説明

ソフトウェア管理装置、ソフトウェア管理システム及びプログラム。

【課題】ソフトウェアの更新を高頻度かつ効率的に行うなど、情報処理装置に記憶されているソフトウェアを適格に管理するとともに処理効率を向上するソフトウェア管理装置、ソフトウェア管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】印刷要求を受信する通信部16と、受信した印刷要求に応じて印刷を行うプリンタエンジン27と、印刷要求の送信元のPC10Aに記憶されているウィルス対策ソフトウェアのパターンファイルのバージョンを、PC10Aから取得し、更新の必要性を判定する更新確認部211と、PC10から取得したパターンファイルのバージョンに応じてソフトウェアを更新するための更新データを含む更新情報をPC10に提供する更新処理部212とを備えるプリンタ装置20。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェアの更新など、情報処理装置に記憶されているソフトウェアを管理するソフトウェア管理装置、ソフトウェア管理システム及び情報処理装置から印刷要求又はFAX要求を受信するコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウィルス、セキュリティ対策などのため、高頻度でパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)に格納されているソフトウェアを更新する重要性が高まっている。特に、ネットワークに接続されているPCについては、1台にセキュリティ上の問題があれば、他のPCに影響を及ぼしかねないため、ウィルス対策ソフトウェアのパターンファイルや、オペレーティングシステム(以下、「OS」という。)などのソフトウェアを高頻度で更新し、更新を徹底させて、一斉更新を図る必要性が非常に高い。
ネットワークに接続されているPCに記憶されているソフトウェアの更新を徹底するため、更新のスケジュールを組み、これに従って所定の更新日時に自動的に更新管理サーバに接続し、更新を行うシステムや、PCにおけるソフトウェアの起動時に、このソフトウェアの更新を行うシステムなどが登場している(例えば、特許文献1参照。)。
また、PCは、ユーザの利用の妨げとならないように、ユーザに係る処理と並行して、ソフトウェアの更新処理を行っていた。
【特許文献1】特開2000−207179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ノートPCなどの携帯可能なPCは、様々なネットワークに接続する機会がデスクトップ型のPCに比べて多いため、ウィルスに感染する危険性が比較的高いにもかかわらず、常時ネットワークに接続することが困難であり、更新のスケジュールを組むことができず、更新頻度が低下する、更新が遅れるという問題があった。従って、携帯可能なPCをネットワークに接続した場合には、ネットワークにウィルスが流入するおそれが高いという問題があった。
また、携帯可能なPCをピアツーピアでプリンタ装置に接続すれば、ネットワーク(ドメイン)に接続しなくとも印刷が可能であるため、携帯可能なPCがネットワークケーブルに接続されていても、サーバなどのネットワークの端末から携帯可能なPCを認識することができず、携帯可能なPCのソフトウェア更新を管理することができないという問題があった。
更に、PCがユーザに係る処理と並行してソフトウェアの更新処理を行うため、PCに負荷がかかり、ユーザが行っている作業についての処理が遅くなるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、ソフトウェアの更新を高頻度かつ効率的に行うなど、情報処理装置に記憶されているソフトウェアを適格に管理するとともに処理効率を向上することが可能なソフトウェア管理装置、ソフトウェア管理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、印刷要求又はFAX要求を受信する要求受信手段(24A、24B)と、前記要求受信手段によって印刷要求又はFAX要求が受信された場合に、この要求の送信元の情報処理装置(10A、10B、10C)に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を、前記情報処理装置から取得する状況情報取得手段(211)と、前記状況情報取得手段によって取得された状況情報に応じたプログラム及び/又はデータを含む更新情報を前記情報処理装置に提供する更新情報提供手段(212,24A、212,24B)とを備えるソフトウェア管理装置(20)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のソフトウェア管理装置において、前記状況情報取得手段は、前記情報処理装置に所定のソフトウェアが記憶されているかを示すソフトウェア有無情報、及び/又は、前記情報記憶装置に記憶されている所定のソフトウェアのバージョンを示すバージョン情報を含む状況情報を取得すること、を特徴とするソフトウェア管理装置(20)である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のソフトウェア管理装置において、前記更新情報提供手段は、前記状況情報取得手段によって取得された状況情報に応じて前記ソフトウェアを更新するための更新プログラム及び/又は更新データを含む更新情報を前記情報処理装置に提供すること、を特徴とするソフトウェア管理装置(20)である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、前記要求受信手段は、印刷データ又はFAXデータを形成するデータ形成装置(10A、10B、10C)から印刷要求又はFAX要求を受信し、前記状況情報取得手段は、前記データ形成装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を取得すること、を特徴とするソフトウェア管理装置(20)である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、前記要求受信手段によって受信された印刷要求に応じて印刷を行う印刷手段(27)を備える印刷装置、又は、前記要求受信手段によって受信されたFAX要求に応じてFAXデータを送信するFAX手段を備えるFAX装置であること、を特徴とするソフトウェア管理装置(20)である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、ネットワーク(40)に接続され、前記要求受信手段は、前記ネットワークに接続されている複数の情報処理装置(10B,10C)から印刷要求又はFAX要求を受信すること、を特徴とするソフトウェア管理装置(20)である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置(20)と、前記ソフトウェア管理装置と通信可能な情報処理装置(10A、10B、10C)とを備えるソフトウェア管理システムであって、前記情報処理装置は、ソフトウェアを記憶するソフトウェア記憶手段(13)と、前記ソフトウェア管理装置へ印刷要求又はFAX要求を送信する要求送信手段(11,16)と、前記要求送信手段によって印刷要求又はFAX要求を送信した送信先のソフトウェア管理装置へ前記ソフトウェア記憶手段に記憶されているソフトウェアについての状況情報を送信する状況情報送信手段(11,16)と、前記ソフトウェア管理装置から更新情報を受信する更新情報受信手段(11,16)と、前記更新情報受信手段によって受信された更新情報に基づいて前記ソフトウェア記憶手段に記憶されているソフトウェアの更新を行うソフトウェア更新手段(112)とを有すること、を特徴とするソフトウェア管理システム(1)である。
【0012】
請求項8の発明は、情報処理装置(10A、10B、10C)から印刷要求又はFAX要求を受信するコンピュータ(20)に実行させるプログラムであって、前記印刷要求又はFAX要求を受信した場合に、この要求の送信元の情報処理装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を、前記情報処理装置から取得する状況情報取得手順(S240)と、前記状況情報取得手順において取得した状況情報に応じたプログラム及び/又はデータを含む更新情報を前記情報処理装置に提供する更新情報提供手順(S280)とを備えること、を特徴とするプログラムである。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載のプログラムにおいて、前記更新情報提供手順は、前記状況情報取得手順において取得した状況情報に応じて前記ソフトウェアを更新するための更新プログラム及び/又は更新データを含む更新情報を前記情報処理装置に提供すること、を特徴とするプログラムである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のプログラムにおいて、前記情報処理装置から受信した印刷要求に応じて印刷を行う印刷手順(S220)、又は、前記情報処理装置から受信したFAX要求に応じてFAXデータを送信するFAX手順を備えること、を特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるソフトウェア管理装置、ソフトウェア管理システム及びプログラムによれば、以下の効果を得ることが可能となる。
(1)印刷要求又はFAX要求が受信された場合に、状況情報を取得し、状況情報に応じた更新情報を情報処理装置に送信することによって、情報処理装置からの印刷要求又はFAX要求の受信をきっかけとしてアップデート、インストールなどのソフトウェアの更新を行うことができ、高頻度で更新を行い、ソフトウェアを適格に管理するとともに、セキュリティを向上することが可能となる。特に、ネットワークに接続していない独立した状態の情報処理装置に記憶されているソフトウェアであっても、印刷をきっかけとして更新を行うことが可能となる。
(2)印刷をきっかけとして更新を行うことによって、印刷を行う間、ユーザが印刷物を取りに行く間の時間を使って更新の処理を行い、処理の効率化を図る。
(3)印刷(FAX)を制御するプリンタサーバ(FAXサーバ)、ソフトウェアの更新を管理する更新管理サーバの機能を集約することによって、設備負担を軽減するとともに、ネットワーク検証などの確認負担を軽減することが可能となる。
(4)ネットワークに接続されている複数の情報処理から印刷要求又はFAX要求を受信する要求受信手段を備えることによって、複数の情報処理装置からの印刷要求又はFAX要求に応じて印刷又はFAXを制御するとともに、各情報処理装置に記憶されているソフトウェアの更新を一括して管理することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、ソフトウェアの更新を高頻度かつ効率的に行うなど、情報処理装置に記憶されているソフトウェアを適格に管理するとともに処理効率を向上するという目的を、印刷要求を受信する印刷要求受信部と、印刷要求受信部によって受信された印刷要求に応じて印刷を行う印刷部と、印刷要求受信部によって受信された印刷要求の送信元の情報処理装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を、前記情報処理装置から取得する状況情報取得部と、状況情報取得部によって取得された状況情報に応じてソフトウェアを更新するための更新プログラム及び/又は更新データを含む更新情報を情報処理装置に提供する更新情報提供部とを備えるソフトウェア管理装置によって実現する。
【実施例】
【0017】
以下、図面などを参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明によるソフトウェア管理装置及びソフトウェア管理システムの構成を示すブロック図である。本実施例におけるソフトウェア管理装置は、プリンタ装置20であって、ソフトウェア管理システムは、管理システム1である。
図1に示すように、管理システム1は、PC10Aと、PC10Aに接続されているプリンタ装置20と、プリンタ装置20にLAN40を介して接続されている複数のPC10B,10Cなどとを備え、PC10A,10B,10Cによって形成された印刷データに基づいてプリンタ装置20が印刷を行うとともに、プリンタ装置20がPC10A,10B,10Cに記憶されているソフトウェアの更新管理を行うシステムである。
LAN40は、企業の部内、課内などの所定の範囲で設けられているローカルエリアネットワークであって、イーサネット(登録商標)などで構築することが可能である。
【0018】
PC10Aは、ノート型PCなどの携帯可能なPCであって、ケーブルなどで一時的にプリンタ装置20にピアツーピアの状態で接続されている。また、PC10Aは、PC10B,10C、プリンタ20などが構成するドメインに参加しておらず、LAN40に接続されているPC10B,10Cから認識されず、PC10B,10Cとの通信経路を確立していない状態である。
PC10A,10B,10Cの構成には様々なものがあり得るが、通信環境などの細部にこだわらなければ、各PC10A,10B,10Cの構成は、本発明の構成について略同様である。従って、以下、PC10Aの構成を説明しながら、PC10B,10Cの異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。なお、管理システム1が備えるPC10A,10B,10Cの数は、3台に限定されない。
【0019】
PC10Aは、CPU11と、CPU11とシステムバス17などを介して接続されている主記憶装置12、外部記憶装置13、表示部14、入力部15、通信部16などを備え、印刷の対象となる印刷データを形成するコンピュータである。
CPU11は、主記憶装置12、外部記憶装置13に記憶されているOS、ウィルス対策ソフトウェアなどのアプリケーションプログラム、プリンタドライバなどの各種プログラムを実行し、PC10全体の動作を制御し、印刷データ形成部111、更新部112などを実現する。
印刷データ形成部111は、印刷データの形成及び印刷属性の設定を行う。具体的には、印刷データ形成部111は、ユーザの入力部15の操作に従って、印刷するデータの範囲を設定し、印刷の対象となるデータである印刷データを形成する。また、印刷データ形成部111は、同様に入力部15からの入力に従って、印刷を行うプリンタ装置、印刷の色、品質などを指定して印刷属性を設定し、印刷属性を示す印刷属性情報を生成する。
更新部112は、プリンタ装置20から提供される更新データに従って、ウィルス対策ソフトウェアの更新を行う(後述する図2参照。)
【0020】
主記憶装置12は、CPU11が直接利用可能な記憶装置であって、CPU11の作業領域として使用されるRAM、起動プログラムなどのプログラム、データを記憶するROMなどを備えている(図示しない。)。
外部記憶装置13は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROMなどであって、ウィルス対策ソフトウェアなどの種々のプログラム、データを記憶している。ウィルス対策ソフトウェアは、PC10の入出力データ、PC10に記憶されているデータ内に含まれているウィルスを検出するためのソフトウェアである。ウィルス対策ソフトウェアは、ウィルスのデータを定義するパターンファイルを含み、このパターンファイルに基づいてウィルスが検出される。
【0021】
表示部14は、PC10からユーザへ情報を伝達させるためのディスプレイなどの表示装置であり、入力部15は、ユーザからPC10へ情報を伝達させるためのキーボード、マウスなどの入力装置である。
通信部16は、PC10Aをケーブルなどの双方向通信回線でプリンタ装置20に接続し、プリンタ装置20とのピアツーピア通信を実現するための通信インターフェイスである。なお、PC10B,10Cの通信部16は、各PC10B,10CをLAN40に接続し、LAN40を介したプリンタ装置20などの他の通信端末との通信を実現するネットワークアダプタなどの通信インターフェイスである。
【0022】
プリンタ装置20は、CPU21と、CPU21とシステムバス28を介して接続されている主記憶装置22、外部記憶装置23、通信部24A,20B、入力部25及びエンジンI/F26と、エンジンI/F26に接続されているプリンタエンジン27などとを備える印刷装置である。
【0023】
CPU21は、主記憶装置22、外部記憶装置23に記憶されているプログラムを実行することによってプリンタ装置20全体の動作を制御し、更新確認部211、更新処理部212などを実現する。更新確認部211は、PC10A,10B,10Cに記憶されているウィルス対策ソフトウェアの状況を示す状況情報であるパターンファイルのバージョンと、外部記憶装置23に記憶されている最新のパターンファイルのバージョンとに基づいて、PC10A,10B,10Cに記憶されているパターンファイルの更新が必要か否かを判定する。更新処理部212は、更新確認部211によって更新が必要と判定された場合に、PC10A,10B,10Cに記憶されているパターンファイルを更新するために必要な更新データを、各PC10A,10B,10Cのパターンファイルのバージョン、OSの種類などのシステム環境に合わせて外部記憶装置23から読み出し、提供する。更新確認部211及び更新処理部212の機能の詳細は、図2を用いて後述する。
【0024】
主記憶装置22及び外部記憶装置23は、PC10Aの主記憶装置12及び外部記憶装置13と同様の機能を備え、主記憶装置22のROMは、プリンタエンジン27で出力する文字コードなどのデータを記憶している。外部記憶装置23は、PC10A,10B,10Cから受信する印刷データ及び印刷属性情報などの印刷に必要な情報を記憶している。また、外部記憶装置23は、最新バージョンのパターンファイル、更新管理情報などのパターンファイルの更新に必要な情報を記憶している。更新管理情報は、パターンファイルのバージョンごと、システム環境ごとに、更新に必要な更新データを対応させた情報である。更新管理情報は、新たなウィルスが発見された場合などに内容が書き換えられ、更新される。
【0025】
通信部24Aは、プリンタ装置20をケーブルなどの双方向通信回線でPC10Aに接続し、プリンタ装置20とのピアツーピアの通信を実現するための通信インターフェイスである。通信部24Bは、プリンタ装置20をLAN40に接続し、PC10B,10Cなどの他の通信端末とのLAN40を介した通信を実現するネットワークアダプタなどの通信インターフェイスである。
入力部25は、ユーザからプリンタ装置20へ情報を伝達させるためのキーパネルなどの入力装置である。
エンジンI/F26は、システムバス28及びプリンタエンジン27間の情報のやりとりを仲介し、印刷データをプリンタエンジン27に出力するためのインターフェイスである。プリンタエンジン27は、エンジンI/F26を介して提供される印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0026】
図2は、本発明によるソフトウェア管理装置及びソフトウェア管理システムの動作、プログラムを示すフローチャートである。以下、PC10AのCPU11及びプリンタ装置20のCPU21の処理を中心に説明する。
ユーザは、PC10Aの入力部15を操作し、印刷するデータの範囲を指定し、印刷属性を設定する。印刷データ形成部111は、入力部15からの入力に基づいて、印刷の対象となる印刷データを形成するとともに、印刷属性情報を生成する印刷データ形成処理を行う(S110)。
PC10Aは、形成した印刷データ、生成した印刷属性情報などを、ユーザが指定したプリンタ装置20へLAN40を介して送信し、印刷を要求する(S120)。
プリンタ装置20は、印刷要求を受信し(S210)、処理を開始する。印刷管理部311は、受信した印刷データをプリンタエンジン27へ出力し、印刷属性情報に従ってプリンタエンジン27を制御して印刷を行う(S220)。
【0027】
プリンタ装置20は、印刷データ及び印刷属性情報の送信元であるPC10Aに対して、状況情報提供要求を送信し、PC10Aは、この状況情報提供要求を受信し、所定のアプリケーションを起動し、更新確認部211は、外部記憶装置13に記憶されているパターンファイルのバージョンを示すバージョン情報、システム環境情報を含む状況情報をプリンタ装置20へ送信する(S140)。プリンタ装置20は、状況情報を受信し(S240)、外部記憶装置23に記憶されている最新のパターンファイルのバージョンと、PC10Aのパターンファイルのバージョンとを比較し、PC10Aに格納されているパターンファイルの更新の必要性があるか否かを判定する(S250)。プリンタ装置20は、判定結果をPC10Aへ通知し(S260)、更新の必要がない場合には、処理を終了する(S270,S290)。PC10Aは、判定結果の通知をプリンタ装置20から受信し(S150)、更新の必要がない場合には、処理を終了する(S160,S190)。
【0028】
一方、更新確認部211によって更新が必要と判定された場合には、プリンタ装置20の更新処理部212は、PC10Aのパターンファイルのバージョン、システム環境に対応する更新データを外部装置23から読み出し、この更新データを含み、PC10Aのパターンファイルを最新とするための更新情報をPC10Aへ送信し(S280)、プリンタ装置20は、処理を終了する(S290)。
PC10Aは、この更新情報を受信し(S170)、更新部112は、更新データに基づいて外部記憶装置13に記憶されているパターンファイルを更新し(S180)、処理を終了する(S190)。
なお、ユーザがPC10B,10Cを使用し、プリンタ装置20で印刷を行う場合にも、PC10B,10Cは、PC10Aと同様の処理を行う。
【0029】
このように本実施例によれば、管理システム1は、PC10A,10B,10Cがプリンタ装置20を利用するたびに、PC10A,10B,10Cに記憶されているウィルス対策ソフトウェアのパターンファイルの更新を行うため、プリンタ装置20を利用する全てのPC10A,10B,10Cについて高頻度で更新を行い、ウィルス対策ソフトウェアを適格に管理し、セキュリティを向上することが可能となった。特に、LAN40に接続していない独立した状態のPC10Aに記憶されているパターンファイルであっても、高頻度で更新を行うことが可能となった。
【0030】
また、プリンタ装置20は、印刷と、更新とを並行して行うため、プリンタ装置20が印刷を行う間、また、ユーザが印刷物をプリンタ装置20に取りに行く間の時間を使ってPC10A,10B,10C及びプリンタ装置20は、効率的に更新の処理を行うことが可能となった。
更に、プリンタ装置20は、プリンタエンジン27への印刷データの提供を管理するプリンタサーバ、PC10A,10B,10Cのソフトウェア更新を管理する更新管理サーバの機能を備えるため、設備負担を軽減することが可能となった。更にまた、ネットワーク検証などの確認負担を軽減することが可能となった。また、一般的にプリンタサーバは、PC10A,10B,10CのOSとの親和性が高く、実現性が高い。
【0031】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、プリンタ装置20は、PC10A,10B,10Cを認証した場合にパターンファイルの更新についての処理を行ってもよい。また、プリンタ装置20は、更新についての処理を行った後に印刷を行ってもよい。PC10A,10B,10Cのパターンファイルについての更新が成功しない場合には、印刷を行わず、更新を印刷の条件としてもよい。
【0032】
管理システム1は、PC10A,10B,10Cに記憶されているウィルス対策ソフトウェアのパターンファイルについて更新を行うが、更新の対象は、これに限定されず、プリンタ装置20からPC10A,10B,10Cへ更新プログラムを提供し、ウィルス対策ソフトウェアのプログラム、OSなどのプログラムを更新してもよい。
【0033】
プリンタ装置20は、更新が必要と判定した場合には、更新プログラムのサイズ、ダウンロードにかかる予測時間、更新によるプログラム改良点などを含む更新内容情報をPC10Aへ送信し、PC10A,10B,10Cが表示部14に更新内容を表示してユーザに更新の許否を問い、ユーザの更新許可を得てから、更新を行ってもよい。
【0034】
PC10A,10B,10Cは、更新が終了した場合にその旨をプリンタ装置20へ通知し、プリンタ装置20は、更新履歴として外部記憶装置23へ記憶してもよい。
【0035】
管理システム1は、プリンタ装置20がPC10A,10B,10Cの更新の管理を行っているが、LAN40に複数のプリンタ装置20が接続され、PC10A,10B,10Cからこれら複数のプリンタ装置への印刷データの提供を管理するプリンタ管理装置を備える場合には、プリンタ管理装置が更新の管理を行ってもよい。更新の管理を行う装置は、PC10A,10B,10Cから印刷要求を受信し、印刷を管理する装置であれば、いずれの装置が更新の管理を行うかは限定されない。
【0036】
管理システム1は、ウィルス対策ソフトウェアの更新の管理を行っているが、更新の対象となるソフトウェアの種類は限定されない。また、複数の所定のソフトウェアについて更新の管理を行ってもよい。更に、管理システム1は、ソフトウェアの更新だけでなく、PC10A,10B,10Cに所定のソフトウェアをインストールしてもよい。例えば、プリンタ装置20が、印刷要求を受信した場合に、PC10A,10B,10Cに所定のソフトウェアが記憶されているかを示すソフトウェア有無情報を印刷要求の送信元のPC10A,10B,10Cから取得し、所定のソフトウェアが記憶されていない場合に、所定のソフトウェアをPC10A,10B,10Cにインストールするためのプログラム及び/又はデータを提供してもよい。
【0037】
管理システム1は、1台のプリンタ装置20を備えているが、プリンタ装置20の数はこれに限定されず、複数であってもよい。複数の場合には、各プリンタ装置20がそれぞれ異なるソフトウェアの更新を行ってもよい。
【0038】
管理システム1は、印刷要求に応じて印刷を行うプリンタ装置20が、印刷要求の送信元のPC10A,10B,10Cについてソフトウェアの更新を行っているが、LAN40に接続され、FAX要求に応じてFAXデータの送信を行うFAX装置が、FAX要求の送信元であって、FAXデータを形成するPC10A,10B,10Cについてソフトウェアの更新を行ってもよい。また、印刷機能及びFAX機能を備える複合装置がソフトウェアの更新を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるソフトウェア管理装置及びソフトウェア管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明によるソフトウェア管理装置及びソフトウェア管理システムの動作、プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 管理システム
10A,10B,10C PC
11 CPU
14 表示部
15 入力部
16 通信部
20 プリンタ装置
21 CPU
23 外部記憶装置
24A,24B 通信部
25 入力部
27 プリンタエンジン
40 LAN
111 印刷データ形成部
112 更新部
211 更新確認部
212 更新処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷要求又はFAX要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段によって印刷要求又はFAX要求が受信された場合に、この要求の送信元の情報処理装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を、前記情報処理装置から取得する状況情報取得手段と、
前記状況情報取得手段によって取得された状況情報に応じたプログラム及び/又はデータを含む更新情報を前記情報処理装置に提供する更新情報提供手段と
を備えるソフトウェア管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のソフトウェア管理装置において、
前記状況情報取得手段は、前記情報処理装置に所定のソフトウェアが記憶されているかを示すソフトウェア有無情報、及び/又は、前記情報記憶装置に記憶されている所定のソフトウェアのバージョンを示すバージョン情報を含む状況情報を取得すること、
を特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のソフトウェア管理装置において、
前記更新情報提供手段は、前記状況情報取得手段によって取得された状況情報に応じて前記ソフトウェアを更新するための更新プログラム及び/又は更新データを含む更新情報を前記情報処理装置に提供すること、
を特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、
前記要求受信手段は、印刷データ又はFAXデータを形成するデータ形成装置から印刷要求又はFAX要求を受信し、
前記状況情報取得手段は、前記データ形成装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を取得すること、
を特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、
前記要求受信手段によって受信された印刷要求に応じて印刷を行う印刷手段を備える印刷装置、又は、前記要求受信手段によって受信されたFAX要求に応じてFAXデータを送信するFAX手段を備えるFAX装置であること、
を特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置において、
ネットワークに接続され、
前記要求受信手段は、前記ネットワークに接続されている複数の情報処理装置から印刷要求又はFAX要求を受信すること、
を特徴とするソフトウェア管理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のソフトウェア管理装置と、前記ソフトウェア管理装置と通信可能な情報処理装置とを備えるソフトウェア管理システムであって、
前記情報処理装置は、ソフトウェアを記憶するソフトウェア記憶手段と、前記ソフトウェア管理装置へ印刷要求又はFAX要求を送信する要求送信手段と、前記要求送信手段によって印刷要求又はFAX要求を送信した送信先のソフトウェア管理装置へ前記ソフトウェア記憶手段に記憶されているソフトウェアについての状況情報を送信する状況情報送信手段と、前記ソフトウェア管理装置から更新情報を受信する更新情報受信手段と、前記更新情報受信手段によって受信された更新情報に基づいて前記ソフトウェア記憶手段に記憶されているソフトウェアの更新を行うソフトウェア更新手段とを有すること、
を特徴とするソフトウェア管理システム。
【請求項8】
情報処理装置から印刷要求又はFAX要求を受信するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記印刷要求又はFAX要求を受信した場合に、この要求の送信元の情報処理装置に記憶されているソフトウェアの状況を示す状況情報を、前記情報処理装置から取得する状況情報取得手順と、
前記状況情報取得手順において取得した状況情報に応じたプログラム及び/又はデータを含む更新情報を前記情報処理装置に提供する更新情報提供手順とを備えること、
を特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記更新情報提供手順は、前記状況情報取得手順において取得した状況情報に応じて前記ソフトウェアを更新するための更新プログラム及び/又は更新データを含む更新情報を前記情報処理装置に提供すること、
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記情報処理装置から受信した印刷要求に応じて印刷を行う印刷手順、又は、前記情報処理装置から受信したFAX要求に応じてFAXデータを送信するFAX手順を備えること、
を特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−343836(P2006−343836A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167053(P2005−167053)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】