説明

タワークレーン用架台、タワークレーンの支持方法、タワークレーン用架台の取付構造

【課題】建物躯体を構成する梁材の寸法変更や補強をすることなく利用できるタワークレーン用架台、タワークレーンの支持方法、及びタワークレーン用架台の取付構造を提供すること。
【解決手段】本発明の本架台22は、マスト10を支持する架台本体30と、架台本体30から側方へ突出する脚部40と、架台本体30に対して脚部40を回動自在に接続する蝶番50と、脚部40をそれぞれ支持するとともに建物躯体100の柱101に取りつけられる取付部材60とを備える。取付部材60は柱101の一側面に配置されて脚部40を支持する支持部70と、前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部80と、支持部70および補助部80を柱101を挟んで互いに締め付ける締付部90とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タワークレーンを建物躯体に支持するためのタワークレーン用架台、タワークレーンの支持方法、及び、タワークレーン用架台の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
タワークレーン(クライミングクレーン)を用いて建物を施工する際には、建物躯体を構成する梁材間に仮設梁材を数本掛け渡した後、これらの仮設梁材上にマストを支持するためのタワークレーン用架台を載置することにより実施していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−59180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タワークレーン自体の荷重や、仮設梁材の荷重、クレーンの吊り荷重等が比較的大きなものとなるため、建物躯体の梁材をそのまま利用したのでは、これらの荷重を支持できない。このため、タワークレーン用架台を設置する梁材の強度を増加させるために、梁材の寸法を大きくしたり、梁材を補強材で補強することが考えられるが、この場合には、他の梁材に比べて当該梁材のみ強度が増すこととなって、建物躯体全体としての強度バランスが悪くなるという問題があった。また、当該部分の梁材寸法が大きくなるため、居室等の建物内空間が狭くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、建物躯体を構成する梁材の寸法変更や補強をすることなく利用できるタワークレーン用架台、タワークレーンの支持方法、及び、タワークレーン用架台の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タワークレーンのマストを支持するとともに建物躯体を構成する柱に取り付けられる架台本体部を備えたタワークレーン用架台であって、
前記タワークレーンのマストを支持する架台本体と、この架台本体から側方へ突出する脚部と、この脚部を支持するとともに、建物躯体を構成する柱に取りつけられる取付部材とを備え、
前記取付部材は、前記柱の一側面に配置されて前記脚部を支持する支持部と、
前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、
前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、建物躯体の柱に架台本体部を取りつけることにより、タワークレーン用架台は、梁材に比べて強度の高い柱に取りつけられる。このため、建物躯体に対して何らの補強等を施すことなく本タワークレーン用架台を支持できるので、建物躯体全体としての強度バランスを維持できるとともに、居室等の建物内空間を十分に確保できる。
【0008】
た、建物躯体の柱に取付部材を取りつけ、この取付部材で架台本体から側方へ突出した脚部を支持することにより、タワークレーン用架台は、梁材に比べて強度の高い柱に取りつけられるため、建物躯体に対して何らの補強等を施すことなく本タワークレーン用架台を支持できるので、建物躯体全体としての強度バランスを維持できるとともに、居室等の建物内空間を十分に確保できる。
【0009】
さらに、前記取付部材は、前記柱の一側面に配置されて前記脚部を支持する支持部と、前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備えるので、柱を挟んで支持部および補助部を締付部で締めつけるだけで比較的簡単に建物躯体の柱でタワークレーン用架台を支持できる。この際、前記締付部は、前記柱の側方に配置されるとともに、前記支持部に形成された挿通孔および前記補助部に形成された挿通孔を挿通する軸状部材と、この軸状部材に螺合されるナット部材とを備える構成を採用できる
【0010】
また、前記取付部材は、前記脚部に対して着脱可能に構成されていてもよい。このような構成によれば、例えば、柱の太さに応じて寸法の異なる取付部材を適宜選択でき、タワークレーン用架台の汎用性を向上できる。
【0011】
以上のタワークレーン用架台において、前記架台本体は、隣接する4本の前記柱間に接続された4本の梁材からなる水平架構面の内側に前記脚部を収納できるように前記脚部に収納機構を設けた構成を採用できる。この際、前記収納機構は、前記脚部と前記架台本体とが蝶番を介して取りつけられている構成としてもよい。このような構成によれば、タワークレーン用架台を上階に移動する際に、収納機構により水平架構面の内側に脚部を収納することにより、脚部が水平架構に衝突しないから作業性を向上できる。
【0012】
本発明のタワークレーンの支持方法は、建物躯体を構成する柱に取り付けた架台によりタワークレーンのマストを支持するタワークレーンの支持方法であって、
前記柱の一側面に配置されて、前記タワークレーンのマストを支持する架台本体から側方へ突出する脚部を支持する支持部と、前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備える取付部材を、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで前記締付部により互いに締め付けることにより、建物躯体を構成する柱に取り付けると共に、前記脚部を前記支持部で支持することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のタワークレーン用架台の取付構造は、建物躯体にタワークレーン用架台を取り付けるタワークレーン用架台の取付構造であって、
前記タワークレーン用架台は、前記タワークレーンのマストを支持する架台本体と、この架台本体から側方へ突出する脚部と、この脚部を支持するとともに、建物躯体を構成する柱に取りつけられる取付部材とを備え、
前記取付部材は、
前記柱の一側面に配置されて前記脚部を支持する支持部と、
前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、
前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備え、
前記取付部材を、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで前記締付部により互いに締め付けることにより、建物躯体を構成する柱に取り付けると共に、前記脚部を前記支持部で支持することを特徴とする
【発明の効果】
【0014】
本発明のタワークレーン用架台、タワークレーンの支持方法、及びタワークレーン用架台の取付構造によれば、建物躯体を構成する梁材の寸法変更や補強をすることなくタワークレーン用架台を利用できて、建物躯体全体としての強度バランスを維持できるとともに、居室等の建物内空間を十分に確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るタワークレーンを部分的に示す正面図である。
【図2】前記タワークレーンを構成する本架台を示す平面図である。
【図3】前記本架台を示す側面図である。
【図4】図3における取付部材の詳細構造を示す拡大図である。
【図5】図4の前記取付部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るタワークレーン用架台を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るタワークレーン1を部分的に示す正面図である。図2は、タワークレーン1を構成する架台本体部としての本架台22を示す平面図である。図3は、本架台22を示す側面図である。
【0017】
図1〜図3に示すように、タワークレーン1は、柱101および梁102からなる建物躯体100に取りつけられ、建物躯体100の下層階から上層階へと自ら上昇することにより、高層建物の施工に用いられる機械装置である。このタワークレーン1は、図1に示すように、吊り荷を移動させるアーム状のジブ(図示略)と、このジブを支持するマスト10と、このマスト10を支持するとともに、油圧シリンダ等によりマスト10に沿って昇降するタワークレーン用架台としての一対のクライミング架台20とを備えている。
マスト10は、油圧シリンダ等により伸縮可能に構成されている。
【0018】
一対のクライミング架台20は、図1に示すように、仮設用の仮架台21と、この仮架台21の下側に位置する本架台22とを備え、仮架台21および本架台22ともにマスト10に沿って昇降する。このような一対のクライミング架台20では、仮架台21をマスト10に沿って上昇させて梁102に固定した後、本架台22をマスト10に沿って上昇させて柱101に固定し、その後、本架台22からマスト10を伸ばすことにより、建物躯体100が上層に延びるに応じて、本架台22も上方へ移動させることができる。このため、建物躯体100の高層階を施工できる。
【0019】
仮架台21は、本架台22をマスト10に沿って昇降させるために、一時的に本架台22の代わりとして用いる架台であり、図1に示すように、仮架台本体211と、仮架台本体211から突出した脚部212とを備えている。この仮架台21では、建物躯体100の梁102上に脚部212が設置されて仮架台本体211を支持している。脚部212は、隣接する4本の柱101に接続された4本の梁102からなる水平架構面110(図2参照)の内側に収納可能な構成となっている。
【0020】
本架台22は、図1,図2に示すように、マスト10を含むタワークレーン1全体を支持する台座であり、マスト10を支持する架台本体30と、この架台本体30から側方へ突出する例えば4本の脚部40と、架台本体30に対して脚部40を回動自在に接続する蝶番50と、脚部40をそれぞれ支持するとともに、建物躯体100の柱101に取りつけられる取付部材60とを備えている。
【0021】
架台本体30は、図2に示すように、マスト10の周囲を囲む平面視H型の本体部31と、この本体部31の図2中の上下の端部31A,31Bにそれぞれ取りつけられる棒状部32とを備えている。
【0022】
脚部40は、図2に示すように、棒状部32の両端部32A,32Bに収納機構としての蝶番50を介して接続される棒状部材であり、蝶番50により、図2に示す実線Xの範囲で水平面に沿って回動する。従って、図2に示すように、脚部40は、隣接する4本の柱101に接続された4本の梁102からなる水平架構面110の内側に収納可能な構成となっている。
【0023】
次に、図3を参照して、取付部材60の構成を説明する。なお、取付部材60は、図3中左右両側に対称に設けられるが、ここでは、図3中左側の取付部材60について説明する。取付部材60は、図3に示すように、柱101の一側面である右面101Aに配置され脚部40を支持する支持部70と、柱101の右面101Aとは反対側の他側面である左面101Bに配置される補助部80と、支持部70および補助部80を柱101を挟んで互いに締め付ける後述する締付部90(図4)とを備えている。この取付部材60は、前記締付部による締め付け強度を変えることにより、脚部40に対して着脱可能となっている。
【0024】
ここで、図4は、図3の取付部材60の詳細構造を示す拡大図であり、図5は、図4の取付部材60を示す平面図である。
【0025】
支持部70は、図4に示すように、柱101の右面101Aに当接する当接部71と、この当接部71から図中右側へ張り出した張出部72と、この張出部72の上方に位置し、当接部71の上端部に取りつけられる支持板73と、脚部40を支持板73に固定する固定部材74とを備えている。
【0026】
当接部71は、図4に示すように、柱101の右面101Aに当接する当接板711と、この当接板711に対向する対向板712と、当接板711および対向板712を連結し、水平方向に延びる3枚の連結板713(713A〜713C)とを備えている。
【0027】
図5に示すように、当接板711の両端部側、および対向板712の両端部側には、連結板713の平面に沿って延びる後述の軸状部材91を挿通する挿通孔が形成されている。また、図4に示すように、連結板713を、上側から順に、第1連結板713A,第2連結板713B,第3連結板713Cとし、第1連結板713Aおよび第2連結板713Bにおいて、図5中の上下の端部側には、挿通孔713Xが形成されている。なお、第1連結板713Aおよび第2連結板713Bの間と、第2連結板713Bおよび第3連結板713Cの間とには、各連結板713を補強する束材が複数個取りつけられている。
【0028】
張出部72は、図4に示すように、第1連結板713Aおよび第2連結板713Bが対向板712の右側へと張り出したように形成された2枚の張出板721(721A,721B)と、これらの張出板721を連結する連結板722とを備えている。また、図5に示すように、上側の張出板721Aおよび下側の張出板721Bには、第1連結板713Aおよび第2連結板713Bに形成された挿通孔713Xに対応する位置に挿通孔721Xが形成されている。
【0029】
支持板73は、図4または図5に示すように、スペーサ73Aを介して脚部40を支持する板材である。この支持板73は、張出板721に形成された2つの挿通孔721Xと、連結板713に形成された2つの挿通孔713Xとによって囲まれる矩形平面の寸法よりも小さな寸法で形成されている。
【0030】
固定部材74は、図2または図4に示すように、脚部40を支持板73側へ押さえる押圧部材741と、この押圧部材741に形成された貫通孔741Aおよび張出板721の挿通孔721Xを鉛直方向に挿通する軸状部材742と、同様に、前記貫通孔741Aおよび連結板713の挿通孔713Xを鉛直方向に挿通する軸状部材743と、第2連結板713Bおよび下側の張出板721Bの下面で軸状部材742,743に螺合するナット部材744とを備えている。
【0031】
補助部80は、図4に示すように、上下方向に積み重ねられた6つの断面コ字状のチャンネル材81と、これらのチャンネル材81間に配置される3つのスペーサ部材82とを備え、チャンネル材81およびスペーサ部材82は、例えば溶接接合されている。
【0032】
各チャンネル材81は、図4に示すように、水平板81Aと、この水平板81Aの両端に垂設された一対の垂直板81Bとを備え、水平板81Aの対向部分が開口部81Xとなっている。また、図4に示すように、6つのチャンネル材81を上から順にチャンネル材811〜816とすると、各チャンネル材811〜816は、各開口部81Xが上側または下側を交互に向くように配置されている。具体的には、チャンネル材811,813,815は、開口部81Xが上側となり、チャンネル材812,814,816は、開口部81Xが下側となっている。また、図5に示すように、各チャンネル材811〜816には、一対の垂直板81B間に亘る複数の連結板81Cが形成され、これにより垂直板81Bの変形を防止している。
【0033】
各スペーサ部材82は、図5に示すように、チャンネル材81と比較して、長さ寸法が短く、かつ幅寸法が略同じ大きさの断面H型の部材であり、水平板82Aと、一対の垂直板82Bとを備えている。各スペーサ部材82は、水平板82Aが各チャンネル材811〜816の水平板81A間に挿入された状態で、チャンネル材81の長手方向における略中央部分に配置されている。具体的には、図4に示すように、スペーサ部材82の水平板82A(図5)は、チャンネル材811,812の間、チャンネル材813,814の間、チャンネル材815,816の間にそれぞれ配置されている。このため、図4,図5に示すように、補助部80の端部80A,80B側には、それぞれ水平板82Aの厚み寸法分の空隙80Xが上下方向に3つ並んで形成されている。これらの空隙80Xは、請求項の挿通孔に相当し、この空隙80Xには、後述する軸状部材91がそれぞれ挿通される。
【0034】
各スペーサ部材82の垂直板82Bは、図4に示すように、チャンネル材811,812間、チャンネル材813,814間、およびチャンネル材815,816間のそれぞれにおいて、各垂直板81B間に跨るようにして当接している。これにより、チャンネル材811,812間、チャンネル材813,814間、およびチャンネル材815,816間では、チャンネル材811〜816同士の水平方向への位置ずれが防止されている。
【0035】
締付部90は、図4,図5に示すように、柱101の上側面101Cおよび下側面101Dにそれぞれ3本ずつ配置されるPC鋼棒等の軸状部材91と、この軸状部材91の両端91A,91B側に螺合されるナット部材92とを備えている。軸状部材91は、支持部70を構成する当接板711の前記挿通孔と、対向板712の前記挿通孔と、補助部80に形成された空隙80Xとを挿通している。
【0036】
本架台22は、以下のようにして柱101に取りつけられる。
まず、予め、脚部40に支持部70を取りつけておく。具体的には、脚部40の上面部分に押圧部材741を配置し、この押圧部材741の貫通孔741Aおよび張出板721の挿通孔721Xに軸状部材742を挿通し、さらに、貫通孔741Aおよび連結板713の挿通孔713Xに軸状部材743を挿通して、これらの軸状部材742,743にナット部材744を螺合することにより行う。上記作業を全ての脚部40について行う。
【0037】
次に、蝶番50により脚部40を伸張させ、支持部70の当接部71を柱101の右面101Aに当接させた後、柱101の左面101Bに補助部80を配置し、この状態で、支持部70を構成する当接板711および対向板712の挿通孔と、補助部80に形成された空隙80Xとに軸状部材91を挿通する。その後、軸状部材91の両端91A,91B側にナット部材92を螺合して締め付けることにより、柱101に取付部材60を固定する。このようにして、柱101に本架台22を取つける。これにより、タワークレーン1が建物躯体100に取りつけられる。
【0038】
なお、本架台22を昇降させる場合には、前記手順と逆の手順で実施して脚部40を畳むことにより、水平架構面110内での昇降が可能となる。
【0039】
本実施形態においては、次のような効果がある。
(1)建物躯体100の柱101に取付部材60を取りつけ、この取付部材60で本架台22の架台本体30から側方へ突出した脚部40を支持することにより、本架台22は、梁102に比べて強度の高い柱101に取りつけられるため、建物躯体100に対して何らの補強等を施すことなく本架台22を支持できる。従って、建物躯体100全体としての強度バランスを維持できるとともに、居室等の建物内空間を十分に確保できる。
【0040】
(2)柱101を挟んで支持部70および補助部80を締付部90で締めつける構成としたので、比較的簡単に建物躯体100の柱101に本架台22を設置でき、施工性を向上できる。この際、締付部90を軸状部材91にナット部材92を螺合して締めつける構成としたので本架台22の設置が容易となる。
【0041】
(3)取付部材60と脚部40と着脱可能な構成としたので、例えば、柱101の太さに応じて寸法の異なる取付部材60を適宜選択でき、本架台22の汎用性を向上できる。
【0042】
(4)蝶番50により水平架構面110内に脚部40が収納される構成としたので、本架台22の昇降を行う際に、脚部40が水平架構面110に衝突しないから、本架台22の昇降作業の作業性を向上できる。
【0043】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、前記実施形態において、取付部材60を構成する各部材の材質を特に限定していないが、例えば、鋼等の剛性の高い部材を採用できる。
た、前記実施形態において、取付部材60と脚部40とを着脱可能な構成としたが、これには限定されず、例えば、脚部40に取付部材60を固定しておいてもよい。
また、前記実施形態において、収納機構として蝶番50を採用したが、これに限らず、例えば、油圧シリンダ等により脚部40が架台本体30側へ摺動して伸縮する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 タワークレーン
10 マスト
20 一対のクライミング架台
21 仮架台
22 本架台
30 架台本体
40 脚部
50 収納機構としての蝶番
60 取付部材
70 支持部
70X 支持部に形成された挿通孔としての空隙
80 補助部
80X 補助部に形成された挿通孔としての空隙
90 締付部
91 軸状部材
92 ナット部材
100 建物躯体
101 柱
101A 一側面である右面
101B 他側面である左面
102 梁
110 水平架構面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワークレーンのマストを支持するとともに建物躯体を構成する柱に取り付けられる架台本体部を備えたタワークレーン用架台であって、
前記タワークレーンのマストを支持する架台本体と、この架台本体から側方へ突出する脚部と、この脚部を支持するとともに、建物躯体を構成する柱に取りつけられる取付部材とを備え、
前記取付部材は、
前記柱の一側面に配置されて前記脚部を支持する支持部と、
前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、
前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備えることを特徴とするタワークレーン用架台。
【請求項2】
請求項1に記載のタワークレーン用架台において、
前記取付部材は、前記脚部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とするタワークレーン用架台。
【請求項3】
建物躯体を構成する柱に取り付けた架台によりタワークレーンのマストを支持するタワークレーンの支持方法であって、
前記柱の一側面に配置されて、前記タワークレーンのマストを支持する架台本体から側方へ突出する脚部を支持する支持部と、前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備える取付部材を、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで前記締付部により互いに締め付けることにより、建物躯体を構成する柱に取り付けると共に、前記脚部を前記支持部で支持することを特徴とするタワークレーンの支持方法。
【請求項4】
建物躯体にタワークレーン用架台を取り付けるタワークレーン用架台の取付構造であって、
前記タワークレーン用架台は、前記タワークレーンのマストを支持する架台本体と、この架台本体から側方へ突出する脚部と、この脚部を支持するとともに、建物躯体を構成する柱に取りつけられる取付部材とを備え、
前記取付部材は、
前記柱の一側面に配置されて前記脚部を支持する支持部と、
前記一側面とは反対側の他側面に配置される補助部と、
前記支持部および補助部を前記柱を挟んで互いに締め付ける締付部とを備え、
前記取付部材を、前記支持部および補助部を前記柱を挟んで前記締付部により互いに締め付けることにより、建物躯体を構成する柱に取り付けると共に、前記脚部を前記支持部で支持することを特徴とするタワークレーン用架台の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−208859(P2010−208859A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137193(P2010−137193)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【分割の表示】特願2003−419115(P2003−419115)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】