説明

センサ組立体

【課題】外装ケースから封止樹脂が外れてしまうという問題を解消でき、センサの構造の簡素化、センサホルダに対するセンサの取付構造の簡素化等を図ったセンサ組立体を提供する。
【解決手段】センサ組立体1は、被測定物17に固定されるセンサホルダ19と、センサ素子13を外装樹脂14により包囲することによって構成され、センサホルダ19の内部に着脱可能に取り付けられるセンサ10とを備える。センサホルダ19の内面には被係合部としての雌ねじ19aが設けられ、外装樹脂14の外面には、雌ねじ19aに着脱可能に螺合して、当該外面をセンサホルダ19の内面に密着させるとともに当該センサホルダ19に対するセンサ10の軸方向への移動を規制する係合部としての雄ねじ14aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物に固定されたホルダにセンサを組み付けてなるセンサ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置や冷蔵庫等に使用される熱交換器や冷媒配管には、冷媒の温度を検出するための温度センサが取り付けられており、この温度センサとしては専らサーミスタが用いられている。従来のサーミスタとして、例えば図7に示すように、リード線112が接続されたサーミスタ素子113に保護樹脂114Aを塗布して硬化させ、その後、サーミスタ素子113を外装ケース115内に収容して封止樹脂114Bにより封止した樹脂封止型のものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、このサーミスタ110は、冷媒118が流れる配管117等の外周面に固定された有底円筒状の金属製のセンサホルダ119に挿入されるとともに、板ばね等の保持具120を用いて取り付けられている。
【0004】
外装ケース115は、銅やアルミニウム等の熱伝導率の大きい金属により形成され、軸方向の一端部が底部122によって閉鎖された有底円筒形状に形成されている。保護樹脂114Aは、サーミスタ素子113を被覆して水分の浸入を防止しており、封止樹脂114Bは、サーミスタ素子113及び保護樹脂114Aを包囲した状態で外装ケース115の内面に接着されている。そして、サーミスタ110は、外装ケース115の外面をセンサホルダ119に接触させることによって冷媒118の温度を間接的に検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−298002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図7に示す封止樹脂型のサーミスタ110において、封止樹脂114B及び保護樹脂114A(以下、これらを「封止樹脂114B等」という)は、金属製の外装ケース115よりも線膨張係数が大きいため、検出温度の変化(温度サイクル)によって外装ケース115よりも大きく熱膨張又は熱収縮する。
そして、封止樹脂114B等は、加熱時に外装ケース115の底部122によって軸方向一方側への熱膨張が制限され、さらに、外装ケース115の周壁部123によって径外方向への熱膨張も制限されるため、外装ケース115の開口115a側への熱膨張が大きくなり、封止樹脂114B等には当該開口115aから抜け出す方向の大きな応力が発生する。サーミスタ110が加熱・冷却されることによってこのような応力が長期間に亘って繰り返し生じると、次第に外装ケース115と封止樹脂114B等との接着力が弱まり、外装ケース115から封止樹脂114B等を引き抜くような負荷がかかったときに、封止樹脂114B等が外装ケース115から外れてしまう可能性がある。
【0007】
また、接着力が弱まることによって外装ケース115と封止樹脂114B等との間に隙間が生じ、この隙間から外装ケース115の内部、特に底部122に水分が浸入すると、絶縁不良を起こしたり、この水分の蒸発等に起因して隙間が更に拡がり、外装ケース115から封止樹脂114B等が外れ易くなったりするという問題も生じる。
【0008】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、外装ケースから封止樹脂が外れるという従来の問題を解消し、しかもセンサの構造を簡素化することができ、さらにセンサホルダに対してセンサを簡素な構造で確実に取り付けることが可能なセンサ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のセンサ組立体は、被測定物に固定される筒形状のセンサホルダと、センサ素子を外装樹脂により包囲することによって構成され、前記センサホルダの内部に着脱可能に取り付けられるセンサとを備え、前記センサホルダの内面には被係合部が設けられ、前記外装樹脂の外面には、前記被係合部に係脱可能に係合して、当該外面を前記センサホルダの内面に密着させるとともに当該センサホルダに対する前記センサの軸方向への移動を規制する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明のセンサは、センサ素子を外装樹脂により包囲することによって構成されており、従来のような金属製の外装ケースを備えていないので、外装ケースから封止樹脂が抜け出すといった従来の問題が生じることはない。また、外装ケースを省略することによって、センサの構造の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0011】
そして、センサの係合部とセンサホルダの被係合部とを係合させることによって、保持具等の部品を用いなくてもセンサホルダにセンサを直接取り付けることができ、センサホルダに対するセンサの取付構造を簡素化することができる。
また、センサの係合部とセンサホルダの被係合部とを係合させることによって、外装樹脂の外面をセンサホルダの内面に密着させ、センサホルダに対するセンサの軸方向への移動を規制しているので、センサホルダからのセンサの外れを防止しつつ、センサホルダとケースとの間に水分が浸入するのを防止することができる。
【0012】
前記構成において、前記被係合部が雌ねじであり、前記係合部が前記雌ねじに螺合する雄ねじであることが好ましい。外装樹脂の外面に形成した雄ねじをセンサホルダの内面の雌ねじに螺合することによって、センサをセンサホルダに確実に固定することができる。また、外装樹脂が加熱・冷却によって熱膨張・熱収縮したとしても、外装樹脂に生じる応力をねじ面の全体で受けることができるので、外装樹脂がセンサホルダから軸方向に抜け出してしまうのを確実に防止することができる。また、雄ねじと雌ねじの接触によりセンサホルダとセンサとの接触面積が増大されるので、特に、当該センサが温度センサである場合には、センサホルダからセンサへの熱伝導性が高まり、検出精度を向上させることができる。
【0013】
以上より、本発明は、センサ素子を包囲するための樹脂(外装樹脂)の外面に雄ねじ(係合部)を形成するとともにセンサホルダの内面に雌ねじ(被係合部)を形成し、外装樹脂をセンサホルダに直接取り付けることによって、金属製の外装ケースを省略するとともに、センサの構造やセンサホルダに対するセンサの取付構造を簡素化した点に主たる技術的意義がある。したがって、本発明は、例えばセンサ素子を包囲するための樹脂とは別の金属製等のねじをセンサに備えて、このねじをセンサホルダに締め付ける構造とは根本的に異なり、かかる構造は本発明から除外される。
【0014】
前記雌ねじ及び雄ねじは、テーパーねじであることがより好ましい。これにより、雌ねじに対して雄ねじを締め込むことで外装樹脂の外面をセンサホルダの内面に強く圧接することができ、センサホルダにセンサをより強固に取り付けることができる。
【0015】
前記外装樹脂には、ねじ回し工具の当たり面が形成されていることが好ましい。これにより、センサホルダに対してセンサの外装樹脂を螺合させる作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、前記外装樹脂には、低熱膨張性のフィラーが添加されていることが好ましい。これにより、センサホルダと外装樹脂との線膨張係数の差を小さくし、外装樹脂の膨張・収縮に起因して外装樹脂の係合部とセンサホルダの被係合部との係合が緩んだり、センサホルダから外装樹脂が外れたりするのを確実に防止することができる。
【0017】
前記センサホルダは、軸方向両端が開放していることが好ましい。これにより、センサホルダ内の外装樹脂に水分が付着したとしてもセンサホルダの軸方向両端から放出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外装ケースから封止樹脂が外れてしまうという従来の問題を解消することができ、しかも、センサの構造や、センサホルダに対するセンサの取付構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図である。
【図2】図1に示されるセンサ組立体の分解斜視図である。
【図3】図1に示されるセンサ組立体におけるセンサの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図である。
【図6】(a)は図5に示されるセンサ組立体の分解斜視図(一部断面図)、(b)はこのセンサ組立体の係合部及び被係合部を示す説明図である。
【図7】従来技術に係るセンサ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図、図2は、図1に示されるセンサ組立体の分解斜視図、図3は、図1に示されるセンサ組立体におけるセンサの断面図である。
センサ組立体1は、センサ10と、筒形状のセンサホルダ19とから構成されている。本実施の形態のセンサ10は温度センサであり、例えば、空気調和装置等に設けられた冷媒管17内を流れる冷媒18の温度を検出するため、冷媒管17の外周面に固定されたセンサホルダ19に取り付けられて使用される。したがって、温度センサ10は、センサホルダ19の温度を検出することで、間接的に冷媒管17及び冷媒18の温度を検出する。
【0021】
図3に示すように、温度センサ10は、測温部11とリード線12とを備えている。測温部11は、センサ素子13と、センサ素子13を被覆する被覆樹脂16と、この被覆樹脂16で被覆されたセンサ素子13を包囲して、測温部11の外面を構成している外装樹脂14とを備えている。リード線12は、一端部がセンサ素子13に固着されるとともに、他端部側が被覆樹脂16及び外装樹脂14から突出し、図示しない温度検出回路に接続される。
【0022】
センサ素子13としては、温度によって電気抵抗が変化する特性を備えたサーミスタ素子が用いられている。そして、リード線12を介して付与された電圧の変化を検出回路で測定することによって温度を検出するように構成されている。
【0023】
被覆樹脂16及び外装樹脂14は、センサホルダ19よりも線膨張係数が大きいエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の合成樹脂によって形成されている。被覆樹脂16は、特に防水性や防湿性に優れた合成樹脂により形成され、センサ素子13を被覆することによって水分の浸入を防いでいる。外装樹脂14は、被覆樹脂16によって被覆されたセンサ素子13に対する水分の浸入を防止するとともに、測温部11の外面を構成するのに必要な剛性や機械的強度を有する合成樹脂によって形成されている。
【0024】
なお、被覆樹脂16や外装樹脂14の材質は、防水性、防湿性、機械的強度等を確保することができれば、特に限定されるものではない。また、外装樹脂14により、防水性や防湿性を十分に確保することができれば、被覆樹脂16を省略し、外装樹脂14だけでセンサ素子13を被覆してもよい。
【0025】
外装樹脂14の軸方向一端部側(リード線12が突出する側)には頭部14bが形成され、軸方向他端部側には雄ねじ14aが形成されている。この雄ねじ14aは、一端部側の外径が他端側の外径よりも大きいテーパーねじとされている。また、頭部14bは六角柱形状に形成されており、頭部14bの外周面は、後述するセンサホルダ19の雌ねじ19aに雄ねじ14aを螺合させるために使用されるスパナ等の工具が当接(係合)する当たり面とされている。なお、外装樹脂14の雄ねじ14aや頭部14bは、外装樹脂14の成形時に金型により形成することができる。
【0026】
センサホルダ19は、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属、好ましくは熱伝導率の大きい金属により形成され、冷媒管17の外周面にろう付けや溶接等によって固定されている。また、センサホルダ19は、軸方向の両端部が開放した円筒形状に形成されている。センサホルダ19の内面は、軸方向一端から他端に向かうに従って内径が小さくなるテーパー形状に形成され、当該内面には、外装樹脂14の雄ねじ14aが螺合可能な雌ねじ19aが形成されている。そして、温度センサ10は、その外装樹脂14の雄ねじ14aをセンサホルダ19の雌ねじ19aに螺合させることによって、センサホルダ19に取り付けられている。
【0027】
以上の構成を有する本実施の形態の温度センサ10は、センサ素子13を外装樹脂14によって包囲しており、従来のような金属製の外装ケース(例えば、図7の符号115参照)を備えていない。そのため、外装ケースから封止樹脂が抜け出すといった従来の問題が生じることもない。また、外装ケースを備えていないことから部品点数及びコストの削減、軽量化を図ることができる。
【0028】
また、温度センサ10は、センサホルダ19に形成された雌ねじ(被係合部)19aに外装樹脂14の雄ねじ(係合部)14aを螺合することによってセンサホルダ19に取り付けられるので、次の(1)〜(4)の作用効果を奏する。
【0029】
(1)従来のようにセンサホルダ19に温度センサ10を取り付けるための保持具(例えば、図7の符号120参照)が不要となり、センサホルダ19に対する温度センサ10の取付構造を簡素化することができる。
【0030】
(2)センサホルダ19に外装樹脂14を密着させた状態で外装樹脂14の軸方向への移動を規制することができ、センサホルダ19に対する温度センサ10の外れを防止するとともに、センサホルダ19と温度センサ10との間に水分が浸入するのを防止することができる。特に、外装樹脂14が加熱・冷却によって熱膨張・熱収縮したとしても、外装樹脂14に生じる応力を雄ねじ14a及び雌ねじ19aのねじ面の全体で受けることができるので、外装樹脂14がセンサホルダ19から軸方向に外れてしまうのを防止することができる。
【0031】
(3)雄ねじ14aと雌ねじ19aとが互いに接触することにより、外装樹脂14の外面とセンサホルダ19の内面との接触面積を増大することができ、両者間の熱伝導性を高めて温度センサ10の検出精度を向上させることができる。
【0032】
(4)温度センサ10の交換が必要な場合には、センサホルダ19に対して温度センサ10を簡単に着脱することができる。
【0033】
外装樹脂14の雄ねじ14a及びセンサホルダ19の雌ねじ19aはテーパーねじとされているので、雌ねじ19aに雄ねじ14aを締め込むことによって外装樹脂14の外面をセンサホルダ19の内面に強く圧接することができ、温度センサ10をセンサホルダ19により強固に取り付けることができるとともに、センサホルダ19から温度センサ10への熱伝導性をより高めることができる。
【0034】
また、センサホルダ19は軸方向両端が開放しているので、仮にセンサホルダ19と外装樹脂14との間に水分が浸入したとしてもセンサホルダ19の軸方向両端から放出することができる。
【0035】
温度センサ10の外装樹脂14には、スパナ等のねじ回し工具が当接する当たり面(頭部14b)が設けられているので、センサホルダ19に対する温度センサ10の着脱を容易に行うことができる。
【0036】
なお、外装樹脂14は、その剛性や機械的強度を高めるため、あるいは、センサホルダ19との熱膨張差を小さくするべく外装樹脂14の線膨張係数を低減するため、機能性を付加するフィラーが添加されていていることが推奨される。特に、線膨張係数を小さくするためのフィラー(低熱膨張性のフィラー)として、例えば、カーボンファイバ、ガラスファイバ、金属ファイバを添加することができる。このようなフィラーを添加することによって、外装樹脂14の線膨張係数をセンサホルダ19の線膨張係数の1.5〜2.0倍程度にまで小さくし、温度変化による外装樹脂14の熱膨張や熱収縮によってセンサホルダ19から外装樹脂14との間に隙間ができたり、この隙間に水分が浸入したりすることを防止することができる。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図である。本実施の形態は、温度センサ10の外装樹脂14に形成された雄ねじ14a、及びセンサホルダ19に形成された雌ねじ19aが所謂平行ねじとされている点で、第1の実施の形態と異なっている。また、センサホルダ19に対して温度センサ10をより強固に取り付けるために、外装樹脂14の雄ねじ14aの先端部には緩み止め用のナット部材22が螺合されている。
したがって、本実施形態においては、雄ねじ14a及び雌ねじ19aがテーパーねじとされていることに基づく作用効果を除き、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0038】
なお、本実施の形態において、ナット部材22を省略することも可能であるが、この場合、振動等に起因して雄ねじ14aと雌ねじ19aとの螺合が緩むのを確実に防止するために、頭部14bとセンサホルダ19の端面との間にスプリングワッシャやOリング等のばね座を介在することが好ましい。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係るセンサ組立体の一部断面を含む側面図、図6(a)は図5に示されるセンサ組立体の分解斜視図(一部断面図)、図6(b)はこのセンサ組立体の係合部及び被係合部を示す説明図である。
本実施の形態は、外装樹脂14に形成された係合部が外装樹脂14の外周面から突出する係合突起14cとされ、センサホルダ19に形成された被係合部が、センサホルダ19の内周面に凹設された、前記係合突起14cが係合する係合溝19cとされている点で、第1の実施の形態と異なっている。
【0040】
係合突起14cは、略直方体のブロック形状とされている。係合溝19cは、係合突起14cを挿通させることができる溝幅と深さを有しており、導入部19c1と、締め込み部19c2と、保持部19c3とから構成されている。導入部19c1は、テーパー状に形成されたセンサホルダ19の内面の、大径側端部において開放し、この開放位置から小径側へ向かって軸方向に延び、センサホルダ19の小径側端部に到る手前で止まっている。締め込み部19c2は、導入部19c1の小径側端部に連なり、当該端部位置を始点としてセンサホルダ19の小径側にやや傾きながら周方向に約1/4円弧程度延びている。保持部19c3は、締め込み部19c2の終端を大径側へ少しだけ凹ませた形状とされている。
【0041】
センサホルダ19の係合溝19cに外装樹脂14の係合突起14cを係合させるには、図6(a)に示すように、係合突起14cを係合溝19cの導入部19c1の始点位置(開放位置)から挿入し、センサホルダ19内面の小径側へ向けて軸方向に移動させる(図6(a),(b)の矢印a参照)。そして、係合突起14cが導入部19c1の終端に到ると、外装樹脂14を回転させることによって係合突起14cを締め付け部19c2に沿って周方向に移動させる(図6(a),(b)の矢印b参照)。外装樹脂14は、係合突起14cが締め付け部19c2を通る過程で締め付け部19c2の傾斜によりセンサホルダ19の小径側へ押し込まれ、当該内面に強く圧接される。その後、係合突起14cが締め付け部19c2の終端から保持部19c3内に入り込むことによって、外装樹脂14の軸方向の移動が規制されるとともに回り止めがなされる。
【0042】
したがって、本実施の形態においても、センサホルダ19に外装樹脂14を密着させた状態で外装樹脂14の軸方向への移動を規制することができ、センサホルダ19に対する温度センサ10の外れを防止するとともに、センサホルダ19と温度センサ10との間に水分が浸入するのを防止することができる。
【0043】
本発明は、前記実施の形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
例えば、センサホルダ19は金属製に限られず、外装樹脂14よりも線膨張係数が高い硬質合成樹脂等により形成することができる。
また、本発明のセンサ組立体1のセンサ10は、温度センサに限定されず、例えば、LEDやフォトダイオード等の光学素子を用いて液体の表面位置を検出する液面センサや、その他のセンサにも適用することができる。特に、本発明は、温度変化が激しい環境で使用されるセンサに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 センサ組立体
10 温度センサ
13 センサ素子
14 外装樹脂
14a 雄ねじ(係合部)
14b 頭部
14c 係合突起(係合部)
19 センサホルダ
19a 雌ねじ(被係合部)
19c 係合溝(被係合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物(17)に固定される筒形状のセンサホルダ(19)と、
センサ素子(13)を外装樹脂(14)により包囲することによって構成され、前記センサホルダ(19)の内部に着脱可能に取り付けられるセンサ(10)とを備え、
前記センサホルダ(19)の内面には被係合部(19a、19c)が設けられ、
前記外装樹脂(14)の外面には、前記被係合部(19a,19c)に係脱可能に係合して、当該外面を前記センサホルダ(19)の内面に密着させるとともに当該センサホルダ(19)に対する前記センサ(10)の軸方向への移動を規制する係合部(14a,14c)が設けられていることを特徴とするセンサ組立体。
【請求項2】
前記被係合部(19a)が雌ねじであり、
前記係合部(14a)が、前記雌ねじ(19a)に螺合する雄ねじである請求項1に記載のセンサ組立体。
【請求項3】
前記雌ねじ(19a)及び雄ねじ(14a)がテーパーねじである請求項2に記載のセンサ組立体。
【請求項4】
前記外装樹脂(14)には、ねじ回し工具の当たり面(14b)が形成されている請求項2又は3に記載のセンサ組立体。
【請求項5】
前記外装樹脂(14)には、低熱膨張性のフィラーが添加されている請求項1〜4のいずれかに記載のセンサ組立体。
【請求項6】
前記センサホルダ(19)の軸方向両端が開放している請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−27466(P2011−27466A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171232(P2009−171232)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】