説明

チャック付袋

【課題】 貼替え防止ラベルをあらかじめチャック付袋に組み合わせて商品化することにより、チャック付袋と貼替え防止テープを別々に買い揃えるといった手間をなくし、また、テープではなく、予め所定の長さに形成したラベルにすることで、1巻分を購入する場合に比べて費用負担を軽減させ、かつ使用に際しての切断作業を省略できるようにしたチャック付袋の提供。
【解決手段】 開口部21に雌雄咬合型のチャック20が設けられている合成樹脂製袋体2と、この合成樹脂製袋体に収容された貼替え防止ラベル3との組み合わせで形成されている。貼替え防止ラベルが、その展延状態で合成樹脂製袋体の内部に納まる長さに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製袋体の開口部に雌雄咬合型のチャックが設けられているチャック付袋であって、貼替え防止ラベルとの組み合わせ商品としたチャック付袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製袋体の開口部に雌雄咬合型のチャックが設けられているチャック付袋が知られている(特許文献1参照)。
又、一度貼ったら貼り直しができない貼替え防止テープ(王子タック株式会社製)が知られている(特許文献2参照)。
【0003】
チャック付袋は、商品を配送したり、書類等を収容したりする際の包装材として使用されるが、開口部に設けたチャックは、誰でも簡単に開封することができるようになっている。
しかしながら、チャック付袋を使用した場合でも、商品によっては配送が終わるまで、又、書類等にあっては必要な時期までは確かに開封されていないことの確認を求められることがある。
このような要望に対し、チャック付袋の開口部を閉封した状態で貼替え防止テープを貼り付けておけば、この貼替え防止テープは貼り直しができないため、この貼替え防止テープを見れば開封したか否かが判る。
これにより商品の信頼性を確保できるし、書類等の機密性を確保できるようになる。
【0004】
このようにチャック付袋の開口部に貼替え防止テープを貼る場合、従来では、チャック付袋と貼替え防止テープを別々に買い揃えるといった手間がかかるし、特に、従来の貼替え防止テープは、ロール状に巻き取られた長尺テープであるため、少しの長さで足りる場合でも1巻分を購入しなければならず、費用負担が嵩んでしまうし、また、使用に際し必要な長さに切断しなければならないといった煩雑さがあった。
【特許文献1】実用新案登録第3026478号
【特許文献2】特許公開2001−2408525号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、貼替え防止ラベルをあらかじめチャック付袋に組み合わせて商品化することにより、チャック付袋と貼替え防止テープを別々に買い揃えるといった手間をなくし、また、テープではなく、予め所定の長さに形成したラベルにすることで、1巻分を購入する場合に比べて費用負担を軽減させ、かつ使用に際しての切断作業を省略できるようにしたチャック付袋を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)のチャック付袋は、
開口部に雌雄咬合型のチャックが設けられている合成樹脂製袋体と、この合成樹脂製袋体に収容された貼替え防止ラベルとの組み合わせで形成され、
前記貼替え防止ラベルが、その展延状態で合成樹脂製袋体の内部に納まる長さに形成されていることを特徴とするチャック付袋。
【0007】
又、本発明(請求項2)のチャック付袋は、請求項1記載のチャック付袋において、前記雌雄咬合型のチャックに開閉用スライダーが設けられている構成とした。
【0008】
又、本発明(請求項3)のチャック付袋は、請求項1又は2記載のチャック付袋において、合成樹脂製袋体の内部に緩衝シート材が収容されている構成とした。
【0009】
又、本発明(請求項4)のチャック付袋は、請求項1又は2記載のチャック付袋において、合成樹脂製袋体の内部に板紙が収容されている構成とした。
【0010】
又、本発明(請求項5)のチャック付袋は、請求項3又は4記載のチャック付袋において、前記緩衝シート材又は板紙が帯電防止処理されている構成とした。
【0011】
又、本発明(請求項6)のチャック付袋は、請求項3又は4又は5記載のチャック付袋において、合成樹脂製袋体の底縁全幅に亘って形成した底口から前記緩衝シート材又は板紙を収容した状態で、前記底口が溶着シールによって閉鎖されている構成とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明のチャック付袋(請求項1)は、貼替え防止ラベルをあらかじめ組み合わせているため、従来と異なり、チャック付袋と貼替え防止テープを別々に買い揃えるといった手間をなくすことができる。
又、貼替え防止テープではなく、予め所定の長さに形成した貼替え防止ラベルにしたので費用負担を軽減させることができるし、使用に際し切断作業を省略できるので貼り付け作業を簡単にすることができる。
そして、貼替え防止ラベルをチャック付袋の開口部に貼り付けておけば、この貼替え防止ラベルは貼り直しができないため、開封したか否かを目で見るだけで判断することができ、よって、被収容物(商品や書類等)の信頼性を確保し、機密性を確保することができる。
【0013】
又、チャックに開閉用スライダーを設けると(請求項2)、チャックの開閉作業を楽に行うことができる。
【0014】
合成樹脂製袋体の内部に緩衝シート材を収容させると(請求項3)、被収容物への衝撃を緩和することができるし、合成樹脂製袋体が被収容物によって傷付けられるのを防止できる。
【0015】
合成樹脂製袋体の内部に板紙を収容させた場合(請求項4)、この板紙が書類等を収容したときの台紙として機能するため、書類等の皺や折れを防止することができる。
【0016】
又、前記緩衝シート材又は板紙を帯電防止処理させると(請求項5)、静電気によって悪影響を受けやすい商品、例えば、電子部品等の収容に好適に使用できる。
【0017】
また、前記開口部はチャックを設けている関係で、構造上その開口幅が合成樹脂製袋体の幅よりも狭くなっている。このため、前記緩衝シート材又は板紙を合成樹脂製袋体の内部に収容する場合、開口部から入れようとしても、上述のように開口幅が狭いため入れにくく、特に、板紙の場合には、折れたり、傷付けたりしてしまうといった問題がある。
そこで、合成樹脂製袋体の底縁全幅に亘って開口しておき、緩衝シート材又は板紙を収容したのち溶着シールによって閉鎖させると(請求項6)、緩衝シート材又は板紙を折ったりすることなく、容易に合成樹脂製袋体の内部に収容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明のチャック付袋の第1実施例を示す一部切欠斜視図、図2はチャック付袋の断面図、図3は貼替え防止ラベルの斜視図、図4はチャック付袋の使用状態を示す一部切欠斜視図である。
【0019】
本実施例のチャック付袋1は、合成樹脂製袋体(ポリエチレン袋体)2と、貼替え防止ラベル3との組み合わせで形成されている。
即ち、合成樹脂製袋体2の内部に貼替え防止ラベル3を収容した状態で、包装資材として市販に供されるものである。
【0020】
前記合成樹脂製袋体2は、雄側チャックと雌側チャックを対向させた雌雄咬合型のチャック20が開口部21に設けられ、この実施例では開口部21に開閉用スライダー22が設けられている。
なお、開閉用スライダー22は、必ずしも設ける必要はないが、チャック20の開閉作業を楽に行うようにするためには、この開閉用スライダー22を設けるのが好ましい。
又、この合成樹脂製袋体2の材質、サイズは任意に決定できるし、チャック20の条数も1条でも2条でもよく、又、チャック20の雄雌嵌合構造も限定されない。
【0021】
前記貼替え防止ラベル3は、図3に示すように、ポリオレフィン等による薄膜シート30の上面に再接着不能な弱接着剤層31を介して剥離表紙32が設けられ、薄膜シート30の下面に強接着剤層33を介して剥離裏紙34が設けられたもので、その展延状態で合成樹脂製袋体2の内部に納まる長さに形成されている。
又、前記薄膜シート30の上面には、「開封済」等の文字が印刷され、前記剥離表紙32の表面には「再接着不能」等の文字が印刷されている。
なお、弱接着剤層31と強接着剤層33で言う強弱は、両者間の相対的な強弱を言う。
【0022】
使用に際しては、合成樹脂製袋体2から貼替え防止ラベル3を取り出し、その合成樹脂製袋体2の内部に開口部21から被収容物S(図示例では書類)を収容する。
そして、開閉用スライダー22によって開口部21を閉封させ、図4に示すように、閉封位置にある開閉用スライダー22を覆う状態に貼替え防止ラベル3を貼り付けて封緘するものである。
この際、剥離表紙32はそのままにして剥離裏紙34のみを剥がし、露出した強接着剤層33で貼り付けるものである。
【0023】
従って、収容した被収容物Sを取り出すには、チャック20を開封させる必要があり、そのためには貼替え防止ラベル3を剥ぎ取る必要がある。
そこで、この貼替え防止ラベル3を剥ぎ取ろうとすると、弱接着剤層31で接着された剥離表紙32が剥がれてしまう。そして、この剥離表紙32は一度剥がすと再接着不能であるため、開口部21には薄膜シート30のみが貼り付いた状態になり、これを見れば誰かがチャック20を開封させようとしたことが判る。なお、薄膜シート30が破れているときには、チャック20が開封されてしまったものと推測でき、必要な措置を講じることができる。
【0024】
次に、図5は本発明のチャック付袋の第2実施例を示す一部切欠斜視図である。
このチャック付袋は、合成樹脂製袋体2の内部に予め緩衝シート材4としての発泡ウレタンシートが収容されたもので、合成樹脂製袋体2と、貼替え防止ラベル3と、緩衝シート材4の組み合わせになっている。
この場合、発泡ウレタンシートによる緩衝シート材4を2つ折りして、その折返し部40が底側になるように収容することで、被収容物Sを包み込むことができるようにしている。
又、この図示例では、貼替え防止ラベル3の長手方向をチャック20の長手方向にして、閉封位置にある開閉用スライダー22及びチャック20を覆う状態で貼替え防止ラベル3を貼り付けて封緘している。
なお、緩衝シート材4としては、エアキャップシートや不織布等を用いることができる。
【0025】
次に、図6は本発明のチャック付袋の第3実施例を示す一部切欠斜視図である。
このチャック付袋1は、合成樹脂製袋体2の底縁を全幅に亘って底口23を開口しておき、その底口23から板紙5を収容したのち底口23を溶着シール24によって閉鎖したものである。
この場合、前記板紙5は、合成樹脂製袋体2に収容したときに、できるだけ左右の隙間が生じないような幅L1に形成され、この板紙5が合成樹脂製袋体2の内部でズレ動くのを抑制している。
【0026】
合成樹脂製袋体2の開口部21は、チャック20の両端部に閉鎖部25,25が形成されると共に、チャック20に設けた開閉用スライダー22によって、その開口幅L2が合成樹脂製袋体2の幅よりも狭くなっている。
このため、板紙5を開口部21から入れようとしても、開口幅L2が板紙5の幅L1より狭いため(幅L1>開口幅L2)入れにくく、板紙5が折れたり、傷付けたりしてしまう。
そこで、合成樹脂製袋体2の底縁に全幅に亘って開口した底口23を形成しておき、板紙5を収容したのち底口23を溶着シール24によって閉鎖させれば、板紙5を容易に合成樹脂製袋体2の内部に収容することができる。
なお、合成樹脂製袋体2の内部に板紙5を収容させると、被収容物を書類とした場合、板紙5が台紙として機能するため、書類等の皺や折れを防止することができる。
【0027】
なお、本発明において、緩衝シート材又は板紙を帯電防止処理させることができるもので、この場合には静電気によって悪影響を受けやすい商品、例えば、電子部品等の収容に好適に使用できる。
【0028】
又、本発明のチャック付袋に収容する被収容物としては、サンプル品、小物、保証書類、保障書類、雑誌、通販商品、健康食品、われもの、貴金属、カメラ、時計、パソコン、電器用品、デジカメ、電子部品、パーツ部品、証券、株券、保管書類等々があり、これらの配送用又は保管用としての用途が考えられる。
【0029】
また、貼替え防止ラベルの封緘位置は、要はチャックが開放できないような位置に貼り付ければよく、前記した例以外に、例えば図7で示すように、開閉用スライダー22に近接した位置で、チャック20を跨ぐ状態に貼替え防止ラベル3を貼り付けて封緘するようにしてもよい。
又、チャックの全長に亘って貼替え防止ラベルを貼り付けて封緘してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のチャック付袋の第1実施例を示す一部切欠斜視図。
【図2】チャック付袋の断面図。
【図3】貼替え防止ラベルの斜視図。
【図4】チャック付袋の使用状態を示す一部切欠斜視図。
【図5】本発明のチャック付袋の第2実施例を示す一部切欠斜視図。
【図6】本発明のチャック付袋の第3実施例を示す一部切欠斜視図。
【図7】貼替え防止ラベルによる封緘位置の例を示す部分斜視図。
【符号の説明】
【0031】
1 チャック付袋
2 合成樹脂製袋体
20 チャック
21 開口部
22 開閉用スライダー
23 底口
24 溶着シール
25 閉鎖部
3 貼替え防止ラベル
30 薄膜シート
31 弱接着剤層
32 剥離表紙
33 強接着剤層
34 剥離裏紙
4 緩衝シート材
40 折返し部
5 板紙
L1 幅
L2 開口幅
S 被収容物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に雌雄咬合型のチャックが設けられている合成樹脂製袋体と、この合成樹脂製袋体に収容された貼替え防止ラベルとの組み合わせで形成され、
前記貼替え防止ラベルが、その展延状態で合成樹脂製袋体の内部に納まる長さに形成されていることを特徴とするチャック付袋。
【請求項2】
前記雌雄咬合型のチャックに開閉用スライダーが設けられている請求項1記載のチャック付袋。
【請求項3】
合成樹脂製袋体の内部に緩衝シート材が収容されている請求項1又は2記載のチャック付袋。
【請求項4】
合成樹脂製袋体の内部に板紙が収容されている請求項1又は2記載のチャック付袋。
【請求項5】
請求項3又は4記載のチャック付袋において、前記緩衝シート材又は板紙が帯電防止処理されているチャック付袋。
【請求項6】
請求項3又は4又は5記載のチャック付袋において、合成樹脂製袋体の底縁全幅に亘って形成した底口から前記緩衝シート材又は板紙を収容した状態で、前記底口が溶着シールによって閉鎖されているチャック付袋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−261668(P2007−261668A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92328(P2006−92328)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000102485)エスエス産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】