説明

ターボファンエンジンアセンブリ

【課題】 ターボファンエンジンアセンブリおよびその組立方法を提供する。
【解決手段】 ターボファンエンジンアセンブリ(10)は、高圧圧縮機(14)、燃焼器(16)および高圧タービン(18)を有するコアガスタービンエンジン(13)と、該コアガスタービンエンジンに連結された低圧タービン(20)と、第1方向に回転するように構成された第1ロータ部分(50)および反対の第2方向に回転するように構成された第2ロータ部分(60)を有する逆回転昇圧圧縮機(22)と、該低圧タービンに連結された入力端(110)と第1および第2ロータ部分の少なくとも一方に連結された出力端(111、112)を有するギアボックス(100)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してガスタービンエンジンに関し、より詳細には、逆回転昇圧圧縮機を含むターボファンエンジンアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの既知のターボファンエンジンアセンブリは、ファンアセンブリと、コアガスタービンエンジンと、低圧または出力タービンとを含む。該コアガスタービンエンジンは、直流関係で連結される、少なくとも1つの圧縮機と、燃焼器と、高圧タービンとを含む。さらに、少なくとも1つの既知のターボファンエンジンアセンブリは、該ファンアセンブリと該コアガスタービンエンジンとの間に配置される昇圧機を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,186,073号公報
【特許文献2】米国特許第6,763,654号公報
【特許文献3】米国特許第6,763,653号公報
【特許文献4】米国特許第6,763,652号公報
【特許文献5】米国特許第6,739,120号公報
【特許文献6】米国特許第6,684,626号公報
【特許文献7】米国特許第6,339,927号公報
【特許文献8】米国特許第4,827,712号公報
【特許文献9】米国特許第4,790,133号公報
【特許文献10】米国特許第4,751,816号公報
【発明の概要】
【0004】
ターボファンエンジンアセンブリの効率を向上させるためには、ファンアセンブリを比較的低速で運転してファンの効率を高めるとともに、高圧タービンを比較的高速で運転して高圧タービンの効率を高めることが望ましい。しかしながら、ファンアセンブリを比較的低速で運転することは昇圧機の運転に支障を来たす可能性がある。そのため、昇圧機を最高効率で円滑に運転するためには、昇圧機にさらなる段が必要となり、ターボファンエンジンの総コストや設計の複雑さが増大する可能性がある。
【0005】
一態様において、ターボファンエンジンアセンブリが提供される。該ターボファンエンジンアセンブリは、高圧圧縮機、燃焼器およびタービンを有するコアガスタービンエンジンを含む。該ターボファンエンジンアセンブリはまた、該コアガスタービンエンジンに連結された低圧タービンと、第1方向に回転するように構成された第1ロータ部分および反対の第2方向に回転するように構成された第2ロータ部分を有する逆回転昇圧圧縮機と、該低圧タービンに連結された入力端と該第1および第2ロータ部分の少なくとも一方に連結された出力端を有するギアボックスとを含む。
【0006】
またここでは、ターボファンエンジンの組立方法が開示される。該方法は、高圧圧縮機、燃焼器およびタービンを有するコアガスタービンエンジンを用意し、第1方向に回転するように構成された第1ロータ部分および反対の第2方向に回転するように構成された第2ロータ部分を有する逆回転昇圧圧縮機を該コアガスタービンエンジンに連結し、ギアボックスを該第1および第2ロータ部分の少なくとも一方に連結し、低圧タービンを該ギアボックスに連結して、該ギアボックスを該低圧タービンによって駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ギア駆動昇圧機を含む例示的なターボファンエンジンアセンブリの一部分の断面図である。
【図2】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成の拡大断面図である。
【図3】図2に示されるギアボックスの一部分の断面図である。
【図4】図2に示されるギアボックスの端面図である。
【図5】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成の拡大断面図である。
【図6】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成の拡大断面図である。
【図7】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成の拡大断面図である。
【図8】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成の拡大断面図である。
【図9】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成を単純化した概略図である。
【図10】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成を単純化した概略図である。
【図11】図1に示されるターボファンエンジンアセンブリで利用することのできる例示的な昇圧機構成を単純化した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、長手方向軸11を有する例示的なターボファンエンジンアセンブリ10の概略図である。ターボファンエンジンアセンブリ10は、ファンアセンブリ12と、ファンアセンブリ12の下流に配置されるコアガスタービンエンジン13と、該コアガスタービンエンジンの下流に配置される低圧タービン20とを含む。該コアガスタービンエンジンは、高圧圧縮機14と、燃焼器16と、高圧タービン18とを含む。例示的実施形態において、ターボファンエンジンアセンブリ10はまた、多段昇圧圧縮機22を含む。
【0009】
ファンアセンブリ12は、ロータディスク26から半径方向外方に延在するファン羽根24の配列を含む。ターボファンエンジンアセンブリ10は、吸気側28と排気側30を有する。高圧圧縮機14と高圧タービン18は、第2の駆動軸32によって連結される。
【0010】
図2は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる第1の昇圧圧縮機構成の拡大断面図である。図2に示されるように、昇圧機22は第1ロータ部分すなわちスプール50を含む逆回転昇圧圧縮機22であり、例示的実施形態では、各々が個別ディスク54と個別ディスク54にそれぞれ連結された複数の羽根56を有する2つの段52を含む。逆回転昇圧圧縮機22はまた第2ロータ部分すなわちスプール60を含み、例示的実施形態では、各々が個別ディスク64と個別ディスク64にそれぞれ連結された複数の羽根66を有する3つの段62を含む。例示的実施形態において、第2ロータ部分60の第1段70は回転入口案内翼(IGV)として機能して、圧縮機22の下流のターボファンエンジンアセンブリ10に入るように空気流を円滑に導き、複数の固定羽根72は出口案内翼(OGV)として機能する。昇圧圧縮機22は5つの段のみを有するように示されるが、昇圧圧縮機22が任意の段数の動翼を有してもよいことを理解されたい。
【0011】
例示的実施形態において、ターボファンエンジンアセンブリはまた、ギアボックスハウジング101を有するギアボックス100を含む。ギアボックス100はデュアル出力ギアボックスであり、入力端110と、第1出力端111と、第2ロータ部分60に連結される第2出力端112とを含む。例示的実施形態において、入力端110は軸31に連結されて、軸31によって駆動される。第1ロータ部分50はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸121を使用してギアボックスの第1出力端111に連結される。第2ロータ部分60は、コーン120を利用してギアボックスの第2出力端112に連結される。一実施形態において、ギアボックス100は約2.0〜1のギア比を有しており、ファンアセンブリ12と第1ロータ部分50はそれぞれ第2ロータ部分60の回転速度の約1/2の回転速度で回転する。別の実施形態において、ファンアセンブリ12と第1ロータ部分50はそれぞれ第2ロータ部分60の回転速度の約2倍の回転速度で回転する。別の例示的実施形態において、ギアボックス100は、ファンアセンブリ12と第1ロータ部分50がそれぞれ第2ロータ部分60の回転速度の約0.67〜約2.1倍の回転速度で回転するようなギア比を有する。
【0012】
ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第1軸受アセンブリ130を含み、例示的実施形態では、ギアボックスハウジング101とファンディスク26との間に配置されて、ファンアセンブリ12によって生じるスラスト荷重をアース、すなわちファンフレーム15に円滑に伝達するスラスト軸受である。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第2軸受アセンブリ140を含み、例示的実施形態では、第2ロータ部分60によって生じるスラスト荷重をアース、すなわちファンフレーム15に円滑に伝達するように配置されるスラスト軸受である。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第3軸受アセンブリ150を含み、例示的実施形態では、駆動軸31とギアボックスハウジング101との間に配置されて、低圧タービン20によって生じるスラスト荷重のアースに対する平衡を円滑に保つスラスト軸受である。それにより、ギアボックスハウジング101は、スラスト軸受130、140および150をギアボックスのギアリングとは関係なくアースに結合する。
【0013】
図3は、図2に示されるギアボックス100の断面図である。図4は、図2に示されるギアボックス100の端面図である。ここで前述したように、ギアボックス100はターボファンエンジンアセンブリ10の固定部品、図2に示されるように、例えばコアタービンエンジン13のフレーム15に連結される。例示的実施形態において、ギアボックス100は略トロイダル断面形状を有する遊星ギアボックスであって、ギアボックス100は駆動軸31を実質的に囲む。ギアボックス100は、協働して差動速度を生成する一連の遊星ギア160を含む。より詳細には、各遊星ギア160は、第1の直径163を有する第1ギア部分162と、第1の直径よりも大きな第2の直径165を有する第2ギア部分164とを含む。例示的実施形態において、第1および第2ギア部分162および164は一体に形成されて、ギア160が単一構造となる。任意的には、第1および第2ギア部分162および164は別個に形成され、例えば締結具、溶接技術またはろう付け技術を用いて連結される。
【0014】
組み立ての際、ファンアセンブリ12と第1ロータ部分50は延長軸121を介して第1ギア部分162に係合し、第2ロータ部分60はコーン120を介して第1ギア部分162に係合する。より詳細には、図4に示されるように、延長軸121は第1ギア部分162の半径方向内側に係合し、コーン120は第1ギア部分162の半径方向外側に係合して、コーン120と延長軸121はそれぞれ反対方向に回転する。
【0015】
ここで説明されたターボファンエンジンアセンブリの各々は、遊星ギアボックスに連結される逆回転(CR)昇圧圧縮機を含んでいて、エンジンの最高効率を達成するような速度で昇圧圧縮機の各ロータ部分を運転することが可能になる。この実施形態において、ターボファンエンジンアセンブリは、ファンアセンブリと逆回転昇圧圧縮機を含んでおり、各々が低圧タービンによって駆動されるギアボックスによって駆動される。より詳細には、逆回転昇圧機は、ファンアセンブリと同じ速度で回転する段2および4、さらにファン速度以上にもなり得る速度で逆回転する段1、3および5を有する。この構成により、比較的少ない数の段を利用して昇圧圧縮機内に大幅な圧力上昇を生じさせることが可能になる。
【0016】
図5は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の昇圧圧縮機構成の拡大断面図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機はまた、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では3つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第2ロータ部分60は、図2に示されるように、コーン120を利用してギアボックスの第2出力端112に連結される。しかしながら、この構成において、ファンアセンブリ12は延長軸202を介して軸31に直接連結されて、低圧タービン20(図1に示される)がファンアセンブリ12を駆動する。さらに、図2に示されるように、昇圧機22をファンアセンブリ12に連結するというよりも、昇圧機22はコーン204を利用してギアボックスの第1出力端111に連結される。
【0017】
そのようにして、この構成では、ターボファンエンジンアセンブリ10は、延長軸202とコーン204との間に配置されるスラスト軸受210を含み、ファンアセンブリ12と昇圧圧縮機のスプール50によって生じるスラスト荷重の平衡を円滑に保つ。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた、コーン204とコーン120との間に配置されて、コーン204の半径方向支持を円滑に提供するころ軸受220を含む。この構成において、ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第2軸受アセンブリ140を含み、例示的実施形態では、第2ロータ部分60によって生じるスラスト荷重をアース、すなわちファンフレーム15に円滑に伝達するように配置されるスラスト軸受である。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第3軸受アセンブリ150を含み、例示的実施形態では、駆動軸31とギアボックス100との間に配置されて、ファンアセンブリ12、昇圧機ロータ50および低圧タービン20によって生じる残留スラスト荷重をアースにギアボックスハウジング101を介して円滑に伝達するスラスト軸受である。
【0018】
図6は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の昇圧圧縮機構成の拡大断面図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機22はまた、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では3つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第1ロータ部分50はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を介して軸31に連結されて、低圧タービン20(図1に示される)がファンアセンブリ12と昇圧機ロータ50を駆動するとともに、軸31がギアボックス100を駆動する。さらに、第2ロータ部分60はギアボックスの出力端112に連結される。
【0019】
この構成において、ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第2軸受アセンブリ140を含み、例示的実施形態では、第2ロータ部分60によって生じる残留スラスト荷重をアース、すなわちファンフレーム15に円滑に伝達するように配置されるスラスト軸受である。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた第3軸受アセンブリ150を含み、例示的実施形態では、駆動軸31とギアボックス100との間に配置されるスラスト軸受であり、ファンアセンブリ12、昇圧機ロータ50および低圧タービン20によって生じる残留スラスト荷重をアースにギアボックスハウジング201を介して円滑に伝達する。この構成は、ファンアセンブリ12、低圧タービン20および昇圧圧縮機22によって生じるスラスト荷重の平衡を保つために利用される2つのスラスト軸受のみを含むため、製造しやすい単純な逆回転昇圧圧縮機を提供し、より少ない軸受アセンブリを利用するため、ライフサイクルメンテナンスコストが減少する。
【0020】
図7は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の昇圧圧縮機構成の拡大断面図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機22はまた、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では3つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第1ロータ部分50はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を使用して軸31に連結され、第2ロータ部分60はコーン300を利用してギアボックスの第1出力端111に連結される。さらに、ターボファンエンジンアセンブリ10は、複数の固定入口案内翼70と、フレーム15に連結される複数の固定出口案内翼72とを含む。
【0021】
より詳細には、この実施形態において、ターボファンエンジンアセンブリ10は、コーン300と延長軸202との間に配置される第1軸受アセンブリ302と、軸31とフレーム15との間に配置される第2軸受アセンブリ304とを含む。例示的実施形態において、軸受アセンブリ302および304はそれぞれ、ファンアセンブリ12、昇圧機22および低圧タービン20によって生じるスラスト荷重の平衡を円滑に保つとともに、残留スラスト荷重をアースに円滑に伝達するスラスト軸受である。ターボファンエンジンアセンブリ10はまた軸受アセンブリ306と軸受アセンブリ308を含み、それぞれ第2ロータ部分60の回転支持を円滑に提供する。したがって、軸受アセンブリ306および308は、第2ロータ部分60を第1ロータ部分50に対して比較的固定した半径方向位置に円滑に維持する。この実施形態において、軸31、ひいては低圧タービン20はギアボックスの入力端110に連結されて、ギアボックス100を駆動する。さらに、軸31はファンアセンブリ12と第1ロータ部分50に直接連結される。その結果、ギアボックス100は、コーン300を介して第2ロータ部分60を駆動するために利用される1つの出力端、すなわち第1出力端111を含む。
【0022】
図8は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の昇圧圧縮機構成の拡大断面図である。この構成は、図7に描かれた構成とほぼ同様である。しかしながら、この構成において、逆回転昇圧圧縮機22は、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では3つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第1ロータ部分50は、コーン300を使用してギアボックス100に連結される。さらに、第2ロータ部分60はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を使用して軸31に連結され、第2ロータ部分60はコーン300を利用してギアボックスの第1出力端111に連結される。そのため、ギアボックス100は昇圧圧縮機22の半径方向内側部分、すなわち第1ロータ部分50を駆動するために利用され、低圧タービン20はファンアセンブリ12と昇圧圧縮機22の半径方向外側部分、すなわち第2ロータ部分60を駆動するために利用される。
【0023】
図9は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の例示的な昇圧圧縮機構成を単純化した概略図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機22は、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では段52と互いに噛み合う2つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第1ロータ部分50はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を使用して軸31に連結される。さらに、第2ロータ部分60はコーン300を使用してギアボックス100に連結される。そのため、ギアボックス100は昇圧圧縮機22の半径方向外側部分、すなわち第2ロータ部分60を駆動するために利用され、低圧タービン20はファンアセンブリ12と昇圧圧縮機22の半径方向内側部分、すなわち第1ロータ部分50を駆動するために利用される。図のように、入口案内翼70および出口案内翼72は、フレーム15に連結される固定案内翼である。さらに、この実施形態において、第1ロータ部分50の第1段400は第2ロータ部分60の第1段402の上流に配置される。
【0024】
図10は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の例示的な昇圧圧縮機構成を単純化した概略図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機22は、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では段52と互いに噛み合う3つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第1ロータ部分50はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を使用して軸31に連結される。さらに、第2ロータ部分60は、コーン300を使用してギアボックス100に連結される。そのため、ギアボックス100は昇圧圧縮機22の半径方向外側部分、すなわち第2ロータ部分60を駆動するために利用され、低圧タービン20はファンアセンブリ12と昇圧圧縮機22の半径方向内側部分、すなわち第1ロータ部分50を駆動するために利用される。さらに、この実施形態において、第2ロータ部分60の第1段500は第1ロータ部分50の第1段502の上流に配置される。加えて、この実施形態において、第1段500が回転可能で入口案内翼として機能する一方、出口案内翼72はフレーム15に連結されたままで、それ自体は固定されたままである。
【0025】
図11は、図1に示されるターボファンエンジンアセンブリ10で利用することのできる別の例示的な昇圧圧縮機構成を単純化した概略図である。この構成において、逆回転昇圧圧縮機22は、例示的実施形態では2つの段52を含む第1ロータ部分すなわちスプール50と、例示的実施形態では段52と互いに噛み合う2つの段62を含む第2ロータ部分すなわちスプール60とを含む。この構成において、第2ロータ部分60はコーン122を使用してファンアセンブリ12に連結され、ファンアセンブリ12は延長軸202を使用して軸31に連結される。さらに、第1ロータ部分50は、コーン300を使用してギアボックス100に連結される。そのため、ギアボックス100は昇圧圧縮機22の半径方向内側部分、すなわち第1ロータ部分50を駆動するために利用され、低圧タービン20はファンアセンブリ12と昇圧圧縮機22の半径方向外側部分、すなわち第2ロータ部分60を駆動するために利用される。図のように、入口案内翼70および出口案内翼72は、フレーム15に連結される固定案内翼である。さらに、この実施形態において、第2ロータ部分60の第1段600は第1ロータ部分50の第1段602の上流に配置される。
【0026】
ここで説明されたターボファンエンジンアセンブリを組み立てるための方法は、高圧圧縮機、燃焼器およびタービンを有するコアガスタービンエンジンを用意し、第1方向に回転するように構成された第1ロータ部分および反対の第2方向に回転するように構成された第2ロータ部分を有する逆回転昇圧圧縮機を該コアガスタービンエンジンに連結し、ギアボックスを該第1および第2ロータ部分の少なくとも一方に連結し、低圧タービンを該ギアボックスに連結して、該ギアボックスを該低圧タービンによって駆動する。
【0027】
ここで説明されたターボファンエンジンアセンブリは、単段ファンアセンブリと、低圧タービンと、逆回転昇圧圧縮機とを含む。そのため、ここで説明されたターボファンエンジンアセンブリは、該逆回転昇圧圧縮機を駆動するための複数の構成を含む。詳細には、例示的なターボファンエンジンアセンブリはギア式逆回転昇圧機を含み、各々が互いに噛み合って逆回転昇圧機を形成する複数の羽根を有する、回転する半径方向外側部分と回転する半径方向内側部分とを含む。
【0028】
昇圧圧縮機による大幅な圧力上昇を維持しながら、昇圧機の段数を円滑に削減するために、説明された昇圧圧縮機は、ギアボックスによって、または低圧タービンから直接駆動することのできる回転内側部分を含んでおり、該昇圧圧縮機の第2の回転部分もまた該ギアボックスによって駆動することができる。そのため、ここで説明されたさまざまなギア式昇圧圧縮機構成はそれぞれ、高圧圧縮機にさらなる段を追加せずに、ファン圧力比が低く、バイパス比が高いという最大性能を達成するターボファンエンジンアセンブリを円滑に提供するため、コアガスタービンエンジンのサイズおよびコストが減少する。
【0029】
本発明をさまざまな特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明が請求項の精神および範囲内で修正を加えて実施可能であることは当業者には理解できるであろう。
【符号の説明】
【0030】
10 ターボファンエンジンアセンブリ
11 長手方向軸
12 ファンアセンブリ
13 コアガスタービンエンジン
14 高圧圧縮機
15 ファンフレーム
16 燃焼器
18 高圧タービン
20 低圧タービン
22 多段昇圧圧縮機
24 ファン羽根
26 ファンのロータディスク
28 吸気側
30 排気側
31 駆動軸
32 第2の駆動軸
50 第1ロータ部分すなわち昇圧圧縮機のスプール
52 段
54 個別ディスク
56 羽根
60 第2ロータ部分すなわちスプール
62 段
64 個別ディスク
66 羽根
70 第2ロータ部分の第1段すなわち入口案内翼
72 出口案内翼
100 ギアボックス
101 ギアボックスハウジング
110 ギアボックスの入力端
111 ギアボックスの第1出力端
112 ギアボックスの第2出力端
120 コーン
121 延長軸
122 コーン
130 スラスト軸受(第1軸受アセンブリ)
140 第2軸受アセンブリ
150 第3軸受アセンブリ
160 遊星ギア
162 第1ギア部分
163 第1の直径
164 第2ギア部分
165 第2の直径
202 延長軸
204 コーン
210 スラスト軸受
220 ころ軸受
300 コーン
302 第1軸受アセンブリ
304 第2軸受アセンブリ
306 軸受アセンブリ
308 軸受アセンブリ
400 第1段
402 第1段
500 第1段
502 第1段
600 第1段
602 第1段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンアセンブリと、
高圧圧縮機、燃焼器、および高圧タービンを有するコアガスタービンエンジンと、
前記コアガスタービンエンジンに連結された低圧タービンと、
第1方向に回転するように構成された第1ロータ部分、および反対の第2方向に回転するように構成された第2ロータ部分を有する逆回転昇圧圧縮機と、
前記低圧タービン、前記第1ロータ部分、前記第2ロータ部分、および前記ファンアセンブリに連結されたギアを備えたギアボックスと、
を備え、
前記第1ロータ部分、前記第2ロータ部分、および前記ファンアセンブリが、前記ギアボックスの前記ギアの出力を介して前記低圧タービンによって駆動される、
ターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項2】
前記低圧タービンに連結された駆動軸をさらに備え、前記ギアボックスが前記駆動軸と前記第1ロータ部分との間に連結されて、前記第1ロータ部分が前記低圧タービンの回転速度と異なる回転速度で回転する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項3】
前記低圧タービンに連結された駆動軸をさらに備え、前記ギアボックスが前記駆動軸と前記第2ロータ部分との間に連結されて、前記第2ロータ部分が前記低圧タービンの回転速度と異なる回転速度で回転する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項4】
前記ファンアセンブリが前記ギアボックスに連結され、前記ファンアセンブリが前記低圧タービンの回転速度と異なる回転速度で回転する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項5】
前記低圧タービンと前記ファンアセンブリとの間に連結されたスラスト軸受アセンブリをさらに備え、前記低圧タービンと前記ファンアセンブリによって生じるスラスト荷重を円滑に吸収するとともに、残留スラスト荷重をアースに円滑に伝達する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項6】
前記ギアボックスが略トロイダル断面形状を有する遊星ギアボックスであり、駆動軸を実質的に囲む、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項7】
前記第2ロータ部分は前記ギアボックスに連結されて、前記第2ロータ部分がファンアセンブリの回転方向と反対の方向に回転する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。
【請求項8】
前記ギアボックスは、各々が第1の直径を有する第1ギア部分および第2の異なる直径を有する第2ギア部分からなる複数のギアと、前記第1ギア部分に連結された前記第1ロータ部分と、前記第2ギア部分に連結された前記第2ロータ部分とを有しており、前記第1ロータ部分が第1回転速度で回転するとともに、前記第2ロータ部分が第1回転速度未満の回転速度で回転する、請求項1に記載のターボファンエンジンアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−132469(P2012−132469A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71110(P2012−71110)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2007−278714(P2007−278714)の分割
【原出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】