説明

ダイジェスト作成装置、ダイジェスト作成方法、およびプログラム

【課題】縦書きの板書や、表や図形を中心とした板書のブロック分割を行うことができると共に、板書のダイジェスト表示が可能なダイジェスト作成システムを提供する。
【解決手段】本発明のダイジェスト作成システム10は、板書の画面を一定時間間隔でキャプチャし、キャプチャされた画面の描画部分を囲む矩形の形と大きさに応じて文字方向のタイプを縦書き、横書き、その他のタイプに判別し、判別された文字方向のタイプに応じて異なる方法を用いて、板書画面の意味的な構造を判別して領域をブロックに分割し、ブロックが完成されたと推測される画面を時系列に編成し、編成された画面をダイジェストとして表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子黒板を使用した講義や会議などにおいて、手書きの板書の過程を保存し、板書画面のダイジェストを作成して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ技術の向上により、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどの薄型大画面ディスプレイが普及し始めている。薄型大画面ディスプレイの実現により、従来の黒板やホワイトボードの代わりに、ディスプレイに表示した資料や白紙のボードにマウスやキーボード、デジタルペンを用いて書き込みを行ったりしながら会議や講義を行うことが可能となった。このようなデジタル技術を利用した電子黒板では、表示した資料や書き込まれた内容をコピーするなどして、容易に再利用できるという利点がある。
【0003】
例えば、特許文献1には板書内容と映像・音声を意味的に構造化された形で記憶し、領域を指定するとその領域に対応した映像・音声を再生する装置が記載されている。この装置によれば、会議や講義の終了後に編集を行うことなく、板書部分と発声説明部分とを同時に視聴することで、会議や講義を再現することができる。
【0004】
また、非特許文献1には、電子黒板ではなく従来の黒板を使用し、講義映像から講義者ならびに板書領域を抽出し、抽出した板書領域をブロック分割し、ブロック領域のみを切り出して記録・保存する手法が記載されている。具体的には、一定時間板書領域に大きな変化がなければ、それらを一つの矩形で囲み(これを板書矩形とする)、分割条件1:現在の板書矩形が黒板所の上方にあり、板書ブロックは黒板の下方まで続いている、分割条件2:現在の板書矩形は板書ブロックと横方向に大きく離れている、という条件を満たすファジールールを作成し、ルールに従ってブロックの分割を行う。
【0005】
【特許文献1】特開2005−284490号公報
【非特許文献1】大西 他2名「講義映像における板書領域のブロック分割とその応用」、電子情報津新学会論文誌、Vol.J83−D−I No.11,pp.1187−1195,2000年11月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載の発明は、位置指定装置と二次元表示装置とが離れている時間が所定時間以内のうちに書かれた線分を一つのまとまりとして判断するが、文字を書く速さは人それぞれで異なる場合が多く、予め定め固定的に定められたパラメータのもとでは、文字データを意味のある適切なまとまりにすることができない場合がある。また、上記の非特許文献1では、横書きの板書について開示されているが、縦書きの板書の場合の処理については開示されていない。
【0007】
また、講義等の板書を、時間の経過と共に、完成された板書から構成される板書のダイジェストとして閲覧できれば、板書を効率よく利用することができ便利である。しかし、板書のダイジェストを作成する方法については、上記の特許文献1または非特許文献1には、記載も示唆もされていない。
【0008】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、板書のダイジェストを作成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、板書の画面を一定時間間隔でキャプチャし、キャプチャされた画面の描画部分を囲む矩形の形と大きさに応じて文字方向のタイプを縦書き、横書き、その他のタイプに判別し、判別された文字方向のタイプに応じて異なる方法を用いて、板書画面の意味的な構造を判別して領域をブロックに分割し、ブロックが完成されたと推測される画面を時系列に編成し、編成された画面をダイジェストとして表示する。
【0010】
例えば、本発明の第1の態様は、板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置であって、板書の画面を随時取り込む画面取込手段と、取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段と、判別されたそれぞれのタイプ別に、板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段と、板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成手段と、代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当手段と、それぞれの代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示手段とを備えることを特徴とするダイジェスト作成装置を提供する。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置を制御するプログラムであって、ダイジェスト作成装置を、板書の画面を随時取り込む画面取込手段、取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段、判別されたそれぞれのタイプ別に、板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段、板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成手段、代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当手段、およびそれぞれの代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示手段として機能させることを特徴とするプログラムを提供する。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置におけるダイジェスト作成方法であって、ダイジェスト作成装置は、板書の画面を随時取り込む画面取込ステップと、取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、板書を異なるタイプに判別するタイプ判別ステップと、判別されたそれぞれのタイプ別に、板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出ステップと、板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成ステップと、代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当ステップと、それぞれの代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示ステップとを実行することを特徴とするダイジェスト作成方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、板書のダイジェストを自動的に作成して表示できるようになるため、板書の繰り返し利用が可能となり、休み時間や授業の導入時などに前回の授業のダイジェストを表示することによって、教師の手間が少なく、授業の導入や復習に役立てることができるようになると共に、重要画面を繰り返し表示することによって、生徒に学習内容を思い出させ、知識を定着させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るダイジェスト作成システム10の構成を例示するシステム構成図である。ダイジェスト作成システム10は、入力装置110、表示装置111、およびダイジェスト作成装置100を備える。ダイジェスト作成装置100は、電子黒板制御部112、データ作成部120、ダイジェスト作成部130、およびダイジェスト表示部113を有する。
【0016】
電子黒板制御部112は、デジタルペンやマウス等の入力装置110から取り込んだ描画情報を、表示装置111に表示する電子黒板の基本機能を備えている。本実施形態では、ダイジェスト作成装置100は、電子黒板制御部112を有するが、他の形態として、電子黒板制御部112は、ダイジェスト作成装置100とは別個に実現され、電子黒板への描画画面あるいは描画座標情報をデータ作成部120へ入力する形態で実現することも可能である。
【0017】
データ作成部120は、表示装置111に表示された板書画面をモニタリングして板書の区切りとなる代表画面を作成する。ダイジェスト作成部130は、代表画面格納部126内の代表画面データを用いてダイジェスト構成データを作成する。ダイジェスト表示部113は、ダイジェスト作成部130によって作成されたダイジェスト構成データを用いて、板書のダイジェストを表示する。
【0018】
次に、データ作成部120内の詳細構成について説明する。データ作成部120は、画面取込部121、画面データ格納部122、タイプ判別部123、ブロック検出部124、代表画面生成部125、および代表画面格納部126を備える。
【0019】
画面取込部121は、電子黒板制御部112によって表示装置111に描画された画面データを取り込んで画面データ格納部122に保存する。画面データ格納部122は、例えば図2に示すように、画面取込部121によって取り込まれた順番に割り当てた番号1220に対応付けて、取り込んだ画面データ1221を格納する。
【0020】
タイプ判別部123は、画面データ格納部122内に保存された板書の画面データを用いて、当該板書が縦書きのタイプ、横書きのタイプ、または図表等のその他のタイプのいずれのタイプかを判別する。ここで、タイプ判別部123によるタイプ判別処理について、図3を参照しながら説明する。
【0021】
まず、タイプ判別部123は、カウンタk=0としてカウンタの初期化を行い(S100)、画面データ格納部122から画面データを読み込む(S101)。そして、前回読み込んだ画面データとの差分画面において描画領域を囲む矩形を抽出し(S102)、描画領域がなく、矩形領域が抽出できない場合(S103:No)は、ステップS101に戻って次の画面データを読み込む。
【0022】
ここで、矩形領域は、画像データの画素をスキャンし、白紙でない画素の横軸の最小値と最大値、縦軸の最小値、最大値を検出することで抽出することができる。入力装置から取り込んだデータが、画像データではなくストロークデータ(ペンダウンからペンアップまでに採集されるペン座標の系列)として保存される場合、描画領域を囲む矩形は、画像データの場合と同様に座標の横軸の最小値と最大値、縦軸の最小値、最大値を検出することで抽出可能である。
【0023】
矩形領域が抽出された場合(S103:Yes)は、矩形の縦横比r(k)=(矩形の縦最大値−縦最小値)/(矩形の横最大値−横最小値)を算出する(S104)。r(k)>1の場合は縦長の矩形、r(k)<1の場合は横長の矩形となる。従って、矩形が縦長であれば縦書きタイプ、横長であれば横書きタイプ、文字を書く場合と図や表を描く場合では、一定時間に描画される矩形の大きさが異なると考え、矩形領域の大きさが所定値以上の場合は図や表などその他タイプと分類する。しかし、書き始めの場合は特徴が現れない可能性が高いため、数枚の画像の描画領域を囲む矩形領域の縦横比を計算し、r(k)の値の変化によってタイプの判別を行う。
【0024】
次にステップS105においてk=k+1に更新し、kが所定の値a(例えば5)に達していない場合(S106:No)は、ステップS101に戻り、次の画像データを読み込む。kが所定の値a(例えば5)に達した場合(S106:Yes)、r(0)からr(a)の中で矩形領域の横あるいは縦の長さが所定値以上(例えば画面の縦または横の長さの半分以上)のものがある場合(S107:Yes)は、図や表が描かれたと考え、その他のタイプと判定して(S108)終了する。
【0025】
図4は、図形が描かれた板書の一例を示す。図4(a)は、図形が描かれた板書のオリジナル画面200を例示し、図4(b)は、前のオリジナル画面200との差分201を例示している。矩形領域202の縦または横の長さが所定値以上であるため、タイプ判別部123は、図4に示す板書をその他のタイプと判定する。
【0026】
r(0)からr(a)の中で矩形領域の横あるいは縦の長さが所定値以上のものがない場合(S107:No)、r(0)からr(a)までの変化を解析し、r>1.0が連続している場合(S109:Yes)は、縦書きタイプと判定して(S110)終了する。図5は、縦書きの板書の一例を示す。図5(a)は、オリジナル画面205を例示し、図5(b)は、前のオリジナル画面205との差分206を例示している。矩形領域207は、縦が横よりも長いので、このような矩形領域207が複数回連続した場合に、タイプ判別部123は、図5に示す板書を縦書きタイプと判定する。
【0027】
ステップ109においてNoと判定した場合、r(0)からr(a)までの変化を解析し、r<1.0が連続している場合(S111:Yes)は、横書きタイプと判定して(S112)終了する。図6は、横書きの板書の一例を示す。図6(a)は、オリジナル画面210を例示し、図6(b)は、前のオリジナル画面210との差分211を例示している。矩形領域212は、縦が横よりも短いので、このような矩形領域212が複数回連続した場合に、タイプ判別部123は、図6に示す板書を横書きタイプと判定する。ステップ111においてNoと判定した場合、その他のタイプと判定して(S113)終了する。
【0028】
rの連続性の判定方法については、上記の他にもいくつかの方法が考えられる。例えばrの値の単調増加/減少が複数回現れることを判定基準にする方法や、書き始めと判定できる初回は除いて単調増加/減少が途切れたときに改行が行われたと考え、改行前の矩形の縦横比を用いて判定する方法、r>1.0またはr<1.0が複数回続けて得られた場合の値を用いて判定する方法等が考えられる。
【0029】
このように、縦書き/横書き/その他という板書のタイプを判別してからブロック化の処理を行うことにより、ブロック化の精度を高めることができるため、ダイジェスト作成の精度を上げることができる。
【0030】
また、タイプ判別部123によるタイプ判別処理は、上記した方法に限られず、例えば図7に示すような簡易的な方法によっても実現することができる。図7に示す例では、タイプ判別部123は、まず、画面データ格納部122から番号1の画面データを読み込む(S200)。オンライン型の場合は画面データ格納部122にデータが書き込まれてから図7に示す処理を開始するか、あるいは画面データ格納部122内に書き込まずに画面取込部121からメモリ上で画面データを受け取る形態でも実現可能である。
【0031】
次に、前回読み込んだ画面データとの差分画面において描画領域を囲む矩形を抽出し(S201)、矩形領域が抽出できない場合(S202:No)、ステップS200に戻って次の画面を読み込む。矩形領域が抽出できた場合(S202:Yes)、描画領域の左上の座標が電子黒板の画面の左上に位置し、かつ、矩形領域が横長である場合(S203:Yes)には、横書きタイプと判定し(S204)、描画領域の右上の座標が電子黒板の画面の右上に位置し、かつ、矩形領域が縦長である場合(S205:Yes)には、縦書きタイプと判定し(S206)、それ以外の場合にはその他のタイプと判定する(S207)。この判定では、横書きの場合が左上から書き始め、縦書きの場合は右上から書き始めるという慣習をプログラムに反映させている。
【0032】
図1の説明に戻り、タイプ判別部123によってタイプ判別が行われると、ブロック検出部124および代表画面生成部125は、判別されたタイプ別に、ブロック検出・代表画面生成処理を実行して代表画面を生成し、生成した代表画面を代表画面格納部126に格納する。
【0033】
タイプ判別部123によって縦書きタイプと判定された場合、ブロック検出部124および代表画面生成部125は、図8および図9に示すようなブロック検出・代表画面生成処理を実行する。本方式では、画面データ格納部122に画面データが取り込まれる度に処理を開始することが可能なため、画面データ格納部122に全ての画面を保存する必要がないという利点がある。ブロック検出部124は、まず、差分フラグをOFFにし(S300)、板書が終了している場合には(S301:Yes)、最新画面(最終画面)を代表画面として代表画面格納部126に格納する(S302)。そして、代表画面の生成が終了した旨をダイジェスト作成部130内の重要度割当部131に通知して(S303)終了する。
【0034】
一方、板書が終了していない場合(S301:No)、画面データ格納部122から最新の画面データを読み込み(S304)、前の画面データとの差分(最新の画面データから前の画面デ−タを引く)を計算し(S305)、差分の値に応じて処理すべきステップに進む。
【0035】
差分がない場合(S306:No)、ステップS301に示した処理を実行する。差分がマイナスの場合(S307:Yes)、差分フラグがONであれば(S308:Yes)ステップS301に示した処理を実行する。差分フラグがOFFの場合(S308:No)、前の画面を代表画面として(S309)、差分フラグをONにし(S310)、ステップS301に示した処理を実行する。
【0036】
差分にプラスとマイナスが混在している場合(S311:Yes)、差分フラグがONであれば(S312:Yes)ステップS301に示した処理を実行する。差分フラグがOFFであれば(S312:No)、差分部分を消去して代表画面として代表画面格納部126に格納し(S313)、差分フラグをONにして(S314)ステップS301に示した処理を実行する。
【0037】
差分がプラスの場合(S315:Yes)、差分フラグをOFFにし(S316)、差分部分の矩形(差分矩形)の大きさを計算する。矩形領域の大きさは、縦、横のいずれかが規定の長さよりも長い場合に矩形領域の大きさが所定値以上であると判定する。差分矩形の大きさが所定値以上であると判定された場合(S317:Yes)、図20および21において後述する、その他のタイプのブロック検出・代表画面生成処理を実行し(S318)、ステップS301に示す処理を実行する。ステップS318におけるこの処理は、板書の途中で図表などが描かれた場合に対応する処理である。
【0038】
差分矩形の大きさが所定値未満であると判定された場合(S317:No)、処理中のブロックがあるか否かを判定する(S319)。処理中のブロックがない場合(S319:No)、差分矩形を新規ブロックとして(S320)ステップS301に示した処理を実行する。処理中のブロックがある場合(S319)、差分矩形の位置が処理中のブロックの矩形から横方向に閾値を超える場合には(S321:Yes)改行されたと判定し、差分矩形と処理中のブロックの矩形上部との座標値を比較し、縦座標値の差分の絶対値が閾値を超えているか否かを判定する(S322)。ここでは、差分矩形と処理中ブロックの書き出し位置の座標を比較し、書き出し位置がずれている部分をブロック分割するための処理である。従って閾値は電子黒板に書かれる一文字の大きさ程度が妥当だと考えられる。
【0039】
差分矩形の位置が処理中のブロックの矩形から横方向に閾値を超えない場合(S321:No)、改行がなかったと判定し、差分部分を処理中のブロックに統合し(S323)、ステップS301に戻る。また、縦座標値の差分の絶対値が閾値を超えていない場合も(S322:No)、差分矩形と処理中ブロックの書き出し位置は同等の位置であると考えられるため、差分部分を処理中のブロックに統合し(S323)、ステップS301に戻る。
【0040】
図10は、ブロックの検出過程および代表画面の生成過程を説明するための概念図である。図10(a)はオリジナル画面200を例示し、図10(b)は差分221を例示し、図10(c)は生成された代表画面224を例示している。図10(b)に示す例では、処理中のブロック223と矩形領域222との間隔dが所定値以上であるので、矩形領域222内の文字は改行されたものと判定される。
【0041】
縦座標値の差分の絶対値が閾値を超えている場合(S322:Yes)、差分矩形と処理中ブロックの書き出し位置は異なる位置であると考えられるため、ブロックの書き出し位置と同じ位置の行を差分矩形中から抽出するために、差分部分の縦行を抽出し(S324)、行の開始位置とブロックの開始位置との差分が絶対値を越える行以前の行をブロックに統合し(S325)、処理中のブロックのブロック化を完了する(S326)。
【0042】
次に、ブロックに統合しなかった行を矩形で囲む新規ブロックを生成し(S327)、新規ブロックと前ブロックの位置を比較し、新規ブロックが前ブロックよりも高位置にある場合には(S328:Yes)、見出しに相当する行が書かれたと判定し、新規ブロック部分を除いた画面を代表画面として代表画面格納部126に格納し(S329)、ステップS301に戻る。新規ブロックが前ブロックよりも低位置にある場合には(S328:No)、見出しに続く部分が書かれたと判定して代表画面は生成せずにステップS301に戻る。
【0043】
図10(b)に示す例では、矩形領域222が新規ブロックと判定され、新規ブロックの書き出し位置が前のブロック223の書き出し位置よりもdだけ上方に位置しており、dが所定値よりも大きいため、図10(c)に示すように、矩形領域222に対応する新規ブロックが削除された画面が代表画面224として生成される。代表画面格納部126は、例えば図11に示すように、生成した代表画面データ1263、当該代表画面データのタイプ1262、および当該代表画面データを生成する直前に読み込んだ画面データの番号であるオリジナル画面番号1261を、代表画面毎に割り当てた代表画面番号1260に対応付けて格納する。
【0044】
また、タイプ判別部123によって横書きタイプと判定された場合、ブロック検出部124および代表画面生成部125は、図12および図13に示すようなブロック検出・代表画面生成処理を実行する。ブロック検出部124は、まず、差分フラグをOFFにし(S400)、板書が終了した場合には(S401:Yes)、最新画面を代表画面として代表画面格納部126に格納する(S402)。そして、代表画面の生成が終了した旨をダイジェスト作成部130内の重要度割当部131に通知して(S403)終了する。
【0045】
一方、板書が終了していない場合(S401:No)、最新画面を読み込み(S404)、最新画面と前の画面との差分を計算し(S405)、差分がない場合は(S406:No)、最新画面と前の画面が全く同じということであり、ステップ401へ戻る。差分がマイナスの場合は(S407:Yes)、前の画面のある部分が消去されているということであり、差分フラグがONの場合は(S408:Yes)ステップS401に戻り、差分フラグがOFFの場合は(S408:No)、前の画面を代表画面として代表画面格納部126に格納し(S409)、差分フラグをONにして(S410)ステップS401に戻る。
【0046】
差分にプラスとマイナスが混在している場合は(S411:Yes)、前の画面に何かが書き加えられるとともに一部分が消去されているということであると考えられ、差分フラグがONの場合は(S412:Yes)ステップS401に戻り、OFFの場合は(S412:No)、差分部分を消去して代表画面とし、代表画面格納部126に格納して(S423)、差分フラグをONにして(S414)ステップS401に戻る。
【0047】
差分がプラスの場合は(S415:Yes)、前の画面に何かが書き加えられているということであり、差分フラグをOFFにし(S416)、差分部分を囲む矩形の縦あるいは横の長さがある一定の長さ以上の場合には(S417:Yes)、図表などが描かれたとみなして、その他のブロック検出・代表画面生成処理を実行して(S418)、その後にステップS401に戻る。
【0048】
差分部分を囲む矩形の縦あるいは横の長さがある一定の長さ未満の場合には(S417:No)、差分部分の横方向の行を抽出し(S419)、抽出した行の上から順番に対象とする行を選択するために、未選択の行の最上部の行を抽出し(S420)、処理の対象となっている行があるか否かを判断する(S421)。処理中の行がなければ(S421:No)、抽出した行を処理中の行として(S422)ステップS434へ進む。
【0049】
処理中の行がある場合は(S421:Yes)、抽出された行と処理中の行の縦方向の位置を比較して同じ行が否かを判断し(S423)、抽出された行と処理中の行が同じ行であると判断した場合には(S423:Yes)、処理中の行に抽出された行を追加して(S424)ステップS434へ進む。
【0050】
抽出された行と処理中の行が異なる行であると判断した場合には(S423:No)、処理中のブロックがあるか否かを判断し(S425)、処理中のブロックがないと判断された場合は(S425:No)、現在処理中の行を新規ブロックとし(S426)、抽出された行を新規に処理中の行として(S427)ステップS434へ進む。
【0051】
処理中のブロックがあると判断された場合は(S425:Yes)、処理中の行を囲む矩形領域とブロックの横座標の重なりを計算し、重なりが所定値以上の場合は(S428:Yes)、処理中の行が同じブロックにあると考え、処理中の行の矩形領域をブロックに追加し(S429)、抽出した行を新たな処理中の行にして(S430)ステップS434へ進む。
【0052】
抽出した行を囲む矩形領域とブロックの横座標の重なりが所定値未満の場合には(S428:No)、処理中のブロックのブロック化処理を完了し(S431)、抽出した行を新たな処理中の行とすると共に、処理中の行を新規ブロックとし(S432)、処理中の行と未処理の行を除いた画面を代表画面として代表画面格納部126に格納する(S433)。そして、次の行がある場合には(S434:Yes)ステップS420に戻って次の行に対する処理を繰り返す。
【0053】
処理中の行を囲む矩形領域とブロックの横座標の重なりを判断する閾値は、行やブロックの長さが推定できないため、例えば処理中の行の8割以上が重なっているなどのように、座標値やピクセル値で表すよりも重なりの割合で表す方が適していると考えられる。
【0054】
図14〜17に横書きの場合のブロック検出過程を例示する。図14(a)〜17(a)には、板書画面の左から右へと時間の経過に伴ってキャプチャされたオリジナル画面が例示されている。図14(b)〜17(b)には、差分画面において抽出された行、処理中の行が例示されている。図14(c)〜17(c)には、処理中の行が例示されている。
【0055】
例えば、図14(a)のオリジナル画面230は、前の画面がないため、図14(b)に示す前の画面との差分231はプラスである。また、処理中の行がないため、図14(c)に示すように、差分231において抽出された行232が処理中の行234となる。
【0056】
次に、図15(b)の差分241では、抽出された行が現在処理中の行と同じ行である(縦座標がほとんど同じことから同じ行と判断可能である)ため、図15(b)において抽出された行242は、図15(c)において処理中の行244に追加される。
【0057】
次に、図16(b)の差分251では、まず、一行目の行252を抽出し、図15(b)の差分241の場合と同様に、図16(c)において処理中の行255に追加し、二行目の行253の処理では、処理中の行255と異なると判断し、処理中のブロックがないため、図16(d)に示すように、処理中の行255を新規ブロック258とし、抽出された二行目を処理中の行256とする。
【0058】
次に、図17(b)の差分261において抽出された行262と、図16(d)において生成されたブロック258の横座標の重なりを調べると、重なりが所定値未満であるため、処理中のブロック258のブロック化を完了し、抽出された行を新たな処理中の行266とし、また処理中の行266を新規ブロックとし、処理中の行266を除いた画面を、図18に示すように代表画面270として格納する。
【0059】
以上のようにして、ブロックを検出して代表画面を生成する。また、図19に示すように、抽出された行272とブロック271との横方向の重なり272が所定値以上の場合は、処理中行の行272をブロック271に追加して新たなブロック274とするブロックと行の重なりを判定する機能を設けることにより、複数のブロックの下にブロックが存在する場合のように、従来では黒板の下方まで描かれない場合にはブロック分割が不可能であった場合にも、ブロックの検出が可能となり、適切な画面を代表画面として生成することが可能となる。
【0060】
また、タイプ判別部123によってその他のタイプと判定された場合、ブロック検出部124および代表画面生成部125は、図20および図21に示すようなブロック検出・代表画面生成処理を実行する。その他のタイプは図や表などを中心とした板書である。図や表の場合は、差分がない画面がしばらく続いた場合を代表画面とし、また、板書においては図表の中に文字が書かれる場合も多いため、文字が書かれたと推測できる部分には、縦書き/横書きタイプのブロック検出・代表画面生成プログラムを適用する。
【0061】
ブロック検出部124は、まず、差分フラグをOFFにし(S500)、板書が終了した場合には(S501:Yes)、最新画面を代表画面として代表画面格納部126に格納する(S502)。そして、代表画面の生成が終了した旨をダイジェスト作成部130内の重要度割当部131に通知して(S503)終了する。
【0062】
一方、板書が終了していない場合(S501:No)、最新画面を読み込み(S504)、最新画面と前の画面との差分を計算し(S505)、差分がない場合は(S506:No)、差分フラグがOFFの否か判定し(S507)、OFFの場合は(S507:Yes)カウンタiを0に初期化すると共に差分フラグをONにし(S508)、ステップS509に進む。
【0063】
差分フラグがONの場合は(S507:No)、iを1インクリメントして(S509)、iが所定値に達した場合には(S510:Yes)、最新画面を代表画面として代表画面格納部126に格納し(S511)、ステップS501に戻る。ここで図表を中心とした板書の場合は、差分がない画面がしばらく続いた場合に代表画面とするという考えをプログラムするために、カウンタiを用いている。
【0064】
差分がマイナスの場合は(S512:Yes)、差分フラグがONか否かを判定し(S513)、ONの場合は(S513:Yes)ステップS501に戻り、差分フラグがOFFの場合は(S513:No)、前の画面を代表画面として代表画面格納部126に格納し(S514)、カウンタiを0に初期化すると共に差分フラグをONにし(S515)、ステップS501に戻る。
【0065】
差分にプラスとマイナスが混在している場合は(S516:Yes)、差分フラグがONか否かを判定し(S517)、ONの場合は(S517:Yes)、ステップS501に戻り、OFFの場合は(S517:No)、差分部分を消去して代表画面とし、代表画面格納部126に格納して(S518)、カウンタiを0に初期化すると共に差分フラグをONにし(S519)、ステップS501に戻る。
【0066】
差分がプラスの場合は(S520:Yes)、差分フラグをOFFにし(S521)、差分部分を囲む矩形領域を抽出し(S522)、抽出した矩形領域の縦あるいは横の長さが所定値以上の場合には(S523:Yes)、図表などが描かれていると判断してステップs501に戻る。
【0067】
抽出した矩形領域の縦あるいは横の長さが所定値未満の場合は(S523:No)、文字が書かれた可能性が高いと考え、タイプ判定機能142を使用して文字方向のタイプを判別する(S524)。縦書きタイプと判定された場合は(S525:Yes)、図8および図9において説明した縦書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を実行して(S526)、ステップS501に戻る。横書きタイプと判定された場合は(S527:Yes)、図12および図13において説明した横書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を実行し(S528)、ステップS501に戻る。
【0068】
このようにして、書き出し部分においてその他のタイプと判定された板書であっても、途中で文字が書かれたと推測できる画面では文字方向を推測して代表画面を生成することにより、授業の流れに適した板書のダイジェストを作成できるようになる。
【0069】
図1の説明に戻り、次に、ダイジェスト作成部130の詳細な構成について説明する。ダイジェスト作成部130は、重要度割当部131およびダイジェスト構成データ格納部132を有する。重要度割当部131は、データ作成部120によって生成された代表画面のそれぞれに重要度を割り当てる。重要度割当部131によって実行されるダイジェスト作成処理を、図22および図23に示すフローチャートを用いて説明する。
【0070】
まず、代表画面格納部126から代表画面データを読み込み(S600)、カウンタiを0初期化すると共に、nに代表画面データ数を代入する(S601)。そして、カウンタiがn以上の場合は(S602:No)、ダイジェスト作成処理を終了する。
【0071】
カウンタiがn未満の場合は(S602:Yes)、カウンタiの値を1進めて(S603)、カウンタiが1またはnのいずれかを判定する(S604)。カウンタiが1またはnのいずれかである場合(S604:Yes)、i番目の代表画面データの重要度を「高」に設定して(S605)、ステップS609に進む。1番目とn番号の代表画面データは、最初と最後の板書画面であるため、重要度を「高」に設定している。
【0072】
カウンタiが1またはnのいずれでもない場合(S604:No)、i番目の代表画面データに対応するオリジナル番号と、i−1番目の代表画面データに対応するオリジナル番号との差が所定値以上の場合は(S606:Yes)、重要度を「中」に設定し(S607)、そうでない場合は(S606:No)、重要度を「低」に設定し(S608)、ステップS609へ進む。ここで、オリジナル番号とは、代表画面格納部126内のオリジナル画面番号1261を表す。
【0073】
オリジナル番号の差が大きいということは、ある程度の時間が過ぎていると考えられるが、オリジナル番号の差が小さいということは、i番目の代表画面データとi+1番目の代表画面データとの間の時間差が少ないことを意味する。そこで、時間的に近いと推測できる代表画面データの重要度を「低」に設定しておく。ステップS605、ステップS607、およびステップS608で設定された重要度は仮の重要度であり、後述するステップS614またはステップS620において修正される場合もある。
【0074】
ステップS609において、カウンタiが1の場合は(S609:Yes)、代表画面データの差分画面Xを1番目の代表画面データとし(S611)、そうでない場合は(S609:No)、i番目の代表画面データからi−1番目の代表画面データを差し引いた値を差分画面Xとする(S610)。
【0075】
差分がない場合(S612:No)、ステップS602に戻る。差分がある場合は(S612:Yes)、代表画面データ内に標準色以外の所定の色が使われているか否かを判定し(S613)、使われている場合は(S613:Yes)、i番目の代表画面データの重要度を「高」に設定する(S614)。標準色以外の色が使われているということは、色ペンで文字などが描かれていることであり、重要度の高い画面であると考えられる。
【0076】
次に、代表画面格納部126内の1番目の代表画面データが縦書きタイプの場合は(S615:Yes)、差分画面Xの縦方向の線分を抽出する(S616)。横書きタイプと判断された場合は(S617:Yes)、差分画面Xの横方向の線分を抽出する(S618)。そして、抽出された線分が所定値以上の長さである場合(S619:Yes)、i番目の代表画面データの重要度を「高」に設定し(S620)、i番目の代表画面データを対応する重要度を、設定された重要度と共にダイジェスト構成データ格納部132に格納し(S621)、ステップS602に戻る。ダイジェスト構成データ格納部132は、例えば図24に示すように、代表画面データ1322および重要度1321を、代表画面番号1320に対応付けたダイジェスト構成データを格納する。
【0077】
この処理は、重要な語句や部分には下線や二重線を引くことが多いため、線分が抽出された画面は重要と考えられるという前提に基づいている。そこで、ある長さ以上の線分とは、一文字の大きさよりも長い線分であり、一般的な文字の大きさの二文字分くらいの線分が妥当と考えられる。また、重要度は「高」「中」「低」の三段階としたが、文字の大きさなどの重要さを強調する他の要素を検出したり、検出された強調の要素の重なりを重要度に反映するなどして、更に細かい段階に分けることも可能である。
【0078】
次に、ダイジェスト表示部113の詳細な動作について、図25を参照しながら説明する。ダイジェスト表示部113は、ダイジェスト作成部130によって生成されてダイジェスト構成データ格納部132に格納されたダイジェスト構成データを元にダイジェストを表示する。まず、ダイジェスト表示部113は、ダイジェスト構成データ格納部132からダイジェスト構成データを読み込み(S700)、重要度が「低」の代表画面データ数と、重要度が「中」の代表画面データ数に2を乗じた値と、重要度が「高」の代表画面データ数に3を乗じた値とを加えてnを算出し(S701)、予め定められたダイジェストの表示時間である総表示時間をnで割ることにより単位表示時間Tを算出する(S702)。
【0079】
次に、最初の代表画面データを読み込み(S703)、重要度が「高」か否かを判定する(S704)。重要度が「高」である場合(S704:Yes)、対応する代表画面データの表示時間tを単位表示時間Tの3倍とし(S705)、ステップS709に進む。重要度が「高」でない場合(S704:No)、重要度が「中」か否かを判定する(S706)。重要度が「中」である場合(S706:Yes)、対応する代表画面データの表示時間tを単位表示時間Tの2倍とし(S707)、ステップS709に進む。
【0080】
重要度が「中」でない場合(S706:No)、対応する代表画面データの表示時間tを単位表示時間Tとし(S708)、算出した表示時間tで対応する代表画面データを表示する(S709)。そして、表示した代表画面データが最後の代表画面データである場合(S710:Yes)、ダイジェスト表示処理を終了する。表示した代表画面データが最後の代表画面データではない場合(S710:No)、次の代表画面データを選択して(S711)、ステップS704に示した処理を実行する。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0082】
上記説明から明らかなように、本発明のダイジェスト作成システムによれば、板書のダイジェストを自動的に作成して表示できるようになるため、板書の繰り返し利用が可能となり、休み時間や授業の導入時などに前回の授業のダイジェストを表示することによって、教師の手間が少なく、授業の導入や復習に役立てることができるようになると共に、重要画面を繰り返し表示することによって、生徒に学習内容を思い出させ、知識を定着させることができる。また、板書の経過を単なる時間の経過ではなく、意味的に整理された形で振り返ることが可能となり、学習の復習や会議のプロセス把握などの能率を高めることができる。
【0083】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0084】
図26は、縦書きタイプのブロック検出処理の他の例を示すフローチャートである。本図に示す処理は、板書が終了したか、またはページが切り替えられた後に、最新の画面データから順に最初の画面データへと時間的に遡る形でブロック検出を行う点が特徴である。最新の画面データはそのページの最終形であり、完成された板書である可能性が高いため、ブロック分割に関する多くの情報が含まれている。そこで最新の画面データを用いてブロック分割の前処理を行う。縦書きの場合は上部に記述される行が見出しの役割をしている可能性高いため、上部から開始する行を検出して見出しとし、その後に続く行はその見出しに従属するブロックであるとの考えに基づいている。
【0085】
まず、ブロック検出部124は、板書終了またはページ切り替えの発生を待ち(S800)、板書終了またはページ切り替えが発生すると(S800:Yes)、最新の画面データを読み込む(S801)。そして、行抽出処理により縦方向の行を抽出し(S802)、抽出した行毎に、当該行を囲む矩形領域上端の縦座標を抽出する(S803)。
【0086】
処理のイメージを図27に示す。行抽出処理は、画像認識の分野で広く用いられている技術であり、例えば、図27に示すように画面データ内の画素を縦方向に投影することにより、画素が投影されている部分を行として認識する。その他にも、画素成分を連結していき、行を抽出する方法などがある。
【0087】
次に、縦座標の位置でグループ化を行う(S804)。縦座標の値が近いもの同士でグループ化し、縦座標値が前後のグループと離れているグループから順に3つのグループに分け、上方に位置するグループから順に、「見出し1」、「見出し2」、「見出し3」とする。ステップS804のグループ分けの処理のイメージを図28に示す。
【0088】
次に、同じグループに属する隣り合う行の統合を繰り返し、統合できなくなった行をブロック化する(S805)。そして、「見出し3」と「見出し2」のブロックを統合し、「見出し3」のブロックとその右隣の「見出し2」をブロックに統合する(S806)。ステップS805と806の処理のイメージを図29に示す。
【0089】
その後、図30において後述する縦書きタイプの代表画面生成処理を実行して代表画面データを生成し(S807)、板書終了であれば(S808:Yes)、ブロック検出処理を終了し、板書終了でない場合は(s808:No)、ステップS800に戻って処理を続ける。
【0090】
図30は、縦書きタイプの代表画面生成処理の他の例を示すフローチャートである。まず、代表画面生成部125は、最新画面データを読み込み(S900)、最新画面データを代表画面データとして、代表画面番号およびタイプと共に代表画面格納部126に格納する(S901)。
【0091】
次に、処理ポインタnに画面データ数を代入する(S902)。そして、処理ポインタnが1の場合は(S903:Yes)、1番目の画面データであると判断して、この画面データを代表画面データとし、代表画面番号を1、オリジナル番号を1、タイプを縦書きとして画面データを代表画面格納部126に格納して終了する。
【0092】
本方式では代表画面データの作成を最新画面(最終画面)から行うため、代表画面格納部126の番号を連番で作成することができない。そこで、代表画面番号をオリジナル画面番号と同じにしておき、代表画面格納部126を番号順に処理する機能(ダイジェスト作成部など)においては、欠番の場合は処理を飛ばすか、あるいは代表画面データの作成順に番号を付けておき、番号順に昇順に処理する処理を降順に処理することで対応するようにする。
【0093】
処理ポインタnが1でない場合(S903:No)、n番目の画面データを処理中の画面データとし、画面データ格納部122からn−1番目の画面データを読み出し(S905)、n番目の画面データからn−1番目の画面データを差し引いて差分を算出する(S906)。差分がない場合(S907:No)、n番目の画面データとn−1番目の画面データが全く同一であるということであり、処理ポインタnを1つ進めて(S908)、ステップS903に戻る。
【0094】
差分がプラスの場合(S909:Yes)、n番目の画面データは、n−1番目の画面データに何かが書き加えられて生成されたということであり、差分部分のブロック内の画像が空となる画面(m)まで処理ポインタnを進めてn=mとし(S910)、n+1番目の画面データがあればn+1番目の画面データから差分部分のブロック画像を削除して代表画面とし、代表画面格納部126に格納して(S911)、ステップS903に戻る。
【0095】
この処理のイメージを図31に示す。オリジナル画面290〜293は、縦書きタイプのブロック検出処理によってブロック化されている。オリジナル画面290が最新の画面データであり、オリジナル画面293が図31に示されている中で最も古い画面データである。オリジナル画面290は、最新の画面データなので、ステップS901で代表画面データ296と判定され、オリジナル画面290とオリジナル画面291との差分がステップS905で計算される。図31に示す例では、差分はプラスとなるため、差分が含まれるブロック294の部分が空となるオリジナル画面293まで処理ポインタを進める。
【0096】
オリジナル画面293の次の画面データ(オリジナル画面292)が存在するため、オリジナル画面292からブロック295を削除した画像を代表画面データ297とする。ステップS911において、画面(n+1)から差分部分のブロックを削除することにより、差分部分のブロックが書き加えられる前の状態を代表画面データとすることができるようになる。
【0097】
差分がマイナスの場合(S912:Yes)、n番目の画面データは、n−1番目の画面データの一部が消去されているということであり、n番目の画面データを代表画面データとして代表画面格納部126に格納し(S913)、差分がマイナスとならない画面データまで処理ポインタnを進め(S914)、ステップS903に戻る。
【0098】
差分にプラスとマイナスが混在している場合(S915:Yes)、n番目の画面データは、n−1番目の画面データに何かが書き加えられると共に、一部分が消去されているということであると考えられ、差分がない部分を抽出して代表画面データとし(S916)、処理ポインタnを1つ進めて(S917)、ステップS903に戻り、処理ポインタnが1であれば最初の画面と判断し、これを代表画面として代表画面格納部126に格納して処理を終了する。
【0099】
なお、上記した実施形態では、ダイジェスト作成装置100は、ダイジェスト表示部113を有するが、他の形態として、ダイジェスト表示部113は、ダイジェスト作成装置100とは別の装置として構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイジェスト作成システム10の構成を例示するシステム構成図である。
【図2】画面データ格納部122に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図3】タイプ判別処理を例示するフローチャートである。
【図4】その他のタイプと判定される場合の板書例を例示する概念図である。
【図5】縦書きタイプと判定される場合の板書例を例示する概念図である。
【図6】横書きタイプと判定される場合の板書例を例示する概念図である。
【図7】タイプ判別処理の他の例を示すフローチャートである。
【図8】縦書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図9】縦書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図10】縦書きタイプの板書において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【図11】代表画面格納部126に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図12】横書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図13】横書きタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図14】横書きタイプの板書において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【図15】横書きタイプの板書において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【図16】横書きタイプの板書において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【図17】横書きタイプの板書において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【図18】横書きタイプの板書において生成された代表画面を例示する図である。
【図19】横書きタイプの板書において処理中の行がブロックに統合される過程を説明するための概念図である。
【図20】その他のタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図21】その他のタイプのブロック検出・代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図22】ダイジェスト作成処理を例示するフローチャートである。
【図23】ダイジェスト作成処理を例示するフローチャートである。
【図24】ダイジェスト構成データ格納部132に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図25】ダイジェスト表示処理を例示するフローチャートである。
【図26】他の形態における縦書きタイプのブロック検出処理を例示するフローチャートである。
【図27】行検出過程を説明するための概念図である。
【図28】見出しの割り当て過程を例示する概念図である。
【図29】ブロックの統合過程を例示する概念図である。
【図30】他の形態における縦書きタイプの代表画面生成処理を例示するフローチャートである。
【図31】他の形態において代表画面が生成される過程を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0101】
10・・・ダイジェスト作成システム、100・・・ダイジェスト作成装置、110・・・入力装置、111・・・表示装置、112・・・電子黒板制御部、113・・・ダイジェスト表示部、120・・・データ作成部、121・・・画面取込部、122・・・画面データ格納部、123・・・タイプ判別部、124・・・ブロック検出部、125・・・代表画面生成部、126・・・代表画面格納部、130・・・ダイジェスト作成部、131・・・重要度割当部、132・・・ダイジェスト構成データ格納部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置であって、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込手段と、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段と、
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段と、
前記板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成手段と、
前記代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当手段と、
それぞれの前記代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示手段と
を備えることを特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記画面取込手段は、前記板書の画面を一定の時間間隔で取り込むことを特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記タイプ判別手段は、
前記差分画面に含まれる描画領域を囲む矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値以上の場合に、前記板書をその他のタイプと判定し、
前記矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値未満の場合に、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値以上の場合に、前記板書を縦書きタイプと判定し、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値未満の場合に、前記板書を横書きタイプと判定することを特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記ブロック検出手段は、
前記板書が縦書きタイプと判定された場合に、縦方向の行を抽出し、前記差分画面内の最も左側の行について、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にない場合には、当該左側の行を当該右隣の行と同一のブロックと判定し、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にある場合には、当該左側の行を、当該右隣の行が属するブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書が横書きタイプと判定された場合に、横方向の行を抽出し、前回検出されたブロックと、今回の処理対象の行について、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書がその他のタイプと判定された場合に、縦書きタイプまたは横書きタイプと判定されるまで、前記タイプ判別手段に判別を繰り返させること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項5】
請求項4に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記ブロック検出手段は、前記板書が横書きタイプと判定された場合において、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、今回の処理対象の行の8割以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、今回の処理対象の行の8割未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定すること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記重要度割当手段は、
最初と最後の代表画面の重要度を高に設定し、最初と最後の代表画面以外の代表画面について、直前の代表画面との差分が所定値以上の場合に重要度を中に設定し、直前の代表画面との差分が所定値未満の場合に重要度を低に設定すること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項7】
請求項6に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記重要度割当手段は、さらに、
最初と最後の代表画面以外の代表画面について、所定の色が含まれている場合に、当該代表画面の重要度を高に設定すること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記重要度割当手段は、さらに、
最初と最後の代表画面以外の代表画面について、
縦書きタイプの板書の場合に、縦方向に所定の長さ以上の線分を検出した場合に、当該代表画面の重要度を高に設定し、
横書きタイプの板書の場合に、横方向に所定の長さ以上の線分を検出した場合に、当該代表画面の重要度を高に設定すること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記表示手段は、
重要度が低の代表画面の数と、重要度が中の代表画面の数に2を乗じた数と、重要度が高の代表画面の数に3を乗じた数とを合計した数で、予め定められたダイジェスト表示時間を割ることにより、重要度が低の代表画面1つあたりの表示時間である単位表示時間を算出し、重要度が低の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間とし、重要度が中の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間の2倍の時間とし、重要度が高の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間の3倍の時間とすること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項10】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置を制御するプログラムであって、
前記ダイジェスト作成装置を、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込手段、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段、
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段、
前記板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成手段、
前記代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当手段、および
それぞれの前記代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記画面取込手段は、前記板書の画面を一定の時間間隔で取り込むことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項10または11に記載のプログラムであって、
前記タイプ判別手段は、
前記差分画面に含まれる描画領域を囲む矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値以上の場合に、前記板書をその他のタイプと判定し、
前記矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値未満の場合に、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値以上の場合に、前記板書を縦書きタイプと判定し、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値未満の場合に、前記板書を横書きタイプと判定することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記ブロック検出手段は、
前記板書が縦書きタイプと判定された場合に、縦方向の行を抽出し、前記差分画面内の最も左側の行について、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にない場合には、当該左側の行を当該右隣の行と同一のブロックと判定し、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にある場合には、当該左側の行を、当該右隣の行が属するブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書が横書きタイプと判定された場合に、横方向の行を抽出し、前回検出されたブロックと、今回の処理対象の行について、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書がその他のタイプと判定された場合に、縦書きタイプまたは横書きタイプと判定されるまで、前記タイプ判別手段に判別を繰り返させること
を特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のダイジェスト作成装置であって、
前記ブロック検出手段は、前記板書が横書きタイプと判定された場合において、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、今回の処理対象の行の8割以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、今回の処理対象の行の8割未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定すること
を特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記重要度割当手段は、
最初と最後の代表画面の重要度を高に設定し、最初と最後の代表画面以外の代表画面について、直前の代表画面との差分が所定値以上の場合に重要度を中に設定し、直前の代表画面との差分が所定値未満の場合に重要度を低に設定すること
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記重要度割当手段は、さらに、
最初と最後の代表画面以外の代表画面について、所定の色が含まれている場合に、当該代表画面の重要度を高に設定すること
を特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のプログラムであって、
前記重要度割当手段は、さらに、
最初と最後の代表画面以外の代表画面について、
縦書きタイプの板書の場合に、縦方向に所定の長さ以上の線分を検出した場合に、当該代表画面の重要度を高に設定し、
横書きタイプの板書の場合に、横方向に所定の長さ以上の線分を検出した場合に、当該代表画面の重要度を高に設定すること
を特徴とするプログラム。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記表示手段は、
重要度が低の代表画面の数と、重要度が中の代表画面の数に2を乗じた数と、重要度が高の代表画面の数に3を乗じた数とを合計した数で、予め定められたダイジェスト表示時間を割ることにより、重要度が低の代表画面1つあたりの表示時間である単位表示時間を算出し、重要度が低の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間とし、重要度が中の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間の2倍の時間とし、重要度が高の代表画面の表示時間を、算出した単位表示時間の3倍の時間とすること
を特徴とするプログラム。
【請求項19】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置におけるダイジェスト作成方法であって、
前記ダイジェスト作成装置は、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込ステップと、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別ステップと、
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出ステップと、
前記板書画面内のブロックが完成する都度、未完成のブロックを削除した板書画面である代表画面を生成する代表画面生成ステップと、
前記代表画面内に含まれる画面に基づいて、当該代表画面に重要度を割り当てる重要度割当ステップと、
それぞれの前記代表画面を、割り当てられた重要度が高いものほど長く表示する表示ステップと
を実行することを特徴とするダイジェスト作成方法。
【請求項20】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置であって、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込手段と、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段と、
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段と
を備え、
前記タイプ判別手段は、
前記差分画面に含まれる描画領域を囲む矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値以上の場合に、前記板書をその他のタイプと判定し、
前記矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値未満の場合に、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値以上の場合に、前記板書を縦書きタイプと判定し、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値未満の場合に、前記板書を横書きタイプと判定し、
前記ブロック検出手段は、
前記板書が縦書きタイプと判定された場合に、縦方向の行を抽出し、前記差分画面内の最も左側の行について、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にない場合には、当該左側の行を当該右隣の行と同一のブロックと判定し、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にある場合には、当該左側の行を、当該右隣の行が属するブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書が横書きタイプと判定された場合に、横方向の行を抽出し、前回検出されたブロックと、今回の処理対象の行について、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書がその他のタイプと判定された場合に、縦書きタイプまたは横書きタイプと判定されるまで、前記タイプ判別手段に判別を繰り返させること
を特徴とするダイジェスト作成装置。
【請求項21】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置を制御するプログラムであって、
前記ダイジェスト作成装置を、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込手段、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別手段、および
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出手段
として機能させ、
前記タイプ判別手段は、
前記差分画面に含まれる描画領域を囲む矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値以上の場合に、前記板書をその他のタイプと判定し、
前記矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値未満の場合に、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値以上の場合に、前記板書を縦書きタイプと判定し、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値未満の場合に、前記板書を横書きタイプと判定し、
前記ブロック検出手段は、
前記板書が縦書きタイプと判定された場合に、縦方向の行を抽出し、前記差分画面内の最も左側の行について、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にない場合には、当該左側の行を当該右隣の行と同一のブロックと判定し、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にある場合には、当該左側の行を、当該右隣の行が属するブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書が横書きタイプと判定された場合に、横方向の行を抽出し、前回検出されたブロックと、今回の処理対象の行について、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書がその他のタイプと判定された場合に、縦書きタイプまたは横書きタイプと判定されるまで、前記タイプ判別手段に判別を繰り返させること
を特徴とするプログラム。
【請求項22】
板書のダイジェストを作成するダイジェスト作成装置におけるダイジェスト作成方法であって、
前記ダイジェスト作成装置は、
前記板書の画面を随時取り込む画面取込ステップと、
取り込まれた複数の板書画面において、隣り合う板書画面の差分画面に含まれる描画領域の大きさおよび形状に基づいて、前記板書を異なるタイプに判別するタイプ判別ステップと、
判別されたそれぞれのタイプ別に、前記板書内の図形のまとまりをブロック化するブロック検出ステップと
を実行し、
前記タイプ判別ステップにおいて、
前記差分画面に含まれる描画領域を囲む矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値以上の場合に、前記板書をその他のタイプと判定し、
前記矩形の縦または横のうち長い方の長さが所定値未満の場合に、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値以上の場合に、前記板書を縦書きタイプと判定し、
前記矩形の縦の長さを当該矩形の横の長さで割った値が所定値未満の場合に、前記板書を横書きタイプと判定し、
前記ブロック検出ステップにおいて、
前記板書が縦書きタイプと判定された場合に、縦方向の行を抽出し、前記差分画面内の最も左側の行について、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にない場合には、当該左側の行を当該右隣の行と同一のブロックと判定し、
当該左側の行の最上部の座標が、当該左側の行の右隣の行の最上部の座標よりも所定値以上上方にある場合には、当該左側の行を、当該右隣の行が属するブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書が横書きタイプと判定された場合に、横方向の行を抽出し、前回検出されたブロックと、今回の処理対象の行について、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値以上の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックに含めて新たなブロックと判定し、
前回検出されたブロックと今回の処理対象の行との横方向の重なりが、所定値未満の場合に、今回の処理対象の行を前回検出されたブロックとは異なる新たなブロックと判定し、
前記板書がその他のタイプと判定された場合に、縦書きタイプまたは横書きタイプと判定されるまで、前記タイプ判別手段に判別を繰り返させること
を特徴とするダイジェスト作成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−33393(P2008−33393A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202885(P2006−202885)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】