説明

センサ装置

【課題】ハウジングの回転軸と円弧状の中継ターミナル部材の中心軸の軸ずれを小さくする。
【解決手段】複数の中継ターミナル200のうち最外部に位置する最外部中継ターミナルに3つの突出片200bを設け、突出片200bの外周面をモールド樹脂層201よりも径方向外側に突出させる。そして、ハウジング12を治具40に固定した後に、突出片200bの外周面を治具40のガイド面44に当接させた状態で、中継ターミナル部材20をシールドカバー18側に向かって移動させて、中継ターミナル部材20をシールドカバー18に固定する。このように、3つの突出片200bの外周面をガイド面44に当接させて中継ターミナル部材20を位置決めすることにより、ハウジング回転軸Xと中継ターミナル部材20の中心軸の軸ズレを小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量に応じた電気信号を出力するセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に噴射される燃料の圧力を検出するセンサ装置を、インジェクタのボデーに螺子締結するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようにセンサ装置を螺子締結する構造では、センサ装置を回転させて螺子締結が完了した時点において、インジェクタボデーに対するセンサ装置の回転方向位置は特定の位置に定まらない。そのため、モールドICから取り出された複数のセンサターミナルは回転方向位置が不特定となる。
【0004】
一方、インジェクタボデーに取り付けられるコネクタは、インジェクタボデーのうち特定の所定位置に取り付けられることを要するので、インジェクタボデーに配置されたコネクタの複数のターミナル(以下、入出力ターミナルという)と、回転方向位置が不特定な複数のセンサターミナルとを電気接続することは困難となる。換言すれば、螺子締結完了時点でセンサターミナルが入出力ターミナルと対向するピンポイント位置となるよう螺子締結することは困難である。
【0005】
そこで、特許文献1に示されたセンサ装置は、図7に示すように、インジェクタボデーに螺合されるハウジング90を備え、このハウジング90の一端側にモールドIC91を配置し、モールドIC91における反ハウジング側に中継ターミナル部材92を配置している。
【0006】
この中継ターミナル部材92は、モールドIC91のセンサターミナル93と出力側ターミナル部材の出力側ターミナル94とを中継するための複数の中継ターミナル95をモールド成形して一体化したものである。複数の中継ターミナル95のうち1つを除いては円弧状の部分を有しており、それらの中継ターミナル95は同心円状に配置されている。
【0007】
また、センサ装置は、短冊状の複数の出力側ターミナル94を平行に並べて配置してモールド成形により一体化した出力側ターミナル部材を備えている。
【0008】
そして、ハウジング90、モールドIC91、および中継ターミナル部材92を一体化した後にそれらをインジェクタボデーに螺子締結する。続いて、中継ターミナル部材92における反ハウジング側に出力側ターミナル部材を配置し、中継ターミナル95と出力側ターミナル94とがハウジング90の回転軸方向に重なった部位でそれらを溶接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−242574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のセンサ装置は、一般的には、構成部品であるハウジング90、モールドIC91、および中継ターミナル部材92の相互の相対的な位置決めをして接着剤で固定される。この際、中継ターミナル部材92におけるモールド樹脂層の外周面を基準にして、ハウジング90に対する中継ターミナル部材92の位置決めをしている。
【0011】
しかしながら、樹脂は寸法精度が低いため、モールド樹脂層の外周面を基準にすると、中継ターミナル部材92の中心軸と中継ターミナル95の中心軸の同軸度(軸ずれ)が大きくなってしまう。そのため、中継ターミナル95と入出力ターミナル94との重なり部位が所定の範囲から外れてしまい、中継ターミナル95と入出力ターミナル94を溶接することができないという問題があった。
【0012】
また、視覚装置等により中継ターミナル部材92の位置を特定し、それに合わせて出力側ターミナル部材を位置決めすることも可能であるが、その場合は、視覚装置等の大掛かりな設備が必要であると共に、中継ターミナル部材92の位置特定作業が容易ではないという問題があった。
【0013】
本発明は上記点に鑑みて、ハウジングの回転軸と中継ターミナル部材の中心軸の軸ずれを小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、被取り付け部材(10)に螺合されるハウジング(12)と、ハウジング(12)の一端側に配置され、信号処理用の電子部品(160)を樹脂にて封止したモールドIC(16)と、モールドIC(16)における反ハウジング側に配置され、モールドIC(16)と電気的に接続される金属製の複数の中継ターミナル(200)をモールド樹脂により一体化した中継ターミナル部材(20)と、中継ターミナル部材(20)における反ハウジング側に配置され、中継ターミナル(200)と電気的に接続される複数の出力側ターミナル(221)をモールド樹脂により一体化した出力側ターミナル部材(22)とを備え、物理量に応じた電気信号を出力するセンサ装置であって、複数の出力側ターミナル(221)は、短冊状で平行に配置されており、複数の中継ターミナル(200)は、出力側ターミナル(221)と電気的に接続される円弧状の接続部が同心円状に配置されており、中継ターミナル(200)のうち最外部に位置する最外部中継ターミナルの外周面は、中継ターミナル部材(20)におけるモールド樹脂層(201)よりも径方向外側に突出するとともに、中継ターミナル部材(20)の中心軸と同軸に形成されていることを特徴とする。
【0015】
これによると、一般的に金属は樹脂よりも寸法精度が高いため、金属製の最外部中継ターミナルの外周面を基準にして中継ターミナル部材を位置決めすることにより、モールド樹脂層の外周面を基準にして中継ターミナル部材を位置決めする場合と比較して、ハウジングの回転軸と中継ターミナル部材の中心軸の軸ずれを小さくすることができる。
【0016】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るセンサ装置を備えるインジェクタの要部を示す正面断面図である。
【図2】出力側第1ターミナル部材を組み付ける前の状態を示すインジェクタの平面図である。
【図3】出力側第1ターミナル部材を組み付けた後の状態を示すインジェクタの平面図である。
【図4】(a)は図1のセンサ装置を示す正面断面図、(b)は(a)における中継ターミナル部材単体を示す平面図である。
【図5】(a)は図1の出力側第1ターミナル部材単体を示す平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図6】(a)は図1のセンサ装置および組み付け治具を示す正面断面図、(b)は(a)の平面図である。
【図7】(a)は従来のセンサ装置を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について説明する。図1は一実施形態に係るセンサ装置を備えるインジェクタの要部を示す正面断面図、図2は出力側第1ターミナル部材を組み付ける前の状態を示すインジェクタの平面図、図3は出力側第1ターミナル部材を組み付けた後の状態を示すインジェクタの平面図、図4(a)は図1のセンサ装置を示す正面断面図、図4(b)は図4(a)における中継ターミナル部材単体を示す平面図、図5(a)は図1の出力側第1ターミナル部材単体を示す平面図、図5(b)は図5(a)のA−A線に沿う断面図、図6(a)は図1のセンサ装置および組み付け治具を示す正面断面図、図6(b)は図6(a)の平面図である。
【0019】
図1、図4に示すように、インジェクタは、コモンレール(図示せず)から供給される高圧燃料をディーゼル内燃機関の気筒内に噴射するものであり、被取り付け部材としての金属製のインジェクタボデー10には、高圧燃料が流通する高圧通路100、および高圧通路100から分岐した分岐通路101が形成されている。
【0020】
インジェクタボデー10の上端には、鍔付き円筒状の金属製のハウジング12が螺合されている。このハウジング12は、インジェクタボデー10に螺合するための雄ねじ部120、および分岐通路101を介して導かれる燃料の圧力に応じて変形する薄肉部121を備えている。
【0021】
薄肉部121には、薄肉部121の変形に応じて(換言すると、高圧通路100の燃料圧力に応じて)抵抗値が変化するセンサ部14が貼付されている。
【0022】
ハウジング12におけるハウジング回転軸X方向の一端側には、薄肉部121およびセンサ部14を囲むようにしてモールドIC16が配置されている。このモールドIC16は、センサ部14の抵抗値変化に基づいて圧力に応じた電気信号を出力する電子部品としての信号処理回路用IC160、信号処理回路用IC160と電気的に接続されたリードフレーム161等を備えている。信号処理回路用IC160およびリードフレーム161は、電気絶縁性に富む樹脂よりなるモールド樹脂層162にて封止されている。そして、リードフレーム161の一部であるセンサターミナル163が、モールド樹脂層162の外周側面から突出している。
【0023】
モールドIC16における反ハウジング側には、電気ノイズを遮断するための金属板よりなるシールドカバー18が配置されている。また、シールドカバー18における反ハウジング側には、複数の中継ターミナル200を有する中継ターミナル部材20が配置されている。なお、モールドIC16とシールドカバー18は接着剤にて接合され、シールドカバー18と中継ターミナル部材20も接着剤にて接合される。
【0024】
中継ターミナル部材20における反ハウジング側には、複数の第1ターミナルを有する第1ターミナル部材22が配置され、第1ターミナル部材22における反ハウジング側には、複数の第2ターミナルを有する第2ターミナル部材24が配置され、さらに、第2ターミナル部材24における反ハウジング側には、電気絶縁性に富む樹脂よりなる略円筒状の絶縁部材26が配置されている。また、絶縁部材26の貫通孔260内を複数のリード線28が貫通している。さらに、貫通孔260とリード線28との間は、ゴムにて円筒状に形成された防水部材29にてシールされている。
【0025】
インジェクタボデー10の一端には、円筒状のカバー30が螺合されており、カバー30の開口端部に円板状のキャップ32が圧入固定されている。そして、インジェクタボデー10、カバー30およびキャップ32にて囲まれた空間に、ハウジング12やモールドIC16等が収容されている。
【0026】
図2、図4に示すように、中継ターミナル部材20は、モールド樹脂よりなるモールド樹脂層201を備え、導電性金属よりなる4つの中継ターミナル200をモールド成形して一体化したものであり、板状になっている。
【0027】
4つの中継ターミナル200は、モールド成形するまでは図4(b)に1点鎖線で示す連結部200aで連結されており、モールド成形後に連結部200aが切断除去されて、4つに分離される。
【0028】
4つの中継ターミナル200は、一端部(連結部200a側)がモールド樹脂層201の外周側面から突出しており、それらの一端部がモールドIC16のセンサターミナル163と溶接されている。
【0029】
4つの中継ターミナル200のうち3つの中継ターミナル200は、ハウジング回転軸X周りに同心円状に配置された円弧状の接続部を備え、その円弧状接続部がモールド樹脂層201の一端面側に露出している。4つの中継ターミナル200のうち1つの中継ターミナル200は、ハウジング回転軸X中心に配置された略矩形状の部位を備え、その矩形状部位がモールド樹脂層201の一端面側に露出している。
【0030】
4つの中継ターミナル200のうち最外部に位置する最外部中継ターミナル200は、円弧状接続部の外周面から径方向外側に向かって突出する突出片200bが一体に形成されている。この突出片200bは、中継ターミナル部材20の周方向に沿って複数個(本例では3個)設けられている。
【0031】
そして、突出片200bの円弧状の外周面は、モールド樹脂層201よりも径方向外側に突出するとともに、中継ターミナル部材20の中心軸と同軸になるように形成されている。より詳細には、これらの突出片200bの外周面に外接する円の中心軸と中継ターミナル部材20の中心軸の同軸度は充分小さく設定されている。
【0032】
図3、図5に示すように、第1ターミナル部材22は、モールド樹脂よりなるモールド樹脂層220を備え、導電性金属よりなる4つの第1ターミナル221をモールド成形して一体化したものである。モールド樹脂層220は、板状であり、中央部には矩形状の開口部222が形成されている。
【0033】
4つの第1ターミナル221は、細長い薄板をプレス成形した短冊状で、平行に配置されている。第1ターミナル221における長手方向の中間部が開口部222内に位置しており、その中間部には、中継ターミナル200における円弧状接続部や略矩形状部位に向けて突出した凸部223が成形されている。そして、この凸部223が、中継ターミナル200における円弧状接続部や略矩形状部位と溶接されている。
【0034】
また、各第1ターミナル221における長手方向のいずれか一方の端部は、モールド樹脂層220から突出している。この長手方向に突出した側の端部224を、以下、突出端部224という。
【0035】
図1に示すように、第2ターミナル部材24は、モールド樹脂よりなるモールド樹脂層240を備え、導電性金属よりなる4つの第2ターミナル241をモールド成形して一体化したものである。
【0036】
第2ターミナル241は、L字状になっており、両端部がモールド樹脂層240から突出している。そして、第2ターミナル241の一端側は、第1ターミナル221の突出端部224と溶接され、第2ターミナル241の他端側は、リード線28と電気的に接続されている。
【0037】
すなわち、信号処理回路用IC160は、センサターミナル163、中継ターミナル部材20、第1ターミナル部材22、および第2ターミナル部材24を介して、複数のリード線28と電気的に接続されている。これらのリード線28は、信号処理回路用IC160の電源用、接地用、センサ信号をエンジン制御用ECUに出力するセンサ信号出力用等に利用される。
【0038】
次に、ハウジング12やモールドIC16等のインジェクタボデー10への組み付け手順について説明する。
【0039】
まず、センササブアッシーを準備する。具体的には、ハウジング12の薄肉部121にセンサ部14を貼付する。続いて、モールドIC16をハウジング12に接着剤にて固定した後に、センサ部14とモールドIC16の信号処理回路用IC160とをボンディングワイヤにて接続する。
【0040】
続いて、シールドカバー18をモールドIC16に接着剤にて固定し、さらに中継ターミナル部材20をシールドカバー18に接着剤にて固定する。
【0041】
ここで、中継ターミナル部材20をシールドカバー18に固定する際の組み付け方法を、図6にて説明する。
【0042】
図6に示す治具40は、本体部41と、この本体部41から突出したガイド部42とを有している。本体部41には、ハウジング12の雄ねじ部120が螺合される雌ねじ部42が形成されている。ガイド部42には、最外部中継ターミナル200の突出片200bの外周面が当接するガイド面44が形成されている。ガイド面44は、突出片200bの外周面に外接する円と等しい半径の円弧になっている。また、ガイド面44の円弧の中心軸と雌ねじ部42の中心軸の同軸度は充分小さく設定されている。
【0043】
そして、ハウジング12の雄ねじ部120を雌ねじ部42に螺合させて、センサ部14、モールドIC16およびシールドカバー18が一体化されたハウジング12を治具40に固定する。続いて、シールドカバー18における反ハウジング側の面に接着剤を塗布する。
【0044】
続いて、3つの突出片200bの外周面をガイド面44に当接させた状態で、中継ターミナル部材20をシールドカバー18側に向かって移動させて、中継ターミナル部材20をシールドカバー18に固定する。
【0045】
このように、樹脂よりも寸法精度が高い金属性の最外部中継ターミナル200の外周面を基準にして、中継ターミナル部材20を位置決めすることにより、金属加工公差レベルの位置精度出しが可能となり、雌ねじ部42の中心軸(すなわちハウジング回転軸X)と中継ターミナル部材20の中心軸の軸ズレを小さくすることができる。
【0046】
続いて、中継ターミナル200とセンサターミナル163とを溶接して、センササブアッシーが完成する。センササブアッシーは、完成後治具40から取り外す。
【0047】
また、センササブアッシーの準備と並行して、リード線サブアッシーを準備する。具体的には、出力側第2ターミナル部材24、リード線28および防水部材29を一体化し、キャップ32と絶縁部材26を一体化する。そして、リード線28をカバー30に通し、さらに、リード線28を絶縁部材26の貫通孔260に通したものが、リード線サブアッシーである。
【0048】
次に、センササブアッシーにおけるハウジング12の雄ねじ部120をインジェクタボデー10に螺合して、センササブアッシーをインジェクタボデー10に取り付ける。
【0049】
続いて、ハウジング12の回転軸Xを基準にして第1ターミナル部材22の位置決めを行いつつ、センササブアッシーにおける中継ターミナル部材20の上に第1ターミナル部材22を重ね、中継ターミナル200と第1ターミナル221の凸部223を溶接する。
【0050】
ここで、前述したように、ハウジング回転軸Xと中継ターミナル部材20の中心軸の軸ずれを小さくすることができるため、ハウジング回転軸Xを基準にして第1ターミナル部材22の位置決めを行えば、中継ターミナル部材20と第1ターミナル部材22との軸ずれを小さくすることができる。その結果、第1ターミナル221の凸部223を中継ターミナル200に確実に対向させることができる。
【0051】
続いて、第1ターミナル221の上にリード線サブアッシーにおける第2ターミナル部材24を重ね、第1ターミナル221と第2ターミナル241とを溶接する。
【0052】
続いて、センササブアッシー、第1ターミナル部材22、およびリード線サブアッシーを、インジェクタボデー10に取り付けた状態のまま、樹脂にて二次成形する。
【0053】
続いて、カバー30をインジェクタボデー10に螺合して、カバー30をインジェクタボデー10に取り付ける。
【0054】
続いて、絶縁部材26をカバー30に圧入して、キャップ32と絶縁部材26をカバー30に組み付けるとともに、絶縁部材26の貫通孔260に防水部材29を挿入する。以上により、ハウジング12やモールドIC16等のインジェクタボデー10への組み付けが完了する。
【0055】
本実施形態によると、金属製の最外部中継ターミナル200の外周面(すなわち3つの突出片200bの外周面)をガイド面44に当接させて中継ターミナル部材20を位置決めするため、ハウジング回転軸Xと中継ターミナル部材20の中心軸の軸ずれを小さくすることができる。したがって、中継ターミナル部材20と第1ターミナル部材22との軸ずれを小さくすることができ、ひいては、第1ターミナル221の凸部223を中継ターミナル200に確実に対向させることができる。
【0056】
なお、上記実施形態においては、本体部41とガイド部42が一体化された治具40を用いたが、本体部41とガイド部42が別体の治具40を用いることもできる。具体的には、本体部41およびガイド部42のうち一方にピンを設けるとともに、他方に孔を形成した治具、或いは、ガイド部42が本体部41に対して雌ねじ部42の中心軸方向にスライド可能な治具を用いる。
【0057】
前者の治具の場合、ハウジング12を本体部41に螺合させた後に、ピンを孔に挿入してガイド部42を本体部41の所定位置にセットし、続いて、3つの突出片200bの外周面をガイド面44に当接させた状態で、中継ターミナル部材20をシールドカバー18側に向かって移動させて、中継ターミナル部材20をシールドカバー18に固定する。これによると、ハウジング12を本体部41に螺合させる際の作業性がよくなる。
【0058】
また、後者の治具の場合、ガイド部42を本体部41から離れた位置にスライドさせた状態でハウジング12を本体部41に螺合させ、その後に、ガイド部42を本体部41側にスライドさせて所定位置にセットし、続いて、3つの突出片200bの外周面をガイド面44に当接させた状態で、中継ターミナル部材20をシールドカバー18側に向かって移動させて、中継ターミナル部材20をシールドカバー18に固定する。これによると、ハウジング12を本体部41に螺合させる際の作業性がよくなる。
【0059】
なお、上記実施形態では、本発明をインジェクタに適用したが、本発明はインジェクタ以外にも適用することができる。
【0060】
また、上記実施形態では、圧力を検出するセンサ装置を示したが、本発明は圧力以外の物理量を検出するセンサ装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 インジェクタボデー(被取り付け部材)
12 ハウジング
16 モールドIC
20 中継ターミナル部材
22 出力側ターミナル部材
160 信号処理回路用IC(電子部品)
200 中継ターミナル
201 モールド樹脂層
221 第1ターミナル(出力側ターミナル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取り付け部材(10)に螺合されるハウジング(12)と、
前記ハウジング(12)の一端側に配置され、信号処理用の電子部品(160)を樹脂にて封止したモールドIC(16)と、
前記モールドIC(16)における反ハウジング側に配置され、前記モールドIC(16)と電気的に接続される金属製の複数の中継ターミナル(200)をモールド樹脂により一体化した中継ターミナル部材(20)と、
前記中継ターミナル部材(20)における反ハウジング側に配置され、前記中継ターミナル(200)と電気的に接続される複数の出力側ターミナル(221)をモールド樹脂により一体化した出力側ターミナル部材(22)とを備え、
物理量に応じた電気信号を出力するセンサ装置であって、
前記複数の出力側ターミナル(221)は、短冊状で平行に配置されており、
前記複数の中継ターミナル(200)は、前記出力側ターミナル(221)と電気的に接続される円弧状の接続部が同心円状に配置されており、
前記中継ターミナル(200)のうち最外部に位置する最外部中継ターミナルの外周面は、前記中継ターミナル部材(20)におけるモールド樹脂層(201)よりも径方向外側に突出するとともに、前記中継ターミナル部材(20)の中心軸と同軸に形成されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記最外部中継ターミナルは、前記円弧状の接続部から径方向外側に向かって突出し且つ前記中継ターミナル部材(20)の周方向に沿って複数個配置された突出片(200b)を備え、
前記突出片(200b)の外周面が、前記中継ターミナル部材(20)におけるモールド樹脂層(201)よりも径方向外側に突出していることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記突出片(200b)を、3個以上備えることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記被取り付け部材(10)は、内燃機関に燃料を噴射するインジェクタのボデーであり、
前記物理量は、前記ボデー(10)内を流通する燃料の圧力であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−215509(P2012−215509A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81941(P2011−81941)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】