説明

センタコンソールボックス

【課題】 剛性を高め、リサイクル性、軽量化を図ったセンタコンソールボックスを提供する。
【解決手段】 収納ボックス2の片側部2a、2bと空気通路3の片側部3a、3bとを、連結リブ4を介して離間した状態に配して、一体成形により形成する。これを一対構成し、一体成形した片側部2a、3a,2b、3b同士を互いに重ね合わせた状態で連結することにより、収納ボックス2及び空気通路3の構造体を構成する。空気通路3は、収納ボックス2の底部から収納ボックス2の車両後方側に沿って配設し、空気通路3を流れる調温された空気の影響で収納ボックス3内に結露が生じるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアダクトを備えたセンタコンソールボックスに関する発明であり、特に、剛性を高めたセンタコンソールボックスに関するものである。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から運転席と助手席との間には、センタコンソールボックスが設けられている。また、車種によっては、運転席等の前席と前席後方に配された後部座席との間に、センタコンソールボックスを備えた車も存在する。センタコンソールボックスには、内部に各種の小間物を収納するための収納ボックスや、冷気や暖気といった調温された空気を後部座席の乗員に向けて供給する空気通路などが設けられている。
【0003】
センタコンソールボックスには、空調通路以外にもパーキングブレーキケーブルなどが内蔵されており、これらの内蔵された構造物を、車両走行時に加えられる衝撃などから保護することが求められる。更に、乗員によっては、駐車中にセンタコンソールボックスに腰掛けたりする場合がある。このように、センタコンソールボックスは、種々の使われ方をするのでその剛性を高めておくことが求められている。
【0004】
コンソールボックスの剛性を高めた構成としては、リアダクトを備えたセンタコンソール(特許文献1参照)やバッテリ搭載部のエネルギー吸収構造(特許文献2参照)などが提案されている。
【0005】
特許文献1に記載されたセンタコンソールは、別体に構成したコンソール本体部とリアダクトとを組み合わせることで構成されている。リアダクトは、中空体と板部材からなる複数の第2係合リブを外面に備えた構成になっている。コンソール本体部は、各第2係合リブをそれぞれ嵌合させる縦溝からなる複数の第1係合リブを内面に設けた構成になっている。
そして、複数の第2係合リブをコンソール本体部の下方からスライドさせながら、それぞれ第1係合リブに嵌合させる構成になっている。
【0006】
特許文献2に記載されたバッテリ搭載部は、バッテリを格納したセンタコンソールボックスを備えた構成になっており、センタコンソールボックスは、車体フロアに取り付けた衝撃吸収ダクト上に取付けられている。衝撃吸収ダクトは、アルミ押出材で形成されており、車体フロア上に取付けられている。そして、車体フロアとセンタコンソールボックスとは、衝撃吸収ダクトを介して車体上下方向に離間した状態に配されている。
【0007】
また、衝撃吸収ダクトは、車両前後方向に延在して配されており、センタコンソールボックス内に格納したバッテリを冷却するエアダクトとしての機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平08−295123号公報
【特許文献2】特開2009−35094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された発明では、リアダクト部から外方に突出した複数の第2係合リ
ブは、複数の板部材から構成されており、コンソール本体部の内面には、複数の第2係合リブをそれぞれ嵌合させる複数の第1係合リブが形成されている。そして、第1係合リブに第2係合リブを嵌合させて組み付けることにより、センタコンソールの剛性を高めている。
【0010】
しかし、第2係合リブを構成している板部材の固定端側における取付け強度や、第1係合リブの固定端側における取付け強度の問題、板部材や第1係合リブの板厚の問題に影響を受けて、センタコンソールの剛性をバランスよく高く構成しておくことはできない。例えば、板厚を厚く構成しておけば、センタコンソールの剛性を高めることは可能であるが、センタコンソールの重量は増大してしまうことになる。また、板厚を薄く構成しておけば、センタコンソールを軽量化させることはできるが、センタコンソールの剛性は低下してしまうことになる。
【0011】
また、特許文献1では、リアダクト部の製造方法についての説明は行われていないが、従来のセンタコンソールボックスは、空気通路をブロー成型によって成形している。ブロー成型によって成形した空気通路では、空気を流通させる気導体としての役割しか果たすことができない。同様に、収納ボックス、ヒンジブラケット等もそれぞれの役割だけを果たすように構成されているので、相互に有機的に結合した構成にはなっておらず、センタコンソールボックスを構成する構造体としては無駄が生じていた。
【0012】
特許文献2に記載された発明では、アルミ材で形成された衝撃吸収ダクトを用いているため、センタコンソールとしての重量が増大してしまい、センタコンソールの軽量化を図ることができない。また、衝撃吸収ダクト上にセンタコンソールボックスを載せて取り付ける構成になっているので、取付け部が車内に露呈することになり、意匠上の上からも問題を生じている。更に、衝撃吸収ダクト内を流れる調温された空気が、センタコンソールボックス内に流入する構成になっている。このため、センタコンソールボックス内には結露が生じてしまい、センタコンソールボックスを小間物等の収納ボックスとして使用することができない。
【0013】
本願発明は、これらの問題を解決することができ、剛性を高め、リサイクル性、軽量化を図ったセンタコンソールボックスの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明の課題は、請求項1〜5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では、収納ボックスとリアダクトの空気通路を有するセンタコンソールボックスであって、前記収納ボックスと前記空気通路とが、それぞれ幅方向に二分割されて構成され、二分割された前記収納ボックスの片側部と前記空気通路の片側部とが、連結リブを介して相互に離間した状態で一体的に成形され、
一体的に成形された前記収納ボックス及び前記空気通路の片側部に、車体への取付け用の取付け片が形成され、一対の前記収納ボックス及び前記空気通路の片側部材における分割面同士を重ね合わせた結合により、前記分割面に沿った前記空気通路が構成されてなり、前記収納ボックスと前記空気通路とは、互いに離間して断熱された状態に配設されてなることを最も主要な特徴としている。
【0015】
また、本願発明では、前記収納ボックスに対向する前記空気通路の面に断熱材が配されてなることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、前記分割面が、車両の前後方向に沿った面として構成され、前記空気通路は、前記収納ボックスの底部から前記収納ボックスの車両後方側に沿って配されてなり、
前記連結リブは、前記収納ボックスの底部から前記空気通路を離間させ車両の前後方向
に沿った第1リブと、前記収納ボックスの車両後方側において前記収納ボックスから前記空気通路を離間させる第2リブと、を有してなることを主要な特徴としている。
【0016】
更にまた、本願発明では、前記分割面が、車幅方向に沿った面として構成されてなることを主要な特徴としている。
また、本願発明では、コンソールリッドの回転中心軸を支承する支持部が、前記空気通路の上部に形成されてなることを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に係わるセンタコンソールボックスでは、幅方向に二分割された収納ボックス及び空気通路の片側部材は、一体に形成されており、これが一対設けられている。しかも、一対の片側部材同士は、相互の分割面同士を重ね合わせた状態で連結リブを介して連結することによって、センタコンソールボックスをボックス状に構成することができる。そして、取付け片を介してボックス状に構成したセンターコンソールボックスを車体に直接取り付けることができる。
【0018】
このように構成されているので、センタコンソールボックスをボックス状の構造として、車体に対して強固に取り付けておくことができる。しかも、一対の片側部材における分割面同士を重ね合わせた構成になっているので、センタコンソールボックスの剛性を大いに高めておくことができる。
【0019】
また、空気通路を収納ボックスから離間した状態に配するため、連結リブを用いておくことができる。そして、連結リブによって、収納ボックスと空気通路とを断熱させた状態に配することができる。この構成によって、空気通路内を流れる調温された空気の影響で収納ボックス内に結露が生じるのを防止できる。特に、空気通路を流れる冷気の影響で、空気通路に面した収納ボックスの底面や側面に結露が生じるのを防止できる。
【0020】
また、一対の収納ボックス及び空気通路の片側部材同士を重ね合わせて結合させたとき、連結リブ同士も重ね合わされることになるので、連結リブ同士を重ね合わせた部位の板厚を厚く構成しておくことができる。そして、板厚を厚く構成した連結リブによって、センタコンソールボックスの剛性を更に高めることができる。
【0021】
また、連結リブを用いることによって、収納ボックスと空気通路との間での断熱性を高めることができる。収納ボックスと空気通路との間での断熱性を向上させるため、収納ボックスに対向する空気通路の面に断熱材を配しておくこともできる。
【0022】
一対の収納ボックス及び空気通路の片側部材を、それぞれ幅方向に二分割する構成としては、二分割する分割面を、車両の前後方向に沿った垂直面として構成しておくことができる。あるいは、二分割する分割面を、車両の車幅方向に沿った垂直面として構成しておくこともできる。更には、二分割する分割面を、車両の前後方向の軸線に対して斜めに交差する垂直面として構成しておくこともできる。
【0023】
一対の収納ボックス及び空気通路の片側部材における分割面同士を重ね合わせた状態で、相互に結合することにより、センタコンソールボックスを構成することができる。このように、センタコンソールボックスを簡単な構成で構成することができ、センタコンソールボックスの軽量化を図ることができる。しかも、連結リブ同士を重ね合わせた構成によって、センタコンソールボックスとしての強度を向上させることができる。
【0024】
また、一対の収納ボックス及び空気通路の片側部材は、それぞれ一体的に成形することができるので、異なる複数の材料を用いて構成した場合に比べて、本願発明に係わるセン
タコンソールボックスを廃棄する際のリサイクル性を大幅に向上させることができる。
【0025】
従来のセンタコンソールボックスは、空気通路がブロー成型によって成形されていたので、空気を流通させる気導体としての役割しか果たしていなかった。しかし、本願発明では、一対の空気通路及び収納ボックスの片側部をそれぞれ一体に成形することができるので、成形方法も簡略化することができ、センタコンソールボックスの製造単価を低減させることができる。しかも、センタコンソールボックスとしての強度を向上させることができるので、空気通路の上部にコンソールリッドの回転中心軸を支承する支持部を形成しておくことができる。
【0026】
そして、本願発明では、空気通路に空気通路としての機能の他に、コンソールリッドを支承する支持部としての機能を持たせておくことができる。また、空気通路の上部にコンソールリッドの回転中心軸を支承する支持部を形成しておくことにより、空気通路の上部をコンソールリッドで蓋をしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】センタコンソールボックスの分解斜視図である。(実施例1)
【図2】側面に配したフィニッシャを除いたセンタコンソールボックスの要部を示す概略断面図である。(実施例1)
【図3】図2のIII−III断面図であって、フィニッシャを除いた概略図である。(実施例1)
【図4】図2のIII−III断面図であって、フィニッシャを加えた概略図である。(実施例1)
【図5】車両の前後方向に沿って二分割した要部断面図であって、フィニッシャを除いた他の変形例を示す概略図である。(実施例2)
【図6】車両の幅方向に沿って二分割した要部断面図であって、フィニッシャを除いた斜視図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるセンタコンソールボックスとしては、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、本願発明の課題を解決し、本願発明の作用効果を奏することができる構成であれば、多様な変更が可能である。また、例えば、運転席等の前席と前席後方に配された後部座席との間に設けられているセンタコンソールボックスに対しても、本願発明を好適に適用することができる。
【実施例1】
【0029】
図1〜図4を用いて、本願発明に係わるセンタコンソールボックスの構成について説明を行う。図1に示すように、センタコンソールボックス1には、収納部を構成する収納ボックス2と図2に示す収納ボックス2の下方に設けた空気通路3(図2参照)とを備えている。図2に示すように、車両内に設けた図示せぬ空調装置に接続したダクト5を、連結部5aを介して空気通路3の空気入口13aに接続することができる。尚、図2では、側方に配したフィニッシャ7a、7b、7c及びコンソールリッド6の図示は、省略している。
【0030】
空気通路3とダクト5との接続は、ダクト5の先端部における外周形状を空気通路3の内周形状に嵌合する形状に構成しておくことや、ダクト5の先端部に形成したフランジ部と、空気通路3の空気入口13aに形成したフランジ部とを重ね合わせて互いに結合する構成等を採用することができる。上述した結合構成以外にも、従来から周知の結合構成を採用することもできる。
【0031】
収納ボックス2と空気通路3とは、車両の前後方向に沿って幅方向に二分割した構成になっており、即ち、二分割する分割面が、車両の前後方向に沿った垂直面として構成されている。収納ボックス2は左右一対の片側部2a、2bから構成され、空気通路3は左右一対の片側部3a、3bから構成されている。また、収納ボックス2の片側部2aと空気通路3の片側部3aとは、連結リブ4を介して一体的に成形されており、収納ボックス2の片側部2bと空気通路3の片側部3bとは、連結リブ4を介して一体的に成形されている。一体的な成形方法としては、樹脂材を用いた射出成形等の成形方法を利用することができる。
【0032】
収納ボックス2及び空気通路3の片側部2a、3aと収納ボックス2及び空気通路3の片側部2b、3bとの組を一対用いて、これらの分割面同士を重ね合わせて結合させることにより、図1、図3に示すように収納ボックス2及び空気通路3(図2参照)からなる構造体を組み立てることができる。収納ボックス2及び空気通路3の構造体を組み立てる際には、図3に示すように、分割面同士を重ね合わせて、一対の連結リブ4a、4b同士をボルト20aとナット21aとを螺合させて結合する。そして、空気通路3の各片側部3a、3bにそれぞれ設けた一対のフランジ15同士をボルト20aとナット21aとを螺合させて結合することができる。
尚、図3では、収納ボックス2及び空気通路3における一対の片側部同士を連結するボルト20a、20b及びナット21a、21bの図示は省略している。
【0033】
連結リブ4、4及びフランジ15は、収納ボックス2の周囲に沿って、また、空気通路3の周囲に沿った部位に複数設けておくことができる。また、収納ボックス2の片側部2a、2b同士を結合したときの結合強度を高めるため、図2に示すように、各片側部2a、2bの周囲に複数の取付フランジ23を設けておき、重ね合わせた取付フランジ23同士をボルト25で結合することができる。更に、各片側部2a、2bを直接連結する連結孔を各片側部2a、2bに形成しておくこともできる。
【0034】
例えば、図2に示すように、収納ボックス2の各片側部2a、2b(不図示)に形成した連結孔にボルト25を挿入して、各片側部2a、2b間を結合させることができる。
尚、収納ボックス2及び空気通路3の構造体を組み立てる結合方法としては、上述した結合方法以外にも従来から周知の接着材による結合方法や溶着による結合方法等の結合方法を採用することもできる。
【0035】
一対の収納ボックス2及び空気通路3の片側部2a、3aには、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体を車体パネル10に固定するための取付け片17a、17bがそれぞれ設けられている。図2に示すように、ボルト22を介して取付け片17a、17bを車体パネル10に固定することで、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体を車体パネル10に固定できる。
【0036】
このように固定することで、一対の収納ボックス2及び空気通路3の片側部2a、3aをそれぞれ車体パネル10に固定することができるので、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体の車体パネル10への取付け強度を高めることができる。
尚、図1では、一方の取付け片17bを示しているが、取付け片17bは組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体の左右両側に設けられている。
【0037】
図1、図2に示すように、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体における左右外周部の側方部を覆う形で、一対のフィニッシャ7a、7bを設けることができる。そして、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体における車両後方部を覆う形で、フィニッシャ7cを設けておくことができる。また、空気通路3の空気出口13bには、空気の吹き出し方向を調整することができる後部風向調整装置8が設けられている。また、収納ボックス2の開放上部を覆うため、コンソールリッド6が回動して開閉可能に設けられている。
【0038】
このように、組み立てた収納ボックス2及び空気通路3の構造体の周囲をフィニッシャ7a〜7c及びコンソールリッド6、後部風向調整装置8で覆っておくことで、意匠性を向上させるとともに、センタコンソールボックス1としての剛性を高めることができる。
【0039】
コンソールリッド6は、収納ボックス2の開閉用蓋として構成されており、コンソールリッド6の回動中心軸6aは、空気通路3の上部に設けた支持部13cによって支承されている。空気通路3は、収納ボックス2の底部下方に配された第1空気通路12aと収納ボックス2の車両後方側に配された第2空気通路12bとから構成されている。
【0040】
図2に示すように、収納ボックス2の底部と第1空気通路12aとの間には、第1リブ4aが配されており、第1リブ4aによって収納ボックス2の底部と第1空気通路12aとの間を離間させている。また、収納ボックス2の車両後方側と第2空気通路12bとの間には、第2リブ4bが配されており、第2リブ4bによって収納ボックス2の第1リブ4aと第2空気通路12bとの間を離間させている。第1リブ4a及び第2リブ4bによって、上述した連結リブ4を構成している。
【0041】
収納ボックス2と空気通路3との間での断熱性を高めるため、図4に示すように、空気通路3における収納ボックス2の対向面上には、断熱材9を設けておくことができる。断熱材9としては、従来から周知の発泡材等を用いることができる。図4に示すように、断熱材9と収納ボックス2の底部との間には、空気層を介在させておくことができるので、空気層による断熱作用を利用することができる。これによって、空気通路3を流れる冷気の影響で収納ボックスの底壁や側壁に結露が生じるのを防止できる。
【0042】
このように、収納ボックス2と空気通路3とを離間した状態で、しかも、収納ボックス2及び空気通路3の片側部を一体成形で構成することができるので、組み立てた状態の収納ボックス2及び空気通路3を一つの構造体として構成しておくことができる。また、一つの構造体として構成した収納ボックス2及び空気通路3を車体に直接取り付けることができるので、センタコンソールボックス1としての剛性を高め、しかも、軽量化を図ることができる。そして、センタコンソールボックス1を廃棄するときのために、リサイクル性を高めておくことができる。
【実施例2】
【0043】
実施例1では、二分割した分割面で鏡面対象に構成した一対の収納ボックス2及び空気通路3の片側部を用いて、センタコンソールボックス1を構成した構成例について説明したが、例えば、図5に示すように空気通路3を分割面に対して非対象の形状に構成しておくこともできる。
即ち、実施例2では、空気通路3の片側部3a’を平板状に形成した構成例について説明する。
【0044】
空気通路3の片側部3a’を平板状に形成しておく場合であっても、収納ボックス2及び空気通路3の構造体を構成したときに、空気通路3の片側部3a’の形成部位及び連結リブ4及びフランジ15の形成部位が、収納ボックス2及び空気通路3の構造体における左右方向の略中央に配されるように構成しておくことが望ましい。このように構成しておくことにより、収納ボックス2及び空気通路3の構造体の重心方向に連結リブ4及びフランジ15を配することができ、収納ボックス2及び空気通路3の構造体に加わる衝撃に耐え得る構成にすることができる。
【0045】
特に、センタコンソールボックス1に対しては、乗員がセンタコンソールボックス1上に腰掛けたりした場合における上下方向からの荷重や、車両の車幅方向である左右の横方向からの衝撃荷重や、車両の前後方向からの衝撃荷重等が作用する。本願発明では、一対の
収納ボックス2及び空気通路3の片側部を、連結リブ4、フランジ15、取付フランジ23等を介して重ね合わせた状態で結合した構造体として構成しているので、上述した荷重や衝撃荷重に耐える剛性をセンタコンソールボックスに持たせておくことができる。
【0046】
図3〜図5において、収納ボックス2及び空気通路3が矩形断面形状を有した構成例を示しているが、収納ボックス2及び空気通路3の断面形状としては、矩形状断面形状に限定されるものではなく、曲線状の断面形状とし構成しておくことができる。例えば、ボックス状のセンタコンソールボックス1を構成したときに、図6に示すように空気通路3の断面形状が円形となるように構成しておくこともできる。
【実施例3】
【0047】
実施例3では収納ボックス2と空気通路3とを、それぞれ幅方向に二分割にする構成として、二分割にする分割面を車両の車幅方向に沿って配した構成について説明する。図6では、向かって左側が車両の前進方向であり、向かって左側が車両の後進方向である。以下では、二分割する分割面が、車両の車幅方向に沿った垂直面として構成されている場合について説明を行うが、車両の前後方向の軸線に対して斜めに交差する面で二分割した構成等に構成しておくこともできる。
【0048】
収納ボックス2は、片側部26aと片側部26bとに二分割された構成に形成されている。空気通路3も、二分割した分割面に沿って構成されている。空気通路3は、収納ボックス2の片側部26a、26bにおける各底部に沿って配された片側部27a、27bと、各片側部27a、27bの端部にそれぞれ連接された片側部28a、28bと、片側部28a、28bの端部にそれぞれ連接された片側部29a、29bとを備えた構成になっている。尚、片側部28bの図示は省略している。
【0049】
空気通路3の各片側部27a、27bは、収納ボックス2の片側部26a、26bの底部にそれぞれ連結リブ30a、30aを介し一体的に連結されている。また、空気通路3を構成したときに、空気通路3の気密性及びセンタコンソールボックスとしての強度を高めるため、空気通路3の各片側部27a、27bの外側には、それぞれフランジ31a、31aが設けられている。
【0050】
各片側部27a、27bの端部にそれぞれ連接された片側部28a、28bは、それぞれ収納ボックス2の片側部26a、26bの側面側に沿って上方に延設された配置構成になっている。そして、各片側部28a、28bは、収納ボックス2の片側部26a、26bの側面側にそれぞれ連結リブ30b、30bを介し一体的に連結されている。
【0051】
そして、空気通路3を構成したときに、空気通路3の気密性及びセンタコンソールボックスとしての強度を高めるため、空気通路3の各片側部28a、28bの外側には、それぞれフランジ31b、31bが設けられている。尚、片側部28bと、片側部28bを収納ボックス2の片側部26bに連結している連結リブ31aと、片側部28bの外側に設けたフランジ31bの図示は省略している。
【0052】
空気通路3の片側部28aの端部に連接した片側部29aは、下方から流入した空気を図6において向かって右側に流れ出るのを遮断し、左側に流出するのを可能にした開口が形成されている。図6において向かって左側に形成した片側部29aの開口は、空気通路3の片側部29bの端部に連接することができる。空気通路3の片側部29aは、収納ボックス2の片側部26aの上部側面側に連結リブ30cを介し一体的に連結されている。
【0053】
空気通路3の片側部28bの端部に連接した片側部29bは、図6における左右方向に貫通した管路として形成されている。空気通路3の片側部29bは、収納ボックス2の片側部26bの上部側面側に連結リブ30cを介し一体的に連結されている。そして、管路として形成されている片側部29bの端部は、後部座席への空気吹き出し口に連通している。
【0054】
そして、収納ボックス2の片側部26a、26bと空気通路の片側部27a〜29a、27b〜29bとをそれぞれ連結する連結リブ30a〜30b、30a〜30b及びフランジ31a〜31b、31a〜31bの各対向面が、二分割した分割面と面一となるように構成されている。
尚、図6では、収納ボックス2及び空気通路3における一対の片側部同士を連結するボルト及びナットの図示は省略している。
【0055】
図6では、空気通路3の構成として、Lクランク状に屈折する1回面は水平方向から上方に向かって屈折しており、Lクランク状に屈折する2回目は上方向から後部座席側に向かって屈折した空気通路3の構成について記載している。しかし、空気通路3の構成としては、水平方向だけの空気通路として構成しておくこともできる。即ち、収納ボックス2の片側部26a、26bの底部にそれぞれ連結リブ30a、30aを介し一体的に連結され各片側部27a、27b同士を重ね合わせて、空気通路3を水平方向に形成することができる。
【0056】
このように水平方向の空気通路3を構成したときには、水平方向の空気通路3の一端側に対して空調装置に連結したダクト5を接続し、他端側を後部座席側に向かって空気を吹き出す空気吹き出し口に連通させた構成にしておくことができる。あるいは、車両の前方側に配される空気通路3の片側部27aの中央部に、空調装置に連結したダクト5を接続させる連結部を構成し、片側部27aと片側部27bとを重ね合わせて形成した空気通路3の左右両端を、後部座席に向かって空気を吹き出す空気吹き出し口に連通させる構成にしておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本願発明の技術思想をセンタコンソールボックスの構成として好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・センタコンソールボックス、2・・・収納ボックス、2a、2b・・・収納ボックスの片側部、3・・・空気通路、3a、3a’、3b・・・空気通路の片側部、4・・・連結リブ、5・・・ダクト、7a、7b、7c・・・フィニッシャ、9・・・断熱材、12a・・・第1空気通路、12b・・・第2空気通路、15・・・フランジ、23・・・取付フランジ、26a、26b・・・収納ボックスの片側部、27a〜29a、27b〜29b・・・空気通路の片側部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ボックスとリアダクトの空気通路を有するセンタコンソールボックスであって、
前記収納ボックスと前記空気通路とが、それぞれ幅方向に二分割されて構成され、
二分割された前記収納ボックスの片側部と前記空気通路の片側部とが、連結リブを介して相互に離間した状態で一体的に成形され、
一体的に成形された前記収納ボックス及び前記空気通路の片側部に、車体への取付け用の取付け片が形成され、
一対の前記収納ボックス及び前記空気通路の片側部材における分割面同士を重ね合わせた結合により、前記分割面に沿った前記空気通路が構成されてなり、前記収納ボックスと前記空気通路とは、互いに離間して断熱された状態に配設されてなることを特徴とするセンタコンソールボックス。
【請求項2】
前記収納ボックスに対向する前記空気通路の面に断熱材が配されてなることを特徴とする請求項1に記載のセンタコンソールボックス。
【請求項3】
前記分割面が、車両の前後方向に沿った面として構成され、前記空気通路は、前記収納ボックスの底部から前記収納ボックスの車両後方側に沿って配されてなり、
前記連結リブは、前記収納ボックスの底部から前記空気通路を離間させ車両の前後方向に沿った第1リブと、前記収納ボックスの車両後方側において前記収納ボックスから前記空気通路を離間させる第2リブと、を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンタコンソールボックス。
【請求項4】
前記分割面が、車幅方向に沿った面として構成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンタコンソールボックス。
【請求項5】
コンソールリッドの回転中心軸を支承する支持部が、前記空気通路の上部に形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセンタコンソールボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−148684(P2012−148684A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9152(P2011−9152)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】