説明

タッチパネルにおける埋め込みピエゾ素子

システムは、タッチパネル、タッチパネルコントローラ、および電圧源を含む。接触感応タッチパネルは、タッチパネルの内部に配置される1またはそれ以上のピエゾ素子を伴って形成される。タッチパネルコントローラは、タッチパネル上での接触の発生を検出し、接触の発生に基づいて1またはそれ以上の制御信号を生成する。電圧源は、1またはそれ以上の生成された制御信号を受信し、1またはそれ以上の制御信号に基づいて、1またはそれ以上のピエゾ素子のうちの少なくとも1つに電圧を印加する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タッチパネル、タッチスクリーン、キーパッド、およびキーボードは、携帯電話、コンピュータ、PDA(personal digital assistant)、スマートフォン、携帯ゲーム機、メディアプレーヤ機器、カメラ機器その他のような多くの電子機器で用いられる。また、多くのハンドヘルドの電子機器は、ある種のディスプレイを含み、ユーザに視覚的な情報を提供する。これらの機器は、キーパッド、タッチスクリーン、および/または1もしくはそれ以上のボタンのような入力装置をも含み、ユーザが何らかのインプットを入力することを可能にする。ハンドヘルド電子機器のような電子機器についてのアプリケーションや能力の多種多様化は、改良されたユーザインプット技術への需要を誘起し続けている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
例示的な一実装において、接触感応電子機器は、1またはそれ以上のピエゾ素子と、タッチパネルとを含み、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に形成されうる。
【0003】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に、上記タッチパネルの接触感応ワイヤと上記タッチパネルの上面との間に形成されてもよい。
【0004】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に、上記タッチパネルの接触感応ワイヤの下に形成されてもよい。
【0005】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に、上記タッチパネルの接触感応ワイヤと同じ内部階層に形成されてもよい。
【0006】
また、上記接触感応電子機器は、上記1またはそれ以上のピエゾ素子に選択的に電圧を印加して上記1またはそれ以上のピエゾ素子に振動を誘起し、さらに上記タッチパネルを振動させるように構成された電圧源をさらに含んでもよい。
【0007】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、ピエゾアクチュエータを含んでもよい。
【0008】
また、上記接触感応電子機器は、無線電話、PCS(Personal Communications System)端末、PDA(personal digital assistant)、ゲーム機、メディアプレーヤ機器またはデジタルカメラを含んでもよい。
【0009】
さらなる例示的な実装では、システムはタッチパネルであって該タッチパネルの内部に配置される1またはそれ以上のピエゾ素子を伴うタッチパネルを含む。システムは、タッチパネルコントローラをさらに含んでもよく、該タッチパネルコントローラは、上記タッチパネル上での接触の発生を検出し、上記接触の発生に基づいて1またはそれ以上の制御信号を生成するように構成される。システムは、また、電圧源を含んでもよく、該電圧源は、上記1またはそれ以上の生成された制御信号を受信し、上記1またはそれ以上の制御信号に基づいて上記1またはそれ以上のピエゾ素子のうち少なくとも1つに電圧を印加するように構成される。
【0010】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に、上記タッチパネルの接触感応ワイヤと上記タッチパネルの上面との間に形成されてもよい。
【0011】
また、上記1またはそれ以上のピエゾ素子は、上記タッチパネルの内部に、上記タッチパネルの接触感応ワイヤの下に形成されてもよい。
【0012】
また、上記接触感応電子機器は、無線電話、PCS(Personal Communications System)端末、PDA(personal digital assistant)、ゲーム機、メディアプレーヤ機器またはデジタルカメラを含んでもよい。
【0013】
上記ピエゾ素子は、上記印加される電圧に従って振動し、さらに上記タッチパネルを振動させてもよい。
【0014】
別の例示的な実装では、電話はタッチパネルを組み込んだディスプレイを含み、上記タッチパネルは上記タッチパネルの内部に配置される1またはそれ以上のピエゾアクチュエータを有する。電話は、上記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つに電圧を印加させ、さらに上記ピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つを振動させるように構成されたタッチパネルコントローラをさらに含んでもよい。
【0015】
また、上記タッチパネルコントローラは、上記タッチパネル上での接触の発生に基づいて上記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つに電圧を印加させるように構成されてもよい。
【0016】
また、上記タッチパネルコントローラは、さらに、2つの独立した電圧を上記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの異なる2つに印加させ、該異なる2つのアクチュエータを互いに独立して振動させるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、ここで説明される1またはそれ以上の実装を示し、記述とともにこれらの実装を説明する。図面は以下の通りである。
【0018】
【図1A】ここで説明される例示的な実装の全体像を示す図である。
【図1B】ここで説明される例示的な実装の全体像を示す図である。
【図1C】ここで説明される例示的な実装の全体像を示す図である。
【図2】例示的な実装に係る電子機器のコンポーネントを示すブロック図である。
【図3】電子機器が無線電話を含む、図2の電子機器の例示的な実装を示す図である。
【図4】図2の電子機器のコンポーネントの機能構成図である。
【図5】図2の電子機器を操作する例示的な処理を示すフロー図である。
【図6】図2の電子機器への電圧の印加を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面における同じ参照符号は、同じまたは同様の要素を同定しうる。また、以下の詳細な説明は発明を限定しない。
【0020】
ここで説明する例示的な実装は、ピエゾ素子を、例えば無線電話、PDA(personal digital assistant)、メディアプレーヤ機器などのような電子機器に用いられる接触感応タッチパネルの内部に埋め込む。ピエゾ素子のタッチパネルの内部への集積は、ピエゾアクチュエータがピエゾアクチュエータとして動作したときにピエゾ素子からタッチパネルへの振動の伝達が最大化されるような、タッチパネルとタッチパネルとの間の良好な機械的結合を提供する。また、ピエゾ素子を接触感応パネルの内部に埋め込むことは、タッチパネルに追加の領域/空間を伴わないピエゾアクチュエータの実装を可能にし、同時にここで説明されるタッチパネルが組み込まれる機器の改良された機能性を提供する。
【0021】
全体像
図1Aは、タッチパネル110とともに、タッチパネル110の内部に埋め込まれたピエゾ素子120−1から120−N(ここでは、個別にまたは合わせて“ピエゾ素子120”として参照される)を有する機器100の全体像を示す。タッチパネルは、例えばガラス、プラスチック、またはガラス状材料のような、剛性または非剛性の材料を含みうる。ピエゾ素子120−1から120−Nは、タッチパネル110の内部に形成される公知の各種のピエゾ材料(例えば水晶またはセラミック)を含む。ピエゾ素子120−1から120−Nは、タッチパネル110の内部のさまざまな位置に形成されうる。例えば、タッチパネル110が接触感応ワイヤ(例えば、タッチパネル120のX,Y,および/またはZ軸に沿うワイヤ)を含む場合、ピエゾ素子120−1から120−Nは、接触感応ワイヤとタッチパネル110の上面との間、または接触感応ワイヤの下に形成されうる。いくつかの実装で、ピエゾ素子120−1から120−Nは、接触感応ワイヤと平行に(つまり、同じ内部階層に)形成されてもよい。ピエゾ素子120−1から120−Nは、しかしながら、タッチパネル110の内部のどのような位置にも形成されうる。
【0022】
図1Aに示されるように、ユーザはタッチパネルの領域に接触130を加え、機器100の操作に関連づけられる1またはそれ以上の機能を起動しうる。ここで用いられる用語“接触”は、体の部分(例えば指)またはポインティングデバイス(例えばスタイラスペンなど)のようなオブジェクトの接触を意味する。
【0023】
タッチパネル110は、ディスプレイに集積、または重ね合わされて、ユーザ入力インターフェースとして機能しうるタッチスクリーンまたはパネル可能な(panel-enabled)ディスプレイを形成する。例えば、一実装において、タッチパネル110は、ディスプレイを入力装置として用いることを可能にする、近接感応型(例えば静電容量)、アコースティック感応型(例えば表面弾性波)、光感応型(例えば赤外線)、および/または他の各種のタッチパネルオーバーレイを含む。他の実装において、タッチパネル110は複数の接触検出技術を含みうる。一般的に、タッチパネル110は、タッチパネル110上での接触の発生を識別する能力を提供する各種の技術を含みうる。
【0024】
タッチパネル110に関連づけられるディスプレイ135は、機器100によって生成された信号をテキストまたは画像としてスクリーン(例えば、LCD(liquid crystal display)、CRT(cathode ray tube)ディスプレイ、OLED(organic light-emitting diode)ディスプレイ、SED(surface-conduction electro-emitter display)プラズマディスプレイ、FED(field emission display)、ビスタブルディスプレイなど)に表示することが可能な装置を含みうる。ある実装において、ディスプレイ110は、一般的な携帯機器に関連づけられる広い種類のアプリケーションおよび特徴に適した、高解像度のアクティブマトリックス表示を提供しうる。ディスプレイは、ユーザに視覚的な情報を提供し、タッチパネル110と協働して、ユーザ入力を検出するユーザインターフェースとして利用されうる。例えば、ディスプレイは、電話の発着信、および/または電子メール(e-mail)、インスタントメッセージ、SMS(short message service)メッセージなどの送受信、に関する情報およびメニューコントロールを提供しうる。ディスプレイは、さらに、ウェブブラウザ、電話帳/連絡先リストプログラム、カレンダー、アプリケーションオーガナイザ、画像加工アプリケーション、ナビゲーション/地図アプリケーション、MP3プレーヤ、同様にその他のアプリケーションのような、機器100によって実行されるさまざまなアプリケーションに関する情報およびコントロールを表示しうる。例えば、ディスプレイは、複数の種類の入力コマンドを用いて選択されうるアプリケーションメニューに関連づけられた情報および画像を表示してもよい。ディスプレイは、また、カメラによって撮影および/または機器によって受信された画像または動画を含む、カメラに関連づけられた画像を表示してもよい。ディスプレイは、また、ユーザによってプレイされるビデオゲーム、ダウンロードされたコンテンツ(例えばニュース、画像、またはその他の情報)などを表示してもよい。
【0025】
機器100は、タッチパネル(例えばタッチパネル110)を有する各種の電子機器を含みうる。例えば、機器100は、セルラー無線電話、セルラー無線電話をデータ処理、ファクシミリおよびデータ通信機能と結合したスマートフォン、PCS(Personal Communication System)端末、無線電話、ページャ、インターネット/インターネット接続、ウェブブラウザ、オーガナイザ、カレンダーおよび/もしくはGPS(global positioning system)レシーバを含むPDA(personal digital assistant)、ゲーム機、メディアプレーヤ機器、デジタルカメラ、またはタッチパネル入力を用いる別の機器を含みうる。ここでの実装は、タッチスクリーン(例えばディスプレイに重ね合わせられたタッチパネル)を有するハンドヘルドの電子機器のコンテクストで説明されるが、他の実装は、デスクトップ、ラップトップ、またはパームトップのコンピュータのような他のタッチパネル使用可能な機器を含みうる。
【0026】
図1Bでさらに示されるように、ピエゾ素子120に印加される電圧(図示せず)が、逆ピエゾ効果によって、ピエゾ素子120を振動140させ、さらにピエゾ素子120とタッチパネル110との間の内部の機械的な結合によって、タッチパネル110の表面150を振動させる。ピエゾ素子120−1から120−Nのそれぞれが、タッチパネル110の中のピエゾアクチュエータとして動作しうる。例示的な一実装において、タッチパネル110上の接触130の発生に基づいて電圧がピエゾ素子120に印加され、そうして機器100のユーザに“タッチフィードバック”を提供し、タッチパネル110の振動によって、ユーザがうまくタッチパネル110上に接触できたかをユーザが判断することを可能にしてもよい。
【0027】
図1Cは、1またはそれ以上のピエゾ素子120−1から120−Nが、タッチパネル110の“非アクティブ”領域でタッチパネル110の中に配置されうる、タッチパネル110の例示的な実装を示す。図1Cに示されるように、タッチパネル110は、アクティブ領域160と非アクティブ領域170とを含みうる。非アクティブ領域170は、接触入力を受け付けないタッチパネル110の領域を含む。例えば、非アクティブ領域170は、機器100のハウジングの下に位置するタッチパネル110の領域または領域群からなっていてもよい。タッチパネル110は、図1Cにおける例として、その中に埋め込まれた4つのピエゾ素子120を有するように示されている。しかしながら、タッチパネル110の中に埋め込まれるピエゾ素子120の数はいくつでもよい。
【0028】
例示的な機器
図2は、機器100の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。図示されているように、機器100は、バス210、処理部220、メインメモリ230、ROM(read only memory)240、ストレージ装置250、入力装置260、出力装置270、および通信インターフェース280を含みうる。バス210は、機器100の中の要素の間での通信を可能にするパスを含む。
【0029】
処理部220は、命令を解釈し実行しうる、従来型のプロセッサ、マイクロプロセッサ、または処理ロジックを含みうる。メインメモリ230は、プロセッサ220による実行のための情報および命令を格納しうる、RAM(random access memory)または別の種類の動的ストレージ装置を含みうる。ROM240は、プロセッサ220による使用のための静的な情報および命令を格納しうる、従来型のROM装置または別の種類の静的スタティック装置を含みうる。ストレージ装置250は、磁気および/または光学記録媒体およびその対応するドライブを含みうる。
【0030】
入力装置260は、マウス、ペン、音声認識および/またはバイオメトリックメカニズムなどのような、操作者がクライアント/サーバエンティティに情報を入力することを可能にするメカニズムを含みうる。入力装置260は、さらに、上記で図1A,1B,および1Cについて説明されたタッチパネル装置110を含みうる。出力装置270は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどを含む、操作者に情報を出力するメカニズムを含みうる。通信インターフェース280は、機器100が他の機器および/またはシステムと通信することを可能にする、各種の送受信機のようなメカニズムを含みうる。
【0031】
機器100は、ここで説明される特定の動作または処理を実行する。機器100は、メモリ230のようなコンピュータ可読媒体に含まれるソフトウェア命令を実行する処理部220に応えて、これらの動作を実行する。コンピュータ可読媒体は、物理的なまたは論理的なメモリ装置として定義されうる。メインメモリ230、ROM240、およびストレージ装置250のそれぞれは、コンピュータ可読媒体を含みうる。ストレージ装置250の磁気および/または光学記録媒体(例えば読み取り可能CDまたはDVD)も、コンピュータ可読媒体を含みうる。
【0032】
ソフトウェア命令は、データストレージ装置250のような別のコンピュータ可読媒体から、または通信インターフェース280を介して別の機器から、メモリ230に読み込まれうる。メモリ230に格納されるソフトウェア命令は、処理部220にここで説明される動作または処理を実行させる。あるいは、ソフトウェア命令に代えて、または組み合わせて、ハードウェア回路構成が用いられ、ここで説明される処理を実装してもよい。このように、ここで説明される実装は、ハードウェア回路構成とソフトウェアとのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0033】
図3は、セルラー無線電話を含む機器100の例示的な実装を示す。図示されるように、セルラー無線電話100は、ディスプレイ310、ハウジング320、キーパッド330、マイクロフォン340、およびスピーカ350を含みうる。ディスプレイ310は、上記のタッチパネル110を含みうる。機器100について、以下で説明されるコンポーネントは、ここで説明されるものには限定されない。カメラ、接続ポート、メモリスロット、および/または追加のスピーカのような他のコンポーネントが、無線電話100に配置されていてもよい。
【0034】
ハウジング320は、外部の要素から機器100のコンポーネントを保護しうる。キーパッド330は、機器100への入力を提供しうる。キーパッド330は、標準的な電話のキーパッドを含みうる。キーパッド330のキーは、ユーザによって選択された個々のアプリケーションによって複数の機能を実行しうる。一実装において、キーパッド330の各キーは、例えば、プッシュボタンであってもよい。ユーザは、キーパッド330を、テキストや電話番号のような情報の入力、または特定の機能の起動に利用しうる。あるいは、キーパッド330は、英数字のテキストの入力を容易にしうるキーボードの形をとってもよい。
【0035】
マイクロフォン340は、ユーザから可聴性の情報を受信する。マイクロフォン340は、気圧波を対応する電気信号に変換することが可能な各種のコンポーネントを含みうる。スピーカ350は、機器のユーザに可聴性の情報を提供する。スピーカ350は、電気信号を対応する音波に変換することが可能な各種のコンポーネントを含みうる。例えば、ユーザは、スピーカ350を通して音楽を聴いてもよい。
【0036】
図4は、タッチパネル110の動作に関連する機器100のコンポーネントの機能構成図である。機器100の機能コンポーネントは、タッチパネルコントローラ400、電圧源420、およびピエゾ素子120を含みうる。タッチパネルコントローラ400は、タッチパネル110を介して(例えば、タッチパネル110上で接触が発生したことを示す信号)タッチパネル入力を受信する。タッチパネル入力410の受信に基づいて、タッチパネルコントローラ400は、電圧源420に制御信号を送り、1またはそれ以上のピエゾ素子120に適切な電圧を印加する。電圧源420によるピエゾ素子120への電圧の印加は、ピエゾ素子120を振動させる。一実装において、電圧源420は、正と負とで交互のシーケンスを印加して、1またはそれ以上のピエゾ素子120を振動させうる。いくつかの実装において、タッチパネル110の中に埋め込まれた各ピエゾ素子120は、他のそれぞれのピエゾ素子120から独立して制御されうる。
【0037】
例示的な処理
図5は、図1の機器100を制御するための例示的な処理500を示すフロー図である。図5の例示的な処理は、タッチパネルコントローラ400によって、あるいは機器100の他のコンポーネントと協働して実行されうる。
【0038】
例示的な処理は、タッチパネル110上で接触が発生したかを判定することで始まりうる(ブロック510)。接触が発生すると、タッチパネル110は、タッチパネル入力410をタッチパネルコントローラ400に供給しうる。タッチパネル入力410の受信に基づいて、タッチパネルコントローラ400は、タッチパネル110上での接触の発生を検出する。
【0039】
電圧がピエゾ素子120に選択的に印加され、タッチパネル110を振動させる(ブロック520)。タッチパネルコントローラ400は、タッチパネル110上での接触の発生に基づいて制御信号を生成し、電圧源420を制御してピエゾ素子120−1から120−Nのうち1またはそれ以上に電圧を印加する。例えば、図6に示されるように、第1の極性の電圧600は、ピエゾ素子120に印加されてピエゾ素子120を収縮610させうる。第2の極性の電圧620は、ピエゾ素子120に印加されてピエゾ素子120を膨張630させうる。電圧600および620の交互の印加によって、ピエゾ素子120は振動するようになされ、それが今度はタッチパネルを振動させる。例示的な一実装において、電圧源420は、交流電圧のシーケンスをピエゾ素子120に特定の時間の間だけ印加しうる。いくつかの実施形態では、電圧源420は、ピエゾ素子120−1から120−Nのそれぞれに独立した異なる電圧を供給してもよい。それゆえ、ピエゾ素子120−1から120−Nのそれぞれは、互いに独立して振動させられる(または、ピエゾ素子のグループは、他のグループとは独立して振動させられる。
【0040】
まとめ
ここで説明された実装は、ピエゾアクチュエータがタッチパネルの内部に埋め込まれる、接触感応式のタッチパネルを提供しうる。タッチパネルの内部へのピエゾアクチュエータの集積は、ピエゾアクチュエータからタッチパネルへの振動の伝達が最大化されるような、タッチパネルとピエゾアクチュエータとの間の良好な機械的結合を提供しうる。
【0041】
ここで説明される実装の以上の説明は、概略および説明を提供するが、網羅的であったり、発明を厳密に開示された形態に限定したりすることを意図されたものではない。上記の教示、または発明の実施から得られるところによって、修正や変形が可能である。例えば、ここで実施形態はピエゾ素子120を“タッチフィードバック”を提供するのに用いるものとして説明されたが、ピエゾ素子120は、ピエゾ効果のためにピエゾ素子によって誘起される電圧を測定することによって、あるいは音声スピーカとしておよび/または圧力(例えば、タッチパネル上のユーザ圧力がどのくらいハード/ソフトであるか)を測定するために用いられてもよい。
【0042】
さらに、図5について一連のブロックが説明されたが、他の実装ではブロックの順序が変化してもよい。また、従属関係にないブロックは、並行して実行されてもよい。
【0043】
ここで説明された側面は、方法および/またはコンピュータプログラム製品において実装されうる。従って、側面は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)において実現されうる。そのうえさらに、ここで説明された側面は、命令実行システムによる使用のためのまたは関連する媒体に埋め込まれたコンピュータ可用のまたはコンピュータ可読のプログラムコードを有するコンピュータ可用のまたはコンピュータ可読の記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。これらの側面を実装するために用いられる実際のソフトウェアコード、または専用化された制御ハードウェアは、限定されるものではない。それゆえ、側面の動作およびふるまいは、特定のソフトウェアコードを参照することなく説明された―ここでの説明に基づいて、ソフトウェアおよび制御ハードウェアが側面を実装する用に設計されうることは理解される。
【0044】
さらに、ここで説明されたいくつかの側面は、1またはそれ以上の機能を実行する“ロジック”として実装されうる。このロジックは、ファームウェア、ハードウェア―プロセッサ、マイクロプロセッサ、アプリケーション固有の集積回路、もしくはFPGA(field programmable gate array)―、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを含みうる。
【0045】
“含む/備える”という用語は、この明細書で用いられた場合、言及された特徴、数値、ステップ、またはコンポーネントの存在を特定するものと解釈されるが、1またはそれ以上の他の特徴、数値、ステップ、コンポーネント、またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。
【0046】
特徴の特定の組み合わせが、請求の範囲で列挙され、および/または明細書で説明されるが、これらの組み合わせは発明を限定することを意図されたものではない。事実として、これらの特徴の多くは、明確には請求の範囲で列挙されず、および/または明細書で説明されない仕方で組合されうる。
【0047】
本願の説明で用いられるいかなる要素、動作、または命令も、明示的にそのように説明されない限り、発明にとって重要または必須であると解釈されるべきではない。また、ここで用いられるとき、冠詞“a”は、1またはそれ以上のアイテムを含むことを意図されている。1つだけのアイテムが意図される場合、“1つの”の用語または同様の言葉が用いられる。さらに、ここで用いられる“基づいて”というフレーズは、他に明示的に述べられない限り、“少なくとも一部は、基づいて”を意味することを意図されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1またはそれ以上のピエゾ素子と、
タッチパネルと
を備え、
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの内部に形成される、
接触感応電子機器。
【請求項2】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの内部に、前記タッチパネルの接触感応ワイヤと前記タッチパネルの上面との間に形成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの内部に、前記タッチパネルの接触感応ワイヤの下に形成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの内部に、前記タッチパネルの接触感応ワイヤと同じ内部階層に形成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子に選択的に電圧を印加して、前記1またはそれ以上のピエゾ素子に振動を誘起し、さらに前記タッチパネルを振動させるように構成された電圧源をさらに備える、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、ピエゾアクチュエータを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器は、無線電話、PCS(Personal Communications System)端末、PDA(personal digital assistant)、ゲーム機、メディアプレーヤ機器、またはデジタルカメラを含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
タッチパネルであって、該タッチパネルの内部に配置される1またはそれ以上のピエゾ素子を伴うタッチパネルと、
タッチパネルコントローラであって、
前記タッチパネル上での接触の発生を検出し、
前記接触の発生に基づいて1またはそれ以上の制御信号を生成する
ように構成されたタッチパネルコントローラと、
電圧源であって、
前記1またはそれ以上の生成された制御信号を受信し、
前記1またはそれ以上の制御信号に基づいて前記1またはそれ以上のピエゾ素子のうち少なくとも1つに電圧を印加する
ように構成された電圧源と
を備えるシステム。
【請求項9】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの中に、前記タッチパネルの接触感応ワイヤと前記タッチパネルの上面との間に形成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1またはそれ以上のピエゾ素子は、前記タッチパネルの中に、前記タッチパネルの接触感応ワイヤの下に形成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、無線電話、PCS(Personal Communications System)端末、PDA(personal digital assistant)、ゲーム機、メディアプレーヤ機器、またはデジタルカメラのうちの1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ピエゾ素子は、前記印加された電圧に従って振動し、さらに前記タッチパネルを振動させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
タッチパネルを組み込んだディスプレイであって、前記タッチパネルが前記タッチパネルの内部に配置された1またはそれ以上のピエゾアクチュエータを有するディスプレイと、
前記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つに電圧を印加させ、さらに前記ピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つを振動させるように構成されたタッチパネルコントローラと
を備える電話。
【請求項14】
前記タッチパネルコントローラは、前記タッチパネル上での接触の発生に基づいて前記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの少なくとも1つに前記電圧を印加させるように構成される、請求項13に記載の電話。
【請求項15】
前記タッチパネルコントローラは、さらに、2つの独立した電圧を前記1またはそれ以上のピエゾアクチュエータのうちの異なる2つに印加させ、該2つのアクチュエータを互いに独立して振動させるように構成される、請求項13に記載の電話。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−517643(P2012−517643A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549687(P2011−549687)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053416
【国際公開番号】WO2010/092443
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】