説明

チロシナーゼ阻害剤としての新規の4―(ヘテロシクロアルキル)ベンゼン―1,3ジオール化合物、それ自身を調製する方法、ならびに、ヒト医薬およびまた化粧品におけるそれ自身の使用

本発明は、以下の一般式(I)に対応する新規4-(ヘテロシクロアルキル)ベンゼン-1, 3-ジオール化合物に関する、すなわち、一般式(I)の化合物を含む組成物、それ自身を調製するプロセス、および、色素性疾患の治療または予防用、医薬または化粧品組成物における、それ自身の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業的、および有用な製品としての、新規4-(ヘテロシクロアルキル)ベンゼン-1, 3-ジオール化合物に関する。また、本発明は、それ自身を調製する方法、および、チロシナーゼ阻害剤としての、色素性疾患(pigmentary disorder)の治療または予防用医薬または化粧品組成物における、それ自身の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の色素沈着、特にヒトの皮膚の色素沈着は、樹状細胞、メラノサイトによるメラニン合成の結果である。メラノサイトは、メラニンをケラチノサイトの上層に移行するメラノソームと呼ばれる細胞内小器官を含んでおり、その後、メラニンは表皮の分化を通じて皮膚の表面へ輸送される(Gilchrest BA, Park HY, Eller MS, Yaar M, Mechanisms of ultraviolet light-induced pigmentation. Photochem Photobiol 1996, 63: 1-10、 Hearing VJ, Tsukamoto K, Enzymatic control of pigmentation in mammals. FASEB J 1991; 5: 2902-2909)。
【0003】
メラニン形成の酵素の中で、チロシナーゼは、メラニン合成の最初の二つの工程を触媒する、鍵酵素である。チロシナーゼのホモ接合性の変異は、メラニンの合成を完全に欠くことによって特徴付けられる、眼皮膚白皮症I型の原因となる(Toyofuku K, Wada I, Spritz RA, Hearing VJ, The molecular basis of oculocutaneous albinism type 1(OCA1): sorting failure and degradation of mutant tyrosinases results in a lack of pigmentation. Biochem J 2001; 355: 259-269 )。
【0004】
全ての患者および皮膚科医の期待に応える治療がない、メラニン生成の増加から生じる色素沈着疾患の治療のために、新しい治療的アプローチの開発が重要である。
【0005】
既知のほとんどの皮膚美白化合物は、フェノールまたはヒドロキノン誘導体である。前記化合物はチロシナーゼを阻害するが、これらの大多数はキノンの形成のためにメラノサイトに対して細胞毒性があり、皮膚の永続的な脱色素の原因になる毒性効果のリスクがある。メラニン生成を阻害しながら、同時に非常に弱い細胞毒性であるか、または、メラノサイトに対する毒性を回避できる化合物の入手が最も特に探し求められた。
【0006】
既に文献に記載された化合物の中で、特許出願 WO 99/15148は、脱色素剤として4-シクロアルキル レゾルシノール類の使用を開示する。
【0007】
特許 FR2704428は、脱色素剤として4-ハロ-レゾルシノール類の使用を開示する。
【0008】
特許出願 WO 2006/097224とWO 2006/097223は、脱色素剤として4-シクロアルキルメチル レゾルシノール類の使用を開示する。
【0009】
特許出願WO 2005/085169は、脱色素剤としてアルキル 3-(2, 4-ジヒドロキシフェニル) プロピオネートの使用を開示する。
【0010】
特許出願WO 2004/017936は、脱色素剤として3-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミドの使用を開示する。
【0011】
特許出願WO 2004/052330は、脱色素剤として4-[1, 3]ジチアン-2-イルレゾルシノール(ylresorcinol)類の使用を開示する。
【0012】
さらに特に、特許EP0341664は、脱色素剤として4-アルキル レゾルシノール類の使用を開示し、その中で4-n-ブチル レゾルシノールは、ルシノール(rucinol)としても知られ、Iklen(登録商標)の名で販売される美白クリーム組成物の一部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO 99/15148
【特許文献2】FR2704428
【特許文献3】WO 2006/097224
【特許文献4】WO 2006/097223
【特許文献5】WO 2005/085169
【特許文献6】WO 2004/017936
【特許文献7】WO 2004/052330
【特許文献8】EP0341664
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Gilchrest BA, Park HY, Eller MS, Yaar M, Mechanisms of ultraviolet light-induced pigmentation. Photochem Photobiol 1996, 63: 1-10
【非特許文献2】Hearing VJ, Tsukamoto K, Enzymatic control of pigmentation in mammals. FASEB J 1991; 5: 2902-2909
【非特許文献3】Toyofuku K, Wada I, Spritz RA, Hearing VJ, The molecular basis of oculocutaneous albinism type 1(OCA1): sorting failure and degradation of mutant tyrosinases results in a lack of pigmentation. Biochem J 2001; 355: 259-269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
出願者は、予想外におよび驚くべくことに、4-(ヘテロシクロアルキル)ベンゼン-1, 3-ジオール構造を持つ新規の化合物が、非常に良好なチロシナーゼ酵素阻害活性を持ち、および、非常に低い細胞毒性を持つことを、ここに発見する。さらに、前記化合物は、ルシノールよりも強いチロシナーゼ酵素阻害活性を持ちながら、同時に、メラノサイトに関してルシノールよりも弱い細胞毒性を持つ。
【0016】
前記化合物はヒト医薬、特に皮膚科学、および化粧品分野における用途を見出す。
【0017】
従って、本発明は以下の一般式(I)の化合物、化合物(I)の塩、ならびに異性体および鏡像体に関する:
【0018】
【化1】

【0019】
[式中、
R1、R2、R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、
‐(C1-C4アルコキシ)カルボニル、
‐C1-C4アルコキシ、
‐ヒドロキシル、
を示し、
または、
R1およびR2は、お互い結合し、結合する炭素原子と、5もしくは6の炭素原子を含む炭素環を形成し、かつ、R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
を示し、
または、
R1およびR4は、お互いに結合し、−(CH2)2−もしくは−(CH2)3−鎖を形成し、かつ、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
を示し、
Xは、酸素原子もしくは硫黄原子を示し、
Yは、水素、塩素原子、もしくはフッ素原子を示し、
mは、1または2の値を有しうり、nは、0または1の値を有しうり、n=0の場合、m=1または2であり、n=1の場合、m=1である]。
【0020】
医薬的に許容できる塩を伴う一般式(I)の化合物との塩としては、好ましくは有機塩基または無機塩基との塩を挙げることができる。
【0021】
適切な無機塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カルシウムである。
【0022】
適切な有機塩基は、例えば、モルフォリン、ピペラジン、またはリシンである。
【0023】
一般式(I)の化合物はまた、水和物または溶媒和物の形態で存在しうる。
【0024】
溶媒和物の形成に適した溶媒は、例えば、エタノールまたはイソプロパノールのようなアルコールである。
【0025】
本発明によれば、用語「C1-C4アルキル」は、線状または分枝状の、1から4の炭素原子を含む、飽和した炭化水素ベースの鎖を意味する。
【0026】
本発明によれば、用語「(C1-C4アルコキシ)カルボニル」はカルボキシル基が、1から4の炭素原子を含む、アルキル基で置換されたことを意味する。
【0027】
本発明によれば、用語「C1-C4アルコキシ」は、酸素原子が、線状または分枝状の、1から4の炭素原子を含む、飽和した炭化水素ベースの鎖で置換されたことを意味する。
【0028】
本発明によれば、用語「異性体」は、ベンゼン-1, 3-ジオールの4位のヘテロシクロアルキルにおける置換基に関する、シスおよびトランス型を意味する。
【0029】
本発明によれば、特に好ましい一般式(I)の化合物は、以下に示すもの、化合物(I)の塩、ならびに異性体、および鏡像体である:
‐R1は水素、C1-C4アルキル基、またはヒドロキシメチル基を示し、
‐R2は水素を示し、
‐R3は水素を示し、
‐R4は水素を示し、
‐Xは酸素原子を示し、
‐Yは水素もしくはフッ素原子を示し、
‐m=1およびn=1である。
【0030】
本発明の文脈内の範囲に含まれる一般式(I)の化合物としては、特に以下をあげることができる:
1:4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
2:4-(テトラヒドロチオピラン-4-イル)ベンゼン−1, 3−ジオール
3:4-(シス-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
4:トランス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
5:シス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
6:トランス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
7:シス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
8:トランス-4-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
9:4-(2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
10:4-(テトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
11:4-(テトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
12:4-(6-オキサスピロ[4. 5]デク-9-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
13:4-クロロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
14:4-フルオロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
15:4-(2, 2-ジエチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
16:4-(テトラヒドロピラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
17:トランス-4-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
18:シス-4-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
19:トランス-4-フルオロ-6-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
20:シス-4-フルオロ-6-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
21:トランス-4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
22:シス-4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
23:シス-4-(8-オキサビシクロ[3. 2. 1]オクト-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
24:トランス-4-(8-オキサビシクロ[3. 2. 1]オクト-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
25:4-フルオロ-6-(テトラヒドロチオピラン-4-イル) ベンゼン-1, 3-ジオール
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一般式(I)の化合物は、図1に示される一般的な反応スキーム1から4に従って調製される。
【0032】
図1のスキーム1は、m=n=1、X=O、ならびに、R1、R2、R3、R4およびYが前記と同様の定義である、一般式(I)の化合物の調製に対応する。
【0033】
図1の反応スキーム1に従って、2, 4-ジベンジルオキシブロモベンゼン(1)を、市販されているものを購入するか、従来の合成方法(W. D. Langley, Org. Synth. I, 122(1932))に従って調製した、一般式(2)のへテロシクロアルカノンと反応させて、一般式(3)のベンジルアルコールを得る。
【0034】
【化2】

【0035】
一般式(3)のベンジルアルコールを、トルエンのような非プロトン性の溶媒中、カンファースルホン酸のような酸の存在下で脱水し、例えば、一般式(4)の化合物を得る。
【0036】
【化3】

【0037】
一般式(5)の化合物、
【0038】
【化4】

【0039】
を、一般式(3)の化合物、または、一般式(4)の化合物のいずれかから出発し、メタノールのような溶媒中、例えば水素、および、例えば、パラジウム木炭のようなパラジウムベースの触媒の存在下での、水素化によって、得る。
【0040】
一般式(6)の化合物
【0041】
【化5】

【0042】
を、例えば、N-クロロスクシンイミド(Y=Cl)、またはselectfluor(登録商標)(Y=F)のようなハロゲン化試薬を用いた、一般式(5)の化合物のハロゲン化によって、得る。
【0043】
図1の反応スキーム2は、m=n=1、X=OまたはS、ならびに、R1、R2、R3、R4およびYが前記と同様の定義である、一般式(I)の化合物の調製に対応する。
【0044】
図1の反応スキーム2に従って、2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ブロモベンゼン(7)を、例えばブチルリチウムのような塩基の存在下で、市販されているものを購入するか、または、従来の合成方法(W. D. Langley, Org. Synth. I, 122(1932))に従って調製した、一般式(2)のへテロシクロアルカノンと反応させ、一般式(8)のベンジルアルコールを得る。
【0045】
【化6】

【0046】
一般式(8)のベンジルアルコールを、例えば、トルエンのような溶媒中、カンファースルホン酸のような酸の存在下で、脱水して、一般式(9)の化合物を得る。
【0047】
【化7】

【0048】
一般式(10)の化合物を、例えば、メタノールのような溶媒中の水素、および例えばパラジウム木炭のような触媒の存在下で、一般式(9)の化合物の水素化によって、得る。
【0049】
【化8】

【0050】
一般式(5)の化合物を、一般式(10)の化合物から出発して、例えば塩酸を含むメタノールの存在下で、得る。
【0051】
【化9】

【0052】
図1のスキーム3は、m=1、n=0、X=O、R1=R2=H、ならびに、R3、R4およびYは上記と同様の定義である、一般式(I)の調製に対応する。
【0053】
図1の反応スキーム3を用いて、2, 4-ジベンジルオキシブロモベンゼン(1)を、例えばブチルリチウム存在下で、市販されているものを購入するか、または、従来の合成方法(W. D. Langley, Org. Synth. I, 122(1932))に従って調製した、一般式(11)のへテロシクロアルカノンと反応させて、一般式(12)の化合物を得る。
【0054】
【化10】

【0055】
一般式(13)の化合物を、一般式(12)の化合物から出発し、例えばメタノールのような溶媒中、例えば、パラジウム木炭のようなパラジウムベースの触媒の存在下で、水素化によって、得る。
【0056】
【化11】

【0057】
一般式(16)の化合物
【0058】
【化12】

【0059】
を、例えば、N-クロロスクシンイミド(Y=Cl)または、selectflour(登録商標)のようなハロゲン化試薬を用いて、一般式(13)の化合物のハロゲン化によって、得る。
【0060】
図1のスキーム4は、m=1、n=0、X=OもしくはS、R1=R2=H、ならびに、R3、R4およびYは前記と同様の定義である、一般式(I)の化合物の調製に対応する。
【0061】
図1の反応スキーム4を用い、2, 4-ビス-(メトキシメトキシ)ブロモベンゼン(7)を、例えば、ブチルリチウム存在下で、市販されているものを購入するか、従来の合成方法(W. D. Langley, Org. Synth. I, 122(1932))に従って調製した、一般式(11)のへテロシクロアルカノンと反応させ、一般式(14)のベンジルアルコールを得る。
【0062】
【化13】

【0063】
一般式(14)のベンジルアルコール類を、引き続き、例えばメタノールのよう溶媒中、例えば、塩酸のような酸の存在下で、脱水し、一般式(15)の化合物を得る。
【0064】
【化14】

【0065】
一般式(13)の化合物を、例えば水素を含むメタノールのような溶媒中、例えばパラジウム木炭のようなパラジウムベースの触媒の存在下で、一般式(15)の化合物の水素化により、得る。
【0066】
【化15】

【発明を実施するための形態】
【0067】
従って、本発明は、少なくとも一つの、前記定義一般式(I)の化合物の、医薬としての使用を対象とする。
【0068】
また、本発明は、少なくとも一つの、チロシナーゼ阻害活性を持つ、前記定義一般式(I)の化合物の、医薬としての使用を対象とする。
【0069】
また、本発明は、少なくとも一つの、チロシナーゼ阻害活性を持つ、前記定義一般式(I)の化合物の、医薬的または美容的組成物の調製のための使用を対象とする。
【0070】
有利なことに、本発明の前記化合物は、10μM以下、およびさらに特に1μM以下の、チロシナーゼに関するIC50値(酵素活性の50%を阻害する量)を有する。
【0071】
また、本発明は、色素性疾患の治療および/または予防のための一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0072】
実際、本発明による一般式(I)の化合物は特に、肝斑、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関する不規則色素沈着、そばかす、または、擦過傷、火傷、傷、皮膚疾患、接触性アレルギーが原因の炎症後色素沈着、または、母斑、遺伝的に決定された色素沈着、代謝的なもしくは薬物に関連した由来の色素沈着、メラノーマ、または他の任意の色素沈着障害などの色素性疾患の治療または予防に関する使用にも適している。
【0073】
また、本発明の対象は、特に上記の症状の治療用医薬組成物であり、上記組成物のために選択された投与方法に適合する医薬的に許容できるキャリアー中に、異性体および鏡像体形態の1つの形態の一般式(I)の化合物、またはその医薬的に許容できる塩基との塩を含むことを特徴とする。
【0074】
用語「医薬的に許容できるキャリアー」は皮膚、粘膜、皮膚付属器に適合性の媒体を示すことが意図される。
【0075】
本発明による前記組成物は局所に投与されうる。好ましくは、前記医薬組成物は局所適用のために適した形態に梱包する。
【0076】
局所的に使用する際には、本発明による前記医薬組成物はさらに特に、皮膚および粘膜の治療用であり、液体、ペースト、固体形態、およびさらに特に、軟膏、クリーム、溶液またはゲルの形態でありうる。
【0077】
局所的な適用のために使用される前記組成物における、本発明による化合物の濃度は、一般的に、組成物の全重量に対して0.001重量%から10重量%の間、好ましくは0.01%重量から5重量%の間である。
【0078】
また、本発明による一般式(I)の化合物は、化粧品分野、特に太陽の有害な特徴に対する防御についての、皮膚および皮膚付属器の、光誘導性または経時的な加齢を予防するため、および/またはそれらに対処するための、使用を見出した。
【0079】
従って、また、本発明の対象は、美容的に許容できるキャリアー中に、少なくとも一つの一般式(I)の化合物を含む組成物である。用語「美容的に許容できる媒体」は皮膚、粘膜、皮膚付属器に適合性の媒体を示すことが意図される。
【0080】
また、本発明の対象は、少なくとも一つの一般式(I)の化合物を含む組成物の、加齢および/または皮膚の兆候の、予防および/または治療のための、美容的使用である。
【0081】
また、本発明の対象は、少なくとも一つの一般式(I)の化合物を含む組成物の、身体または髪の衛生のための、美容的使用である。
【0082】
美容的に許容できるキャリアー中に、一般式(I)の化合物、またはその異性体およびその鏡像体、またはそれらの美容的に許容できる塩基との塩のひとつを含む、本発明による化粧品組成物は、特にクリーム、ミルク、ゲル、ミクロスフェアまたはナノスフェアまたは脂質または重合体の小胞の懸濁液、浸透性のパッド、溶液、スプレー、泡、スティック、石鹸、ウォッシングベース、またはシャンプーの形態でありうる。
【0083】
化粧品組成物中の一般式(I)の化合物の濃度は、好ましくは組成物の全重量に関して、0.001重量%から10重量%の間である。
【0084】
また、前記した医薬および美容組成物は、不活性な添加物、または、さらに医薬的組成物に関して医薬的に活性な添加物、またはこれらの添加物の組み合わせ、特に、
‐湿潤剤
‐フレーバー増進剤
‐p-ヒロドキシ安息香酸エステルのような保存料
‐安定剤
‐水分調節剤
‐pH調節剤
‐浸透圧調節剤
‐乳化剤
‐UV-AおよびUV-B遮蔽剤
‐抗酸化剤、例えば、α‐トコフェロール、ブチルヒドロキシシアソニール、ブチルヒドロキシトルエン、スーパーオキシドジムスターゼ、ユビキノール、メタ重亜硫酸ナトリウム
‐皮膚軟化剤
‐保湿剤、例えばグリセロール、PEG400、チアモルフォリノン(thiamorpholine)、およびその誘導体、または尿素
‐抗脂漏または抗ニキビ剤、例えば、s-カルボキシメチルシステイン、s-ベンジルシステアミン、それらの塩もしくは誘導体、または過酸化ベンゾイル
を含みうる。
【0085】
もちろん、当業者は、本発明に関連した本来の有用な特徴が想定する添加によって損なわれない、または実質的に損なわれないような方法で、これらの組成物へ加える任意の化合物を選択することに、注意を払うであろう。
【0086】
本発明による一般式(I)の化合物の調製のいくつかの実施例、前記化合物の生物的活性の結果、およびまた、前記化合物に基づいた様々な処方を例として示すが、性質を限定するものではない。
【実施例1】
【0087】
実施例1:4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル-)テトラヒドロピラン-4-オール
2.4 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを、1.85 gの2, 4-ビス(ベンジルオキシ)-1-ブロモベンゼンを含む20 mlのテトラヒドロフラン溶液に加え、-70℃まで冷却する。反応媒体を、-70℃で、1時間、撹拌し、555μlのテトラヒドロ-4H-ピラン-オンを加える。反応媒体を、-70℃で、1時間、撹拌し、その後、静置し、一晩で雰囲気温度まで戻す。反応媒体を、2 mlの2 M塩酸を加えた15 mlの塩化アンモニウム飽和溶液へ注ぎ、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(70/30 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。820 mgの4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)テトラヒドロピラン-4-オールを、白い固体状の形態で得る。収率=42%。
【0088】
b)4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
815 mgの4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)テトラヒドロピラン-4-オールを含む、10 mlの酢酸エチルとの混合物を、244 mgの10%パラジウム木炭存在下で、雰囲気温度、水素圧5 barで、17時間撹拌する。反応媒体を濾過し、その後、濾液を蒸発させる。残留物(394 mg)を酢酸エチルから結晶化する。275 mgの4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、白い結晶性の個状の形態で、得る。収率=68%。
【0089】
【数1】

【実施例2】
【0090】
実施例2:4-(テトラヒドロチオピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)1-ブロモ-2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼン
42.56 gの炭酸カリウムを、20.0 gの4-ブロモレゾルシノールを97%で200 mgのアセトンに含む溶液に、加える。反応媒体を、5℃で10分間撹拌し、その後、23.4 mlのクロロメチルメチルエーテルをドロップワイズで加える。反応媒体を、雰囲気温度で、3時間撹拌する。溶媒を、蒸発させ、その後、残留物を、水-酢酸エチル混合物に取り上げる。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(90/10 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により、精製する。27.94 gの1-ブロモ-2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼンを、無色の油状の形態で、得る。
【0091】
b)4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピラン-4-オール
6.35 mlのテトラメチルエチルエンジアミンを、5.54gの1-ブロモ-2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼンを含む80 mlのテトラヒドロフラン溶液に加える。混合物を-70℃に冷却し、16.8 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを加える。反応媒体を、-70℃で、1時間撹拌し、2.79 gのテトラヒドロチオピラン-4-オンを含む30 mlのテトラヒドロフラン溶液を加える。反応媒体を、-70℃で、1時間撹拌し、その後、静置し、一晩で雰囲気温度まで戻す。50 mlの2 M 塩酸を加え、反応媒体を、勢い良く、15分間撹拌し、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(75/25 ヘプタン/酢酸エチル混合物で溶離)により精製する。2.97 gの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピラン-4-オールを、黄色の油状の形態で得る。収率=47%。
【0092】
c)5-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-3, 6-ジヒドロ-2H-チオピラン
22 mgのカンファースルホン酸を、2.96 gの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピラン-4-オールを含む60 mlのトルエン溶液に、加える。混合物を、1時間、還流する。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(80/20 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。1.90 gの5-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-3, 6-ジヒドロ-2H-チオピランを、黄色がかった油状の形態で、得る。収率=68%。
【0093】
d)4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピラン
1.89 gの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-3, 6-ジヒドロ-2H-チオピランを含む20 mlの酢酸エチルとの混合物を、1.89 gの10%パラジウム木炭の存在下で、50℃、水素圧80 barで、8時間撹拌する。反応媒体を、セライトを通して濾過し、濾液を蒸発させる。1.48 gの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピランを油状の形態で得る。収率=77%。
【0094】
e)4-(テトラヒドロチオピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
18 mlの1 M 塩酸を1.47 gの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオピランを含む18 mlのメタノール溶液に、3 mlの酢酸エチル存在下で、加える。混合物を、雰囲気温度で、3時間撹拌し、50℃に、17時間熱する。12.0 mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液を、反応媒体に加え、勢い良く20分間撹拌し、その後、沈降により分離する。水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(70/30 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。得られた固体をジエチルエーテルおよびヘプタンに取り上げ、濾過し、乾燥させる。得られた固体をジエチルエーテルから結晶化し、濾過し、乾燥させる。30 mgの4-(テトラヒドロチオピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを白い粉状の形態で得る。収率=3%。
【0095】
【数2】

【実施例3】
【0096】
実施例3:シス-4-(2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)-ベンゼン-1, 3-ジオール
a)シス-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オン
10 gの2, 6-ジメチル-γ-ピロンを、200 mlのメタノールに溶解し、その後、0.8 gの10%パラジウム木炭を加える。反応混合物を、24時間、水素圧25気圧で混合する。媒体を濾過し、その後、溶媒を蒸発させる。8.81 gのシス-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オンを回収する。収率=88%。
【0097】
b)4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オール
3.0 mlのテトラメチルエチルエンジアミンを、2.65 gの1-ブロモ-2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼンを含む40 mlのテトラヒドロフラン溶液に、加える。混合物を-70℃まで冷却し、8 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを加える。反応媒体を、-70℃で、1時間、撹拌し、1.47 gのシス-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オンを含む15 mlのテトラヒドロフラン溶液を、加える。反応媒体を、-70℃で1時間撹拌し、その後、静置し、一晩で雰囲気温度まで戻す。25 mlの2 M 塩酸を加え、反応媒体を勢い良く15分間撹拌し、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(75/25 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。562 mgの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オールを黄色の油状の形態で得る。収率=18%。
【0098】
c)4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチル-3, 6-ジヒドロ-2H-ピラン
2 mgのカンファースルホン酸を、247 mgの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-オールを含む5 mlのトルエン溶液に、加える。混合物を2時間還流する。溶媒を蒸発させ、残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(80/20 ヘプタン/酢酸エチルの混合物で溶離)により、精製する。132 mgの4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチル-3, 6-ジヒドロ-2H-ピランを、黄色の油状の形態で得る。収率=57%。
【0099】
d)シス-4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチル-テトラヒドロピラン
132 mgのシス-4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチル-3, 6-ジヒドロ-2H-ピランを含む10 mlのメタノールとの混合物を、28 mgの10%パラジウム木炭存在下で、雰囲気温度、水素圧3 barで、5時間、撹拌する。反応媒体を、濾過し、濾液を蒸発させる。125 mgのシス-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチル-テトラヒドロピランを、白い粉状の形態で得る。収率=94%。
【0100】
e)シス-4-(2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
1.9 mlの1 N 塩酸を、120 mgのシス-4-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)-2, 6-ジメチルテトラヒドロピランを含む2.5 mlのメタノール溶液に加える。混合物を、雰囲気温度で一晩撹拌し、その後、1時間還流する。1.5 mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加え、反応媒体を、勢い良く20分間撹拌し、その後、沈降により分離する。水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(95/5 ジクロロメタン/メタノール)により精製する。40 mgのシス-4-(2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3‐ジオールを白い粉状の形態で得る。収率=46%。
【0101】
【数3】

【実施例4】
【0102】
実施例4:トランス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)2-メチル-2, 3-ジヒドロピラン-4-オン
1.7 mlのBF3.Et2Oを、2.07 gのダニシェフスキージエン(Danishefsky’s diene)(((E)-3-メトキシ-1-メチルエンアリルオキシ)トリメチルシラン)および581 mgのアセトアルデヒドを含む25 mlのジエチルエーテルに、加え、-70℃に冷却する。混合物を、-70℃で1時間、撹拌する。10 mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加え、反応媒体を、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、冷却しながら蒸発させる。1.35 gの2-メチル-2, 3-ジヒドロピラン-4-オンをオレンジ色の油状の形態で、得る。収率=100%
【0103】
b)2-メチルテトラヒドロピラン-4-オン
1.35 gの2-メチル-2, 3-ジヒドロピラン-4-オンを含む15 mlの酢酸エチルを、270 mgの10%パラジウム木炭存在下で、水素雰囲気下、雰囲気温度で、3日間、撹拌する。反応媒体を、濾紙を通して濾過し、濾液を蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(60/40 ペンタン/ジエチルエーテルで溶離)により、精製する。787 mgの2-メチルテトラヒドロピラン-4-オンを、黄色の油状の形態で、得る。収率=57%。
【0104】
c)4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-オール
2.7 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを、2.06 gの2, 4-ビス(ベンジルオキシ)-1-ブロモベンゼンを含む20 mlのテトラヒドロフラン溶液に加え、-70℃に冷却する。反応媒体を、-70℃で、10分間、撹拌し、766 mgの2-メチルテトラヒドロピラン-4-オンを含む7 mlのテトラヒドロフラン溶液を、加える。反応媒体を、-70℃で1時間撹拌し、静置し、3時間で雰囲気温度へ戻す。反応媒体を、3 mlの2 M 塩酸を加えた、20 mlの塩化アンモニウム飽和溶液に注ぎ、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(70/30 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。838 mgの4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールを、黄色の油状の形態で、得る。収率=37%。
【0105】
d)トランス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
830 mgの4-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールを含む、12 mlの酢酸エチルを、415 mgの10%パラジウム木炭の存在下で、雰囲気温度、水素圧5 barで、3日間、撹拌する。反応媒体を、濾過し、その後、濾液を蒸発させる。残留物(516 mg)をシリカゲルでのクロマトグラフィー(80/20 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。37 mgのトランス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、白い粉状の形態で、得る。収率=8%。
【0106】
【数4】

【実施例5】
【0107】
実施例5:シス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
前記の精製において、さらに極性の分画を単離する、57 mgのシス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、白い粉状の形態で、得る。収率=13%。
【0108】
【数5】

【実施例6】
【0109】
実施例6:トランス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)-ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例4と類似の方法だが、プロピオンアルデヒドを工程4aに用い、その後、工程4b、4c、および4dを類似の方法で再現して、トランス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)-ベンゼン-1, 3-ジオールを得る。
【0110】
【数6】

【実施例7】
【0111】
実施例7:シス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例5と類似の方法で、さらに極性の画分を、実施例6の合成において得られる生成物を純化することにより、シス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0112】
【数7】

【実施例8】
【0113】
実施例8:トランス-4-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例4と類似の方法だが、ベンジルオキシアセトアルデヒドを工程4aにおいて用い、その後、工程4b、4cおよび4dを類似の方法で再現して、トランス-4-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0114】
【数8】

【実施例9】
【0115】
実施例9:4-(2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-オン
5 gの市販のホロンを、36 mlの1 M 塩酸溶液に溶解し、40℃で2日間、熱する。反応混合物を、蒸留し(63〜65℃)、3.0 gの黄色がかったオイルを、得る。収率=53%。
【0116】
【数9】

【0117】
b)4-(2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例4と類似の方法だが、2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-オンを工程4cにおいて用い、その後、工程4dを類似の方法で再現して、4-(2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0118】
【数10】

【実施例10】
【0119】
実施例10:4-(テトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)ジヒドロフラン-3-オン
16.8 gの酸化(VI)クロムを含む、50 mlの水溶液を、15.6 mlの95%スルホン酸存在下で、4.9 gの3-ヒドロキシテトラヒドロフランを含む、450 mlのアセトン溶液に、ドロップワイズで加える。反応媒体を、0℃で、40分間撹拌する。450 mlの水を加え、反応媒体をジエチルエーテルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(60/40 ペンタン/ジエチルエーテルで溶離)により精製する。1.78 gのジヒドロフラン-3-オンを、無色の油状の形態で、得る。収率=28%。
【0120】
b)3-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-2, 5-ジヒドロフラン
2 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを、4.74 gの2, 4-ビス(ベンジルオキシ)-1-ブロモベンゼンを含む50 mlのテトラヒドロフランに加え、-70℃まで冷却する。反応媒体を-70℃で10分撹拌し、1.77 gのジヒドロフラン-3-オンを含む15 mlのテトラヒドロフラン溶液を加える。反応媒体を-70℃で、1時間、撹拌し、静置し、一晩で雰囲気温度まで戻す。反応媒体を、6.5 mlの2 M 塩酸を加えた35 mlの塩化アンモニウム飽和溶液に注ぎ、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(60/40 ヘプタン/酢酸エチル)により精製する。1.57 gの3-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-2, 5-ジヒドロフランを、黄色の油状の形態で、得る。収率=34%
【0121】
c)4-(テトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
1.56 gの3-(2, 4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)テトラヒドロフラン-3-オールを含む25 mlの酢酸エチルを、780 mgの10%パラジウム木炭存在下で、雰囲気温度、水素圧5 barで、7時間撹拌する。反応媒体を濾過し、その後、濾液を蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(50/50 ヘプタン/酢酸エチル)により、精製する。得られた固体を、ジクロロメタン/ヘプタンから結晶化する。285 mgの4-(テトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、白い粉末の形態で、得る。収率=36%。
【0122】
【数11】

【実施例11】
【0123】
実施例11:4-(テトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)3-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオフェン-3-オール
23.0 mlの2.5 M n-ブチルリチウムを含むヘキサンを、13.10 gの1-ブロモ-2, 4-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼンを含む200 mlのテトラヒドロフランに加え、-70℃まで冷却する。反応媒体を、-70℃で、20分間、撹拌し、4.90 mlのテトラヒドロチオフェン-3-オンを加える。反応媒体を、-70℃で、1時間、撹拌し、その後、静置し、一晩で雰囲気温度にまで戻す。反応媒体を、30mlの2 M 塩酸を加えた150 mlの塩化アンモニウム飽和溶液に注ぎ、その後、酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(85/15 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。4.10 gの3-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオフェン-3-オールを、オレンジ色の油状の形態で、得る。収率=29%。
【0124】
b)4-(4, 5-ジヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
50 mlの1 N 塩酸を、4.10 gの3-(2, 4-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)テトラヒドロチオフェン-3-オールを含む50 mlのメタノール溶液に、8 mlの酢酸エチルの存在下で、加える。混合物を、50℃に、4時間、熱する。40 mlの炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加え、反応媒体を、勢い良く20分間撹拌し、その後、沈降により分離する。水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を混合し、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫化マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(80/20 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。400 mgの4-(4, 5-ジヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、黄色の油状の形態で、得る。収率=15%。
【0125】
c)4-(テトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
400 mgの4-(4, 5-ジヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを含む10 mlの酢酸エチルを、400 mgの10%パラジウム木炭存在下で、雰囲気温度、水素圧6 barで、4日間、撹拌する。反応媒体を濾過し、その後、濾液を蒸発させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(80/20 ヘプタン/酢酸エチルで溶離)により精製する。得られた固体を、ジクロロメタン/ヘプタンから、結晶化する。232 mgの4-(テトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、クリーム固体状の形態で、得る。収率=57%。
【0126】
【数12】

【実施例12】
【0127】
実施例12:4-(6-オキサスピロ[4. 5]デク-9-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
a)6-オキサスピロ[4. 5]デカン-9-オン
雰囲気温度において、5 gの(E)-3-[(tert-ブチル−ジメチルシラニルオキシ)ブタ−1, 3-ジエニル]ジメチルアミンを、3.9 gのシクロペンタノンを含む11 mlの2-ブタノール溶液に、加える。反応媒体を、18時間、雰囲気温度で、撹拌する。溶媒を蒸発させ、その後、残留物を、100 mlのジエチルエーテルに取り上げる。混合物を、-78℃に冷却し、その後、1.9 mlの塩化アセチルをゆっくり加える。混合物を、10分間、-78℃で撹拌し、その後、反応を、100 mlの塩化アンモニウム飽和溶液を加えることによって、止める。得られた混合物を200 mlのジエチルエーテルで抽出し、有機層を混合し、その後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(8/2 ヘプタン/酢酸エチル)により、精製する。残留物を50 mlのメタノールに溶解し、その後、200 mgの10%パラジウム木炭を加える。反応混合物を、2時間、水素雰囲気下で撹拌する。反混合物を濾過し、その後、メタノールを蒸発させる。600 mgの6-オキサスピロ[4. 5]デカン-9-オンを、得る。収率=18%。
【0128】
b)4-(6-オキサスピロ[4. 5]デク-9-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例1と類似の方法だが、6-オキサスピロ[4. 5]デカン-9-オンを工程1aにおいて用い、その後、工程1bを類似の方法で再現し、4-(6-オキサスピロ[4. 5]デク-9-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0129】
【数13】

【実施例13】
【0130】
実施例13:4-クロロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
2.4 gのN-クロロスクシンイミドを、2 gの4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール(実施例1)を含む30 mlのジクロロメタン溶液に、0℃で、加える。反応混合物を、雰囲気温度で、16時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンで抽出し、その後、水で洗浄する。有機層を混合し、その後、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(75/25 ヘプタン/酢酸エチル)により精製する。400 mgの4-クロロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。収率=17%。
【0131】
【数14】

【実施例14】
【0132】
実施例14:4-フルオロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
3.65 gのN-フルオロ-N’-(クロロメチル)トリエチルエンジアミンビス(テトラフルオロボラート)を、2 gの4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール(実施例1)を含む20 mlのアセトニトリル溶液に、0℃で、加える。反応混合物を、16時間、雰囲気温度で撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄し、その後、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(9/1 ヘプタン/酢酸エチル)により精製する。200 mgの4-フルオロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。収率=10%。
【0133】
【数15】

【実施例15】
【0134】
実施例15:4-(2, 2-ジエチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例12aと類似の方法だがジエチルケトンを用い、その後、工程12bを類似の方法で再現し、4-(2, 2-ジエチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0135】
【数16】

【実施例16】
【0136】
実施例16:4-(テトラヒドロピラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
実施例1と類似の方法だが、ジヒドロピラン-3-オンを用い、4-(テトラヒドロピラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオールを、得る。
【0137】
【数17】

【実施例17】
【0138】
実施例17:チロシナーゼ活性阻害アッセイ
阻害剤の活性を、B16F1細胞(マウスのメラノーマライン)のライセートを用いて計測する。L-チロシン基質存在下で、前記細胞中に存在するチロシナーゼが、L-DOPAを与えるL-チロシンの水酸化と、その後の、ドパキノンを与えるL-DOPAの酸化を、触媒する。MBTH(3-メチル-2-ベンゾチアゾリンヒドラゾン)の存在下で、ドパキノンはトラップされ、520 nmを吸収する、ピンク色の複合体を形成する。
【0139】
B16F1細胞は、DMEM培地 + 10%胎児ウシ血清 + 10-9 M α-MSH中で、4日間、37℃、7%CO2で、培養する。細胞をトリプシンで処理し、PBSで洗浄し、カウントし、ペレットとする。ペレットを、溶解バッファー(10 mM リン酸ナトリウム、pH 6.8-1%Igepal)中、107 細胞/mlなるように調製し、懸濁液を、10秒間、超音波で処理する。30分、4000 rpmの遠心分離の後で、得られた上清は、酵素試験においてチロシナーゼ源として使用される細胞ライセートを構成する。
【0140】
前記試験を、デュプリケートで、384ウェルプレート、全量50 μlで行う。各ウェルには:
‐40 μlの溶液(1.25 mM L-チロシン、6.25 μl L-DOPA(コファクター)、および3.75 mM MBTHを含むバッファーB(62.25 mM リン酸ナトリウム、pH 6.8-2.5%ジメチルホルムアミド)含有)
‐5 μlの、DMSOで希釈した阻害剤、
‐5 μlの細胞ライセート(50 mM Tris HClバッファー、pH 7.5で1/2に希釈)
を含む。
【0141】
プレートを37℃でインキュベートし、インキュベート6時間後に、520 nmにおける分光学的測定を行う。生成物の、任意に可能な吸光を避けるために、当該システムは、補正した吸収度(6時間時点における吸光度−ゼロ時間時点における吸光度)を使用する。
【0142】
阻害剤を投与量-応答に関して測定し、IC50(酵素活性を50%阻害する投与量)を計算する。
【0143】
いくつかの内部コントロールを各実験に加える:
‐100%活性のためのコントロール:5 μlの阻害剤を5μlのDMSOに置換する、
‐50%活性のためのコントロール:5 μlの阻害剤を、5μlの、300 μMフェニルチオ尿素を含むDMSOに、置換する、
‐0%活性のためのコントロール:L-チロシン基質をバッファーBで置換する。
【0144】
本発明の化合物で得られた結果を表Aに示す:
【0145】
【表1】

【実施例18】
【0146】
実施例18:メラニン形成阻害アッセイ
メラニン形成阻害をMNT1ヒトメラノーマ細胞中で、Reigner et al., Cell Mol Biol(1999)45: 969-980に従って、測定する。アッセイは、二つの放射標識したトレーサーの同時取り込みに基づいている:14C-チオウラシルは新規合成されるメラニンに取り込まれ、メラニン合成に反映するが、一方、3H-ロイシンはタンパク質に取り込まれ、細胞生存率に反映する、従って、前記化合物の細胞毒性を試験する。
【0147】
MNT1細胞を、96ウェルプレートに、試験化合物および放射性同位体の存在下で播種する。24時間、37℃でインキュベートした後に、細胞を洗浄し、二つの放射性同位体の量を測定する。試験化合物を投与量-応答の点から評価し、3H取り込みを通して標準化した14C取り込みに基づく、メラニン合成阻害についてのIC50を算出する。細胞毒性についてのIC50をまた、3H取り込みに基づいて算出する。
【0148】
従って、当該アッセイは、特異的にメラニン合成を阻害する生成物を、メラノサイトに対して細胞障害性である生成物から、区別することを、可能にする。
【0149】
【表2】

【実施例19】
【0150】
実施例19:処方
当該実施例は、本発明に従う化合物に基づく、様々な処方を例示する。
(局所的に)
【0151】
【表3】

【0152】
【表4】

【0153】
【表5】

【0154】
【表6】

【0155】
【表7】

【0156】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の化合物、化合物(I)の塩、ならびに異性体および鏡像体
【化1】

[式中、
R1、R2、R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、
‐(C1-C4アルコキシ)カルボニル、
‐C1-C4アルコキシ、
‐ヒドロキシル、
を示し、
または、
R1およびR2は、お互い結合し、結合する炭素原子と、5もしくは6の炭素原子を含む炭素環を形成し、かつ、R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
を示し、
または、
R1およびR4は、お互いに結合し、−(CH2)2−もしくは−(CH2)3−鎖を形成し、かつ、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、
‐水素、
‐C1-C4アルキル基、
を示し、
Xは、酸素原子もしくは硫黄原子を示し、
Yは、水素、塩素原子、もしくはフッ素原子を示し、
mは、1または2の値を有しうり、nは、0または1の値を有しうり、n=0の場合、m=1または2であり、n=1の場合、m=1である]。
【請求項2】
有機塩基および無機塩基から選択された塩基と形成される塩の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
水和物または溶媒和物の形態であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
‐R1は水素、C1-C4アルキル基、またはヒドロキシメチル基を示し、
‐R2は水素を示し、
‐R3は水素を示し、
‐R4は水素を示し、
‐Xは酸素原子を示し、
‐Yは水素もしくはフッ素原子を示し、
‐m=1およびn=1である、
という特徴を有する一般式(I)の化合物、化合物(I)の塩、ならびに異性体および鏡像体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
以下から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物
1:4-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
2:4-(テトラヒドロチオピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
3:4-(シス-2, 6-ジメチルテトラヒドロピラン4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
4:トランス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
5:シス-4-(2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
6:トランス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
7:シス-4-(2-エチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
8:トランス-4-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
9:4-(2, 2, 6, 6-テトラメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
10:4-(テトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
11:4-(テトラヒドロチオフェン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
12:4-(6-オキサスピロ[4. 5]デク-9-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
13:4-クロロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
14:4-フルオロ-6-(テトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
15:4-(2, 2-ジエチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
16:4-(テトラヒドロピラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
17:トランス-4-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
18:シス-4-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
19:トランス-4-フルオロ-6-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
20:シス-4-フルオロ-6-(5-ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
21:トランス-4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
22:シス-4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-4-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
23:シス-4-(8-オキサビシクロ[3. 2. 1]オクト-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
24:トランス-4-(8-オキサビシクロ[3. 2. 1]オクト-3-イル)ベンゼン-1, 3-ジオール
25:4-フルオロ-6-(テトラヒドロチオピラン-4-イル) ベンゼン-1, 3-ジオール
【請求項6】
医薬としての、請求項1から5のいずれか一項に記載の、少なくとも一つの化合物の使用。
【請求項7】
前記化合物がチロシナーゼ阻害活性を持つことを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
色素性疾患の治療および/または予防における、請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
色素性疾患が、肝斑、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関する不規則色素沈着、そばかす、または、擦過傷、火傷、傷、皮膚疾患、接触性アレルギーが原因の炎症後色素沈着、または、母斑、遺伝的に決定された色素沈着、代謝的なもしくは薬物に関連した由来の色素沈着、メラノーマ、または他の色素沈着障害から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2012−510452(P2012−510452A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538010(P2011−538010)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066267
【国際公開番号】WO2010/063773
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】