説明

チタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体、その製造方法、この複合体からなる電極材料、この電極材料を用いた電極及び電気化学素子

【課題】5nm〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がカーボンに高分散担持された複合体を提供する。
【解決手段】チタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を、真空中で急熱することによって、リチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムのナノ粒子をケッチェンブラックに高分散担持させる。チタン酸リチウムの前駆体は、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を与えるメカノケミカル反応によって作製する。この場合、反応抑制剤を加える。前記急熱処理は、1分間以内に、チタン酸リチウムの前駆体とカーボンとの複合体を真空中で、室温→800℃と変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体とその製造方法、この複合体からなる電極材料、この電極材料を用いた電極及び電気化学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気化学素子負極用のリチウム吸蔵、放出活物質として、チタン酸リチウムが用いられている。また、結晶性の優れたチタン酸リチウム粒子を形成する方法として、湿式法(特許文献1参照)が知られているが、出力特性が十分でないといった問題点があった。
【0003】
そこで、本出願人等は、従来にない液相反応において反応を促進する方法を提供し、さらにはこの反応方法を用いて作成した金属酸化物ナノ粒子および電気化学素子用電極材として用いられるこの金属酸化物ナノ粒子を高分散担持させたカーボン、ならびにこの電極を用いた電気化学素子を提供することを目的として、特願2005−356845として先に特許出願した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−36441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような先願の明細書に記載されたメカノケミカル反応を用いて加水分解反応を起こさせる金属塩として、例えば、チタンアルコキシドを用いた場合、反応が早すぎて、チタン酸リチウムを作製する際に酸化チタンが形成されてしまい、チタン酸リチウムを作製することができない場合があるといった問題点があった。また、チタン酸リチウムを微粒子化した状態で、カーボンに担持させることが難しい問題もあった。
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、金属酸化物の結晶化を進行させることで微粒子化されたチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体を得ると共に、そのような複合体の製造方法、この複合体からなる電極材料、この電極材料を用いた電極及び電気化学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下述べるような着想に基づいて、本発明のチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体とその製造方法、この複合体からなる電極材料、この電極材料を用いた電極及び電気化学素子を完成するに至ったものである。
【0008】
(反応抑制剤)
すなわち、先願の明細書に記載されたメカノケミカル反応を適用する所定の金属アルコキシドに、反応抑制剤として該金属アルコキシドと錯体を形成する所定の化合物を添加することにより、化学反応が促進しすぎるのを抑制することができることが判明したものである。
【0009】
すなわち、金属アルコキシドに、これと錯体を形成する酢酸等の所定の化合物を該金属アルコキシド1モルに対して、1〜3モル添加して錯体を形成することにより、反応を抑制、制御することができることが分かった。なお、この反応によって生成されるのは、金属と酸化物の複合体のナノ粒子、例えば、チタン酸リチウムの前駆体である、リチウムと酸化チタンの複合体のナノ粒子であり、これを焼成することにより、チタン酸リチウムの結晶が得られる。
【0010】
このように、反応抑制剤として酢酸等の所定の化合物を添加することにより、化学反応が促進しすぎるのを抑制することができるのは、酢酸等の所定の化合物が金属アルコキシドと安定な錯体を形成するためであると考えられる。
【0011】
なお、金属アルコキシドと錯体を形成することができる物質としては、酢酸の他、クエン酸、蓚酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、プロピオン酸、レプリン酸等のカルボン酸、EDTA等のアミノポリカルボン酸、トリエタノールアミン等のアミノアルコールに代表される錯化剤が挙げられる。
【0012】
(焼成工程)
また、得られたチタン酸リチウムの前駆体の焼成工程において、室温から800℃まで急熱、50℃まで急冷、この急熱、急冷を1分以内に行うことによって、チタン酸リチウムの凝集を防止することができ、粒径の小さなナノ粒子が形成されることが分かった。
【0013】
(金属アルコキシド)
本発明に係る反応抑制剤を適用することができる金属アルコキシドとしては、上記のチタンアルコキシドの他に、金属アルコキシドの加水分解反応の反応速度定数が10-5mol-1sec-1以上のものが挙げられる。このような金属としては、スズ、ジルコニア、セシウム等を挙げることができる。
【0014】
(カーボン)
また、反応過程で所定のカーボンを加えることによって、5〜20nmのチタン酸リチウムを高分散担持させたカーボンを得ることができる。すなわち、反応器の内筒の内部に金属塩と上記の反応抑制剤と所定のカーボンを投入して、内筒を旋回して金属塩と上記の反応抑制剤とカーボンを混合、分散する。さらに内筒を旋回させながら水酸化ナトリウムなどの触媒を投入して加水分解、縮合反応を進行させ、金属酸化物を生成すると共に、この金属酸化物とカーボンを分散状態で、混合する。反応終了と共に、金属酸化物ナノ粒子を高分散担持させたカーボンを形成することができる。
【0015】
ここで用いるカーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、活性炭、メソポーラス炭素等を挙げることができ、これらの複合材を用いることもできる。
【0016】
また、本発明により得られた金属酸化物ナノ粒子を高分散担持させたカーボンは、場合によっては焼成して、バインダーと混錬、成型し、電気化学素子の電極、すなわち電気エネルギー貯蔵用電極とすることができるが、この電極は高出力特性、高容量特性を示す。
【0017】
ここで、この電極を用いることができる電気化学素子は、リチウムイオンを含有する電解液を用いる電気化学キャパシタ、電池である。すなわち、本発明の電極は、リチウムイオンの吸蔵、脱着を行うことができ、負極として作動する。したがって、リチウムイオンを含有する電解液を用い、対極として活性炭、リチウムが吸蔵、脱着するカーボン等を用いることによって、電気化学キャパシタ、電池を構成することができる。
【0018】
(メカノケミカル反応)
なお、本発明で用いる反応方法は、本出願人等が先に特許出願した上記明細書に示した方法と同様のメカノケミカル反応であって、化学反応の過程で、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させるものである。
【0019】
この反応方法においては、反応物にずり応力と遠心力の双方の機械的エネルギーが同時に加えられることによって、このエネルギーが化学エネルギーに転化することによるものと思われるが、従来にない速度で化学反応を促進させることができる。
【0020】
そして、このような化学反応を促進させるには、外筒と内筒の同心円筒からなり、内筒の側面に貫通孔を備えるとともに、外筒の開口部にせき板を配置してなる反応器において、内筒の旋回による遠心力によって内筒内の反応物を内筒の貫通孔を通じて外筒の内壁面に移動させ、外筒の内壁面に反応物を含む薄膜を生成するとともに、この薄膜にずり応力と遠心力を加えることによって実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、金属酸化物ナノ粒子の前駆体を担持したカーボンの焼成工程において、急熱することによって、金属酸化物ナノ粒子の凝集を防止することができ、粒径の小さなナノ粒子が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1の複合体のTEM像を示す図面代用写真。
【図2】実施例及び比較例についてのサイクリックボルタモグラムを示す図。
【図3】本発明に係る電極を用いた充放電試験の結果を示す図。
【図4】充電電位と不可逆容量の関係を示す図。
【図5】カーボン量と不可逆容量の関係を示す図。
【図6】カーボン量と容量減少率の関係を示す図。
【図7】焼成温度と容量の関係を示す図。
【図8】エネルギー密度とパワー密度の関係を示す図。
【実施例】
【0023】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
(1)チタン酸リチウムとケッチェンブラックから成る複合体粉末について
(実施例1)
チタンアルコキシド1モルに対して、酢酸1.8モル、酢酸リチウム1モルとなる量の酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解して混合溶媒を作製した。この混合溶媒とチタンアルコキシド、イソプロピルアルコール、ケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製、商品名:ケッチェンブラックEC600JD、空隙率78Vol.%、一次粒子径40nm、平均二次粒径337.8nm)を旋回反応器内に投入し、66,000N(kgms-2)の遠心力で5分間、内筒を旋回して外筒の内壁に反応物の薄膜を形成すると共に、反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウムの前駆体を高分散担持したケッチェンブラックを得た。
【0025】
得られたチタン酸リチウムの前駆体を高分散担持させたケッチェンブラックを、真空中において80℃で17時間乾燥することにより、チタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を得た。
【0026】
得られたチタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を、真空中で1分間以内に室温→800℃→50℃と急熱、急冷することによってリチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムのナノ粒子がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を得た。
【0027】
このようにして得られた複合体のTEM像を図1に示した。図1においては5nm〜20nmのチタン酸リチウムのナノ粒子がケッチェンブラックに高分散担持していることが分かる。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同様の手法によって作製したチタン酸リチウムの前駆体を高分散担持したケッチェンブラックを、800℃で12時間焼成することによってリチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムが担持されたケッチェンブラック複合体を得た。
【0029】
このようにして得られたチタン酸リチウムが担持されたケッチェンブラック複合体のSEM観察をしてみたところ、0.5μm〜2μmのチタン酸リチウムの凝集粒子が生成していた。
【0030】
(比較例2)
チタンアルコキシド1モルに対して、酢酸1.8モル、酢酸リチウム1モルとなる量の酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解して混合溶媒を作製した。チタンアルコキシドとイソプロピルアルコールをスターラーで撹拌しながら上記混合溶媒を滴下し、5時間撹拌した。生成したチタン酸リチウムの前駆体を、真空中において80℃で17時間乾燥することにより、リチウムを含有するチタン酸化物の粉末を得た。
【0031】
得られたチタン酸リチウムの前駆体を、酸素雰囲気中、800℃で12時間焼成することによって、リチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウム粉末を得た。
【0032】
このようにして得られたチタン酸リチウム粉末をSEM観察してみたところ、0.5μm〜2μmのチタン酸リチウム粒子が生成していた。
【0033】
(比較例3)
酢酸を用いずに、実施例1と同様の手法で作製したところ、材料の混合時に加水分解が進行してしまい、超遠心処理で複合体を作製することができなかった。
【0034】
(測定結果)
実施例1、比較例1及び比較例2で得られた複合体粉末をSUS板上に溶接されたSUSメッシュ中に投入し電極とした。上記電極上にセパレータと対極及び参照極としてLiフォイルを乗せ、電解液として1M LiPF6 EC/DECを浸透させてセルとした。
【0035】
上記セルの複合体を有するSUSメッシュ溶接SUS板を作用極とし、電圧範囲1.3〜2.0Vvs.Li/Li+、掃引速度0.1mVsec-1で掃引することによりサイクリックボルタモグラムを測定した。測定されたサイクリックボルタモグラムを図2に示した。また、実施例1、比較例1及び比較例2について、ピーク電位差を測定したところ、表1に示すような結果が得られた。
【表1】

【0036】
図2から明らかなように、実施例1はCVピークがシャープになっていることが分かった。これは、ナノ粒子自体の出力特性が向上したか、あるいは、結晶性の向上によって出力特性が向上したか、の理由によって、電極の出力特性が向上したと考えられる。また、表1から明らかなように、実施例1は、高いレート特性を有していることが分かった。
【0037】
(2)本発明の電極を用いた電気化学キャパシタについて
上記のメカノケミカル反応によって得られたチタン酸リチウムとケッチェンブラックを用いた電極を負極に用い、正極として活性炭等の分極性電極を用いることによって、リチウムデンドライドの発生することのない電解液にリチウム塩を含む電気化学キャパシタが得られることが分かった。以下、詳述する。
【0038】
通常の電解液にリチウム塩を含む電気化学キャパシタの負極には、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料を用いているが、リチウムのデンドライドが発生する電位と炭素の電位が近いため、リチウムのデンドライドが起きるおそれがある。これに対して、本発明に係るチタン酸リチウムの電位は、リチウムのデンドライドが発生する電位より約1.5V大きいため、デンドライドが発生しない。
【0039】
ところが、本願の電極を用いて充放電試験を行ったところ、図3に示すような結果が得られた。すなわち、startからAまで充電し、放電を行ったところ、Dまでしか放電せず、不可逆容量を有することが判明した。また、チタン酸リチウムのみでは不可逆容量を有していないことから、カーボンが原因であると考えられた。
【0040】
次に、充電をA、B、Cまで行った場合の不可逆容量を図4に示した。図から明らかなように、充電容量が小さいほど不可逆容量が小さいことが分かった。なお、図4の横軸は、充電容量をLi4+xTi512の“x”に換算した値で表している。
【0041】
また、本願電極の負極中のカーボンの量と不可逆容量の関係を調べたところ、図5に示すような結果が得られた。また、カーボンの量と容量減少率の関係を調べたところ、図6に示すような結果が得られた。これらの結果から、カーボンの含有量は30〜50wt%が好ましく、より好ましくは35〜45wt%であることが分かった。
【0042】
また、チタン酸リチウムの容量を高めて、充電電位を下げて、不可逆容量を低減するために、焼成温度の検討を行ったところ、図7に示すような結果が得られた。図からわかるように、900〜1000℃で容量が増大し、理論容量まで増大した。なお、容量を増大させるために、比表面積の大きなケッチェンブラックを用いることが好ましい。
【0043】
これらの結果に基づいて、焼成温度を900℃、ケッチェンブラックの含有量を40wt%として、電気化学キャパシタを作製し、特性を評価したところ、図8に示すような結果が得られた。図から明らかなように、両極に活性炭を用いた電気二重層キャパシタに比べて、エネルギー密度の高い電気化学キャパシタが得られることが分かった。
【0044】
(実施例2)
チタンアルコキシド1モルに対して、酢酸1.8モル、酢酸リチウム1モルとなる量の酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解して混合溶媒を作製した。この混合溶媒とチタンアルコキシド、イソプロピルアルコール、ケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製、商品名:ケッチェンブラックEC600JD、空隙率78Vol.%、一次粒子径40nm、平均二次粒径337.8nm)を旋回反応器内に投入し、66,000N(kgms-2)の遠心力で5分間、内筒を旋回して外筒の内壁に反応物の薄膜を形成すると共に、反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウムの前駆体を高分散担持したケッチェンブラックを得た。
【0045】
得られたチタン酸リチウムの前駆体を高分散担持させたケッチェンブラックを、真空中において80℃で17時間乾燥することにより、チタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を得た。
【0046】
得られたチタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を、真空中で1分間以内に室温→800℃→50℃と急熱、急冷することによってリチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムのナノ粒子がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を得た。
【0047】
上記のようにして得られた複合体粉末7重量部と、2重量部のバインダー(ポリテトラフルオロエチレン)と、導電性材料としてカーボンナノファイバー(昭和電工製、VGCF−S)1重量部とを混練し、圧延してシートを形成した。このシートを真空乾燥後、銅箔に接合し、負極とした。
【0048】
また、活性炭(クラレケミカル社製、YP−17)8重量部と、1重量部のバインダー(ポリテトラフルオロエチレン)、導電性材料としてケッチェンブラック1重量部とを混練し、圧延してシートを形成した。このシートを真空乾燥後、アルミニウム箔に接合し、正極とした。
【0049】
(比較例4)
活性炭(クラレケミカル社製、YP−17)8重量部と、1重量部のバインダー(ポリテトラフルオロエチレン)、導電性材料としてケッチェンブラック1重量部とを混練し、圧延してシートを形成した。このシートを真空乾燥後、アルミニウム箔に接合し、正極及び負極とした。
【0050】
これらの電極を、LiPF4、プロピレンカーボネート溶液を注入したビーカーに、セルロース系のセパレータを介して、対向させてセルを作製した。これらのセルについて、定電流で充放電試験を行い、エネルギー密度とパワー密度を測定したところ、図8に示すような結果が得られた。
【0051】
図8から明らかなように、従来の活性炭を用いた電気二重層キャパシタに比較して、エネルギー密度が向上していることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回する反応器内において、チタン酸リチウムナノ粒子の原料とケッチェンブラックと反応抑制剤を含む溶液にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させ、チタン酸リチウムの前駆体がケッチェンブラックに高分散担持された複合体粉末を、急熱することによって、リチウムを含有するチタン酸化物の結晶化を進行させ、チタン酸リチウムのナノ粒子をケッチェンブラックに高分散担持させることを特徴とするチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体の製造方法。
【請求項2】
前記急熱、急冷処理を真空中で行うことを特徴とする請求項1に記載のチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体の製造方法。
【請求項3】
前記急熱処理が、1分間以内に、前記複合体を真空中で、室温→800℃と変化させるものであることを特徴とする請求項1に記載のチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体の製造方法。
【請求項4】
前記チタン酸ナノ粒子の粒径が5nm〜20nmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法で製造したチタン酸リチウムナノ粒子とカーボンの複合体。
【請求項6】
前記請求項5に記載の複合体からなる電極材料。
【請求項7】
請求項6に記載の電極材料をバインダーと混合した後、成形して得られる電極。
【請求項8】
請求項7に記載の電極を用いた電気化学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−226116(P2010−226116A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90098(P2010−90098)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【分割の表示】特願2008−86009(P2008−86009)の分割
【原出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000228578)日本ケミコン株式会社 (514)
【出願人】(504358517)有限会社ケー・アンド・ダブル (19)
【Fターム(参考)】