説明

タッチ起動された近距離通信(NFC)回路を有する移動無線通信デバイス

移動無線通信デバイスは、筺体と、筺体によって運ばれる少なくとも1つの回路基板とを含む。無線周波数(RF)回路およびプロセッサは、筺体によって運ばれ、かつ相互に動作可能である。近距離通信(NFC)回路は、少なくとも1つの回路基板上に位置付けられ、かつ、NFC通信プロトコルに従って通信するために、プロセッサとともに動作可能である。タッチ起動センサは、筺体によって支持され、かつ、通信デバイスからのNFC通信を確立するようにユーザによって触れられたときに、NFC回路の動作を有効化するために動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信デバイスの分野に関し、より詳細には、移動無線通信デバイスおよび近距離通信(NFC)を使用する関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー通信システムの高い人気は続いており、個人およびビジネスの通信の両方にとって不可欠な一部となった。セルラー電話および類似のデバイスは、ほぼ全ての移動先において、電話をかけたり、受けたりすることを可能にする。さらに、セルラー電話技術の向上により、セルラーデバイスの機能も有している。例えば、多くのセルラーデバイスは、現在、カレンダー、アドレスブック、タスクリスク、計算機、メモ帳およびプログラム作成等の携帯情報端末(PDA)の機能を組み込んでいる。これらの複数機能デバイスにより、通常、ユーザは、電子メール(Eメール)メッセージをワイヤレスで送受信することができ、例えば、セルラーネットワークおよび/またはワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を介してインターネットにアクセスすることができる。
【0003】
いくつかのセルラーデバイスは、非接触型カード技術および/または近距離通信チップを組み込む。近距離通信技術は、移動無線通信デバイスを含む、電子デバイスの間の通信を可能にするために、磁界誘導を用いて、通常、無線ICタグ(RFID)規格に基づく非接触型短距離通信で使用される。これらの短距離アプリケーションは、支払いおよびチケット発行、電子鍵、識別、デバイスセットアップサービスおよび同様の情報共有を含む。この短距離高周波数ワイヤレス通信技術は、わずか数センチメートル等の短距離においてデバイス間でデータを交換する。
【0004】
近距離通信(NFC)技術は、非接触型カードとしてのISO 14443近接型カード規格、スマートカードおよびリーダーのインターフェースを1つのデバイスに組み込むRFID規格の拡張である。携帯電話等のNFCデバイスは、典型的には、既存のISO14443のスマートカードおよびリーダーの両方と通信するNFC集積回路(IC)チップ、および既存の非接触型インフラストラクチャと互換性のある他のNFCデバイスを含む。典型的には、NFC ICチップは、2つのループアンテナが互いに近くに位置付けられる磁気誘導を使用し、空心変圧器を形成する。この技術は、約13.56MHzの無認可の無線周波数ISMバンドで動作し、約2MHzの帯域幅を有する。典型的には、作動距離は約0〜20センチメートルであるが、通常、NFCデバイスのユーザは、データレートが106から約424kbit/sで、通信を開始するために、別のNFCデバイスまたはタグに触れる。ほとんどの移動無線通信デバイスは、ManchesterおよびASK符号が使用されるパッシブモードが使用されない限り、修正Millerおよび100%振幅偏移変調(ASK)符号を使用して、アクティブ通信モードで動作する。さらなる詳細が、GSMAによる2007年11月のMobile NFC Technical Guidelines,Version2.0に記載されており、その開示は、その全体が参照されることにより、本明細書に組み込まれる。
【0005】
NFCおよびRFID通信プロトコルは、汎用ID(UID)番号を送信することによる、外部リクエストへの応答に基づく。このため、NFCが有効な電話(またはNFCが有効なクレジットカード)は、所有者の同意、セキュリティおよびプライバシーの問題の提起なしに、そのUIDを別のデバイスへ送信する。例えば、MasterCard PayPass(登録商標)カード等のNFCが有効なクレジットカードは、例えば、カードが所有者のポケットに入っている場合でも、リーダー/ライターをカードに近づけることで、所有者の同意なく、$50.00未満の取引を認証できる。さらに、NFCが有効な電話は、典型的にはリーダー/ライターとして使用され、タグを検索および起動するための電磁場を提供するために、比較的高い電力を使用する。このため、NFCが有効なワイヤレス通信デバイスまたは他のハンドヘルドのNFC無線は、必要な場合にのみ、オンにする必要がある。NFCアプリケーションが実行している場合にのみ、NFCをオンにできる技術的なソリューションについて、業界ではいくつかの議論がある。これは、デバイスを「常時オン」にするよりも良いソリューションであるが、この技術的ソリューションは、NFCデバイスが対処するべき使いやすさおよび簡略さが低下してしまうため、適切ではない。その技術的ソリューションにおいて、ユーザは、移動無線通信デバイスのホーム画面を表示して、ユーザが現在使用しているアプリケーションを停止し、正しいNFCアプリケーションを見つけ、正しいNFCアプリケーションを開始して、リーダー/タグまたは他のNFCデバイスの前に、デバイスを保持する必要がある。この技術的ソリューションは、簡略さおよび使いやすさに基づく技術にとって、煩雑なものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
移動無線通信デバイスは、筺体および筺体によって運ばれる回路基板を含む。無線周波数(RF)回路およびプロセッサは、筺体によって運ばれ、相互に動作可能である。近距離通信(NFC)回路は、回路基板上に位置付けられ、NFC通信プロトコルに従って通信するために、プロセッサと動作可能である。第1のタッチ起動センサは、筺体によって支持され、通信デバイスからのNFC通信を確立するために、ユーザによって触れられた場合に、NFC回路の動作を可能にするために動作可能である。
【0007】
移動無線通信デバイスは、筺体が、手動でつかまれ、別のNFCが有効なタグまたはデバイスの近くに位置付けられる場合に、ユーザの少なくとも1本の指で触れられるように位置付けられる第1のタッチ起動センサを有する。第1および第2のタッチ起動センサは、筺体によって支持することができ、また、NFC回路を有効にし、NFC通信を確立するように、ユーザによって触れられるように、位置付けることができる。筺体は、対向側面を含み、タッチ起動センサは、NFC通信を確立するために、ユーザによって両方が触れられなければならないように、筺体の各側に位置付けられる。
【0008】
タッチ起動センサは、容量タッチセンサとして形成することができ、静電容量・デジタル変換器およびそれに関連付けられたプロセッサとして形成することができる。NFC回路は、回路基板上に載置されるNFC集積回路(IC)チップとして形成される。電力回路は、電力をNFC回路に供給し、タッチ起動センサが触れられた場合にのみ、電力回路の間にスイッチが接続され、タッチ起動センサに接続され、NFC回路への電力をオンに切り替えるために作動する。第2のタッチ起動センサは、NFC回路が有効化されている場合に、誤検出がないことを確実にすることができる。さらに、方法の態様について説明する。
【0009】
他の目的、特徴および利点が、以下の添付の図面に照らして検討する時に記載される、発明を実施するための形態から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、非制限的な実施例に従って有効化されたハンドヘルドデバイスとして構成され、本発明の非制限的な例に従って、その基本的な内部コンポーネントを図示する、移動無線通信デバイスの例の概略ブロック図である。
【図2】図2は、非制限的な例に従う、図1の移動無線通信デバイスの正面図である。
【図3】図3は、図1〜2の移動無線通信デバイスで有効化された基本的な機能回路コンポーネントを示す、概略ブロック図である。
【図4】図4は、移動無線通信デバイスの例の別のブロック図であり、非制限的な例に従う、NFC ICチップ、アンテナ回路およびタッチ起動センサのコンポーネントを示す。
【図5】図5は、非制限的な例に従って、タッチ起動NFC回路の動作の基本シーケンスを示す高レベルのフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適な実施形態が示される添付の図面を参照して、以下により完全に、異なる実施形態を記載する。多くの異なる形態が説明される可能性があるが、記載された実施形態を、本明細書で説明される実施形態に限定するものとして解釈するべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、この開示が完全なものであり、当業者に対して範囲を全て伝達するものであるように、提供される。同様の番号は、その全体において、同様の要素を指す。
【0012】
非制限的な例に従い、移動無線通信デバイスは、筺体および筺体によって運ばれる回路基板を含む。1つ以上の回路基板は、相互に動作可能である無線周波数(RF)回路およびプロセッサを含む。近距離通信(NFC)集積回路は、移動無線通信デバイスが、他のNFCが有効なデバイスとともに動作し、かつ、モバイルチケット発行、モバイル支払い、スマートポスター、Bluetoothのペアリング、電子チケット、および数多くの他のモバイルコマースアプリケーション等の種々のトランザクションを実行することを可能にするために、プロセッサとともに動作する。ある非制限的な例におけるNFC回路は、他のプロセッサおよびコンポーネントを含む回路基板上等に位置付けられる別個のNFC ICチップである。
【0013】
この記述中、タッチセンサは、タッチ起動センサを指すことができる。移動無線通信デバイスは、第1のタッチセンサ、および好適には、ユーザが、デバイス内のNFC回路を使用することを意図する場合に、移動無線通信デバイス上においてNFC回路を作動させるために、デバイスの側面に位置付けられる第2のタッチセンサを含む。典型的には、タッチセンサは、移動無線通信デバイスの各側面に位置付けられ、それにより、2本の指によってデバイスをつかみ、NFC回路を作動させることを可能にする。典型的には、タッチセンサは、ユーザが2本の指でデバイスを保持することを容易にするために、側面の中央部、かつ、デバイスの重心とほぼ同じレベルに位置付けられる。そうでないと、ユーザは、NFC回路を作動および使用しようとする場合に、より速く、かつ、効率的な動作のためにデバイスの均衡を取ることが難しくなる。
【0014】
タッチセンサは、非制限的な例において、容量タッチセンサとして形成することができ、指検出モードの場合、非常に低い電力(約20マイクロアンペア未満)を使用するため、容量タッチセンサは、常時(または、おそらくバックライトがオンになっている場合のみ)「オン」にすることができる。典型的には、容量タッチセンサは、ユーザがNFC回路を使用することを望む場合に触れられたこれらの場所の、筺体の下に位置付けられる。例えば、容量タッチセンサは、筺体を容量タッチセンサの位置でマーキングすることができるように、移動無線通信デバイスを形成する筺体の両側面に位置付けることができる。さらに、デバイスの筺体の上にNFCロゴを配し、筺体上のNFCロゴの下に容量タッチセンサを配することができる。容量タッチセンサが好適であるが、スイッチまたはセンサが意図せずに作動する可能性がほとんどない場合、例えば、移動無線通信デバイスがユーザのポケットに入っている場所にセンサが位置付けられる場合、機械的スイッチまたはいくつかの他の抵抗膜方式タッチセンサを使用することも可能であることを理解されたい。
【0015】
移動無線通信デバイスまたは同様のセンサまたはスイッチとともに使用される任意のタッチセンサは、クレジットカードおよびNFCタグのために使用することもできる。指による触覚を検出するタッチセンサを、カード内のNFCチップに追加することができ、ユーザがカード表面に触れる場合、無線としてのNFC回路が作動される。ユーザは、カードが任意のNFCリーダー/ライターに応答する前に、カードにマーキングされるエリアに触れることができる。
【0016】
次に、以下により詳細に記載されるように、タッチ起動近距離通信回路とともに使用可能な、種々の回路の非制限的な例を組み込むことができる、移動無線通信デバイス、例えば、ハンドヘルドポータブルセルラー無線の例を開示する、図1〜3に関し、簡単な説明を行う。図1〜3は、多くの異なる種類の機能回路コンポーネントおよびその相互接続の代表的な非制限的な例であり、近距離通信回路とともに使用するために動作可能である。
【0017】
まず、図1および2を参照し、ハンドヘルドポータブルセルラー無線等の、移動無線通信デバイス20の例について、記載する。このデバイス20は、図において、上部46および下部47を有する筺体21および、例えば、筺体によって運ばれる従来のプリント基板(PCB)等の誘電体基板(つまり回路基板)67を含む。1つ以上の回路基板を使用することができることを理解されたい。NFC回路は、1つの回路基板およびプロセッサならびに別の回路基板上の他の回路上に存在することができる。筺体カバー(詳細は図示せず)は、典型的には、筺体の前部を覆う。以下で用いられる回路基板67という用語は、任意の誘電体基板、PCB、セラミック基板またはシグナル回路および移動無線通信デバイス20内の電子コンポーネントを運ぶための、他の回路運搬構造を指すことができる。図示された筺体21は、例えば、多くのセルラー電話で使用されるフリップまたはスライド式筺体に対する、静的筺体である。しかしながら、これらのおよび他の筺体構成も使用し得る。
【0018】
回路48は、任意のキーボード回路を含む、音響および電力回路を含むRF回路を含むマイクロプロセッサ、メモリ、1つ以上のワイヤレストランシーバ(例:セルラー、WLAN等)等の、回路基板67によって運ばれる。当業者によって理解されるように、キーボード回路を別個のキーボード等の上に置くことができることを理解されたい。さらに、バッテリ(図示せず)は、好適には、電力を回路48に供給するための筺体21によって運ばれる。RF回路という用語は、相互動作可能なRFトランシーバ回路、電力回路および音響回路を含むことができる。
【0019】
さらに、音響出力トランスジューサ49(例:スピーカ)が、筺体21の上部46によって運ばれ、回路48に接続される。好適には、さらに、キーパッド(キーボード)23(図2)等の1つ以上のユーザ入力インターフェースデバイスが、筺体21によって運ばれ、回路48に接続される。本明細書で使用されるキーパッドという用語は、さらに、通常、公知である、文字および/または数字キーを有するユーザ入力デバイスを示す、キーボードという用語、および共通して公知であり、およびマルチトップまたは予測的なエントリーモードを含む他の実施形態を指す。ユーザ入力インターフェースデバイスの他の例は、スクロールホイール37およびバックボタン36を含む。当然ながら、他の実施形態において、他のユーザ入力インターフェースデバイス(例:スタイラスまたはタッチ画面インターフェース)を使用し得ることが考えられる。
【0020】
アンテナ45は、好適には、筺体の下部47に位置付けられ、アンテナを物理的に形成する、アンテナ回路を作成する、伝導トレースのパターンとして形成することができる。主要回路基板67上の回路48に接続される。ある非制限的な例において、アンテナは、筺体の下部の主要回路基板から延在する、アンテナ回路基板部分上に形成することができる。筺体21の下部47に隣接してアンテナ45を位置付けることにより、距離は、適用可能なSAR要件の準拠に役立つように、電話の使用時、アンテナおよびユーザの頭の間で、有利に、増加する。また、個別のキーボード回路基板を使用することもできる。
【0021】
より詳細には、ユーザは、典型的には、音響出力トランスジューサ49が、耳のすぐ隣になるように、頭に非常に近い筺体21の上部を保持する。しかし、音響入力トランスジューサ(つまりマイクロフォン)が位置付けられている筺体21の下部47は、ユーザの口のすぐ隣に位置付ける必要はなく、ユーザの口から離して保持することができる。つまり、ユーザの口の近くに音響入力トランスジューサを保持することは、ユーザにとって不快であるのみではなく、いくつかの状況において、ユーザの声にひずみを生じさせる可能性もある。さらに、筺体21の下部47に隣接したアンテナ45の位置付けによって、さらに、ユーザの脳からより遠くに、アンテナが有利に位置付けられる。
【0022】
筺体21の下部47に隣接するアンテナ45の位置付けの別の重要な利点は、ユーザの手による阻止のために、アンテナのパフォーマンスへのより小さい影響を可能にし得るということである。つまり、ユーザは、典型的には、電話筺体の上部の中心に向かってセルラー電話を保持するため、これらは筺体21の下部47に隣接して載置されるアンテナであるよりも、こうしたアンテナの上に手を置く可能性の方が高い。従って、筺体21の下部47に隣接するアンテナ45の位置付けから、より信頼性のあるパフォーマンスを実現し得る。
【0023】
この構成のさらに別の利点は、筺体の上部46に運ばれる1つ以上の補助入力/出力(I/O)デバイス50のためのさらなる余地を提供するということである。さらに、補助I/Oデバイス50からアンテナ45を分離させることにより、これは、その間の干渉の低減を可能にし得る。
補助I/Oデバイス50のいくつかの例は、当業者に理解されるように、WLAN通信機能を提供するためのWLAN(例:Bluetooth、IEEE802.11)アンテナ、および/または位置決定機能を提供するための衛星測位システム(例:GPS、Galileo等)アンテナを含む。補助I/Oデバイス50の他の例は、第2の音響出力トランスジューサ(例:スピーカ電話動作のスピーカ)、およびデジタルカメラ機能、電子デバイスコネクタ(例:USB、ヘッドフォン、セキュアデジタル(SD)またはメモリカード等)を提供するためのカメラレンズを含む。
【0024】
なお、補助I/Oデバイス50について本明細書中で使用される「入力/出力」という用語は、かかるデバイスが入力および/または出力機能を有してもよい、および、これらは全ての実施形態において両方を提供する必要はないことを意味する。つまり、カメラレンズ等のデバイスは、例えば、光入力を受信し得るにすぎず、一方で、ヘッドフォンのジャックは音響出力を提供し得るにすぎない。
【0025】
図1に図示されるように、別個のNFC回路チップ51は、他の入力/出力デバイスに関連づけることができ、容量タッチセンサ等の、側面に載置されたタッチセンサ52、53に動作可能に接続することができる。容量タッチセンサ等の第3のタッチセンサ54は、以下に詳細に説明されるように、デバイスの底部に位置付けることができ、さらに、「誤検出」がないことを決定するために使用することができる。例えば、第3の容量タッチセンサ54は、2つの側面容量タッチセンサ52および53が作動され、一方で第3の容量タッチセンサが作動される場合に、NFC回路51が作動されないように、位置付けられる。
【0026】
デバイス20は、さらに、図において、ディスプレイ22、例えば、筺体21によって運ばれ、回路48に接続される液晶ディスプレイ(LCD)を含む。バックボタン36およびスクロールホイール37は、さらに、当業者に理解されるように、ユーザがメニュー、テキスト等をナビゲートすることを可能にするために、回路48に接続することができる。スクロールホイール37は、さらに、いくつかの例において、「サムホイール」または「トラックホイール」と称される場合もある。キーパッド23は、図において、それぞれ、その上に複数の各シンボルの証印を有する、複数のマルチシンボルキー24を含む。キーパッド23は、さらに、図において、代替の機能キー25、次へキー26、スペースキー27、シフトキー28、リターン(またはエンター)キー29、およびバックスペース/削除キー30を含む。
【0027】
次へキー26は、さらに、まず、代替の機能キー25を押す、または作動させる時に、「*」の記号を入力するために使用される。同様に、スペースキー27、シフトキー28およびバックスペースキー30は、まず、代替の機能キー25を作動させる時に、それぞれ、「0」および「#」を入力するために使用される。キーパッド23は、さらに、当業者に理解されるように、図において、セルラー電話をかける時に使用するための送信キー31、終了キー32、および便利(つまりメニュー)キー39を含む。
【0028】
さらに、各キー24上の記号は、上部および下部の列に位置付けられる。下部列の記号は、代替の機能キー25を最初に押さずに、ユーザがキー24を押す時に入力され、一方で、上部の列の記号は、代替の機能キーを最初に押すことで入力される。図2に示されるように、マルチシンボルキー24は、送信および終了キー31、32の下のキーパッド23上の最初の3つの列に位置付けられる。さらに、キー24のそれぞれにおける文字の記号は、QWERTYレイアウトを定義するために位置付けられる。つまり、キーパッド23上の文字は、3列のフォーマットで示され、各列の文字は、標準的なQWERTYキーパッド内と同じ順序および相対的な位置である。
【0029】
キーの各列(機能キー25〜29の4列目を含む)は、5つの行で位置付けられる。第1、第2、および第3の列の第2、第3、および第4の行のマルチシンボルキー24は、代替の機能キー25を最初に作動させることにより、アクセス可能な数字の証印(つまり1〜9)を有する。上記のように、代替の機能キー25を最初に作動させる時に、「*」、「0」、および「#」をそれぞれ入力する、次へ、スペース、およびシフトのキー26、27、28と結合して、このキーのセットは、当業者によって理解されるように、従来のタッチトーン電話で見られるような、標準的な電話キーパッドレイアウトを定義する。
【0030】
従って、記載されるように、移動無線通信デバイス20は、従来のセルラー電話として有利に使用され得るだけではなく、例えば、インターネットおよび電子メールのデータ等、セルラーまたは他のネットワークにおけるデータの送受信のために便利に使用することもできる。当然ながら、他のキーパッド構成も、他の実施形態において使用し得る。当業者によって理解されるように、電子メールの入力等のために、マルチタップ予測エントリーモードが使用され得る。
【0031】
アンテナ45は、好適には、複数の動作周波数における高度な伝送および受信機能を提供する、複数周波数帯アンテナとして形成される。より詳細には、アンテナ45は、高い利得、所望のインピーダンスマッチングを提供するように設計され、比較的幅広い帯域幅および複数のセルラー周波数帯における適用可能なSAR要件に適合する。例えば、アンテナ45は、好適には、5つのバンド、すなわち、モバイル通信(GSM)バンド、900MHzのGSMバンド、DCSバンド、PCSバンド、およびWCDMAバンド(最高で約2100MHz)のための850MHzのグローバルシステムで動作するが、他のバンド/周波数にも使用され得る。空間を保存するために、アンテナ45は、3次元で有利に実装され得るが、2次元または平面の実施形態でも実装され得る。
【0032】
図1および2に示される移動無線通信デバイスは、電子メールおよびメッセージングアカウントを組み込むことができ、電子メール、PINメッセージ、およびSMSメッセージの構成等の異なる機能を提供する。デバイスは、メッセージアイコンを選択することによって取得可能な適切なメニューによって、メッセージを管理可能である。アドレスブック機能は、コンタクトを追加することができ、アドレスブックの管理を可能にし、アドレスブックのオプションを設定し、SIMカード電話帳を管理する。電話メニューは、異なる電話機能を使用した電話の通話および受信、通話ログの管理、電話オプションの設定、および電話情報の表示を行う。ブラウザアプリケーションは、ウェブページのブラウザ表示、ブラウザの設定、ブックマークの追加、およびブラウザオプションの変更を可能にすることができる。他のアプリケーションには、タスク、メモパッド、計算機、アラームおよびゲーム、さらに、種々の参照を有するハンドヘルドオプションを含むことができる。
【0033】
ミーティングまたは約束等のイベントの確立および管理のために使用可能なカレンダープログラムの入力のために、カレンダーアイコンを選択可能である。カレンダープログラムは、オーガナイザが、イベント、例えば、約束またはミーティングを確立することを可能にする任意の種類のメッセージングまたは約束/ミーティングプログラムにすることができる。
【0034】
図1および2の例示的な移動無線通信デバイス20で使用可能な種々の機能コンポーネントの非制限的な例を、図3を参照して、以下の例においてさらに説明する。デバイス20は、図において、筺体120、キーパッド140および出力デバイス160を含む。示される出力デバイス160は、好適にはフルグラフィックLCDである、好適にはディスプレイである。他の種類の出力デバイスを、代替的に使用してもよい。処理デバイス180が、筺体120内に含まれ、キーパッド140およびディスプレイ160の間に結合される。処理デバイス180は、ユーザによるキーパッド140上のキーの作動に応答して、モバイルデバイス20の全体的な動作と同様に、ディスプレイ160の動作を制御する。
【0035】
筺体120は、垂直方向に長くしてもよい、または、他のサイズおよび形状(2つ折り筺体構造を含む)にしてもよい。キーパッドは、モード選択キー、または、テキスト入力および電話入力の間の切り替えのために、他のハードウェアまたはソフトウェアを含んでもよい。
【0036】
処理デバイス180に加えて、モバイルデバイス20の他のパーツを、図3に概略的に示す。これらは、通信サブシステム101、短距離通信サブシステム102、キーパッド140およびディスプレイ160、さらに、他の入力/出力デバイス106、108、110および112、また、メモリデバイス116、118および種々の他のデバイスサブシステム121を含む。モバイルデバイス20は、好適には、音声およびデータ通信機能を有する双方向のRF通信デバイスである。さらに、モバイルデバイス20は、好適には、インターネットを介して、他のコンピュータシステムと通信するための機能を有する。
【0037】
処理デバイス180によって実行されるオペレーティングシステムソフトウェアは、好適には、フラッシュメモリ116等の永続記憶装置に格納されるが、読み込み専用メモリ(ROM)または同様のストレージ要素等の他の種類のメモリデバイスに格納し得る。さらに、システムソフトウェア、特定のデバイスアプリケーション、またはそのパーツは、ランダムアクセスメモリ(RAM)118等の揮発格納装置に、一時的にロードされ得る。モバイルデバイスによって受信される通信シグナルも、RAM118に格納され得る。
【0038】
そのオペレーティングシステム機能に加えて、処理デバイス180は、デバイス20上のソフトウェアアプリケーション130A〜130Nの実行を可能にする。データおよび音声通信130Aおよび130B等の基本的なデバイス動作を制御するアプリケーションの所定のセットは、製造中に、デバイス20上にインストールされ得る。さらに、個人情報マネージャー(PIM)アプリケーションが、製造中にインストールされ得る。PIMは、好適には、電子メール、カレンダーイベント、音声メール、約束、およびタスク項目等のデータ項目の整理および管理が可能である。PIMアプリケーションは、さらに、好適には、ワイヤレスネットワーク141を介してデータ項目を送受信することができる。好適には、PIMデータ項目は、デバイスユーザの対応する格納されたまたはホストコンピュータシステムに関連付けられたデータ項目とともに、ワイヤレスネットワーク141を介して、シームレスに統合、同期化、および更新される。
【0039】
データおよび音声通信を含む通信機能は、通信サブシステム101および短距離通信サブシステムを介して、実行される。通信サブシステム101は、レシーバ150、トランスミッタ152、および1つ以上のアンテナ154および156を含む。さらに、通信サブシステム101は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)158、および局部発振器(LO)161等の処理モジュールを含む。通信サブシステム101の特定の設計および実装は、モバイルデバイス20が動作することを意図される通信ネットワークに依存する。例えば、モバイルデバイス20は、Mobitex(登録商標)、DataTAC(登録商標)または汎用パケット無線サービス(GPRS)モバイルデータ通信ネットワークとともに動作するように設計される通信サブシステム101を含んでもよく、さらに、AMPS、TDMA、CDMA、PCS、GSM等の、種々の音声通信ネットワークのいずれかと動作するように設計される。個別の、統合された、両方の、他の種類のデータおよび音声ネットワークも、モバイルデバイス20とともに利用され得る。
【0040】
ネットワークアクセス要件は、通信システムの種類に応じて変化する。例えば、MobitexおよびDataTACネットワークでは、モバイルデバイスは、一意の個人識別番号または各デバイスに関連付けられたPINを使用して、ネットワークに登録される。しかしながら、GPRSネットワークでは、ネットワークアクセスは、加入者またはデバイスのユーザに関連付けられる。従って、GPRSデバイスは、通常、SIMカードと称される加入者IDモジュールを必要とする。
【0041】
必要なネットワーク登録または作動の手順が完了すると、モバイルデバイス20は、通信ネットワーク141において通信シグナルを送受信してもよい。アンテナ154によって、通信ネットワーク141から受信したシグナルは、レシーバ150に経路指定され、これが、シグナル増幅、周波数ダウンコンバージョン、フィルタリング、チャネル選択等を実現し、さらに、アナログ・デジタル変換を提供してもよい。受信したシグナルのアナログ・デジタル変換は、DSP158が、復調および復号化等のより複雑な通信機能を実行できるようにする。同様に、ネットワーク141へと伝送されるシグナルは、DSP158によって処理(例:変調および符号化)され、次に、デジタル・アナログ変換、周波数アップコンバージョン、フィルタリング、増幅およびアンテナ156による通信ネットワーク141(またはネットワーク)への伝送のために、トランスミッタ152に提供される。
【0042】
通信シグナルの処理以外に、DSP158は、レシーバ150およびトランスミッタ152の制御を行う。例えば、レシーバ150およびトランスミッタ152内の通信シグナルに適用される利得は、DSP158において実装される自動利得制御アルゴリズムによって、適応的に制御されてもよい。
【0043】
データ通信モードにおいて、テキストメッセージまたはウェブページダウンロード等の受信されたシグナルが、通信サブシステム101によって処理され、また、処理デバイス180に入力される。受信されたシグナルは、次に、ディスプレイ160への出力のために、処理デバイス180によって、または、あるいは、いくつかの他の補助I/Oデバイス106へと、さらに処理される。デバイスユーザは、さらに、キーパッド140および/または、タッチパッド、ロッカースイッチ、サムホイール、またはいくつかの他の種類の入力デバイス等のいくつかの他の補助I/Oデバイス106を使用して、電子メールメッセージ等のデータ項目を構成してもよい。構成されたデータ項目は、通信サブシステム101を介して、通信ネットワーク141上に伝送されてもよい。
【0044】
音声通信モードにおいて、デバイスの全体的な動作は、受信されたシグナルが、スピーカ110に出力され、かつ、伝送のためのシグナルがマイクロフォン112によって生成される点を除くと、データ通信モードとほぼ同様である。音声メッセージ記録サブシステム等の代替の音声または音響I/Oサブシステムは、さらに、デバイス20上に実装されてもよい。さらに、ディスプレイ160は、例えば、通話者のIDの表示、音声通話の持続時間、または他の音声通話関連の情報およびNFC通信を表示するために、音声通信モードでも利用され得る。
【0045】
任意の短距離通信サブシステムは、モバイルデバイス20および必ずしも同様のデバイスである必要のない、他の近接システムまたはデバイスの間の通信を可能にする。例えば、短距離通信サブシステムは、赤外線デバイスおよび関連する回路ならびにコンポーネント、または、同様の有効化されたシステムおよびデバイスとの通信ならびにNFC通信を行うための、Bluetooth(登録商標)通信モジュールを含んでもよい。
【0046】
GSMは、好適な通信システムであり、典型的には、124のキャリア周波数チャネルに再分割され、それぞれが、非制限的な例として約200KHz離れている、約25MHzの帯域幅を有する、アップリンク周波数帯およびダウンリンク周波数帯を有することができる無線インターフェースを使用する。時分割多重化方式は、無線周波数チャネルについて、約8の音声チャネルを可能にするために使用可能であり、これは、8つの無線の時間スロットおよびTDMAフレームと呼ばれるものにグループ化される8のバースト期間を生じさせる。例えば、チャンネルデータレートは、ある非制限的例において、約270.833Kbps、および約4.615ミリ秒(MS)のフレーム持続時間にすることができる。電力出力は、約1〜約2ワットに変化できる。
【0047】
典型的には、線形予測符号化(LPC)は、ビットレートを低下させ、約13Kbpsにおいて符号化された音声を有する音声トラックを再現するためのフィルタのパラメータを提供するために、使用することができる。マクロ、マイクロ、ピコおよびアンブレラセルを含む、4つの異なるセルサイズは、GSMネットワークにおいて使用可能である。基地局アンテナは、マクロセルにおける平均的なルーフトップレベルよりも上の最大ビル(master building)上に設置することができる。マイクロセルにおいて、アンテナの高さは、平均的なルーフトップレベル未満にすることができ、都市部において使用できる。マイクロセルは、典型的には、約数10メートルの直径を有し、室内で使用される。アンブレラセルは、影付きの領域またはより小さいセルをカバーできる。典型的には、アンテナによってカバーされるGSM仕様の最長距離は、アンテナ高さ、利得および電波条件に依存し、約22マイルである。
【0048】
GSMシステムは、典型的には、基地局サブシステム、ネットワークおよび切り替えサブシステム、および汎用パケット無線サービス(GPRS)コアネットワークを含む。加入者IDモジュール(SIM)は、通信デバイス、例えば、ユーザの加入情報および電話帳を含むスマートカードと同様の、公知のSIMカードにおいて、通常、実装される。ユーザは、さらにハンドセットを切り替えることができる、または、SIMを変更することにより、オペレータを変更することができる。
【0049】
GSMシグナルプロトコルは、3つの汎用レイヤを有する。レイヤ1は、エアインターフェースの上のチャンネル構造を使用する、物理的レイヤである。レイヤ2は、データリンクレイヤである。レイヤ3は、3つのサブレイヤを含むシグナリングプロトコルである。これらは、ハンドオーバーを含む、無線および固定チャンネルのセットアップ、メンテナンスおよび終端を制御するために、無線リソース管理サブレイヤを含む。モビリティ管理サブレイヤは、位置更新および登録手順を管理し、認証を保証する。接続管理サブレイヤは汎用通話制御を処理し、補完サービスおよびショートメッセージサービスを管理する。ホームロケーションレジスタ(HLR)および在圏ロケーションレジスタ(VLR)等の異なるエンティティの間のシグナリングは、シグナリングシステムNo.7の上部レイヤのトランザクション機能応用部(TCAP)において構築されるモバイルアプリケーション部(MAP)によって実施できる。
【0050】
無線リソース管理(RRM)サブレイヤは、モバイル局およびMSEの間の無線および固定リンク確立を監視することができる。
【0051】
さらに、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワークへの拡張として、GSMエボリューション(EDGE)のための拡張データレートを使用することが可能である。EDGEは、異なる変調および符号化スキームのために、8値位相偏移キーイング(8PSK)およびガウシアン最小シフトキーイング(GMSK)を使用することができる。各変化する搬送波位相のために、3ビットの言葉を生成できる。レート適応アルゴリズムは、無線チャンネルの品質およびデータ伝送のビットレートおよびロバストさに従い、変調および符号化方式(MCS)を適合させることができる。基地局は、典型的には、EDGEの使用のために修正される。
【0052】
図4は、タッチ起動センサおよび近距離通信(NFC)回路51のさらなる詳細を有する、移動無線通信デバイス20の別のブロック図である。図示されるように、容量タッチセンサ52、53は、ユーザがNFC回路51を作動させたい場合に、ユーザが、タッチセンサ52、53の2本の指でつかみ、一方で、ユーザの手のひらを移動無線通信デバイスの前部に対して位置付けさせるように、デバイス20の中心の筺体21の各側に、位置付けられる。ユーザは、側面センサ52、53に触れることにより、NFC回路を作動させながら、別のNFCデバイスまたはタグに対し、デバイスの後面部分に触れる。第3の容量タッチセンサ54は、移動無線通信デバイスの底部に位置付けられ、ユーザの手のひら等によって触れられると、NFC ICチップ51の電力作動を阻止する。
【0053】
例えば、NFCが有効なデバイスを使用するためにNFC回路51を作動する際、典型的には、ユーザは、2本の指で2つの容量タッチセンサ52、53を握り、一方で、ユーザの手のひらは、移動無線通信デバイスの前面部分に位置付けられる。ユーザは、NFCタグまたは他のNFCが有効なデバイスに対して、筺体の上部側面の後面に触れる。第3のタッチセンサ54は、これが触れられず、NFC回路で有効化されるように、位置付けおよび構成される。第3の容量タッチセンサを使用することで、これが触れられながら、他の2つのタッチセンサ52、53が触れられた場合に、容量タッチセンサが作動していても、電力は、NFCICチップに対して有効化されていないため、「誤検出」がないことを確実にする。ユーザが定期的に、電子メールメッセージングまたは電話通信のためにデバイスを保持している場合、第3のセンサが触れられ、作動される。側面センサ52、53に、偶発的に触れてしまっても、NFC回路は作動しない。
【0054】
図4に示されるように、電力回路55aは、筺体の各側において側面に載置される容量タッチセンサに、電力を供給する。電力回路55bは、第3の容量タッチセンサ54に電力を供給する。NFC ICチップ51は、NFC通信のために構成されるアンテナ「ループ」回路56を含む。NFCチップは、非制限的例として、マイクロプロセッサ、データストレージ、およびディスプレイ等の他の回路に接続され、図1のブロック48、50に示される回路機能の多くに相当して、57においてブロックによって示される。デバイスの電力回路58は、スイッチ回路59に接続され、これは、さらに、スイッチ回路59が電力を有効化しない限り、側面の2つの容量タッチセンサ52、53が触られた場合等、NFC ICチップ51に電力を提供できないように、容量タッチセンサ52、53、54にも接続する。当然ながら、第3のセンサ54に触れた場合には、スイッチ59は、電力を有効化しない。
【0055】
図5は、タッチ起動NFC回路とともに、移動無線通信デバイスの動作の基本的な方法またはステップのシーケンスを示す高レベルのフローチャートであり、ブロック200において、開始として、NFC自動電力制御を示す。NF回路は、電源停止される(ブロック202)。側面コンタクトが触れられ、第3のコンタクトが触れられないかどうか、決定が行われる(ブロック204)。そうでない場合には、ループは継続し、そうである場合には、NFC回路が起動する(ブロック206)。この時点で、任意の使用可能なNFC機能について、アプリケーションレイヤに通知される(ブロック208)。側面コンタクトが触れられ、第3のコンタクトが触れられないかどうか、決定が行われる(ブロック210)。そうである場合には、ループが継続し、そうでない場合には、アプリケーションに、N秒の非活動の後で、NFC回路がオフになることが通知される(ブロック212)。エンド秒タイマーが開始され(ブロック214)、N秒が経過するかどうか、決定が行われる(ブロック216)。そうでない場合には、側面コンタクトが触れられ、第3のコンタクトが触れられていないかどうか、決定が行われる(ブロック218)。そうである場合には、ループは、ブロック208の開始まで継続して戻り、そうでない場合には、NFCの活動に関して、決定が行われる(ブロック220)。そうでない場合には、ループがブロック216の開始まで継続し、そうである場合には、エンド秒タイマーがリセットされる(ブロック222)。エンド秒がブロック216へ通過する場合、エンド秒タイマーが停止する(ブロック224)。
【0056】
容量タッチセンサは、ポリエステルベースのコンデンサを含む異なる材料および同様に形成された材料から形成できることを理解されたい。典型的には、図4に示されるように、各容量タッチセンサ52、53、54は、それぞれ、移動無線通信デバイスのタッチセンサプロセッサ回路52c、53c、および54Cとそれぞれ動作可能な容量センサ部分(SEN)52a、53a、54aおよび静電容量・デジタル変換器(CDC)52b、53b、および54bを含んでもよい。容量タッチセンサ52、53、54は、標準的な2または4レイヤのプリント基板またはフレックス回路上のトレースを使用して、製造することができる。各静電容量・デジタル変換器52b、53b、および54bは、種々のセンサ入力および励振源を含む各静電容量・デジタル変換器を有するある静電容量センサボード(図示せず)上に位置付けることができる。
【0057】
各容量タッチセンサ52、53、54は、数ミリメートルの、色被せガラスを含むことが可能である。人間の体は、損失性誘導体として、皮膚に覆われる移動電解質を含むため、容量タッチセンサ52、53、54は、電場と相互作用するコンダクタを使用することができ、指のタッチで動作可能であることを理解されたい。指は、厚い色被せガラスでも、容量タッチ感知を可能にすることができる。センサのサイズも、変化することができる。例えば、容量タッチセンサボタンの一部としてのボタン直径は、大人の指先の平均的なサイズである、約10ミリメートルにすることができる。こうしたレイヤとともに使用される任意のプリント基板は、接地レイヤおよび、中心にセンサを有する環状カットアウトを含む。ある非制限的な例において、PCBは、FR4から形成することができる。電場はより短いパスを検索しようとするため、誘電率は、電場エネルギーがどのくらい緊密に材料に詰め込むことができるかに影響を及ぼす。
【0058】
容量タッチセンサは、一列の異なるタッチセンサまたは1つのセンサによってシーケンス実行可能な、プログラム可能な電流源、精密アナログコンパレータおよびアナログマルチプレクサバスを含むことができる。弛張発振器は、容量タッチセンサとして機能することが可能である。容量タッチセンサは、カウンタをゲート制御(gates)するPWMのクロック入力に提供されるコンパレータからの出力を有する回路を含むことができる。センサ上に置かれた指は、静電容量を増加させることができ、このため、カウントを増加させる。当業者に公知であるように、異なる容量タッチセンサは、上記のようにこれらの種類のセンサ以外にも使用することができる。
【0059】
本発明の非制限的な例に従い、多くの異なる種類のNFC IC回路チップを使用することができる。NFC IC回路チップは、アクティブおよびパッシブモードの両方で動作するインターフェースを提供することができ、チケット発行アプリケーション等の、カードエミュレーションを行いながら、負荷変調を使用してデータを伝送する。NFC IC回路チップは、システム・オン・チップソリューションにすることができる。さらに、アンテナ、電力、クロック、データバス、および他のコンポーネント等のこれらのRFベースの技術によって必要なプロセスおよびコンポーネントの多くは同じであるため、NFCをBluetooth、WiFiまたはUWBチップセットに統合することが可能である。例えば、Phillips Corporationによって設立された、NXPによって製造された等の、PN65K近距離通信(NFC)スマート接続モジュール、または、Phillips Semiconductorによって製造された近距離通信PN531のマイクロプロセッサベースの伝送モジュールといった、異なる種類のコンポーネントを使用することもできる。
【0060】
当業者によって、上記の記載および関連付けられた図面において示される教示の利点を有する、本発明の多くの修正および他の実施形態が想起されるであろう。従って、本発明は、開示される特定の実施形態に制限されるものではなく、修正および実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されていることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体と、
該筺体によって運ばれる回路基板と、
該筺体によって運ばれ、かつ相互に動作可能である、無線周波数(RF)回路およびプロセッサと、
NFC通信プロトコルに従って通信するために、該回路基板上に位置付けられ、かつ該プロセッサとともに動作可能である、近距離通信(NFC)回路と、
該筺体によって支持され、かつ、通信デバイスからのNFC通信を確立するようにユーザによって触れられた時に、該NFC回路の動作を有効化するために動作可能である、第1のタッチ起動センサと
を特徴とする、移動無線通信デバイス。
【請求項2】
前記RF回路を支持するための回路基板をさらに備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項3】
前記プロセッサを支持するための回路基板をさらに備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項4】
前記第1のタッチ起動センサは、前記筺体が手動で把持され、かつ別のNFC使用可能タグまたはデバイスの近くに位置付けられたときに、ユーザの少なくとも1本の指で触られたように位置付けられる、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項5】
前記筺体によって支持され、前記NFC回路を有効化し、前記NFC通信を確立するようにユーザによって触られたように位置付けられる、第2のタッチ起動センサをさらに備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項6】
前記筺体は、対向する側面を備え、タッチ起動センサは、両方が前記NFC通信を確立するようユーザによって触れられなければならないように、該筺体の各側面に位置付けられる、請求項5に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項7】
前記第1のタッチ起動センサは、容量タッチセンサを備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項8】
前記容量タッチセンサは、静電容量デジタル変換器と、それに関連付けられるプロセッサとを備える、請求項6に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項9】
前記NFC回路は、前記回路基板上に載置されるNFC集積回路(IC)チップを備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項10】
前記NFC回路が有効化された時に誤検出がないことを確実にするために、前記第1のタッチ起動センサとともに動作可能なタッチ起動センサをさらに備える、請求項1に記載の移動無線通信デバイス。
【請求項11】
筺体と、該筺体によって運ばれる回路基板と、該筺体によって運ばれ、かつ相互に動作可能である無線周波数(RF)回路およびプロセッサと、NFC通信プロトコルに従って通信するために、該回路基板上に位置付けられ、該プロセッサとともに動作可能である、近距離通信(NFC)回路とを提供することと、
該NFC回路を有効化するために、該筺体上に位置付けられる少なくとも1つのタッチ起動センサに触れることと、
該移動無線通信デバイスと該NFC使用可能タグまたはデバイスとの間でNFC通信を確立するように、別のNFC使用可能タグまたはデバイスに隣接して、該筺体を手動で位置付けることと
を特徴付けられる、移動無線通信デバイス内の近距離通信(NFC)を有効化するための方法。
【請求項12】
前記NFC回路を有効化するように、前記筺体の対向側面上に位置付けられるタッチ起動センサに触れることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
容量タッチセンサとして、第1のタッチ起動センサを形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記タッチ起動センサがユーザによって触れられた後に、前記NFC回路を有効化するために、該NFC回路への電力を切り替えることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
触れられたときに前記NFC回路が有効化されることを阻止する、前記筺体上に位置付けられる別のタッチ起動センサによって、該NFC回路が有効化されたときに、誤検出がないことを確実にすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−504356(P2012−504356A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528153(P2011−528153)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001375
【国際公開番号】WO2010/037218
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】