説明

センサ

【課題】耐熱性を向上させることができるセンサを提供する。
【解決手段】実施の形態に係る電流センサ1は、図1(a)及び(b)に示すように、主に、磁場を検出して検出信号を出力し、端子51〜端子53を有するセンサIC2と、センサIC2と電気的に接続する第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102と、センサIC2、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102を一体とする本体10と、本体10に形成され、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサIC2の少なくとも1つの端子、が露出する開口13と、開口13に露出する第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサICの少なくとも1つの端子、のそれぞれと電気的に接続するセンサ側コネクタ5の端子51〜端子53と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、検出対象の電流に基づいて発生する磁束を収束させるコアと、コアにより収束された磁束の量に応じた電気信号を出力するホール素子と、ホール素子が設けられた回路基板と、を備えた電流センサが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この回路基板には、さらに、ホール素子の出力信号を増幅する増幅回路と、コンデンサ、ツェナーダイオード等から構成された保護素子と、が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−19586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の車両は、駆動系のハイブリッド化に伴い、半導体装置を流れる電流の電流値が増大する傾向にある。この電流値の増大に伴って、半導体装置の発熱量が増大するため、半導体装置の耐熱性の向上が課題となっている。一方、耐熱性が高い高鉛はんだを回路基板の配線と電子部品との結合に用いる場合、半導体装置の発熱量が増えるに従い、部材間の熱膨張差に伴う熱歪が大きくなり、その歪みを高鉛はんだが吸収するため、熱疲労寿命が急激に低下する問題があった。また、欧州におけるRoHS指令により、鉛を含むはんだの使用が禁止されていることもあり、半導体装置の製造において、はんだによる結合以外の結合方法を用いる必要がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、耐熱性を向上させることができるセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、物理量を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有するセンサICと、センサICと電気的に接続する複数のリードフレームと、センサIC及び複数のリードフレームを一体とする本体と、本体に形成され、複数のリードフレーム、及びセンサICの少なくとも1つの端子が露出する開口と、開口に露出する複数のリードフレーム、及びセンサICの少なくとも1つの端子のそれぞれと電気的に接続する複数の導体と、を備えたセンサを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐熱性を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、実施の形態に係る電流センサの斜視図であり、(b)は、センサ側コネクタを取り外した状態での電流センサの斜視図である。
【図2】図2(a)は、実施の形態に係るセンサIC、センサ側コネクタ及び第1のリードフレームの結合を説明するための側面図であり、(b)は、センサIC、センサ側コネクタ及び第2のリードフレームの結合を説明するための側面図であり、(c)は、センサIC及びセンサ側コネクタの結合を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るセンサは、物理量を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有するセンサIC(Integrated Circuit)と、センサICと電気的に接続する複数のリードフレームと、センサIC及び複数のリードフレームを一体とする本体と、本体に形成され、複数のリードフレーム、及びセンサICの少なくとも1つの端子が露出する開口と、開口に露出する複数のリードフレーム、及びセンサICの少なくとも1つの端子のそれぞれと電気的に接続する複数の導体と、を備える。
【0011】
このセンサは、センサIC、リードフレーム、及び導体が、基板を介さずに電気的に接続される。従って、センサの耐熱性は、はんだの耐熱性に依存しないので、向上する。
【0012】
以下では、本実施の形態に係るセンサを電流センサとして用いた場合について説明する。なお、本実施の形態に係るセンサは、一例として、加速度を検出する加速度センサ、速度を検出する速度センサ、光を検出する光センサ等のセンサであっても良く、これに限定されない。
【0013】
[実施の形態]
(電流センサ1の構成)
図1(a)は、実施の形態に係る電流センサの斜視図であり、(b)は、センサ側コネクタを取り外した状態での電流センサの斜視図である。なお、実施の形態に係る各図において、部品と部品との比率は、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
電流センサ1は、一例として、車両のモータ及びバッテリ等に流れる電流の大きさを検出するために用いられる。本実施の形態に係る電流センサ1は、車両のモータに流れる電流を検出するものとする。
【0015】
本実施の形態に係る電流センサ1は、図1(a)及び(b)に示すように、主に、物理量としての磁場を検出して検出信号を出力し、端子51〜端子53を有するセンサIC(Integrated Circuit)2と、センサIC2と電気的に接続する第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102と、センサIC2、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102を一体とする本体10と、本体10に形成され、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサIC2の少なくとも1つの端子、が露出する開口13と、開口13に露出する第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサICの少なくとも1つの端子、のそれぞれと電気的に接続する複数の導体としてのセンサ側コネクタ5の端子51〜端子53と、を備える。
【0016】
また、電流センサ1は、例えば、さらにセンサIC3を備え、本体10には、センサIC3に対応する開口14が形成されている。この開口14には、例えば、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサIC3の端子31〜端子33が露出している。
【0017】
本実施の形態に係る電流センサ1は、例えば、2つのセンサICを備えることにより冗長性を持たせる、所謂、2重系のセンサとして構成されている。なお、本実施の形態では、電流センサ1は、2つのセンサIC2及びセンサIC3を搭載しているが、これに限定されず、センサICが1つであっても、2つより多くても良い。
【0018】
・本体10の構成
本体10は、例えば、図1(a)及び(b)に示すように、細長い板形状を有している。本体10は、例えば、センサIC2、センサIC3、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102を一体化したものであり、溶融樹脂を射出成形するインサート成形により、外形が矩形状となるように形成される。この溶融樹脂は、例えば、絶縁性及び耐湿性に優れる材料が好ましく、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等が用いられる。
【0019】
また、本体10には、例えば、図1(b)に示すように、センサ側コネクタ5及びセンサ側コネクタ6の設置位置に合わせて開口13及び開口14が形成されている。
【0020】
開口13は、例えば、本体10の短手方向に細長い矩形状を有し、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、センサIC2の端子21〜端子23が露出している。
【0021】
具体的には、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、図1(b)に示すように、開口13の長手方向の対向する側面130及び側面131から開口13に露出している。また、センサIC2の端子21〜端子23は、例えば、センサIC2側の側面131から開口13に露出している。この第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、センサIC2の端子21及び端子22の間隔に応じた間隔で並び、第1のリードフレーム101と端子21が重なり合い、第2のリードフレーム102と端子22が重なり合っている。なお、開口13は、センサ側コネクタ5が嵌り込むような形状であっても良い。
【0022】
また、開口14は、例えば、本体10の短手方向に細長い矩形状を有し、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、センサIC3の端子31〜端子33が露出している。
【0023】
具体的には、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、図1(b)に示すように、開口14の長手方向の対向する側面140及び側面141から開口14に露出している。また、センサIC3の端子31〜端子33は、例えば、センサIC3側の側面141から開口14に露出している。この第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、センサIC3の端子31及び端子32の間隔に応じた間隔で並び、第1のリードフレーム101と端子31が重なり合い、第2のリードフレーム102と端子32が重なり合っている。なお、開口14は、センサ側コネクタ6が嵌り込むような形状であっても良い。
【0024】
ここで、本実施の形態の変形例として、センサIC2、センサIC3、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、溶接されてからインサート成形されても良い。この場合、例えば、センサIC2の端子21及び端子22、並びにセンサIC3の端子31及び端子32は、開口13及び開口14に露出させる必要はない。
【0025】
・ワイヤーハーネス4の構成
電流センサ1は、例えば、ワイヤーハーネス4を介して車両のECU(Electronic Control Unit)と電気的に接続されている。このワイヤーハーネス4は、例えば、センサ側コネクタ5、センサ側コネクタ6、車両側コネクタ7、及び配線80〜配線83を備えて概略構成されている。
【0026】
センサ側コネクタ5は、例えば、端子51〜端子53を備えている。この端子51〜端子53は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。また、端子51〜端子53は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。この端子51〜端子53は、例えば、板形状を有するが、これに限定されず、円柱形状等であっても良い。
【0027】
端子51〜端子53は、例えば、その先端がクランク形状におよそ90度曲げられている。この曲げられた先端部分が、開口13に露出する第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、及びセンサIC2の端子23と電気的に接続する。
【0028】
また、端子51は、例えば、配線80と電気的に接続している。端子52は、例えば、配線81と電気的に接続している。端子53は、例えば、配線82と電気的に接続している。
【0029】
端子51(第1の導体)は、一例として、配線80及び車両側コネクタ7を介して接地回路と電気的に接続している。従って、センサIC2及びセンサIC3は、例えば、第1のリードフレーム101を介して接地されている。
【0030】
端子52(第2の導体)は、一例として、車両側コネクタ7及び配線81を介して電圧が供給される。従って、センサIC2及びセンサIC3は、例えば、第2のリードフレーム102を介して電圧が供給される。なお、上記の例に限定されず、端子52が接地され、端子51を介して電圧が供給されていても良く、電流センサ1の用途に応じて自由に変更可能である。
【0031】
端子53は、例えば、配線82及び車両側コネクタ7を介して車両のECUと電気的に接続されている。センサIC2は、例えば、端子23、端子53、配線82及び車両側コネクタ7を介して検出信号を出力する。
【0032】
センサ側コネクタ6は、例えば、端子61を備えている。この端子61は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。また、端子61は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。この端子61は、例えば、板形状を有するが、これに限定されず、円柱形状等であっても良い。
【0033】
端子61は、例えば、その先端がクランク形状におよそ90度曲げられている。この曲げられた先端部分が、開口14に露出するセンサIC3の端子33と電気的に接続する。
【0034】
また、端子61は、例えば、配線83と電気的に接続している。この端子61は、例えば、配線83及び車両側コネクタ7を介して車両のECUと電気的に接続されている。従って、センサIC3は、例えば、端子33、端子61、配線83及び車両側コネクタ7を介して検出信号を出力する。
【0035】
・センサIC2及びセンサIC3の構成
図2(a)は、実施の形態に係るセンサIC、センサ側コネクタ及び第1のリードフレームの結合を説明するための側面図であり、(b)は、センサIC、センサ側コネクタ及び第2のリードフレームの結合を説明するための側面図であり、(c)は、センサIC及びセンサ側コネクタの結合を説明するための側面図である。以下において、センサICの構成は、例えば、センサIC2及びセンサIC3が同じ構成であることから、主に、センサIC2を例に取って説明する。
【0036】
センサIC2は、例えば、検出対象である電流に基づいて発生する磁場に応じて検出信号を出力する磁気検出素子200と、磁気検出素子200から出力された検出信号に増幅等の処理を行う周辺回路部201と、端子21〜端子23と、を共にエポキシ樹脂等を用いて封止して形成される。
【0037】
また、センサIC3は、例えば、図示しない磁気検出素子及び周辺回路部と、端子31〜端子33と、を共にエポキシ樹脂等を用いて封止して形成される。
【0038】
なお、磁気検出素子200は、例えば、ホール素子、MR素子(Magneto Resistive Device)等の磁場の強さに応じた検出信号を出力する素子である。本実施の形態に係るセンサIC2及びセンサIC3に使用される磁気検出素子は、一例として、ホール素子である。
【0039】
センサIC2の端子21〜端子23は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。また、端子21〜端子23は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。この端子21〜端子23は、例えば、板形状を有するが、これに限定されず、円柱形状等であっても良い。
【0040】
端子21〜端子23は、例えば、その先端がクランク形状におよそ90度曲げられている。この曲げられた先端部分が、開口13に露出する。なお、センサIC3の端子31〜端子33は、例えば、センサICの端子21〜端子23と同材料、同形状である。
【0041】
センサIC2の一の端子とセンサ側コネクタ5の一の端子が、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102のいずれかのリードフレーム(一のリードフレーム)と重なり合う部分に、溶接により両者が結合した結合部が形成される。
【0042】
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、センサIC2の端子21(第1の端子)の先端部210は、第1のリードフレーム101と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図2(a)に示すように、端子21の先端部210と第1のリードフレーム101が重なり合う部分に結合部101aが形成される。
【0043】
また、センサIC2の端子22(第2の端子)の先端部220は、例えば、図2(b)に示すように、第2のリードフレーム102と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図2(b)に示すように、端子22の先端部220と第2のリードフレーム102が重なり合う部分に結合部102aが形成される。
【0044】
また、センサIC3の端子31(第1の端子)の先端部は、例えば、第1のリードフレーム101と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、端子31の先端部と第1のリードフレーム101が重なり合う部分に図示を省略した結合部が形成される。
【0045】
さらに、センサIC3の端子32(第2の端子)の先端部は、例えば、第2のリードフレーム102と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、端子32の先端部と第2のリードフレーム102が重なり合う部分に図示を省略した結合部が形成される。
【0046】
センサ側コネクタ5の端子51(第1の導体)の先端部510は、例えば、図2(a)に示すように、第1のリードフレーム101と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図2(a)に示すように、端子51の先端部510と第1のリードフレーム101が重なり合う部分に結合部101bが形成される。この結合部101a及び結合部101bの形成により、センサIC2の端子21は、第1のリードフレーム101を介してセンサ側コネクタ5の端子51と電気的に接続される。
【0047】
また、センサ側コネクタ5の端子52(第2の導体)の先端部520は、例えば、図2(b)に示すように、第2のリードフレーム102と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図2(b)に示すように、端子52の先端部520と第2のリードフレーム102が重なり合う部分に結合部102bが形成される。この結合部102a及び結合部102bの形成により、センサIC2の端子22は、第2のリードフレーム102を介してセンサ側コネクタ5の端子52と電気的に接続される。
【0048】
センサIC2の端子23は、例えば、図2(c)に示すように、センサ側コネクタ5の端子53の先端部530と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図2(c)に示すように、端子23の先端部230と端子53の先端部530が重なり合う部分に結合部230aが形成される。この結合部230aの形成により、センサIC2の端子23は、センサ側コネクタ5の端子53と電気的に接続される。
【0049】
この結合部101a、結合部101b、結合部102a、結合部102b及び結合部230aは、溶接により、端子とリードフレーム、及び端子と端子、の両者が溶融して結合したナゲットが形成された部分である。従って、センサIC2の端子21〜端子23、センサIC3の端子31〜端子33、センサ側コネクタ5の端子51〜端子53、センサ側コネクタ6の端子61、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、熱膨張差が許容範囲となる程度にほぼ同じ材料から形成されることが好ましい。この溶接は、設置面11の反対側の面となる裏面12側から行われる。
【0050】
なお、溶接は、例えば、リードフレーム、センサICの端子、センサ側コネクタの端子の順に重ねて行われても良く、その順序は、製造工程に応じて変更可能である。
【0051】
・第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102の構成
第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、細長い板形状に形成されている。また、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。なお、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。なお、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、直線形状に形成されることが好ましい。第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102を直線形状とすることにより、電流センサ1の構成が簡単となり、製造コストを抑制することが可能となる。従って、本実施の形態においては、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102は、例えば、図1(b)に示すように、直線形状となるように構成されている。
【0052】
なお、リードフレームは、例えば、上記の実施の形態の数に限定されず、用途に応じて自由に変更可能である。
【0053】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る電流センサ1は、センサIC2、センサIC3、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、センサ側コネクタ5、及びセンサ側コネクタ6を溶接により電気的に接続するので、はんだを用いて回路基板にセンサICを取り付ける場合と比べて、耐熱性を向上させることができる。回路基板にセンサICを取り付ける場合、例えば、回路基板の配線、はんだ、及びセンサICの端子の材料が異なるため、その熱膨張差が大きくなる。そして、この熱膨張の差に起因する熱歪により、電流センサが故障する場合がある。しかし、本実施の形態に係る電流センサ1は、はんだではなく、溶接によりセンサIC2、センサIC3、第1のリードフレーム101、第2のリードフレーム102、センサ側コネクタ5、及びセンサ側コネクタ6を電気的に接続するので、耐熱性は、センサICの端子、センサ側コネクタの端子、及びリードフレームの材料の耐熱性に依存する。従って、センサICの端子、センサ側コネクタの端子、及びリードフレームの熱膨張差は、はんだを用いる場合と比べて小さいので、電流センサ1の耐熱性が向上することとなる。
【0054】
本実施の形態に係る電流センサ1は、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102を直線形状の材料により形成することができるので、電流センサ1の構成が簡単となり、製造コストを抑制することができる。
【0055】
本実施の形態に係る電流センサ1は、センサIC2及びセンサIC3を接地回路と電気的に接続するための導体として第1のリードフレーム101を用い、センサIC2及びセンサIC3に電圧を供給するための導体として第2のリードフレーム102を用いるので、電流センサ1の構成が簡単となり、製造コストを抑制することができる。また、電流センサ1は、2つより多い数のセンサICが搭載された場合、それらのセンサICの端子の1つを第1のリードフレーム101に電気的に接続することで接地することが可能となり、他の端子を第2のリードフレーム102に電気的に接続することで電圧が供給されるので、構成が簡単となり、製造コストを抑制することができる。
【0056】
本実施の形態に係る電流センサ1は、センサIC2、センサIC3、センサ側コネクタ5及びセンサ側コネクタ6、第1のリードフレーム101及び第2のリードフレーム102が溶接により接続されるので、接点不良等の導通不良が発生しない。
【0057】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…電流センサ、2、3…センサIC、4…ワイヤーハーネス、5…センサ側コネクタ、6…センサ側コネクタ、7…車両側コネクタ、10…本体、11…設置面、12…裏面、13、14…開口、21〜23…端子、31〜33…端子、51〜53…端子、61…端子、80〜83…配線、101…第1のリードフレーム、101a、101b…結合部、102…第2のリードフレーム、102a、102b、230a…結合部、130、131…側面、140、141…側面、200…磁気検出素子、201…周辺回路部、210、220、230、510、520、530…先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有するセンサICと、
前記センサICと電気的に接続する複数のリードフレームと、
前記センサIC及び前記複数のリードフレームを一体とする本体と、
前記本体に形成され、前記複数のリードフレーム、及び前記センサICの少なくとも1つの端子が露出する開口と、
前記開口に露出する前記複数のリードフレーム、及び前記センサICの前記少なくとも1つの端子のそれぞれと電気的に接続する複数の導体と、
を備えたセンサ。
【請求項2】
前記センサICの一の端子と前記複数の導体の一の導体が前記複数のリードフレームの一のリードフレームと重なり合う部分に、溶接により両者が結合した結合部が形成される請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記複数のリードフレームの第1のリードフレームは、前記複数の導体の第1の導体を介して接地され、
前記複数のリードフレームの第2のリードフレームは、前記複数の導体の第2の導体を介して電圧が供給される請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
複数のセンサICが前記本体に設置され、
前記複数のセンサICのそれぞれの第1の端子は、前記第1のリードフレームと電気的に接続し、
前記複数のセンサICのそれぞれの第2の端子は、前記第2のリードフレームと電気的に接続する請求項3に記載のセンサ。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−8846(P2013−8846A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140662(P2011−140662)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】