説明

タグテープ、無線タグ回路素子カートリッジ、タグテープの製造方法

【課題】IC回路部近傍に結露が生じるのを防止し、健全性を向上する。
【解決手段】情報を記憶するIC回路部51と情報の送受信を行うアンテナ52とを備えた無線タグ回路素子Toを配置した略シート状のアンテナ基材71をそれぞれ有する複数の無線タグ回路素子保持体Hと、各無線タグ回路素子保持体Hをテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟むように配置された略テープ状の第1テープ媒体81及び第2テープ媒体82とを有し、第1テープ媒体81、無線タグ回路素子保持体H、第2テープ媒体82を含むテープ厚さ方向の積層構造を形成するタグテープ22であって、積層構造のうち、無線タグ回路素子保持体H、若しくは、無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向における近接する層に、IC回路部51近傍の吸湿を行うための吸湿手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグをテープ状に連続的に作成するタグテープ、これを用いた無線タグ回路素子カートリッジ、及びタグテープの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
このような無線タグは、通常、ラベル状の基材に無線タグ回路素子を設けて形成され、基材の裏面側に設けた粘着剤層によって対象物に貼り付け可能に構成される(=無線タグラベル)。その構造の一例としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、ラベルの基本構造を、カバーフィルムやベースフィルムを備えた一方側テープ媒体と、剥離紙を備えた他方側テープ媒体とを含む多層構造とする。そして、無線タグ回路素子を配置する位置では、一方側テープ媒体と他方側テープ媒体との間に、無線タグ回路素子を備えたアンテナパターンシート挿入するように配置している。無線タグラベルの使用時には、他方側テープ媒体の剥離紙を剥がして粘着剤層を露出させ、その粘着力でラベル全体を貼り付け対象に貼り付けるようになっている。
【特許文献1】特開2006−323735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、通常、無線タグラベルは、多層構造を構成する一方側テープ媒体と他方側テープ媒体の間に、無線タグ回路素子を挿入(介在)配置する構成が一般的である。このため、構造上(又は製造上)、その挿入配置される無線タグ回路素子において、一方側テープ媒体又は他方側テープ媒体側との間に空間が介在して空気層が生じる可能性がある。この空気層は周囲環境の温度変化によっては結露するおそれがあるが、この結露がIC回路部の近傍に生じた場合には、IC回路部の健全性を低下させるおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、IC回路部近傍に結露が生じるのを防止し、健全性を向上することができるタグテープ、これを用いた無線タグ回路素子カートリッジ、並びにタグテープの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材をそれぞれ有する複数の無線タグ回路素子保持体と、各無線タグ回路素子保持体をテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟むように配置された略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体とを有し、前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を形成するタグテープであって、前記積層構造のうち、前記無線タグ回路素子保持体、若しくは、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記IC回路部近傍の吸湿を行うための吸湿手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
本願第1発明のタグテープにおいては、第1テープ媒体、無線タグ回路素子保持体、第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を構成し、そのうち無線タグ回路素子保持体(若しくは無線タグ回路素子保持体に近接する層)に吸湿手段を設ける。この吸湿手段の吸湿作用により、積層構造中に設けたIC回路部近傍に存在する空気層において、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子のIC回路部の健全性を向上することができる。
【0008】
第2発明は、上記第1発明において、前記無線タグ回路素子保持体は、前記吸湿手段を備えることを特徴とする。
【0009】
無線タグ回路素子保持体に設けた吸湿手段により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0010】
第3発明は、上記第2発明において、前記無線タグ回路素子保持体は、前記吸湿手段として、前記アンテナ基材の少なくとも一部を吸湿材料により構成したことを特徴とする。
【0011】
これにより、アンテナ基材を吸湿手段として機能させ、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0012】
第4発明は、上記第2発明において、前記無線タグ回路素子保持体は、前記IC回路部を略覆うように保持する保持部材を備え、前記吸湿手段として、前記保持部材の少なくとも一部を吸湿材料により構成したことを特徴とする。
【0013】
これにより、IC回路部を保持する保持部材を吸湿手段として機能させ、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0014】
第5発明は、上記第1発明において、前記吸湿手段として、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部とテープ厚さ方向において重なるように、前記第1テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間に略シート状の吸湿材を介在配置したことを特徴とする。
【0015】
第1テープ媒体と無線タグ回路素子保持体との間に設けた略シート状の吸湿材により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、略シート状の吸湿材を新たに追加するだけで、それ以外の構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0016】
第6発明は、上記第1発明において、前記吸湿手段として、前記第1テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間において、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させたことを特徴とする。
【0017】
無線タグ回路素子保持体に付着させた吸湿剤により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、吸湿剤を付着するだけで、積層構造自体は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0018】
第7発明は、上記第1発明において、前記第1テープ媒体は、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記吸湿手段を備えることを特徴とする。
【0019】
第1テープ媒体のうち無線タグ回路素子保持体に近接する層に設けた吸湿手段により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0020】
第8発明は、上記第7発明において、前記第1テープ媒体は、前記無線タグ回路素子保持体を配置するための略テープ状の第1テープ基材層と、前記無線タグ回路素子保持体を前記第1テープ基材層に取り付けるための第1取り付け用粘着剤層とを備えることを特徴とする。
【0021】
第2テープ媒体とともにテープ厚さ方向の積層構造を構成する第1テープ媒体において、第1取り付け用粘着剤層を介し、無線タグ回路素子保持体を第1テープ基材層に取り付けることができる。
【0022】
第9発明は、上記第8発明において、前記吸湿手段として、前記第1テープ基材層のうち少なくとも一部を吸湿材料により構成し、前記第1取り付け用粘着剤層は、前記第1テープ基材層の前記吸湿材料による吸湿用の少なくとも1つの貫通孔を備えることを特徴とする。
【0023】
これにより、第1テープ基材層の吸湿材料による吸湿機能を、第1取り付け用粘着剤層の貫通孔を介して無線タグ回路素子保持体側に確実に作用させることができ、この結果、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0024】
第10発明は、上記第8発明において、前記第1取り付け用粘着剤層は、前記吸湿手段としての、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を含むことを特徴とする。
【0025】
第1取り付け用粘着剤層の吸湿剤による吸湿機能を無線タグ回路素子保持体側に作用させ、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0026】
第11発明は、上記第8乃至第10発明のいずれかにおいて、前記第1テープ媒体は、前記第1テープ基材層を貼り合わせ対象の被印字テープと貼り合わせるための貼り合わせ用粘着剤層を備えることを特徴とする。
【0027】
これにより、被印字テープ、第1テープ媒体、無線タグ回路素子保持体、第2テープを備えた積層構造により印字済タグラベル用テープを構成することができる。またこの印字済タグラベル用テープを適宜の長さに切断することで、印字付き無線タグラベルを作成することが可能となる。
【0028】
第12発明は、上記第1発明において、前記吸湿手段として、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部とテープ厚さ方向において重なるように、前記第2テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間に略シート状の吸湿材を介在配置したことを特徴とする。
【0029】
第2テープ媒体と無線タグ回路素子保持体との間に設けた略シート状の吸湿材により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、略シート状の吸湿材を新たに追加するだけで、それ以外の構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0030】
第13発明は、上記第1発明において、前記吸湿手段として、前記第2テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間において、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させたことを特徴とする。
【0031】
無線タグ回路素子保持体に付着させた吸湿剤により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、吸湿剤を付着するだけで、積層構造自体は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0032】
第14発明は、上記第1発明において、前記第2テープ媒体は、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記吸湿手段を備えることを特徴とする。
【0033】
第2テープ媒体のうち無線タグ回路素子保持体に近接する層に設けた吸湿手段により、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0034】
第15発明は、上記第12乃至請求項14のいずれか1項発明において、前記無線タグ回路素子保持体の前記アンテナ基材は、前記無線タグ回路素子側とその反対側とを連通させるための貫通孔を備えることを特徴とする。
【0035】
これにより、第2テープ媒体のうち無線タグ回路素子保持体に近接する層に設けた吸湿手段による吸湿機能を、アンテナ基材の貫通孔を介して無線タグ回路素子保持体側に確実に作用させることができ、この結果、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0036】
第16発明は、上記第14又は第15発明において、前記第2テープ媒体は、前記無線タグ回路素子保持体を配置するための略テープ状の第2テープ基材層と、前記無線タグ回路素子保持体を前記第2テープ基材層に取り付けるための第2取り付け用粘着剤層とを備えることを特徴とする。
【0037】
第1テープ媒体とともにテープ厚さ方向の積層構造を構成する第2テープ媒体において、第2取り付け用粘着剤層を介し、無線タグ回路素子保持体を第2テープ基材層に取り付けることができる。
【0038】
第17発明は、上記第16発明において、前記吸湿手段として、前記第2テープ基材層のうち少なくとも一部を吸湿材料により構成し、前記第2取り付け用粘着剤層は、前記第2テープ基材層の前記吸湿材料による吸湿用の少なくとも1つの貫通孔を備えることを特徴とする。
【0039】
これにより、第2テープ基材層の吸湿材料による吸湿機能を、第2取り付け用粘着剤層の貫通孔を介して無線タグ回路素子保持体側に確実に作用させることができ、この結果、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0040】
第18発明は、上記第16発明において、前記第2取り付け用粘着剤層は、前記吸湿手段としての、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を含むことを特徴とする。
【0041】
第2取り付け用粘着剤層の吸湿剤による吸湿機能を無線タグ回路素子保持体側に作用させ、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0042】
上記目的を達成するために、第19の発明は、タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグテープは、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材をそれぞれ有する複数の無線タグ回路素子保持体と、各無線タグ回路素子保持体をテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟むように配置された略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体とを有し、前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造のうち、前記無線タグ回路素子保持体、若しくは、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記IC回路部近傍の吸湿を行うための吸湿手段を設けたことを特徴とする。
【0043】
本願第19発明の無線タグ回路素子カートリッジにおいては、タグテープが、第1テープ媒体、無線タグ回路素子保持体、第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を構成し、そのうち無線タグ回路素子保持体(若しくは無線タグ回路素子保持体に近接する層)に吸湿手段を設ける。この吸湿手段の吸湿作用により、積層構造中に設けたIC回路部近傍に存在する空気層において、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子のIC回路部の健全性を向上することができる。
【0044】
上記目的を達成するために、第20の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材を有する複数の無線タグ回路素子保持体のそれぞれを、略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体を用いてテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟みこみ、前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を形成するタグテープの製造方法であって、前記第1及び第2テープ媒体による挟み込みの前に、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させることを特徴とする。
【0045】
これにより、無線タグ回路素子保持体に付着させた吸湿剤を用いて、IC回路部近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、第1テープ媒体及び第2テープ媒体により無線タグ回路素子保持体を挟み込む前に吸湿剤を付着する手順を加えるだけで、その他の手順や構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、IC回路部近傍に結露が生じるのを防止し、健全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0048】
図1は、本発明に係るタグテープを用いて無線タグラベルを作成するための無線タグラベル作成システムTSの全体のシステム構成を表すシステム構成図である。
【0049】
図1において、無線タグラベル作成システムTSは、タグラベル作成装置1を有している。タグラベル作成装置1は、通信ネットワークNWを介してルートサーバRS、情報サーバIS、端末装置DTa、および汎用コンピュータDTbなどに接続されており、例えば端末装置DTaにて使用者が任意に入力するデータに基づいた印字などが施された無線タグラベルTを作成する。
【0050】
図2は、上記タグラベル作成装置1の外観構成を示す斜視図である。
【0051】
図2において、タグラベル作成装置1は、装置本体2の上面に上蓋3を開閉可能に設けた構成となっている。装置本体2は、その内部に後述する内部ユニット11(後述の図3参照)が設けられている。また装置本体2は、前面部2aを有しており、この前面部2aに、ラベル排出口4、側蓋5、電源ボタン6、およびカッタ駆動ボタン7が設けられている。ラベル排出口4は、装置本体2の内部で作成される無線タグラベルT(図中一点鎖線で表示)を外部に排出するのに用いられる。側蓋5は、下端を支点にした回動で開閉可能となっており、上端部に設けられている押部4pを上方より押し込むことで前方に回動して開くようになっている。電源ボタン6は、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフ操作に用いられる。カッタ駆動ボタン7は、後述の切断部16(後述の図3参照)を使用者が手動で操作して無線タグラベルTの長さを所望の長さとする場合に用いられる。
【0052】
上蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持されるとともに、バネ等の付勢部材(図示を省略)を介して開方向に付勢される一方で、装置本体2との間のロックできるようにされており、装置本体2の上面で上蓋3に隣接するように設けられている開ボタン8が押されることにより、上記ロックが解除して上記付勢作用により開放されるようになっている。また上蓋3には、透明カバーなどを嵌め込んで形成した透視窓9が設けられている。
【0053】
図3は、装置本体2の内部に設けられている内部ユニット11の要部の構成を模式化して示す要部構成図である。
【0054】
図3において、内部ユニット11は、カートリッジホルダ12を備え、このカートリッジホルダ12にカートリッジ13(無線タグ回路素子カートリッジ)が着脱可能に装着されており、また圧接・テープ送り部14、印字部15、切断部16、送受信部17を備えている。
【0055】
カートリッジ13は、タグテープ22(基材テープ)がタグテープ用リール部23にロール状に巻回されたタグテープロール21(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製の透明なカバーフィルム25(被印字テープ)がカバーフィルム用リール部26にロール状に巻回されたカバーフィルムロール24と、さらにインクリボンロール27から繰り出されるインクリボン28をリボン巻取りローラ29で巻き取るようにされたインクリボンユニットとを有している。このようなカートリッジ13は、カートリッジホルダ12に装着された状態でその一部が図1における透視窓9を通して外部から見えるように構成されている。より具体的にいうと、カートリッジ13の表面には、タグテープ22のテープ幅や色などのテープタイプを表示したテープタイプ表示部(図示を省略)が設けられており、カートリッジホルダ12にカートリッジ13を装着した状態でこのテープタイプ表示部が透視窓9を通して外部から見えるように構成されている。
【0056】
圧接・テープ送り部14は、テープ送りローラ31と圧接ローラ32を有しており、タグテープロール21から繰り出されるタグテープ22とカバーフィルムロール24から繰り出されるカバーフィルム25とを重ねた状態でテープ送りローラ31と圧接ローラ32の間で押接的に挟持する。圧接・テープ送り部14は、この押接挟持によりタグテープ22にカバーフィルム25を接合させるとともに、そのタグテープ22とカバーフィルム25の接合で形成される印字済タグラベル用テープ33を矢示A方向に送り出す。
【0057】
印字部15は、印字ヘッド34とプラテンローラ35を有しており、カバーフィルムロール24から繰り出されるカバーフィルム25とインクリボンロール27から繰り出されるインクリボン28とが印字ヘッド34とプラテンローラ35の間を通過するように構成され、その通過に際してカバーフィルム25に印字が行われる。
【0058】
切断部16は、カッタ36を有しており、このカッタ36により印字済タグラベル用テープ33を所定の長さ、あるいは所望の長さで切断して無線タグラベルTを生成する。
【0059】
送受信部17は、送受信用のアンテナ、例えばコイル状に形成されたループアンテナ37を有しており、このループアンテナ37を介して印字済タグラベル用テープ33に対する無線通信による情報の読取りまたは書込み、より具体的には印字済タグラベル用テープ33に埋め込むようにして配置されている後述の無線タグ回路素子To(後述の図5参照)に対する情報の読取りまたは書込みを行う。
【0060】
以上のようなタグラベル作成装置1による無線タグラベルTの作成は以下のようにして行われる。例えば図1の端末装置DTaでタグラベル作成の入力がなされてタグラベル作成が開始されると、圧接・テープ送り部14のテープ送りローラ31が駆動してタグテープロール21からタグテープ22が繰り出される。またタグテープ22の繰出しと同期してカバーフィルムロール24からカバーフィルム25が繰り出される。
【0061】
カバーフィルムロール24から繰り出されたカバーフィルム25は、圧接・テープ送り部14でタグテープ22に接合される前に印字部15を通過し、その際に印字ヘッド34とプラテンローラ35が作動することにより印字がなされる。この印字処理に際しては、印字の文字数などに応じた長さでインクリボン28がリボン巻取りローラ29で巻き取られながらインクリボンロール27から繰り出される。こうした印字処理は、例えば図1の端末装置DTaで入力されたデータに基づいて行われるもので、例えば後述の図10(a)の例の無線タグラベルTにおけるような印字文字Rが印字される。
【0062】
印字が施されたカバーフィルム25は、圧接・テープ送り部14で圧接ローラ32によりタグテープ22に押接され、これによりタグテープ22に接合される。タグテープ22へのカバーフィルム25の接合で形成された印字済タグラベル用テープ33は、テープ送りローラ31で矢示A方向に送り出され、送受信部17を通過する。
【0063】
送受信部17では、そこを通過する印字済タグラベル用テープ33に対して上述のような無線通信による情報の読取りまたは書込みがなされる。この無線通信は、例えば図1の端末装置DTaで入力されたデータに基づいて行われ、このときに読み取り又は書き込んだ情報が例えば端末装置DTaに表示される。
【0064】
送受信部17による情報の読取りまたは書込みが終了すると、テープ切断部16におけるカッタ36が作動して印字済タグラベル用テープ33を切断し、これにより所定の長さの無線タグラベルTが生成される。
【0065】
図4は、無線タグラベルTを作成する際の端末装置DTaの表示画面における表示の一例を示す図である。この例では、無線タグラベルTの種別(アクセス周波数やタグラベル寸法)、印字部15で印字される印字文字、無線タグラベルにおける無線タグ回路素子に固有の識別情報であるアクセスID、図1の情報サーバISに格納されている物品情報のアドレス、および図1のルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレスなどが読取り情報に含まれている。
【0066】
図5(a)は、上記タグテープ22の構成を示す上面図、図5(b)はテープ厚さ方向の構成を示す図5(a)中A−A断面による概念的側断面図、図5(c)は図5(a)中B−B断面によるはテープ厚さ方向の構成を示す概念的横断面図である。
【0067】
図5(a)〜(c)に示すように、タグテープ22には、複数個の無線タグ回路素子保持体Hが、テープ長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。各無線タグ回路素子保持体Hにおいては、略シート状のアンテナ基材71上に、無線タグ回路素子Toが形成されている。
【0068】
タグテープ22は、この例では、表面側(図5(b)中上側)から順に、略テープ状の第1テープ媒体81と、上記無線タグ回路素子保持体Hと、略テープ状の第2テープ媒体82とを備えたテープ厚さ方向の積層構造となっている。第1テープ媒体81及び第2テープ媒体82は、各無線タグ回路素子保持体Hをテープ厚さ方向にそれぞれ挟むように配置されている。
【0069】
第1テープ媒体81は、粘着剤層44と、無線タグ回路素子保持体Hを配置するための略テープ状のテープ基材層45(第1テープ基材層)と、粘着剤層46とを備えている。第2テープ媒体82は、粘着剤層47と、無線タグ回路素子保持体Hを配置するための略テープ状のテープ基材層48と、粘着剤層49と、剥離紙層50とを備えている。これら第1テープ媒体81の粘着剤層46と、第2テープ媒体82の粘着剤層47との間に、無線タグ回路素子保持体Hが配置される。
【0070】
粘着剤層44(貼り合わせ用粘着剤層)はカバーフィルム接合用粘着剤層であり、上述のようにしてタグテープ22に貼り合わせ対象のカバーフィルム25を接合させるために用いられる。
【0071】
テープ基材層45及びテープ基材層48は、例えばPET樹脂のような樹脂材でテープ状に形成されている。
【0072】
粘着剤層46と粘着剤層47は、それぞれ無線タグ回路素子保持体Hをテープ基材層48に取り付けるための第1取り付け用粘着剤層及び第2取り付け用粘着剤層として機能する。
【0073】
粘着剤層49は、貼り付け用粘着剤層であり、後述の無線タグラベルTを目的の商品などに貼り付けるのに用いられる。剥離紙層50は、粘着剤層49を貼り付けに用いるまで保護するのに機能する。
【0074】
図6は、上記タグテープ22の要部構成を表す図5(a)の一部透視上面図であり、図7は、その詳細拡大図である。
【0075】
これら図6及び図7において、無線タグ回路素子Toは、情報を記憶するIC回路部51と、情報の送受信を行うループコイル形状のアンテナ52とを備えている。
【0076】
IC回路部51とアンテナ52とは、接合部材(電極)70a,70bによって電気的に接続され、導通されている。接合部材70aは、上記ループコイル形状のアンテナ52の一方側(この例では径方向内側)端部と上記IC回路部51とを導通するように配置されている。接合部材70bは、上記ループコイル形状のアンテナ52の他方側(この例では径方向外側)端部と上記IC回路部51とを導通するように配置されている。
【0077】
また、無線タグ回路素子Toに備えられた上記IC回路部51を覆うようにして保護するための保持部材72(=モールド部材。例えば適宜の合成樹脂材で形成され、IC回路部51をモールド成形している)が設けられている。IC回路部51は、この例では保持部材72の下面側(アンテナ52側)に設けられている。上記接合部材70a,70bは、保持部材72の下面側において、アンテナ52とIC回路部51とを導通するように配置されている。
【0078】
図8は、図7中D−D断面による横断面構造(粘着剤層44、テープ基材層45、粘着剤層46、無線タグ回路素子保持体H、粘着剤層47、テープ基材層48、粘着剤層49、剥離紙層50)のうち、中間部である、テープ基材層45、粘着剤層46、無線タグ回路素子保持体H、粘着剤層47、テープ基材層48の積層構造を説明するための分解断面図である。
【0079】
図8に示す積層構造において、本実施形態の特徴として、無線タグ回路素子保持体Hに備えられた上記保持部材72と上記アンテナ基材71との間に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤PWが設けられている。この吸湿剤PWが、IC回路部51近傍の吸湿を行うための吸湿手段を構成している。
【0080】
吸湿剤を構成する吸湿材料としては、化学物質の固有の性質(化学反応・潮解)を利用するいわゆる化学的乾燥剤や、多孔質表面に水分子が吸着しやすい性質を利用する物理的乾燥剤等を用いることができる。
【0081】
化学的乾燥剤としては、例えば、塩化カルシウム、五酸化二リン、水酸化ナトリウム、金属ナトリウム、硫酸ナトリウム無水塩、硫酸銅無水塩、過塩素酸マグネシウム、生石灰、濃硫酸等がある。物理的乾燥剤としては、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、シリカゲル等がある。
【0082】
図9は、無線タグ回路素子Toの機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。前述したように、無線タグ回路素子Toは、IC回路部51とアンテナ(ループアンテナ)52とを備えている。
【0083】
IC回路部51は、アンテナ52により受信された質問波を整流する整流部62と、この整流部62により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部63と、上記アンテナ52により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部64に供給するクロック抽出部65と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部67と、上記アンテナ52に接続された変復調部66と、上記メモリ部67、クロック抽出部65、及び変復調部66等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部64とを備えている。
【0084】
変復調部66は、アンテナ52により受信された通信信号の復調を行うと共に、上記制御部64からの返信信号に基づき、アンテナ52で受信した質問波を変調し、アンテナ52より応答波として再送信する。
【0085】
制御部64は、上記変復調部66により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部67において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部66により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0086】
クロック抽出部65は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部64にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部64に供給する。
【0087】
図10(a)は上記タグテープ22から作成される無線タグラベルTの一例を表す上面図であり、図10(b)は図10(a)中のC−C横断面による横断面図である。
【0088】
これら図10(a)及び図10(b)において、無線タグラベルTは、上述の多層構造のタグテープ22にカバーフィルム25を接合して得られる印字済タグラベル用テープ33(図3参照)を所定の長さあるいは所望の長さで切断して形成される。したがって、無線タグラベルTは、タグテープ22の積層構造にカバーフィルム25が加わることで、表面側(図10中上側)から順にカバーフィルム25、粘着剤層44、テープ基材層45、粘着剤層46、無線タグ回路素子保持体H、粘着剤層47、テープ基材層48、粘着剤層49、および剥離紙層50を有する9層構造となっている。なお、上記カバーフィルム25には、裏面側(図10中下側)から印字文字Rが印字されている。
【0089】
以上のように構成した本実施形態においては、無線タグ回路素子保持体Hを構成する保持部材72とアンテナ基材71との間に吸湿剤PWを設ける。この吸湿作用により、保持部材72に設けたIC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子ToのIC回路部51の健全性を向上することができる。
【0090】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0091】
(1)吸湿材料で構成された保持部材72′を用いる場合
図11は、この変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8に対応する図である。図11において、この変形例では、上記略粉末状又は略液体状の吸湿剤PWを設けるのに代えて、保持部材72′自体を(その少なくとも一部を)吸湿材料により構成されている。この場合、保持部材72′が、IC回路部51近傍の吸湿を行うための吸湿手段を構成する。なお、吸湿材料としては、上述と同様、化学的乾燥剤や物理的乾燥剤等を用いることができる。
【0092】
本変形例においては、無線タグ回路素子保持体Hを構成する保持部材72′の少なくとも一部を吸湿性材料で構成し、吸湿手段として機能させる。この吸湿作用により、積層構造中に設けたIC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子ToのIC回路部51の健全性を向上することができる。
【0093】
(2)IC回路部51の保持構造が異なる場合
上記実施形態及び(1)の変形例においては、保持部材72,72′の下面側にIC回路部51を設け、同じく保持部材72,72′の下面側に設けた接合部材70a,70bによりアンテナ52とIC回路部51との導通を行った。これに限られず、IC回路部51を別の保持構造で保持するようにしてもよい。
【0094】
図12は、そのような変形例におけるタグテープの要部構成を表す拡大上面図であり、上記図7に対応する図である。また、図13は図12に示す積層構造の中間部の横断面構造を表す図12中F−F断面による分解断面図であり、上記図8に対応する図である。これら図12及び図13において、本変形例では、IC回路部51は、保持部材72の上面側に設けられている。このとき保持部材72には、上面側から下面側へ貫通する貫通孔(スルーホール)が2つ設けられている。2つのうち一方の貫通孔を貫通して延設される導電部材(導電パターン)74aが、保持部材72下面側の接合部材70a(アンテナ52に導通している)と保持部材上面側のIC回路部51の一方側(図13中左側)とを接続し、電気的に導通させている。同様に、2つのうち他方の貫通孔を貫通して延設される導電部材74bが、保持部材72下面側の接合部材70b(アンテナ52に導通している)と保持部材72上面側のIC回路部51の他方側(図13中右側)とを接続し、電気的に導通させている。
【0095】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0096】
(3)吸湿材料で構成されたアンテナ基材71′を用いる場合
図14は、この変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記(1)の変形例の図11に対応する図である。図14において、この変形例では、上記(1)の変形例において保持部材72′を化学的乾燥剤や物理的乾燥剤等の吸湿材料で構成したのに代えて、アンテナ基材71′全体(あるいは、例えば特にIC回路部51の近傍のみでもよい)を化学的乾燥剤や物理的乾燥剤等の吸湿材料で構成する。
【0097】
この場合も、上記同様、アンテナ基材71′を吸湿手段として機能させ、その吸湿作用により、積層構造中に設けたIC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子ToのIC回路部51の健全性を向上することができる。
【0098】
(4)アンテナ基材71の貼り付け側に隣接して略シート状の吸湿材73を配置する場合
図15は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8に相当する図である。
【0099】
図15において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接するように、この例ではアンテナ基材71と粘着剤層47との間に、上記に例示したような吸湿材料からなる略シート状の吸湿材73が配置されている。
【0100】
図16は、本変形例のタグテープ22の要部構成を表す一部透視した詳細拡大上面図である。これら図16及び図15に示すように、吸湿材73は、この例では、無線タグ回路素子保持体Hのすべてとテープ厚さ方向に重なる(すべてを覆う)ように介在配置されている。
【0101】
またこのとき、この吸湿材73による吸湿機能を保持部材72に覆われたIC回路部51側にも作用させるように、アンテナ基材71のうち保持部材72に覆われた部分に少なくとも1箇所(この例では2箇所)に、アンテナ基材71を貫通する貫通孔71A,71Bが設けられている。
【0102】
本変形例においては、第2テープ媒体82の粘着剤層47と無線タグ回路素子保持体Hとの間に設けた略シート状の吸湿材73により、IC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて結露が生じるのを防止することができる。また、略シート状の吸湿材73を新たに追加するだけで、それ以外の構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0103】
なお、図17に示すように、吸湿材73の大きさをアンテナ基材71よりも小さくしてもよい。さらに、図16中想像線で示すように、保持部材72部分のみと厚さ方向に重なるように(この例では長手方向がタグテープ22の幅方向となる)略テープ状の吸湿材73としてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0104】
(5)アンテナ基材71の貼り付け側に粉末吸湿剤PW等を付着させる場合
図18は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0105】
図18において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hの少なくとも一部(この例ではほぼ全部)に対しテープ厚さ方向に近接するように、この例ではアンテナ基材71の粘着剤層47側に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤(例えばシリカゲルや、その他上記したもの等)PWを付着させる。
【0106】
このときの組み立て手順としては、まず、アンテナ基材71を備えた無線タグ回路素子保持体Hの少なくとも一部に(図示下側に)、上記略粉末状又は略液体状の吸湿剤PWを付着させる。その後、その吸湿剤PWが付着した無線タグ回路素子保持体Hを、上記粘着剤層46やテープ基材層45を備えた第1テープ媒体81と、上記粘着剤層47やテープ基材層48を備えた第2テープ媒体82とを用いて、テープ厚さ方向両側より挟み込む。
【0107】
本変形例においては、第2テープ媒体82の粘着剤層47と無線タグ回路素子保持体Hとの間に設けた吸湿剤PWにより、上記貫通孔71A,71Bを介し、IC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて結露が生じるのを防止することができる。このとき、吸湿剤PWを付着させるだけで、積層構造自体は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。また、第1テープ媒体81及び第2テープ媒体82により無線タグ回路素子保持体Hを挟み込む前に、吸湿剤PWを付着する手順を加えるだけで、その他の手順や構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0108】
(6)吸湿性材料で構成したテープ基材48′を用いる場合
図19は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0109】
図19において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接する(この例ではアンテナ基材71に対し粘着剤層47を介し配置される)テープ基材層48′を上記に例示したような吸湿材料により構成し、吸湿手段として機能させる。
【0110】
またこのとき、このテープ基材層48′の吸湿材料による吸湿機能を保持部材72に覆われたIC回路部51側にも作用させるように、粘着剤層47の適宜の箇所に、表裏を貫通する少なくとも1つの(この例では複数の)貫通孔47A,47Bが設けられている。
【0111】
本変形例においては、第2テープ媒体82のテープ基材層48′の吸湿機能を、粘着剤層47の貫通孔47A,47B及びアンテナ基材71の貫通孔71A,71Bを介し作用させ、IC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて結露が生じるのを防止することができる。
【0112】
(7)吸湿性材料を含んだ粘着剤層47′を用いる場合
図20は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0113】
図20において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接する(この例ではアンテナ基材71に隣接する)粘着剤層47′中に、上記に例示したような略粉末状又は略液体状の吸湿剤(シリカゲル他)を含ませる。
【0114】
本変形例においては、吸湿手段としての粘着層47′に含まれる略粉末状又は略液体状の吸湿剤の吸湿機能を、アンテナ基材71の貫通孔71A,71Bを介し作用させ、IC回路部51近傍に存在する空気層ARにおいて結露が生じるのを防止することができる。
【0115】
(8)無線タグ回路素子Toを覆う保持部材がない場合
図21は、本変形例によるタグテープ22の要部構成を表す透視上面図であり、図22はその詳細拡大図であり、それぞれ、前述の図6及び図7に相当する図である。図23は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す図22中E−E断面による分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0116】
これら図21、図22、及び図23において、本変形例では、無線タグ回路素子保持体Hは前述のIC回路部51等を覆うように配置される保持部材を備えていない。また、アンテナ52の一方側(この例では径方向内側)端部と上記IC回路部51とを導通する接合部材70aと、アンテナ52の他方側(この例では径方向外側)端部と上記IC回路部51とを導通させるための接合部材70bとの両方がアンテナ52の径方向内側部に配置されている。また、上記他方側の接合部材70bは、アンテナ52の径方向内外を跨ぐように設けられた連結導通部材73を介し、アンテナ52の他方側(径方向外側)端部と導通されている。
【0117】
そして、本変形例では、図23に示す積層構造において、前述の図14に示した(3)の変形例と同様、無線タグ回路素子保持体Hに備えられた上記アンテナ基材71′の少なくとも一部が吸湿材料(例えば前述と同様のもの)により構成され、IC回路部51近傍の吸湿を行うための吸湿手段を構成している。
【0118】
本変形例においては、無線タグ回路素子保持体Hを構成するアンテナ基材71′の少なくとも一部を吸湿性材料で構成し、吸湿手段として機能させる。この吸湿作用により、積層構造中に設けたIC回路部51近傍に存在する空気層において、周囲温度の変動等によって結露が生じるのを防止する。この結果、無線タグ回路素子ToのIC回路部51の健全性を向上することができる。
【0119】
(9)アンテナ基材71の貼り付け側と反対側に略シート状の吸湿材75を配置する場合
図24は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0120】
図24において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接するように、この例ではアンテナ基材71と粘着剤層46との間に、上記に例示したような吸湿材料からなる略シート状の吸湿材75が配置されている。
【0121】
図25は、本変形例のタグテープ22の要部構成を表す一部透視した詳細拡大上面図である。これら図25及び図24に示すように、吸湿材75は、この例では、無線タグ回路素子保持体Hのすべてとテープ厚さ方向に重なる(すべてを覆う)ように介在配置されている。
【0122】
本変形例においては、第1テープ媒体81の粘着剤層46と無線タグ回路素子保持体Hとの間に設けた略シート状の吸湿材75により、IC回路部51近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。また、略シート状の吸湿材75を新たに追加するだけで、それ以外の構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0123】
なお、図26に示すように、吸湿材75の大きさをアンテナ基材71よりも小さくしてもよい。また、図26中の想像線に示すように、アンテナ52が広範囲に露出するように(この例では長手方向がタグテープ22の長手方向となる)略テープ状の吸湿材75としてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。なお、前述の(2)の変形例の構造において、これら略シート状の吸湿材75を設ける構造を適用してもよい。この場合も、上記同様、吸湿材75により、IC回路部51近傍に存在する空気層に結露が生じるのを防止することができる。
【0124】
(10)アンテナ基材71の貼り付け側と反対側に粉末吸湿剤PW等を付着させる場合
図27は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0125】
図27において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hの少なくとも一部(この例ではほぼ全部)に対しテープ厚さ方向に近接するように、この例ではアンテナ基材71の粘着剤層46側に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤(例えばシリカゲルや、その他上記したもの等)PWを付着させる。
【0126】
このときの組み立て手順としては、前述と同様、まず、アンテナ基材71を備えた無線タグ回路素子保持体Hの少なくとも一部に(図示上側に)、上記略粉末状又は略液体状の吸湿剤PWを付着させる。その後、その吸湿剤PWが付着した無線タグ回路素子保持体Hを、上記粘着剤層46やテープ基材層45を備えた第1テープ媒体81と、上記粘着剤層47やテープ基材層48を備えた第2テープ媒体82とを用いて、テープ厚さ方向両側より挟み込む。
【0127】
本変形例においては、第1テープ媒体81の粘着剤層46と無線タグ回路素子保持体Hとの間に設けた吸湿剤PWにより、IC回路部51近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。このとき、吸湿剤PWを付着させるだけで、積層構造自体は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。また、第1テープ媒体81及び第2テープ媒体82により無線タグ回路素子保持体Hを挟み込む前に、吸湿剤PWを付着する手順を加えるだけで、その他の手順や構成は変えることなく、容易に結露防止を図ることができる。
【0128】
(11)吸湿性材料で構成したテープ基材層45′を用いる場合
図28は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解横断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0129】
図28において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接する(この例ではアンテナ基材71に対し粘着剤層46を介し配置される)テープ基材層45′を、上記に例示したような吸湿材料により構成する。
【0130】
またこのとき、このテープ基材層45′の吸湿材料による吸湿機能をIC回路部51側にも作用させるように、粘着剤層46の適宜の箇所に、表裏を貫通する少なくとも1つの(この例では複数の)貫通孔46A,46Bが設けられている。
【0131】
本変形例においては、第1テープ媒体81に備えられた吸湿手段としてのテープ基材層45′の吸湿機能を、粘着剤層46の貫通孔46A,46Bを介し作用させ、IC回路部51近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0132】
(12)吸湿性材料を含む粘着剤層46′を用いる場合
図29は、この変形例におけるタグテープ22の中間部の横断面構造を表す分解断面図であり、上記図8等に相当する図である。
【0133】
図29において、本変形例では、積層構造中の無線タグ回路素子保持体Hに対しテープ厚さ方向に近接する(この例ではアンテナ基材71の貼り付け側と反対側に隣接する)粘着剤層46′中に、上記に例示したような略粉末状又は略液体状の吸湿剤(シリカゲル他)を含ませる。
【0134】
本変形例においては、吸湿手段としての粘着層46′に含まれる略粉末状又は略液体状の吸湿剤の吸湿機能により、IC回路部51近傍に存在する空気層において結露が生じるのを防止することができる。
【0135】
(13)その他
図8、図18、図27等に示す構成において、吸湿手段としての略粉末状又は略液体状の吸湿剤PWは、絶縁層や配線や端子を避けるように設けたり、その吸湿剤を紙袋等にすっぽりと収めた状態で配置する(IC回路部等と吸湿材との間に紙等の絶縁体を介在させる)ようにしてもよい。これにより、吸湿作用を実行した後の水分を含んだ吸湿剤PWが、IC回路部51や周囲配線等に対し影響を与えるのを確実に防止し、万全を期すことができる。
【0136】
また、以上においては、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済タグラベル用テープ33をカッタ36で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ15で切断しなくても、テープが排出口4から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0137】
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ22とは別のカバーフィルム25に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、タグテープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子ToのIC回路部51から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド34によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0138】
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ13内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置2側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0139】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ13のようなタグラベル作成装置2本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてタグテープロール21を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0140】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0141】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明に係るタグテープを用いて無線タグラベルを作成するための無線タグラベル作成システムの全体のシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】タグラベル作成装置の外観構成を示す斜視図であ
【図3】装置本体の内部に設けられている内部ユニットの要部の構成を模式化して示す要部構成図である。
【図4】無線タグラベルを作成する際の端末装置の表示画面における表示の一例を示す図である。
【図5】タグテープの構成を示す上面図、図5(a)中A−A断面による概念的側断面図、図5(a)中B−B断面によるはテープ厚さ方向の構成を示す概念的横断面図である。
【図6】タグテープの要部構成を表す図5(a)の一部透視上面図である。
【図7】タグテープの要部構成を表す上面拡大図である。
【図8】タグテープの中間部の横断面構造を表す図7中D−D断面による分解断面図である。
【図9】無線タグ回路素子の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】無線タグラベルの一例を表す上面図、及び、C−C横断面による横断面図である。
【図11】吸湿材料で構成された保持部材を用いる変形例によるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図12】IC回路の保持構造が異なる変形例によるタグテープの要部構成を表す上面拡大図である。
【図13】タグテープの中間部の横断面構造を表す図12中F−F断面による分解断面図である。
【図14】吸湿材料で構成されたアンテナ基材を用いる変形例によるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図15】アンテナ基材の貼り付け側に隣接して吸湿シートを配置する変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図16】タグテープの要部構成を表す一部透視した詳細拡大上面図である。
【図17】吸湿材の大きさをアンテナ基材よりも小さくした変形例を表す図である。
【図18】アンテナ基材の貼り付け側に粉末吸湿剤等を付着させる変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図19】テープ基材を吸湿性材料で構成する変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図20】粘着剤層に吸湿性材料を含ませる変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図21】無線タグ回路素子保持体が保持部材を備えない変形例によるタグテープの要部構成を表す透視上面図である。
【図22】タグテープの要部構成を表す透視上面拡大図である。
【図23】タグテープの中間部の横断面構造を表す図22中E−E断面による分解断面図である。
【図24】アンテナ基材の貼り付け側と反対側に吸湿シートを配置する変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図25】タグテープの要部構成を表す一部透視した詳細拡大上面図である。
【図26】吸湿材の大きさをアンテナ基材よりも小さくした場合を表す図である。
【図27】アンテナ基材の貼り付け側と反対側に粉末吸湿剤等を付着させる変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図28】テープ基材を吸湿性材料で構成する変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【図29】粘着剤層に吸湿性材料を含ませる変形例におけるタグテープの中間部の横断面構造を表す分解断面図である。
【符号の説明】
【0143】
1 タグラベル作成装置
13 カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
21 タグテープロール
22 タグテープ
44 粘着剤層(貼り合わせ用粘着剤層)
45 テープ基材層(第1テープ基材層)
45′ テープ基材層(第1テープ基材層、吸湿手段)
46 粘着剤層(第1取り付け用粘着剤層)
46A 貫通孔
46′ 粘着剤層(第1取り付け用粘着剤層、吸湿手段)
47 粘着剤層(第2取り付け用粘着剤層)
47A 貫通孔
47′ 粘着剤層(第2取り付け用粘着剤層、吸湿手段)
48 テープ基材層(第2テープ基材層)
48′ テープ基材層(第2テープ基材層、吸湿手段)
51 IC回路部
52 アンテナ(タグ側アンテナ)
71 アンテナ基材
71′ アンテナ基材(吸湿手段)
71a,b 貫通孔
72 保持部材
72′ 保持部材(吸湿手段)
73 吸湿材(吸湿手段)
75 吸湿材(吸湿手段)
81 第1テープ媒体
82 第2テープ媒体
AR 空気層
H 無線タグ回路素子保持体
PW 吸湿剤(吸湿手段)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材をそれぞれ有する複数の無線タグ回路素子保持体と、
各無線タグ回路素子保持体をテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟むように配置された略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体とを有し、
前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を形成するタグテープであって、
前記積層構造のうち、前記無線タグ回路素子保持体、若しくは、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記IC回路部近傍の吸湿を行うための吸湿手段を設けたことを特徴とするタグテープ。
【請求項2】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記無線タグ回路素子保持体は、前記吸湿手段を備える
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項3】
請求項2記載のタグテープにおいて、
前記無線タグ回路素子保持体は、
前記吸湿手段として、前記アンテナ基材の少なくとも一部を吸湿材料により構成した
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項4】
請求項2記載のタグテープにおいて、
前記無線タグ回路素子保持体は、
前記IC回路部を略覆うように保持する保持部材を備え、
前記吸湿手段として、前記保持部材の少なくとも一部を吸湿材料により構成した
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項5】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、
前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部とテープ厚さ方向において重なるように、前記第1テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間に略シート状の吸湿材を介在配置したことを特徴とするタグテープ。
【請求項6】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、
前記第1テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間において、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させたことを特徴とするタグテープ。
【請求項7】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記第1テープ媒体は、
前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記吸湿手段を備えることを特徴とするタグテープ。
【請求項8】
請求項7記載のタグテープにおいて、
前記第1テープ媒体は、
前記無線タグ回路素子保持体を配置するための略テープ状の第1テープ基材層と、
前記無線タグ回路素子保持体を前記第1テープ基材層に取り付けるための第1取り付け用粘着剤層と
を備えることを特徴とするタグテープ。
【請求項9】
請求項8記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、前記第1テープ基材層のうち少なくとも一部を吸湿材料により構成し、
前記第1取り付け用粘着剤層は、前記第1テープ基材層の前記吸湿材料による吸湿用の少なくとも1つの貫通孔を備える
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項10】
請求項8記載のタグテープにおいて、
前記第1取り付け用粘着剤層は、
前記吸湿手段としての、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を含む
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか1項記載のタグテープにおいて、
前記第1テープ媒体は、
前記第1テープ基材層を貼り合わせ対象の被印字テープと貼り合わせるための貼り合わせ用粘着剤層を備える
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項12】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、
前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部とテープ厚さ方向において重なるように、前記第2テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間に略シート状の吸湿材を介在配置したことを特徴とするタグテープ。
【請求項13】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、
前記第2テープ媒体と前記無線タグ回路素子保持体との間において、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させたことを特徴とするタグテープ。
【請求項14】
請求項1記載のタグテープにおいて、
前記第2テープ媒体は、
前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記吸湿手段を備えることを特徴とするタグテープ。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14のいずれか1項記載のタグテープにおいて、
前記無線タグ回路素子保持体の前記アンテナ基材は、前記無線タグ回路素子側とその反対側とを連通させるための貫通孔を備える
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項16】
請求項14又は請求項15記載のタグテープにおいて、
前記第2テープ媒体は、
前記無線タグ回路素子保持体を配置するための略テープ状の第2テープ基材層と、
前記無線タグ回路素子保持体を前記第2テープ基材層に取り付けるための第2取り付け用粘着剤層と
を備えることを特徴とするタグテープ。
【請求項17】
請求項16記載のタグテープにおいて、
前記吸湿手段として、前記第2テープ基材層のうち少なくとも一部を吸湿材料により構成し、
前記第2取り付け用粘着剤層は、前記第2テープ基材層の前記吸湿材料による吸湿用の少なくとも1つの貫通孔を備える
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項18】
請求項16記載のタグテープにおいて、
前記第2取り付け用粘着剤層は、
前記吸湿手段としての、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を含む
ことを特徴とするタグテープ。
【請求項19】
タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、
前記タグテープは、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材をそれぞれ有する複数の無線タグ回路素子保持体と、
各無線タグ回路素子保持体をテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟むように配置された略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体とを有し、
前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造のうち、前記無線タグ回路素子保持体、若しくは、前記無線タグ回路素子保持体に対しテープ厚さ方向における近接する層に、前記IC回路部近傍の吸湿を行うための吸湿手段を設けた
ことを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項20】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置した略シート状のアンテナ基材を有する複数の無線タグ回路素子保持体のそれぞれを、
略テープ状の第1テープ媒体及び第2テープ媒体を用いてテープ厚さ方向両側よりそれぞれ挟みこみ、
前記第1テープ媒体、前記無線タグ回路素子保持体、前記第2テープ媒体を含むテープ厚さ方向の積層構造を形成するタグテープの製造方法であって、
前記第1及び第2テープ媒体による挟み込みの前に、前記無線タグ回路素子保持体の少なくとも一部に、略粉末状又は略液体状の吸湿剤を付着させることを特徴とするタグテープの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2008−299495(P2008−299495A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143404(P2007−143404)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】