説明

チエノピリミジン化合物類および組成物

式(I)の化合物はA2B 受容体 アンタゴニストであり:


式中、R1およびR2は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;あるいはR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;R3およびR4は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;あるいはR3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;R5およびR6は、水素またはC1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキル、−NHR7、−N(-R8)-R9、−NH-(C=O)-R10、−(C=O)-NH-R11、−(C=O)-O-R12もしくはハロから独立して選択され;そしてR7、R8、R9、R10、R11およびR12は、C1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキルおよびヘテロアリールから独立して選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A2B受容体アンタゴニスト作用を有する新規なチエノピリミジン誘導体類、痛覚、喘息、COPD、炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症および癌のようなA2B受容体の拮抗作用に応答する疾患の治療に関する医薬におけるそのような化合物類の使用、およびそのような化合物類を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
アデノシンは天然に存在するプリンヌクレオシドであり、その効果は、求心性痛覚、気管支拡張、免疫抑制、血管拡張、血小板凝集阻害、心臓抑制および神経伝達物質放出抑制の刺激を含む。
【0003】
アデノシンは、G-蛋白質共役型受容体ファミリーのメンバーである特定細胞表面受容体の活性化により媒介される幅広い薬理効果を生じる。アデノシ受容体の4つのサブタイプが確認され、A1、A2A、A2BおよびA3と称された。
【0004】
A2Bアデノシン受容体サブタイプは、Gs G-蛋白質に結合し、アデニルシクラーゼ活性を刺激する。A2Bアデノシン受容体の分子薬理学および生理学の理解において顕著な進歩がなされたが、この受容体サブタイプに対する高い効力および選択的リガンドの欠如により、A2B受容体の病態生理学的役割についての多くの疑問が、いまだに解明されていない(Feoktistov and Biaggioni、Pharmacological Reviews (1997)、49(4)、381-402)。
【0005】
A2B 受容体は:
(i) 肥満細胞分泌の調節(Feoktistov and Biaggioni.、Journal of Clinical Investigation (1995)、96(4)、1979-86);
(ii) 疼痛(Abo-Salemら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (2004)、308(1)、358-366.);
(iii) 炎症(Yangら、Journal of Clinical Investigation (2006)、116(7)、1913-1923);
(iv) 癌(Zengら、Drug Development Research (2003)、58(4)、405-411);
【0006】
(v) 糖尿病(Haradaら、Journal of Medicinal Chemistry (2001)、44(2)、170-179);
(vi) 遺伝子発現(Boyleら、Arthritis & Rheumatism (1996)、39(6)、923-930);
(vii) 細胞増殖(Dubeyら、Hypertension (1996)、27(3 Pt 2)、786-93 Hypertension (1996)、27(3 Pt 2)、786-93、Dubeyら、Hypertension (1998)、31(1 Pt 2)、516-21);
(viii) 腸機能(Murthyら、Journal of Neurochemistry (1995)、64(1)、77-84);
【0007】
(ix) 神経分泌(Mateoら、1995);
(x) 血管緊張(Haynesら、American Journal of Physiology (1995)、268(5、Pt. 2)、H1862-H1868);
(xi) 喘息 (Feoktistovら、Trends in pharmacological sciences (1998)、19(4)、148-153;Holgate、British Journal of Pharmacology (2005)、145(8)、1009-1015);
(xii) COPD (Van den Bergeら、Drugs in R&D (2007)、8(1)、13-23);
に関わる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、医薬品としての使用に適するようにする薬物動態学および薬理学的特性を有する低分子量のA2Bアンタゴニストに対する医学的必要性が残っている。また、A2B受容体により媒介される疾患、特に痛覚、喘息、COPD、炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症および癌の治療に対する医学的必要性も残っている。本発明の目的は、そのような医薬品および治療を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特定のチエノピリミジン誘導体類が、選択的A2Bアンタゴニストとして有効性を示すことを今ここに見出した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の簡単な説明
本発明は、例えば、痛覚、喘息、COPD、炎症性疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症および癌の治療のための選択的A2Bアンタゴニストとして有用な置換されているチエノピリミジン化合物類の種類に関している。アミノ基に加えて、ピリミジン部分にアミド基による置換基を有する、核であるチエノ-ピリジン二環式環は、本発明が関する化合物を本質的に特徴付ける特性である。
【0011】
本発明の詳細な説明
本発明によれば、式(I):
【化1】

[式中、
1およびR2は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;
【0012】
あるいはR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;
3およびR4は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;
あるいはR3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;
【0013】
5およびR6は、水素またはC1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキル、−NHR7、−N(-R8)-R9、−NH-(C=O)-R10、−(C=O)-NH-R11、−(C=O)-O-R12もしくはハロから独立して選択され;そして
7、R8、R9、R10、R11およびR12は、C1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキルおよびヘテロアリールから独立して選択される]
の化合物またはその医薬的に許容な塩、水和物もしくは溶媒和物が提供される。
【0014】
式(I)の活性化合物は、A2B受容体のアンタゴニストであり、A2B受容体により媒介される障害の治療、予防および抑制に有用である。そのような障害は、痛覚; 喘息; 慢性閉塞性肺疾患(COPD); リウマチ性関節炎、多発性硬化症、狼瘡、乾癬および炎症性腸疾患のような炎症性疾患;真性糖尿病または尿崩症; 糖尿病性網膜症および癌を含む。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、アデノシンA2B受容体により媒介される障害の治療用医薬品の製造における式(I)の化合物、またはその医薬的に許容な塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容な塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグの有効量の、そのような治療を必要としている患者への投与を含む、A2B受容体により媒介される障害の治療方法が提供される。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容な塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグおよび医薬的に許容な担持体を含む医薬組成物が提供される。
【0018】
本明細書で用いられているように、aおよびbが整数である用語「(Ca-Cb)アルキル」は、炭素原子a〜bを有する直鎖または分枝鎖状アルキル基を指す。したがって、aが1でありbが6である場合、例えば、該用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルを含む。
【0019】
本明細書で用いられているように、aおよびbが整数である用語「2価の(Ca-Cb)アルキレン基」は、炭素原子a〜bおよび2つの満たされていない原子価を有する飽和の炭化水素鎖を指す。
【0020】
本明細書で用いられているように、aおよびbが整数である用語「(Ca-Cb)アルケニル」は、当てはまる場合、EまたはZ立体化学のどちらかの少なくとも1つの二重結合を有し、炭素原子a〜bを有する直鎖または分枝鎖状のアルケニル部分を指す。該用語は、例えば、ビニル、アリル、1-および2-ブテニルならびに2-メチル-2-プロペニルを含む。
【0021】
本明細書で用いられているように、用語「2価の(Ca-Cb)アルケニレン基」は、炭素原子a〜b、少なくとも1つの二重結合および2つの満たされていない原子価を有する炭化水素鎖を指す。
【0022】
本明細書で用いられているように、用語「シクロアルキル」は、炭素原子3-8を有する飽和の炭素環式基を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。
【0023】
本明細書で用いられているように、用語「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含み炭素原子3-8を有する炭素環式基を指し、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルを含む。
【0024】
本明細書で用いられているように、用語「炭素環式」は、環原子が全て炭素である単環式または二環式基を指し、単環式アリール、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基を含むが、但し、8員環以上を有する単環は存在しない。「炭素環式」基は、単架橋しているか、または複架橋している環状アルキル基を含む。
本明細書で用いられているように、用語「アリール」は、単環式、2環式または3環式炭素環式芳香族基を指す。そのような基の例は、フェニル、ビフェニルおよびナフチルである。
【0025】
本明細書で用いられているように、用語「ヘテロアリール」は、S、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む単環式、2環式または3環式芳香族基を指す。そのような基の例は、チエニル、ベンズチエニル、フリル、ベンズフリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンズチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、ベンズトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリルおよびインダゾリルである。
【0026】
本明細書で用いられているように、非限定的な用語「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」または「ヘテロ環式」は、上記で定義したとおりの「ヘテロアリール」を含み、特に、S、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む単環式、2環式または3環式非芳香族基;もう1つのそのような基または単環式炭素環式基に共有結合しているそのようなヘテロ原子を1以上含む単環式非芳香族基からなる基;およびS、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含み、単架橋しているか、または複架橋している単環式、2環式または3環式非芳香族基を指す。
【0027】
そのような基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピペリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホリニル、ピペラジニル、インドリル、モルホリニル、ベンズフラニル、ピラニル、イソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、マレイミドおよびスクシンイミド基である。
【0028】
それが現れる文脈において他に特に規定がない限り、本明細書中のいずれかの部分で適用されている用語「置換されている」は、例えば(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、メルカプト、メルカプト(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルチオ、(フッ素および塩素を含む)ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、二トリル (-CN)、オキソ、フェニル、−COOH、−COORA、−CORA、−SO2RA、−CONH2、−SO2NH2、−CONHRA、−SO2NHRA、−CONRARB、−SO2NRARB、−NH2、−NHRA、−NRARB、-OCONH2、-OCONHRA 、-OCONRARB、−NHCORA
【0029】
−NHCOORA、−NRBCOORA、−NHSO2ORA、−NRBSO2ORA、−NHCONH2、−NRACONH2、−NHCONHRB、−NRACONHRB、−NHCONRARBまたは-NRACONRARB(ここで、RAおよびRB は、独立して(C1-C6)アルキル基であるか、またはRAおよびRBが同一の窒素に結合している場合には、モルホリニル、ピペリジニルまたはピペラジニル環のような環状アミノ環を形成できる)から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていることを意味する。「任意の置換基」または「置換基」は、前記の置換基の1つであり得る。
【0030】
本明細書で用いられているように、用語「塩」は、塩基添加塩、酸添加塩および第4級塩を含む。酸性である本発明の化合物類は塩類を形成でき、水酸化アルカリ金属類、例えば、水酸化ナトリウムおよびカリウム;水酸化アルカリ土類金属類、例えば、水酸化カルシウム、バリウムおよびマグネシウムのような塩基との;例えばN-エチルピペリジン、ジベンジルアミンなどの有機塩基との、医薬的または獣医薬的に許容な塩を含む。
【0031】
塩基であるそれらの化合物(I)は塩を形成でき、例えば塩化水素または臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの無機酸と、および例えば酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機酸との、医薬的または獣医薬的に許容な塩を含む。
【0032】
好適な塩についてのレビューは、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties、Selection、and Use by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたし。
【0033】
用語「溶媒和物」は、本発明の例えばエタノールのような、1以上の医薬的に許容な溶媒分子の化学量論量を含む分子複合体を説明するために、本明細書中で用いられている。用語「水和物」は、該溶媒が水の場合に用いられる。
【0034】
本発明の化合物は、不斉原子または回転制限の存在のために、1以上の立体異性体で存在し得、各キラル中心におけるRもしくはS立体化学を有するいくつかの立体異性体としてか、または各キラル軸におけるRもしくはS立体化学を有するアトロプ異性体として存在し得る。本発明は、全てのそのような光学異性体およびジアステレオ異性体ならびにそれらの混合物を含む。
【0035】
式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」はまた、本発明の範囲内でもある。したがって、それ自身が僅かな薬理活性を有し得るか、または薬理活性を有し得ない式(I)の化合物類の特定の誘導体類は、体内または体表面に投与された場合に、例えば加水分解により、所望の活性を有する式(I)の化合物に変換され得る。そのような誘導体類は、「プロドラッグ類」と称される。プロドラッグの使用に対するさらなるインフォメーションは、Pro-drugs as Novel Delivery Systems、Vol. 14、ACS Symposium Series (T. HiguchiおよびW. Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design、Pergamon Press、1987 (E. B. Roche編、American Pharmaceutical Association)に見出され得る。
【0036】
本発明によるプロドラッグ類は、例えば、式(I)の化合物類に存在する好適な官能性を、例えばDesign of Prodrugs by H. Bundgaard (Elsevier、1985)に記載されているように「前駆部分」として当業者に公知の特定の部分で置き換えることにより製造され得る。
【0037】
また、式(I)の化合物類の代謝物、すなわち、該薬物の投与に対してインビボで形成された化合物類も本発明の範囲内に含まれる。代謝物のいくつかの例は:
(i) 式(I)の化合物が、メチル基、そのヒドロキシメチル誘導体(-CH3 -> -CH2OH)を含むもの;
(ii) 式(I)の化合物が、アルコキシ基、そのヒドロキシ誘導体(-OR -> -OH)を含むもの;
(iii) 式(I)の化合物が、第3級アミノ基、その第2級アミノ誘導体(-NR1R2 -> -NHR1もしくは-NHR2)を含むもの;
【0038】
(iv) 式(I)の化合物が、第2級アミノ基、その第1級誘導体(-NHR1 -> -NH2)を含むもの;
(v) 式(I)の化合物が、フェニル部分、そのフェノール誘導体(-Ph -> -PhOH)を含むもの;および
(vi) 式(I)の化合物が、アミド基、そのカルボン酸誘導体(-CONH2 -> COOH)を含むもの
を含む。
【0039】
基−N(R1)-R2
本発明による化合物類において、R1およびR2は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択される。
【0040】
本発明が関する化合物類の1つのサブクラスにおいて、R1およびR2は、水素、C1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキルまたはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択される。
【0041】
本発明が関する化合物類のさらなるサブクラスにおいて、R1は水素であり、そしてR2は、水素、C1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキルまたはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから選択される。そのようなケ−スにおいて、R2は水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシ-エチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、2-フェニル-エチルまたはピリド-3-イル-メチルであり得る。
【0042】
今のところR1は水素であり、そしてR2は、C1-C6アルキルまたはC3-C8シクロアルキルから選択されるものが好ましい。
特に好ましいのは、R1は水素であり、そしてR2は、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロプロピルである化合物である。
【0043】
本発明が関する化合物類のその他のサブクラスにおいて、R1およびR2 は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成する。
【0044】
好ましい化合物は、R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって任意に置換されているピロリジンまたはピペリジン環を形成ししているものである。
特に好ましいのは、R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン-1-イルまたはピペリジン-1-イルを形成ししている化合物である。
【0045】
基−N(R3)-R4
本発明による化合物類において、R3およびR4は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択される。
【0046】
本発明が関する化合物類の1つのサブクラスにおいて、R3およびR4は、水素またはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択される。
本発明が関する化合物類のさらなるサブクラスにおいて、R3は水素であり、そしてR4はヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである。そのようなケ−スにおいて、R4は、任意に置換されている5-または6-員のヘテロアリール環により置換されているメチル-またはエチル-を含む。
【0047】
好ましい化合物は、R3は水素であり、そしてR4は、ピリジルにより置換されているC1-C6アルキルを含む。
今のところ特に好ましいものは、R3は水素であり、そしてR4はピリド-3-イルメチルまたは1-(ピリド-3-イル)エチルである化合物である。
本発明が関する化合物類のその他のサブクラスにおいて、R3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成する。
【0048】
基 R5およびR6
本発明による化合物類において、R5およびR6は、水素、C1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキル、−NHR7、−N(-R8)-R9、−NH-(C=O)-R10、−(C=O)-NH-R11、−(C=O)-O-R12、またはハロ;ここで、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、C1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキルおよびヘテロアリールから独立して選択される)から独立して選択される。
今のところ好ましいのは、R5およびR6の両方が水素である。
【0049】
本発明が関する特定の化合物類は、実施例のものを含む。
本発明は、ヒトまたは動物の被験者、より好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトである患者に使用され得る。
【0050】
本明細書で用いられているように、本明細書で用いられている用語「治療」は予防的治療を含む。
式(I)の化合物は、上記の障害の治療に有益な1以上の追加的な薬物との組み合わせで用いることができ、該成分は、同時または逐次投与用の同一製剤または分離製剤中に在る。
【0051】
任意の特定の患者についての具体的な用量レベルが、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食餌、投与の時間、投与経路、排出経路、薬物の組み合わせ及び原因の機構並びに療法を受ける特定の疾患の重篤度を含む様々な因子に依存することが理解されるだろう。一般に、経口投与可能な製剤の適切な用量は、通常、0.1〜3000 mgの範囲で、1日あたりに1、2もしくは3回、または注入もしくはその他の経路により投与される等価な1日量であろう。しかし、最適な用量レベル及び投与頻度は、当該技術において通常行われているように、臨床試験により決定される。
【0052】
本発明が関係する化合物は、その薬物動態学的特性に矛盾しない任意の経路による投与のために製造できる。経口投与可能な組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ、液剤もしくはゲル製剤、例えば経口、局所または滅菌の非経口液剤もしくは懸濁剤であり得る。経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、単位用量剤形であり得、通常の賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、糖類、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;打錠滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばバレイショデンプン、または許容される湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有し得る。
【0053】
錠剤は、通常の製薬のプラクティスにおいて公知の方法に従って被覆されて得る。経口液剤は、例えば、水性もしくは油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形であり得るか、或いは水もしくはその他の適切な媒体で使用前に再構成するための乾燥製品であり得る。このような液剤は、通常の添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水素添加食用油脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエート、またはアカシア;非水性媒体(食用油を含み得る)、例えばアーモンド油、ヤシ油、油状エステル、例えばグリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;防腐剤、例えばメチルもしくはプロピルp-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸、並びに所望により通常の香料または着色料を含み得る。
【0054】
皮膚への局所的な塗布のために、薬物は、クリーム、ローションまたは軟膏剤として製造できる。薬物に使用し得るクリームまたは軟膏の製剤は、例えば英国薬局方のような製薬の標準的な参考書に記載されるような当該技術において公知の通常の製剤である。
【0055】
有効成分は、滅菌媒体中で非経口的に投与することもできる。媒体及び用いられる濃度に応じて、薬物は、媒体中に懸濁または溶解され得る。有利には、局所麻酔薬のようなアジュバント、防腐剤及び緩衝剤を媒体中に溶解させ得る。
【0056】
本発明が関する化合物(I)の合成のために多数の合成戦略があるが、しかし全てが、合成有機化学者に知られている公知の化学に頼る。したがって、式(I)による化合物類は、標準的な文献に記載され、かつ当業者に周知の方法に従って合成され得る。典型的な文献出典は、"Advanced organic chemistry"、第4版(Wiley)、J March、"Comprehensive Organic Transformation"、第2版(Wiley)、R.C. Larock、"Handbook of Heterocyclic Chemistry"、第2版(Pergamon)、A.R. Katritzky、"Synthesis"、"Acc. Chem. Res."および"Chem. Rev"に見られるような総説であり、あるいはオンラインの標準的な文献検索により、または"Chemical Abstracts"もしくは"Beilstein"のような2次的な出典から明らかにされる1次的な文献出典である。そのような文献の方法は、本明細書中の製造実施例のものおよびそれらに類似の方法を含む。
【0057】
スキーム1は、一般に有機化学の当業者に公知の方法を表し、それにより本発明の化合物類が製造され得る。
スキーム 1
【0058】
【化2】

【実施例】
【0059】
以下の実施例は、本発明の具体的な化合物類の製造を説明するが、本発明の全範囲を限定することを意図しない。
実施例1〜6はスキーム1に示した方法に関する。
【0060】
製造実施例 1
尿素環化
チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール
メチル 3-アミノチオフェン-2-カルボキシレート (40.0 g、254 mmol)および尿素 (99.4 g、163 mmol)の固体混合物を撹拌し、180 ℃に5 時間加熱した。現在半流動体の混合物を、水(800 ml) を加える前に75-80 ℃に冷却した。室温で2 時間撹拌後、形成した沈殿物 をろ過し、更に水で洗浄し、真空中40 ℃で乾燥した。クリーム色した粉末として>95% 純度のチエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(37.15 g、87%収率)を得た。
LC-MS:m/z=169 [M+H+];RT=1.29 (LC-MS 方法 2)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 6.91 (1H、d、J 5.02 Hz)、8.04 (1H、d、J 5.02 Hz)、11.30 (2H、br s)
【0061】
製造実施例 2
ヒドロキシ-クロロ交換
2,4-ジクロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン
二塩化フェニルホスホン酸(120 ml、850 mmol)中の実施例 1 の化合物(20 g、119 mmol)の混合物を撹拌し、180 ℃に4 時間加熱した。生じた色が濃い溶液を80 ℃に冷却し、ピペットによりゆっくり撹拌した氷 / 水 (800ml)に加えた。激しく1時間撹拌した後、黄橙色の沈殿物をろ過し、洗浄して真空中40 ℃で乾燥した。この固体をDCM (約20 容量)に溶解した。この溶液シリカの短い詰め物を通過させ、酢酸エチル : イソ−ヘキサン (1:1)を通過させて洗浄した。このろ液を真空中で濃縮し、黄色の結晶性生成物として2,4-ジクロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン (14.56 g、60%収率)を得た。
LC-MS:m/z=205 [M+H+];RT=4.36 (LC-MS 方法 2)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 7.74 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.70 (1H、d、J 5.52 Hz)
【0062】
製造実施例 3
スティルカップリング
2-クロロ-4-(1'-エトキシ-ビニル)-チエノ[3,2-d]ピリミジン
実施例 2 の化合物(3.0 g、14.6 mmol)の1,4-ジオキサン(200 mL)の溶液にK2CO3 (4.0 g、29.3 mmol)の水(40 mL)溶液を加えた。ほとんど透明な溶液を窒素雰囲気下におき、(1-エトキシビニル)-トリブチルすず(5.0 mL、14.6 mmol)およびPdCl2(PPh3)2 (500 mg、0.731 mmol)を加えた。この混合物を100 ℃に加熱し、窒素雰囲気下に100 ℃で30分間撹拌した。室温に冷却後、1,4-ジオキサンを真空中で除去した。残渣を、DCM (100 mL)および水 (50 mL)に再度溶解し、分液ロートに移した。水層をDCM (30 mL)で抽出し、合わせた有機層を水(50 mL)および飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で蒸発溜去して乾燥した。
【0063】
残渣を、純粋なDCMで溶出し、画分12 mLを集めるフラッシュカラムクロマトグラフィー(50 g SiO2 Isolute(登録商標)、DCM 1閉鎖容積(CV)で予め湿らせた)により精製した。所望の生成物が、Rf=0.31 (DCM)を有する画分10〜20に溶出された。副生成物が画分6〜9 (Rf=0.59、DCM)および画分21〜31 ((Rf=0.14、DCM)に溶出された。画分10〜20を合わせ、真空中で蒸発溜去して乾燥して95%純度の黄色の 粉末として2-クロロ-4-(1'-エトキシ-ビニル)-チエノ[3,2-d]ピリミジン2.28 g (65%収率)を得た。
LC-MS:m/z=241 [M+H+];RT=3.38 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.49 (3H、t、J 7.03 Hz)、4.11 (2H、q、J 7.03 Hz)、4.88 (1H、d、J 2.51 Hz)、5.76 (1H、d、J 2.51 Hz)、7.59 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.62 (1H、d、J 6.02 Hz)
【0064】
製造実施例 4
エチル 2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボキシレート
NaIO4 (1.07 g、4.99 mmol)を水 (13 mL)に懸濁し、透明な溶液(pH〜4)が得られるまで超音波処理した。この溶液を、実施例 3の化合物(600 mg、2.49 mmol)の1,4-ジオキサン(40 mL)溶液に加えた。KMnO4 (40 mg、0.249 mmol)を加え、反応混合物を室温で2 時間撹拌した。反応の進行をTLC (DCM)によりチェックした。もし残っている出発物質が検出されたら、更にKMnO4 (40 mg、0.249 mmol)を加え、反応混合物を室温で更に2 時間撹拌した。
【0065】
この混合物を、飽和K2CO3水溶液(1-2 mL)を用いてpH 7〜8に調節した。沈殿物をろ過し、残渣をDCM (4 × 20 mL)で完全に洗浄した。合わせたろ液を水洗し、Na2SO4で乾燥しして真空中で蒸発溜去して乾燥した。残渣を、純粋なDCMで溶出し、画分10 mLを集めるフラッシュカラムクロマトグラフィー(10 g SiO2 Isolute(登録商標)、DCM 1閉鎖容積で予め湿らせた) により精製した。95% 純度の無色粉末としてエチル 2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボキシレート (325 mg、54%収率)を単離した。
LC-MS:m/z=243 [M+H+];RT=2.92 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.41 (3H、t、J 7.03)、4.50 (2H、q、J 7.03 Hz)、7.72 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.76 (1H、d、J 6.02 Hz)
【0066】
基本手順 1
実施例 4の化合物(200 mg、0.824 mmol)のNMP (4 mL)の溶液に、R1 アミン (2.47 mmol)を加えた。反応混合物を130 ℃で3 時間振盪した。更にR1 アミン (2.47 mmol)を加え、130 ℃振盪し、更に3 時間継続した。室温に冷却後、この混合物をDCM (20 mL)と一緒に分液ロートに移し、水洗した(3 × 10 mL)。有機層をMP-TsOH (1g、Argonaut、純粋なDCMで予め湿らせた)に装填した。樹脂をDCM (30 mL)で洗浄し、(7N NH3のMeOH溶液(2 mL) + DCM (60 mL) + MeOH (8 mL)から調製した) 0.2 N NH3 のDCM / MeOH溶液を用いて、濃い黄色画分として2-アミノ置換されているチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボキシアミドを溶離した。画分を合わせ真空中で蒸発溜去して乾燥した。
【0067】
粗製の中間体を12N HCl水溶液 (10 mL) に溶解し、真空中80 ℃の浴温で蒸発溜去して乾燥した。残渣を12N HCl 水溶液(12 mL)に再び溶解し、100℃で14 時間撹拌した。反応混合物を真空中80 ℃の浴温で蒸発溜去して乾燥し、MeOHに再び溶解し、再度蒸発溜去し、黄褐色固体として 2-アミノ置換されているチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸を得た。
【0068】
粗製の酸をMeOH (20 mL) に溶解し、塩化チオニル(360 μL、4.94 mmol)を室温で滴下した。この混合物を60 ℃で2.5 時間撹拌し、次いで真空中で蒸発溜去して乾燥した。残渣をDCM / MeOH (10:1、100 mL)に溶解し、飽和NaHCO3 水溶液(50 mL)および飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して真空中で蒸発溜去して乾燥した。残渣を、DCM / MeOH 50:1 で溶出し、画分5 mLを集めるカラムクロマトグラフィー(10 g SiO2 Isolute(登録商標)、 DCM/ MeOH 50:1 1閉鎖容積で予め湿らせた)により精製した。画分を合わせ、真空中で蒸発溜去して乾燥し、>95% 純度の黄色固体として2-アミノ置換されているチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-メチルエステルを>50%収率で得た。
【0069】
以下の類似物を基本手順 1を用いて調製した。
製造実施例 5
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 メチルエステル
LC-MS:m/z=301 [M+H+];RT=2.44 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 3.97 (3H、s)、4.60 (2H、d、J 6.02 Hz)、7.28 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.31 (1H、m)、7.77 (1H、m)、8.14 (1H、br s)、8.34 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.42 (1H、m)、8.60 (1H、br s)
【0070】
製造実施例 6
2-(1-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 メチルエステル
LC-MS:m/z=315 [M+H+];RT=2.47 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.51 (3H、d、J 7.03 Hz)、3.96 (3H、s)、5.21 (1H、m)、7.24 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.31 (1H、m)、7.83 (1H、dt、J 7.53、2.01 Hz)、8.19 (1H、br s)、8.31 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.39 (1H、dd、J 5.02、1.51 Hz)、8.66 (1H、d、J 2.01 Hz)
【0071】
基本手順 2
対応する実施例5 または 6の化合物(0.50 mmol)の1,4-ジオキサン(4 mL)の溶液に、所望のアミン(>10 当量)を加えた。この混合物を還流下で1 時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を真空中で蒸発溜去して乾燥し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5 g SiO2 Isolute(登録商標)、EtOAcで予め湿らせた)により精製した。粗製の物質を最小限の純粋なDCMの溶液として装填し、画分6 mLを集めながら生成物を純粋なEtOAcで溶出した。画分を合わせ、真空中で蒸発溜去して乾燥し、>95% 純度の黄色の 粉末として2-アミノ置換されているチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボキシアミドを>80%収率で得た。
【0072】
以下の類似物を基本手順 2を用いて調製した。
実施例 7
[2-(1-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-ピロリジン-1-イル-メタノン
【化3】

LC-MS:m/z=345 [M+H+];RT=2.52 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.52 (3H、d、J 7.03 Hz)、1.81 (4H、m)、3.52 (2H、m)、3.82 (2H、m)、5.17 (1H、m)、7.19 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.31 (1H、m)、7.80 (1H、dt、J 8.03、2.01 Hz)、7.84 (1H、d、J 7.53 Hz)、8.24 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.40 (1H、dd、J 5.02、1.51 Hz)、8.63 (1H、d、J 2.51 Hz)
【0073】
実施例 8
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 エチルアミド
【化4】

LC-MS:m/z=314 [M+H+];RT=1.59 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.15 (3H、t、J 7.07 Hz)、3.38 (2H、q、J 7.07 Hz)、4.70 (2H、br s)、7.22 (1H、d、J 5.56 Hz)、7.34 (1H、dd、J 7.83、4.80 Hz)、7.80 (2H、m)、8.32 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.43 (1H、d、J 4.55 Hz)、8.64 (1H、s)、8.81 (1H、br s)
【0074】
実施例 9
[2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-ピロリジン-1-イル-メタノン
【化5】

LC-MS:m/z=340 [M+H+];RT=2.42 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.81 (4H、m)、3.54 (2H、t、J 6.53 Hz)、3.78 (2H、br s)、4.60 (2H、d、J 6.02 Hz)、7.23 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.32 (1H、m)、7.74 (1H、d、J 7.53 Hz)、7.88 (1H、t、J 6.02 Hz)、8.27 (1H、d、J 6.02 Hz)、8.43 (1H、dd、J 4.52、1.51 Hz)、8.57 (1H、s)
【0075】
実施例 10
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 シクロプロピルアミド
【化6】

LC-MS:m/z=326 [M+H+];RT=2.39 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 0.68 (2H、m)、0.77 (2H、m)、2.90 (1H、m)、4.67 (2H、d、J 6.02 Hz)、7.22 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.31 (1H、m)、7.76 (2H、m)、8.32 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.42 (1H、br d、J 4.52 Hz)、8.61 (2H、m)
【0076】
実施例 11
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 イソプロピルアミド
【化7】

LC-MS:m/z=328 [M+H+];RT=1.74 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.22 (6H、d、J 6.57 Hz)、4.10 (1H、m)、4.65 (2H、br d、J 5.56 Hz)、7.23 (1H、d J 5.31 Hz)、7.34 (1H、m)、7.80 (1H、dm、J 7.83 Hz)、7.89 (1H、m)、8.32 (1H、d、J 8.34 Hz)、8.33 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.43 (1H、dd、J 4.55、1.26 Hz)、8.64 (1H、s)
【0077】
実施例 12
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 シクロペンチルアミド
【化8】

LC-MS:m/z=354 [M+H+];RT=1.95 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.58 (4H、m)、1.71 (2H、m)、1.93 (2H、m)、4.23 (1H、m)、4.64 (2H、d、J 5.56 Hz)、7.23 (1H、d、J 5.56 Hz)、7.32 (1H、dd、J 7.83、4.80 Hz)、7.77 (1H、dt、J 7.83、1.90 Hz)、7.89 (1H、br s)、8.33 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.35 (1H、m)、8.42 (1H、dd、J 4.55、1.52 Hz)、8.62 (1H、s)
【0078】
実施例 13
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 メチルアミド
【化9】

LC-MS:m/z=300 [M+H+];RT=1.46 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 2.88 (3H、d、J 5.05 Hz)、4.72 (2H、m)、7.21 (1H、d、J 5.56 Hz)、7.34 (1H、dd、J 7.83、4.80 Hz)、7.79 (2H、dm、J 7.83 Hz)、832 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.43 (1H、dd、J 4.55、1.01 Hz)、8.63 (1H、s)、8.84 (1H、br s)
【0079】
実施例 14
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 フェネチル-アミド
【化10】

LC-MS:m/z=390 [M+H+];RT=2.07 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 2.88 (2H、t、J 7.33)、3.58 (2H、m)、4.69 (2H、m)、7.17-7.34 (7H、m)、7.75 (1H、dm、J 7.83 Hz)、7.82 (1H、br s)、8.33 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.43 (1H、dd、J 4.80、1.26 Hz)、8.61 (1H、m)、8.85 (1H、br s)
【0080】
実施例 15
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 シクロヘキシルアミド
【化11】

LC-MS:m/z=368 [M+H+];RT=2.10 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.13-1.45 (5H、m)、1.60 (1H、m)、1.72 (2H、m)、1.82 (2H、m)、3.78 (1H、m)、4.64 (2H、m)、7.23 (1H、d、J 5.05 Hz)、7.32 (1H、m)、7.78 (1H、d、J 7.33 Hz)、7.90 (1H、br s)、8.32 (2H、m)、8.42 (1H、br d、J 4.04 Hz)、8.62 (1H、s)
【0081】
実施例 16
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 ベンジルアミド
【化12】

LC-MS:m/z=376 [M+H+];RT=1.99 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 4.56 (2H、d、J 6.32 Hz)、4.71 (2H、br s)、7.21-7.31 (3H、m)、7.32-7.35 (4H、m)、7.78 (1H、dm、J 7.83 Hz)、7.84 (1H、br s)、8.33 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.41 (1H、m)、8.63 (1H、s)、9.37 (1H、br s)
【0082】
実施例 17
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 (2-メトキシ-エチル)-アミド
【化13】

LC-MS:m/z=344 [M+H+];RT=2.35 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 3.30 (2H、m、under DMSO・H2O)、3.51 (5H、m)、4.67 (2H、br d、J 6.02 Hz)、7.23 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.32 (1H、m)、7.78 (1H、dt、J 7.53、2.01Hz)、7.85 (1H、t、J 6.53 Hz)、8.33 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.42 (1H、dd、J 5.02、1.51 Hz)、8.63 (2H、br m)
【0083】
実施例 18
2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 (ピリジン-3-イルメチル)-アミド
【化14】

LC-MS:m/z=377 [M+H+];RT=2.46 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 4.58 (2H、d、J 6.02 Hz)、4.71 (2H、d、J 5.52 Hz)、7.22 (1H、d J 5.52 Hz)、7.29 (1H、m)、7.37 (1H、m)、7.76 (3H、m)、8.33 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.42 (1H、dd、J 5.02、1.51 Hz)、8.48 (1H、dd、J 5.02、1.51 Hz)、8.58 (1H、m)、8.63 (1H、m)、9.41 (1H、br s)
【0084】
実施例 19
ピペリジン-1-イル-[2-[(ピリジン-3-イルメチル)-アミノ]-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-メタノン
【化15】

LC-MS:m/z=354 [M+H+];RT=1.66 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 1.31-1.48 (2H、m)、1.58 (4H、m)、3.41 (2H、m)、3.61 (2H、m)、4.57 (2H、d、J 6.06 Hz)、7.25 (1H、d、J 5.56 Hz)、7.32 (1H、m)、7.73 (1H、br d、J 7.33 Hz)、7.96 (1H、m)、8.28 (1H、d、J 5.56 Hz)、8.42 (1H、m)、8.56 (1H、s)
【0085】
粗製の2-アミノ置換されているチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-メチルエステルは、カラムクロマトグラフィによる精製前に、アミド形成のための出発物質として用いることもできるが、しかしながら、これはより困難な最終精製を残した。この方法を用いて以下の生成物を、副生成物としての2-NH2 類似物と一緒に単離した。
【0086】
実施例 20
2-(1-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 シクロプロピルアミド
【化16】

LC-MS:m/z=340 [M+H+];RT=2.46 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 0.67 (2H、m)、0.78 (2H、m)、1.51 (3H、d、J 7.03 Hz)、2.90 (1H、m)、5.33 (1H、br m)、7.19 (1H、d、J 5.52 Hz)、7.31 (1H、m)、7.78 (1H、br m)、7.84 (1H、dt、J 8.03、2.01 Hz)、8.30 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.39 (1H、dd、J 4.52、1.51 Hz)、8.49 (1H、br d、J 4.52 Hz)、8.69 (1H、br d、J 2.01 Hz)
【0087】
実施例 21
2-アミノ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-カルボン酸 シクロプロピルアミド
【化17】

LC-MS:m/z=235 [M+H+];RT=2.34 (LC-MS 方法1)
1H-NMR:δH (400 MHz、d6-DMSO) 0.69 (2H、m)、0.76 (2H、m)、2.91 (1H、m)、6.61 (2H、s)、7.19 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.31 (1H、d、J 5.52 Hz)、8.59 (1H、d、J 4.52 Hz)
【0088】
実施例 22.
(R)-[2-(1-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-ピロリジン-1-イル-メタノン
【化18】

【0089】
(R)-1-ピリジン-3-イル-エチルアミンを用いて実施例 7により調製され、それ自身はSmithら、Journal of the American Chemical Society、1973、95、pp 811〜818に記載の解決実施要綱を介して得られた。実施例 22の化合物は、実施例7のラセミ化合物と同一の分光学的特性を有していた。キラール LC RT=45.40分。
【0090】
実施例 23.
(S)-[2-(1-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-ピロリジン-1-イル-メタノン
【化19】

(S)-1-ピリジン-3-イル-エチルアミンを用いて実施例 7により調製され、それ自身はSmithら、Journal of the American Chemical Society、1973、95、pp 811〜818に記載の解決実施要綱を介して得られた。実施例 23の化合物は、実施例7のラセミ化合物と同一の分光学的特性を有していた。キラール LC RT=30.40分。
【0091】
基本手順
商業的供給源から入手した全ての試薬は、さらに精製せずに用いた。無水溶媒は商業的供給源から入手し、さらに乾燥せずに用いた。フラッシュクロマトグラフィーは、プレ-パックシリカゲルカートリッジ(Strata Si-1; 61Å、Phenomenex、Cheshire UKまたはIST Flash II、54Å、Argonaut、Hengoed、UK)を用いて行なった。薄層クロマトグラフィーは、Merck Type 60 F254 シリカゲルで被覆された5×10 cmのプレートを用いて行なった。マイクロ波加熱は、Biotage Initiator (商標) 2.0 装置を用いて行った。
【0092】
本発明の化合物類は、以下の方法を用いる液体クロマトグラフィー−質量スペクトル(LC-MS)法により特徴付けた。
【0093】
LC-MS 方法1

装置: Waters 2695ポンプおよび2700サンプルマネージャー
Waters ZQ2000、M/zは100〜900 amuを範囲とする
カラム: Gemini 5μm、C18 110A、30 mm×2mm、Phenomenex製。
【0094】
Pt no 00A-4435-B0
温度: 室温
移動層: A − 水 + 10 mMol / ギ酸アンモニウム + 0.04% (v/v) ギ酸 約pH3.5
B − 100%アセトニトリル + 0.04% (v/v) ギ酸
注入量: 10μL
濃度勾配:
【0095】
【表1】

検出: UV 検出 220〜400nm (1:3 にMSをUVに分離)
【0096】
LC-MS 方法 2
装置: Waters 2695ポンプおよび2700サンプルマネージャー
Waters ZQ2000、M/zは100〜900 amuを範囲とする
カラム: Gemini 5μm、C18 110A、30 mm×2mm、Phenomenex製。
【0097】
Pt no 00A-4435-B0
温度: 室温
移動層: A − 水 + 10 mMol / ギ酸アンモニウム + 0.04% (v/v) ギ酸 約pH3.5
B − 100%アセトニトリル + 0.04% (v/v) ギ酸
注入量: 5μL
濃度勾配:
【0098】
【表2】

検出: UV 検出 220〜400nm
【0099】
核磁気共鳴(NMR)分析は、Brucker DPX-400 MHz NMRスペクトロメータを用いて行ない、そしてプロトンNMRスペクトルは400 MHzで測定した。スペクトルの基準は、溶媒の既知のケミカルシフトであった。プロトンNMRデータは次のとおり報告される:ppmでのケミカルシフト(δ)、次いで積分が続き、多重度(ここで、s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、p=ペンテット、 m=マルチプレット、dd= ダブルダブレット、br=ブロード)、および最も近くて0.1 Hzに端数を切り上げたカップリング定数。
【0100】
本発明のいくつかの化合物は、分取(preparative)HPLCにより精製された。分取HPLC精製は、UVダイオード アレイ検出(210〜400 nm)および質量-指向の回収を用いて20 mL 分-1 の流速で稼動する、PhenomenexからのGemini(登録商標) 5μM C18(2)、100 mm × 20 mm i.d. カラムを有するWaters FractionLynx MS Autopurificationシステムで行なわれた。各化合物に用いられた勾配は、表1に示される。
【0101】
pH 4で:溶媒A=HPLCグレード水中の10mM酢酸アンモニウム+0.08% v/vギ酸。
溶媒B=95% v/v HPLCグレードアセトニトリル+5% v/v溶媒A+0.08% v/vギ酸。
pH 9で:溶媒A=HPLCグレード水中の10 mM酢酸アンモニウム+0.08% v/vアンモニア溶液。
溶媒B=95% v/v HPLCグレードアセトニトリル+5% v/v溶媒A+0.08% v/vアンモニア溶液。
【0102】
質量スペクトロメータは、150〜1000の分子量スキャン範囲で、ポジティブまたはネガティブイオン電子スプレーイオン化モードで稼動するWaters Micromass ZQ2000スペクトロメータであった。
【0103】
テーブル 1 分取HPLC濃度勾配
【表3】

本発明のこれらの化合物類は、以下の詳細な方法を用いてキラールHPLCにより分析した。
【0104】
装置: Perkin Elmer 785A UV/可視検出器を備えるPerkin Elmer Series 250 HPLC、
カラム: ChiralPak AD-H カラム、250×4.6 mm
温度: 30 ℃
移動相: 80% イソヘキサン、20% イソ-プロピルアルコール、0.1% ジエチルアミン、
1 mL/分、作動時間60分
検出: UV 検出265 nM
注入量: 10μL
IUPAC化学名は、AutoNom Standardを用いて作成した。
【0105】
アッセイの説明
アデノシン-レセプター発現細胞におけるカルシウム流出を測定するための蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)の使用は確立した技術である。このアッセイにおいて、カルシウム流出は、受容体活性化により引き起こされ、取り込まれたカルシウム-高感度染料の蛍光を通して測定される。示された有効性は、哺乳類の細胞株において発現されたヒトアデノシン A2B受容体を用いて測定された。選択性の値は、ヒトアデノシンA1、A2AおよびA3受容体を発現する哺乳類の細胞株を用いることにより得られた。化合物の潜在能力は用量-応答効果から測定され、IC50値として報告される。
【0106】
上記のアッセイにおいて試験された化合物類は、以下のテーブル2に示すように2つの活性範囲、すなわちA=IC50 <500 nM、または B=IC50 >500 nMの1つに割り当てられた。
【0107】
テーブル 2
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1およびR2は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;
あるいはR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;
3およびR4は、水素または任意に置換されているC1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-(C1-C6)-アルキルもしくはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルから独立して選択され;
あるいはR3およびR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成し;
5およびR6は、水素またはC1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキル、−NHR7、−N(-R8)-R9、−NH-(C=O)-R10、−(C=O)-NH-R11、−(C=O)-O-R12もしくはハロから独立して選択され;そして
7、R8、R9、R10、R11およびR12は、C1-C6アルキル、アリール、アリール-(C1-C6)-アルキルおよびヘテロアリールから独立して選択される]
の化合物またはその医薬的に許容な塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
1が、水素、C1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキルまたはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシ-エチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、2-フェニル-エチルまたはピリド-3-イル-メチルである請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
1が、メチルまたはエチルである請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項5】
2が、水素、C1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキルまたはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシ-エチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、2-フェニル-エチルまたはピリド-3-イル-メチルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
2が、メチルまたはエチルである請求項5または6に記載の化合物。
【請求項8】
1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって任意に置換されている5-もしくは6-員環を形成している請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になってフッ素、塩素、シュウ素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルにより任意に置換されているピロリジンまたはピペリジン環を形成し手イル請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン-1-イルまたはピペリジン-1-イルを形成している請求項8または9に記載の化合物。
【請求項11】
3が、水素またはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項12】
4が、水素またはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである請求項1〜11に記載の化合物。
【請求項13】
3が水素であり、そしてR4がヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項14】
5が水素である請求項1〜13にいずれか1つに記載の化合物。
【請求項15】
6が水素である請求項1〜14に記載の化合物。
【請求項16】
式(II):
【化2】

[式中、
1は、−NH-R3 または任意に置換されている窒素原子を介して結合している単環式の5-もしくは6-員の窒素含有環であり;
2は、任意に置換されている5-もしくは6-員のヘテロアリール環により置換されているC1-C6アルキルであり; および
3は、水素、C1-C6アルキル、C1-C6 アルコキシ-(C1-C6)-アルキル、C3-C8 シクロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキルまたはヘテロアリール-(C1-C6)-アルキルである]
の化合物またはそれらの医薬的に許容な塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項17】
1が、任意に置換されている窒素原子を介して結合している単環式の5-もしくは6-員の窒素含有環である請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
1が、フッ素、塩素、シュウ素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルにより任意に置換されているピロリジンまたはピペリジン環である請求項16または17に記載の化合物。
【請求項19】
1が、ピロリジン-1-イルまたはピペリジン-1-イルである請求項16〜18のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項20】
1が、C1-C6アルキルアミノまたはC3-C8 シクロアルキルアミノである請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
1が、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノまたはシクロプロピルアミノである請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
2が、任意に置換されている5-もしくは6-員のヘテロアリール環により置換されているメチル-またはエチル-である請求項16〜21に記載のいずれか1つである化合物。
【請求項23】
2が、フッ素、塩素、シュウ素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルにより任意に置換されている5-もしくは6-員のヘテロアリール環により置換されているメチル-またはエチル-である請求項16〜21のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項24】
2が、ピリジルにより置換されているC1-C6アルキルである請求項16〜21のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項25】
2がピリド-3-イルメチルまたは1-(ピリド-3-イル)エチルである請求項16〜21のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1つに記載の化合物と医薬的に許容な担持体を含む医薬組成物。
【請求項27】
アデノシン A2B 受容体により媒介される障害の治療用医薬品の製造における請求項1〜25のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項28】
アデノシン A2B 受容体により媒介される障害に罹患した患者への請求項1〜25のいずれか1つに記載の化合物の有効量の投与を含むアデノシン A2B 受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項29】
アデノシン A2B 受容体により媒介される障害が、痛覚、喘息、COPD、炎症性障害、糖尿病、糖尿病性網膜症または癌である請求項27に記載の使用あるいは請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2010−540424(P2010−540424A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525426(P2010−525426)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003180
【国際公開番号】WO2009/037468
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(507404019)ヴァーナリス アールアンドディー リミテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】VERNALIS R&D LIMITED
【住所又は居所原語表記】Oakdene Court,613 Reading Road,Winnersh,Berkshire,RG41 5UA,United Kingdom
【Fターム(参考)】