説明

ソケットコネクタ

【課題】接続対象物の仮保持構造と位置決め構造を簡単な構成により実現したソケットコネクタを提供すること。
【解決手段】半導体モジュール30などの接続対象物を装着する凹部2を有するソケット本体3と、凹部の底面部2aに配されたコンタクト部品5と、凹部の側方に設けられたバネ部品4とを有する。バネ部品は、接続対象物の装着の第1段階において接続対象物に抜け出し方向で係合し仮保持する係合部17と、装着の第2段階において接続対象物を底面部と平行で且つ凹部の内方に押圧し凹部の所定位置に位置決めする押圧部18とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LGA(Land Grid Array)タイプの半導体パッケージなどの接続対象物を回路基板などに搭載するためのソケットが開示されている。そのソケットは、2辺に弾性変形可能なアームを備え、これらのアームにより接続対象物を載置面と水平な方向に押圧して基準面に押し付け、接続対象物を位置決めするように構成されている。
【0003】
また特許文献2には、通信ケーブルに接続されたプラグなどの接続対象物を接続する小型化されたソケットが開示されている。そのソケットは、先端に係止片を有するバネ部を備え、その係止片を接続対象物に係合させることで、接続対象物を抜け止めように構成されている。また接続対象物の位置決めは、バネ部とは別の部品を用いて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127804号公報
【特許文献2】特開2003−092168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今の機器の小型化・高密度化の要求に対応させる場合、接続対象物の位置決め機能および保持機能を別部品にもたせることは、部品点数を増加させ、スペースの確保や強度の確保などの点で不利である。
【0006】
それ故に本発明の課題は、接続対象物の位置決め機能と保持機能を簡単な構成により実現したソケットコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、接続対象物を装着する凹部を有するソケット本体と、前記凹部の底面部に配された複数のコンタクトと、前記凹部の側方に設けられたバネ部品とを有し、前記バネ部品は、前記接続対象物の装着の第1段階において前記接続対象物に抜け出し方向で係合し仮保持する係合部と、前記装着の第2段階において前記接続対象物を前記底面部と平行で且つ前記凹部の内方に押圧し前記凹部の所定位置に位置決めする押圧部とを有することを特徴とするソケットコネクタが得られる。
【0008】
本発明の他の態様によれば、接続対象物を装着する凹部を有するソケット本体と、前記凹部の底面部に配された複数のコンタクトと、前記凹部の側方に設けられたバネ部品とを有し、前記バネ部品は、前記接続対象物を前記底面部から離間した第1の位置で係止し仮保持する係合部と、前記第1の位置よりも前記底面部に近い第2の位置で前記接続対象物を前記凹部の所定位置に位置決めする押圧部とを有することを特徴とするソケットコネクタが得られる。
【0009】
前記バネ部品は、前記凹部の底面部側から立ち上がる第1のバネ片と、該第1のバネ片に連続し折り返し部を介して前記凹部の底面部側に延びる第2のバネ片とを有し、該第2のバネ片は前記凹部に臨んでおり前記係合部と前記押圧部が形成されていてもよい。
【0010】
前記バネ部品は、第1のバネ片の前記底面部側端部に連続し、該底面部と平行に延びる第3のバネ片を更に有し、該第3のバネ片はその端部が前記ソケット本体に固定され、前記底面部と平行な方向に弾性変形可能になっていてもよい。
【0011】
前記ソケット本体は、前記第1のバネ片の前記凹部の外側方向に向く面の中間部に当接する支持部を有し、前記第1のバネ片は前記支持部の上側部分を前記凹部の外側方向に弾性変形させると、該支持部が支点となって該支点部の下側部分が前記凹部の内側方向に弾性変形するようになっていてもよい。
【0012】
前記支持部は、前記押圧部と対向する位置に設けられていてもよい。
【0013】
前記バネ部品は前記凹部の―側に設けられ、前記凹部の他側には前記バネ部品の押圧部により前記半導体の外周部を押し付けられ前記所定位置に位置決めする位置決め基準面が設けられていてもよい。
【0014】
前記位置決め基準面には、前記接続対象物が抜け出し方向で係合し、前記係合部と協働して前記接続対象物を仮保持する係合突起が設けられていてもよい。
【0015】
前記接続対象物は外周部に鍔部を有し、該鍔部が前記係合部及び/又は係合突部に係合し、前記押圧部により押圧され前記凹部の所定位置に位置決めされてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各態様によるコネクタは、接続対象物を装着する凹部の側方にバネ部品を配設し、接続対象物に係合し仮保持する係合部と、凹部の底面部と平行な方向に押圧し所定位置に位置決めする押圧部とをそのバネ部品に設けることで、一つのバネ部品での仮保持と位置決めの両方ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明の一実施形態に係るソケットコネクタの上方の一側から見た斜視図。
【図1B】図1Aのソケットコネクタの上方の他側から見た斜視図。
【図1C】図1A及び図1Bのソケットコネクタの下方から見た斜視図。
【図2】図1A−図1Cのソケットコネクタに含まれたソケットとバネ部品とを分解状態で示す斜視図。
【図3】図2に示すソケットの一部のみを示す底面図。
【図4A】図2に示すバネ部品の拡大斜視図。
【図4B】図4Aに示すバネ部品の側面図。
【図5A】図2に示すソケットに含まれたコンタクト部品の一側から見た斜視図。
【図5B】図5Aに示すコンタクト部品の他側から見た斜視図。
【図6】図5A及び図5Bに示すコンタクト部品の構造を説明するための説明用斜視図。
【図7】図2に示すソケットに含まれたソケット本体の断面斜視図。
【図8A】図1A−図1Cのソケットコネクタに接続可能な接続対象物を上方から見た斜視図。
【図8B】図8Aの接続対象物を下方から見た斜視図。
【図9A】図1A−図1Cのソケットコネクタに対する図8の接続対象物の装着作業の開始段階を示す断面図。
【図9B】図9Aの開始段階から装着作業が進行するときのバネ部品の状態を説明するための説明図。
【図10A】図1A−図1Cのソケットコネクタに対する図8の接続対象物の装着作業が更に進行した第1段階を示す断面図。
【図10B】図10Aの第1段階から装着作業が進行するときのバネ部品の状態を説明するための説明図。
【図11】図1A−図1Cのソケットコネクタに対する図8の接続対象物の装着作業が更に進行した第2段階を示す断面図。
【図12】図1A−図1Cのソケットコネクタに接続対象物を接続させる機構の一例を示す模式図。
【図13】図1A−図1Cのソケットコネクタを多数、一枚の基板に搭載した一例を示す模式図。
【図14】接続対象物の他例を図1A−図1Cのソケットコネクタに接続した状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
先ず図1A−図7を参照して、本発明の実施形態に係るソケットコネクタ1の構成について説明する。
【0019】
図1A−図1C及び図2において、ソケットコネクタ1は、LGA(Land Grid Array)タイプ又はBGA(Ball Grid Array)タイプの半導体モジュールなどを接続対象物として回路基板などに搭載するためのものである。このソケットコネクタ1は、接続対象物を装着するための平面形状が略四角形の凹部2を上面中央に有するソケット本体3と、接続対象物の位置決め機能と保持機能とを得るために凹部2の第1の方向Xにおける一側面部に組み込まれた一つのバネ部品4と、接続対象物を電気的に接続するために凹部2の底面部2aに組み込まれた複数のコンタクト部品5とを含んでいる。ここでは、ソケット本体3とコンタクト部品5とを合わせて、単に「ソケット」と呼ぶ。
【0020】
ソケット本体3は絶縁性のプラスチック成形材から成っている。ソケット本体3には凹部2の四隅に対応して4本のモジュールガイド用支柱(以下、単に「支柱」と呼ぶ)61、62が設けられている。これらの支柱61、62の各々は、凹部2の底面部2aから第1の方向Xに直交した第2の方向Yにおいて上方にのびている。後で詳述するように、一端側の2本支柱61はバネ部品4の組み込みに寄与し、他端側の2本の支柱62は接続対象物の位置決め機能と保持機能とを得るのに寄与する。
【0021】
さらに、図3に示すように、ソケット本体3は第1の方向Xにおける一端部にバネ部品4を組み込むためのバネ組込部7を備えている。バネ組込部7は、第3の方向Zにおける中央部に形成された圧入穴8と一端側の2本の支柱61に対応した両端部に形成された挿通穴9とを有している。
【0022】
また、ソケット本体3の他端側の二つの支柱62には、図1Bに示すように一端側の支柱61に間隔をおいて対向した位置決め基準面62aと係合突起62bとが設けられている。
【0023】
図4A及び図4Bに示すように、バネ部品4は、第3の方向Zにおける中央に、圧入穴8に圧入される圧入部11を有し、両端部にそれぞれバネ部12を有している。各バネ部12は水平部分と垂直部分とを有するL字状となっており、垂直部分が上側から折り返すように形成される。この折り返した部分はバネ性を持ち変形するため、図4に示すように変形に必要な分だけスペースSを空けて折り返す。
【0024】
バネ部品4は、垂直にのびた第1のバネ片13と、第1のバネ片13の上端から一側に折り返された折り返し部14と、折り返し部14から下方にのびた第2のバネ片15と、圧入部11と第1のバネ片13の下端との間で水平にのびた第3のバネ片16とを有している。さらに、第2のバネ片15の下端から、係合部17及び押圧部18が形成されている。バネ部品4をソケット本体3に組み付ける際に、第1のバネ片13が挿通穴9に挿通され、ソケット本体3の一端側の支柱61の内側に配置される。この結果、第2のバネ片15、係合部17、及び押圧部18は、ソケット本体3の他端側の支柱62に間隔をおいて対向した姿勢で、凹部2の底面部2aの上方に露出する。
【0025】
なお、ここではバネ部12は左右対称に2箇所形成されているが、片側のみに形成されてもよい。また、バネ部品4は金属板に打ち抜き及び折り曲げ加工を施して作製されているが、プラスチック材にて製作されてもよい。
【0026】
図5A−図6に示すように、コンタクト部品5は、補強・搬送用の基材21、ゲル、ゴム等からなる粘弾性体22、及び表面に芯数に応じた数の導体23を形成したポリイミド等からなる厚さ数μm〜十数μmの絶縁フィルム24を用いて作製されたものである。先ず、粘弾性体22が基材21を囲むように成形され、これにより基材21を保持する。次に、絶縁フィルム24が粘弾性体22に接着剤などを使用して貼り付け、固定される。絶縁フィルム24は、予め、表面にスパッタやメッキ、エッチングなどによって導体23がパターニングされたものである。こうして、コンタクト部品5は、上下端面に夫々複数の接点部23aを有する低圧接コンタクトとして構成されている。なお、コンタクト部品5に代えて、一般的なプレスコンタクトを適用することも可能である。
【0027】
図7に示すように、ソケット本体3の凹部2の底面部2aは、第3の方向Zにのびた互いに平行な複数のスリット25と、各スリット25内に位置した複数の突起26とを有している。コンタクト部品5は、スリット25の各々に挿入されることで、第1の方向Xに複数が隣接した状態でソケット本体3に組み付けられる。コンタクト部品5は、ソケット本体3の突起26と、コンタクト部品5の当該部位に設けた凹み27との嵌合により、ソケット本体3に保持される。コンタクト部品5がソケット本体3の凹部2の底面部2aの上下にそれぞれ突出した状態で組み込まれるため、接点部23aは底面部2aから上下にマトリックス状の配置で露出している。この状態は、ソケット本体3の凹部2の底面部2aに多数のコンタクトをマトリックス状に組みつけたものと看做すこともできる。なお、ソケット本体3の下面には、ソケットコネクタ1を搭載する基板に対し位置決めするための複数の位置決めボス28が設けられている。
【0028】
ソケットコネクタ1の芯数は、スリット25やコンタクト部品5の数に応じて任意に設計できる。例えば導体23を9本形成したコンタクト部品5をソケット本体3に9本挿入している場合には、81芯のソケットコネクタ1が得られる。
【0029】
ここで図8A及び図8Bを参照して、接続対象物としての半導体モジュール30について簡単に説明する。
【0030】
この半導体モジュール30は、LGA基板31と、LGA基板31の上面に固定搭載された、半導体素子を有する半導体パッケージ32とを含んでいる。LGA基板31の下面には多数の端子33がマトリックス状に配列されている。半導体パッケージ32はその上面に、光ファイバーを引き出すための開口32aが形成されている。
【0031】
次に、図9A〜図11をも合わせ参照して、上述したソケットコネクタ1に半導体モジュール30を装着するときの動作について説明する。
【0032】
図9A及び図9Bにおいて、半導体モジュール30をソケットコネクタ1に対し上方から装着する。まずバネ部品4の係合部17が、半導体モジュール30のLGA基板の周辺部からなる鍔部34に押される。このとき、バネ部12に対する加圧点35とソケット本体3に支持部として設けた変形抑制部36とは、図9Bに示すように第2の方向Yで大きく位置ズレしている。そのため、図9Bに太い破線で示すように、変形抑制部36の上端を支点としてバネ部12の上部が外側(図9Bの左側)へ倒れる。この時、バネ部12の下部は変形抑制部36の上端を支点としたテコのようになり右方向へ変形しようとする。このため、バネ部12のL字状をなす部分の全体がねじれるように変形して反力を生成する。なお、バネ部12の上部の変形を可能にするために支柱61に逃げ凹部61aが形成されている。
【0033】
即ち、半導体モジュール30の鍔部34を係合部17に係合させる装着の第1段階において、支持部となる変形抑制部36の上端を支点として第1のバネ片13の上側(及び第2のバネ片15)が逃げ凹部61aの内方向に、下側(及び第3のバネ片16)がこれとは逆方向である逃げ凹部61aの外方向に弾性変形し、第1のバネ変13及び第2のバネ片15(及び第3のバネ片16)の全体がバネとして機能する。第1のバネ片13の下側及び第3のバネ片16は支持部及び固定部を支点として図9Bの右方向に変形するので、結果として第2のバネ片15及び第3のバネ片16はねじれるように変形する。
【0034】
半導体モジュール30の装着がさらに進行すると、鍔部34が係合部17及び係合突起62bを乗り越え、係合部17の凹み部分に入る。この結果、図10A及び図10Bに示すように、鍔部34の一端部が係合部17に第2の方向Yで係合する。同時に、鍔部34の他端部は、バネ部12の反力により位置決め基準面62aに圧接されると共に、係合突起62bに第2の方向Yで係合する。この結果、半導体モジュール30はソケット本体3の凹部2の底面部から離間した第1の位置で姿勢を制御されつつ仮保持される。こうして半導体モジュール30は図10A及び図10Bに示すようにバネ部品4の係合部17と押圧部18との間に形成された凹み部に収まった時にバネ部12のバネ性により抜け止めされる。
【0035】
ここで「仮保持」とはソケットコネクタ1を裏返しても半導体モジュール30が脱落することのない程度の弱い保持を意味するが、バネ部12のバネ形状を変えることで、抜け止めを仮保持程度としたり、上方へ引くだけでは外れないようにしたりすることもできる。なお、本実施形態の形状は仮保持程度の保持力を得るものであり、したがって半導体モジュール30を図10A及び図10Bにおける左側へ変位させることで取り外すことができる。
【0036】
上記の状態から更に半導体モジュール30を押し下げるときには、バネ部品4を変形させることを伴って、半導体モジュール30が図10Aにおける右側の支柱62の位置決め基準面62aに押し付けられ、位置決めされる。
【0037】
図11の位置まで半導体モジュール30が下降すると、加圧点35とバネ変形抑制部36との位置関係が第2の方向Yにおいて実質的に一致し、バネ部12は基本的に折り返し部14でバネ性を得る。こうして、半導体モジュール30は前記第1の位置よりも凹部2の底面部に近い第2の位置で凹部2の所定位置に位置決めされかつ保持される。換言すると、半導体モジュール30の最終的な装着を行う第2段階においては、押圧部18により第1のバネ片13に掛る反力を支持部即ち変形抑制部36で受けるので、第1のバネ片13の支持部から上側がバネとして作用し、バネ長が短くなるので押圧部18に強い押圧力(バネ力)で半導体モジュール30を位置決め保持する。なお、40は、ソケットコネクタ1を搭載した基板を示す。
【0038】
上述したように、ソケットコネクタ1は、折り返し部14を介して互いに対向する第1のバネ片13及び第2のバネ片15を有する逆U字状のバネ部品4を用い、ソケット本体3の凹部2に臨む第2のバネ片15に半導体モジュール30を仮保持する係合部17と、半導体モジュール30を凹部2の底面部2aと平行に押圧移動して凹部2の所定位置に位置決めする押圧部18とを設け、第1のバネ片13の外側の面の押圧部18に対向する部位をバネ変形抑制部36で支持する構造にしている。この構造によると、半導体モジュール30を係合部17に係合し仮保持させる装着の第1段階では、第1のバネ片13はバネ変形抑制部36を支点としてその上側が外方に下側が内方に弾性変形して第1のバネ片13全体がバネとして作用し、半導体モジュール30の係合(仮保持)を容易にする。それと共に、半導体モジュール30を押圧部18に移動し位置決めする装着の第2段階では、第1のバネ片13のバネ変形抑制部36よりも上側部分だけがバネとして作用し、バネ長が短くなって半導体モジュール30の押圧移動に必要な強いバネ力が得られる。また、第1のバネ片13の端部に凹部2の底面部に平行な第3のバネ片16を設けることで、半導体モジュール30の係合時のバネ長を更に長くし、係合を更に容易にすると共に、ソケットコネクタ1全体の高さを抑えることができる。
【0039】
上記実施形態ではバネ部品4によるバネ力の作用方向が第1の方向Xのみであるが、更に第3の方向Zにバネ力が作用するバネ部品を追加してもよい。また、一端側の支柱61のみならず、他端側の支柱62にも係合突起62bの代わりにバネ部品4と同様なバネ部品を備えてもよい。上述したソケットコネクタ1に対する半導体モジュール30の最終的な接続は、図12のようなバネ41を備えた押え込み機構42を用いて、或いはソケットの上部にモジュール押え込み用のカバーを装着することで行う。また、図13に示すように1枚の基板40にソケットコネクタ1を複数個配置して、半導体モジュール30をそれぞれセットした後に、これらを一括して押さえ込むことも考えられる。また、図14に示すように光フアイバー43が引き出されている光モジュールを半導体モジュール30としてソケットコネクタ1に接続する場合もある。いずれの場合においても、ソケットコネクタ1に半導体モジュール30を仮保持する機能を備えていた方が取り扱い上好ましい。
【0040】
なお、上述では接続対象物として半導体モジュール30を用いた場合について説明したが、これに限られることなく、様々なものを接続対象物として用い得ることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るソケットコネクタは、CPUやO/E変換モジュールなどのようなLGAタイプ又はBGAタイプの半導体モジュールの接続に使用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 ソケットコネクタ
2 凹部
2a 底面部
3 ソケット本体
4 バネ部品
5 コンタクト部品
61、62 モジュールガイド用支柱
61a 逃げ凹部
62a 位置決め基準面
62b 係合突起
7 バネ組込部
8 圧入穴
9 挿通穴
11 圧入部
12 バネ部
13 第1のバネ片
14 折り返し部
15 第2のバネ片
16 第3のバネ片
17 係合部
18 押圧部
21 基材
22 粘弾性体
23 導体
23a 接点部
24 絶縁フィルム
25 スリット
26 突起
27 凹み
28 位置決めボス
30 半導体モジュール
31 LGA基板
32 半導体パッケージ
32a 開孔
33 端子
34 鍔部
35 加圧点
36 変形抑制部
40 基板
41 バネ
42 押え込み機構
43 光フアイバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物を装着する凹部を有するソケット本体と、前記凹部の底面部に配された複数のコンタクトと、前記凹部の側方に設けられたバネ部品とを有し、前記バネ部品は、前記接続対象物の装着の第1段階において前記接続対象物に抜け出し方向で係合し仮保持する係合部と、前記装着の第2段階において前記接続対象物を前記底面部と平行で且つ前記凹部の内方に押圧し前記凹部の所定位置に位置決めする押圧部とを有することを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項2】
接続対象物を装着する凹部を有するソケット本体と、前記凹部の底面部に配された複数のコンタクトと、前記凹部の側方に設けられたバネ部品とを有し、前記バネ部品は、前記接続対象物を前記底面部から離間した第1の位置で係止し仮保持する係合部と、前記第1の位置よりも前記底面部に近い第2の位置で前記接続対象物を前記凹部の所定位置に位置決めする押圧部とを有することを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項3】
前記バネ部品は、前記凹部の底面部側から立ち上がる第1のバネ片と、該第1のバネ片に連続し折り返し部を介して前記凹部の底面部側に延びる第2のバネ片とを有し、該第2のバネ片は前記凹部に臨んでおり前記係合部と前記押圧部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のソケットコネクタ。
【請求項4】
前記バネ部品は、第1のバネ片の前記底面部側端部に連続し、該底面部と平行に延びる第3のバネ片を更に有し、該第3のバネ片はその端部が前記ソケット本体に固定され、前記底面部と平行な方向に弾性変形可能になっていることを特徴とする、請求項3に記載のソケットコネクタ。
【請求項5】
前記ソケット本体は、前記第1のバネ片の前記凹部の外側方向に向く面の中間部に当接する支持部を有し、前記第1のバネ片は前記支持部の上側部分を前記凹部の外側方向に弾性変形させると、該支持部が支点となって該支点部の下側部分が前記凹部の内側方向に弾性変形するようになっていることを特徴とする、請求項3又は4に記載のソケットコネクタ。
【請求項6】
前記支持部は、前記押圧部と対向する位置に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のソケットコネクタ。
【請求項7】
前記バネ部品は前記凹部の―側に設けられ、前記凹部の他側には前記バネ部品の押圧部により前記半導体の外周部を押し付けられ前記所定位置に位置決めする位置決め基準面が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項8】
前記位置決め基準面には、前記接続対象物が抜け出し方向で係合し、前記係合部と協働して前記接続対象物を仮保持する係合突起が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載のソケットコネクタ。
【請求項9】
前記接続対象物は外周部に鍔部を有し、該鍔部が前記係合部及び/又は係合突部に係合し、前記押圧部により押圧され前記凹部の所定位置に位置決めされることを特徴とする、請求項7又は8に記載のソケットコネクタ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−165512(P2011−165512A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27945(P2010−27945)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】