説明

タイヤの製造方法

【課題】低熱収縮性のコードを用いた周方向ベルトのテンションを確保して、製品タイヤに致命的な欠陥が発生することを防止する。
【解決手段】
湾曲したBTセグメント12aを備えたBTドラム12上に、低熱収縮性のコード10aを備えたベルトレイヤー10を、テンションを付与しつつ貼り付けて周方向ベルトを形成し、その後、前記ベルトを備えた未加硫タイヤを加硫するタイヤの製造方法であって、テンションTによる前記コードの伸び量をt、前記BTセグメント12aの径差に基づく前記コードのベルト圧縮量をc、加硫時の前記ベルトレイヤーの拡張量をa及び前記ベルトレイヤーの拡張減量をb、としたとき、前記ベルトレイヤーに、t≧b+c−aで表される前記コードの伸び量tを生じるテンションTを付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周方向ベルトに低熱収縮性素材、例えば高強力の有機繊維であるアラミド繊維素材を用いたタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重荷重用タイヤ、例えば、航空機用ラジアルタイヤは、高い使用内圧、高荷重条件下で使用されるため、トレッド部に作用する接地圧が高くなる傾向がある。そのため、離着陸時に滑走路上の石や金属片のような鈍いまたは鋭利な異物の上を通過する際、踏みつけた異物によりトレッドゴムにカット傷が生じ、異物がトレッド内部に容易に侵入してタイヤが損傷(FOD(Foreign Object Damage))することがある。
【0003】
また、航空機用ラジアルタイヤは、高内圧や高速回転中の遠心力作用によりトレッド面の径方向外方への迫り出しが大きくなるため、これに伴ってトレッドゴムがタイヤ周方向に引き伸ばされた状態、つまり径成長し易い傾向がある。
【0004】
そこで、航空機用空気入りラジアルタイヤは走行中に異物を踏んでタイヤが破損しないように、耐カット性および高速耐久性の両性能の向上を図った構造とすることが必要である。そのため、タイヤの径成長や熱収縮性なども考慮してナイロン等がバンドの素材として用いられてきた。
ナイロン等加硫の熱により収縮する性質を備えた素材を用いる場合は、少なくとも成型時に緩みなく成型できていれば、加硫後にトレッドゴムの内側に位置するベルトの熱収縮により、ベルトが波打つように曲がりタイヤ性能に致命的な打撃を与えるベルトウェーブが発生する虞がないという利点がある。
【0005】
他方、空気充填時や高速回転時におけるタイヤの径成長を抑制する低径成長タイヤが開発されるに伴って、ベルト素材として耐カット性がナイロン繊維よりも優れた、例えばアラミド繊維の素材が用いられるようになってきた。アラミド繊維は耐カット性に優れているため、例えば航空機用ラジアルタイヤに好適である。
しかし、その反面、ナイロン繊維に比較して熱収縮性が低いため、加硫時におけるナイロン繊維のような熱収縮は起きない。そのため、成型時に緩みなく成型できたとしても、製品タイヤにおいてベルトウェーブが発生しない保証はなく、成型後の製造工程如何によってはベルトウェーブが発生する懸念が出てきた。
ベルトウェーブが発生すると、ベルト折れが発生し、それが起点となってタイヤが破損する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−119865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アラミド繊維のように熱収縮性が低い素材(ここではナイロンよりも熱収縮性が低い素材を低熱収縮性素材という)をベルトに用いた場合の前記問題に鑑みなされたものであって、その目的は、アラミド繊維素材などの低熱収縮性素材を用いた周方向ベルトに、ベルトウェーブなどテンション(張力)不足による製品タイヤの致命的な現象が発生することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、湾曲したドラムセグメントを備えたドラム上に、低熱収縮性素材からなるコードを備えたベルトレイヤーを、テンションを付与しつつ貼り付けて周方向ベルトを形成する成型工程と、前記ベルトを備えた未加硫タイヤを加硫する加硫工程と、を有するタイヤの製造方法であって、前記成型工程における、テンションTによる前記コードの伸び量をt、及び前記ベルトを前記ドラムに貼り付ける際の、前記ドラムセグメントの径差に基づく前記コードのベルト圧縮量をc、前記加硫工程における、前記ベルトレイヤーの拡張量をa及び前記ベルトレイヤーの拡張減量をb、とし、但し、前記a、bをベルト長に対する、また、前記c、tを前記コード長に対するそれぞれ比率で表すとき、前記ベルトレイヤーに、t≧b+c−aで表される前記コードの伸び量tを生じるテンションTを付与するタイヤの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ベルトを成型時に付与したコードの伸び量が製造過程で圧縮されてマイナスにならないような製造条件を確立したことで、熱収縮性が低い素材を周方向ベルトに用いても、テンション不足によるベルトウェーブ等のタイヤ性能に致命的な現象が発生することのないタイヤを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ゴム被覆アラミド繊維素材を備えた周方向ベルトを成型するためのBTセグメントの断面図である。
【図2】張力調整手段を備えたベルト貼付装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図3】図1の一部拡大断面図であり、BTセグメント上にアラミド素材を備えたベルトストリップが貼り付けられる状態を示す断面図である。
【図4】グリーンタイヤ中の成型時のベルトレイヤーと、加硫後の製品タイヤ中のベルトレイヤーとを対比して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のタイヤの製造方法の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、ゴム被覆アラミド繊維素材を備えた周方向ベルトを成型するためのBT(ベルト・トレッド)ドラム12の一部であるBTセグメント12aの断面図であり、BTセグメント12aは図示のようにドラム面にR(曲率)が付されている。
【0012】
ここで、BTドラム12は、ベルト・トレッド成型ドラムであって、一般に空気入りラジアルタイヤの製造に用いられるものである。即ち、BTドラム12上にリボン状のベルトレイヤー10を貼り付けてベルト(スパイラルベルト)を形成し、その上にベルト・トレッドなどを貼り付けてベルト構成体を成型する。
【0013】
具体的には、例えば所定の外周を有するBTドラム12上にベルトレイヤー10を複数層張り付け、次いでこのベルトレイヤー10で構成されたベルト部材の外側にトレッドゴム層を張り付け、環状のベルト成型体を成型する。これを第1成型工程とし、第2成型工程においては、ラジアル・カーカスのクラウン部を取り囲むように前記BTドラム12により成型された環状のベルト成型体を配置して、ラジアル・カーカスを膨径することにより一体化させグリーンタイヤを成型する。成型したグリーンタイヤを加硫工程において加硫モールドにより加熱、成型して製品タイヤを製造する。加硫工程では、グリーンタイヤは内部の加硫ブラダの圧力により膨径して加硫モールドに高圧、高温下で押し付けられる。グリーンタイヤが膨径する間に加硫モールドが型閉され、タイヤの加硫が行われて製品タイヤを製造する。
【0014】
本実施形態においても、前記従来のタイヤの製造方法を用いることができる。
図1において、BTセグメント12a上にアラミド繊維素材からなるコード10aを埋設したストリップ状のベルトレイヤー(又はベルトストリップ)10が貼り付けられる状態を示している。
本実施形態では、ベルトレイヤー10は、例えば後述する張力授与手段により張力Tを印加した状態で、BTドラム12上に隙間なく貼り付けられていく。
【0015】
ベルトレイヤー10は、製品タイヤにおいてベルト部材の機能であるテンション(張力)保持などの性能を発揮するため、ベルトレイヤー10がテンション方向、つまりタイヤ周方向となるように、テンションを付与した状態でBTセグメント12a上に貼り付けられる。即ち、ベルトレイヤー10はテンションが付与される結果、そのコード10aを、長手方向に伸び量t(%)だけ伸張させた状態でBTドラム12上に貼り付けられる。
【0016】
ここで、BTドラム12(BTセグメント12a)に貼り付けるベルトレイヤー10に抵抗を付与してその張力を調整する手段を備えたベルト貼付装置は、公知のもの、例えば、特許文献1に記載されたものと同様のものが使用できる。
図2は、本実施形態で用いる張力調整手段を備えたベルト貼付装置の一例を模式的に示す斜視図である。
一定幅のベルトレイヤー10は、アラミド繊維からなるコード(補強コード)をゴムコーティングすることで構成されており、図示しないロールから巻き出されガイドローラ14を経由して矢印方向に回転するBTドラム12に巻き付けられる。巻き付けられたベルトレイヤー10は、例えば押し付けローラ15によりBTドラム12に押付けられてその周囲に貼り付けられる。
【0017】
ここで、ガイドローラ14は、BTドラム12の回転軸に沿って移動することができる図示しない移動台に支持されており、ベルトレイヤー10は移動台により軸方向に移動しながらBTドラム12に供給され、BTドラム12の周囲に螺旋状に巻付けられかつ貼り付けられて、周方向ベルト(スパイラルベルト)が形成される。
【0018】
前記移動台には誘導電動機20で駆動される抵抗ローラ22が配置されており、抵抗ローラ22は、巻付け時のベルトレイヤー10に所定の張力を付与するため、ベルトレイヤー10の供給方向と逆方向に回転し、BTドラム12に向かって移動するベルトレイヤー10に抵抗を与える。したがって、前記張力は誘導電動機20の出力トルクを変更することで任意に制御することができる。
なお、24、25はガイドローラ、27はインバータ、30はエンコーダ、32はコントローラ、34はインバータ27に接続された制御部であり、制御手段33は誘導電動機20の出力トルクを制御し、抵抗ローラ22とBTドラム12との間におけるベルトレイヤー10の張力を調節する制御を行う。
【0019】
ところで、このベルトレイヤー10は、BTドラム12上に貼り付けられた状態では、図3において、ベルトレイヤー10の大径側(図示例では左端側)を基準に貼り付けると、BTセグメント12aの径差により、ベルトレイヤー10の小径側(同右端側)のBTセグメント12a上における長さは左端側よりも短くなる。即ち、図示ベルトレイヤー10の左端は、BTドラム12上にそのコード10aが長手方向に伸び量t(%)だけ伸張させた状態で貼り付けられるが、同右端ではBTドラム12の周長が同左端よりも短いため、その周長に応じてその伸びが圧縮される。つまり、ベルトレイヤー10のコード10aは、BTドラム12上では、その左端では伸び量t(%)だけ自然長よりも伸張した状態で貼り付けられるが、右端のベルトレイヤー10のコード10aは、ベルトレイヤー10のコード10aの伸び量t(%)から周差に応じた圧縮量c(%)だけ減じた、つまり、t―c(%)だけ伸張した状態でBTドラム12上に貼り付けられる。
【0020】
次に、このようにして形成された複数層のベルト上に他のタイヤ構成部材を貼り付けて環状のベルト成型体を成型し、例えば、既に述べた製造工程にしたがってグリーンタイヤを形成する。
このようにして形成されたグリーンタイヤの加硫時においては、ベルトレイヤー10は加熱による拡張が見込まれる。ここでは、ベルトレイヤー10の加硫時における拡張をタイヤ設計上の拡張又は目標拡張率といい、その拡張量をa(%)とする。つまり、ベルトレイヤー10は加硫中に全体にa(%)だけの設計上の拡張が見込まれる。しかし、実際には、グリーンタイヤにおけるベルトレイヤー10上のタイヤ構成部材のゲージ(厚み)にバラツキがある等の理由で、前記加硫中のベルトレイヤー10の拡張が阻害されることが知られている。この阻害される拡張量をここでは、タイヤ設計上の拡張阻害又はベルト拡張減と呼び、その拡張減量はb(%)とする。
【0021】
図4は、グリーンタイヤ中の成型時のベルトレイヤーと、加硫後の製品タイヤ中のベルトレイヤーとを対比して示す断面図である。即ち、図4は、加硫中におけるベルトレイヤー10の拡張量a(%)と、これを抑制する拡張減量b(%)を用いて、成型時におけるベルトレイヤー10と製品時におけるそれとの関係を説明している。図示のように、成型時においてコード10aと共に伸び量t(%)だけ伸張されたベルトレイヤー10は、加硫時に拡張量a−拡張減量b(%)だけ拡張(長手方向には伸張)される。
【0022】
ここで、加硫後における製品タイヤにおいて、成型時においてテンションを付与して伸張させたコードの伸び量t(%)が製品時においてマイナスになると、ベルトにテンションが作用しなくなる。その場合は、ベルトウェーブ等の重大な欠陥が発生する虞が出てくる。
そこで、このような重大な欠陥を防止するためには、成型時においてテンションを付与して伸張させたコードの伸び量t(%)が少なくとも加硫後においてマイナスにならないようにすることが必要である。
【0023】
つまり、ベルトウェーブ等の重大な欠陥が発生する虞をなくすためには、テンションTによるコードの伸び量t(%)と、この伸び量を打ち消すBTセグメント12aの径差により発生するコードの圧縮量c(%)と、タイヤ設計上の拡張によるベルトレイヤー10の拡張量a(%)と、ベルト上の部材のゲージのバラツキなどによるベルトレイヤー10の拡張減量b(%)について、
t+a−b−c≧0・・・・・・(式1)
これを書き直して、
t≧b+c−a・・・・・・(式2)
つまり、ベルトの貼り付け時に作用させるテンションTは、当該ベルトのコードに式(2)で表される伸び量を与える大きさにする必要がある。
なお、t、a、b、cはいずれもベルト及びコードの自然長に対する長さの比率で表されていればよく、比率は百分率に限定されない。
【0024】
なお、以上で説明したt、a、b、cはベルトやコードの素材や構造によって決まるため、具体的数値はベルト及びコード素材(本実施形態ではアラミド繊維)やタイヤの他の構成部材、BTセグメント12aのR(曲率)、加硫温度などの加工条件などにより異なるものとなる。そのため、ベルトやタイヤの種類毎に実験やサンプルなどにより予め取得しておく必要がある。
【0025】
例えば、特定のベルトレイヤー10に常温でテンションTを作用させたときの伸び、即ちコード10aの伸び量t(%)を測定し(その対照表(テーブル)を作成しておくことが好ましい)、特定のベルトレイヤー10にテンションTを作用させて特定のRを持ったBTドラムに貼り付けたときの径差によるベルトレイヤー10、即ちコード10aの圧縮量c(%)を事前に求めておき、さらに、特定のベルトレイヤー10の特定の加硫条件における拡張量a(%)、及び特定の構成になるグリーンタイヤの加硫中における特定のベルトレイヤー10の伸び拡張減量b(%)を実験又はサンプルにより求めておくことが必要である。
【0026】
次に、以上で説明したアラミド繊維をベルト素材にしたタイヤへテンションを付与して、ベルトウェーブの発生を防止するための実施例について説明する。
例えば、ベルトレイヤー幅6.2mmのベルトレイヤー10を用い、そのときのタイヤ設計上の拡張による拡張量a(%)を0.45%、タイヤ設計上の伸び拡張減量b(%)を0.3%、BTドラム12aの径差により発生するコード10aの圧縮量c(%)が0.5%であるとし、そのときベルトレイヤー10に20NのテンションTを印加したときのコード10aの伸び量t(%)が0.02%であるとする。
この場合の各t、a、b、cの関係は、t(0.02)+a(0.45)−b(0.3)−c(0.5)=−0.33であるため、前記式(1)は成り立たない。
つまり、拡張量よりも圧縮量が大きいため、ベルトに圧縮による局所的なベルト折れ(素材の折損)が生じ、これが起点になってベルト故障が起こることが予測できる。
【0027】
そこで、この問題を解決するために必要なコード10aの伸び量t(%)を前記式(2);t≧b+c−aに基づき算出する。
式(2)から、t≧b(0.3)+c(0.5)−a(0.45)から、t≧0.35となる。
ここで、t=0.35(%)となるテンションTは、前記テーブルを参照して例えば80Nであるとすると、当該ベルトレイヤー10をBTドラムに貼り付ける場合は、ベルトレイヤー10に少なくとも80NのテンションTを作用させればよいことが分かる。
同様に、前記拡張量a(%)を0.1〜0.5%、ベルトレイヤー幅を6.0〜10mmとし、b、cは予め測定した一定値としたときのベルト貼付テンションTを求めると、テンションTは、30〜350Nの範囲になる。
【0028】
以上、本実施形態によれば、ベルトやタイヤの種類毎に実験などにより予め取得しておいた前記コードの伸び量や収縮量、ベルトレイヤーの拡張量、拡張減量などを、ベルト、タイヤ、加工条件などに基づき予め取得しておくことにより、ベルトレイヤー10をBTドラム12に貼り付ける際にどの程度のテンションを作用させればよいかを容易に判断することができる。
そのため、アラミド繊維などの低熱収縮性素材(ナイロンよりも熱収縮性が低い素材)のコード(補強コード)を備えたベルトレイヤー10を用いてタイヤを製造しても、製品タイヤにテンション不足によるベルトウェーブ等のタイヤ性能に致命的な現象が発生することがない。
【0029】
また、高強力(高耐カット性)のアラミド繊維をベルトに使用することで、ベルトを補強するためベルトの枚数を減らすことができるため、タイヤを軽量化することもできる。例えばナイロンなどの他の素材を使用した場合に比べて平均で10%程度軽量化することができる。
また、アラミド繊維が切断に強いため耐FOD性を向上させることができる。
以上の理由から、本実施形態に係るタイヤ製造方法で製造したアラミドなどの比較的熱収縮性の低い素材で構成した周方向ベルトを備えたタイヤは、とくに航空機用ラジアルタイヤとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
10・・・ベルトレイヤー、10a・・・コード、12・・・BTドラム、12a・・・BTセグメント、14・・・ガイドローラ、20・・・誘導電動機、22・・・抵抗ローラ、24、25・・・ガイドローラ、27・・・インバータ、30・・・エンコーダ、32・・・コントローラ、33・・・制御手段、34・・・制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲したドラムセグメントを備えたドラム上に、低熱収縮性素材からなるコードを備えたベルトレイヤーを、テンションを付与しつつ貼り付けて周方向ベルトを形成する成型工程と、前記ベルトを備えた未加硫タイヤを加硫する加硫工程と、を有するタイヤの製造方法であって、
前記成型工程における、テンションTによる前記コードの伸び量をt、及び前記ベルトを前記ドラムに貼り付ける際の、前記ドラムセグメントの径差に基づく前記コードのベルト圧縮量をc、
前記加硫工程における、前記ベルトレイヤーの拡張量をa及び前記ベルトレイヤーの拡張減量をb、とし、
但し、前記a、bをベルト長に対する、また、前記c、tを前記コード長に対するそれぞれ比率で表すとき、
前記ベルトレイヤーに、t≧b+c−aで表される前記コードの伸び量tを生じるテンションTを付与するタイヤの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたタイヤの製造方法において、
前記ベルトの素材は、アラミド繊維であるタイヤの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたタイヤの製造方法において、
前記タイヤは航空機用タイヤであるタイヤの製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤの製造方法において、
前記ベルトレイヤー幅を6.0〜10mm、
前記拡張量aを0.1〜0.5%、
前記拡張減量bを0.1〜0.5%、
としたとき、前記ドラムセグメントの形状に応じて前記テンションが30〜350Nであるタイヤの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107291(P2013−107291A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254271(P2011−254271)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】