説明

ダイヤフラムポンプ

【課題】 ダイヤフラムポンプにおいて、部品点数の削減を図り、かつモータの組付け作業における自動組立の導入を容易にする。
【解決手段】 モータ2の外周面には、永久磁石6をヨーク3の所定の位置に取り付けるための突当部3aを押し込み加工により形成するときに同時に形成される複数個の凹部7が設けられている。モータ2をダイヤフラムホルダー20内に嵌入させ、ダイヤフラムホルダー20の軸線方向(矢印A方向)に押し込む。ダイヤフラムホルダー20を弾性変形させながら、凹部7をダイヤフラムホルダー20の突起20cに係合させることにより、モータ2がダイヤフラムホルダー20に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧計や家電製品等に流体を加圧または減圧するためのダイヤフラムポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のダイヤフラムポンプとしては、マウンターの底部に取り付けられたモータと、このモータのマウンター内に臨む出力軸に軸着されたクランクと、このクランクの出力軸から偏位した部位に傾斜した状態で一端部が固定された駆動軸と、この駆動軸の他端部に中央部が枢支され駆動軸の回転にともなって揺動する駆動子を有する駆動体と、この駆動体の駆動子に取り付けられポンプ室を形成するダイヤフラム部を有するダイヤフラムとを備え、モータの駆動によってクランクが回転し、駆動軸が傾斜方向を変えながら回転することにより、駆動子が揺動動作してポンプ室が拡縮することでポンプ作用を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4230761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来のダイヤフラムポンプにおいては、モータをマウンターの底部にねじによって固定する構造であるため、固定するためのねじが必要になり部品点数を削減することができないという問題があった。また、ねじ止めによってモータをマウンターに固定するため、固定作業の自動化を導入することが難しいといった問題もある。
【0005】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、部品点数の削減を図り、かつ組付け作業時における自動組立の導入を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、駆動源としてのモータと、このモータの出力軸と一体的に回転するクランクと、このクランクの回転にともなって往復動する駆動子を有する駆動体と、この駆動体の駆動子の往復動によって拡縮するポンプ室を形成するダイヤフラムと、前記ポンプ室に流体を吸入するための吸入通路と、前記ポンプ室内の流体を吐出するための吐出通路と、前記吸入通路に設けられ前記ポンプ室から吸入通路への流体の逆流を規制する吸入用弁体と、前記吐出通路に設けられ吐出通路から前記ポンプ室への流体の逆流を規制する吐出用弁体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラムを保持する筒状の弾性変形可能なダイヤフラムホルダーを備え、このダイヤフラムホルダーに、モータの外周部に形成された凹部と係合する突起を設けたものである。
【0007】
本発明は、前記発明において、前記ダイヤフラムホルダーに、前記ダイヤフラムホルダーの突起に前記モータの凹部が係合するときに前記モータの天井部が突き当たる突当面を設けたものである。
【0008】
本発明は、前記発明のうちのいずれかの発明において、前記モータは、筒状のヨークと、このヨークの内面に取り付けられた永久磁石と、この永久磁石に囲まれ前記出力軸に軸着されたロータとを備え、前記凹部は、前記ヨークに前記永久磁石を圧入するとき、当該永久磁石を所定の位置に係止する突当部を設けるために形成される凹部であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モータをダイヤフラムホルダー内に嵌入させ、ダイヤフラムホルダーを弾性変形させながら突起を凹部に係合させることにより、モータをダイヤフラムホルダーに取り付けることができるため、モータをダイヤフラムホルダーに取り付けるためのねじが不要になるとともに、モータを取り付けるためのマウンターも不要になるので部品点数が削減される。また、モータをダイヤフラムホルダーの筒部内に嵌入させた状態で、モータをダイヤフラムホルダーの軸線方向に沿って略直線状に移動させることにより、モータをダイヤフラムホルダーに取り付けることができるため、組付け作業時における自動組立の導入が容易になる。
【0010】
前記発明のうちの一つの発明によれば、モータをダイヤフラムホルダー内に嵌入させ、モータの天井部がダイヤフラムホルダーの係止面に係止されると突起に凹部が係合するので、モータの取付けが確実かつ容易になり、かつ組付け作業時における自動組立の導入が容易になる。
【0011】
前記発明のうちの一つの発明によれば、ヨークに永久磁石を取り付けるときに当該永久磁石を係止する突当部を形成するのと同時に形成される凹部を利用するため、新たにモータに凹部を形成するための作業が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本願発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。
【図2】本願発明に係るダイヤフラムポンプにおけるモータの断面図である。
【図3】本願発明に係るダイヤフラムポンプにおけるダイヤフラムホルダーの断面図である。
【図4】本願の第2の実施の形態に係るダイヤフラムポンプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、説明の便宜上図中における方向をいうものであって、本発明に係るダイヤフラムポンプを実際に使用する際の上・下とは必ずしも一致するものではない。
〔実施の形態1〕
【0014】
先ず、図1〜図3を用いて本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に全体を符号1で示すダイヤフラムポンプは、駆動源としてのモータ2を備えている。モータ2は、図2に示すように下方が開口したキャップ状のヨーク3と、ヨーク3の開口を閉塞する底板4とによって形成されたモータハウジング5を備えている。ヨーク3の筒部の上部の外周面には、押し込み加工によってヨーク3の内側に向かって突当部3aを突設するとき、同時に形成される凹部7が円周方向に複数個設けられている。これら複数個の凹部7は矢印A方向の位置(図中高さ方向の位置)が互いに同一の位置に位置付けられている。6はヨーク3の内周面に取り付けられた永久磁石であって、ヨーク3に下方から圧入され上端面6aが突当部3aに係止されることによりヨーク3の所定の位置に取り付けられる。
【0015】
8は出力軸であって、ヨーク3の天井部3bの中央部に設けた開口に固定された軸受9と、底板4の中央部に固定された軸受10とによって回転自在に支持されている。底板4の中央部には、軸受10の軸受孔を閉塞し出力軸8の非駆動端8aを係止するスラスト受け4aが設けられており、出力軸8の駆動端部8bが軸受9から上方に向かって突出している。出力軸8の中央部には、外周面が永久磁石6に対して一定の間隔をおいて対向するロータ12が軸着されており、ロータ12の下方には整流子13が軸着されている。
【0016】
図1において、15は略円柱状に形成されたクランクであって、中央部にモータ2の出力軸8の駆動端部8bが固定され、出力軸8と一体的に回転する。16は駆動軸であって、下端部がクランク15の駆動端部8bが取り付けられた部位から偏心した部位に傾斜した状態で取り付けられている。
【0017】
17は中央部に非貫通穴17aが設けられた駆動体であって、上端部に平面視における円周方向に互いに等角度(120°)をおいて、非貫通穴17aと直交する方向に突設された三つの駆動子17b(二つの駆動子17bは図示せず)が一体に設けられている。これら駆動子17bは揺動端部側に向かっていずれも同じ角度だけ下方にわずかに傾斜するように形成され、各揺動端部にはダイヤフラム部取付孔17cが設けられている。
【0018】
この駆動体17は、非貫通穴17aに駆動軸17の上部が嵌挿されることにより、この駆動軸16に回転自在に枢支されており、モータ2を駆動させることによりクランク15を回転させると、駆動軸16が傾斜方向を変えながら回転し、この駆動軸16を介して三つの駆動子17bの揺動端部が順次上下方向に揺動する。
【0019】
20は樹脂によって下方が開口し逆有底円筒状に形成されたダイヤフラムホルダーであって、図3に示すように天井部に円筒状に形成された三つの保持筒20a(二つの保持筒20aは図示せず)が円周方向に互いに等角度(120°)をおいて一体に設けられている。このダイヤフラムホルダー20の円筒部20bの内径は、モータ2の外径よりもわずかに大きく形成されている。
【0020】
また、このダイヤフラムホルダー20の円筒部20bの下部側の内周面には、上述したモータ2の凹部7に係合する突起20cが円筒部20bの径の中心方向(半径方向)に向かって複数個突設されている。このダイヤフラムホルダー20は、後述するようにモータ2を嵌入させ、突起20cに凹部7を係合させる際に弾性変形する。
【0021】
図1において、21はゴム等の柔軟性を有する材料によって略円板状に形成されたダイヤフラムであって、薄肉状に形成された三つのダイヤフラム部21aが円周方向に互いに等角度(120°)をおいて設けられている。このダイヤフラム部21a(二つのダイヤフラム部21aは図示せず)の下部にはピストン部21bが一体に設けられ、ピストン部21bの下端には細径部21cが一体に設けられている。
【0022】
22は略円板状に形成されたバルブホルダーであって、外周縁に円筒部22aが一体に立設され、この円筒部22aの内周縁には、吸入通路としての三組の吸入孔22b(二組の吸入孔22bは図示せず)が円周方向に互いに等角度(120°)をおいて形成されている。また、このバルブホルダー22の中央部には、係合凸部22cが一体に立設されており、この係合凸部22cの周りには、吐出通路としての三組の吐出孔22d(二組の吐出孔22dは図示せず)が円周方向に互いに等角度(120°)をおいて設けられているとともに、仕切壁22eが円筒部22aと同心円上に一体に立設されている。
【0023】
図1において、23はバルブホルダー22に取り付けられ吸入孔22bを開閉するアンブレラ状に形成された吸入用弁体であって、後述するポンプ室26から吸入孔22bへの流体の逆流を規制する。24は係合凸部22cに取り付けられ吐出孔22dを開閉するハット状に形成された吐出用弁体であって、後述する吐出口25cからポンプ室26への流体の逆流を規制する。
【0024】
25は逆有底円筒状に形成された蓋体であって、外周縁に円筒部25aが下方に向かって一体に突設され、中央部に円筒部25aと同心円上の平面視リング状の仕切壁25bが下方に向かって一体に突設されている。この蓋体25の天井部の中央部には、吐出口25cが形成された吐出用筒部25dが一体に立設されており、天井部の周縁の一部には、吸入口25eが形成された吸入用筒部25fが一体に立設されている。
【0025】
次に、このように構成されたダイヤフラムポンプの組立方法について説明する。図1において、予め、バルブホルダー22に吸入用弁体23を取り付けるとともに、係合凸部22cに吐出用弁体24を取り付け、バルブホルダー22に蓋体25を重ねて溶着等により密閉し、バルブホルダー組立体30を形成する。この状態で、互いの円筒部22a,25aが対向するとともに、互いの仕切壁22e,25bが対接し、吸入孔22bと吸入口25eとが連通され、吐出孔22dと吐出口25cとが連通される。
【0026】
次いで、ダイヤフラム21のダイヤフラム部21aのそれぞれをダイヤフラムホルダー20の各保持筒20a内に挿入して、ダイヤフラム21をダイヤフラムホルダー20上に載置する。この状態で、各ピストン部21bの細径部21cを駆動体17の各駆動子17bの取付孔17cに取り付けることにより、駆動体17とダイヤフラム21がダイヤフラムホルダー20に組み付けられる。
【0027】
次いで、クランク15に駆動軸16の下部を固定し、このクランク15をモータ2の出力軸8の駆動端部8bに軸着する。この状態で、モータ2をダイヤフラムホルダー20の下方から嵌入させ、モータ2をダイヤフラムホルダー20の軸線方向(矢印A方向)に移動させるように圧入させて押し込み、ダイヤフラムホルダー20を弾性変形させながら、ダイヤフラムホルダー20の突起20cにモータ2の凹部7を係合させる。この係合によって、クランク15がダイヤフラムホルダー20内に臨むように、モータ2がダイヤフラムホルダー20に取り付けられる。同時に、駆動軸16の上部を駆動体17の非貫通穴17a内に嵌挿させることにより、ダイヤフラムホルダー組立体31が形成される。
【0028】
このダイヤフラムホルダー組立体31にバルブホルダー組立体30を重ね、ポンプ組立体32を形成し、ダイヤフラムホルダー20、ダイヤフラム21、バルブホルダー22および蓋体25を積層状態として図示を省略したばねによって一体化することによりダイヤフラムポンプ1が形成される。この状態で、バルブホルダー22とダイヤフラム21の各ダイヤフラム部21aとによって、三つのポンプ室26(二つのポンプ室26は図示せず)が形成され、各ポンプ室26にバルブホルダー22の三組の吐出孔22dおよび三組の吸入孔22bのそれぞれが対応する。
【0029】
このように、モータ2をダイヤフラムホルダー20に取り付けるのに、従来必要としていたねじが不要になるとともに、モータ2を取り付けるためのマウンターも不要になるので部品点数が削減される。また、モータ2をダイヤフラムホルダー20内に嵌入させた状態で、モータ2をダイヤフラムホルダー20の軸線方向に沿って略直線状に移動させることにより、モータ2をダイヤフラムホルダー20に取り付けることができるため、モータ2の組付け作業時における自動組立の導入が容易になる。また、ヨーク3に永久磁石6を取り付けるとき、当該永久磁石6を係止する突当部3aを設けるために形成される凹部7を利用するため、新たにモータ2に凹部を形成するための作業が不要になる。
【0030】
次に、このように構成されたダイヤフラムポンプ1におけるポンプ作用について説明する。モータ2を駆動し、出力軸8を介してクランク15を回転させると、駆動体17の三つの駆動子17bのそれぞれの揺動端部が順次上下方向に揺動する。一つ目の駆動子17bの揺動端部が下方に移動すると、ピストン部21bを介して一つ目のポンプ室26が拡張するので、そのポンプ室26内のエアーが負圧状態になる。
【0031】
したがって、吸入用弁体23による吸入孔22bの閉塞が解除され吸入孔22bが開放される。この状態で、外部の大気から蓋体25の吸入口25eを通って吸入されたエアーは、一つ目のポンプ室26内に流入する。
【0032】
次に、拡張した一つ目のポンプ室26の駆動子17bの揺動端部が上方に移動すると、一つ目のポンプ室26は収縮するから、一つ目のポンプ室26内のエアーの圧力が高くなり、吐出用弁体24による吐出孔22dの閉塞が解除され吐出孔22dが開放されるから、一つ目のポンプ室26内のエアーは吐出孔22dから吐出口25cを通って、エアーチューブ等に接続された加圧対象物(いずれも図示せず)に供給される。
【0033】
さらに、出力軸8を介してクランク15が回転し、二つ目の駆動子17bの揺動端部が下方に移動することにより二つ目のポンプ室26が拡張するので、そのポンプ室26内のエアーが負圧状態になる。したがって、外部の大気から蓋体25の吸入口25eを通って吸入されたエアーは、拡張した二つ目のポンプ室26内に流入する。
【0034】
次に、拡張した二つ目のポンプ室26の駆動子17bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室26は収縮するから、ポンプ室26内のエアーの圧力が高くなり、吐出用弁体24による吐出孔22dの閉塞が解除され吐出孔22dが開放されるから、二つ目のポンプ室26内のエアーは吐出孔22dから吐出口25cを通って、エアーチューブ等に接続された加圧対象物に供給される。
【0035】
さらに、出力軸8を介してクランク15が回転し、三つ目の駆動子17bの揺動端部が下方に移動することにより三つ目のポンプ室26が拡張するので、そのポンプ室26内のエアーが負圧状態になる。したがって、外部の大気から蓋体25の吸入口25eを通って吸入されたエアーは、拡張した三つ目のポンプ室26内に流入する。
【0036】
次に、拡張した三つ目のポンプ室26の駆動子17bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室26は収縮するから、ポンプ室26内のエアーの圧力が高くなり、吐出用弁体24による吐出孔22dの閉塞が解除され吐出孔22dが開放されるから、三つ目のポンプ室26内のエアーは吐出孔22dから吐出口25cを通って、エアーチューブ等に接続された加圧対象物に供給される。このように、三つのポンプ室26が順次拡縮動作をするので、吐出口25cから加圧対象物に対して脈動流の少ないエアーが連続的に供給される。
〔実施の形態2〕
【0037】
次に、図4を用いて本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態が上述した第1の実施の形態と異なる点は、ダイヤフラムホルダー20の天井部20dの周縁部に、有底円筒状の突当体20eを下方に向かって一体に突設している点にある。この突当体20eの底部20fの下面は、モータ2を下方からダイヤフラムホルダー20内に嵌入させ、モータ2をダイヤフラムホルダー20の軸線方向(矢印A方向)に移動させるように押し込み、ダイヤフラムホルダー20を弾性変形させながら、ダイヤフラムホルダー20の突起20cにモータ2の凹部7を係合させると、モータ2の天井部3bが突き当たる突当面20gとして機能する。
【0038】
したがって、ダイヤフラムホルダー20の下方側から嵌入されたモータ2は、天井部3bが突当面20gに突き当たると、モータ2の凹部7にダイヤフラムホルダー20の突起20cが係合する。このため、ダイヤフラムホルダー20へのモータ2の取付作業が確実かつ容易になるとともに、組付け作業時における自動組立の導入が容易になる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ポンプ室26を三つ備えた、いわゆる三気筒の例を挙げたが、二気筒以下または四気筒以上のダイヤフラムポンプに適用できることは勿論である。また、吸入用弁体23および吐出用弁体24をダイヤフラム21と別体に設けた例を説明したが、ダイヤフラム21に一体に形成されたものでもよい。また、ダイヤフラムホルダー20は円筒状に形成したが、モータ2の平面視における形状に対応させて楕円筒状であったり、角筒状としてもよく、要はモータ2がモータ保持部16またはマウンター15に嵌入する形状であればよい。また、本実施の形態においては、ダイヤフラムホルダー20の突起20cに係合する凹部7を、ヨーク3に永久磁石6を取り付けるとき、当該永久磁石6を係止する突当部3aを設けるために形成される凹部を利用したが、これに限定されずヨーク3に形成される他の凹部を利用してもよいことは勿論である。さらに、本実施の形態においては、駆動軸16の一端部がクランク15に固定され、他端部が駆動体17の非貫通穴17aに枢支された構造としているが、駆動軸の一端部をクランクに枢支し、他端部を駆動体に固定した構造としてもいいし、駆動軸の中央部を駆動体に固定し、上下端をダイヤフラムホルダーとクランクとのそれぞれに枢支する構造としてもいいし、駆動軸自体を駆動体と一体形成したものでもよく、種々の設計変更が可能であり、要はクランクの回転にともなって往復動する駆動子を有する駆動体と、駆動子の往復動によって拡縮するポンプ室を形成するダイヤフラムとが備えられていればよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ダイヤフラムポンプ、2…モータ、3…ヨーク、3a…突当部、3b…天井部、6…永久磁石、7…凹部、8…出力軸、12…ロータ、15…クランク、16…駆動軸、17…駆動体、17b…駆動子、20…ダイヤフラムホルダー、20b…円筒部、20c…突起、20e…突当体、20g…突当面、21…ダイヤフラム、21a…ダイヤフラム部、22…バルブホルダー、23…吸入用弁体、24…吐出用弁体、25…蓋体、26…ポンプ室、30…バルブホルダー組立体、31…ダイヤフラムホルダー組立体、32…ポンプ組立体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源としてのモータと、このモータの出力軸と一体的に回転するクランクと、このクランクの回転にともなって往復動する駆動子を有する駆動体と、この駆動体の駆動子の往復動によって拡縮するポンプ室を形成するダイヤフラムと、前記ポンプ室に流体を吸入するための吸入通路と、前記ポンプ室内の流体を吐出するための吐出通路と、前記吸入通路に設けられ前記ポンプ室から吸入通路への流体の逆流を規制する吸入用弁体と、前記吐出通路に設けられ吐出通路から前記ポンプ室への流体の逆流を規制する吐出用弁体とを備えたダイヤフラムポンプにおいて、
前記ダイヤフラムを保持する筒状の弾性変形可能なダイヤフラムホルダーを備え、このダイヤフラムホルダーに、モータの外周部に形成された凹部と係合する突起を設けたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
前記ダイヤフラムホルダーに、前記ダイヤフラムホルダーの突起に前記モータの凹部が係合するときに前記モータの天井部が突き当たる突当面を設けたことを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムポンプ。
【請求項3】
前記モータは、筒状のヨークと、このヨークの内面に取り付けられた永久磁石と、この永久磁石に囲まれ前記出力軸に軸着されたロータとを備え、
前記凹部は、前記ヨークに前記永久磁石を圧入するとき、当該永久磁石を所定の位置に係止する突当部を設けるために形成される凹部であることを特徴とする請求項1または2記載のダイヤフラムポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−36350(P2013−36350A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170731(P2011−170731)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000121833)応研精工株式会社 (31)
【Fターム(参考)】