説明

チャージポンプがない位相固定ループ回路及びこれを含む集積回路

【課題】チャージポンプがない位相固定ループ及びこれを含む集積回路を提供する。
【解決手段】チャージポンプがない位相固定ループは、位相周波数検出器及びループフィルタを含む。ループフィルタは、プルアップ抵抗、プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗及びプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の連結ノードと連結された電気容量部を含み、位相周波数検出器から第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けてプルアップ抵抗と電気容量部によって形成されたパスを通じて電気容量部を充電させ、位相周波数検出器から第2制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧より低い第2基準電圧の入力を受けてプルダウン抵抗と電気容量部によって形成されたパスを通じて電気容量部を放電させ、充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位相固定ループ回路に係り、特に、低い電圧で動作可能で、広い入力範囲の制御電圧を有する、チャージポンプがない位相固定ループ回路及びこれを含む集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の周波数を有する安定化されたクロック信号を必要とする電子装置は位相固定ループを含む。
【0003】
位相固定ループは、一般的に位相周波数検出器(PFD)、チャージポンプ(CP)、ループフィルタ(LF)、電圧制御発振器(VCO)、及び分周器を含むことができ、入力信号FINと分周信号FOUT/M間の位相/周波数差を検出し、検出された結果に基づいて出力信号FOUTの位相/周波数を制御する。
【0004】
電圧制御発振器は、ループフィルタから出力された制御電圧に基づいて動作する。例えば、制御電圧が低い場合には電圧制御発振器は低い周波数を有する出力信号FOUTを出力することができ、制御電圧が高い場合には電圧制御発振器は高い周波数を有する出力信号FOUTを出力することができる。
【0005】
図1は、制御電圧による出力信号の周波数を示すグラフである。
【0006】
第1グラフ110では傾斜が大きいため、制御電圧の変化によって出力信号FOUTの周波数変化が大きい。反面、第2グラフ120では傾斜が相対的に小さいため、制御電圧の変化によって出力信号FOUTの周波数変化が相対的に小さい。従って、安定的な周波数を有する出力信号FOUTを得るためには、電圧制御発振器は広い入力範囲を有する制御電圧に基づいて動作しなければならない。
【0007】
安定的な周波数を有する出力信号FOUTを生成するために、非特許文献1及び非特許文献2に開示された従来の位相固定ループでは、広い入力範囲の制御電圧を有するようにチャージポンプが改善されている。しかし、前記従来の位相固定ループのチャージポンプは複雑であり、超微細な工程では低い電圧で動作可能に設計されなければならないという問題がある。
【非特許文献1】L.Sun and D.Nelson, A 1.0V GHz Range 0.13μm CMOS Frequency Synthesizer, IEEE Custom Integrated Circuits Conference, pp.327-330, May 2001
【非特許文献2】R.Gu, et al., A 6.25GHz 1V LC-PLL in 0.13 μm CMOS, ISSCC Digest of Technical Papers, pp.594-595, Feb. 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決するために、低い電圧で動作可能で広い入力範囲の制御電圧を有するチャージポンプがない位相固定ループを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、低い電圧で動作可能で広い入力範囲の制御電圧を有するチャージポンプがない位相固定ループを含む集積回路を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、低い電圧で動作可能で広い入力範囲の制御電圧を有するチャージポンプがない位相固定ループの位相を固定する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明のチャージポンプがない位相固定ループ回路は、位相周波数検出器、及びプルアップ抵抗、前記プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗及び前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗の連結ノードに連結された電気容量部を含み、前記位相周波数検出器から前記第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させ、前記位相周波数検出器から第2制御信号が入力される時に提供される前記第1基準電圧より低い第2基準電圧の入力を受けて前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させ、前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力するループフィルタを含む。
【0012】
前記ループフィルタは、前記第1制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が充電されるように前記第1基準電圧を前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルアップスイッチ、及び前記第2制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が放電されるように前記第2基準電圧を前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルダウンスイッチを更に含むことができる。
【0013】
例えば、前記プルアップ抵抗は前記プルアップスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きく、前記プルダウン抵抗は前記プルダウンスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きくなることができる。従って、前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けした場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させることにより電力消費を減少させることができる。
【0014】
前記プルアップスイッチは、前記第1制御信号が反転された第1反転制御信号に基づいてターンオンされるプルアップPMOS、及び前記プルアップPMOSのソースと連結されたドレイン及び前記プルアップPMOSのドレインと連結されたソースを有し、前記第1制御信号に基づいてターンオンされるプルアップNMOSを含むことができる。
【0015】
前記プルダウンスイッチは、前記第2制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンNMOS、及び前記プルダウンNMOSのドレインと連結されたソース及び前記プルダウンNMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第2制御信号が反転された第2反転制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンPMOSを含むことができる。
【0016】
前記プルダウンスイッチは、第3基準電圧によってターンオンされるNMOS、及び前記NMOSのドレインと連結されたソース及び前記NMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第3基準電圧より低い電圧を有する第4基準電圧によってターンオンされるPMOSを更に含み、前記第2制御信号が前記NMOSのソース及び前記PMOSのドレインに提供され、前記提供された第2制御信号が前記NMOSのドレイン及び前記PMOSのソースから出力され、前記出力された第2制御信号は前記プルダウンNMOSのゲートに提供されることができる。
【0017】
例えば、前記電気容量部は、メインキャパシタ、前記メインキャパシタと直列に連結されるリップル防止抵抗、及び前記メインキャパシタと並列に連結されたリップル防止キャパシタを含むことができる。
【0018】
位相固定ループは、前記制御電圧に基づいて発振信号を出力する電圧制御発振機を更に含むことができる。
【0019】
又、位相固定ループは、前記発振信号をN(Nは自然数)に分周し、前記分周された発振信号をフィードバック信号として前記位相周波数検出器に提供する分周器を更に含むことができる。
【0020】
前記他の目的を達成するために、本発明の位相固定ループを含む集積回路(IC)において、前記位相固定ループは、位相周波数検出器、及びプルアップ抵抗、前記プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗及び前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗の連結ノードと連結された電気容量部を含み、前記位相周波数検出器から第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させ、前記位相周波数検出器から第2制御信号が入力される時に提供される第2基準電圧の入力を受けて前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させ、前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力するループフィルタを含むことができる。
【0021】
前記ループフィルタは、前記第1制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が充電されるように前記第1基準電圧を前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルアップスイッチ、及び前記第2制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が放電されるように前記第2基準電圧を前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルダウンスイッチを更に含むことができる。
【0022】
例えば、前記プルアップ抵抗は前記プルアップスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きく、前記プルダウン抵抗は前記プルダウンスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きくなることができる。従って、前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けした場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させることにより電力消費を減少させることができる。
【0023】
前記プルアップスイッチは、前記第1制御信号が反転された第1反転制御信号に基づいてターンオンされるプルアップPMOS、及び前記プルアップPMOSのソースと連結されたドレイン及び前記プルアップPMOSのドレインと連結されたソースを有し、前記第1制御信号に基づいてターンオンされるプルアップNMOSを含むことができる。
【0024】
前記プルダウンスイッチは、前記第2制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンNMOS、及び前記プルダウンNMOSのドレインと連結されたソース及び前記プルダウンNMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第2制御信号が反転された第2反転制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンPMOSを含むことができる。
【0025】
前記プルダウンスイッチは、第3基準電圧によってターンオンされるNMOS、及び前記NMOSのドレインと連結されたソース及び前記NMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第3基準電圧より低い電圧を有する第4基準電圧によってターンオンされるPMOSを更に含み、前記第2制御信号が前記NMOSのソース及び前記PMOSのドレインに提供され、前記提供された第2制御信号が前記NMOSのドレイン及び前記PMOSのソースから出力され、前記出力された第2制御信号は前記プルダウンNMOSのゲートに提供されることができる。
【0026】
例えば、前記電気容量部は、メインキャパシタ、前記メインキャパシタと直列に連結されるリップル防止抵抗、及び前記メインキャパシタと並列に連結されるリップル防止キャパシタを含むことができる。
【0027】
位相固定ループは、前記制御電圧に基づいて発振信号を出力する電圧制御発振器を更に含むことができる。
【0028】
又、位相固定ループは、前記発振信号をN(Nは自然数)に分周し、前記分周された発振信号をフィードバック信号として前記位相周波数検出器に提供する分周器を更に含むことができる。
【0029】
前記更に他の目的を達成するために、本発明の位相周波数検出器、及びプルアップ抵抗、前記プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗、前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗の連結ノードに連結された電気容量部を含むループフィルタを含む位相固定ループにおいて、位相を固定する方法は、前記位相周波数検出器から第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させる段階、前記位相周波数検出器から第2制御信号が入力される時に提供される第2基準電圧の入力を受けて前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させる段階、及び前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力する段階を含む。
【0030】
前記方法は、前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けした場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させる段階を更に含むことができる。又、前記方法は、前記生成された制御電圧に基づいて発振信号を出力する段階を更に含むことができる。
【0031】
従って、チャージポンプがない位相固定ループは低い電圧で動作可能で、広い入力範囲の制御電圧を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0033】
図2は、本発明の一実施例によるチャージポンプがない位相固定ループを示すブロック図である。
【0034】
図2を参照すると、位相固定ループ200は、位相周波数検出器210、ループフィルタ220、電圧制御発振器230、及び分周器240を含む。
【0035】
位相周波数検出器210は、入力信号FINとフィードバック信号FOUT/Mの入力を受けて、入力信号FIN及びフィードバック信号FOUT/M間の位相/周波数差を検出する。入力信号FIN及びフィードバック信号FOUT/M間の位相/周波数差が発生する場合には、位相周波数検出器210は、第1及び第2制御信号(例えば、UP信号とDN信号)を生成する。
【0036】
例えば、入力信号FINがフィードバック信号FOUT/Mより遅いと、位相周波数検出器210は第1制御信号(即ち、UP信号)を生成することができ、入力信号FINがフィードバック信号FOUT/Mより先行すると、位相周波数検出器210は第2制御信号(即ち、DOWN信号)を生成することができる。
【0037】
ループフィルタ220は、位相周波数検出器210から出力された第1及び第2制御信号に基づいて制御電圧VCONを生成する。例えば、ループフィルタ220が第1制御電圧の入力を受けた場合には、ループフィルタ220は増加された制御電圧VCONを生成することができ、ループフィルタ220が第2制御電圧の入力を受けた場合にはループフィルタ220が減少された制御電圧VCONを生成することができる。ループフィルタ220の動作方式は後述する。
【0038】
電圧制御発振器230は、ループフィルタ220から出力された制御電圧に基づいて発振信号FOUTを出力する。例えば、制御電圧が増加された場合には電圧制御発振器230は、高い周波数を有する発振信号FOUTを出力することができ、制御電圧が減少された場合には電圧制御発振器230は低い周波数を有する発振信号FOUTを出力することができる。
【0039】
分周器240は、電圧制御発振器230から出力された発振信号FOUTをM(Mは自然数)に分周し、分周された発振信号をフィードバック信号FOUT/Mとして位相周波数検出器210に提供する。
【0040】
従って、本発明の一実施例による位相固定ループ200は、集積回路(IC)内に具現されることができ、又、チャージポンプ(CP)なしに具現されることもできる。
【0041】
図3は、図2に図示されたループフィルタの構造を示す回路図である。
【0042】
図3を参照すると、ループフィルタ220は、プルアップスイッチ310、プルダウンスイッチ320、プルアップ抵抗330、プルダウン抵抗340、連結ノード350、及び電気容量部360を含む。
【0043】
例えば、プルダウン抵抗340は、連結ノード350に連結されたプルアップ抵抗330と直列に連結することができ、電気容量部360はプルアップ抵抗330とプルダウン抵抗340の連結ノード350に連結することができる。
【0044】
プルアップスイッチ310は、位相周波数検出器210から出力された第1制御信号(例えば、UP信号)に基づいてターンオンされ電気容量部360が充電されるように第1基準電圧REFP(例えば、VDD)をプルアップ抵抗330とプルアップスイッチ310とによって形成されたパスに提供する。
【0045】
例えば、プルアップスイッチ310は、第1制御信号が反転された第1反転制御信号に基づいてターンオンされるプルアップPMOS314、及びプルアップPMOS312のソースと連結されたドレイン及びプルアップPMOS312のドレインと連結されたソースを有し、第1制御信号に基づいてターンオンされるプルアップNMOS316を含むことができる。
【0046】
プルダウンスイッチ320は、位相周波数検出器210から出力された第2制御信号に基づいてターンオンされ電気容量部360が放電されるように第2基準電圧REFN(例えば、VGND)をプルダウン抵抗340とプルダウンスイッチ320によって形成されたパスに提供する。
【0047】
例えば、プルダウンスイッチ320は、第2制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンNMOS326及びプルダウンNMOS326のドレインと連結されたソース及びプルダウンNMOS326のソースと連結されたドレインを有し、第2制御信号が反転された第2反転制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンPMOS328を含むことができる。
【0048】
又、プルダウンスイッチ320は、第3基準電圧(例えば、VDD)によってターンオンされるNMOS322及びNMOS322のドレインと連結されたソース及びNMOS322のソースと連結されたドレインを有し、第3基準電圧より低い電圧を有する第4基準電圧(例えば、VGND)によってターンオンされるPMOS324を更に含むことができる。
【0049】
プルアップ抵抗330は、プルアップスイッチ310の寄生電気容量のインピーダンスより大きく、プルダウン抵抗340はプルダウンスイッチ320の寄生電気容量のインピーダンスより大きい。従って、プルアップスイッチ310及びプルダウンスイッチ320が全部ターンオンされる場合には、プルアップ抵抗330及びプルダウン抵抗340によって電力消費を減少させることができる。
【0050】
電気容量部360は、位相周波数検出器210から出力された第1及び第2制御信号に基づいて充電又は放電され、充電又は放電された電荷量に基づいて制御電圧VCONを生成する。
【0051】
例えば、電気容量部360は、制御電圧VCONを生成するために、メインキャパシタ362、メインキャパシタ362と直列に連結されるリップル防止抵抗364、及びメインキャパシタ362と並列に連結されるリップル防止キャパシタ366を含むことができる。
【0052】
図4は、ループフィルタが電気容量部を充電させて制御電圧を増加させる過程を説明するための図で、図5は、ループフィルタが電気容量部を放電させて制御電圧を減少させる過程を説明するための図で、図6は、ループフィルタが電力消費を減少させるための過程を説明するための図である。
【0053】
図4において、ループフィルタ220は、位相周波数検出器210から第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧REFPの入力を受けてプルアップ抵抗330とプルアップスイッチ310によって形成されたパスを通じて電気容量部360を充電させる。
【0054】
例えば、第1制御信号が入力される時、ループフィルタ220はプルアップ抵抗330と電気容量部360を利用して1次RC積分回路を形成することができる。
【0055】
図5において、ループフィルタ220は、位相周波数検出器210から第2制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧REFPより低い第2基準電圧REFNの入力を受けて、プルダウン抵抗340とプルダウンスイッチ320によって形成されたパスを通じて電気容量部360を放電させる。
【0056】
例えば、第2制御信号が入力される時、ループフィルタ220はプルダウン抵抗340と電気容量部360を利用して1次RC積分回路を形成することができる。
【0057】
図6において、ループフィルタ220が第1及び第2制御信号を全部入力受けした場合には、ループフィルタ220は第1及び第2基準電圧REFP、REFNの入力を受けて矢印方向であるプルアップ抵抗330とプルダウン抵抗340によって形成されたパスを通じて電流を通過させる。従って、電力消費を減少させることができる。
【0058】
例えば、第1及び第2制御信号が全部入力される場合にはループフィルタ220はプルアップ抵抗330及びプルダウン抵抗340を利用して直列抵抗回路を形成することができる。
【0059】
図7は、本発明の一実施例による位相固定ループの性能を示すグラフである。
【0060】
図7において、第1グラフ710は、ピーク対ピーク(P−P、Peak−to−Peak)ジッタの絶対値を示し、図2グラフ720はピーク対ピークジッタと周期との比率を示す相対値を示す。
【0061】
図7では、位相固定ループ200がチャージポンプなしにループフィルタ220をプルアップ抵抗330とプルダウン抵抗340を利用して具現する場合でも位相固定ループ200が効率的に動作することを示す。
【産業上の利用可能性】
【0062】
前述したように、本発明のチャージポンプがない位相固定ループは低い電圧で動作可能で、広い入力範囲の制御電圧を有する。
【0063】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】制御電圧による出力信号の周波数を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例によるチャージポンプがない位相固定ループを示すブロック図である。
【図3】図2に図示されたループフィルタの構造を示す回路図である。
【図4】フールフィルタが電気容量部を充電させて制御電圧を増加させる過程を説明するための図である。
【図5】ループフィルタが電気容量部を放電させて制御電圧を減少させる過程を説明するための図である。
【図6】ループフィルタが電力消費を減少させるための過程を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例による位相固定ループの性能を示すグラフである。
【符号の説明】
【0065】
220 ループフィルタ
310 プルアップスイッチ
320 プルダウンスイッチ
330 プルアップ抵抗
340 プルダウン抵抗
350 連結ノード
360 電気容量部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号とフィードバック信号の位相を比較して第1及び第2制御信号を発生する位相周波数検出器と、
プルアップ抵抗、前記プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗及び前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗の連結ノードに連結された電気容量部を含み、前記位相周波数検出器から前記第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させ、前記位相周波数検出器から前記第2制御信号が入力される時に提供される前記第1基準電圧より低い第2基準電圧の入力を受けて前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させ、前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力するループフィルタと、を含むことを特徴とするチャージポンプのない位相固定ループ回路。
【請求項2】
前記ループフィルタは、
前記第1制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が充電されるように前記第1基準電圧を前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルアップスイッチと、
前記第2制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が放電されるように前記第2基準電圧を前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルダウンスイッチと、を更に含むことを特徴とする請求項1記載の位相固定ループ回路。
【請求項3】
前記プルアップ抵抗は前記プルアップスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きく、前記プルダウン抵抗は前記プルダウンスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きいことを特徴とする請求項2記載の位相固定ループ回路。
【請求項4】
前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けた場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させることにより電力消費を減少させることを特徴とする請求項3記載の位相固定ループ回路。
【請求項5】
前記プルアップスイッチは、
前記第1制御信号が反転された第1反転制御信号に基づいてターンオンされるプルアップPMOSと、
前記プルアップPMOSのソースと連結されたドレイン及び前記プルアップPMOSのドレインと連結されたソースを有し、前記第1制御信号に基づいてターンオンされるプルアップNMOSと、を含むことを特徴とする請求項2記載の位相固定ループ回路。
【請求項6】
前記プルダウンスイッチは、
前記第2制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンNMOSと、
前記プルダウンNMOSのドレインと連結されたソース及び前記プルダウンNMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第2制御信号が反転された第2反転制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンPMOSと、を含むことを特徴とする請求項2記載の位相固定ループ回路。
【請求項7】
前記プルダウンスイッチは、
第3基準電圧によってターンオンされるNMOSと、
前記NMOSのドレインと連結されたソース及び前記NMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第3基準電圧より低い電圧を有する第4基準電圧によってターンオンされるPMOSと、を更に含み、
前記第2制御信号が前記NMOSのソース及び前記PMOSのドレインに提供され、前記提供された第2制御信号が前記NMOSのドレイン及び前記PMOSのソースから出力され、前記出力された第2制御信号は前記プルダウンNMOSのゲートに提供されることを特徴とする請求項6記載の位相固定ループ回路。
【請求項8】
前記電気容量部は、
メインキャパシタと、
前記メインキャパシタと直列に連結されるリップル防止抵抗と、
前記メインキャパシタと並列に連結されたリップル防止キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項1記載の位相固定ループ回路。
【請求項9】
前記制御電圧に基づいて発振信号を出力する電圧制御発振器を更に含むことを特徴とする請求項1記載の位相固定ループ回路。
【請求項10】
前記発振信号をN(Nは自然数)に分周し、前記分周された発振信号をフィードバック信号として前記位相周波数検出器に提供する分周器を更に含むことを特徴とする請求項9記載の位相固定ループ回路。
【請求項11】
位相固定ループを含む集積回路において、前記位相固定ループは、
入力信号とフィードバック信号の位相を比較して第1及び第2制御信号を発生する位相周波数検出器と、
プルアップ抵抗、前記プルアップ抵抗と直列に連結されたプルダウン抵抗及び前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗の連結ノードに連結された電気容量部を含み、前記位相周波数検出器から前記第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させ、前記位相周波数検出器から前記第2制御信号が入力される時に提供される第2基準電圧の入力を受けて前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させ、前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力するループフィルタと、を含むことを特徴とする集積回路。
【請求項12】
前記ループフィルタは、
前記第1制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が充電されるように前記第1基準電圧を前記プルアップ抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルアップスイッチと、
前記第2制御信号に基づいてターンオンされ前記電気容量部が放電されるように前記第2基準電圧を前記プルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスに提供するプルダウンスイッチと、を更に含むことを特徴とする請求項11記載の集積回路。
【請求項13】
前記プルアップ抵抗は前記プルアップスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きく、前記プルダウン抵抗は前記プルダウンスイッチの寄生電気容量のインピーダンスより大きいことを特徴とする請求項12記載の集積回路。
【請求項14】
前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けした場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させることにより電力消費を減少させることを特徴とする請求項12記載の集積回路。
【請求項15】
前記プルアップスイッチは、
前記第1制御信号が反転された第1反転制御信号に基づいてターンオンされるプルアップPMOSと、
前記プルアップPMOSのソースと連結されたドレイン及び前記プルアップPMOSのドレインと連結されたソースを有し、前記第1制御信号に基づいてターンオンされるプルアップNMOSと、を含むことを特徴とする請求項12記載の集積回路。
【請求項16】
前記プルダウンスイッチは、
前記第2制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンNMOSと、
前記プルダウンNMOSのドレインと連結されたソース及び前記プルダウンNMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第2制御信号が反転された第2反転制御信号に基づいてターンオンされるプルダウンPMOSと、を含むことを特徴とする請求項12記載の集積回路。
【請求項17】
前記プルダウンスイッチは、
第3基準電圧によってターンオンされるNMOSと、
前記NMOSのドレインと連結されたソース及び前記NMOSのソースと連結されたドレインを有し、前記第3基準電圧より低い電圧を有する第4基準電圧によってターンオンされるPMOSと、を更に含み、
前記第2制御信号が前記NMOSのソース及び前記PMOSのドレインに提供され、前記提供された第2制御信号が前記NMOSのドレイン及び前記PMOSのソースから出力され、前記出力された第2制御信号は前記プルダウンNMOSのゲートに提供されることを特徴とする請求項16記載の集積回路。
【請求項18】
前記電気容量部は、
メインキャパシタと、
前記メインキャパシタと直列に連結されるリップル防止抵抗と、
前記メインキャパシタと並列に連結されるリップル防止キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項11記載の集積回路。
【請求項19】
前記位相固定ループは、
前記制御電圧に基づいて発振信号を出力する電圧制御発振器を更に含むことを特徴とする請求項11記載の集積回路。
【請求項20】
前記位相固定ループは、
前記発振信号をN(Nは自然数)に分周し、前記分周された発振信号をフィードバック信号として前記位相周波数検出器に提供する分周器を更に含むことを特徴とする請求項19記載の集積回路。
【請求項21】
位相周波数検出器から第1制御信号が入力される時に提供される第1基準電圧の入力を受けてプルアップ抵抗と電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を充電させる段階と、
前記位相周波数検出器から第2制御信号が入力される時に提供される第2基準電圧の入力を受けてプルダウン抵抗と前記電気容量部によって形成されたパスを通じて前記電気容量部を放電させる段階と、
前記充電された又は放電された電気容量部に基づいて生成された制御電圧を出力する段階と、を含むことを特徴とする位相を固定する方法。
【請求項22】
前記ループフィルタが前記第1及び第2制御信号を全部入力受けた場合には前記ループフィルタは前記第1及び第2基準電圧の入力を受けて前記プルアップ抵抗と前記プルダウン抵抗によって形成されたパスを通じて電流を通過させる段階を更に含むことを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記生成された制御電圧に基づいて発振信号を出力する段階を更に含むことを特徴とする請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−113434(P2008−113434A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275343(P2007−275343)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】