説明

センターピラー構造

【課題】本発明は、容易に製造可能であると共に、過度に重量を増加させることなく側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能なセンターピラー構造を提供することを目的とする。
【解決手段】外側骨格部材4と、内側骨格部材5と、前記外側骨格部材4と前記内側骨格部材5との間に配置される補強用骨格部材6と、を備える自動車のセンターピラー1の構造である。前記補強用骨格部材6は、長手方向垂直断面において、車両前後方向中間部において前記内側骨格部材5の側に向かって突出するように屈曲して形成された突出部60cと、車両前後方向両端部において前記外側骨格部材4に沿って前記内側骨格部材5に向かって延びる端補強壁部62aと、を有している。そして、前記補強用骨格部材6は、当該外側骨格部材4に対して固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に用いるセンターピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のセンターピラーは、自動車側面の前ドアと後ドアとの間においてルーフパネルのサイドレールとフロアパネルのサイドシルとの間に上下に架設される構造部材である。従来、自動車に用いるセンターピラー構造として特許文献1に記載のセンターピラー構造が知られている。当該センターピラー構造は、アウター部材10とインナー部材11と、これらの間の内部空間に配置される補強部材12とからなる。そして、補強部材12における車両前後方向の両端部12A及び12Bは、アウター部材10とインナー部材11の端部に挟まれた状態で結合されている。また、補強部材12の車両前後方向の途中部に、補強部材12の両端部12A、12Bに対応する位置を越えて車両内外方向に延びる壁部20、21が形成されている。このように補強部材12を取り付けることで、側面衝突荷重に対して有効な補強部材の断面係数が大きくなるため、センターピラーの側面衝突荷重に対する変形耐力を大きくすることが可能となる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−314845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたセンターピラー構造は、補強部材の両端部をアウター部材及びインナー部材の両方に結合することが必要となる。この場合、アウター部材のフランジ部、補強部材の端部、及び、インナー部材のフランジ部が3枚重なった状態で溶接を行う必要があるため、センターピラーの製造における作業性が悪く問題となる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、容易に製造可能であると共に、過度に重量を増加させることなく側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能なセンターピラー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明に係るセンターピラー構造は、自動車に用いるセンターピラー構造に関する。そして、本発明に係るセンターピラー構造は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明のセンターピラー構造は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るセンターピラー構造における第1の特徴は、外側骨格部材と、当該外側骨格部材と車両前後方向における両端部で結合された内側骨格部材と、前記外側骨格部材と前記内側骨格部材との間に形成される内部空間に、当該内部空間の長手方向に亙って少なくとも上端側の一部に配置される補強用骨格部材と、を備える自動車のセンターピラー構造であって、前記補強用骨格部材は、長手方向垂直断面において、車両前後方向中間部において前記内側骨格部材の側に向かって突出するように屈曲して形成された突出部と、車両前後方向両端部において前記外側骨格部材に沿って前記内側骨格部材に向かって延びる端補強壁部と、を有しており、前記補強用骨格部材は、当該外側骨格部材に対して固定されていることである。
【0008】
この構成によると、補強用骨格部材は、車両幅方向に突出する突出部及び内側骨格部材に向かって延びる端補強壁部を備えているため、補強用骨格部材の厚さを厚くすることなく、側面衝突荷重に対する断面係数を大きくすることが可能となる。また、補強用骨格部材の車両前後方向両端部が外側骨格部材に沿って内側骨格部材に向かって延びる端補強壁部により形成されており、例えば、端部にフランジ形状等形成した構成に比べて、重量増加に対する断面係数の増加の割合が高い。したがって、センターピラーの重量をより抑えつつ側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることができる。また、補強用骨格部材は、外側骨格部材に対して固定される構成であるため、内側骨格部材への固定が不要となり、容易にセンターピラーを製造することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第2の特徴は、前記突出部の突出方向端部、及び、前記端補強壁部の延出方向端部が、車両幅方向において前記外側骨格部材と前記内側骨格部材との結合部よりも車両幅方向外側に位置するように形成されていることである。
【0010】
この構成によると、センターピラーの組立て時における外側骨格部材に補強用骨格部材を結合した状態において、補強用骨格部材が外側骨格部材に内包され、外側骨格部材における内側骨格部材との結合部よりも外側に当該補強用骨格部材が突出して配置されることを防ぐことができる。これにより、外側骨格部材と内側骨格部材との結合を容易に行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第3の特徴は、前記補強用骨格部材は、長手方向垂直断面形状が車両前後方向の中心を通過する中心線に対して対称形状になるように形成されていることである。
【0012】
この構成によると、側面衝突荷重が車両前後方向において前記中心線に対して対称に作用し易くなるため、当該荷重が補強用骨格部材の一部に偏って作用することを抑制することが可能となる。これにより、過度にセンターピラーの重量を増加させることなく側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能となる。
【0013】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第4の特徴は、前記補強用骨格部材は、車両前後方向において、前記突出部が占める長さと、当該突出部よりも一端側に位置する部分が占める長さと、当該突出部よりも他端側に位置する部分が占める長さとが、それぞれ均等の長さになるように形成されていることである。
【0014】
この構成によると、補強用骨格部材における車両幅方向に延びる部分が、車両前後方向において均等に並ぶため、側面衝突荷重が負荷されることにより局所的に応力が集中することを防止することが可能となる。したがって、側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能となる。
【0015】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第5の特徴は、前記補強用骨格部材は、前記突出部の突出方向端部が、車両幅方向における前記端補強壁部の延出方向端部の位置よりも車両幅方向内側に位置するように形成されていることである。
【0016】
前記端補強壁部の長さよりも突出部の突出方向に延出する長さの方がセンターピラーの座屈荷重に与える影響が大きいことが、発明者により知見されている。この構成によると、突出部の突出方向に延出する長さを前記端補強壁部の長さよりも長くすることができるため、センターピラーの重量の増加をより抑えて側面衝突荷重に対する変形耐力を高くすることができる。
【0017】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第6の特徴は、前記突出部は、車両幅方向内側に向かって延びる一対の側壁を有し、車両幅方向において、前記端補強壁部が延びる長さが、当該一対の側壁が延びる長さの0.7〜0.9倍の範囲内となることである。
【0018】
この構成によると、側面衝突荷重に対する所望の変形耐力を備えた構成のセンターピラーの重量がより軽くなるように構成することができる。言い換えれば、所定の重量でセンターピラーを構成したときに、より当該変形耐力を高めることが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第7の特徴は、前記補強用骨格部材は、前記端補強壁部のみが前記外側骨格部材に結合された状態で、当該外側骨格部材に固定されていることである。
【0020】
この構成によると、補強用骨格部材と外側骨格部材との結合部を端補強壁部のみに集中することができるため、結合のための作業性が向上し、センターピラーの製造が容易に可能になる。更に、内側骨格部材に向かって延びる端補強壁部を利用して外側骨格部材との結合が行われるため、補強用骨格部材の端補強壁部にフランジ等形成することは不要となる。したがって、センターピラーの軽量化を図りつつ、側面衝突荷重に対する変形耐力を高めることが可能となる。尚、当該端補強壁部以外の他の部分を外側骨格部材に結合しないことによる側面衝突荷重に対する変形耐力の低下は小さいため有効である。
【0021】
また、本発明に係るセンターピラー構造における第8の特徴は、前記突出部は、車両幅方向内側に向かって延びる一対の側壁を有し、前記端補強壁部の車両幅方向における長さと、前記一対の側壁の車両幅方向における長さと、センターピラーの強度と、の予め実験又は解析により求められた関係に基づいて、センターピラーが所望の強度となり、且つ、車両幅方向における前記端補強壁部の長さと前記一対の側壁の長さとの和が、最小になるように前記補強用骨格部材が形成されていることである。
【0022】
この構成によると、側面衝突荷重に対する所望の変形耐力を備えた構成のセンターピラーの重量が最も軽くなるように構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係るセンターピラー構造を一部に含むセンターピラーの車両の略側方から見た斜視概略図である。本実施形態では、中型自動車における車両前後方向略中央部においてルーフサイドレール2とサイドシル3との間に設置されるセンターピラー1の構造を例に挙げて説明する。尚、センターピラーには、車両前後方向の中央部に設置されるピラーだけでなく、車両前方又は後方よりの位置に設置されるピラーも含まれ、一定のボディ強度確保に寄与するピラーを意味している。
【0025】
図1に示すように、センターピラー1は、車両前側に位置する前ドアと車両後側に位置する後ドアとの間に配置されており、ルーフパネル(図示せず)に接合されるルーフサイドレール2とフロアパネル(図示せず)に接合されるサイドシル3との間に上下に架設されている。また、センターピラー1のルーフサイドレール2に接合される上端部は略T字状に形成され、サイドシル3に結合される下端部は逆T字状に形成されている。そして、センターピラー1は、上端部から下端部に向かって長手方向断面形状が略相似形状を保ちつつ拡大する末広がり形状となるように形成されている。
【0026】
図2は、図1に示すセンターピラーを車両後方から見た概略図である。図2に示すように、センターピラー1は、車両幅方向外側に湾曲して張り出した形状となっており、車両幅方向外側に位置するアウターレインフォース4(外側骨格部材)と、当該アウターレインフォース4と接合されたインナーレインフォース5(内側骨格部材)と、を備えて構成されている。また、アウターレインフォース4とインナーレインフォース5との間には、補強用レインフォース6(図2において鎖線で示す)が配置されている。尚、当該補強用レインフォース6は、センターピラー1の上端側においてセンターピラー1の全長の約3/4を占めるように、アウターレインフォース4とインナーレインフォース5との間の内部空間に長手方向に亙って配置されている。
【0027】
図3は、図2に示すセンターピラーのS1−S1断面矢視図である。図3において矢印で示すように、車両前側を図の左側、車両幅方向外側を図の上側として示している。アウターレインフォース4、インナーレインフォース5、及び、補強用レインフォース6は、共に板金プレス成形により形成された部材である。
【0028】
アウターレインフォース4は、車両前後方向に延びるフランジ部40a、40bを備えており、当該フランジ部40a、40bから車両幅方向外側に向かって膨出した膨出部40cが車両前後方向の中間部に形成されている。当該膨出部40cは、一対の側壁部41a・41bと、膨出方向における当該一対の側壁部41a・41bの端部を連結する平面状部分である平面部41cとからなる。
【0029】
インナーレインフォース5は、車両前後方向に延びるフランジ部50a、50bを備えており、当該フランジ部50a、50bから車両幅方向内側に向かって膨出した膨出部50cが車両前後方向の中間部に形成されている。当該膨出部50cは、一対の側壁部51a・51bと、膨出方向における当該一対の側壁部51a・51bの端部を連結する平面状部分である平面部51cとからなる。アウターレインフォース4とインナーレインフォース5とは、フランジ部40aと50a、及び、40bと50bと、をそれぞれ溶接で結合されている。
【0030】
インナーレインフォース5の膨出部50cの、フランジ部50a、50bからの膨出長さy1(車両幅方向に占める長さ)は、アウターレインフォース4の膨出部40cのフランジ部40a、40bからの膨出長さy2の約1/3の長さとなるように形成されている。具体的には、例えばインナーレインフォース5の膨出長さy1を15mm、アウターレインフォース4の膨出長さy2を45mmとして形成されている。
【0031】
アウターレインフォース4における平面部41cの車両前後方向長さx1は約85mmとして形成されており、インナーレインフォース5の平面部51cの車両前後方向長さx2は約100mmとして形成されている。また、アウターレインフォース4及びインナーレインフォース5の車両前後方向における長さx3は、約140mmとして形成されている。
【0032】
補強用レインフォース6は、板状部材をプレス成形により屈曲して形成される構造部材である。当該補強用レインフォース6は、前記アウターレインフォースの平面部41cと略平行に配置される前方平面部60aと後方平面部60bとを有している。これらの前方平面部60aと後方平面部60bとは同一平面状に位置するように形成されている。
【0033】
前方平面部60aと後方平面部60bとの間には、当該前方平面部60aの車両後側の端部と後方平面部60bの車両前側の端部とに連続して、インナーレインフォース5の側に向かって突出する突出部60cが形成されている。当該突出部60cは、当該前方平面部60aの車両後側の端部と後方平面部60bの車両前側の端部とからインナーレインフォース5の側に向かって互いに略平行に延びる一対の中央補強壁部61a・61bと、当該一対の中央補強壁部61a・61bの延出方向端部を連結する平面状部分である突出平面部61cとを有している。当該突出平面部61cは、前方平面部60a及び後方平面部60bと略平行になるように形成されている。また、当該突出平面部61cと、前方平面部60aと、後方平面部60bとは、略同じ長さになるように形成されており、前記中央補強壁部61a・61bとは、補強用レインフォース6の車両前後方向における長さを略三等分する位置に配置される。
【0034】
また、前方平面部60aの車両前側の端部に連続して、アウターレインフォース4の側壁部41aに沿ってインナーレインフォース5の側に向かって延びる端補強壁部62aが形成されている。同様に、後方平面部60bの車両後側の端部に連続して、アウターレインフォース4の側壁部41bに沿ってインナーレインフォース5の側に向かって延びる端補強壁部62bが形成されている。尚、当該端補強壁部62a、62bは、インナーレインフォース5の側に向かうにつれ、互いの間隔が広がるように車両幅方向に対して所定の傾きを有して延出するように形成される。
【0035】
上記のように形成された補強用レインフォース6は、端補強壁部62a、62bをアウターレインフォース4の側壁部41a、41bにスポット溶接され(図10において、溶接位置をW1で示す)、また、前方平面部60a及び後方平面部60bをアウターレインフォース4の平面部41cにスポット溶接されて固定される(図10において、溶接位置をW2で示す)。
【0036】
また、図3に示すように、補強用レインフォース6は、長手方向垂直断面形状が車両前後方向の中心を通過する中心線L2に対して対称形状になるように形成されている。そして、補強用レインフォース6がアウターレインフォース4に固定された状態において、補強用レインフォース6の端補強壁部62a・62bのインナーレインフォース5の側の端部は、アウターレインフォース4のフランジ部4aと4bとを結ぶラインL1(以下、フランジラインL1と称する)よりも、車両幅方向外側に位置している。また、突出平面部61cも、アウターレインフォース4のフランジラインL1よりも、車両幅方向外側に位置するように形成されている。
【0037】
次に、本実施形態に係るセンターピラー構造を有するセンターピラー1の三点曲げ変形のFEM解析を行い、以下の条件の三点曲げ時においてセンターピラー1が支持可能な最大荷重F(以下、最大荷重Fと称する)を算出した結果について説明する。尚、FEM解析モデルとして、長手方向に同一断面形状を有し、長手方向において所定の曲率半径(1310mm)で車両外側(アウターレインフォース4側)に張り出すように湾曲したピラーモデル(図15参照)を用い、インナーレインフォース5側を、長手方向において所定の間隔(860mm)をあけた2点で車両前後方向に延びる円筒状モデル(直径60mm)により支持しつつ、アウターレインフォース4側における前記2点の支持位置の中央を車両前後方向に延びる円筒状モデル(直径300mm)により所定の速度(10m/sec)で付勢する解析を行った。
【0038】
また、補強用レインフォースの板厚が1.8mmの場合と2.3mmの場合とについて解析し、曲げ変形時においてセンターピラーに負荷される最大荷重Fとセンターピラーの断面重量との関係について算出した。尚、アウターレインフォース4及びインナーレインフォース5の板厚は1.8mmに固定して解析を行った。ここで、断面重量とは、センターピラー1m当たりの重量であり、本解析においては、板厚の変化により当該断面重量が変動することになる。
【0039】
尚、比較例として図4〜図8に示す断面形状を有するセンターピラー構造についても同様の解析を行った。図4は、比較例1に係るセンターピラー構造を示す図である。このセンターピラー構造は、本実施形態に係るセンターピラー構造とは、補強用レインフォース6における車両前後方向中央部の突出部60cがない点で異なる。図5は、比較例2に係るセンターピラー構造を示す図である。このセンターピラー構造は、本実施形態に係るセンターピラー構造における突出部が、車両幅方向外側向きに突出したものである。図6は、比較例3に係るセンターピラー構造を示す図である。このセンターピラー構造は、比較例1に係るセンターピラー構造における補強用レインフォースの肩部6aが、アウターレインフォース4の平面部41cに対してなだらかな斜面となるように形成されているものである。図7は、比較例4に係るセンターピラー構造を示す図である。このセンターピラー構造は、補強用レインフォースにフランジ部6bが形成されており、当該フランジ部6bがアウターレインフォース4とインナーレインフォース5とに挟みこまれて溶接されることにより形成されている。そして、車両前後方向中央部の突出部6cは、フランジラインL1を超えて、インナーレインフォース5の平面部51cに当接するまで延出している。図8は、比較例5に係るセンターピラー構造を示す図である。このセンターピラー構造は、比較例4に係るセンターピラー構造における肩部6dをインナーレインフォース5の側に近づけて構成されている。
【0040】
図9は、上記解析により求められた、実施形態及び第1〜第5比較例に係るセンターピラーにおける、断面重量と三点曲げ解析における最大荷重との関係を示す図である。尚、実施形態及び比較例1〜3については、補強用レインフォースの板厚が1.8mmのとき、及び、2.3mmのときの点がプロットされている。また、比較例4及び5においては、板厚1.8mmのときの結果を示している。
【0041】
図9から、所定の断面重量で比較した場合、本実施形態に係るセンターピラー構造によれば、他の比較例1〜5に比べて、最も最大荷重が大きくなることが分かる。言い換えれば、所定の最大荷重を支持することが可能なセンターピラーを、本実施形態に係るセンターピラーの形状とすることで、他の比較例1〜5の形状でセンターピラーを形成する場合に比べてより軽い重量となるように形成することができる。
【0042】
次に、端補強壁部62a・62bにおける直線部分の車両幅方向長さH1(以下、端壁長さH1と称する)と、中央補強壁部61a・61bにおける直線部分の車両幅方向長さH2(以下、中壁長さH2と称する)と、の変化が、センターピラー1が支持可能な最大荷重Fに与える影響について解析した結果について説明する。
【0043】
図10に示すセンターピラー構造(図3に示すものと同形状)において、端壁長さH1を、(i)10mm、(ii)25mm、(iii)41mm、また、中壁長さH2を(i)12.5mm、(ii)27.5mm、(iii)39mmとして組み合わせた9種類のセンターピラー構造、及び、端壁長さH1を(ii)25mm、中壁長さH2を(iv)55.5mmとしたセンターピラー構造について三点曲げ解析を行った。当該解析において算出された、断面重量と最大荷重Fとの関係を図11に示す。
【0044】
図11から、断面重量が約6.5〜8.5kg/mの範囲において、例えば、端壁長さH1を(ii)25mmに固定して中壁長さH2を増加させた場合(図11において、△の変化に着目したときに)、断面重量の変化に対して略比例して最大荷重Fが増加していることが分かる。また、例えば、中壁長さH2を(ii)27.5mmに固定して端壁長さH1を増加させた場合(図11において、「2」の変化に着目したときに)においても、断面重量の増加に対応して最大荷重Fは増加するが、最大荷重Fの増加の割合は、断面重量が増加するにつれて徐々に小さくなっていくことが分かる。
【0045】
次に、補強用レインフォースのスポット溶接位置と最大荷重Fとの関係について解析した結果について説明する。図10に、解析モデルにおけるスポット溶接の位置を示す。図10に示すように、スポット溶接の位置は、補強用レインフォース6における端補強壁部62a、62bとアウターレインフォース4における側壁部41a、41bとの当接部の車両幅方向略中央部(図10におけるW1で示す位置、以下溶接位置W1と称する)と、補強用レインフォース6における前方平面部60a、後方平面部60bとアウターレインフォース4における平面部41cとの当接部における車両前後方向略中央部(図12におけるW2で示す位置、以下溶接位置W2と称する)とした。
【0046】
解析は、(1)溶接位置W1及び溶接位置W2の両方でスポット溶接を行った場合、(2)溶接位置W1のみスポット溶接を行った場合、(3)溶接位置W2のみスポット溶接を行った場合、の三種類について解析を行った。尚、端壁長さH1は27mm、中壁長さH2は30mm、板厚1.8mmとして解析を行った。
【0047】
図12は、スポット溶接の位置と三点曲げ解析における最大荷重との関係を示す図である。図12から、溶接位置W1及びW2の両方をスポット溶接した場合が最も最大荷重Fが大きくなることが分かる。また、溶接位置W1のみ溶接した場合の方が、溶接位置W2のみを溶接した場合に比べ、最大荷重Fが大きくなることが分かる。これより、溶接位置W1のみを溶接した構成とすれば、過度に最大荷重Fを下げることなく、スポット溶接箇所を減らすことが可能であり、センターピラーの製造効率を向上させることが可能となる。
【0048】
尚、補強用レインフォース6における端補強壁部62a、62bの長さを、10mm以上とすることで、溶接位置W1にスポット溶接を容易に行うことを可能となり、センターピラーの製造時の作業性を向上させることができる。
【0049】
次に、所望の最大荷重Fを具備するセンターピラーの軽量化設計手法について説明する。 まず、端壁長さH1、中壁長さH2、補強用レインフォースの板厚t(以下、補強板厚tと称する)、及び、最大荷重Fとの関係について解析した結果について説明する。当該最大荷重Fと、端壁長さH1、中壁長さH2、及び補強板厚tとの関係は、以下の式(1)により適切に表現可能と考えられる(a、b、c、dは係数)。
F=a×H1×H2×t ・・・式(1)
FEM解析により、適宜、端壁長さH1、H2、及び補強板厚tの値を変えて、センターピラーに負荷可能な最大荷重を算出し、当該算出結果に基づいて、当該式(1)の係数a、b、c、dは以下のように決定される。
a=22.2423、b=0.0396、c=0.0432、d=0.7434
尚、式(1)における端壁長さH1の冪指数(b=0.0396)よりも中壁長さH2の冪指数(c=0.0432)の方が大きいため、最大荷重Fに与える影響は端壁長さH1よりも中壁長さH2の方が大きいといえる。
【0050】
図13において、実線の曲線で示すグラフは、上記解析により算出した係数a〜dをを代入した式(1)に基づいて、最大荷重Fが一定となるH1とH2との関係を示すものであり、(i)で示す曲線は、最大荷重Fが45kNとなる時の端壁長さH1及び中壁長さH2との関係を示す曲線であり、(ii)で示す曲線は、最大荷重Fが40kNとなる時の端壁長さH1及び中壁長さH2との関係を示す曲線である。
【0051】
例えば、支持可能な最大荷重Fが45kNとなるセンターピラーとするためには、H1及びH2の長さは、図13における曲線(i)上に存在する点で示すH1及びH2の長さの組み合わせとする必要がある。ここで、断面重量は、端補強壁部62a・62bが長くなるほど増加し、また、中央補強壁部61a・61bが長くなるほど増加する。即ち、断面重量は、H1+H2の値に比例して変化する。よって、曲線(i)上の点で、H1+H2の値が最も小さくなる点における当該H1と当該H2との組み合わせが、断面重量が最も小さくなるH1とH2との組み合わせとなる。これより、曲線(i)に接するようなH1+H2=constantの直線(図13において直線C1で示す)を求め、当該直線とF=45の曲線との接点(図13における点d1)におけるH1とH2との組み合わせ(H1=23mm、H2=27mm)を補強用レインフォースの形状として採用することで、最大荷重45kNを有する最も軽量化されたセンターピラーを設計することができる。
【0052】
また、例えば、最大荷重40kNとなるセンターピラーとするためには、曲線(ii)に接するようなH1+H2=constantの直線(図13において直線C2で示す)を求め、当該直線とF=40の曲線(ii)との接点(図13における点d2)におけるH1とH2との組み合わせ(H1=6mm、H2=7mm)を補強用レインフォースの形状として採用することで、最大荷重40kNを有する最も軽量化されたセンターピラーを設計することができる。
【0053】
尚、必ずしも、所望の最大荷重Fを有する端壁長さH1と中壁長さH2との組み合わせを示す曲線と、H1+H2=constantの直線との接点における端壁長さH1と中壁長さH2との組み合わせを採用する場合に限らず、所望の最大荷重となる端壁長さH1と中壁長さH2との組み合わせであって、端壁長さH1が、中壁長さH2の0.7〜0.9倍の範囲内となるように、センターピラーを形成することで、所望の最大荷重Fを有しつつ軽量化する効果を顕著に発揮することが可能である。特に、端壁長さH1が中壁長さH2の0.8倍となるように、補強用レインフォースを設計した場合、より軽量化の効果を発揮することが可能となるため望ましい。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係るセンターピラー構造は、アウターレインフォース4と、当該アウターレインフォース4と車両前後方向における両端部で結合されたインナーレインフォース5と、前記アウターレインフォース4と前記インナーレインフォース5との間に形成される内部空間に、当該内部空間の長手方向に亙って少なくとも上端側の一部に配置される補強用レインフォース6と、を備える自動車のセンターピラー構造である。そして、前記補強用レインフォース6は、長手方向垂直断面において、車両前後方向中間部において前記インナーレインフォース5の側に向かって突出するように屈曲して形成された突出部60cと、車両前後方向両端部において前記アウターレインフォース4に沿って前記インナーレインフォース5に向かって延びる端補強壁部62a、62bと、を有しており、前記補強用レインフォース6は、当該アウターレインフォース4に対して固定されている。
【0055】
この構成によると、補強用レインフォース6は、車両幅方向に突出する突出部60c及びインナーレインフォース5に向かって延びる壁部を備えているため、補強用レインフォース6の厚さを厚くすることなく、側面衝突荷重に対する断面係数を大きくすることが可能となる。また、補強用レインフォース6の車両前後方向両端部が末端までアウターレインフォース4の側壁部41aに沿ってインナーレインフォース5に向かって延びる端補強壁部62a、62bにより形成されており、例えば、端部にフランジ形状等形成した構成に比べて、重量増加に対する断面係数の増加の割合が高い。したがって、センターピラー1の重量をより抑えつつ三点曲げ変形時の最大荷重F等で示される側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることができる。また、補強用レインフォース6は、アウターレインフォース4に対して溶接されて固定される構成であるため、インナーレインフォース5への溶接が不要となり、容易にセンターピラー1を製造することが可能となる。
【0056】
尚、本実施形態の構成に限らず、例えば、図14に示すように、と補強用レインフォースの突出部をインナーレインフォース5の膨出部50cの近傍まで近づけた構成とすることもできる。
【0057】
また、補強用レインフォース6における前記突出部60cの突出方向端部に位置する突出平面部61c、及び、前記端補強壁部62a、62bの延出方向端部が、車両幅方向において前記アウターレインフォース4と前記インナーレインフォース5との結合部よりも車両幅方向外側に位置するように形成されている。
【0058】
この構成によると、センターピラー1の組立て時におけるアウターレインフォース4に補強用レインフォース6を結合した状態において、補強用レインフォースがアウターレインフォース4に内包され、アウターレインフォース4におけるインナーレインフォース5との結合部よりも外側に当該補強用レインフォース6が突出して配置されることを防ぐことができる。アウターレインフォース4のフランジラインL1よりも補強用レインフォース6の突出部60cが突出しないことにより、補強用レインフォース6が結合されたアウターレインフォース4をインナーレインフォース5に結合する組立て作業を行う際に、アウターレインフォース4の取り扱いが容易となり、組立て作業を容易に行うことが可能となる。また、インナーレインフォース5の膨出部50cの膨出長さによらず、補強用レインフォースの突出部60cが、インナーレインフォースに接触することはなくなるため、例えば、膨出長さの異なる形状のインナーレインフォースとも結合して組み立てることができる。
【0059】
また、前記補強用レインフォース6は、長手方向垂直断面形状が車両前後方向の中心を通過する中心線L2に対して対称形状になるように形成されている。
【0060】
この構成によると、側面衝突荷重が車両前後方向において前記中心線L2に対して対称に作用し易くなるため、当該荷重が補強用レインフォース6の一部に偏って作用することを抑制することが可能となる。これにより、過度にセンターピラー1の重量を増加させることなく側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能となる。
【0061】
また、前記補強用レインフォース6は、車両前後方向において、前記突出部60cが占める長さと、当該突出部60cよりも車両前方側に位置する前方平面部60a及び端補強壁部62aが占める長さと、当該突出部60cよりも車両後方側に位置する後方平面部60b及び補強用壁部62bが占める長さとが、それぞれ均等の長さになるように形成されている。
【0062】
この構成によると、補強用レインフォース6における車両幅方向に延びる部分が、車両前後方向において均等に並ぶため、側面衝突荷重が負荷されることにより局所的に応力が集中することを防止することが可能となる。したがって、側面衝突荷重に対する変形耐力を増加させることが可能となる。
【0063】
また、前記補強用レインフォース6は、前記突出部60cの突出方向端部に位置する突出平面部61cが、車両幅方向における前記端補強壁部62a、62bの延出方向端部の位置よりも車両幅方向内側に位置するように形成されている。
【0064】
上述したように、センターピラー1の三点曲げ時における最大荷重FとH1及びH2との関係を示す式(1)において、端壁長さH1の冪指数(b=0.0396)よりも、中壁長さH2の冪指数(c=0.0432)の方が大きくなることが本願発明の発明者によりなされた解析結果から明らかになっている。これより、前記端補強壁部62a、62bの長さよりも突出部60cの突出方向に延出する長さの方がセンターピラーの側面衝突荷重に対する変形耐力に与える影響が大きいといえる。例えば、H1とH2とが同じ長さとなる補強用レインフォースにおいてH1を所定長さ分だけ延ばすように形状を変更するよりも、H2を当該所定長さ分だけ延ばすように形状を変更した方が、最大荷重Fの増加割合が大きくなることが式(1)より明らかである。したがって、突出平面部61cが、車両幅方向における前記端補強壁部62a、62bの延出方向端部の位置よりも車両幅方向内側に位置するように形成することにより、突出平面部61cが、前記端補強壁部62a、62bの延出方向端部の位置と車両幅方向において同じ位置に形成した場合に比べて、センターピラーの重量の増加をより抑えて三点曲げ時の最大荷重F等で示される側面衝突荷重に対する変形耐力を高くすることができる。
【0065】
また、前記突出部60cは、車両幅方向内側に向かって延びる一対の中央補強壁部61a・61bを有し、車両幅方向において、前記端補強壁部62a・62bが延びる長さが、当該一対の中央補強壁部61a・61bが延びる長さの0.7〜0.9倍の範囲内となるように形成されている。
【0066】
この構成によると、側面衝突荷重に対する所望の変形耐力を備えた構成のセンターピラーの重量がより軽くなるように構成することができる。言い換えれば、所定の重量でセンターピラーを構成したときに、より当該変形耐力を高めることが可能となる。
【0067】
また、本実施形態に係るセンターピラー構造は、前記補強用レインフォース6は、前記端補強壁部62a・62bのみが前記アウターレインフォース4の側壁部41a・41bにスポット溶接された状態で、当該アウターレインフォース4に固定された構成とすることもできる。
【0068】
この構成によると、補強用レインフォース6とアウターレインフォース4との溶接部を端補強壁部62a・62bのみに集中することができるため、溶接のための作業性が向上し、センターピラー1の製造が容易に可能になる。更に、インナーレインフォース5に向かって延びる端補強壁部62a・62bを利用してアウターレインフォース4との溶接が行われるため、補強用レインフォース6の端補強壁部62a・62bにフランジ等形成することは不要となる。したがって、センターピラー1の軽量化を図りつつ、側面衝突荷重に対する変形耐力を高めることが可能となる。尚、当該端補強壁部62a・62b以外の他の部分をアウターレインフォース4に結合しないことによる側面衝突荷重に対する変形耐力の低下は小さいため有効である。
【0069】
また、前記端補強壁部62a・62bの車両幅方向における長さと、前記突出部60cを構成する向かい合う一対の中央補強壁部61a・61bの車両幅方向における長さと、センターピラーの強度と、の予め実験又は解析により求められた上記式(1)に示す関係に基づいて、センターピラーが所望の強度となり、且つ、車両幅方向における前記端補強壁部62a・62bの長さと前記一対の中央補強壁部61a・61bの長さとの和が、最小になるように前記補強用レインフォース6を形成することができる。
【0070】
このように補強用レインフォース6を形成して、アウターレインフォース4に結合した構成を備えるセンターピラーは、側面衝突荷重に対する所望の変形耐力を備えるとともに、最も軽量化した構成となるため有効である。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係るセンターピラー構造を一部に含むセンターピラーの車両の略側方から見た斜視概略図である。
【図2】図1に示すセンターピラーを車両後方から見た概略図である。
【図3】図2に示すセンターピラーのS1−S1断面矢視図である。
【図4】第1比較例に係るセンターピラーの断面図である。
【図5】第2比較例に係るセンターピラーの断面図である。
【図6】第3比較例に係るセンターピラーの断面図である。
【図7】第4比較例に係るセンターピラーの断面図である。
【図8】第5比較例に係るセンターピラーの断面図である。
【図9】実施形態及び第1〜第5比較例に係るセンターピラーにおける、断面重量と三点曲げ解析における最大荷重との関係を示す図である。
【図10】図3における端壁長さH1、中壁長さH2、及び、スポット溶接の位置を示す図である。
【図11】本実施形態に係るセンターピラーにおいて、端壁長さH1と中壁長さH2とを変化させたときの、断面重量と三点曲げ解析における最大荷重との関係を示す図である。
【図12】スポット溶接の位置と三点曲げ解析における最大荷重との関係を示す図である。
【図13】端壁部の長さH1及び中央壁部の長さH2と、断面重量又は最大荷重と、の関係を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るセンターピラーの変形例の断面図である。
【図15】FEM解析に用いたピラーモデルの概略図である。
【符号の説明】
【0073】
1 センターピラー
4 アウターレインフォース(外側骨格部材)
5 インナーレインフォース(内側骨格部材)
6 補強用レインフォース(補強用骨格部材)
60c 突出部
61a、61b 中央補強壁部(突出部、側壁)
62a、62b 端補強壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側骨格部材と、当該外側骨格部材と車両前後方向における両端部で結合された内側骨格部材と、前記外側骨格部材と前記内側骨格部材との間に形成される内部空間に、当該内部空間の長手方向に亙って少なくとも上端側の一部に配置される補強用骨格部材と、を備える自動車のセンターピラー構造であって、
前記補強用骨格部材は、長手方向垂直断面において、車両前後方向中間部において前記内側骨格部材の側に向かって突出するように屈曲して形成された突出部と、車両前後方向両端部において前記外側骨格部材に沿って前記内側骨格部材に向かって延びる端補強壁部と、を有しており、
前記補強用骨格部材は、当該外側骨格部材に対して固定されていることを特徴とするセンターピラー構造。
【請求項2】
前記突出部の突出方向端部、及び、前記端補強壁部の延出方向端部が、車両幅方向において前記外側骨格部材と前記内側骨格部材との結合部よりも車両幅方向外側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンターピラー構造。
【請求項3】
前記補強用骨格部材は、長手方向垂直断面形状が車両前後方向の中心を通過する中心線に対して対称形状になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンターピラー構造。
【請求項4】
前記補強用骨格部材は、車両前後方向において、前記突出部が占める長さと、当該突出部よりも一端側に位置する部分が占める長さと、当該突出部よりも他端側に位置する部分が占める長さとが、それぞれ均等の長さになるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか1項に記載のセンターピラー構造。
【請求項5】
前記補強用骨格部材は、前記突出部の突出方向端部が、車両幅方向における前記端補強壁部の延出方向端部の位置よりも車両幅方向内側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の少なくともいずれか1項に記載のセンターピラー構造。
【請求項6】
前記突出部は、車両幅方向内側に向かって延びる一対の側壁を有し、
車両幅方向において、前記端補強壁部が延びる長さが、当該一対の側壁が延びる長さの0.7〜0.9倍の範囲内となることを特徴とする請求項1乃至請求項5の少なくともいずれか1項に記載のセンターピラー構造。
【請求項7】
前記補強用骨格部材は、前記端補強壁部のみが前記外側骨格部材に結合された状態で、当該外側骨格部材に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の少なくともいずれか1項に記載のセンターピラー構造。
【請求項8】
前記突出部は、車両幅方向内側に向かって延びる一対の側壁を有し、
前記端補強壁部の車両幅方向における長さと、前記一対の側壁の車両幅方向における長さと、センターピラーの強度と、の予め実験又は解析により求められた関係に基づいて、センターピラーが所望の強度となり、且つ、車両幅方向における前記端補強壁部の長さと前記一対の側壁の長さとの和が、最小になるように前記補強用骨格部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンターピラー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−230453(P2008−230453A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74174(P2007−74174)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】