
【化22】

【0141】
a) (5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−イル)−ヒドロキシ酢酸エチルエステル
0℃で2−ブロモ−3−メチルチオフェン(13.2ml,113ミリモル)をDCM(1L)中で撹拌した。クロロシュウ酸エチル(13.9ml,124ミリモル)及びAlCl(16.5g,124ミリモル)を順次添加した。10分間撹拌した後、反応物を氷(〜500ml)及びEtOH(〜300ml)に注意深く注いだ。室温まで加温したら、生成物をDCM(2×)で抽出し、MgSOで乾燥した。濃縮して、37.5gの橙色固体を得た。これをTHF(1L)中に溶解し、NaBH(OAc)(36g,170ミリモル)で処理した。60℃に1時間加熱した後、反応物を冷却し、HOAc(13.6ml,226ミリモル)でクエンチした。反応物を濃縮し、残渣をDCM/EtOH(5:1)と水に分配した。水性層をDCMで1回抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、副題化合物(35g)を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0142】
b) (5−ブロモ−3−エトキシカルボニルメチル−4−メチル−チオフェン−2−イル)−酢酸エチルエステル
ステップa)の生成物(〜113ミリモル)をデカリン(30ml)、o−酢酸トリエチル(103ml,565ミリモル)及びヘキサン酸(6.2ml,55ミリモル)で処理した。反応物を180℃に10分間加熱した後、更にヘキサン酸(50ミリモル)を添加した。10分間加熱した後、追加のヘキサン酸(50ミリモル)を添加し、反応物を再び10分間加熱した。反応物を冷却し、真空下で加熱しながら濃縮して、副題化合物を油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0143】
c) 2−[5−ブロモ−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メチル−チオフェン−2−イル]エタノール
ステップb)の生成物(〜113ミリモル)をEtOH(1L)中に溶解し、0℃に冷却した後、2M NaOH(170ml)で処理した。24時間撹拌した後、生じた沈殿を濾過し、エタノールで洗浄して、15gのジナトリウム塩を得た。この生成物の一部(3g,8.9ミリモル)をTHF(90ml)中に溶解し、ジオキサン中4M HCl(4ml,16ミリモル)で処理した。0.5時間激しく撹拌した後、1M BH−THF(44.4ml)を添加し、溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を飽和NaHCOで注意深くクエンチし、濃縮した。粗な残渣をEtOAc(150ml)と水(150ml)に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、1.94gの副題化合物を得た。
【0144】
d) 6−ベンジル−2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)の生成物(1.94g,7.3ミリモル)をDCM(75ml)中に溶解し、0℃に冷却し、EtN(29.3ミリモル,4.1ml)及びMsCl(22ミリモル,1.71ml)で順次処理した。1時間後、追加のEtN(2当量)及びMsCl(1.5当量)を添加し、反応物を更に1時間撹拌した。粗な反応物を5% クエン酸に注ぎ、DCMで抽出し、飽和NaHCOで洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濃縮した後、粗な生成物をジオキサン(200ml)中に溶解し、KCO(36.6ミリモル,5.0g)で処理した。還流加熱した後、BnNH(22ミリモル,2.4ml)を添加し、反応物を一晩還流した。反応物を冷却し、濾過し、濃縮した。副題化合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により精製して、419mgの副題化合物を得た。
【0145】
e) 2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップd)の生成物(80mg,0.24ミリモル)をDCE(2ml)中に溶解した。クロロギ酸2−クロロエチル(103μl,0.95ミリモル)を添加し、反応物を室温で15分間撹拌した。反応物をMeOH(3ml)でクエンチし、粗な混合物を短時間還流加熱した後、濃縮乾固した。粗な残渣をMeOH(0.5ml)中に溶解し、エーテルと摩砕して、47mgの標記化合物を白色固体として得た。H NMR(CDOD)δ 3.36−3.30(m,4H),3.12(t,J=5.2Hz,2H),3.00(t,J=5.1Hz,2H),2.11(s,3H)。MS:ESI(ポジティブ):246,248(M+H)。
【実施例17】
【0146】
3−メトキシ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0147】
【化23】

【0148】
a) 5−オキソ−アゼピン−1,4−ジカルボン酸ジエチルエステル
4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル(20g,117ミリモル)をEtO(120ml)中に溶解し、−30℃に冷却した。内部温度を約−20℃に維持しながら、EtO(15ml)中BF−OEt(14.8ml)及びEtO(15ml)中ジアゾ酢酸エチル(16ml,152ミリモル)を同時に30分間かけて添加した。反応物を室温まで加温し、3時間撹拌した。その後、反応物を30% KCO(60ml)で注意深くクエンチした。有機層をKCOで乾燥し、濃縮して、30.4gの副題化合物を得た。
【0149】
b) 3−ヒドロキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−2,6−ジカルボン酸ジエチルエステル
ステップa)の生成物(20g,77.8ミリモル)をEtOH(300ml)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、反応物にHClガスを10分間通気した。チオグリコール酸エチル(7.8ml,77.8ミリモル)を添加し、再びHClガスを溶液に3分間通気した。室温で4日間撹拌した後、反応物を濃縮し、飽和NaHCOで中和し、エーテル(200ml)で抽出した。抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮した後、残渣をEtOH(100ml)中に溶解し、NaOEt(100mlのEtOH中21% NaOEt)で処理した。一晩撹拌した後、反応物を水(500ml)で希釈し、DCM(300ml)で洗浄した。DCMを水(150ml)で抽出した後、5% KOH(〜10×75ml)で繰り返し抽出した。合わせた水性抽出物を濃HClで酸性化し、DCM(4×200ml)で抽出した。DCM抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、7.5gの副題化合物を油状物として得た。
【0150】
c) 3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−2,6−ジカルボン酸ジエチルエステル
ステップb)の生成物(2.3g,7.3ミリモル)を1:1 MeOH:THF(60ml)中に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(1.9ml,10.9ミリモル)及び2M TMSCHN(10.9ml)を順次添加した。反応物を室温で一晩撹拌した後、HOAc(0.4ml)で注意深くクエンチした。0.5時間撹拌した後、反応物をDCM(100ml)と1M HCl(100ml)に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、2.75gの副題化合物を得た。
【0151】
d) 2−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル
ステップc)の生成物(2.5g,7.8ミリモル)を乾燥THF(125ml)中に溶解し、LiCl(0.65g,15.3ミリモル)及び2M LiBH(15.3ml)で順次処理した。1時間撹拌した後、ガスの発生が観察されなくなるまで反応物をEtOH及びHOAcで注意深くクエンチした。粗な反応混合物を水とDCMに分配した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、2.3gの透明油状物を得た。これをシリカクロマトグラフィー(30% EtOAc/Hex)により精製して、1.03gの副題化合物を得た。
【0152】
e) 3−メトキシ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップd)の生成物(70mg,0.25ミリモル)をEtOAc(10ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ タイプE101)(35mg)で処理し、H雰囲気下で急速に3時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮した。粗な残渣をEtOH(1ml)中に溶解し、40% 水性KOH(1ml)で処理した。80℃に一晩加熱した後、反応物を水で希釈し、生成物をDCMで2回抽出した。分取HPLC−MSにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 3.69(s,3H),3.21−3.14(m,4H),3.00(t,J=5.2Hz,2H),2.88(t,J=5.1Hz,2H),2.29(s,3H)。MS:ESI(ポジティブ):198(M+H)。
【実施例18】
【0153】
2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0154】
【化24】

【0155】
a) 3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−2,6−ジカルボン酸6−エチルエステル
80℃で実施例17のステップc)の生成物(1.0g,3.19ミリモル)をエタノール(20ml)中で1M NaOH(6.38ml,6.38ミリモル)と共に一晩撹拌した。反応物を周囲温度まで冷却し、10% HCl溶液で酸性化し、DCM中5% EtOH(2×)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、912mgの副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):300(M+H)。
【0156】
b) 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
80℃でステップa)からの生成物(790mg,3.01ミリモル)の溶液をtert−ブタノール(20ml)中でジフェニルホスホリルアジド(647μl,3.01ミリモル)及びトリエチルアミン(418μl,3.01ミリモル)と共に一晩撹拌した。反応物を室温まで冷却し、飽和NaHCO水溶液に注いだ。生じた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製して、852mgの副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):370(M+H)。
【0157】
c) 3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)からの生成物(256mg,0.69ミリモル)をTFA(2ml)中で30分間撹拌した。反応物を濃縮し、EtOH(5ml)中に溶解した。亜硝酸イソアミル(140μl,1.04ミリモル)及びCu(OAc)(188mg,1.04ミリモル)を溶液に添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物をシリカプラグを介して濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製して、17mgの副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):271(M+H)。
【0158】
d) 2−ブロモ−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップc)の生成物(17mg,0.067ミリモル)を1:1 酢酸:CHCl(1ml)中に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(12mg,0.068ミリモル)で処理した。30分後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0159】
e) 2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ−[2,3−d]アゼピン
エタノール(1ml)中のステップd)の生成物(〜0.067ミリモル)に水中40% KOH(1ml)を添加した。80℃に一晩加熱した後、反応混合物を周囲温度まで冷却し、水とDCMに分配した。有機抽出物を濃縮し、分取LCMSにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ 3.83(s,3H),3.22−3.28(m,4H),3.05(t,J=5.1Hz,2H),2.93(t,J=5.1Hz,2H)。MS:ESI(ポジティブ):262(M+H)。
【実施例19】
【0160】
2−クロロ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0161】
【化25】

【0162】
a) 2−クロロ−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例18のステップc)からの生成物及びN−クロロスクシンイミドを使用し、実施例18のステップd)の方法により副題化合物を製造した。
【0163】
b) 2−クロロ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造した。H NMR(CDOD)δ 3.86(s,3H),3.19−3.26(m,4H),3.01(t,J=5.4Hz,2H),2.88(t,J=5.4Hz,2H)。MS:ESI(ポジティブ):218(M+H)。
【実施例20】
【0164】
2−イソプロペニル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0165】
【化26】

【0166】
a) 2−イソプロペニル−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例17のステップc)の生成物(59mg,0.19ミリモル)をTHF(5ml)中に溶解し、0℃に冷却した。1.4M MeMgBr(0.54ml)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を水及びHOAc(10:1,〜3ml)でクエンチし、DCM(2×5ml)で抽出した。有機抽出物を濃縮して、副題化合物を油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0167】
b) 2−イソプロペニル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物(〜0.19ミリモル)をEtOH(2ml)及び40% 水性KOH(2ml)で処理した。100℃に16時間加熱した後、反応物を水で希釈し、生成物をDCM(2×4ml)で抽出した。有機抽出物を濃縮し、標記化合物を分取HPLC−MSにより精製した。H NMR(CDOD)δ 5.41(s,1H),5.02(t,J=1.6Hz,1H),3.14−3.08(m,4H),2.96(t,J=5.1Hz,2H),2.82(t,J=5.1Hz,2H),2.09(s,3H)。MS:ESI(ポジティブ):224(M+H)。
【実施例21】
【0168】
2−tert−ブチル−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム)
【0169】
【化27】

【0170】
a) 3−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例16のステップe)の生成物(475mg,1.68ミリモル)をDCM(50ml)中に溶解し、EtN(585μl,4.2ミリモル)及びクロロギ酸エチル(210μl,2.18ミリモル)で処理した。室温で3日間撹拌した後、反応物をシリカゲル上で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、380mgのカルバミン酸エチルを得た。このカルバミン酸エチル(60mg,0.19ミリモル)をEtOH(4ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ グレードE101)(〜10mg)で処理し、水素雰囲気下で12時間撹拌した。濾過し、濃縮して、副題化合物を得た。
【0171】
b) 2−tert−ブチル−3−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)の生成物(37mg,0.16ミリモル)をDCE(1.5ml)中で撹拌した。t−ブタノール(19μl,0.20ミリモル)及びBF−OEt(20μl,0.16ミリモル)を順次添加した。反応物を60℃に1時間加熱した。濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0172】
c) 2−tert−ブチル−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップb)の生成物をEtOH(2ml)及び40% 水性KOH(2ml)で処理した。100℃に12時間加熱した後、反応物を冷却し、水で希釈し、DCMで2回抽出した。標記化合物を分取HPLC−MSにより精製した。MS:ESI(ポジティブ):224(M+H)。
【実施例22】
【0173】
2−イソプロピル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0174】
【化28】

【0175】
a) 2−イソプロピル−3−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例20のステッブa)の生成物(35mg,0.13ミリモル)をEtOH(2ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ グレードE101)(50mg)で処理した。水素雰囲気下室温で3時間撹拌した後、反応物を濾過し、濃縮して、副題化合物を油状物として得た。
【0176】
b) 2−イソプロピル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物を実施例20のステップb)に記載されている手順に従って脱保護した。分取HPLC−MSにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ 3.69(s,3H),3.29−3.21(m,5H),3.03(t,J=5.2Hz,2H),2.88(t,J=5.4Hz,2H),1.24(d,J=6.9Hz,6H)。MS:ESI(ポジティブ):226(M+H)。
【実施例23】
【0177】
2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム6)
【0178】
【化29】

【0179】
a) 4−メチレン−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(6.3g,17.6ミリモル)をTHF(15ml)中に溶解し、0℃に冷却した。KHMDS(3.2g,16.2ミリモル)を少しずつ添加し、反応物を0.5時間撹拌した。実施例1のステップc)の生成物(3.0g,12.5ミリモル)をTHF(25ml)中溶液として添加した。反応物を室温まで加温し、1時間撹拌した。混合物を濃縮し、標記化合物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2.6gの副題化合物を得た。
【0180】
b) 4−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)の生成物(2.6g,10.8ミリモル)をEtOH(100ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ タイプE101)(0.5g)で処理した。水素雰囲気下迅速に14時間撹拌した後、反応物をセライトを介して濾過し、濃縮して、2.3gの副題化合物を透明油状物として得た。MS:ESI(ポジティブ):240(M+H)。
【0181】
c) 2,3−ジブロモ−4−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)の生成物(5.6g,23.4ミリモル)をシクロヘキサン(250ml)中に溶解し、NaHCO(11.8g,140ミリモル)で処理した。臭素(3.6ml,70.3ミリモル)をゆっくり添加し、反応物を室温で0.5時間撹拌した。その後、NaSO(180mlの5% 水溶液)でクエンチした。迅速に15分間撹拌した後、EtOAc(〜100ml)を添加し、有機層を除去し、MgSOで乾燥して、9.1gの副題化合物を得た。ラセミ物質をChiral Technologies製ChiralPak(商標)AD−RH(商標)20×250mmカラム(10ml/分 MeOH移動相)を用いて分離して、副題化合物のエナンチオマー1(rt=9.8分)及びエナンチオマー2(rt=11.4分)を得た。
【0182】
d) 4−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップc)の生成物(800mg,2.0ミリモル)をEtOH(150ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ グレードE101)(800mg)で処理した。一晩撹拌した後、別のPd(300mg)を添加し、撹拌を3時間続けた。反応物をセライトを介して濾過し、DCM(300ml)で希釈し、水(1×300ml)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、475mgの副題化合物を得た。
【0183】
e) 2−ブロモ−4−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップd)の生成物(80mg,0.35ミリモル)を1:1 CHCl/HOAc(2ml)中に溶解した。N−ブロモスクシンイミド(62mg,0.35ミリモル)を添加し、反応物を15分間撹拌した。濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、副題化合物を黄色油状物として得た。
【0184】
f) 2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップe)の生成物を実施例20のステップb)に記載されている手順に従って脱保護して、標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ 6.97(s,1H),3.46−3.11(m,7H),1.39(d,J=7.2Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):246,248(M+H)。
【実施例24】
【0185】
2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム7)
【0186】
【化30】

【0187】
a) 2−チオフェン−3−イル−エチルアミン
チオフェン−3−イル−アセトニトリル(5.0g,40.6ミリモル)をTHF(50ml)中に溶解した。BH−THF(61ml,THF中1M)をゆっくり添加した。反応物を60℃に一晩加熱した後、発泡が観察されなくなるまで4% 水性HClで注意深くクエンチした。次いで、粗な反応混合物をEtOAc(300ml)と水(300ml)に分配した。水性層を30% NaOHでpH〜12まで酸性化し、生成物をDCM/EtOH(4:1,3×)で抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、2.9gの副題化合物を油状物として得た。
【0188】
b) [エトキシカルボニル−(2−チオフェン−3−イル−エチル)−アミノ]−酢酸エチルエステル
ステップa)の生成物から実施例1のステップa)に記載されている手順を用いて副題化合物を製造した。
【0189】
c) [エトキシカルボニル−(2−チオフェン−3−イル−エチル)−アミノ]−酢酸
ステップb)の生成物から実施例1のステップb)に記載されている手順を用いて副題化合物を製造した。
【0190】
d) 8−オキソ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップc)の生成物から実施例1のステップc)に記載されている手順を用いて副題化合物を製造した。
【0191】
e) 8−メチレン−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
MePPhBr(785mg,2.2ミリモル)をTHF(7ml)中に溶解し、KHMDS(408mg,2.04ミリモル)で処理した。30分間撹拌した後、ステップd)の生成物(350mg,1.5ミリモル)をTHF(3ml)中溶液として添加した。1時間撹拌した後、反応物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を濃縮し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製して、188mgの副題化合物を得た。
【0192】
f) 8−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)の生成物(59mg,0.25ミリモル)をEtOH(5ml)中に溶解し、10% Pd/C(湿潤,デグサ グレードE101)(75mg)で処理した。水素雰囲気下で1時間撹拌した後、反応物を濾過し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0193】
g) 2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップf)の生成物を1:1 CHCl/HOAc(2ml)中に溶解し、NBS(62mg,0.35ミリモル)で処理した。10分間撹拌した後、反応物を濃縮乾固し、EtOAcを溶離液としてシリカゲルパッドを用いて濾過した。溶離液を濃縮し、残渣をEtOH(2ml)及び40% 水性KOH(2ml)で処理した。100℃で14時間加熱した後、反応物を水で希釈し、DCMで2回抽出した。標記化合物を分取HPLC−MSにより精製した。2つのエナンチオマーをChiral Technologies製ChiralPak(商標)AD−RH(商標)20×250mmカラム(10ml/分,MeOH移動相)を用いて分離して、標記化合物のエナンチオマー1(rt=11.6分)及びエナンチオマー2(rt=13.6分)を得た。H NMR(CDOD)δ 6.92(s,1H),3.48−3.34(m,3H),3.17−2.99(m,4H),1.44(d,J=7.2Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):246,248(M+H)。
【実施例25】
【0194】
2−ブロモ−8−スピロシクロプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム7)
【0195】
【化31】

【0196】
a) 8−スピロシクロプロピル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチエステル
0℃でZnCl溶液(2.49ml,ヘキサン中1M)及びCH(100μl,1.24ミリモル)をDCM中で30分間撹拌した。実施例24のステップe)からの生成物(59mg,0.25ミリモル)をDCM(1ml)中溶液として添加し、反応物を周囲温度で48時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を飽和NHCl、水及びブラインで洗浄した。有機層を濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):252(M+H)。
【0197】
b) 2−ブロモ−8−スピロシクロプロピル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチエステル
ステップa)からの生成物を使用し、実施例18のステップd)に記載されている手順を用いて副題化合物を製造し、これを精製することなく粗な形態で使用した。MS:ESI(ポジティブ):330(M+H)。
【0198】
c) 2−ブロモ−8−スピロシクロプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップb)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造した。H NMR(CDOD)δ 6.84(s,1H),3.20(t,J=5.1Hz,2H),3.02(t,J=5.1Hz,2H),3.06(s,2H),1.08(d,J=9.6Hz,2H),1.05(d,J=9.6Hz,2H)。MS:ESI(ポジティブ):258(M+H)。
【実施例26】
【0199】
2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム8)
【0200】
【化32】

【0201】
a) 2−クロロスルホニル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例1のステップd)の生成物(400mg,1.8ミリモル)をCHCl(10ml)中に溶解し、クロロスルホン酸(355μl,1.8ミリモル)で処理した。5分後、反応物を氷上でクエンチし、直ちにDCM(2×10ml)で抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、200mgの副題化合物を固体として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0202】
b) 2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物(45mg,0.14ミリモル)をCHCl(2ml)中で撹拌し、ピロリジン(46μl,0.55ミリモル)で処理した。5分間撹拌した後、反応物を濃縮乾固し、残渣をEtOH(2ml)及び40% 水性KOH(2ml)中に溶解した。反応物を密封容器において100℃に一晩加熱した。冷却した後、反応物を水で希釈し、生成物をDCM(4×3ml)で抽出した。有機抽出物を濃縮し、標記化合物を分取HPLC−MSにより精製した。H NMR(CDOD)δ 7.42(s,1H),3.43−3.34(m,4H),3.31−3.24(m,6H),3.13(t,J=5.2Hz,2H),1.81−1.76(m,4H)。MS:ESI(ポジティブ):287(M+H)。
【実施例27】
【0203】
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド(スキーム8)
【0204】
【化33】

【0205】
ジメチルアミン塩酸塩及びEtNを使用し、実施例26のステップb)に概説されている手順に従って標記化合物を製造した。H NMR(CDOD)δ 7.38(s,1H),3.44−3.27(m,4H),3.32−3.26(m,2H),3.17−3.14(m,2H),2.72(s,6H)。MS:ESI(ポジティブ):261(M+H)。
【実施例28】
【0206】
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド(スキーム8)
【0207】
【化34】

【0208】
a) 2−クロロスルホニル−3−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例21のステップa)からの中間体を使用し、実施例26のステップa)に概説されている手順に従って副題化合物を製造した。生成物を更に精製することなく使用した。
【0209】
b) 3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド
ステップa)からの生成物、ジメチルアミン塩酸塩及びEtNを使用し、実施例26のステップb)に概説されている手順に従って標記化合物を製造した。H NMR(CDOD)δ 3.41−3.35(m,4H),3.24(dd,J=5.1,6.6Hz,2H),3.04(t,J=5.2Hz,2H),2.75(s,6H),2.41(s,3H)。MS:ESI(ポジティブ):275(M+H)。
【実施例29】
【0210】
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−カルボン酸シクロペンチルアミド(スキーム8)
【0211】
【化35】

【0212】
a) 2−シクロペンチルカルバモイル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
周囲温度で実施例1のステップd)からの生成物(50mg,0.222ミリモル)をジクロロエタン(2ml)中でイソシアナトシクロペンタン(25μl,0.222ミリモル)及びAlCl(35mg,0.266ミリモル)と共に撹拌した。追加のイソシアナトシクロペンタン(25μl,0.222ミリモル)及びAlCl(35mg,0.266ミリモル)を添加し、反応物を一晩撹拌した。反応物を水とDCMに分配した。有機層を水で洗浄し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):337(M+H)。
【0213】
b) 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−カルボン酸シクロペンチルアミド
ステップb)からの生成物(37mg,0.111ミリモル)をDCM(2ml)中でTMSI(50μl,0.333ミリモル)で処理し、50℃で一晩撹拌した。次いで、反応物をメタノール(1ml)で処理し、濃縮乾固し、分取LC−MSにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):265(M+H)。
【実施例30】
【0214】
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−カルボン酸ジメチルアミド(スキーム8)
【0215】
【化36】

【0216】
a) 2−ジメチルカルバモイル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
75℃で実施例1のステップd)からの生成物(50mg,0.22ミリモル)をジクロロメタン中で塩化ホスゲンイミニウム(84mg,0.518ミリモル)及びAlCl(35mg.0.266ミリモル)と共に一晩撹拌した。反応物を周囲温度まで冷却し、水(2ml)でクエンチし、DCMで抽出した。次いで、有機層をセライトパッド中に通し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):297(M+H)。
【0217】
b) 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−カルボン酸ジメチルアミド
ステップa)からの生成物を使用し、実施例29のステップb)に記載されている手順により標記化合物を製造した。MS:ESI(ポジティブ):225(M+H)。
【実施例31】
【0218】
(R,S)−2−クロロ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム7)
【0219】
【化37】

【0220】
実施例24のステップf)に記載されている中間体及びN−クロロスクシンイミドから実施例24のステップg)の手順を用いて標記化合物を製造した。MS:ESI(ポジティブ):202,204(M+H)。
【実施例32】
【0221】
2,3−ジブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム6)
【0222】
【化38】

【0223】
実施例23のステップc)の生成物を実施例20のステップb)に記載されている手順により脱保護して、標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ 3.60−3.52(m,3H),3.35−3.11(m,4H),1.33(d,J=6.9Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):324,326,328(M+H)。
【実施例33】
【0224】
(R,S)−2−ブロモ−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム6)
【0225】
【化39】

【0226】
a) (R,S)−4−ヒドロキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例1のステップc)からの生成物(200mg,0.837ミリモル)をエタノール(2ml)中に含む溶液にホウ水素化ナトリウム(154mg,4.18ミリモル)を添加し、周囲温度で30分間撹拌した。反応物を酢酸でクエンチし、DCMと水に分配した。有機層を水で洗浄し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):264(M+Na)。
【0227】
b) (R,S)−4−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
無水THF(2.0ml)中のステップa)からの生成物(160mg,0.664ミリモル)を−78℃に冷却した。この溶液にTHF中1M LHMDS溶液(800μl,0.797ミリモル)を添加し、反応物を室温まで加温した。反応物にMeI(63μl,0.996ミリモル)を添加し、周囲温度で72時間撹拌した。反応物を酢酸エチルと水に分配し、有機層を濃縮して、副題化合物を得た、この化合物は、後続ステップで使用する前にシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製した。MS:ESI(ポジティブ):278(M+Na)。
【0228】
c) (R,S)−2−ブロモ−4−メトキシ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)からの生成物を使用し、実施例18のステップd)の方法により副題化合物を製造した。
【0229】
d) (R,S)−2−ブロモ−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造した。MS:ESI(ポジティブ):262(M+H)。
【実施例34】
【0230】
2−ブロモ−8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム7)
【0231】
【化40】

【0232】
a) 8,8−ジメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
DCM(5ml)を−78℃に冷却し、TiCl(274μl,2.5ミリモル)及びMeZn(1.3mlの2M トルエン溶液)で順次処理した。暗赤色溶液を−78℃で15分間撹拌した後、実施例24のステップd)の生成物(100mg,0.42ミリモル)をDCM(5ml)中溶液としてゆっくり添加した。反応物を0℃に加温し、2時間撹拌した。反応物を氷でクエンチし、生成物をDCM(2×)で抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
b) 2−ブロモ−8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物(45mg,0.18ミリモル)を1:1 HOAc/CHCl(4ml)中に溶解し、NBS(44mg,0.25ミリモル)で処理した。0.5時間撹拌した後、反応物を濃縮乾固し、EtOH(2ml)及び40%水性KOH(2ml)で処理した。混合物を100℃に一晩加熱し、冷却し、水で希釈した。生成物をDCM(2×4ml)で抽出し、濃縮し、分取HPLC−MSにより精製した。H NMR(CDOD)δ 7.19(s,1H),3.40−3.34(m,2H),3.28(s,2H),3.21−3.17(m,2H),1.41(s,6H)。MS:ESI(ポジティブ):260,262(M+H)。
【実施例35】
【0233】
(R,S)−2−ブロモ−4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム9)
【0234】
【化41】

【0235】
a) (E,Z)−4−エチリデン−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
(エチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(466mg,1.26ミリモル)をTHF(5ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、ここにKHMDS(233mg,1.17ミリモル)を添加し、生じた溶液を20分間撹拌した。THF(5ml)中の実施例1のステップc)からの生成物(200mg,0.83ミリモル)を反応物に添加し、反応物を1時間かけて周囲温度まで加温した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルと水に分配した。有機層を濃縮し、粗な生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EOAc/Hex勾配)により精製して、151mgの副題化合物をE異性体とZ異性体の混合物として得た。MS:ESI(ポジティブ):252(M+H)。
【0236】
b) (R,S)−4−エチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)の生成物(151mg,0.602ミリモル)をH(1気圧)下エタノール(3ml)中で10% Pd/C(50mg)と共に一晩撹拌した。反応物をセライトを介して濾過し、濃縮乾固して、131mgの副題化合物を紫色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):254(M+H)。
【0237】
c) (R,S)−2−ブロモ−4−エチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)からの生成物を使用し、実施例18のステップd)の方法により副題化合物を得、更に精製することなく粗な形態で使用した。
【0238】
d) (R,S)−2−ブロモ−4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造した。H NMR(CDOD)δ 6.88(s,1H),3.19−3.28(m,3H),2.92−3.15(m,4H),1.61−1.84(m,2H),0.98(t,J=7.3Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):260(M+H)。
【実施例36】
【0239】
2−ブロモ−3,4−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム9)
【0240】
【化42】

【0241】
a) 3−ブロモ−4−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例23のステップc)の生成物(エナンチオマー2,0.75g,1.9ミリモル)及びZn(0.25g,3.8ミリモル)を水(20ml)及びHOAc(20ml)中で還流加熱した。0.5時間後、反応物を冷却し、EtOAcで希釈し、水で2回洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、490mgの副題化合物を油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0242】
b) 3,4−ジメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)の生成物(150mg,0.47ミリモル)をジオキサン(3ml)中に溶解し、MeZn(0.47mlの2M トルエン溶液)及びPd(ddf)Cl(11mg,0.014ミリモル)で処理した。100℃に3時間加熱した後、反応物を水でクエンチし、濾過した。濾液をEtOAc(7ml)と水(7ml)に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、92mgの副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0243】
c) 2−ブロモ−3,4−ジメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)の生成物(92mg,0.36ミリモル)を1:1 HOAc/CHCl(4ml)中に溶解し、NBS(67mg,0.38ミリモル)で処理した。0.5時間撹拌した後、反応物をEtOAc(70ml)で希釈し、水(3×30ml)及び1M NaOH(30ml)で洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濃縮した。粗な生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製して、90mgの副題化合物を得た。
【0244】
d) 2−ブロモ−3,4−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)の生成物を実施例20のステップb)に記載されているように脱保護した。分取HPLC−MSにより精製した後標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ 3.59−3.08(m,7H),2.13(s,3H),1.31(d,J=7.2Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):260,262(M+H)。
【0245】
エナンチオマー1も同様にして製造され得る。
【実施例37】
【0246】
2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン(スキーム10)
【0247】
【化43】

【0248】
a) (E,Z)−4−エトキシカルボニルメチレン−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ホスホノ酢酸トリエチル(4ml,16.74ミリモル)を無水THF(100ml)中に含む溶液にTHF中1.6M LHMDS溶液(15ml)を添加した。混合物を15分間撹拌した後、実施例1のステップc)の生成物(2.0g,8.37ミリモル)を添加した。反応物を一晩撹拌した後、追加のLHMDS溶液(3.2mlの1.6M溶液)及びホスホノ酢酸トリエチル(800μl,3.3ミリモル)で処理した。3時間撹拌した後、反応物を水でクエンチし、DCMで希釈した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):310(M+H)。
【0249】
b) (R,S)−4−エトキシカルボニルメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
(1気圧)下でステップa)の生成物(2.47g,8ミリモル)をメタノール(8ml)中で10% Pd/C(湿潤,デグサ グレードE101)(2.0g)と共に撹拌した。反応物をセライトを介して濾過し、濃縮乾固して、副題化合物を油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):312(M+H)。
【0250】
c) (R,S)−4−カルボキシメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
周囲温度でステップb)の生成物(2.47g,8ミリモル)をエタノール(60ml)中で1M NaOH(30ml)と共に一晩撹拌した。反応物を1M HClで酸性化し、DCMと水に分配した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮乾固して、2.13gの副題化合物を黄色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):284(M+H)。
【0251】
d) (R,S)−3−オキソ−3,4,4a,5,7,8−ヘキサヒドロ−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップc)からの生成物(2.13g,7.54ミリモル)をDCM(40ml)中に含む溶液に塩化オキサリル(3ml,37.7ミリモル)及び触媒量のDMFを添加し、反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応物を濃縮乾固し、ジクロロエタン(100ml)中に再溶解した。溶液にAlCl(2.0g,15.1ミリモル)を添加し、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。反応物を氷でクエンチし、DCMと水に分配した。有機層を濃縮して、副題化合物を得た。これを後続ステップで使用する前にシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配,1.02g単離)により精製した。MS:ESI(ポジティブ):266(M+H)。
【0252】
e) (R,S)−3,4,4a,5,7,8−ヘキサヒドロ−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン−6−カルボン酸エチルエステル
0℃でAlCl(627mg,4.72ミリモル)をDCM(2ml)中のBHt−BuNH(492mg,5.66ミリモル)に添加した。溶液を10分間撹拌した後、DCM(1ml)中溶液としてのステップd)からの生成物(250mg,0.943ミリモル)で処理した。室温まで加温した後、反応物に0.1M HClを滴下してクエンチし、濃縮乾固した。反応物を1M HClで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮して、副題化合物を得た。これを後続ステップで使用する前にシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex勾配)により精製した。MS:ESI(ポジティブ):252(M+H)。
【0253】
f) (R,S)−2−ブロモ−3,4,4a,5,7,8−ヘキサヒドロ−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップe)からの生成物を使用し、実施例18のステップd)の方法により副題化合物を製造し、精製せずに粗な形態で使用した。
【0254】
g) 2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン
ステップf)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造し、分取HPLC−MSにより精製した。2つのエナンチオマーをChiral Technologies製Chiralpak(商標)AD−RH(商標)20×250mmカラム(10ml/分 MeOH移動相)を用いて分離して、標記化合物のエナンチオマー1(rt=8.6分)及びエナンチオマー2(rt=10.8分)を得た。H NMR(CDOD)δ 3.45−3.56(m,2H),2.89−3.08(m,3H),2.45−2.65(m,4H),1.99−2.04(m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):260(M+H)。
【実施例38】
【0255】
(R,S)−2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン(スキーム10)
【0256】
【化44】

【0257】
a) (R,S)−2−メチル−3,4,4a,5,7,8−ヘキサヒドロ−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン−6−カルボン酸エチルエステル
2M MeZnをトルエン(1.5ml)中に含む溶液をジオキサン(1ml)中の実施例37のステップf)の生成物(50mg,0.150ミリモル)及びPd(dppf)Cl(4mg,0.0045ミリモル)に添加した。100℃に3時間加熱した後、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく粗な形態で使用した。MS:ESI(ポジティブ):266(M+H)。
【0258】
b) (R,S)−2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン
ステップa)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造し、分取HPLC−MSにより精製した。H NMR(CDOD)δ 3.52−3.64(m,2H),3.25−3.30(m,1H),2.86−3.10(m,4H),2.46−2.73(m,4H),2.23(s,3H)。MS:ESI(ポジティブ):194(M+H)。
【実施例39】
【0259】
2−tert−ブチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン(スキーム10)
【0260】
【化45】

【0261】
a) (R,S)−2−tert−ブチル−3,4,4a,5,7,8−ヘキサヒドロ−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例37のステップe)からの生成物(100mg,0.398ミリモル)、BFOEt(50μl,0.398ミリモル)及びtert−ブタノール(56μl,0.597ミリモル)をジクロロエタン(1ml)中で75℃に2時間加熱した。反応物を水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を合わせ、一晩濃縮して、副題化合物を得た。これを更に精製することなく粗な形態で使用した。MS:ESI(ポジティブ):308(M+H)。
【0262】
b) 2−tert−ブチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン
ステップa)からの生成物を使用し、実施例18のステップe)に記載されている方法により標記化合物を製造した。2つのエナンチオマーをChiral Technologies製Chiralpak(登録商標)AD−RH(登録商標)20×250mmカラム(10ml/分 MeOH移動相)を用いて分離して、標記化合物のエナンチオマー1(rt=7.7分)及びエナンチオマー2(rt=10.2分)を得た。H NMR(CDOD)δ 3.20−3.34(m,2H),2.91−3.01(m,1H),2.56−2.91(m,5H),2.27−2.39(m,2H),1.74−1.88(m,1H),1.30(s,9H)。MS:ESI(ポジティブ):236(M+H)。
【実施例40】
【0263】
2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1a)
【0264】
【化46】

【0265】
a) 2−ヨード−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例1のステップd)からの生成物(470mg,2.09ミリモル)をCHCl(5ml)及びAcOH(5ml)中に含む溶液を22℃でN−ヨードスクシンイミド(493mg,2.19ミリモル)で処理した。1時間後、反応物をCHCl(20ml)で希釈し、飽和NaHCO(20ml)に注いだ。有機層をブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、粗な副題化合物を黄色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0266】
b) 2−トリフルオロメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)からの生成物(75mg,0.21ミリモル)をDMF(0.5ml)及びNMP(0.5ml)中に含む溶液をビピリジル(43mg,0.27ミリモル)、CuI(44mg,0.23ミリモル)、KF(13mg,0.23ミリモル)及びトリメチルシリルトリフルオロメタン(2.1ml,1.05ミリモル)で処理した。反応混合物を80℃に3日間加熱した。反応物を冷却し、セライトを介して濾過し、EtOAc(20ml)で洗浄した。溶離液をブライン(2×3ml)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、副題化合物を褐色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0267】
c) 2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップb)からの粗生成物(26mg,0.089ミリモル)をCHCl(0.5ml)中に含む溶液を50℃でヨードトリメチルシラン(19μl,0.134ミリモル)で12時間処理した。MeOHを添加することにより反応物をクエンチし、溶媒を除去した。残渣を分取LC/MSにより精製して、標記化合物を得た。NMR(300MHz,CDCl)δ 7.18(s,1H),3.42−3.56(m,6H),3.31−3.39(m,2H),2.09(s,1H)。MS:ESI(ポジティブ):222(M+H)。
【実施例41】
【0268】
3−クロロ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1b)
【0269】
【化47】

【0270】
a) 2,3−ジヒドロ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例4のステップH)からの生成物(323mg,1.25ミリモル)をCHCl(6.25ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(522μl,3.75ミリモル)及びクロロギ酸エチル(144μl,1.5ミリモル)を順次添加した。1.5時間後、反応物を水(25ml)に注ぎ、EtOAc(50ml)で希釈した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮して、341mg(93%)の副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):294,296(M+H)。
【0271】
b) 3−クロロ−2−ヨード−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)からの生成物(129mg,0.44ミリモル)を無水THF(2.2ml)中に含む溶液を−78℃に冷却し、1.5当量のn−BuLi(412μl,0.66ミリモル)で処理した。1時間後、反応物をI(167mg,0.66ミリモル)のTHF溶液でクエンチした。反応物を22℃に加温し、EtOAc(15ml)で希釈した。有機層を飽和NaSO(5ml)及びブライン(5ml)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、98mg(58%)の粗な副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):386(M+H)。
【0272】
c) 3−クロロ−2−トリフルオロメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)からの生成物(140mg,0.363ミリモル)をNMP(0.9ml)及びDMF(0.9ml)中に含む溶液をCuI(76mg,0.39ミリモル)、KF(46.4mg,0.79ミリモル)、ビピリジル(74mg,0.472ミリモル)及びTMSCF(267μl,1.81ミリモル)で処理した。混合物を80℃に12時間加熱した。粗な反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを介して濾過した。有機相をHO(2×1ml)、ブライン(1×1ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。粗な生成物を10:1 ヘキサン/EtOAcを用いる分取TLCにより精製して、14.4mg(12.1%)の副題化合物を得た。
【0273】
d) 3−クロロ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)からの生成物(14.4mg,0.044ミリモル)をCHCl(220μl)中に含む溶液を60℃でヨードトリメチルシラン(19μl,0.13ミリモル)で12時間処理した。MeOHを添加することにより反応物をクエンチし、溶媒を蒸発させた。残渣を分取LC/MSにより精製して、2.3mg(18%)の標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):256(M+H)。
【実施例42】
【0274】
3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム1b)
【0275】
【化48】

【0276】
a) 3−ブロモ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例3のステップa)からの生成物(148mg,0.39ミリモル)をAcOH(80μl)及びHO(1.92ml)中に含む溶液を105℃でZn(76mg,1.17ミリモル)で4.5時間処理した。次いで、内容物を22℃に冷却し、飽和NaHCO(25ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮して、80mg(68%)の副題化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
【0277】
b) 3−ブロモ−2−ヨード−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)からの生成物(124mg,0.41ミリモル)をCHCl(1.0ml)及びAcOH(1.0ml)中に含む溶液をN−ヨードスクシンイミド(97mg,0.43ミリモル)で30分間処理した。次いで、粗な反応物を飽和NaHCO(5ml)に注ぎ、CHCl(2×4ml)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(3ml)で洗浄し、乾燥し(エクストレルートカラム)、濃縮し、分取TLC(80% ヘキサン:20% EtOAc)により精製して、134mg(76%)の副題化合物を得た。
【0278】
c) 3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップb)からの生成物(134mg,0.31ミリモル)をNMP(1ml)及びDMF(1ml)中に含む溶液を50℃でKF(20mg,0.34ミリモル)、CuI(65mg,0.34ミリモル)及びビピリジル(62mg,0.4ミリモル)で15分間処理した。次いで、0.5M トリメチルシリルトリフルオロメタン溶液(3.1ml,1.55ミリモル)を添加し、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を22℃に冷却し、CHCl(5ml)で希釈し、ブライン(10ml)で洗浄した。水性層をCHCl(3×5ml)で抽出し、合わせた有機層を乾燥し(エクストレルートカラム)、シリカゲルプラグ中に通し、濃縮し、分取LC/MSにより精製して、26mg(23%)の副題化合物を得た。
【0279】
d) 3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップc)からの生成物(51mg,0.137ミリモル)をCHCl(685μl)中に含む溶液を50℃でヨードトリメチルシラン(59μl)で16時間処理した。MeOHを添加して反応物をクエンチし、溶媒を蒸発させた。残渣を分取LC/MSにより精製して、16mg(39%)の標記化合物を得た。NMR(300MHz,CDCl)δ 4.10−4.40(br s,1H),2.90−3.60(m,8H)。MS:ESI(ポジティブ):300.302(M+H)。
【実施例43】
【0280】
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム3)
【0281】
【化49】

【0282】
a) 3−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例42のステップa)からの生成物(122mg,0.40ミリモル)を乾燥THF(2ml)中に含む溶液をNiCl(dppp)(2〜3mg,0.004ミリモル)で処理した後、22℃で1.4M 臭化メチルマグネシウム溶液(0.71ml,1ミリモル)を滴下し、反応物を16時間還流した。反応混合物を22℃に冷却し、エーテル(5ml)で希釈し、1N HCl(2ml)でクエンチした。水性層をエーテル(3×5ml)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を水(10ml)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を蒸発して、粗な副題化合物を黄褐色油状物として得た。これを更に精製することなく使用した。
【0283】
b) 3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)からの生成物をCHCl(1ml)中に含む溶液を50℃でヨードトリメチルシランで16時間処理した。MeOHを添加することにより反応物をクエンチし、溶媒を蒸発させた。残渣を分取LC/MSにより精製して、1.6mgの標記化合物を得た。NMR(300MHz,CDCl)δ 6.69(d,J=1Hz,1H),4.8−5.2(br s,1H),3.20−3.40(m,6H),3.00−3.1(m,2H),2.14(d,J=1Hz,3H)。MS:ESI(ポジティブ):168(M+H)。
【実施例44】
【0284】
2−tert−ブチル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム5)
【0285】
【化50】

【0286】
a) 2−tert−ブチル−3−メチル−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例18のステップa)の生成物(20mg,0.078ミリモル)をDCE(0.5ml)中に含む溶液を撹拌し、ここにt−ブタノール(25μl,0.26ミリモル)及びBF−OEt(10μl,0.078ミリモル)を順次添加した。反応物を75℃に2時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、濃縮乾固し、残渣を更に精製することなく使用した。MS:ESI(ポジティブ):312(M+H)。
【0287】
b) 2−tert−ブチル−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
ステップa)の生成物をEtOH(0.5ml)及び40% 水性KOH(0.5ml)で処理した。100℃に18時間加熱した後、反応物を冷却し、水で希釈し、DCM(2×10ml)で抽出した。有機層を濃縮乾固し、残渣を分取HPLC−MSにより精製して、標記化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 3.78(s,3H),3.30−3.38(m,4H),3.06−3.15(m,2H),2.94−3.03(m,2H),1.45(s,9H)。MS:ESI(ポジティブ):240(M+H)。
【実施例45】
【0288】
2−tert−ブチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム9)
【0289】
【化51】

【0290】
実施例1のステップd)からの生成物(66mg,0.29ミリモル)をDCE(2.5ml)中に含む溶液を撹拌し、ここにt−ブタノール(36μl,0.38ミリモル)及びBF−OEt(36μl,0.29ミリモル)を添加した。反応物を60℃に2時間加熱した。反応物を濃縮乾固し、EtOH(2ml)及び40% 水性KOH(2ml)で処理した。混合物を100℃に一晩加熱し、冷却し、水で希釈した。生成物をDCM(2×10ml)で抽出し、濃縮し、分取HPLC−MSにより精製して、標記化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):210(M+H)。
【実施例46】
【0291】
2−tert−ブチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム4)
【実施例47】
【0292】
3−クロロ−2−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム4)
【実施例48】
【0293】
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン(スキーム4)
【0294】
【化52】

【0295】
a) 3−クロロ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
実施例41のステップa)からの生成物(382mg,1.3ミリモル)をTHF(6.5ml)中に含む溶液を−78℃に冷却し、1.6M n−BuLi溶液(2.26ml,1.36ミリモル)で処理した。1時間後、反応物を水でクエンチし、EtOAc(30ml)で抽出した。有機層をブライン(1×15ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。粗な黄色油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、156mg(46%)の副題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.88(s,1H),4.19(q,J=7Hz,2H),3.57−3.72(m,4H),2.92−3.03(m,2H),2.81−2.92(m,2H),1.29(t,J=7Hz,3H)。
【0296】
b) 2−tert−ブチル−3−クロロ−4,5,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
ステップa)からの生成物(156mg,0.6ミリモル)をジクロロエタン(3ml)中に含む溶液をt−BuOH(172μl,1.8ミリモル)及びBF−OEt(113μl,0.9ミリモル)で処理した。反応混合物を85℃で6時間加熱した後、溶媒を蒸発させて、粗な副題化合物を得た。
【0297】
c) 2−tert−ブチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン 実施例44;
3−クロロ−2−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン 実施例45;
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン 実施例46
ステップb)からの粗な生成物をEtOH(4ml)及び40% 水性KOH(4ml)中に含む溶液を臭化テトラブチルアンモニウム(20mg)で処理し、95℃に2日間加熱した。次いで、反応物を22℃に冷却し、CHCl(3×25ml)で抽出した。有機層をブライン(1×10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮乾固した。残渣を分取LC/MSにより精製して、副題化合物を得た。。
(A)H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.50−6.80(br s,1H),3.05−3.14(m,4H),2.87−2.99(m,4H),1.43(s,9H)。MS:ESI(ポジティブ):244(M+H)。
(B)H NMR(300MHz,CDCl)δ 3.58−3.70(br s,1H),2.98−3.09(m,4H),2.88−2.94(m,2H),2.82−2.87(m,2H),1.91(s,2H),1.46(s,6H),0.81(s,9H)。MS:ESI(ポジティブ):300(M+H)。
(C)H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.75(s,1H),2.92−3.11(m,6H),2.85−2.90(m,2H),2.72−2.82(br s,1H)。MS:ESI(ポジティブ):188(M+H)。
【実施例49】
【0298】
2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−フロ[2,3−d]アゼピン
(スキーム11)
【0299】
【化53】

【0300】
a) フラン−2−イル−オキソ−酢酸エチルエステル
CHCl(420ml)中に溶解させたフラン−2−イル−オキソ−酢酸(15g,107ミリモル)をEtOH(9.6ml,165ミリモル)及びHSO(1ml)で処理し、63℃に12時間加熱した。次いで、反応混合物を分液漏斗に移し、飽和NaHCO(100ml)で洗浄した。有機層をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、16.9g(66%)の副題化合物を得た。これを更に精製することなく次に使用した。
【0301】
b) フラン−2−イル−ヒドロキシ酢酸
ステップa)からの生成物(25g,135ミリモル)をEtOH(2ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、NaBH(2.5g,66ミリモル)をHO(27ml)中に含む溶液で5分間処理した。次いで、反応混合物をAcOH(17ml)及びHO(271ml)でクエンチし、濃縮乾固した。粗な油状物をCHCl(300ml)中に溶解し、ブライン(2×100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、17.5g(70%)の副題化合物を得た。これを更に精製することなく次に使用した。
【0302】
c) (3−カルボキシメチル−フラン−2−イル)酢酸
ステップb)からの生成物(10.9g,64ミリモル)をデカリン(193ml)中に含む溶液をo−酢酸トリメチル(48.2ml,384ミリモル)及びヘキサン酸(2.0ml)で処理した。次いで、反応混合物にビグローカラムを取り付け、180℃に18時間加熱した。反応時間の最初の6時間の間に2時間毎に追加のヘキサン酸(3×1.5ml)アリコートを添加した。次いで、反応物を22℃に冷却し、MeOHで抽出して、27gのジエステルとデカリンの粗な混合物を得た。この混合物をMeOH(250ml)中に溶解し、0℃に冷却し、2M NaOH(150ml)で処理した。12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を2N NaOH(100ml)に取り、エーテル(2×150ml)で洗浄した。塩基層を4M HClでpH1まで酸性化し、EtOAc(4×100ml)で逆抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、6.4g(54%)の副題化合物を得た。
【0303】
d) 2−[3−(2−ヒドロキシ−エチル)−フラン−2−イル]−エタノール
ステップc)からの生成物(6.4g,35ミリモル)を乾燥THF(400ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、THF中1.0M BH溶液(174ml,174ミリモル)を10分間かけて滴下した。添加が終了したら、混合物を0℃で更に20分間撹拌した後、22℃に2時間加温した。次いで、混合物を氷冷した飽和NaHCO(300ml)に注ぎ、EtOAc(200ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮して、3.58g(65%)の副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):157(M+H)。
【0304】
e) メタンスルホン酸2−[3−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フラン−2−イル]−エチルエステル
ステップd)からの生成物(3.58g,22.9ミリモル)をCHCl(114ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(9.56ml,68.7ミリモル)で処理した後、メタンスルホニルクロリド(3.88ml,50.4ミリモル)を10分間かけて滴下した。1時間後、反応混合物を分液漏斗に移し、氷水(1×50ml)、10% クエン酸(2×50ml)、飽和NaHCO(2×50ml)及びブライン(1×50ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、20mlまで濃縮し、乾燥ジオキサン(42ml)で希釈し、更に濃縮して残留CHClを除去した。生じたビスメシレートのジオキサン溶液を直ちにステップf)に用いた。
【0305】
f) 6−ベンジル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−フロ[2,3−d]アゼピン
ステップe)で生成したビスメシレートのジオキサン溶液を乾燥ジオキサン(168ml)で希釈し、滴下漏斗及び冷却器を備えた3首反応フラスコに移した。無水KCO(46.5g,337ミリモル)を添加し、混合物を102℃に加熱した。次いで、ベンジルアミン(7.5g,70.1ミリモル)をジオキサン(74.4ml)中に含む溶液を45分間かけて滴下し、反応物を18時間還流した。混合物を22℃に冷却し、塩を濾別し、溶媒を蒸発させた。粗な油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、2.56g(49%)(ステップe及びfに対する合計収率)の副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):228(M+H)。
【0306】
g) 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−フロ[2,3−d]アゼピン塩酸塩
ステップf)からの生成物(2.56mg,11.3ミリモル)を無水ジクロロエタン(56ml)中に含む溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸1−クロロエチル(6.11ml,56.4ミリモル)で処理し、反応物を22℃に1時間加温した。反応物をCHCl(100ml)で希釈し、飽和NaHCO(50ml)で洗浄した。飽和NaHCOをCHClで逆抽出し、合わせた有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、油状残渣を得た。これを無水MeOH(150ml)に取り、1時間還流した。MeOHを蒸発させ、粗生成物をエーテルと摩砕し、濾過して、1.71g(87%)の副題化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.56(br s,2H),7.43(d,J=2H,1H),6.34(d,J=2H,1H),3.18−3.30(br m,4H),3.03−3.10(br m,2H),2.74−2.82(br m,2H)。MS:ESI(ポジティブ):138(M+H)。
【0307】
h) 4,5,7,8−テトラヒドロ−フロ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
ステップg)からの生成物(500mg,2.88ミリモル)をアセトン(7.2ml)及び水(7.2ml)中に含む溶液を激しく撹拌しながらNaHCO(484mg,5.76ミリモル)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(691mg,3.17ミリモル)で1時間処理した。内容物をHO(10ml)で希釈し、EtOAc(50ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮し、クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、643mg(94%)の副題化合物を得た。MS:ESI(ポジティブ):238(M+H)。
【0308】
i) 2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−フロ[2,3−d]アゼピン
ステップh)からの生成物(50mg,0.21ミリモル)をCHCl(527μl)及びAcOH(527μl)中に含む溶液を22℃でN−ブロモスクシンイミド(38.1mg,0.21ミリモル)で処理した。1時間後、内容物を飽和NaHCOに注ぎ、EtOAc(2×5ml)で抽出した。有機層をブライン(1×5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、分取TLC(80% ヘキサン:20% EtOAc)により精製して、2−ブロモ−4,5,7,8−テトラヒドロ−フロ[2,3−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。これを直接ジオキサン(2ml)中4M HClで処理した。ジオキサンを蒸発させ、残渣をMeOH中に溶解し、分取LC/MSにより精製して、1.3mgの標記化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 6.08(s,1H),3.02−3.07(m,4H),2.89−2.92(m,2H),2.57−2.70(m,3H)。MS:ESI(ポジティブ):216,218(M+H)。
【0309】
以下の手順を用いて、本発明の代表的化合物を5HT2c受容体アゴニストとして評価した。このアッセイの結果を表1に示す。
【0310】
細胞培養:
VNVアイソフォーム:ヒト5HT2c受容体を発現するHEK 293 EBNA(Burnsら,Nature,387:30308(1997))を10% 透析FBS、9μg/mlのブラストサイジンを含有するDMEMにおいて37℃、5% CO雰囲気中で増殖させた。
【0311】
カルシウム動態化:
ヒト5HT2c受容体を発現するHEK 293 EBNA細胞(2×10/ウェル)を黒色384ウェルのコラーゲン被覆プレートに接種し、37℃、5% CO2/95%雰囲気中で一晩インキュベートした。培地を除去した後、細胞をカルシウム3染料(カリフォルニア州に所在のMolecular Devices)、2.5mM プロベネシド及び0.08% プルロニック酸を含有するHBSS緩衝液(137mM NaCl,5.4mM KCl,5.5mM グルコース,20mM Hepes(pH7.5),2.1mM MgCl,0.3mM CaCl,0.02mM MgSO,3.0mM NaHCO及び0.64mM KHPO)を用いて製造業者の指示に従って60分間処理した。化合物をCsClリンゲル緩衝液(58.3mM CsCl,5.4mM KCl,5.5mM グルコース,20mM Hepes(pH7.5),2.1mM MgCl,1.2mM CaCl)で希釈した。ポジティブコントロールとして5HTを用いた。リガンド誘導のカルシウム放出及び結果として生ずる蛍光を蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR,カリフォルニア州に所在のMolecular Devices)を用いて測定した。
【0312】
データ分析:
データはすべてPrism 4.0ソフトウェアを用いて非線形最小自乗カーブフィッティングにより分析した。FLIPRでのカルシウム誘導蛍光のアゴニスト刺激を式
Y=Bottom+(Top−Bottom)/(1+10((LogEC50−X)))
(ここで、Xは化合物の濃度の対数であり、Yは蛍光応答である)
を用いてS字状用量応答に適合させた。
【0313】
【表1】










【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
XはS、OまたはNRであり、
及びRは独立してH、ハロゲン、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、C1−8アルケニル、ペルハロアルキル、CN、OR、SR、N(R、CON(R、NRCOR、NRCO、SON(R、NRSO、アリール及びヘテロアリール(前記アリール及びヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される最高3個の置換基で置換され得る)からなる群から選択され;またはR及びRは一緒になって5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
3aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり;またはR及びRは5員または6員環を形成し、
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、OR、−CH−O−C1−8アルキル、−CHOH、−COO−C1−8アルキル、−CON(R及びアリールからなる群から選択され、
4aはHであり;またはR及びR3aは一緒になって−CHCH−であり、及び
はH、C1−8アルキル、C1−8アルキルアリール、C1−8アルキルヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール及びペルハロアルキルからなる群から選択され;またはRは結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する]
を有する化合物。
【請求項2】
XはSであり、
はハロゲン、C1−8アルキル、OR、SON(R及びペルハロアルキルからなる群から選択され、
は水素、ハロゲン、C1−8アルキル及びORからなる群から選択され;またはRと一緒になって5員環を形成し、
は水素またはC1−8アルキルであり、
は水素であり、
は水素またはC1−8アルキルであり、
は水素であり、
は水素またはC1−8アルキルであり;または結合している原子と一緒になってヘテロアリール環を形成する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
(R,S)5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−4−オール、
2−クロロ−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−クロロ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−エトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(4−エチル−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(3−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ナフタレン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ナフタレン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]アゼピン−3−カルボン酸エチルエステル、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、及び
2−tert−ブチル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−4−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−ブロモ−8−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
2−(ピロリジン−1−スルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン−2−スルホン酸ジメチルアミド、
2−ブロモ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
2−メチル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−1−チア−6−アザ−シクロペンタ[cd]アズレン、
トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン、及び
2−tert−ブチル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[2,3−d]アゼピン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
少なくとも1つの請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項6】
治療を要する患者に対して少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を有効量投与することを含む前記患者における5−HT2c機能の調節が望まれる疾患、障害及び/または状態の治療方法。

【公表番号】特表2008−505101(P2008−505101A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519433(P2007−519433)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023282
【国際公開番号】WO2006/004931
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(504156083)アサーシス, インク. (11)
【氏名又は名称原語表記】ATHERSYS, INC.
【住所又は居所原語表記】3201 Carnegie Avenue, Cleveland, OH 44115 (US)
【Fターム(参考)】