説明

ソレノイドバルブの取付け構造

【課題】ソレノイドコネクタの樹脂部材であるコネクタ嵌合部の損傷、及び、ソレノイドコネクタの通電用端子に接続されるコイルの断線を回避できる油圧ソレノイドの取付け構造を提供する。
【解決手段】油圧ソレノイドは、相手部品の取付け孔に弁部が挿入され、且つ、ヨーク7の外周面に接合されたブラケット15およびブラケット15の上面に配置される角ワッシャ16を介して、相手部品の取付け面にボルト固定される。相手部品には、ソレノイドコネクタ12を位置決めする一対のコネクタ規制壁22と、角ワッシャ16の回転を規制する一対のワッシャ固定壁23とが設けられている。上記の構成によれば、ボルトを締め付ける際に、角ワッシャ16の回転がワッシャ固定壁23によって規制されるので、角ワッシャ16を介してブラケット15に回転力が作用することはなく、油圧ソレノイドの回転を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨークの外周面に固定されるブラケットを介して締結手段の締め付け力により取付け面に固定されるソレノイドバルブの取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁石の磁力を利用して弁体を駆動する電磁弁が知られている。この電磁弁の一例として、特許文献1に開示された油圧ソレノイドがある。この油圧ソレノイドは、自動車等に搭載される自動変速機の油圧制御装置に使用されるもので、内部に弁体を収容するベースと、コイルへの通電によって電磁石を形成するソレノイド部とを有し、図5に示す様に、ソレノイド部の磁気回路を形成するヨーク100の外周面に金属製の取付けブラケット110が溶接等によって所定の位置に固定され、このブラケット110を介して、取付け相手側であるバルブボディ(またはケース)にボルトを締め付けて固定される。バルブボディ(またはケース)には、油圧ソレノイドのベースを挿入する円筒状の取付け孔と、ボルトを結合するボルト孔とが形成されている。
【0003】
ブラケット110には、ボルトを通すためのボルト通し孔120が形成され、このボルト通し孔120は、取付け相手部品に形成される取付け孔の中心とボルト孔の中心とを結ぶ直線方向に沿った寸法(以下、径方向寸法L1と呼ぶ)が大きい長孔状に形成されている。ボルト通し孔120を長孔状に形成することで、油圧ソレノイドを取り付け孔に挿入した時に、ブラケット110に形成されたボルト通し孔120の中心と、取付け相手部品に形成されたボルト孔の中心とが多少ずれていても、ブラケット110と干渉することなくボルトをボルト孔に結合できる。
また、ボルト通し孔120の径方向寸法L1と直交する方向の寸法(以下、周方向寸法L2と呼ぶ)とボルト径との寸法差を小さくする、言い換えると、ボルト通し孔120とボルトとのガタを小さくすることにより、取付け相手部品の取り付け孔に対する油圧ソレノイドの周方向位置が規制されて、ヨーク100の外側に取り出されるソレノイドコネクタ130の位置ずれ(周方向の位置ずれ)が抑制される。
【0004】
しかし、ソレノイドコネクタ130の位置は、ヨーク100に対するブラケット110の取り付け角度公差と、ブラケット110のボルト通し孔120とボルトとのガタ分(ボルト通し孔120の周方向寸法L2とボルト径との寸法差)と、ヨーク100とソレノイドコネクタ130との組み付け角度誤差とにより、±5°程度変化する。このため、相手コネクタをソレノイドコネクタ130に接続する際に、ソレノイドコネクタ130を目視できない場合は、ソレノイドコネクタ130の位置のばらつきにより、相手コネクタをソレノイドコネクタ130に接続する作業が困難となる。
そこで、図6に示す様に、ソレノイドコネクタ130の両側にコネクタ回転規制部材140を設ける改善案が考えられる。
【0005】
上記の改善案によれば、コネクタ回転規制部材140によってソレノイドコネクタ130の位置を規制できる、つまり、ヨーク100に対してソレノイドコネクタ130を所定の取り出し方向に位置決めできるので、ソレノイドコネクタ130を目視できない場合でも、相手コネクタとの接続を容易に行うことが可能となる。なお、ブラケット110に形成されるボルト通し孔120の周方向寸法L2は、ボルト径に対し、ソレノイドコネクタ130とコネクタ回転規制部材140との間に設定される隙間+ヨーク100に対するブラケット110の取り付け角度公差+ブラケット110のボルト通し孔120とボルトとのガタ分+ヨーク100とソレノイドコネクタ130との組み付け角度誤差の分だけ大きく設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4093092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図6に示す改善案では、図5に示す従来技術の構成と比較して、ボルト通し孔120の周方向寸法L2がボルト径に対し余裕を持って大きく形成されるため、ボルトを締め付ける際に、その締め付けトルクがブラケット110に印加されて油圧ソレノイドに回転力が作用する。その結果、ソレノイドコネクタ130がコネクタ回転規制部材140に干渉し、ソレノイドコネクタ130の嵌合部を形成する樹脂部材に応力が印加された状態で固定されるため、ソレノイドコネクタ130の樹脂部材が損傷する、あるいは、ソレノイドコネクタ130の通電用端子に接続される内部銅線(コイル)が断線する恐れがある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ソレノイドコネクタの嵌合部を形成する樹脂部材の損傷、及び、ソレノイドコネクタの通電用端子に接続される内部銅線の断線を回避できるソレノイドバルブの取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1の発明)
本発明は、内部に弁体を収容するベースと、電磁石の磁力を利用して弁体を駆動するソレノイド部とを備え、このソレノイド部は、通電によって電磁石を形成するコイルと、このコイルの外周を覆う筒状のヨークと、コイルに接続される通電用端子を備えるソレノイドコネクタと、ヨークの外周面に接合される取付け用のブラケットとを有し、取付け相手部品に穿設された取付け孔にベースが挿入され、且つ、ブラケットを介して締結手段の締め付け力により取付け相手部品の取付け面に固定されるソレノイドバルブの取付け構造であって、ブラケットの反取付け面側に角ワッシャを配置して、締結手段の締め付け力を角ワッシャに付与することにより、取付け面と角ワッシャとの間にブラケットが締め付け固定され、取付け相手部品には、ソレノイド部の周方向に対してソレノイドコネクタを所定の取り出し方向に位置決めするコネクタ位置決め手段と、締結手段の締め付け力による角ワッシャの回転を規制するワッシャ回転規制手段とが設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、ブラケットの上面、つまり、ブラケットの反取付け面側に角ワッシャを配置して、取付け面と角ワッシャとの間にブラケットを挟み込んでいるので、締結手段の締め付けによる回転力が直接ブラケットに作用することはない。また、締結手段の締め付け力を受ける角ワッシャは、ワッシャ回転規制手段によって回転規制されるので、角ワッシャを介してブラケットに回転力が作用することはない。これにより、締結手段を締め付ける際に、取付け孔に対してソレノイドバルブが回転することはないので、ソレノイド部に設けられたソレノイドコネクタがコネクタ位置決め手段に干渉することはなく、ソレノイドコネクタの嵌合部を形成する樹脂部材に応力が印加されることを防止できる。その結果、ソレノイドコネクタの樹脂部材が損傷することを防止でき、且つ、ソレノイドコネクタの通電用端子に接続される内部銅線(コイル)の断線を回避できる。
【0010】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、ブラケットの周方向幅より角ワッシャの周方向幅の方が大きく形成され、ワッシャ回転規制手段は、角ワッシャの幅方向両側にそれぞれ所定の隙間を有して立設する一対のワッシャ固定壁によって形成されることを特徴とする。
【0011】
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、締結手段は、取付け面に形成されるボルト孔と、このボルト孔に結合されるボルトであり、ブラケットおよび角ワッシャには、それぞれ、ボルトを通すためのボルト通し孔が形成されていることを特徴とする。
この場合、取付け面に形成されたボルト孔にボルトを結合して、その締め付け力により取付け面と角ワッシャとの間にブラケットが固定される。
【0012】
(請求項4の発明)
請求項1または2に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、締結手段は、取付け面に埋め込まれた埋め込みボルトと、この埋め込みボルトに結合されるナットであり、ブラケットおよび角ワッシャには、それぞれ、埋め込みボルトを通すためのボルト通し孔が形成されていることを特徴とする。
この場合、取付け面に埋め込まれた埋め込みボルトにナットを結合して、その締め付け力により取付け面と角ワッシャとの間にブラケットが固定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】油圧ソレノイドの取付け構造を軸方向から見た平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】油圧ソレノイドの断面図である。
【図4】油圧ソレノイドの取り付け状態を示す断面図である。
【図5】従来技術に係る油圧ソレノイドの軸方向平面図である。
【図6】従来技術の改善案を示す油圧ソレノイドの軸方向平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
(実施例1)
この実施例1では、本発明のソレノイドバルブを自動車の自動変速機に使用される油圧ソレノイドに適用した一例を説明する。
油圧ソレノイド1は、図3に示す様に、内部に弁体2を収容したベース3と、電磁石の磁力を利用して弁体2を駆動するソレノイド部4とで構成される。
ベース3には、弁部3Aと磁気回路を兼ねたシャフトガイド部3Bが設けられている。 弁部3Aには、弁体2を内部に収容する弁室(符号なし)と、この弁室の一端に開口する流入口3aと、弁室の他端に開口する流出口3bと、流入口3aに通じる流入ポート3cと、弁室に連通する流出ポート3dと、流出口3bに通じるドレンポート3e等が形成されている。
【0016】
シャフトガイド部3Bは、弁部3Aの反流入ポート側の端面より円筒状に突き出て設けられ、その内周を貫通する円筒孔がドレンポート3eに開口している。このシャフトガイド部3Bは、弁部3Aより外径が小さく形成され、弁部3Aとシャフトガイド部3Bとの間に段差が設けられている。
弁体2は、例えば、ボール弁であり、流出口3bを閉じて流入口3aを開く第1の移動位置(図3に示す位置)と、流入口3aを閉じて流出口3bを開く第2の移動位置との間で弁室の内部を往復移動できる。つまり、弁体2が第1の移動位置へ移動することで、流入ポート3cと流出ポート3dとが連通し、弁体2が第2の移動位置へ移動することで、流出ポート3dとドレンポート3eとが連通する。
【0017】
ソレノイド部4は、樹脂製のボビン5に巻回されるコイル6と、このコイル6の外周を覆う筒状のヨーク7と、このヨーク7に連結されるリング状のコアプレート8と、ヨーク7の内周を軸方向(図示左右方向)に可動するムービングコア9と、このムービングコア9の動きを弁体2に伝達するシャフト10と、このシャフト10をムービングコア9側(図示右側)へ付勢するリターンスプリング11と、通電用端子12aを備えるソレノイドコネクタ12等より構成される。
コイル6は、通電用端子12aを通じて電流が流れることで電磁石を形成する。
ヨーク7は、電磁石に発生する磁束を通すための磁気回路を形成すると共に、ソレノイド部4の外筒を形成するソレノイドケースを兼ねている。
コアプレート8は、鉄等の磁性体によって形成され、ヨーク7と共に磁気回路の一部を形成している。
【0018】
ムービングコア9は、コイル6に通電されて電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて図示左方向へ移動し、コイル6への通電が停止して電磁石の磁力が消滅すると、リターンスプリング11の反力で図示右方向へ押し戻される。
シャフト10は、上記シャフトガイド部3Bの内周に挿通されて、軸方向の後端(図示右端)がムービングコア9に連結され、軸方向の先端が弁体2に当接している。
ソレノイドコネクタ12は、図3に示す様に、コネクタ嵌合部12bと、ボビン5に取り付けられた通電用端子12aにコイル6の端部が結線されたものが一体成形され、コイルアセンブリとして構成されている。
【0019】
上記のソレノイド部4は、ベース3に対し以下の手順で組み立てられる。
まず、シャフトガイド部3Bの外周にリング状のコアプレート8を嵌め合わせ、ベース3の段差にコアプレート8の端面を当接させて軸方向に位置決めした状態で、かしめ等の方法によりベース3に固定する。
続いて、シャフトガイド部3Bの外周面を案内面としてコイルアセンブリをシャフトガイド部3Bの外周に嵌め合わせ、上記のコアプレート8に組み付ける。
続いて、リターンスプリング11、シャフト10、ムービングコア9等の内蔵部品を組み付ける。
最後に、ヨーク7を被せてコアプレート8にかしめ固定する。
【0020】
次に、取付け相手部品に対する油圧ソレノイド1の取付け構造について説明する。
油圧ソレノイド1は、図4に示す様に、取付け相手部品(以下、相手部品13と呼ぶ)に穿設された円筒形の取付け孔14にベース3の弁部3Aが挿入され、且つ、ブラケット15及び角ワッシャ16を介して、相手部品13の取付け面13aに締結手段によって固定される。締結手段は、図2に示す様に、相手部品13の取付け面13aに形成されたボルト孔17と、このボルト孔17に結合されるボルト18である。
相手部品13には、図4に示す様に、取付け孔14に通じる第1油路19、第2油路20、第3油路21が形成され、取付け孔14にベース3の弁部3Aが挿入されることで、弁部3Aに形成された流入ポート3cと第1油路19、流出ポート3dと第2油路20、ドレンポート3eと第3油路21とがそれぞれ連通する。
【0021】
ブラケット15は、油圧ソレノイド1を取り付けるために必要な強度を有する鉄等の金属板によって断面L字形に形成され、図1に示す様に、ヨーク7の外周面に溶接により所定の位置に接合される。
角ワッシャ16は、例えば、平面形状が四角形あるいは矩形を有し、図2に示す様に、ブラケット15の反取付け面側、つまり、ブラケット15の上面に重ねて配置される。この角ワッシャ16は、ブラケット15より周方向幅(図示左右方向の寸法)が大きく形成されている。
【0022】
ブラケット15及び角ワッシャ16には、図1に示す様に、それぞれ、ボルト18を通すためのボルト通し孔15a、16aが形成されている。ブラケット15のボルト通し孔15aは、ボルト18との干渉を避けるために、ソレノイド部4の中心とボルト通し孔15aの中心とを結ぶ直線方向に沿った寸法(以下、径方向寸法L1と呼ぶ)がボルト径より大きく形成されている。また、ボルト通し孔15aの径方向寸法L1と直交する方向の寸法(以下、周方向寸法L2と呼ぶ)は、ソレノイドコネクタ12の取り出し方向が位置決めされた状態で、ヨーク7に対するブラケット15の取付け角度誤差分を吸収できる程度に大きく形成されている。
【0023】
角ワッシャ16のボルト通し孔16aは、例えば、ブラケット15に形成されるボルト通し孔15aの周方向寸法L2と略同寸法の内径を有する丸孔に形成される。
一方、相手部品13には、ソレノイド部4の周方向に対してソレノイドコネクタ12を所定の取り出し方向に位置決めするコネクタ位置決め手段と、ボルト18の締め付け力による角ワッシャ16の回転を規制するワッシャ回転規制手段とが設けられている。
コネクタ位置決め手段は、図1に示す様に、ソレノイドコネクタ12の幅方向両側に、それぞれ相手部品13の取付け面13aより立設する一対のコネクタ規制壁22によって形成される。
ワッシャ回転規制手段は、図1に示す様に、角ワッシャ16の幅方向両側に、それぞれ相手部品13の取付け面13aより立設する一対のワッシャ固定壁23によって形成される。
【0024】
(実施例1の作用及び効果)
実施例1に記載した油圧ソレノイド1の取付け構造では、ブラケット15の反取付け面側に角ワッシャ16を配置して、相手部品13の取付け面13aと角ワッシャ16との間にブラケット15を挟み込んでいるので、ボルト18の締め付け力が直接ブラケット15に作用することはない。一方、角ワッシャ16は、ボルト18を締め付ける際に、その締め付けトルクを受ける方向に回転するが、ワッシャ固定壁23との間に設定されるガタ分だけ回転すると、ワッシャ固定壁23に当接して、それ以上、回転することはない。
ちなみに、角ワッシャ16がないと、以下の(1)式で示される回転力F1がブラケット15に作用して油圧ソレノイド1が回転する。
F1=ブラケット回転力×作用半径…………………………………………(1)
なお、(1)式に記載した「ブラケット回転力」は、ボルト座面とブラケット15の接触面での回転力であり、「作用半径」は、相手部品13に形成される取付け孔14の中心からボルト孔17の中心までの距離である。
【0025】
これに対し、角ワッシャ16を用いると、上記の様に、ボルト18を締め付ける際に角ワッシャ16の回転がワッシャ固定壁23によって規制され、角ワッシャ16がワッシャ固定壁23に当接した以降は回転しない。この場合、角ワッシャ16からブラケット15に作用する回転力F2は、以下の(2)式で示される。
F2=F1(≒0)×摩擦係数………………………………………………(2)
上記(2)式によれば、ボルト18を締め付ける際に、角ワッシャ16を介してブラケット15に回転力が作用することはないので、相手部品13の取付け孔14に対して油圧ソレノイド1が回転することはない。
【0026】
上記の結果、ソレノイドコネクタ12の樹脂部材であるコネクタ嵌合部12bがコネクタ規制壁22に干渉することはなく、コネクタ嵌合部12bに応力が印加されることを防止できるので、コネクタ嵌合部12bの損傷を防止できる。また、ソレノイドコネクタ12は、コネクタ規制壁22によって、ソレノイド部4の周方向に対し所定の取り出し方向に位置決めされるので、ソレノイドコネクタ12を目視できない場合でも、相手コネクタとの接続を容易に行うことができる。
【0027】
(変形例)
実施例1では、相手部品13の取付け面13aにボルト孔17が形成され、そのボルト孔17にボルト18を結合して、角ワッシャ16と共にブラケット15を締め付け固定する一例を記載したが、例えば、相手部品13の取付け面13aに埋め込みボルトを設けて、取付け面13aより突き出る埋め込みボルトにナットを結合してブラケット15を角ワッシャ16と共に締め付け固定する構成でも良い。
【0028】
また、実施例1では、自動車の自動変速機に使用される油圧ソレノイド1の取付け構造に本発明を適用した一例を記載したが、例えば、内燃機関のバルブタイミング調整装置に使用される油圧ソレノイドの取付け構造にも適用できる。その他、相手部品13に穿設された取付け孔14にベース3が挿入され、且つ、ブラケット15を介して締結手段の締め付け力により相手部品13の取付け面13aに固定されるソレノイドバルブの取付け構造であれば、上記の油圧ソレノイド以外の用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 油圧ソレノイド(ソレノイドバルブ)
2 弁体
3 ベース
4 ソレノイド部
6 コイル
7 ヨーク
12 ソレノイドコネクタ
12a 通電用端子
12b コネクタ嵌合部(樹脂部材)
13 取付け相手部品
13a 取付け相手部品の取付け面
14 取付け孔
15 ブラケット
15a ブラケットのボルト通し孔
16 角ワッシャ
16a 角ワッシャのボルト通し孔
18 ボルト(締結手段)
22 コネクタ規制壁(コネクタ位置決め手段)
23 ワッシャ固定壁(ワッシャ回転規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に弁体を収容するベースと、
電磁石の磁力を利用して前記弁体を駆動するソレノイド部とを備え、
このソレノイド部は、通電によって前記電磁石を形成するコイルと、このコイルの外周を覆う筒状のヨークと、前記コイルに接続される通電用端子を備えるソレノイドコネクタと、前記ヨークの外周面に接合される取付け用のブラケットとを有し、
取付け相手部品に穿設された取付け孔に前記ベースが挿入され、且つ、前記ブラケットを介して締結手段の締め付け力により前記取付け相手部品の取付け面に固定されるソレノイドバルブの取付け構造であって、
前記ブラケットの反取付け面側に角ワッシャを配置して、前記締結手段の締め付け力を前記角ワッシャに付与することにより、前記取付け面と前記角ワッシャとの間に前記ブラケットが締め付け固定され、
前記取付け相手部品には、前記ソレノイド部の周方向に対して前記ソレノイドコネクタを所定の取り出し方向に位置決めするコネクタ位置決め手段と、前記締結手段の締め付け力による前記角ワッシャの回転を規制するワッシャ回転規制手段とが設けられていることを特徴とするソレノイドバルブの取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、
前記ブラケットの周方向幅より前記角ワッシャの周方向幅の方が大きく形成され、
前記ワッシャ回転規制手段は、前記角ワッシャの幅方向両側にそれぞれ所定の隙間を有して立設する一対のワッシャ固定壁によって形成されることを特徴とするソレノイドバルブの取付け構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、
前記締結手段は、前記取付け面に形成されるボルト孔と、このボルト孔に結合されるボルトであり、
前記ブラケットおよび前記角ワッシャには、それぞれ、前記ボルトを通すためのボルト通し孔が形成されていることを特徴とするソレノイドバルブの取付け構造。
【請求項4】
請求項1または2に記載したソレノイドバルブの取付け構造において、
前記締結手段は、前記取付け面に埋め込まれた埋め込みボルトと、この埋め込みボルトに結合されるナットであり、
前記ブラケットおよび前記角ワッシャには、それぞれ、前記埋め込みボルトを通すためのボルト通し孔が形成されていることを特徴とするソレノイドバルブの取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−149723(P2012−149723A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9522(P2011−9522)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】