説明

ソレノイド保持機構及びこれを備えた原稿搬送装置、画像形成装置

【課題】部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現でき、ソレノイドをベース部材にしっかり保持することが可能なソレノイド保持機構を提供する。
【解決手段】ソレノイド保持機構60は、合成樹脂で構成されたベース部材61と、ベース部材61に設けられ、ソレノイド40を収容する収容部62と、収容部62の矩形をなすソレノイド取付面の一方の対角方向における両端部近傍に配置され、ソレノイド40に形成された位置決め孔40aに嵌合する位置決め突起63と、矩形をなすソレノイド取付面の他方の対角方向における両端部近傍に配置され、ソレノイド取付面から略法線方向に延びてソレノイド40に弾性的に係合し、保持するソレノイド保持爪64とを備える。これにより、複数箇所でねじを用いることなく、ベース部材61の収容部62へのソレノイド40の設置に伴って、ソレノイド40を保持することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドを保持するための保持機構に関する。また、このソレノイド保持機構を備えた原稿搬送装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや家庭などで使用される電子機器には、動作を制御するための様々な機能部品が必要であり、複写機やプリンタに代表される画像形成装置も例外ではない。このような機能部品のうち、構成要素の機械的な動作を実現するため、ソレノイドが利用されることが多い。
【0003】
ソレノイドは、例えば画像形成装置において、複数枚の原稿を自動的に原稿読取部へと送り出す原稿搬送装置にも備えられている。原稿搬送装置には、両面印刷に対応して原稿の搬送方向を切り替える原稿反転部と、この原稿反転部に原稿を導くための原稿分岐部とを備えているものがある。原稿分岐部は、原稿読取部から原稿排出トレイに続く原稿搬送路から、原稿反転部に向かって原稿搬送路が分岐するような形になっている。この原稿分岐部において、原稿排出トレイに向かう原稿、及び原稿反転部に向かう原稿の搬送を補助するために用いられる分岐ガイドの駆動に、ソレノイドが使用されることがある。
【0004】
このようなソレノイドは一般的に、電子機器の内部構造部材であるベース部材にしっかりと保持されている。ベース部材にソレノイドを保持するソレノイド保持機構の一例を、特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された記録媒体処理装置では、ソータ装置の切換フラッパを作動させるソレノイドが、ベース部材である金属製フレームにねじによって固定されている。
【特許文献1】特開平11−343062号公報(第7頁、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された記録媒体処理装置のソレノイド保持機構は、金属製フレーム(ベース部材)に対して、ソレノイド全体が意図せず動かないようにねじによってしっかりと保持され、動作対象である切換フラッパが誤動作を起こすのを防止している。しかしながら、このソレノイド保持機構では、1個のソレノイドをしっかりと保持するためには、複数のねじが必要である。これにより、部品点数が増加してコストアップするとともに、ねじの締結に掛かる組み立て時の手間も増大する。
【0006】
また、近年、電子機器の軽量化、小型化に伴ってベース部材の板厚が薄くなる傾向にあり、ねじを用いてベース部材にソレノイドを取り付けるとき、ねじの先端が必要以上にソレノイド内部に入り込む恐れがある。これにより、ねじの先端がソレノイドのコイル部にまで到達し、コイル部を構成する電線を破損させ、ショートや断線などの不具合を発生させる可能性がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現することができ、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能なソレノイド保持機構を提供することを目的とする。また、このようなソレノイド保持機構を備え、低コスト化や生産性の向上、動作安定性の向上が図られた原稿搬送装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、ソレノイド保持機構において、合成樹脂で構成されたベース部材と、このベース部材に設けられた、外形が略直方体形状をなすソレノイドを収容する収容部と、この収容部の矩形をなすソレノイド取付面の一方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、ソレノイド外面に形成された位置決め孔に嵌合する位置決め突起と、収容部の矩形をなすソレノイド取付面の他方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、収容部のソレノイド取付面から略法線方向に延びてソレノイド外壁に弾性的に係合し、ソレノイドを保持するソレノイド保持爪とを備えることとした。
【0009】
また、上記構成のソレノイド保持機構において、前記収容部の周縁に、ソレノイド取付面から略法線方向に延びて、端面がソレノイド外壁に当接する装着ガイドリブを備えることとした。
【0010】
また、上記構成のソレノイド保持機構において、前記収容部の近傍に、ソレノイドの可動鉄心を当接させ、可動鉄心の動作範囲を規制する規制部を備えることとした。
【0011】
また、上記構成のソレノイド保持機構において、前記ベース部材は、ソレノイドから延びる電線を挿通させる電線挿通孔と、前記電線の配置を案内する電線ガイド部とを備え、これら電線挿通孔及び電線ガイド部のエッジにおいて、角を丸める加工を施すこととした。
【0012】
また、上記構成のソレノイド保持機構において、前記ベース部材は、外部他部材に係合し、その他部材への着脱を可能にする外部係合爪を備えることとした。
【0013】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構を原稿搬送装置に備えることとした。
【0014】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構を画像形成装置に備えることとした。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、ソレノイド保持機構は、合成樹脂で構成されたベース部材と、このベース部材に設けられた、外形が略直方体形状をなすソレノイドを収容する収容部と、この収容部の矩形をなすソレノイド取付面の一方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、ソレノイド外面に形成された位置決め孔に嵌合する位置決め突起と、収容部の矩形をなすソレノイド取付面の他方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、収容部のソレノイド取付面から略法線方向に延びてソレノイド外壁に弾性的に係合し、ソレノイドを保持するソレノイド保持爪とを備えることとしたので、複数箇所でねじを用いることなく、ベース部材の収容部へのソレノイドの設置に伴って、ソレノイドを保持することが可能である。そして、この構成では、交差する対角方向に配置された位置決め突起とソレノイド保持爪との作用により、ソレノイドが収容部内で変位することなく保持することができる。したがって、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現することができ、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能なソレノイド保持機構を提供することができる。
【0016】
また、前記収容部の周縁に、ソレノイド取付面から略法線方向に延びて、端面がソレノイド外壁に当接する装着ガイドリブを備えることとしたので、ソレノイドをベース部材に配置する際、収容部の所定の位置に容易に導くことができる。これにより、ベース部材に対してしっかりと位置決めを行ったうえで、ソレノイドを保持することができる。したがって、さらに組み立て時の省力化を図りながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能になる。
【0017】
また、前記収容部の近傍に、ソレノイドの可動鉄心を当接させ、可動鉄心の動作範囲を規制する規制部を備えることとしたので、ソレノイドの動作を容易に制御することができる。さらに、金属製のベース部材である場合と異なり、可動鉄心当接時の衝突音を小さくすることができる。これにより、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持する効果に加えて、ソレノイド動作時の騒音の発生防止も図ることが可能になる。
【0018】
また、前記ベース部材は、ソレノイドから延びる電線を挿通させる電線挿通孔と、前記電線の配置を案内する電線ガイド部とを備え、これら電線挿通孔及び電線ガイド部のエッジにおいて、角を丸める加工を施すこととしたので、電線の損傷を防止して、保護することができる。したがって、電気的不具合の発生防止の効果を一層高めながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能になる。
【0019】
また、前記ベース部材は、外部他部材に係合し、その他部材への着脱を可能にする外部係合爪を備えることとしたので、例えば原稿搬送装置や画像形成装置本体の内部フレームにソレノイドを擁するベース部材を取り付ける場合、ねじなどの締結部材を用いて取り付ける必要がない。したがって、より一層部品点数を削減することができ、低コスト化を推進しながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能である。
【0020】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構を原稿搬送装置に備えることとしたので、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能な、低コスト化や生産性の向上、動作安定性の向上が図られた原稿搬送装置を提供することができる。
【0021】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構を画像形成装置に備えることとしたので、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイドをベース部材にしっかりと保持することが可能な、低コスト化や生産性の向上、動作安定性の向上が図られた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図1〜図13に基づき説明する。
【0023】
最初に、本発明の実施形態に係るソレノイド保持機構を備える原稿搬送装置に関して、原稿搬送装置を搭載した画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は、画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。図中の、実線矢印は用紙の搬送経路及び搬送方向を、一点鎖線矢印はレーザ光Lを示す。
【0024】
図1に示すように、画像形成装置1の本体2の内部下方には、給紙部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3は、その内部に、印刷前のカットペーパー等の用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは、図1において給紙カセット3の左上方に向けて、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は、本体2の正面側から水平に引き出すことが可能である。
【0025】
本体2の内部であって、給紙カセット3の左方には、第1用紙搬送部4が備えられている。第1用紙搬送部4は、本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、第1用紙搬送部4は、給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に転写部10まで搬送する。
【0026】
給紙カセット3の上方であって、第1用紙搬送部4が形設された本体2の左側面とは反対側の側面である右側面の箇所には、手差し給紙部5が備えられている。手差し給紙部5には、給紙カセット3に入っていないサイズの用紙Pや、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ送り込みたいものが載置される。
【0027】
手差し給紙部5の左方には、第2用紙搬送部6が備えられている。第2用紙搬送部6は、給紙カセット3のすぐ上方にあって、手差し給紙部5から第1用紙搬送部4まで略水平に延び、第1用紙搬送部4に合流している。そして、第2用紙搬送部6は、手差し給紙部5から送り出された用紙P等を受け取り、略水平に第1用紙搬送部4まで搬送する。
【0028】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置20が、その下方には画像読取装置7が備えられている。ユーザーが原稿の複写を行う場合には、原稿搬送装置20に、文字や図形、模様等の画像が描かれた原稿を積載する。原稿搬送装置20では1枚ずつ分離して原稿が送り出され、画像読取装置7によってその画像データが読み取られる。
【0029】
原稿画像の読み取り、すなわち印刷の開始は、本体2の上部であって、画像読取装置7の正面側に備えられた操作パネル(図示せず)を用いて実行される。ユーザーは、この操作パネルから、使用する用紙サイズや拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などを入力して設定することが可能である。
【0030】
原稿の画像データの情報は、第2用紙搬送部6の上方であって、本体2の中央部に配置された露光装置8に送られる。露光装置8により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが、画像形成部9に向かって照射される。
【0031】
第1用紙搬送部4の上方であって、露光装置8の左方には、画像形成部9及び転写部10が備えられている。画像形成部9では、露光装置8によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナーは、露光装置8の上方に備えられたトナーコンテナ11から画像形成部9に補給される。画像形成部9で形成されたトナー像は、第1用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに、転写部10にて転写される。
【0032】
転写部10の上方には、定着装置12が備えられている。転写部10にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着装置12へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0033】
定着装置12の上方には、用紙案内装置13が備えられている。定着装置12から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合、用紙案内装置13から画像形成装置1の胴内に設けられた胴内用紙排出部14に排出される。
【0034】
用紙案内装置13から胴内用紙排出部14に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分は、スイッチバック部15としての機能を果たす。両面印刷を行う場合には、このスイッチバック部15において、定着装置12から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは、用紙案内装置13を通過し、定着装置12の左方、及び転写部10の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路16を通して下方に送られ、再度第1用紙搬送部4を経て転写部10へと送られる。
【0035】
続いて、本体2の上面に搭載された原稿搬送装置20について、図2を用いてその構造の概略を説明する。図2は、原稿搬送装置の模型的垂直断面正面図である。図2中の実線矢印は、原稿の搬送経路及び搬送方向を示す。
【0036】
原稿搬送装置20は、図2に示すように、原稿載置トレイ21、原稿送り部30、及び原稿排出トレイ22を備えている。
【0037】
原稿載置トレイ21は、原稿搬送装置20の上部に設けられている。原稿載置トレイ21には、原稿を上方から載置して、積み上げることができる。原稿載置トレイ21は、原稿搬送方向の上流から下流、すなわち図2において右方から左方に向かって下る傾斜をなす構成となっている。
【0038】
原稿送り部30は、原稿載置トレイ21の原稿搬送方向下流端に、原稿供給口31と、原稿供給装置50とを備えている。原稿供給装置50は、原稿載置トレイ21に積み上げられた原稿を、最上層から1枚ずつ分離し、原稿供給口31を通して原稿送り部30の内部に向かって供給する。原稿供給口31の下流側には、原稿送り部30の内部に向かって原稿搬送路32が延びている。
【0039】
原稿搬送路32の先は、原稿搬送装置20の底面に到達し、この箇所に原稿読取部33が設けられている。原稿読取部33に送り込まれた原稿は、原稿搬送路32上をさらに下流側へ、すなわち図2において原稿読取部33の箇所を左方から右方へと移動する最中に、その下方に設けられた本体2の画像読取装置7(図1参照)により、下側の面である第1面の画像データが読み取られる。
【0040】
原稿搬送路32の、原稿読取部33の下流には、原稿分岐部34が設けられている。原稿の、表裏両面の画像データの読み取りが必要な場合、原稿分岐部34に到達した原稿は、原稿搬送路32の上方へと振り分けられ、その原稿搬送方向下流側に続く原稿反転部35にて搬送方向が切り替えられる。搬送方向が切り替えられた原稿は、原稿分岐部34の上側を経て、原稿読取部33の上流側の原稿搬送路32に送り込まれ、再度原稿読取部33で第2面の画像データが読み取られる。
【0041】
原稿分岐部34の下流であって、原稿搬送路32の下流端には、原稿排出口36が設けられている。画像データの読み取りが済んだ原稿は、原稿排出口36から原稿排出トレイ22に排出される。
【0042】
原稿排出トレイ22は、原稿載置トレイ21のすぐ下方に備えられ、これらのトレイが上下二段にして構成されている。原稿排出トレイ22に排出された原稿は、原稿搬送装置20の手前側から取り出すことができる。
【0043】
原稿載置トレイ21と、原稿排出トレイ22とは、互いの原稿搬送方向を逆にして、すなわち図2において原稿載置トレイ21は原稿を左方に向かって送り出し、原稿排出トレイ22は原稿を右方に向かって排出する形にして構成されている。これにより、原稿供給口31と原稿排出口36とが、原稿読取部33が存在する方向に対して各トレイの同じ側、すなわち図2において左側に設けられている。そして、原稿供給口31から原稿排出口36まで延びる前記原稿搬送路32は、図2に示すように、上下方向にU字形状に、すなわち横方向から見てU字形状に湾曲した形で設けられている。
【0044】
上記構成により、原稿搬送装置20は、原稿載置トレイ21に積み上げられた原稿を、一枚ずつ分離して原稿送り部30内に送り込み、原稿読取部33でその画像データを読み取った後、原稿排出トレイ22に排出する。
【0045】
次に、原稿搬送装置20の原稿送り部30の詳細な構成について、図2に加えて、図3〜図5を用いて説明する。図3は原稿搬送装置の原稿送り部を示す垂直断面正面図、図4は原稿送り部の原稿分岐部及び原稿反転部の箇所を背面側から見た部分拡大斜視図、図5は図3と同様の原稿搬送装置の原稿送り部を示す垂直断面正面図にして、分岐ガイドの姿勢が異なる状態を示すものである。なお、図3及び図5において、実線矢印は原稿の搬送経路及び搬送方向を示す。また、図4では、原稿分岐部の原稿搬送方向上流側及び上方と、原稿反転部の上方の部材、例えば原稿載置トレイや原稿供給装置の描画を省略している。
【0046】
原稿送り部30は、前述のように、原稿載置トレイ21の原稿搬送方向下流端に、原稿供給口31と、原稿供給装置50とを備えている(図3参照)。そして、原稿搬送路32が、図3に示すように、原稿供給口31の下流側に、下方に向かって延びている。
【0047】
原稿供給装置50は、原稿搬送方向と直角をなす原稿幅方向略中央部の上方に設けられ、ピックアップローラ51、供給ローラ52、及び分離パッド53を備えている。
【0048】
ピックアップローラ51は、原稿供給口31のすぐ下流側に備えられている。ピックアップローラ51は、図示しない駆動機構により、供給ローラ52の回転軸線を中心として垂直面内で上下に揺動可能である。原稿供給時、ピックアップローラ51は、原稿載置トレイ21に積み上げられた原稿の最上層下流部に上方から接触する。この原稿の最上層は、ピックアップローラ51によって供給ローラ52へと引き渡され、供給ローラ52により原稿送り部30の内部へと搬送される。
【0049】
供給ローラ52は、ピックアップローラ51の下流側において、その表面下部が原稿搬送路32に突出するように配置されている。そして、分離パッド53が、供給ローラ52の下方に配置され、供給ローラ52に接触している。この供給ローラ52と分離パッド53とが接触して形成される搬送ニップに原稿が挿通される。
【0050】
供給ローラ52と分離パッド53とが接触して形成される搬送ニップに原稿が重なって複数枚進入したとき、重なった上側の原稿だけが供給ローラ52によって送り出される。分離パッド53の作用により、重なった下側の原稿が送り出されることがないので、原稿が重なって送られてしまう重送という問題が起こるのを防止できる。
【0051】
原稿搬送路32上において、原稿供給装置50の箇所の下流には、レジストローラ対37が設けられている。レジストローラ対37は、互いに圧接し合うレジストローラ37aとコロ37bとで構成され、原稿読取部33へと向かう原稿に対して、正確な読み取りが実行できるよう、斜め送りを矯正し、好適なタイミングを計って送り出す。
【0052】
レジストローラ対37の箇所の下流には、原稿読取部33が設けられている。ここで、原稿供給口31から延びる原稿搬送路32は、原稿供給装置50、レジストローラ対37、及び原稿読取部33の箇所を経て、正面から見て反時計方向に回転するように湾曲している。したがって、原稿搬送路32は、原稿読取部33の上流側で図3において左方及び下方に向かって延び、下流側で右斜め上方に向かって延びている。
【0053】
原稿読取部33には、読取ガイド部材38が備えられている。読取ガイド部材38は、原稿読取部33の下方に設けられた本体2の画像読取装置7のコンタクトガラス7aに対向して配置されている。読取ガイド部材38は、原稿幅方向、すなわち原稿搬送装置20の前後方向に長く延び、原稿を案内する部分が下方に凸となる形状をなしている。そして、原稿搬送装置20の、画像読取装置7に対する閉鎖状態において、読取ガイド部材38は、その下方であって、コンタクトガラス7aとの間を搬送される原稿が、コンタクトガラス7aに接触するように案内している。
【0054】
原稿読取部33に送り込まれた原稿は、原稿搬送路32上をさらに下流側へ、図3において読取ガイド部材38の下側の箇所を左方から右方へと移動する最中に、すなわちコンタクトガラス7a上を通過する際、コンタクトガラス7aの下方に配置された読取ユニット(図示せず)により画像データが読み取られる。
【0055】
原稿搬送路32の、原稿読取部33の下流には、原稿分岐部34が設けられている。原稿分岐部34には、図3及び図4に示すように、略水平に前後方向に延びる支軸39aを中心として、垂直面内で揺動可能な分岐ガイド39が備えられている。なお、分岐ガイド39の支軸39aは、原稿分岐部34に対して原稿反転部35の最上流部に配置された搬送ローラ42a(後述)より下流側に位置している。
【0056】
そして、分岐ガイド39は、原稿搬送装置20の前後方向、すなわち原稿幅方向に長く延び、原稿搬送方向上流側の先端部の正面から見た垂直断面形状が、原稿を振り分け易いようにくさび形をなしている。また、分岐ガイド39は、図4に示すように、その背面側に配置されたL字型リンク41を介して、駆動装置であるソレノイド40によって駆動せしめられ、原稿搬送方向上流側の先端部を上下に振るように姿勢変更する。
【0057】
また、原稿分岐部34の下流には、下方に配置された原稿搬送路32に対して上方に、原稿反転部35が続いて配置されている。原稿の、表裏両面の画像データの読み取りが必要な場合、図5に示すように、原稿分岐部34の分岐ガイド39を下方へと姿勢変更し、原稿読取部33で第一面の画像データが読み取られた原稿を、原稿搬送路32から原稿反転部35へと送り込む。
【0058】
原稿反転部35は、図3及び図5に示すように、原稿排出口36の上方に配置され、搬送ローラ対42と、反転用トレイ43とが備えられている。なお、原稿反転部35の下側の搬送ガイドは、図3及び図4に示すように、分岐ガイド39と一体として構成されている。
【0059】
搬送ローラ対42は、原稿分岐部34に対して原稿反転部35の最上流部に配置され、互いに当接し合って原稿を搬送するための搬送ニップを形成する搬送ローラ42aと、従動コロ42bとで構成されている。搬送ローラ42aは、図示しないモータにより、図3における時計方向及び反時計方向に回転せしめられる。従動コロ42bは、原稿分岐部34に対してその下流側に配置された支軸42cを中心として垂直面内で揺動可能であって、下側に配置された搬送ローラ42aとの接触/離間を選択できる。反転用トレイ43は、原稿載置トレイ21のすぐ下方に比較的狭い隙間を隔てて配置され、原稿載置トレイ21と同様に斜め上方に向かって延びている(図2参照)。
【0060】
原稿反転部35では、原稿分岐部34を通って図3において左方から右方へと搬送されてきた原稿の下流部分を反転用トレイ43へと一旦送り出し、その原稿の上流部分が搬送ローラ対42の箇所に差し掛かったとき、搬送ローラ42aと従動コロ42bとのニップに原稿を保持した状態で搬送ローラ42aの回転を逆転させることにより、原稿の搬送方向を右方から左方へと切り替える。
【0061】
一方、原稿読取部33及び分岐部34の上方であって、原稿供給装置50が配置された箇所との間には、両面読取用原稿搬送路44が設けられている。両面読取用原稿搬送路44は、原稿反転部35の箇所から、図3において左方に向かって延び、その先で原稿搬送路32の、レジストローラ対37の上流の箇所に合流している。これにより、原稿反転部35で搬送方向が切り替えられた原稿は、原稿読取部33及び分岐部34の上側を通って原稿搬送路32に送り込まれ、再度原稿読取部33に到達して、下側の面である第2面の画像データが読み取られる。
【0062】
原稿分岐部34の下流側であって、原稿搬送路32の下流端には、原稿排出口36、及び原稿排出ローラ対45が設けられている。画像データの読み取りが済んだ原稿は、原稿排出ローラ対45によって原稿排出口36から原稿排出トレイ22(図2参照)に排出される。
【0063】
上記構成の原稿搬送装置20において、図4に示す分岐ガイド39を駆動するソレノイド40は、ソレノイド保持機構によって保持され、原稿搬送装置20の内部フレームに装着されている。
【0064】
続いて、このソレノイド保持機構の詳細について、図4に加えて、図6〜図13を用いて説明する。図6はソレノイド保持機構の正面図、図7はソレノイド保持機構の左側面図、図8はソレノイド保持機構の正面側から見た斜視図、図9はソレノイド保持機構の背面側から見た斜視図、図10はソレノイド保持機構のベース部材の正面図、図11はソレノイド保持機構の水平断面下面図にして、可動鉄心を突出させた状態を示すもの、図12は図11と同様のソレノイド保持機構の水平断面下面図にして、可動鉄心を引き込んだ状態を示すもの、図13はソレノイド保持機構を原稿搬送装置の内部フレームに装着した状態を示す垂直断面右側面図及び背面図である。なお、図8及び図9の斜視図は、ソレノイドを前方に取り外した状態を描画している。
【0065】
図4に示すソレノイド40は、図6に示すソレノイド保持機構60によって保持されている。ソレノイド保持機構60は、その主たる部分がベース部材61で構成されている。なお、図4では、ベース部材61や、ベース部材61を装着する原稿搬送装置20の内部フレームの描画を省略している。
【0066】
ベース部材61は、合成樹脂で構成され、図6〜図8に示すように、正面が開口した、上下及び左右方向に延びた平たい箱で形成されている。ベース部材61には、開口したその正面方向からソレノイド40が取り付けられ、収容する。
【0067】
ベース部材61は、ソレノイド40を収容する収容部62を備えている。ここで、図8に示すように、ソレノイド40は外形が略直方体形状をなし、収容部62はそのソレノイド40を受け入れるのに対応した形状、大きさをなしている。すなわち、図6及び図10に示すように、収容部62のソレノイド取付面は矩形をなしている。
【0068】
収容部62内には、図8及び図10に示すように、2箇所に、位置決め突起63が配置されている。位置決め突起63は、収容部62の矩形をなすソレノイド取付面の、一方の対角方向、すなわち図10において右下から左上に向かう対角方向における両端部近傍に1箇所ずつ配置されている。位置決め突起63は、図8に示すように、ソレノイド取付面から正面側に向かって突出している。ソレノイド40を収容部62に取り付けるとき、位置決め突起63は、ソレノイド40の外面に形成された位置決め孔40a(図4及び図9参照)に嵌合する。
【0069】
このような位置決め突起63に対して、収容部62の矩形をなすソレノイド取付面の、他方の対角方向、すなわち図10において左下から右上に向かう対角方向における両端部近傍には、ソレノイド保持爪64が1箇所ずつ備えられている。ソレノイド保持爪64は、先端が収容部62内側を向いた鉤状をなし、収容部62のソレノイド取付面から略法線方向に延びている。ソレノイド40を収容部62に取り付けるとき、ソレノイド保持爪64は、収容部62外側に弾性変形し、取り付けの最終段階で先端の鉤状部がソレノイド40に係合し、ソレノイド40を保持する(図7参照)。
【0070】
また、収容部62の周縁には、複数の装着ガイドリブ65が備えられている。装着ガイドリブ65は、収容部62のソレノイド取付面から略法線方向に延びている。ソレノイド40を収容部62に取り付けるとき、装着ガイドリブ65は、端面がソレノイド40外壁に当接してこれを案内し、収容部62の所定位置に導く。
【0071】
ベース部材61の収容部62の外部には、電線挿通孔66、電線ガイド部67、規制部68、及び外部係合爪69が備えられている。
【0072】
電線挿通孔66は、図9に示すように、ベース部材61の側壁を貫通する形で設けられ、ソレノイド40から延びる電線40bを挿通させるものである。電線ガイド部67は、ベース部材61の背面側にフック或いはリブの形状にして3箇所設けられ、電線40bの配置を案内するものである。これら電線挿通孔66及び電線ガイド部67は、そのエッジに角を丸める加工が施され、電線40bの破損を防止している。
【0073】
規制部68は、図10〜図12に示すように、収容部62に収容されたソレノイド40の可動鉄心40cが延びたその先端に対応する箇所に設けられている。規制部68は、ベース部材61の内側に形成されたリブ68a、及びベース部材61の側壁を貫通する孔61a内側の壁面68bの形で設けられている。
【0074】
なお、図4、図8、図11、及び図12に示すように、ソレノイド40の可動鉄心40cの先端には、円筒形状の可動鉄心40cを径方向に略水平に貫通して固定された制御ピン40dが備えられている。収容部62にソレノイド40を取り付けると、この可動鉄心40cの制御ピン40dの背面側部が、ベース部材61の孔61aに挿入される。一方、制御ピン40dの正面側部は、図4に示すように、分岐ガイド39を駆動するためのL字型リンク41に係合している。
【0075】
ソレノイド40を駆動し、可動鉄心40cを突出させると、図11に示すように、可動鉄心40cの先端面が、規制部68のリブ68aに当接する。また、可動鉄心40cを引き込むと、図12に示すように、可動鉄心40cの制御ピン40dが、孔61aの内側端部に設けられた規制部68の壁面68bに引っ掛かる。このようにして、規制部68は、ソレノイド40の可動鉄心40cを当接させることにより、可動鉄心40cの動作範囲を規制している。
【0076】
外部係合爪69は、図7及び図8に示すように、ベース部材61の周縁にある外壁に沿って、計3箇所設けられている。外部係合爪69は、先端に鉤状部が設けられ、ベース部材61の開口面から、略法線方向外側に向かって延びている。ベース部材61は、図13に示すように、外部係合爪69を弾性変形させ、先端の鉤状部を、外部他部材である原稿搬送装置20の内部フレーム20aに係合させることにより、内部フレーム20aに対して着脱が可能である。
【0077】
上記のように、ソレノイド保持機構60は、合成樹脂で構成されたベース部材61と、このベース部材61に設けられた、外形が略直方体形状をなすソレノイド40を収容する収容部62と、この収容部62の矩形をなすソレノイド取付面の一方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、ソレノイド40の外面に形成された位置決め孔40aに嵌合する位置決め突起63と、収容部62の矩形をなすソレノイド取付面の他方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、収容部62のソレノイド取付面から略法線方向に延びてソレノイド40の外壁に弾性的に係合し、ソレノイド40を保持するソレノイド保持爪64とを備えているので、複数箇所でねじを用いることなく、ベース部材61の収容部62へのソレノイド40の設置に伴って、ソレノイド40を保持することが可能である。そして、この構成では、交差する対角方向に配置された位置決め突起63とソレノイド保持爪64との作用により、ソレノイド40が収容部62内で変位することなく保持することができる。したがって、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現することができ、ソレノイド40をベース部材62にしっかりと保持することが可能なソレノイド保持機構60を提供することができる。
【0078】
また、収容部62の周縁に、ソレノイド取付面から略法線方向に延びて、端面がソレノイド40の外壁に当接する装着ガイドリブ65を備えているので、ソレノイド40をベース部材61に配置する際、収容部62の所定の位置に容易に導くことができる。これにより、ベース部材61に対してしっかりと位置決めを行ったうえで、ソレノイド40を保持することができる。したがって、さらに組み立て時の省力化を図りながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持することが可能になる。
【0079】
そして、収容部62の近傍に、ソレノイド40の可動鉄心40cを当接させ、可動鉄心40cの動作範囲を規制する規制部68を備えているので、ソレノイド40の動作を容易に制御することができる。さらに、金属製のベース部材である場合と異なり、可動鉄心40cの当接時の衝突音を小さくすることができる。これにより、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持する効果に加えて、ソレノイド動作時の騒音の発生防止も図ることが可能になる。
【0080】
また、ベース部材61は、ソレノイド40から延びる電線40bを挿通させる電線挿通孔66と、電線40bの配置を案内する電線ガイド部67とを備え、これら電線挿通孔66及び電線ガイド部67のエッジにおいて、角を丸める加工を施しているので、電線40bの損傷を防止して、保護することができる。したがって、電気的不具合の発生防止の効果を一層高めながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持することが可能になる。
【0081】
さらに、ベース部材61は、外部他部材である原稿搬送装置20の内部フレーム20aに係合し、その内部フレーム20aへの着脱を可能にする外部係合爪69を備えているので、内部フレーム20aにソレノイド40を擁するベース部材61を取り付ける場合、ねじなどの締結部材を用いて取り付ける必要がない。したがって、より一層部品点数を削減することができ、低コスト化を推進しながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持することが可能である。
【0082】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構60を原稿搬送装置20に備えたので、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持することが可能な、低コスト化や生産性の向上、動作安定性の向上が図られた原稿搬送装置20を提供することができる。
【0083】
また本発明では、上記構成のソレノイド保持機構60を画像形成装置1に備えたので、部品点数の削減や組み立て時の省力化、電気的不具合の発生防止を実現しながら、ソレノイド40をベース部材61にしっかりと保持することが可能な、低コスト化や生産性の向上、動作安定性の向上が図られた画像形成装置1を提供することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0085】
例えば、上記実施形態では、本発明のソレノイド保持機構60を、画像形成装置1に搭載された原稿搬送装置20の、分岐ガイド39を駆動するソレノイド40のために設けたが、ソレノイド保持機構60を用いることができる箇所はこれに限定されるわけではなく、原稿搬送装置20の他の場所であっても構わないし、画像形成装置1の本体2内であっても構わない。さらに、原稿搬送装置20や画像形成装置1以外の機器に、ソレノイド保持機構60を備えることにしても構わない。
【0086】
また、原稿搬送装置20を搭載した画像形成装置1は、上記実施形態ではブラックトナーのみを使用したモノクロ印刷用の画像形成装置であるが、このような機種に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを備え、複数色を重ね合わせて画像形成することが可能なタンデム方式、或いはロータリーラック方式のカラー印刷用画像形成装置であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、ソレノイドの保持機構全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係るソレノイド保持機構を備えた画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の原稿搬送装置の模型的垂直断面正面図である。
【図3】図2の原稿搬送装置の原稿送り部を示す垂直断面正面図である。
【図4】図3の原稿送り部の原稿分岐部及び原稿反転部の箇所を背面側から見た部分拡大斜視図である。
【図5】図3と同様の原稿送り部を示す垂直断面正面図にして、分岐ガイドの姿勢が異なる状態を示すものである。
【図6】図4に示すソレノイドに対するソレノイド保持機構の正面図である。
【図7】図6のソレノイド保持機構の左側面図である。
【図8】図6のソレノイド保持機構の正面側から見た斜視図である。
【図9】図6のソレノイド保持機構の背面側から見た斜視図である。
【図10】図6に示すソレノイド保持機構のベース部材の正面図である。
【図11】図6のソレノイド保持機構の水平断面下面図にして、可動鉄心を突出させた状態を示すものである。
【図12】図11と同様のソレノイド保持機構の水平断面下面図にして、可動鉄心を引き込んだ状態を示すもの。
【図13】図6のソレノイド保持機構を原稿搬送装置の内部フレームに装着した状態を示す垂直断面右側面図及び背面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
2 本体
20 原稿搬送装置
20a 内部フレーム(外部他部材)
21 原稿載置トレイ
22 原稿排出トレイ
30 原稿送り部
34 原稿分岐部
39 分岐ガイド
40 ソレノイド
40a 位置決め孔
40b 電線
40c 可動鉄心
40d 制御ピン
60 ソレノイド保持機構
61 ベース部材
62 収容部
63 位置決め突起
64 ソレノイド保持爪
65 装着ガイドリブ
66 電線挿通孔
67 電線ガイド部
68 規制部
69 外部係合爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂で構成されたベース部材と、このベース部材に設けられた、外形が略直方体形状をなすソレノイドを収容する収容部と、この収容部の矩形をなすソレノイド取付面の一方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、ソレノイド外面に形成された位置決め孔に嵌合する位置決め突起と、収容部の矩形をなすソレノイド取付面の他方の対角方向における両端部近傍に少なくとも1箇所ずつ配置され、収容部のソレノイド取付面から略法線方向に延びてソレノイド外壁に弾性的に係合し、ソレノイドを保持するソレノイド保持爪とを備えたことを特徴とするソレノイド保持機構。
【請求項2】
前記収容部の周縁に、ソレノイド取付面から略法線方向に延びて、端面がソレノイド外壁に当接する装着ガイドリブを備えたことを特徴とする請求項1に記載のソレノイド保持機構。
【請求項3】
前記収容部の近傍に、ソレノイドの可動鉄心を当接させ、可動鉄心の動作範囲を規制する規制部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のソレノイド保持機構。
【請求項4】
前記ベース部材は、ソレノイドから延びる電線を挿通させる電線挿通孔と、前記電線の配置を案内する電線ガイド部とを備え、これら電線挿通孔及び電線ガイド部のエッジにおいて、角を丸める加工を施したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のソレノイド保持機構。
【請求項5】
前記ベース部材は、外部他部材に係合し、その他部材への着脱を可能にする外部係合爪を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のソレノイド保持機構。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のソレノイド保持機構を備えたことを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のソレノイド保持機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−174581(P2009−174581A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11536(P2008−11536)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】