説明

タッチパネルデバイス、及びタッチパネルデバイス付表示装置

【課題】タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが小さい場合にも、ニュートンリングの発生等の問題が抑制されるタッチパネルデバイスを提供する。
【解決手段】観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材(10)、並びに保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20b、22;30b、32)を有する、静電容量式タッチパネルデバイス(100)であって、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている全てのポリマーフィルム(20b;30b)の面方向の線膨張係数の最小値と最大値との差が、10.0×10−6cm/cm・℃以下である、静電容量式タッチパネルデバイスとする。また、このようなタッチパネルデバイスを有するタッチパネルデバイス付表示装置とする(100、200、300)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルデバイス、特に静電容量式のタッチパネルデバイスに関する。また、本発明は、タッチパネルデバイス付表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルデバイス付表示装置、例えばタッチパネルデバイス付液晶ディスプレイは、携帯電話等のモバイル用電子機器、家電製品、無人受付機等の据置型顧客案内端末において用いられている。
【0003】
タッチパネルデバイスとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光センサ方式等が知られている。これらのうちの静電容量方式タッチパネルデバイスは、表示装置からの光の透過率、耐久性等に関して優れている。また、静電容量方式のタッチパネルデバイスは、縦方向の位置検出用電極と横方向の位置検出用電極との2つの位置検出用電極を縦横二次元マトリクス状に配置することによって、多点検出(マルチタッチ)を可能にできる点でも優れている(特許文献1)。
【0004】
なお、タッチパネルデバイス付表示装置においては、タッチパネルデバイスを表示装置の表示面に完全に貼り合わせることは行わず、タッチパネルデバイスと表示装置との間に約0.5〜1.0mmの空気層を設けることが一般的である(特許文献2及び3)。
【0005】
タッチパネルデバイスと表示装置との間に約0.5〜1.0mmの空気層を設ける理由としては例えば、下記(1)及び(2)のような理由がある:
【0006】
(1)タッチパネルデバイスと表示装置とでは製造条件が異なることから、タッチパネルデバイスと表示装置とを一体に形成して隙間が完全にないようにすることは、困難又は不可能。また、タッチパネルデバイスと表示装置とを一体に形成しない場合には、製造の最終段階においてタッチパネルデバイスが適切に機能しないことが判明したときに、適切に機能しないタッチパネルデバイスを表示装置の表示面から取り外し、そして新しいタッチパネルデバイスと交換できる。したがって、タッチパネルデバイスと表示装置とを一体に形成しないことが好ましい。
【0007】
(2)タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが小さすぎる場合には、タッチパネルデバイスと空気層との界面(すなわち空気層の上側界面)で生じる反射光と、表示装置と空気層との界面(すなわち空気層の上側界面)で生じる反射光との干渉によって、ニュートンリング(モアレ縞)が生じる。なお、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが充分に大きい場合、例えばこの空気層の厚さが約1.0mmである場合には、空気層の上側及び下側界面で生じる反射光の光路差が大きく、したがって干渉は実質的に生じない。
【0008】
上記(2)のニュートンリングの発生という問題に関して、特許文献2及び3では、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層に樹脂材料を充填して樹脂層とし、それによって空気層の上側及び下側界面で生じる反射をなくすことを提案している。
【0009】
しかしながら、樹脂材料を充填する場合には、製造の最終段階においてタッチパネルデバイスが適切に機能しないことが判明したときにも、適切に機能しないタッチパネルデバイスを表示装置の表示面から取り外し、そして新しいタッチパネルデバイスと交換することが困難な場合がある。また、樹脂材料を充填する場合には、樹脂材料中に気泡が入らないようにして充填することが困難な場合がある。また更に、樹脂材料を充填する場合には、当然に重量が増加する。
【0010】
また、上記(2)のニュートンリングの発生という問題に関して、特許文献3では、タッチパネルデバイス及び表示装置の空気層に面する表面に凹凸を設け、それによって空気層の上側及び下側界面で生じる反射をなくすことを提案している。
【0011】
しかしながら、空気層に面する表面に凹凸を設ける場合には、この凹凸によるヘーズの増加等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2003−511799
【特許文献2】特開2004−77887
【特許文献3】特開2002−189565
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年では、タッチパネルデバイスを用いた表示装置の軽量化と並んで、薄型化も要求されている。したがって、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さを狭くすることが好ましい。しかしながら上記(2)記載のように、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが小さすぎる場合には、ニュートンリングの発生等の問題が生じることが知られている。したがって、本発明では、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さを小さくした場合にも、ニュートンリングの発生等の問題を抑制するタッチパネルデバイス、及びタッチパネルデバイス付表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスは、観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、並びに保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムを有し、かつ保護透明基材の表示装置側表面に配置されている全てのポリマーフィルムの面方向の線膨張係数の最小値と最大値との差が、10.0×10−6cm/cm・℃以下である。
【0015】
第2の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスは、観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルム、並びに保護透明基材の表示装置側表面に配置されている偏光板を有し、かつ偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のタッチパネルデバイス、及び本発明のタッチパネルデバイス付表示装置によれば、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが小さい場合にも、ニュートンリングの発生等の問題が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】参考例のタッチパネルデバイス付表示装置の構成を示す概念図である。
【図2】比較例のタッチパネルデバイス付表示装置の構成を示す概念図である。
【図3】実施例1のタッチパネルデバイス付表示装置の構成を示す概念図である。
【図4】実施例2のタッチパネルデバイス付表示装置の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈第1の本発明の静電容量式タッチパネルデバイス〉
第1の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスは、観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、並びに保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムを有し、かつ保護透明基材の表示装置側表面に配置されている全てのポリマーフィルムの面方向の線膨張係数の最小値と最大値との差が、10.0×10−6cm/cm・℃以下、8.0×10−6cm/cm・℃以下、6.0×10−6cm/cm・℃以下、又は5.0×10−6cm/cm・℃以下である。
【0019】
なお、ポリマーフィルムの熱膨張係数の測定は、タッチパネルデバイスを使用することが考慮される温度範囲、例えば20℃〜60℃の温度範囲について行うことができる。
【0020】
本発明の第1の静電容量式タッチパネルデバイスによれば、温度変化が生じたときにも、保護透明基材の表示装置側表面に配置されているポリマーフィルムの面方向の線膨張係数の差による歪み、及びそれによる微細な凹凸が生じるのを抑制できる。したがって、本発明の第1の静電容量式タッチパネルデバイスによれば、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが小さい場合であっても、空気層の上側界面及び下側界面において生じる反射による干渉によってニュートンリングが発生することを抑制できる。
【0021】
この態様に関して、ポリマーフィルム層間の粘着剤の面方向の線膨張係数も、ポリマーフィルムの面方向の線膨張係数と同様にすることが好ましいと考えられる。しかしながら、実際には、ポリマーフィルム層間の粘着剤は一般に薄く、また弾性率が小さいので、粘着剤の熱膨張による影響は実質的に無視することができる。したがって、粘着剤の面方向の線膨張係数は、ポリマーフィルムの面方向の線膨張係数と同様であっても、実質的に異なっていてもよい。
【0022】
保護透明基材は、使用者がタッチパネルデバイスを使用する際の圧力等からタッチパネルデバイスを保護できる任意の透明基材であってよい。この保護透明基材は例えば、ガラス基材、ポリメチルメタクリレート基材、ポリカーボネート基材、又はそれらの組合せであってよい。この保護透明基材がタッチパネルデバイスの使用の際にたわむと、タッチパネルデバイスと表示装置との間の空気層の厚さが局所的に変化し、それによってニュートンリングが発生することがある。したがって、保護透明基材としては、剛性の基材、特にガラス基材を用いることが好ましい。
【0023】
また、この保護透明基材の厚さは例えば、0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上であって、2.0mm以下、1.0mm以下、又は0.8mm以下であってよい。
【0024】
本発明のタッチパネルデバイスで用いられるポリマーフィルムは、透明性が高く、かつ表面が平滑である任意のポリマーフィルムであってよい。このポリマーフィルムを構成する樹脂としては例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリオレフィン、三酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどが挙げられる。この中でも耐熱性、透明性、機械的特性等のバランスからポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0025】
また、このポリマーフィルムの厚さは例えば、0.01mm以上、0.02mm以上、0.03mm以上であって、1.0mm以下、0.5mm以下、又は0.3mm以下であってよい。
【0026】
本発明のタッチパネルデバイスで用いられる位置検出用電極層は、随意にパターン化されている透明電極層であってよい。このような透明電極層は、透明導電性材料、例えば酸化インジウム−スズから作ることができる。
【0027】
第1の本発明のタッチパネルデバイスは、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルムを更に有し、かつこの電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルムが、2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムよりも表示装置側に配置されていてもよい。
【0028】
この態様によれば、電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルムによって表示装置から出る電磁波を遮断し、それによってこの電磁波が位置検出用電極層による位置検出に好ましくない影響を与えることを防ぐことができる。
【0029】
この態様で使用されるポリマーフィルムについては、上記のポリマーフィルムに関する記載を参照できる。
【0030】
この態様で使用される電磁波シールド用電極層については、電磁波をシールド(遮蔽)できる任意の電極層であってよく、特に均一な厚さを有する透明導電性材料の層、例えば酸化インジウム−スズの層であってよい。
【0031】
第1の本発明のタッチパネルデバイスは、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている表示装置側保護透明基材を更に有し、かつ表示装置側保護透明基材が、最も表示装置側に配置されていてもよい。
【0032】
この態様によれば、剛直な保護透明基材をタッチパネルデバイスの観察者側及び表示装置側の両面に配することになり、より剛性を高めることができ、タッチパネルデバイスを指で強く押し当てる操作をしても、タッチパネルデバイスが撓んで表示装置と接触したり、表示装置の傷つきを防ぐことができる。
【0033】
この表示装置側保護透明基材の材料及び厚さについては、保護透明基材に関する上記の記載を参照することができる。
【0034】
なお、第1の本発明のタッチパネルデバイスは、上記の第1の本発明のタッチパネルデバイスの特徴に加えて、下記の第2の本発明のタッチパネルデバイスに関して示されている特徴、すなわち静電容量式タッチパネルデバイスが、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている偏光板を有し、かつ偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が波長550nmの光に対して略λ/4であるという特徴を更に有することもできる。
【0035】
〈第1の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置〉
第1の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置は、第1の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスが、表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、かつ空気層の厚さが、0.500mm以下、0.400mm以下、0.300mm以下、0.200mm以下、又は0.100mm以下である。
【0036】
第1の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置によれば、空気層の厚さが薄く、したがってタッチパネルデバイス付表示装置全体の厚さが薄いにもかかわらず、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0037】
第1の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置において使用される表示装置は、任意の表示装置であってよく、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、電子ペーパー、又はプラズマディスプレイであってよい。
【0038】
〈第2の本発明の静電容量式タッチパネルデバイス〉
第2の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスは、観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルム、並びに保護透明基材の表示装置側表面に配置されている偏光板を有し、かつ偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4である。
【0039】
この態様によれば、空気層の上側及び下側界面において反射が生じる場合であっても、偏光板及びλ/4の位相差によって、空気層の上側界面及び下側界面において生じる反射光が保護透明基材側から出ないようにされているので、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0040】
具体的には、この態様によれば、保護透明基材の観察側表面から入射した外光が、偏光板の透過軸を通過することによって一方向の直線偏光にされ、この直線偏光がλ/4の位相差を受けて円偏光となり、そして空気層との界面において反射し、再びλ/4の位相差を受けて直線偏光に戻る。これによれば、反射光は、入射したときの直線偏光との位相差がλ/2になり、それによって90°異なる角度の直線偏光になるので、偏光板の吸収軸によって吸収されるようにできる。なお、この目的のためには、偏光板の吸収軸と、λ/4の位相差を有するポリマーフィルムの遅相軸との角度が、45°±5°以内、特に45°±1°以内になるようにすることができる。
【0041】
偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4にするためには、2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルム、更に他の随意のポリマーフィルムが存在する場合は他の随意のポリマーフィルムも含めた全てのポリマーフィルムの合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4であるようにできる。
【0042】
これは例えば、1つの位置検出用電極付きポリマーフィルムの位相差が、波長550nmの光に対してλ/4であり、他のポリマーフィルムが位相差を有さないようにすることができる。また、2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムの合計位相差が、波長550nmの光に対して略0となるようにし、かつ他の随意のポリマーフィルムが波長550nmの光に対して略λ/4の位相差を有するようにすることもできる。あるいは2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムがいずれも位相差を有さないようにし、他のポリマーフィルムが波長550nmの光に対して略λ/4の位相差を有するようにすることもできる。
【0043】
ここで、波長550nmの光は人間の眼で観察したときに最も強く感じる光であり、したがって全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4であるようにすることは、最も効果的にニュートンリングの発生を抑制できる。しかしながら、可視光領域の他の波長についても、全ての層の合計位相差が略λ/4であることが好ましい。一般的なポリマーフィルムは、より短い波長の光に対して位相差が大きくなるので(すなわち、正波長分散性を有するので)、可視光領域全体に渡って、全ての層の合計位相差を略λ/4にすることは、一般に困難である。しかしながら、特開2000−137116号公報で示されるような、より短い波長の光に対して位相差が小さくなる波長分散性(すなわち、逆波長分散性)を有するポリマーフィルムを用いることによって、可視光領域全体に渡って、全ての層の合計位相差が略λ/4にすることが可能になる。
【0044】
本発明に関して、偏光板としては、染料によって染色したポリマーフィルムを延伸して得られる吸収型偏光板だけでなく、複数枚の位相差フィルムをその遅相軸方向が直交するようにして交互に積層して得られる反射型偏光板を用いることもできる。ここで、このような反射型偏光板では、一方の偏光に対しては、各層の屈折率が実質的に同一であり、それによって各層間の界面における入射光の反射が起こらないようにし、かつ他方の偏光に対しては、各層の屈折率が異なっており、それによって位相差フィルムの界面において入射光が反射して戻るようにする。あるいは、フィルム上に波長サイズよりも小さな幅の金属細線を連続的に配置したワイヤーグリッド偏光板を用いることもできる。また、本発明に関して、偏光板としては、上記のような直線偏光板だけでなく、右円偏光と左円偏光とを分離する円偏光板を用いることもできる。
【0045】
なお、第2の本発明のタッチパネルデバイスは、上記の第2の本発明のタッチパネルデバイスの特徴に加えて、上記の第1の本発明のタッチパネルデバイスに関して示されている特徴、すなわち保護透明基材の表示装置側表面に配置されている全てのポリマーフィルムの面方向の線膨張係数の最小値と最大値との差が、10.0×10−6cm/cm・℃以下であるという特徴を更に有することもできる。また、第2の本発明のタッチパネルデバイスについて、ポリマーフィルム、保護透明基材、位置検出用電極層付きポリマーフィルム、シールド用電極層付きポリマーフィルム、表示装置側保護透明基材等については、第1の本発明のタッチパネルデバイスに関する記載を参照できる。
【0046】
〈第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置〉
(第1の態様)
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第1の態様では、第2の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスが、表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、空気層の厚さが、0.500mm以下、0.400mm以下、0.300mm以下、0.200mm以下、又は0.100mm以下であり、表示装置が偏光、特に直線偏光又は円偏光によって表示を行い、かつ表示装置の観察側表面に、波長550nmの光に対して略λ/4の位相差を有する位相差フィルムが配置されている。
【0047】
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第1の態様によれば、空気層の厚さが薄く、したがってタッチパネルデバイス付表示装置の厚さを小さいにもかかわらず、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0048】
また、このタッチパネルデバイス付表示装置によれば、表示装置が偏光によって表示を行い、かつ表示装置の観察側表面に波長550nmの光に対して略λ/4の位相差を有する位相差フィルムが配置されていることによって、表示装置から出た偏光である表示光が、表示装置の観察側表面の位相差フィルムを通過してλ/4の位相差を受け、空気層を通過し、第2の本発明のタッチパネルデバイスにおいて再びλ/4の位相差を受ける。これによれば、表示装置から出た偏光と、タッチパネルデバイスでλ/4の位相差を受けた偏光との位相差が、0又はλ/2になる。
【0049】
具体的には、表示装置の表示光が直線偏光である場合、表示装置上の位相差フィルムにおいてλ/4の位相差を受け、且つタッチパネルデバイスでλ/4の位相差を受けた表示光は、表示装置から出た直線偏光と同じ角度又は90°異なる角度の直線偏光になり、これがタッチパネルデバイスの直線偏光板の透過軸を通って観察者に観察されるようにできる。また、表示装置の表示光が円偏光である場合、表示装置上の位相差フィルムにおいてλ/4の位相差を受け、且つタッチパネルデバイスでλ/4の位相差を受けた表示光は、表示装置から出た円偏光と同じ又は反対の旋回方向の円偏光になり、これがタッチパネルデバイスの円偏光板の透過軸を通って観察者に観察されるようにできる。
【0050】
なお、この目的のためには、表示装置の観察側(すなわち、タッチパネル側)の偏光板の吸収軸と、表示装置の観察側表面のλ/4の位相差を有する位相差フィルムの遅相軸との角度が、45°±5°以内、特に45°±1°以内になるようにすることができる。また、液晶ディスプレイの観察側の偏光板の吸収軸と、タッチパネルデバイスの偏光板の吸収軸との角度を、0°±5°以内、特に0°±1°以内、又は90°±5°以内、特に90°±1°以内にすることができる。
【0051】
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第1の態様では特に、表示光が本質的に偏光となっている表示装置、例えば液晶ディスプレイであってよい。
【0052】
(第2の態様)
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第2の態様では、第2の本発明の静電容量式タッチパネルデバイスが、表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、空気層の厚さが、0.500mm以下、0.400mm以下、0.300mm以下、0.200mm以下、又は0.100mm以下であり、表示装置が非偏光によって表示を行う。
【0053】
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第2の態様によれば、空気層の厚さが薄く、したがってタッチパネルデバイス付表示装置の厚さを小さいにもかかわらず、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0054】
また、このタッチパネルデバイス付表示装置の第2の態様によれば、表示装置から出た非偏光である表示光が、空気層を通過し、第2の本発明のタッチパネルデバイスにおいてλ/4の位相差を受けるが、非偏光である表示光のうちの一部は、タッチパネルデバイスの偏光板の透過軸を通って観察者に観察されるようにできる。
【0055】
第2の本発明のタッチパネルデバイス付表示装置の第2の態様では特に、表示光が本質的に非偏光となっている表示装置、例えば有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ、電界放出ディスプレイ、電子ペーパー、又はプラズマディスプレイであってよい。
【実施例】
【0056】
実施例中における各種の測定は、下記のとおり行った。
【0057】
〈線膨張係数〉
フィルムの線膨張係数は、4mm幅×30mmのサンプルを、25℃及び相対湿度50%にて24時間置いた後に、熱・応力−歪測定装置(SIIナノテクノロジー社製SS6100)を用いて、昇温速度5℃/分にて3回測定し、温度範囲20℃〜60℃における線膨張係数を算出し、その平均値を求めた。
【0058】
〈位相差〉
日本分光(株)製分光エリプソメーターM220を使用し、光線波長550nmで測定した。
【0059】
〈参考例〉
図1に示す構成を有するようにして、参考例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。具体的には、下記に示すようにして、参考例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0060】
(1)静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置の作成
0.5mmの厚さのコーニング社製超硬ガラス(10)を保護透明基材とし、アクリル樹脂よりなる粘着剤(24)を介して、第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22)を貼合した。次に更にアクリル樹脂よりなる粘着材(34)を介して、第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(30a、32)を貼合した。次に更にアクリル樹脂よりなる粘着材(44)を介して、電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルム(40、42)を貼合して、静電容量式タッチパネルデバイス(100)を作成した。
【0061】
0.8mmの厚さの液晶ディスプレイパネル(300)の額縁部分に接着剤を配し、液晶ディスプレイパネル(300)と静電容量式タッチパネルデバイス(100)とを、1.0mmの空気層(200)を介して接着した。
【0062】
このようにして得た参考例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置について、下記の表1にまとめている。
【0063】
(2)評価
参考例のタッチパネルデバイス付表示装置の全体(タッチパネルデバイス+空気層+液晶パネル)の厚みは2.862mmであった。参考例のタッチパネルデバイス付表示装置は、常温においてニュートンリングの発生がなく、また50℃においてもニュートンリングの発生は見られなかった。ただし、このタッチパネルデバイス付表示装置は、反射防止機能は有していないため、強い外光を当てると表示装置が白っぽくなり表示が見にくかった。この結果について、下記の表5にまとめている。
【0064】
(3)第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)
上記の第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)のためのポリマーフィルム(20a、30a)は、125μmの厚さの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであった。ここで、このポリマーフィルムは、位相差が制御されておらず、1,000nm以上の位相差を有していた。このポリマーフィルムの両面にアクリル樹脂を主成分とする2μm程度の厚さのハードコート層を配した(合計129μm)。このハードコート層のうちの一方の表面上に、酸化チタンナノ粒子を分散させた有機シロキサン系樹脂を主成分とする0.1μm程度の厚さの光学調整層を配し、更にこの光学調整層の上に20nm程度の厚さのインジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ成膜した。ここで、光学調整層は、インジウム−スズ酸化物で形成される電極パターンを見えにくくするためのものである。
【0065】
このインジウム−スズ酸化物層を有するポリマーフィルムを、画角3.0インチの液晶ディスプレイパネルと貼合するための大きさにカットし、電極パターニングを行い、そして130℃にて90分間熱処理を行うことによりこのインジウム−スズ酸化物層を結晶化させて位置検出用電極層(22、32)とし、それによって第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)を作成した。
【0066】
結晶化したインジウム−スズ酸化物層の表面抵抗値は、200Ω/□であった。基材として使用したポリエチレンテレフタレートフィルムは、流れ方向の線膨張係数が37×10−6cm/cm・℃であり、流れ方向に対して垂直方向の線膨張係数が34×10−6cm/cm・℃であった。
【0067】
(4)電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルム(40、42)
上記の電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルム(40、42)のためのポリマーフィルム(40)は、流延法により作成した厚さ100μmの無延伸ポリカーボネート(PC)フィルムであった。ここで、このポリマーフィルムは、位相差がほぼ0nmであった。このポリマーフィルムの両面にアクリル樹脂を主成分とする2μm程度の厚さのハードコート層を配した(合計104μm)。このハードコート層のうちの一方の面上に、20nm程度の厚さのインジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ成膜した。
【0068】
このインジウム−スズ酸化物を有するポリマーフィルムを、画角3.0インチの液晶ディスプレイパネルと貼合するための大きさにカットし、130℃にて90分間熱処理を行うことによりこのインジウム−スズ酸化物層を結晶化させて電磁波シールド用電極層(42)とし、それによって電磁波シールド用電極層付きポリマーフィルム(40、42)を作成した。
【0069】
結晶化したインジウム−スズ酸化物層の表面抵抗値は、200Ω/□であった。基材として使用したポリカーボネートフィルムは、流れ方向及び流れ方向に対して垂直方向の線膨張係数がいずれも75×10−6cm/cm・℃であった。
【0070】
(3−3)液晶ディスプレイパネル(300)
液晶ディスプレイパネルは、画角3.0インチ及び厚さ0.8mmのVA(Vertical Alignment)方式の液晶ディスプレイパネルであり、0.6mmの厚みの液晶セルの両面に光学補償フィルム及び偏光板を貼合したものであった。
【0071】
〈比較例〉
図2に示す構成を有するようにして、比較例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。具体的には、下記に示すようにして、比較例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0072】
(1)静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置の作成
液晶ディスプレイパネル(300)と静電容量式タッチパネルデバイス(100)との間の空気層の厚さを小さくしたこと、具体的には空気層の厚さを1mmではなく0.1mmとした小さくしたことを除いて参考例と同様にして、比較例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0073】
このようにして得た比較例の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置について、下記の表2にまとめている。
【0074】
(2)評価
比較例の表示装置の全体の厚みは1.962mmであり、参考例よりも0.900mm薄かった。比較例のタッチパネルデバイス付表示装置は、常温においてニュートンリングの発生がなかったが、50℃においてはニュートンリングが発生した。また、このタッチパネルデバイス付表示装置は、反射防止機能は有していないため、強い外光を当てると表示装置が白っぽくなり表示が見にくかった。この結果について、下記の表5にまとめている。
【0075】
〈実施例1〉
図3に示す構成を有するようにして、実施例1の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。具体的には、下記に示すようにして、実施例1の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0076】
(1)静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置の作成
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(20a、30a)を有する第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)の代わりに、無延伸ポリカーボネート(PC)フィルム(20b、30b)を有する第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20b、22;30b、32)を用いたことを除いて比較例と同様にして、実施例1の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0077】
このようにして得た実施例1の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置について、下記の表3にまとめている。
【0078】
(2)評価
実施例1のタッチパネルデバイス付表示装置の全体の厚みは1.912mmであり、参考例よりも約0.950mm薄かった。実施例1のタッチパネルデバイス付表示装置は、常温においてニュートンリングの発生がなく、また50℃においてもニュートンリングの発生は見られなかった。ただし、このタッチパネルデバイス付表示装置は、反射防止機能は有していないため、強い外光を当てると表示装置が白っぽくなり表示が見にくかった。この結果について、下記の表5にまとめている。
【0079】
(3)第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20b、22;30b、32)
125μmの厚さの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの代わりに流延法により作成した厚さ100μmの無延伸ポリカーボネート(PC)フィルムを用いたことを除いて参考例の第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)と同様にして、上記の第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20b、22;30b、32)のためのポリマーフィルム(20b、30b)を得た。
【0080】
結晶化したインジウム−スズ酸化物層の表面抵抗値は、200Ω/□であった。基材として使用したポリカーボネートフィルムは、流れ方向及び流れ方向に対して垂直方向の線膨張係数がいずれも75×10−6cm/cm・℃であった。
【0081】
〈実施例2〉
図4に示す構成を有するようにして、実施例2の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。具体的には、下記に示すようにして、実施例2の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0082】
(1)静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置の作成
0.5mmの厚さのコーニング社製超硬ガラスを保護透明基材と第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22)との間に、アクリル樹脂よりなる粘着剤を介して、100μmの厚さの偏光フィルムを貼合したこと;無延伸ポリカーボネート(PC)フィルム(20b)を有する第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20b、22)の代わりに、一軸延伸ポリカーボネート(PC)フィルム(20c)を有する第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20c、22)を用いたこと;一軸延伸ポリカーボネートフィルム(20c)と同様な一軸延伸ポリカーボネートフィルム(60)を、アクリル粘着剤(64)を介して、液晶ディスプレイパネル(300)の表面に貼合したことを除いて、実施例1と同様にして、実施例2の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置を作成した。
【0083】
このようにして得た実施例2の静電容量式タッチパネルデバイス付表示装置について、下記の表2にまとめている。
【0084】
(2)評価
実施例2の表示装置の全体の厚みは2.012mmであり、参考例よりも約0.850mm薄かった。実施例2のタッチパネルデバイス付表示装置は、常温においてニュートンリングの発生がなく、また50℃においてもニュートンリングの発生は見られなかった。また、このタッチパネルデバイス付表示装置は、反射防止機能を有しているため、強い外光を当てた場合にも、表示装置が白っぽくならなかった。この結果について、下記の表5にまとめている。
【0085】
(3)偏光フィルム(50)
上記の偏光フィルム(50)としては、流延法により作成した位相差がほぼ0nmである三酢酸セルロースを基材として、偏光子としてヨウ素を吸着させたポリビニルアルコール層を貼合したフィルムを使用した。この偏光フィルムの吸収軸を、液晶ディスプレイパネルの上面(タッチパネルデバイスと貼合する側)の偏光板の吸収軸と揃える(すなわち、それぞれの吸収軸のなす角が0度となる)ように大きさにカットした。この偏光フィルムの吸収軸方向の線膨張係数は74×10−6cm/cm・℃であり、流れ方向に対して垂直方向の線膨張係数は78×10−6cm/cm・℃であった。
【0086】
(4)第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20c、22)
上記の第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20c、22)のためのポリマーフィルム(20c)は、流延法により作成した100μmの厚さの無延伸ポリカーボネート(PC)フィルムを一軸延伸して得たフィルムであった。ここで、このフィルムは、550nmにおける位相差が138nm(すなわち波長の1/4の位相差)であった。2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(20a、30a)を有する第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)の代わりに、この一軸延伸ポリカーボネート(PC)フィルム(20c)を用いたこと;及びこの一軸延伸ポリカーボネート(PC)フィルム(20c)を、液晶ディスプレイパネルの上面(タッチパネルデバイスと貼合する側)の偏光板の吸収軸と、この第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20c、22)の遅相軸がなす角が45度となるように大きさにカットしたことを除いて参考例の第1及び第2の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20a、22;30a、32)と同様にして、上記の第1の位置検出用電極層付きポリマーフィルム(20c、22)を得た。
【0087】
結晶化したインジウム−スズ酸化物層の表面抵抗値は200Ω/□であった。基材として使用した一軸延伸ポリカーボネートフィルムは、流れ方向の線膨張係数が74×10−6cm/cm・℃であり、かつ流れ方向に対して垂直方向の線膨張係数が77×10−6cm/cm・℃であった。
【0088】
【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【符号の説明】
【0093】
10 保護透明基材
20a、20b、20c、30a、30b 位置検出用電極層付きポリマーフィルム
22、32 位置検出用電極層
40 シールド用電極層付きポリマーフィルム
42 シールド用電極層
50 偏光板
60 位相差フィルム(λ/4フィルム)
24、34、44、54、64 粘着剤
100 タッチパネルデバイス
200 空気層
300 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、並びに前記保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムを有する、静電容量式タッチパネルデバイスであって、
前記保護透明基材の表示装置側表面に配置されている全てのポリマーフィルムの面方向の線膨張係数の最小値と最大値との差が、10.0×10−6cm/cm・℃以下である、静電容量式タッチパネルデバイス。
【請求項2】
前記静電容量式タッチパネルデバイスが、前記保護透明基材の前記表示装置側表面に配置されている偏光板を有し、かつ前記偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4である、請求項1に記載のタッチパネルデバイス。
【請求項3】
前記保護透明基材が、ガラス基材、ポリメチルメタクリレート基材、ポリカーボネート基材、又はそれらの組合せである、請求項1又は2に記載のタッチパネルデバイス。
【請求項4】
前記保護透明基材の表示装置側表面に配置されているシールド用電極層付きポリマーフィルムを更に有し、かつ前記シールド用電極層付きポリマーフィルムが、前記2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムよりも表示装置側に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネルデバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の静電容量式タッチパネルデバイスを有するタッチパネルデバイス付表示装置であって、
前記静電容量式タッチパネルデバイスが、前記表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、かつ前記空気層の厚さが、0.500mm以下である、タッチパネルデバイス付表示装置。
【請求項6】
観察側表面及び表示装置側表面を有する保護透明基材、並びに前記保護透明基材の表示装置側表面に配置されている2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムを有する、静電容量式タッチパネルデバイスであって、
前記静電容量式タッチパネルデバイスが、前記保護透明基材の前記表示装置側表面に配置されている偏光板を有し、かつ前記偏光板よりも表示装置側の全ての層の合計位相差が、波長550nmの光に対して略λ/4である、静電容量式タッチパネルデバイス。
【請求項7】
前記保護透明基材が、ガラス基材、ポリメチルメタクリレート基材、ポリカーボネート基材、又はそれらの組合せである、請求項6に記載のタッチパネルデバイス。
【請求項8】
前記保護透明基材の表示装置側表面に配置されているシールド用電極層付きポリマーフィルムを更に有し、かつ前記シールド用電極層付きポリマーフィルムが、前記2つの位置検出用電極層付きポリマーフィルムよりも表示装置側に配置されている、請求項6又は7に記載のタッチパネルデバイス。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載の静電容量式タッチパネルデバイスを有するタッチパネルデバイス付表示装置であって、
前記静電容量式タッチパネルデバイスが、前記表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、前記空気層の厚さが、0.500mm以下であり、前記表示装置が偏光によって表示を行い、かつ前記表示装置の観察側表面に、波長550nmの光に対して略λ/4の位相差を有する位相差フィルムが配置されている、タッチパネルデバイス付表示装置。
【請求項10】
前記表示装置が、液晶ディスプレイである、請求項9に記載のタッチパネルデバイス付表示装置。
【請求項11】
請求項6〜8のいずれかに記載の静電容量式タッチパネルデバイスを有するタッチパネルデバイス付表示装置であって、
前記静電容量式タッチパネルデバイスが、前記表示装置の表示面上に空気層を介して配置されており、前記空気層の厚さが、0.500mm以下であり、前記表示装置が非偏光によって表示を行う、タッチパネルデバイス付表示装置。
【請求項12】
前記表示装置が、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ、電界放出ディスプレイ、電子ペーパー、及びプラズマディスプレイからなる群より選択される、請求項11に記載のタッチパネルデバイス付表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−33135(P2012−33135A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200753(P2010−200753)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000215888)帝人化成株式会社 (504)
【Fターム(参考)】