説明

タンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置

【課題】 圧力センサが機械的に破損して、圧力センサからタンク内の流体が外部に流出する状態となったときに、タンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすること。
【解決手段】 タンク19の開口部20に形成されている開口20aが密封されるバルブブロック22と、タンク19内の圧力を検出するための圧力センサ27と、バルブブロック22に設けられ、圧力センサ27にタンク19内の圧力を導くための圧力検出ライン23と、圧力検出ライン23の圧力センサ27の上流側に設けられる過流防止装置28とを備え、過流防止装置28は、当該過流防止装置28におけるタンク19の内部空間19a側の入口圧力と圧力センサ27側の出口圧力との差圧が、設定差圧以上になったときに、圧力検出ライン23を開状態から閉状態に切換わるように作動する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料電池車、水素エンジン車および圧縮天然ガス車などに搭載されるタンクに設けられるタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、燃料電池車用の水素タンク1の開口部2に直接取り付けられる、いわゆる容器元弁タイプのバルブユニット3においては、一般的に、出力ライン4、充填ライン5、放出ライン6、及び圧力検出ライン7を備えており、これらのライン(通路)は、バルブブロック8に設けられている。
【0003】
出力ライン4は、水素タンク1内の水素ガスを外部に出力して、図示しない燃料電池に供給するときに使用されるラインであり、フィルタ9、開閉弁10及び減圧弁11が設けられている。
【0004】
充填ライン5は、水素ガスを外部から水素タンク1内に充填するときに使用されるラインであり、逆止弁12が設けられている。
【0005】
放出ライン6には、安全弁13が設けられ、水素タンク1内の圧力が規定圧力以上になったときに、又は水素タンク1の温度が規定温度以上になったときに、この安全弁13が作動して、水素タンク1内の水素ガスを外部に安全に放出することができるラインである。
【0006】
圧力検出ライン7には、圧力センサ14が設けられ、この圧力センサ14によって水素タンク1内の圧力を検出することができる。この圧力センサ14によって検出された圧力検出信号は、図示しない圧力表示部に出力されて水素タンク1内の圧力が表示される。
【0007】
この圧力センサ14として、例えばダイアフラム式のものが使用されている。このダイアフラム式圧力センサ14は、例えば金属製の板としてのダイアフラムを有し、このダイアフラムに歪みゲージを設けたものであり、ダイアフラムのタンク内圧力による変形を圧力検出信号に変換して、水素タンク1内の圧力を検出できるものである。
【0008】
しかし、図11に示すように、圧力センサ14と水素タンク1の内部空間1aとを圧力検出ライン7を介して直接に連通させる構成とすると、圧力センサ14が例えば破損した場合に、水素タンク1内の高圧水素ガスの全てがこの圧力検出ライン7を通って外部へ放出され、周囲環境に影響を及ぼすことがある。
【0009】
なお、圧力センサ14は、バルブブロック8の外表面に露出した状態で取り付けるものが一般的であるので、機械的衝撃を受けて破損することがある。
【0010】
そこで、その対策として、図12に示すタンク内圧力計測用回路15がある。この回路15は、出力ライン4の開閉弁10と減圧弁11との間の分岐部16から圧力検出ライン7を分岐させて、この圧力検出ライン7に圧力センサ14を設けるようにしたものである(例えば、特許文献1参照。)。このようにすると、圧力センサ14が破損した場合でも、開閉弁10が閉状態であるときは、水素タンク1内の水素ガスがタンク1の外部に放出されることを防止することができる。
【0011】
また、他の従来のタンク内圧力計測用回路として、図には示さないが、複数の水素タンクのそれぞれの出入口に分岐管を設け、各分岐管に圧力センサを取り付けて、これら複数の圧力センサによって検出されるそれぞれのタンク内の圧力が、許容される範囲内にあるか否かを判定することによって、異常のある圧力センサを検知することができるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−35445号公報
【特許文献2】特開2001−317695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、図12に示す特許文献1のタンク内圧力計測用回路15であっても、開閉弁10が開状態であるときは、水素タンク1内の水素ガスがタンク1の外部に放出されてしまう。また開閉弁10が閉状態であっても、出力ライン4内の水素ガスは外部に放出されてしまう。
【0014】
そして、特許文献2のタンク内圧力計測用回路であっても、圧力センサが破損した場合、その破損箇所からの水素ガスの流出を阻止することはできない。
また、圧力センサの破損原因は、機械的衝撃だけでなく、圧力センサの検知対象が水素ガスである場合には水素ガスによる脆性破壊が考えられる。しかし、特許文献1、2は、脆性破壊による圧力センサの破損については考慮されていない。
【0015】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、圧力センサが機械的に破損して、この圧力センサからタンク内の流体が外部に流出する状態となったときに、タンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができるタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るタンク内圧力計測用回路は、タンクの開口部に形成されている開口が密封されるバルブブロックと、タンク内の圧力を検出するための圧力センサと、前記バルブブロックに設けられ、前記圧力センサにタンク内の圧力を導くための圧力検出ラインと、前記圧力検出ラインの前記圧力センサの上流側に設けられる過流防止装置とを備え、前記過流防止装置は、当該過流防止装置における前記タンク側の入口圧力と前記圧力センサ側の圧力との差圧が、予め定める設定差圧以上になったときに、前記圧力検出ラインを開放する開状態から前記圧力検出ラインを閉塞する閉状態に切換わるように作動するものである。
【0017】
本発明に係るタンク内圧力計測用回路によると、流体が充填されているタンク内の圧力は、圧力検出ラインを通って圧力センサに導かれ、圧力センサによって検出することができ、この圧力センサの出力によって、タンク内の圧力を知ることができる。
【0018】
そして、過流防止装置によると、例えば圧力センサが機械的に破損して、この圧力センサからタンク内の流体が外部に流出する状態となった場合であって、この過流防止装置におけるタンク側の入口圧力と圧力センサ側の圧力との差圧が、予め定める設定差圧以上になったときに、この圧力検出ラインを開放する開状態から圧力検出ラインを閉塞する閉状態に切換わるように作動することができる。これによって、タンク内の流体が圧力検出ラインを通って流出することを止めることができる。
【0019】
この発明に係るタンク内圧力計測用回路において、前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に流体を充填するための充填ラインを備え、前記充填ラインから分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられているものとすることができる。
【0020】
このように、充填ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用すると、この発明のタンク内圧力計測用回路の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる。そして、充填ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用することによって、バルブブロックに空いたスペースを確保することができる。よって、このバルブブロックに設けられるタンク内圧力計測用回路、及びその他の回路の設計の自由度を拡げることができる。また、充填ラインにおいて、圧力検出ラインが分岐する分岐部から下流側(タンクの内部空間側)のラインは、タンクの内部空間と常時連通させることができるので、圧力センサによって、タンク内の圧力を常時検出することができる。
【0021】
この発明に係るタンク内圧力計測用回路において、前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に充填されている流体を放出するための放出ラインと、この放出ラインに設けられ、タンク内の圧力が規定圧力以上になったときに、又はタンク温度が規定温度以上になったときに、前記放出ラインを閉塞する閉状態から前記放出ラインを開放する開状態に切換わるように作動する安全弁とを備え、前記放出ラインの前記安全弁よりも上流側から分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられているものとすることができる。
【0022】
この安全弁が設けられている放出ラインによると、例えば火災等によってタンク内の圧力が規定圧力以上になったときに、又はタンク温度が規定温度以上になったときに、この安全弁が作動して、放出ラインを閉塞する閉状態から放出ラインを開放する開状態に切換わり、タンク内の流体を外部に安全に放出することができる。
【0023】
そして、このように放出ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用すると、この発明のタンク内圧力計測用回路の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる。そして、放出ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用することによって、バルブブロックに空いたスペースを確保することができる。よって、このバルブブロックに設けられるタンク内圧力計測用回路、及びその他の回路の設計の自由度を拡げることができる。また、放出ラインにおいて、圧力検出ラインが分岐する分岐部から上流側(タンクの内部空間側)のラインは、タンクの内部空間と常時連通させることができるので、圧力センサによって、タンク内の圧力を常時検出することができる。
【0024】
この発明に係るタンク内圧力計測用回路において、前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に充填されている流体を流出させるための出力ラインと、この出力ラインの上流側から順に設けられた開閉弁及び減圧弁とを備え、前記出力ラインの前記開閉弁と前記減圧弁との間から分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられているものとすることができる。
【0025】
この開閉弁及び減圧弁が設けられている出力ラインによると、開閉弁を開閉することによって、タンク内の流体を流出させることができるし、タンク内に封じ込めることができる。そして、減圧弁によって、タンク内の流体を減圧して流出させることができる。
【0026】
そして、このように出力ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用すると、この発明のタンク内圧力計測用回路の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる。そして、出力ライン及び圧力検出ラインがラインの一部を共用することによって、バルブブロックに空いたスペースを確保することができる。よって、このバルブブロックに設けられるタンク内圧力計測用回路、及びその他の回路の設計の自由度を拡げることができる。また、出力ラインにおいて、圧力検出ラインが分岐する分岐部から上流側のラインには、開閉弁が設けられているので、開閉弁が開状態のときに、タンク内の圧力を圧力センサによって検出することができる。
【0027】
この発明に係るタンク内圧力計測用回路において、前記圧力センサが、金属製ダイアフラム式であるものとすることができる。
【0028】
この圧力センサによると、金属製ダイアフラムに設けられている例えば歪みゲージが、この金属製ダイアフラムのタンク内圧力による変形を圧力検出信号に変換してタンク内の圧力を検出することができる。そして、金属製のダイアフラムを使用するのは、ダイアフラムの強度が高いためであり、これによってタンク内の高圧力を検出することができる。また、例えばタンク内に充填される流体によって、金属製ダイアフラムが脆化又は腐食することによって破損したとしても、過流防止装置によってタンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができる。
【0029】
本発明に係るタンク装置は、本発明のタンク内圧力計測用回路が、燃料電池車、水素エンジン車又は圧縮天然ガス車用の前記タンクの開口部に取り付けられ、前記タンク内に水素ガス又は天然ガスの流体が充填されるものである。
【0030】
本発明に係るタンク装置によると、本発明のタンク内圧力計測用回路を備えているので、上記と同様に、圧力センサが破損することがあったとしても、過流防止装置によってタンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができる。その結果、流体の流出による周囲環境に対する影響を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係るタンク内圧力計測用回路によると、圧力センサが機械的に破損して、この圧力センサからタンク内の流体が外部に流出する状態となったときに、過流防止装置によってタンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができる。これによって、タンク内の流体の流出による損失を低減することができ、その流体の流出が周囲環境に影響を及ぼすものである場合は、周囲環境に対する影響を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図2】同第1実施形態に係るタンク内圧力計測用回路に使用されている圧力センサの要部拡大断面図である。
【図3】同第1実施形態に係るタンク内圧力計測用回路に使用されている過流防止装置を示す拡大縦断面図である。
【図4】同発明の第2実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図5】同発明の第3実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図6】同発明の第4実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図7】同発明の第5実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図8】同発明の第6実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図9】同発明の第7実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図10】同発明の第8実施形態に係るタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図11】従来のタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【図12】従来の他のタンク内圧力計測用回路を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第1実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。このタンク内圧力計測用回路17を備えるタンク装置18は、例えば燃料電池車、水素エンジン車や圧縮天然ガス車に搭載されて、燃料タンク装置として使用することができるものである。このタンク装置18は、図1に示すように、タンク19と、このタンク19の開口部20に設けられている容器元弁タイプのバルブユニット21とを備えている。
【0034】
タンク19は、水素ガスや天然ガス等の流体を高圧で充填及び貯留することができる有底円筒状の容器であり、図示しないタンク本体を有している。そして、このタンク19には、開口部20が形成され、この開口部20が形成する開口20aは、タンク本体の内部空間19aと連通している。
【0035】
この図1に示す開口部20は、略円筒状であって、タンク本体よりも小さい直径であり、内周面に雌ねじ部が形成されている。この開口部20は、口金部とも呼ばれるものである。
【0036】
バルブユニット21は、図1に示すように、例えば金属製のバルブブロック22を有し、このバルブブロック22は、タンク19の開口部20の内側に螺合して装着されている。つまり、この図1に示すバルブブロック22の下部に小径部22aが形成され、この小径部22aの外周面に形成されている雄ねじ部が、開口部20の内周面に形成されている雌ねじ部に螺合している。そして、このタンク19の開口部20の内周面と、バルブブロック22の外周面との隙間は、図示しないシール構造によって密封されている。
【0037】
また、このバルブユニット21は、図1に示すように、圧力検出ライン23、充填ライン24、出力ライン25、及び放出ライン26を備えており、各ラインは、孔で形成された通路である。
【0038】
圧力検出ライン23は、図1に示すように、バルブブロック22に設けられ、同図に示す圧力センサ27にタンク19内の圧力を導くためのラインである。この圧力検出ライン23の入口23aは、バルブブロック22の下部に形成されている小径部22aの下面で開口し、タンク19内に向かっている。そして、圧力検出ライン23の出口23bは、バルブブロック22の上部に形成されている大径部22bの上面で開口し、外部に向かっている。
【0039】
そして、図1に示すように、この圧力検出ライン23の出口23bに圧力センサ27が取り付けられている。更に、圧力検出ライン23の途中に過流防止装置28が設けられている。この過流防止装置28は、圧力センサ27の上流側(タンク19の内部空間19a側)であって、バルブブロック22の大径部22b内に配置され、かつ、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)に設けられている。
【0040】
圧力センサ27は、図1に示すように、タンク19内の圧力を検出するためのものであって、図2に示すように、ダイアフラム式のものである。この圧力センサ27が備えるダイアフラム29は、例えば金属製であり、センサケース30に取り付けられ、ダイアフラム29の内側表面には、複数の歪みゲージ31が取り付けられている。
【0041】
また、圧力センサ27は、図2に示すように、センサケース30の下部の外周面に雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部は、図1に示す圧力検出ライン23の出口23bに形成されている雌ねじ部に螺合して取り付けられている。
【0042】
この圧力センサ27によると、金属製ダイアフラム29に設けられている歪みゲージ31が、この金属製ダイアフラム29のタンク内圧力による変形を圧力検出信号に変換してタンク19内の圧力を検出することができる。そして、この圧力センサ27によって出力された圧力検出信号は、リード線32を介して図示しない圧力表示部に出力されてタンク19内の圧力が表示される。なお、金属製のダイアフラム29を使用するのは、ダイアフラム29の強度が高いためであり、これによってタンク19内の高圧力(例えば35MPa、70MPa)を検出することができる。
【0043】
過流防止装置28は、例えば図3に示すものであって、この過流防止装置28におけるタンク19の内部空間19a側の入口圧力P1と圧力センサ27側の圧力P2との差圧PS(=P1−P2)が、予め定める設定差圧PT以上になったときに、圧力検出ライン23を開放する開状態から圧力検出ライン23を閉塞する閉状態に切換わるように作動するものである。
【0044】
この過流防止装置28は、図3に示すように、バルブブロック22内に弁体33が所定の軸線方向に沿って摺動可能に設けられ、弁体33が一方のW1方向に変位することによって、圧力検出ライン23を開放する開状態から閉塞する閉状態に切換わることができる。そして、弁体33が他方のW2方向に変位することによって、圧力検出ライン23を閉塞する閉状態から開放する開状態に切換わることができる。
【0045】
この弁体33は、逆カップ状に形成され、側壁に孔33aが形成されている。この過流防止装置28は、開状態において、入口28aから流入した流体は、矢印34で示すように、弁体33の入口28a側の開口を通って弁体33の内空間に流入し、孔33aを通って出口28bから流出するように構成されている。
【0046】
そして、弁体33の孔33aが形成される部分は、流体の圧力を損失させる固定絞りとして機能する。従って、入口28aから流入する流体の圧力である入口圧力P1よりも、出口28bから流出する流体の圧力である出口圧力P2が低くなって、入口圧力P1と出口圧力P2との間に差圧PS(=P1−P2)が生じる。この差圧PSによって、弁体33は、W1方向への駆動力を受ける。また、バルブブロック22内には、ばね部材35が配置されており、弁体33は、このばね部材35によって、W2方向への駆動力を受ける。
【0047】
この図3に示す過流防止装置28によると、入口28aから流入する流体の流量が予め定める設定流量以上になると、差圧PSが予め定める設定差圧PT以上になり、差圧PSに基づくW1方向(閉弁方向)への駆動力が、ばね部材35によるW2方向(開弁方向)への駆動力に打ち勝つこととなる。これによって弁体33は、W1方向へ変位し、孔33aがこの弁体33及びバルブブロック22に形成された弁座36によって塞がれ、過流防止装置28は、閉状態に切換わることができる。
【0048】
次に、上記のように構成されたタンク内圧力計測用回路17、及びそれを備えるタンク装置18によると、図1に示すように、流体が充填されているタンク19内の圧力は、圧力検出ライン23を通って圧力センサ27に導かれ、圧力センサ27によって検出することができる。この圧力センサ27によって出力された圧力検出信号は、図示しない圧力表示部に出力されてタンク19内の圧力が表示される。
【0049】
そして、過流防止装置28によると、例えば図1に示す圧力センサ27が機械的に破損して、この圧力センサ27からタンク19内の流体が外部に流出する状態となった場合であって、この過流防止装置28におけるタンク19の内部空間19a側の入口圧力P1と圧力センサ27側の圧力P2との差圧PSが、予め定める設定差圧PT以上になったときに、この圧力検出ライン23を開放する開状態から圧力検出ライン23を閉塞する閉状態に切換わるように作動することができる。これによって、タンク19内の流体が圧力検出ライン23を通って外部(大気中)に流出することを止めることができる。
【0050】
このように、過流防止装置28は、タンク19内の流体の外部への流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができる。その結果、タンク19内の流体の流出による損失を低減することができ、その流体の流出が周囲環境に影響を及ぼすものである場合は、周囲環境に対する影響を防ぐことができる。
【0051】
なお、圧力センサ27が破損する原因として、例えば金属製ダイアフラム29が、タンク19内に充填されている水素ガス等の流体によって脆性破壊したり、腐食性流体によって腐蝕破壊することが考えられる。また、図1に示すように、既製の圧力センサ27は、バルブブロック22の外表面に露出した状態で取り付けるものが一般的であるので、機械的衝撃を受けて破損することもある。
【0052】
次に、図1に示す充填ライン24、出力ライン25、及び放出ライン26、並びに各ラインに設けられている開閉弁37、減圧弁38、フィルタ39、安全弁40、及び逆止弁41を説明する。
【0053】
充填ライン24は、図1に示すように、バルブブロック22に設けられ、水素ガス等の流体を外部からタンク19の内部空間19aに充填するときに使用されるラインである。この充填ライン24の入口24aは、バルブブロック22の上部に形成されている大径部22bの外周面で開口し、外部に向かっている。そして、充填ライン24の出口24bは、バルブブロック22の下部に形成されている小径部22aの下面で開口し、タンク19内に向かっている。そして、この充填ライン24の途中であって、バルブブロック22の大径部22b内に逆止弁41が設けられている。
【0054】
この逆止弁41は、流体を、充填ライン24を通じてタンク19内に充填するときには、開状態となり、流体をタンク19内に充填することができる。そして、タンク19内に流体が充填された状態では、閉状態となり、タンク19内に充填された流体が充填ライン24を通じて外部に流出しないようにすることができる。
【0055】
出力ライン25は、図1に示すように、バルブブロック22に設けられ、タンク19の内部空間19aに充填されている流体を外部に出力して、図示しない例えば燃料電池に供給するときに使用されるラインである。この出力ライン25の入口25aは、バルブブロック22の小径部22aの下面で開口し、タンク19内に向かっている。そして、出力ライン25の出口25bは、バルブブロック22の大径部22bの外周面で開口し、外部に向かっている。そして、この出力ライン25の途中に上流側(タンク19の内部空間19a側)から順に、フィルタ39、開閉弁37及び減圧弁38が設けられている。
【0056】
ただし、フィルタ39及び開閉弁37は、図1に示すように、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けられている。減圧弁38は、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)であって、バルブブロック22の大径部22b内に設けられている。
【0057】
フィルタ39は、タンク19内の流体が出力ライン25を通って流出するときに、その流体に含まれる異物等を除去するためのものである。
【0058】
開閉弁37は、例えば電磁弁で構成され、開閉動作することによって、出力ライン25を開状態にしたり、閉状態にすることができるものである。開閉弁37が開状態のときは、タンク19内の流体を出力ライン25に通して外部に流出させることができる。そして、開閉弁37が閉状態のときは、タンク19内の流体をタンク19内に封じ込めることができる。
【0059】
減圧弁38は、タンク19内の流体を出力ライン25に通して外部に減圧した状態で流出させることができるものである。
【0060】
放出ライン26は、図1に示すように、バルブブロック22に設けられ、タンク19の内部空間19aに充填されている流体を外部に放出するためのラインである。この放出ライン26の入口26aは、バルブブロック22の小径部22aの下面で開口し、タンク19内に向かっている。そして、放出ライン26の出口26bは、バルブブロック22の大径部22bの外周面で開口し、外部に向かっている。そして、この放出ライン26の途中であって、バルブブロック22の大径部22b内に安全弁40が設けられている。
【0061】
安全弁40は、タンク19内の圧力が規定圧力以上になったときに、又はタンク温度が規定温度以上になったときに、放出ライン26を閉塞する閉状態から放出ライン26を開放する開状態に切換わるように作動するものである。
【0062】
この安全弁40が設けられている放出ライン26によると、例えば火災等によってタンク19内の圧力が規定圧力以上になったときに、又はタンク温度が規定温度以上になったときに、この安全弁40が作動して、放出ライン26を閉塞する閉状態から放出ライン26を開放する開状態に切換わり、タンク19内の流体を外部に安全に放出することができる。
【0063】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第2実施形態を、図4を参照して説明する。この図4に示す第2実施形態のタンク装置43と、図1に示す第1実施形態のタンク装置18とが相違するところは、図1に示す第1実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)であって、バルブブロック22の大径部22b内に設けたのに対して、図4に示す第2実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたところである。
【0064】
これ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0065】
このようにすると、タンク19の開口部20を含むタンク19自体によって、過流防止装置28が外部から受ける衝撃等の外的要因によって損傷することを防止できる。これによって、圧力センサ27が破損した場合に、タンク19内の流体が圧力検出ライン23を通って外部に放出されることを確実に防止することができる。
【0066】
また、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側に配置することによって、過流防止装置28がタンク19の開口部20の先端縁部20bよりも外側に露出しないので、使用者等の要望に応じてコンパクトなタンク内圧力計測用回路44(バルブユニット45)及びタンク装置43を提供することができる。
【0067】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第3実施形態を、図5を参照して説明する。この図5に示す第3実施形態のタンク装置47と、図1に示す第1実施形態のタンク装置18とが相違するところは、図1に示す第1実施形態では、充填ライン24と圧力検出ライン23とが、互いに結合することなくそれぞれ別々に形成されているのに対して、図5に示す第3実施形態では、圧力検出ライン23が、充填ライン24における逆止弁41の下流側(タンク19の内部空間19a側)の分岐部48から分岐するように設けられ、この圧力検出ライン23の上流側(タンク19の内部空間19a側)から順に、過流防止装置28及び圧力センサ27が設けられているところである。
【0068】
これ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0069】
このように、充填ライン24及び圧力検出ライン23がラインの一部を共用すると、このタンク内圧力計測用回路49(バルブユニット50)及びタンク装置47の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる。そして、充填ライン24及び圧力検出ライン23がラインの一部を共用することによって、バルブブロック22に空いたスペースを確保することができる。よって、このバルブブロック22に設けられるタンク内圧力計測用回路49、及びその他の回路(バルブユニット50)の設計の自由度を拡げることができる。また、充填ライン24において、圧力検出ライン23が分岐する分岐部48から下流側(タンク19の内部空間19a側)のラインは、タンク19の内部空間19aと常時連通しているので、圧力センサ27によって、タンク19内の圧力を常時検出することができる。
【0070】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第4実施形態を、図6を参照して説明する。この図6に示す第4実施形態のタンク装置52と、図5に示す第3実施形態のタンク装置47とが相違するところは、図5に示す第3実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)であって、バルブブロック22の大径部22b内に設けたのに対して、図6に示す第4実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたところである。
【0071】
これ以外は、第3実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0072】
このように過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンクの内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたことによって奏する作用及び効果は、図4に示す第2実施形態で説明したことと同様であるので、それらの説明を省略する。
【0073】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第5実施形態を、図7を参照して説明する。この図7に示す第5実施形態のタンク装置54と、図1に示す第1実施形態のタンク装置18とが相違するところは、図1に示す第1実施形態では、放出ライン26と圧力検出ライン23とが、互いに結合することなくそれぞれ別々に形成されているのに対して、図7に示す第5実施形態では、圧力検出ライン23が、放出ライン26における安全弁40の上流側(タンク19の内部空間19a側)の分岐部55から分岐するように設けられ、この圧力検出ライン23の上流側(タンク19の内部空間19a側)から順に、過流防止装置28及び圧力センサ27が設けられているところである。
【0074】
これ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0075】
このように、放出ライン26及び圧力検出ライン23がラインの一部を共用することによって、図5に示す第3実施形態と同様に、このタンク内圧力計測用回路56(バルブユニット57)及びタンク装置54の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる等の作用及び効果を奏するので、それら説明を省略する。
【0076】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第6実施形態を、図8を参照して説明する。この図8に示す第6実施形態のタンク装置59と、図7に示す第5実施形態のタンク装置54とが相違するところは、図7に示す第5実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)であって、バルブブロック22の大径部22b内に設けたのに対して、図8に示す第6実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたところである。
【0077】
これ以外は、第5実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0078】
このように過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたことによって奏する作用及び効果は、図4に示す第2実施形態で説明したことと同様であるので、それらの説明を省略する。
【0079】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第7実施形態を、図9を参照して説明する。この図9に示す第7実施形態のタンク装置62と、図1に示す第1実施形態のタンク装置18とが相違するところは、図1に示す第1実施形態では、出力ライン25と圧力検出ライン23とが、互いに結合することなくそれぞれ別々に形成されているのに対して、図9に示す第7実施形態では、圧力検出ライン23が、出力ライン25の開閉弁37と減圧弁38との間の分岐部63から分岐するように設けられ、この圧力検出ライン23の上流側(タンクの内部空間19a側)から順に、過流防止装置28及び圧力センサ27が設けられているところである。
【0080】
これ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0081】
このように、出力ライン25及び圧力検出ライン23がラインの一部を共用することによって、図5に示す第3実施形態と同様に、このタンク内圧力計測用回路64(バルブユニット65)及びタンク装置62の構造を簡単でコンパクトにすることができ、加工費の低減を図ることができる等の作用及び効果を奏するので、それら説明を省略する。
【0082】
ただし、出力ライン25において、圧力検出ライン23が分岐する分岐部63から上流側のラインには、開閉弁37が設けられているので、開閉弁37が開状態のときに、タンク19内の圧力を圧力センサ27によって検出することができる。
【0083】
次に、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置の第8実施形態を、図10を参照して説明する。この図10に示す第8実施形態のタンク装置67と、図9に示す第7実施形態のタンク装置62とが相違するところは、図9に示す第7実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の外側(オンタンク)であって、バルブブロック22の大径部22b内に設けたのに対して、図10に示す第8実施形態では、過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたところである。
【0084】
これ以外は、第7実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0085】
このように過流防止装置28を、タンク19の開口部20の先端縁部20bよりもタンク19の内部空間19a側(インタンク)であって、バルブブロック22の小径部22a内に設けたことによって奏する作用及び効果は、図4に示す第2実施形態で説明したことと同様であるので、それらの説明を省略する。
【0086】
ただし、上記各実施形態では、タンク19内に水素ガスが充填される例を挙げて説明したが、これ以外に、圧力センサ27のダイアフラム29を脆化させたり、腐食させることがある流体(気体又は液体)をタンク19に充填することができる。そして、この場合にも、上記各実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0087】
そして、上記各実施形態では、例えば図1に示すように、過流防止装置28がバルブブロック22に内蔵されている構成としたが、これに代えて、過流防止装置28をバルブブロック22の外表面から露出するように配置して、この過流防止装置28を、配管を介してバルブブロック22の外表面に設けた構成としてもよい。そして、この過流防止装置28の流体出口に圧力センサ27を接続するようにする。
【0088】
また、上記と同様に、図1等に示す逆止弁41、安全弁40、フィルタ39、開閉弁37、及び減圧弁38を、配管を介してバルブブロック22の外表面に設けた構成としてもよい。
【0089】
そして、図1等に示すバルブブロック22に形成された出力ライン25、充填ライン24、放出ライン26、及び圧力検出ライン23は、孔で形成された通路としたが、これに代えて、バルブブロック22の内部に流路を形成することによって各ラインを形成してもよい。
【0090】
また、上記各実施形態のタンク装置は、例えば燃料電池車、水素エンジン車や圧縮天然ガス車に搭載されて、燃料タンク装置として使用するものを例に挙げたが、これ以外にも、酸素ボンベやアセチレンガスが充填されるボンベ等にも適用することができ、更に、液体を所望の圧力で充填されるタンク装置にも適用することができる。
【0091】
更に、上記各実施形態では、圧力センサ27として金属製ダイアフラム式のものを例に挙げて説明したが、金属以外の材質のダイアフラムを使用してもよいし、ダイアフラム式以外の方式の圧力センサとしてもよい。また、電気式の圧力センサ27を例に挙げたが、測定圧力に応じてこれ以外の例えばブルドン管式の圧力計を採用してもよい。
【0092】
そして、上記各実施形態では、図3に示す過流防止装置28を例に挙げて説明したが、これ以外の構成の過流防止装置を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係るタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置は、圧力センサが機械的に破損して、この圧力センサからタンク内の流体が外部に流出する状態となったときに、タンク内の流体の流出を短時間で確実に止めることができ、少ない流出量となるようにすることができる優れた効果を有し、このようなタンク内圧力計測用回路及びそれを備えるタンク装置に適用するのに適している。
【符号の説明】
【0094】
17、44、49、56、64 タンク内圧力計測用回路
18、43、47、52、54、59、62、67 タンク装置
19 タンク
19a 内部空間
20 開口部
20a 開口
20b 先端縁部
21、45、50、57、65 バルブユニット
22 バルブブロック
22a 小径部
22b 大径部
23 圧力検出ライン
23a、24a、25a、26a、28a 入口
23b、24b、25b、26b、28b 出口
24 充填ライン
25 出力ライン
26 放出ライン
27 圧力センサ
28 過流防止装置
29 ダイアフラム
30 センサケース
31 歪みゲージ
32 リード線
33 弁体
33a 孔
34 矢印
35 ばね部材
36 弁座
37 開閉弁
38 減圧弁
39 フィルタ
40 安全弁
41 逆止弁
48、55、63 分岐部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの開口部に形成されている開口が密封されるバルブブロックと、
タンク内の圧力を検出するための圧力センサと、
前記バルブブロックに設けられ、前記圧力センサにタンク内の圧力を導くための圧力検出ラインと、
前記圧力検出ラインの前記圧力センサの上流側に設けられる過流防止装置とを備え、
前記過流防止装置は、当該過流防止装置における前記タンク側の入口圧力と前記圧力センサ側の圧力との差圧が、予め定める設定差圧以上になったときに、前記圧力検出ラインを開放する開状態から前記圧力検出ラインを閉塞する閉状態に切換わるように作動するタンク内圧力計測用回路。
【請求項2】
前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に流体を充填するための充填ラインを備え、
前記充填ラインから分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、
前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられている請求項1記載のタンク内圧力計測用回路。
【請求項3】
前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に充填されている流体を放出するための放出ラインと、
この放出ラインに設けられ、タンク内の圧力が規定圧力以上になったときに、又はタンク温度が規定温度以上になったときに、前記放出ラインを閉塞する閉状態から前記放出ラインを開放する開状態に切換わるように作動する安全弁とを備え、
前記放出ラインの前記安全弁よりも上流側から分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、
前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられている請求項1記載のタンク内圧力計測用回路。
【請求項4】
前記バルブブロックに設けられ、前記タンクの内部空間に充填されている流体を流出させるための出力ラインと、
この出力ラインの上流側から順に設けられた開閉弁及び減圧弁とを備え、
前記出力ラインの前記開閉弁と前記減圧弁との間から分岐する前記圧力検出ラインが設けられ、
前記圧力検出ラインの上流側から順に、前記過流防止装置及び前記圧力センサが設けられている請求項1記載のタンク内圧力計測用回路。
【請求項5】
前記圧力センサが、金属製ダイアフラム式である請求項1乃至4のいずれかに記載のタンク内圧力計測用回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のタンク内圧力計測用回路が、燃料電池車、水素エンジン車又は圧縮天然ガス車用の前記タンクの開口部に取り付けられ、前記タンク内に水素ガス又は天然ガスの流体が充填されるタンク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−179528(P2011−179528A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41781(P2010−41781)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】