説明

タービン内側シュラウドのトレーリングエッジ上の弾性シールおよびシュラウドポストインピンジメントキャビティ封止方法

【課題】空気漏れを低減する弾性シールを含み、ステータシュラウドセグメントのポストインピンジメントキャビティのための封止配置を提供する。
【解決手段】ステータシュラウドセグメントには、リーディングエッジ溝およびトレーリングエッジ溝を有する外側シュラウドと、リーディングエッジフックおよびトレーリングエッジフックをそれぞれが有する複数の内側シュラウドとが含まれる。内側シュラウドを外側シュラウドに連結するために、各内側シュラウドのリーディングフックおよびトレーリングフックは、それぞれ、外側シュラウドのリーディングエッジ溝およびトレーリングエッジ溝に係合する。弾性の成形シールは、それぞれ係合した内側シュラウドおよび外側シュラウドのトレーリングエッジのところで、内側シュラウドと外側シュラウドとの境界面に配置される。一実施形態例では、後部弾性シールを受け取る封止溝が、外側シュラウド内に画定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンに関し、詳細には、空気漏れを低減し、かつタービンエンジン効率を改善する弾性シールに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用ガスタービンでは、シュラウドセグメントは、タービンロータ軸の周りに環状配列でタービンシェルフックに固定されて、タービンロータの一部を形成するバケットの先端の径方向外側に、かつ前記先端に隣接して、環状シュラウドを形成している。シュラウドの内壁は、ガス経路の一部を画定する。従来、シュラウドセグメントは、内側シュラウドおよび外側シュラウドから構成されており、該内側シュラウドおよび外側シュラウドには、それらシュラウドのリーディング(前部)エッジおよびトレーリング(後部)エッジに隣接した、内側シュラウドと外側シュラウドとを互いに接合する相補的なフックおよび溝が設けられている。外側シュラウドは、タービンシェルまたはケーシングに固定される。通常、各シュラウドセグメントは、1つの外側シュラウドと、2つもしくは3つの内側シュラウドとを有する。
【0003】
内側シュラウドの構成には、いくつかの設計が使用されてきた。従来の一構成は、図1に示されており、両側フック(opposite hook)設計と呼ばれる。図からわかるように、旧来の両側フック設計では、内側シュラウド10には、反対方向に突き出るリーディングエッジフック12およびトレーリングエッジフック14が含まれる。外側シュラウド16は、互いに向き合うリーディングフック18およびトレーリングフック20によって内側シュラウドを保持する。
【0004】
この従来のシュラウドフック配置は、インピンジメント冷却に利用可能な表面22を制限することがあり、また、効率の低い、内側シュラウドの追加的な対流冷却を必要とする。さらに、内側シュラウドと外側シュラウドとの間の軸方向負荷表面は、常に片側であり、該軸方向負荷表面は、前側または後側のいずれかにある。負荷表面は、シュラウドアセンブリのポストインピンジメントキャビティ24のための封止機能をもたらすが、シュラウドアセンブリの他端は、封止されない。
【0005】
例えば米国特許第6,402,446号(その開示を参照により本願に援用する)のように、また図2に概略を示したように、内側シュラウド110を、フックが互いに向き合うC字形にすることによって、インピンジメント冷却を内側シュラウドの内側の側部122全体に及ぼすことができる。しかし、ポストインピンジメントキャビティ124の漏れが、望ましくないことに、冷却効率を低下させ、冷却用空気の使用量を増加させ、性能を悪化させる。
【特許文献1】米国特許第6,402,446号公報
【特許文献2】米国特許第6,402,466号公報
【特許文献3】米国特許第6,126,389号公報
【特許文献4】米国特許第6,390,769号公報
【特許文献5】米国特許第6,435,823号公報
【特許文献6】米国特許第6,554,566号公報
【特許文献7】米国特許第6,726,448号公報
【特許文献8】米国特許第6,814,538号公報
【特許文献9】米国特許第6,884,026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態例では、内側シュラウドが、フックが互いに向き合わされたC字形であり、その結果、インピンジメント冷却がほぼ内側シュラウド範囲全体に及ぶ。さらに、前部フックのところにある負荷表面によって、後側の内側シュラウドと外側シュラウドとの間に、ポストインピンジメントキャビティを両側から封止するための弾性シールが設けられる。提案するシュラウドフック構成が内側シュラウドの冷却をもたらし、また同時に負荷/封止配置が冷却空気の使用を削減し、性能を改善する。
【0008】
ゆえに、本発明は、多段ガスタービンのステータシュラウドのための封止配置であって、該タービン内を通る高温ガス経路に対してリーディングエッジおよびトレーリングエッジを有する少なくとも1つのシュラウドセグメントを含んでおり、該シュラウドセグメントそれぞれが、外側シュラウドと、該外側シュラウドに連結された少なくとも1つの内側シュラウドとを含んでおり、前記外側シュラウドが、前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに隣接し、かつ該リーディングエッジおよびトレーリングエッジに沿って画定された、第1および第2の溝を有しており、前記少なくとも1つの内側シュラウドが、前記外側シュラウドの前記第1および第2の溝にそれぞれ係合する、軸方向に突き出たリーディングエッジフック部分と、軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分とを有しており、前記係合が前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに連結しており、前記封止配置がさらに、前記少なくとも1つの内側シュラウドの前記軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分と前記外側シュラウドとの間に配置された弾性シールを含む封止配置において、具体的に実施することができる。
【0009】
本発明は、また、ステータシュラウドセグメントのための封止配置であって、リーディングエッジおよびトレーリングエッジを有する外側シュラウドを含んでおり、前記外側シュラウドがリーディングエッジフックおよびトレーリングエッジフックを含んでおり、前記外側シュラウドの前記フック両方が、背向した軸方向に突き出ており、前記封止配置がさらに、リーディングエッジおよびトレーリングエッジをそれぞれ有する複数の内側シュラウドを含んでおり、前記内側シュラウドそれぞれが、リーディングエッジフックおよびトレーリングエッジフックを含んでおり、前記内側シュラウドの前記フック両方が、互いに向かって突き出ており、前記内側シュラウドそれぞれの前記リーディングフックおよびトレーリングフックが、それぞれ前記外側シュラウドの前記リーディングフックおよびトレーリングフックに係合しており、前記係合が前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに連結しており、前記封止配置がさらに、前記内側シュラウドそれぞれの各トレーリングエッジフックと前記外側シュラウドとの間に配置された弾性シールを含む封止配置において、具体的に実施することができる。
【0010】
本発明は、さらに、多段ガスタービンのステータシュラウド内のポストインピンジメントキャビティを封止する方法であって、前記ガスタービンが、該ガスタービン内を通る高温ガス流に対してリーディングエッジおよびトレーリングエッジを有する少なくとも1つのステータシュラウドセグメントを含んでおり、該シュラウドセグメントに、外側シュラウドと、該外側シュラウドに連結された少なくとも1つの内側シュラウドとが含まれており、前記外側シュラウドが、前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに隣接し、かつ該リーディングエッジおよびトレーリングエッジに沿って画定された、第1および第2の溝を有しており、前記少なくとも1つの内側シュラウドが、前記外側シュラウドの前記第1および第2の溝にそれぞれ係合する、軸方向に突き出たリーディングエッジフック部分と、軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分とを有しており、前記係合が前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに連結しており、前記方法が、前記少なくとも1つの内側シュラウドの前記軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分と前記外側シュラウドとの間に弾性シールを設け、それによって、前記内側シュラウドの径方向外側表面によって一部が画定されたポストインピンジメントキャビティのトレーリングエッジを封止するステップを含む方法において、具体的に実施することができる。
【0011】
本発明の前述および他の目的ならびに利点は、以下の、現時点で好ましい本発明の例示的な諸実施形態についてのより詳細な説明を、添付図面と併せて入念に検討することによって、より完全に理解かつ評価される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
前述したように、タービンステータは、タービンシェルが高温ガス経路に曝されるのを防ぐシュラウドを有する。シュラウドは、特に第1および第2ステージでは、高温ガス経路内の高温ガスの非常に高い温度に曝され、また、タービンブレードの回転に起因した、やはり非常に高い伝熱係数を有する。ガスタービンの初期のステージでは、シュラウドを2つの主要コンポーネント、すなわち、内側シュラウドおよび外側シュラウドから構成することができる。内側シュラウドは、耐温度性の高い材料から作製され、高温ガス経路に曝される。また、内側シュラウドには、熱境界コーティングも設けることができる。外側シュラウドは、内側シュラウドに比べ、耐温度性の低い低コストの材料から作製される。内側および外側シュラウドを冷却するために、圧縮機からの冷たい空気が使用される。
【0013】
内側シュラウドを冷却するために、様々な冷却/封止方法が使用される。最も一般的な方法は、内側シュラウドの径方向外側の側部を冷却するためのインピンジメント冷却である。インピンジメント冷却される表面積の被冷却範囲を増大させ、インピンジメントプレートとインピンジメント冷却される表面との間の距離を縮小し、さらにインピンジメントキャビティを封止することが課題である。目標は、より少ない空気で内側シュラウドを冷却し、漏れを低減しながらポストインピンジメント空気を分配して、タービンの効率を増大させることである。
【0014】
前述したように、図1は、内側シュラウドのための従来型の両側フック設計の概略を示す。図1に示し、また図1に関して説明したように、内側シュラウド10には、外側シュラウド16の対応するリーディングエッジフック18およびトレーリングエッジフック20と係合するための、内側シュラウドリーディングエッジフック12および内側シュラウドトレーリングエッジフック14が含まれる。
【0015】
図2を参照すると、やはり簡単には前述したが、外側シュラウド116と複数の内側シュラウド110とから構成される、全体的に100で指定されたシュラウドセグメントが示されている。図示したシュラウドセグメントには、通常は2つもしくは3つの内側シュラウドが含まれるが、図2では、明確にする目的で1つの内側シュラウドしか示されていない。内側シュラウドは、最終的に組み立てたときに、外側シュラウドのフック118および120によって画定される溝130および132と周囲方向および軸方向に摺動可能に係合するための、該内側シュラウドのリーディングエッジおよびトレーリングエッジにそれぞれ隣接したフック112および114を有する。内側シュラウド110セグメントの内壁表面122のインピンジメント冷却をもたらすために、シュラウド110と116との間にインピンジメント冷却プレート126が据え付けられる。
【0016】
外側シュラウド116は、シュラウドセグメント100を固定タービンシェルもしくはケーシング142に固定するための、該ケーシング142の一部を形成する外側ダブテール140に係合する、リーディングフック136およびトレーリングフック138によって画定されたダブテール溝134を有する。ガスタービンのロータの周りおよびロータ上のバケットの先端の周りにシュラウドセグメントの環状配列が形成されており、それによってタービンの高温ガス経路内を流れる高温ガスのための外壁または境界を画定していることが理解されよう。図2では、内側シュラウドシールスロット144、ステージ2ノズル構造146、ステージ2バケット148、およびステージ3ノズル構造150が、完全性および参考のために示されている。
【0017】
内側シュラウド110のフック112、114には、リーディングエッジフック118およびトレーリングエッジフック120、特に、外側シュラウドの溝130、132が係合する。図示していないが、内側シュラウドのリーディングエッジフックには、外側シュラウドリーディングエッジ部分に画定される対応するボアに挿通された内側シュラウド回転ピンを受け取る、レセプタクルまたは穴が画定される。
【0018】
例えば米国特許第6,402,466号に開示されているような、全体的に152で指定されたリーフシールアセンブリが、(1つもしくは複数の)内側シュラウド110のトレーリングエッジに沿って形成された着座部154、例えば溝の中に固定される。リーフアセンブリ152には、フラットプレート156と、1対のばねクリップ158(そのうちの1つだけが示されている)とが含まれる。ばねクリップおよびプレートは、シールアセンブリ152を内側シュラウド溝166内で固定するための、溝の両端に隣接したピン160を受け取る、位置合わせされた開口部を有する。
【0019】
ここで、本発明の諸実施形態例について、図3〜5に即して説明する。図3〜5では、図2に関して図示/説明した部品と類似または同一の部品を識別するために、図2で使用した番号に類似の、ただし100を加えた参照番号を使用する。各実施形態例の構造的/機能的特徴を説明するために必要または望ましい場合を除き、かかる部品の説明は、繰り返さない。
【0020】
一実施形態例では、シュラウドアセンブリは、インピンジメント冷却を内側シュラウドの側部222全体に及ぼすことができるように、またインピンジメントプレート226から冷却される側部222までの距離を制御できるように、フックが互いに向き合わされたC字形の内側シュラウド210から構成される。また、シュラウドアセンブリの負荷表面を前部フック212とし、かつ後側の内側シュラウド210と外側シュラウド216との間に弾性シール228を設けることによって、ポストインピンジメントキャビティ224が両端から封止される。
【0021】
より具体的には、本発明の一実施形態例では、外側シュラウド216と内側シュラウド210との間の翼弦ギャップ(chordal gap)を通って漏れ出る空気は、外側シュラウド216と内側シュラウドのトレーリングエッジフック214との間に位置決めされた弾性シール228を追加することによって、大幅に低減される。
【0022】
図示した実施形態では、ばね状の弾性シール228は、内側シュラウド210のトレーリングフックもしくは後部フック214に対して対向する関係で径方向内側の方向に開口するように外側シュラウド216内に画定された、シール溝262内に配置される。弾性シール228は、ばねクリップ158などの収容を容易にするように外側シュラウド216内に画定される。ただし、シール溝262を後部の内側シュラウドフック214内に適切に画定できることを理解すべきである。
【0023】
弾性シール228が、ギリシャ文字Ωに類似した(図3および図4に228、228’で示したように)、もしくは「W」字状(図5に228’’で示したように)、「E」字状、「V」字状、またはアコーディオンの屈曲部状の波形シールとして成形され、あるいは該シールをばね状にし、または該シールを弾性的に圧縮可能にし、かつ必要な封止機能をもたらす、他のいずれかの形状として成形されることが好ましい。このタイプのシールは、PerkinElmer,Inc.のFluid Sciences事業単位、およびAdvanced Products Companyを含め、いくつかの会社によって作製されている。以上で開示した弾性シールを使用すると、シュラウドのトレーリングエッジフック214とトレーリングエッジ溝232との間からそれぞれタービンの高温ガス経路へと漏れる虞のある空気流の量が大幅に低減される。したがって、弾性シールを使用すると、シールを抜けて空気漏れとなるものの大部分が、インピンジメントプレート226の下方のポストインピンジメントキャビティ224から適切な経路に導かれ、該キャビティからの漏れが低減される。したがって、本発明の弾性シール228は、空気漏れの量を低減することによって漏れ流れの経路を効果的に制限しており、その結果、より多くの空気がタービン内を通り、単に無駄なエネルギーになるのではなく仕事および冷却に使用できるようになる。これは、タービンの運転効率を高めることになる。
【0024】
シール228を、単一の材料片から作製でき、またはすべての内側シュラウドがタービンロータ軸周りにシュラウドセグメントの環状配列で位置決めされた状態で、複数の材料片から作製できることに留意すべきである。一実施形態例では、シールが、シュラウドセグメントの配列の周りをそれぞれ半分まで延びる2つの材料片から作製される。
【0025】
シールが作製される材料が、シール付近で見られる温度に耐えることのできる合金であることが好ましい。かかる温度が649〜704℃(1200〜1300°F)にわたるときには、この合金は、例えば、ニッケル基合金であるWaspaloyと名付けられた製品である。より低い温度では、シールが他のニッケル基合金であるInconel718から作製されることが好ましい。シールは、金属ベースの材料から作製されるが、ばね状または圧縮可能形状に作製され、かつ比較的薄い材料を使用して作製されるので、弾性である。
【0026】
図示した実施形態例では、外側シュラウド216は、図2のアセンブリのように、シュラウドセグメント200をシェルに固定する固定タービンシェル242の一部として形成されたフック240を受け取る、径方向の外側ダブテール溝234を有する。ただし、本発明が外側シュラウド取付けの詳細だけに制限されないことを理解すべきである。
【0027】
本発明を、現時点で最も実用的かつ好ましい実施形態と考えられるものに関して記載したが、本発明がここに開示した実施形態だけに制限されるものではなく、むしろ、冒頭の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な修正形態および等価の配置に及ぶことが意図されていることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来型ステージ2シュラウドの概略断面図である。
【図2】他の従来型ステージ2シュラウドを示す図である。
【図3】本発明を具体的に実施するステージ2シュラウドの概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態例における後部シールの略図である。
【図5】本発明の代替的な一実施形態例における代替的なシールを示す、図4に類似の図である。
【符号の説明】
【0029】
10 内側シュラウド
12 リーディングエッジフック
14 トレーリングエッジフック
16 外側シュラウド
18 リーディングフック
20 トレーリングフック
22 表面
24 ポストインピンジメントキャビティ
100 シュラウドセグメント
110 内側シュラウド
112 リーディングエッジフック
114 トレーリングエッジフック
116 外側シュラウド
118、120 外側シュラウドフック
122 内側の側部/壁表面
124 ポストインピンジメントキャビティ
126 インピンジメント冷却プレート
130、132 溝
134 ダブテール溝
136 リーディングフック
138 トレーリングフック
140 ダブテール
142 固定タービンシェルまたはケーシング
144 内側シュラウドシールスロット
146 ステージ2ノズル構造
148 ステージ2バケット
150 ステージ3ノズル構造
152 リーフシールアセンブリ
154 着座部/溝
156 フラットプレート
158 ばねクリップ
160 ピン
166 内側シュラウド溝
200 シュラウドセグメント
210 C字形内側シュラウド
212 前部フック
214 トレーリングエッジフック
216 外側シュラウド
222 冷却される側部
224 ポストインピンジメントキャビティ
226 インピンジメントプレート
228、228’、228’’ 弾性シール
232 トレーリングエッジ溝
234 ダブテール溝
240 フック
242 固定タービンシェル
262 シール溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段ガスタービンのステータシュラウドのための封止配置であって、
前記タービン内を通る高温ガス経路に対してリーディングエッジおよびトレーリングエッジを有する少なくとも1つのシュラウドセグメント200を含んでおり、
前記シュラウドセグメントそれぞれが、外側シュラウド216と、前記外側シュラウドに連結された少なくとも1つの内側シュラウド210とを含んでおり、
前記外側シュラウドが、前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに隣接し、かつ前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに沿って画定された、第1および第2の溝230、232を有しており、
前記少なくとも1つの内側シュラウドが、
前記外側シュラウドの前記第1および第2の溝にそれぞれ係合する、軸方向に突き出たリーディングエッジフック部分212と、軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分214とを有しており、
前記係合が前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに連結しており、
前記封止配置がさらに、前記少なくとも1つの内側シュラウド214の前記軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分と前記外側シュラウド216との間に配置された弾性シール228、228’、228’’を含む、封止配置。
【請求項2】
前記弾性シールが略W字形シール228’’である、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項3】
前記弾性シールが、略ギリシャ文字Ωに形成された波形シールである、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項4】
前記外側シュラウドに連結された複数の前記内側シュラウドを含んでおり、前記内側シュラウドそれぞれに、前記軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分それぞれと前記外側シュラウドとの境界面に配置された前記弾性シールが含まれる、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項5】
前記弾性シールが、649〜704℃の範囲の温度に耐えるように設計されたニッケル基合金から作製される、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項6】
前記弾性シールが単一の材料片から形成される、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項7】
シール溝262が、前記内側シュラウドおよび外側シュラウドのうちの一方に画定され、前記トレーリングエッジに隣接して前記内側シュラウドおよび外側シュラウドのうちの他方に面するように開口している、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項8】
前記シール溝が、前記内側シュラウドの前記トレーリングフック部分の径方向外側の面に対して開口するように前記外側シュラウド内に画定されており、前記弾性シールが前記溝内に着座される、請求項7記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項9】
前記外側シュラウドが、前記第1および第2の溝をそれぞれ画定するリーディングエッジフック218およびトレーリングエッジ220を含んでおり、前記外側シュラウドの前記フックが背向した軸方向に突き出ており、前記内側シュラウドの前記フック両方が互いに向かって突き出ている、請求項1記載のステータシュラウドのための封止配置。
【請求項10】
多段ガスタービンのステータシュラウド内のポストインピンジメントキャビティ224を封止する方法であって、前記ガスタービンが、前記ガスタービン内を通る高温ガス流に対してリーディングエッジおよびトレーリングエッジを有する少なくとも1つのステータシュラウドセグメント200を含んでおり、前記シュラウドセグメントそれぞれに、外側シュラウド216と、前記外側シュラウドに連結された少なくとも1つの内側シュラウド210とが含まれており、前記外側シュラウドが、前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに隣接し、かつ前記リーディングエッジおよびトレーリングエッジに沿って画定された、第1および第2の溝230、232を有しており、前記少なくとも1つの内側シュラウドが、前記外側シュラウドの前記第1および第2の溝にそれぞれ係合する、軸方向に突き出たリーディングエッジフック部分212と、軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分214とを有しており、前記係合が前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに連結しており、前記方法が、前記少なくとも1つの内側シュラウド210の前記軸方向に突き出たトレーリングエッジフック部分214と前記外側シュラウド216との間に弾性シール228、228’、228’’を設け、それによって、前記内側シュラウドの径方向外側表面222によって一部が画定されたポストインピンジメントキャビティ224のトレーリングエッジを封止するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−77987(P2007−77987A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246706(P2006−246706)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】