説明

ティッシュペーパーの製法

本発明は、繊維を含む紙料懸濁液から製造されるティッシュウェブ(1)の製法に関する。この際、容量及び引裂長は、できるだけ少ない叩解度で、紙料懸濁液が、無漂白状態での針葉樹については、12°SRで6.5km以上の引裂長又は15°SRで8.0km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも15%のリグニン含量を有し、又は無漂白状態での落葉樹については、20°SRで4.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも12%のリグニン含量を有し、又は無漂白状態での一年生植物に行いては、20°SRで3.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも10%のリグニン含量を有する木材又は一年生植物からのリグノセルロース繊維素を含有することによって改善されるべきである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維を含む紙料懸濁液から製造されるティッシュウェブの製法に関する。
【0002】
また本発明は、殊にティッシュウェブの製造に使用するための紙料懸濁液の製法にも関する。
【0003】
ティッシュ製品は、今日では主に、全繊維素、有利にクラフトパルプから製造される。
【0004】
機械的に製造された繊維素は、繊維素の黄色化傾向及び劣性強度が広範な使用を妨げるので、限定的にしか使用されない。
【0005】
長繊維パルプと短繊維パルプとの間の慣例的混合比は、50:50の範囲である。
【0006】
ティッシュペーパーの多孔率及び透過率は、ティッシュペーパーがそれから製造される紙料懸濁液中の繊維の叩解度によって決定される。
【0007】
この際、高い叩解度は、少ない多孔率及び透過率に結びつく懸濁液中の高い微細物質含量を条件付ける。
【0008】
更に、高い叩解度は、紙料懸濁液の繊維の高い保水値を条件付け、それによってティッシュペーパーはその製造の際に脱水可能性が悪い。
【0009】
悪い脱水可能性は、高い機械速度では、しばしば製造の際に低い乾燥含量という結果を生じさせる。
【0010】
従って、ティッシュ乾燥シリンダーの熱ジャケット面とのその接触による、ティッシュペーパーウェブの取り外しを阻止するために、例えば、ヤンキー(Yankee)乾燥シリンダーの前に、一定の乾燥含量が必要である。
【0011】
更に、ティッシュウェブは引裂強度を有するべきである。引裂強度は、製造方法によっても、繊維の叩解度によっても決定される。引裂強度の上昇のために、ティッシュペーパーはその製造時に圧搾されるべきである。高い引裂強度を得るために、更に微細物質割合は高くあるべきである。
【0012】
即ち、引裂強度の要求は、吸水性、吸収性及び脱水性への要求に相反する。
【0013】
従って、本発明の課題は、できるだけ少ない叩解度で、できるだけ高い引裂長の、高い比容量を有するティッシュペーパーの製造を可能にすることである。
【0014】
この課題は、本発明により、無漂白状態の針葉樹について12°SRで6.0km以上の引裂長又は15°SRで7.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対してリグニン含量少なくとも15%、又は無漂白状態の落葉樹について20°SRで4.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対してリグニン含量少なくとも12%又は無漂白状態の一年生植物について20°SRで3.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対してリグニン含量少なくとも10%を有する木材又は一年生植物からのリグノセルロース繊維素を紙料懸濁液が含有することによって解決される。
【0015】
この繊維は、従来使用された繊維に比べてはるかに少ない叩解度で既に高い強度値を示す。本発明による繊維素は、低い叩解度で、及びそれに伴う叩解エネルギーの僅少消費でも既に、隣接する繊維への良好な結合を構成することができる。
【0016】
無漂白繊維素のリグニン含量は、針葉樹では有利にotro繊維素の少なくとも15%、有利に少なくとも18%、殊に少なくとも21%、落葉樹では、otro繊維素の少なくとも12%、有利に少なくとも14%、殊に少なくとも16%及び一年生植物では、otro繊維素の少なくとも10%、有利に少なくとも12%及び殊に少なくとも19%であってよい。
【0017】
繊維素のリグニン含量が高くなればなるほど、繊維素の製造の際の木材本体のロスがより一層少なくなる。
【0018】
この場合、より高い強度値も絶対に達成され得る。従って、12°SRでの針葉樹繊維塊の引裂長は、7km以上、有利に7.5km以上及び殊に8km以上であるべきである。15°SRでの針葉樹繊維塊の引裂長は、9km以上、有利に9.5km以上及び殊に10km以上であるべきである。
【0019】
落葉樹繊維塊の引裂長は、少なくとも12%のリグニン含量及び叩解度20°SRで6km以上、有利に7km以上及び殊に7.5km以上であるべきである。
【0020】
一年生植物繊維塊の引裂長は、20°SRで、3.5km以上、有利に4km以上及び殊に4.5km以上であるべきである。
【0021】
しかし、本発明による繊維素は、高い引裂長を特徴とするだけではない。むしろ、強度水準が全体に高い。
【0022】
本発明による繊維素が漂白処理されている場合には、繊維特性は著しく改善される。漂白処理は、白色度へのより高い要求を伴う多くの使用に必要である。しかし、それは繊維特性の調整及び改善も目的とする。漂白処理で引裂長は上昇する。
【0023】
従って、紙料懸濁液は、漂白状態での針葉樹について15°SRで7.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して、少なくとも13%のリグニン含量、又は漂白状態での落葉樹について20°SRで5.0km以上の引裂長及びotro繊維素に対して、少なくとも10%のリグニン含量 又は漂白状態での一年生植物について20°SRで5.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して、少なくとも10%のリグニン含量を有する木材又は一年生植物からのリグノセルロース繊維素を含有すべきである。
【0024】
この場合にも、より高い引裂長が有利である。従って、針葉樹繊維塊の引裂長は、15°SRで9km以上、有利に10km以上であるべきである。
【0025】
落葉樹繊維塊の引裂長は、20°SRで5.5以上及び一年生植物繊維塊の引裂長は25°SRで5km以上、有利に5.5km以上及び殊に6km以上であるべきである。
【0026】
高い比容量及びできるだけ僅少な叩解度での高い強度に関する利点を最適に適用し得るために、紙料懸濁液は、前記によるリグノセルロース繊維素を排他的に含有すべきである。
【0027】
しかし、紙料懸濁液がこの種類のリグノセルロース繊維素によって部分的にのみ形成される場合が、多くの適用に十分である。この際、紙料懸濁液の繊維素の20〜80%、有利に30〜50%が、前記によるリグノセルロース繊維によって形成される場合が有利である。
【0028】
ティッシュウェブの形成後に、有利に、これを上部の構造された透過性ベルトの間及び下部の透過性ベルトの間の脱水段階に送り、この際、脱水区間に沿って、上部ベルト、ティッシュウェブ及び下部ベルトに圧力をかける。
【0029】
この際、上部ベルト、ティッシュウェブ及び下部ベルトを含む集成部材上にかけられた圧力は、ガス流によって及び/又は機械的加圧力によって作用され得る。
【0030】
脱水段階では、有利に、先ず上部ベルト、次いでティッシュウェブ及び続いて下部ベルトにガスを流通させる。この際、脱水は下部ベルトの方向に行われる。
【0031】
ガス流通に付加的に又は選択的に、脱水段階で上部ベルト、ティッシュウェブ及び下部ベルトを含む集成部材を、少なくとも断片的に、圧力下にある加圧ベルトと平滑表面との間に送る場合が有利であり、この際、加圧ベルトは上部ベルトに作用し、かつ下部ベルトは平滑表面に支持されている。
【0032】
有利に、上部ベルト、ティッシュウェブ及び下部ベルトを含む集成部材に、少なくとも断片的に、脱水区間の範囲でガス流を流通させ、従って、脱水は、同時に加圧ベルトの加圧力及びガスの流通によって行われる。
【0033】
試験は、ティッシュウェブを通るガス流が、1分間及び脱水区間に沿った長さ1メーター当たり、約150mであるべきであることを示した。
【0034】
ティッシュウェブの十分な脱水に関して、加圧ベルトは少なくとも30kN/m、有利に少なくとも60kN/m及び殊に80kN/mの圧力下にあるべきである。
【0035】
加圧ベルトの機械的圧力によっても、ガス流に基づく加圧ベルトによっても、ティッシュウェブの良好な脱水を達成し得るために、加圧ベルトは50%以上の開口面及び少なくとも15%の接触面を有するべきである。
【0036】
平滑表面は、有利に、ロールのジャケット面によって形成される。ガス流の発生は、有利に、ロール中の吸収帯域を経て及び/又は上部ベルトの上に配置された超過圧フードを経て行われ得る。
【0037】
本発明によるリグノセルロース繊維素を含有する紙料懸濁液の製造において、各々otro繊維塊に対して、針葉樹については少なくとも15%、及び落葉樹については12%及び一年生植物については10%のリグニン含量を有する、木材又は一年生植物を含む少なくとも1種の懸濁液成分は、次の段階で製造されることが本質である:
各々使用木材のotro量に対して、針葉樹については化学薬品5%以上(NaOHとして計算)を有する又は落葉樹については化学薬品3.5%以上(NaOHとして計算)を有する化学薬品溶液の製造、
前与の浴比での化学薬品溶液と木材又は一年生植物との混合、
化学薬品溶液及び木材又は一年生植物の、室温以上の温度への加熱及び引き続いて
又は(1.選択的)
遊離流動性化学薬品溶液の除去及び
木材又は一年生植物の、蒸気層での蒸解
又は(2.選択的)
木材又は一年生植物の、化学薬品溶液が存在する液相での蒸解及び
遊離流動性化学薬品及び木材又は一年生植物の分離。
【0038】
本発明による方法は、高収率繊維素を製造するために、従来の常用よりも高い化学薬品量を使用することに基づく。針葉樹について化学薬品5%以上、同様に落葉樹について化学薬品3.5%以上及び一年生植物について2.5%は、明らかに技術的な繊維素製造のための従来常用の化学薬品量以上である。この高い化学薬品使用は、良好な収率及び卓越した強度特性を有する繊維素をもたらす。即ち、針葉樹については、ほんの12°SR〜15°SRの叩解度で、8km以上の引裂長、しかし9km以上及び10km以上の引裂長も測定される。落葉樹については、ほんの20°SRで、5km以上の値、しかし6km以上及び7km以上の引裂長も測定される。従って、所望される高い強度水準が達成される。
【0039】
本発明による方法の特別な利点として、従来は高収率の繊維素については得られなかったような、この強度値が極めて少ない叩解度で既に達成されることが考慮される。公知技術水準による繊維素は、針葉樹については12°SR〜15°SR、又は落葉樹については20°SRの叩解度で受け入れ不可能な強度水準を示す。公知の繊維素は、この低い叩解度では、十分な結合力を持たず、かつそのような繊維素の経済的な使用のための十分な強度特性に相応して貢献しなかった従来の繊維を生成させた。
【0040】
一年生植物として、殊に、タケ、アサ、イネワラ、バガス、コムギ、ススキ等が好適である。
【0041】
これに対して、本発明による方法で製造される繊維素は、12°SR〜15°SRの範囲の叩解度で既に、紙質量100g/mに対して、8km以上11kmまでの引裂長及び70cN以上110cN以上までの引裂強度を有する。この少ない叩解度は、更に、針葉樹については500kWh/繊維素tよりも少ない叩解エネルギーの僅少な特異的要求で達成され、落葉樹繊維素では、叩解エネルギーの要求は、むしろ300kWh/繊維素tよりも少ない。高い強度水準が、針葉樹については12°SR〜15°SRの低い叩解度で既に、落葉樹については20°SRで達成されるという認識は、本発明の本質的部分である。
【0042】
低い叩解度と組み合わされたこの高い強度値は、針葉樹繊維素については15%以上、落葉樹繊維素については12%以上又は一年生植物については10%以上のリグニン含量を有する繊維素に関して、従来は知られていない。しかし、高い強度水準は、更により高いリグニン含量を有する繊維素に関しても保持され得る。この本発明による方法は、otro繊維塊に対して、18%以上、有利に21%以上、有利に24%以上のリグニン含量を有する針葉樹繊維素の製造にも好適である。14%以上、有利に16%以上、特に有利に18%以上のリグニン含量を有する落葉樹繊維素及び10%以上、有利に12%以上、殊に19%以上のリグニン含量を有する一年生植物は、同様に、本発明による方法で製造され、高い強度水準を示す。
【0043】
蒸解のために使用される化学薬品溶液の組成は、蒸解すべき木材又は一年生植物及び所望の繊維素特性への選択で決定され得る。通例、亜硫酸塩成分が単独で使用される。選択的に又は補足で、硫化物成分が加えられることがある。亜硫酸塩成分での蒸解は、硫化物成分が存在しても妨害されない。技術的には、大抵、亜硫酸ナトリウムが使用されるが、亜硫酸アンモニウム又は亜硫酸カリウム又は重亜硫酸マグネシウムの使用も可能である。殊に高量の亜硫酸塩が使用される場合には、アルカリ性成分の使用を放棄することができ、それというのも、蒸解を促進させる高いpH値は、アルカリ性成分を添加しなくても出現するからである。
【0044】
pH値の調整のために及び脱リグニン化の支持のために、酸性及び/又はアルカリ性成分を供給することができる。アルカリ性成分として、技術的には、水酸化ナトリウム(NaOH)が大抵使用される。しかし、炭酸塩、殊に炭酸ナトリウムの使用も可能である。本明細書における蒸解方法の化学薬品量、例えば、全化学薬品使用又は亜硫酸塩成分及びアルカリ性成分の配分についての全体的な表示は、他の記載のないかぎり、各々水酸化ナトリウム(NaOH)として計算及び表示される。
【0045】
所望のpH値を調整するために、酸性成分として、酸を供給することができる。しかし、SOを、場合により水溶液で添加することが有利である。殊に、例えば、亜硫酸ナトリウムをベースとする使用の化学薬品溶液が、蒸解後に、継続使用のために選別される場合、安価でかつ良好に入手可能である。
【0046】
本発明による高収率蒸解のための、キノン成分の使用の利点が認識されたことが、明らかな独創的な業績として認められる。キノン成分、殊にアントラキノンは、従来は、蒸解の終了頃に炭水化物への不所望な攻撃を阻止するために、最少のリグニン含量を有するパルプの製造で使用される。キノン成分の添加によって、木材の蒸解を更にリグニンの完全な分解近くまで継続させることが可能となる。従来は未知の予期されなかったキノン成分の特性として、これが高収率パルプの製造でリグニン蒸解の速度を著しく高めることが明らかとなった。蒸解時間は、例えば、針葉樹繊維素の製造では、半分以上、蒸解条件に応じて4分の3以上短縮され得る。この注目に値する作用は、キノンの最少の使用で達成される。例えば、0.005%〜0.5%であるアントラキノンの使用が最適である。1%までのアントラキノンの使用は所望の作用ももたらす。アントラキノン3%以上の使用は殆ど不経済である。
【0047】
前記の化学薬品の単独又は数種から、化学薬品溶液を製造する。大抵は水溶液が調合される。任意として、有機溶剤の使用又は添加を意図することもできる。アルコール、殊にメタノール及びエタノールが、水との混合で、質的に高価値である高収率繊維素の製造のための特に有効な化学薬品溶液を生じさせる。水とアルコールとの混合比は、各原料について、僅かな試験で最適化され得る。
【0048】
少なくとも70%の収率を有する繊維素の製造のために本発明により使用すべき化学薬品量は、各々蒸解すべきotro木材塊又は一年生植物塊に対して、針葉樹については少なくとも5%、落葉樹については少なくとも3.5%及び一年生植物については少なくとも2.5%である。製造される繊維素の品質は、針葉樹については15%まで、落葉樹については10%まで及び一年生植物については10%までの化学薬品使用で最高の結果を示す。針葉樹では、使用されるotro木材に対して、化学薬品9%〜11%を添加することが有利である。落葉樹については、化学薬品の使用は、むしろより低い、有利に4%〜10%、特に有利に6%〜9%でありかつ一年生植物では3〜10%である。
【0049】
既に前記で説明したように、特異的なpH値の調整は決して必要ではない。ただ、例えば、パルプの特別な特性(特に高い引裂度、引裂長と引裂強度との一定の比率)を蒸解で達成すべき場合だけ、酸又はアルカリ性成分を蒸解の前又はその間に添加することが有意義で有り得る。本発明による方法の有利な実施により、化学薬品全体の選択された使用に無関係で、アルカリ性成分と二酸化硫黄(SO)との間の比率を広い範囲で調整することができる。この際、SOは、前記の酸性成分の代理に挙げられる。またSOの代わりに、酸を使用することもできる。場合により添加されるキノン成分は、ほんの最少量で、大抵は明らかに1%以下で使用されるので、それはこの比率の調整には無視することができる。アルカリ性成分:SOの5:1〜1.6:1の範囲の比率は、本発明による方法を実施し、かつ高い強度特性を有する繊維素を得るために好適である。通例、特に好適な範囲は、2:1〜1.6:1である。配分される成分の適合は、蒸解すべき原料及び各々選択される方法実施(蒸解温度、蒸解時間、含浸)に依存して行われる。
【0050】
本発明による方法は、広いpH値範囲で実施され得る。アルカリ性成分対酸性成分の比率又は酸性又はアルカリ性成分の使用を調整することができ、即ち、方法の開始時に、pH値を6〜11、有利に7〜11、特に有利に7.5〜10に調整する。むしろ、本発明による方法に有利であるアルカリ性pH値8〜11が、キノン成分の作用も促進させる。本発明による方法はpH値に関して耐性である;pH値調整には化学薬品は殆ど必要ではない。これは化学薬品の経費に有利に作用する。
【0051】
酸又はアルカリ性成分を更に添加せずに、例えば、針葉樹については、蒸解の終了時に、遊離流動性化学薬品溶液及び蒸解によって液化された、その中に溶解された有機成分中のpH値は、5〜9、大抵は6.5〜9となる。溶解された有機成分には、特にリグノスルホネートが挙げられる。
【0052】
浴比、要するに、otro木材又は一年生植物対化学薬品溶液の量比は、1:1.5〜1:6に調整される。浴比1:2〜1:4が有利である。この範囲では、蒸解すべき原料の良好かつ簡単な混合及び含浸が保証される。針葉樹については、浴比1:3.5が有利である。大きな面積を有する木材チップについては、迅速な湿潤及び含浸を可能にするために、浴比は明らかにより高くてもよい。
【0053】
同時に、化学薬品溶液の濃度は、循環すべき液体量が大きくなりすぎないほどの高さで保たれ得る。
【0054】
木材蒸解物又は一年生植物蒸解物の混合又は含浸は、有利に高められた温度で行われる。110℃まで、有利に120℃まで、特に有利に130℃までのチップ及び化学薬品溶液の加熱は、木材の迅速かつ均一な蒸解につながる。チップの混合又は含浸には、30分間まで、有利に60分間まで、特に有利に90分間までの時間が有利である。各々最適時間は、特に、化学薬品量、浴比、選択温度及び蒸解法(液相又は蒸気相)に依存する。
【0055】
化学薬品溶液と混合又は含浸させたリグノセルロース原料の蒸解は、120℃〜190℃、有利に140℃〜180℃の温度で行われることが有利である。殆どの木材については、蒸解温度150℃〜170℃が調整される。より高い又はより低い温度を調整することができるが、この温度範囲では、加熱及び蒸解の促進のためのエネルギーロスが経済的比率で相対している。より高い温度は、更に繊維素の強度及び白色度に否定的に作用し得る。高い温度によって生成される圧力は、蒸煮釜の相応する設計によって直ちに受け入れることができる。加熱の持続時間は、通例、ほんの数分間、大抵は30分間まで、殊に蒸気で加熱する場合には、有利に10分間までである。加熱の持続時間は、例えば、液相で蒸解しかつ化学薬品溶液をチップと一緒に加熱すべき場合には、120分間、有利に60分間持続し得る。
【0056】
蒸解の持続時間は、特に、所望の繊維素特性に依存して選択される。蒸解の持続時間は、例えば、少ないリグニン含量を有する落葉樹の蒸気相蒸解の場合には、2分間まで短縮することができる。しかし、例えば、蒸解温度が低くかつ蒸解すべき木材の天然リグニン含量が高い場合には、180分間までであってもよい。また蒸解の初期pH値が中性範囲である場合も、長い蒸解持続期間が要求され得る。殊に針葉樹では、90分間までの蒸解持続時間が有利である。60分間までの蒸解持続時間が特に有利であり、30分間までが有利である。60分間までの蒸解持続時間は、特に、落葉樹で考慮される。
【0057】
一年生植物では、蒸解持続時間は90分間までである。キノン成分、殊にアントラキノンの使用は、アントラキノンを添加しない場合の必要時間の25%まで、蒸解持続時間の軽減を可能にする。キノン成分の使用を放棄する場合には、比較可能な蒸解結果について、蒸解持続時間は約1時間以上、例えば、45分間から180分間まで長くなる。
【0058】
本発明による方法の有利な実施により、蒸解の持続時間は選択される浴比に依存して調整される。浴比が少なくなればなるほど、方法持続時間はより一層短く調整される。
【0059】
針葉樹については5%以上、落葉樹については3.5%以上及び一年生植物については少なくとも2.5%の高い化学薬品使用量を用いる高収率繊維素の製造は、特に不経済である。しかし、試験により、化学薬品の一部分だけがリグノセルロース物質の部分的蒸解の間に消費されることが明らかとなった。化学薬品の大部分は、蒸解前(蒸気相蒸解)も、蒸解後(液相での蒸解)も消費されずに排出する。化学薬品の本来の消費量は、蒸解溶液中で使用される量以下である。
【0060】
化学薬品消費量は、(本来使用される化学薬品量に対して)、繊維にほぐした後に又は化学薬品溶液の検出と連結して測定される化学薬品溶液の除去又は分離後及び場合により化学薬品溶液の検出後の化学薬品量として把握される。化学薬品消費量は、蒸解すべきotro木材塊に対して、蒸解に使用される化学薬品の絶対量に依存している。蒸解化学薬品の使用量が高ければ高いほど、化学薬品の直接変換率は一層少なくなる。otro木材塊に対して化学薬品27.5%の使用で、例えば、使用化学薬品の約30%だけが消費される。しかし、otro木材に対して化学薬品15%の使用では、実験室試験で実証されたように、使用化学薬品の60%が消費される。本発明による方法の化学薬品消費量は、蒸解中での方法の有利な1実施により、蒸解の開始時に使用される化学薬品使用量の80%まで、有利に60%まで、特に有利に40%まで、有利に20%まで、特に有利に10%までである。
【0061】
繊維素1トンの製造のための化学薬品消費量は、otro繊維素(落葉樹及び針葉樹又は一年生植物)に対して、亜硫酸塩成分及び/又は硫化物成分及び場合によりアルカリ性及び/又は酸性成分及び場合によりキノン成分約6%〜14%である。本発明により、この化学薬品量は、所与の特性を有する繊維素を製造するために十分である。しかし、一様の方法結果を保証するために、及び場合により特に、所望の繊維素特性を得るために、蒸解のためにより高い化学薬品量、例えば、otro木材塊又は一年生植物塊に対して、前記の化学薬品30%までを使用することが重要と実証され得る。
【0062】
蒸解を開始するためのこの化学薬品量の使用は有利な作用を示し、それというのも、この方法で得られる繊維素は、従来では得られない特性、殊に高い強度特性及び高い白色度を示すからである。殊に、従来は、中性からアルカリ性範囲までの広いpH値スペクトルに渡って高い強度を有する繊維素が生じる蒸解法は得られない。本発明により製造される繊維素は、公知の繊維素よりももっと少ないエネルギー要求で、所与の叩解度に叩解することができることが、経済的に特に魅力的として示された。更に、これは、針葉樹については12°SR〜15°SR及び落葉樹については20°SRの異例に低い叩解度で既に高い強度を発揮する。
【0063】
過剰な化学薬品は、木材と化学薬品溶液との混合及び含浸後に又は蒸解後に遊離流動液中に存在する。この過剰は、蒸解前(1.選択的)又は蒸解後(2.選択的)に除去される。方法の有利な継続形態により、排除された化学薬品溶液の組成が測定され、かつ引き続き繊維の製造への新たな使用のために所与の組成に調整される。木材又は一年生植物の蒸解前又はその後に除去される化学薬品溶液は、もはや最初に調整された組成を有しない。蒸解に使用される化学薬品の少なくとも一部分は、(前記のように)、蒸解された物質中に入り込んでいる及び/又は蒸解の際に消費されている。未消費の化学薬品は、そのまま再び次の蒸解に使用され得る。しかし本発明により、除去された化学薬品溶液の組成を先ず測定し、次いで、例えば、亜硫酸塩、アルカリ性成分、キノン成分又は同様に水又はアルコールの消費分を、再び次の蒸解のための所与の組成を調製するために、補充することが打ち出されている。この補充段階は強化としても表示される。
【0064】
この手段の著しい利点として、化学薬品溶液が、まさに蒸解前の除去の際に初めて、しかし蒸解後の除去の際も、次の蒸解のための強化された化学薬品溶液を新たに使用する際に、障害として実証される物質を全く含有しない又は極めて少量のみを含有するということが考慮される。含浸の際に過剰供給の蒸解化学薬品を使用することを目的とする本発明による方法は、最初は不経済と思われる化学薬品の高使用量方法にもかかわらず、化学薬品溶液の除去又は分離及び強化が、簡単でかつ経費的に有利に実施され得るので、極めて経済的に作業することができる。
【0065】
本発明による方法は、できるだけ少ない量だけの使用される出発物質が蒸解又は溶解されるように照準的に制御される。針葉樹についてはotro繊維塊に対して少なくとも15%のリグニン含量、有利に少なくとも18%、特に有利に21%、有利に少なくとも24%のリグニン含量を示す繊維素を製造ことが求められる。落葉樹については、otro繊維塊に対して、少なくとも12%、有利に少なくとも14%、特に有利に少なくとも16%、有利に少なくとも18%のリグニン含量を達成することが求められる。一年生植物では、リグニン含量は、有利に10〜28%、殊に12〜26%である。
【0066】
本発明による方法の収率は、各々使用木材に対して、少なくとも70%、有利に75%以上、有利に80%以上である。この収率は、前記の繊維素リグニン含量と相関する。木材の本来のリグニン含量は種類に特異性である。収率ロスは、本方法では、主にリグニンのロスとして示される。比特異的蒸解法では、例えば、蒸解化学薬品は、自体不所望な方法で、セルロース又はヘミセルロースも溶かすので、炭水化物の割合は明らかに高められている。
【0067】
もう1つの有利な手段は、リグノセルロース物質を繊維にほぐし、かつ場合により叩解した後に、なお残留する化学薬品溶液を除去しかつ継続使用に導くことである。この継続使用は、有利な態様で2つの局面を包含し得る。1方では、部分的蒸解の間に蒸解される又は溶解される有機物質、主にリグニンが更に利用される。例えば、工程エネルギーを得るために、燃焼される。又は、他で使用されるために、選別される。他方では、消費及び未消費の化学薬品は、それがリグノセルロース物質の新たな部分的蒸解のために使用され得るように、再び選別される。それには、消費された化学薬品の選別が属する。
【0068】
本発明による方法の特に有利な変法により、使用された化学薬品溶液は、著しく効率的に利用される。繊維にほぐしかつ場合により叩解した後に、化学薬品溶液をできるだけ広範に水によって排除するために、繊維素を洗浄する。この洗浄過程又は排除過程で生じる濾液は、かなりの量の化学薬品溶液及び有機物質を含有する。本発明により、この濾液を除去又は分離された化学薬品溶液に供給し、その後に化学薬品溶液を強化しかつ次の蒸解に供給する。濾液中に含まれる化学薬品及び有機成分は、蒸解を妨害しない。それがなお次の蒸解の間に脱リグニン化に貢献する限り、その含量は化学薬品溶液中に包含されかつこの蒸解に必要な化学薬品量の測定の際に考慮される。濾液中に更に含有される化学薬品は、次の蒸解の間では不活性である。それは妨害しない。濾液中に含まれる有機成分も同様に不活性である。それらは次の蒸解後に化学薬品溶液の選別で、工程エネルギーを発生させるためにか、又は他の方法で更に使用される。
【0069】
この濾液の導入によって、少ない新鮮水及び少ない化学薬品が蒸解に使用されることは、特に有利であると見なされる。同時に、溶解された有機物質の最高量が包含される。溶解された有機物質のこの改善された利用も、本発明による方法の経済性を改善する。
【0070】
次に本発明を数例の実施例につき詳説する。添付図面において、図面は次のことを示す:
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による方法の実施のための装置を示す説明図である。
【図2】本発明による方法の実施のための第二の装置を示す説明図である。
【0072】
しかし先ず、次に紙料懸濁液の本発明による製法を実施例につき詳説する。
【0073】
次の試験は次の処方により評価された:
収率は、各々105℃で一定質量に(絶対)乾燥させた、使用原料及び蒸解後に得られるパルプの秤量によって計算された。
リグニン含量は、クラーソンリグニン(Klason-Lignin)として、TAPPT T 222 om-98により測定した。
酸溶性リグニンは、TAPPI UM 250により測定した。
製紙技術的特性は、Zellcheming-Merkblatt V/8/76により製造された試験紙で測定した。
叩解度は、Zellcheming-Merkblatt V/3/62により得られた。
容量重は、Zellcheming-Vorschrift V/11/57により調べた。
引裂長は、Zellcheming- Vorschrift V/12/57により測定した。
引裂強度は、DIN 53 128 Elmendorfにより調べた。
引張(Tensile-)指数、引裂(Tear-)指数及び破裂(Burst-)指数の調査は、TAPPI 220 sp-96により行った。
白色度は、Zellcheming-Merkblatt V/19/63による試験紙の製造によって調査し、Datacolor elrepho 450 x光度計を用いてSCAN C 11:75により測定した;白色は、ISO-Norm 2470によりパーセントで示した。
粘度は、パルプ‐及び紙‐化学者及び‐技術者連合(des Vereins der Zellstoff-und Papier-Chemiker und -Ingenieure)のMerkblatt IV/36/61により測定した(Zellcheming)。
本明細書中の全ての%表示は、個々に他の記載のないかぎり、質量%として認められる。
本明細書中の"otro"表示は、105℃で一定質量まで乾燥させた"炉乾燥(ofentrockenes)"物質に関する。
蒸解のための化学薬品は、他の記載のないかぎり、水酸化ナトリウムとして質量%で表示される。
【0074】
例1 液相での針葉樹蒸解
松材チップ及びダグラスモミチップを含む混合物に、蒸煮(105℃の飽和蒸気で30分間)後に、亜硫酸ナトリウム蒸解溶液を、木材:蒸解溶液1:3の浴比で混合させた。化学薬品の全使用量は、otroチップに対して15%以下であった。蒸解開始のpH値をSOの添加によってpH8.5〜9に調整した。
【0075】
化学薬品溶液で含浸させた松材チップを、90分間の時間にわたり170℃に加熱し、この最高温度で60分間に渡り蒸解させた。
【0076】
引き続いて、遊離流動性の液体を遠心によって分離させ、収容しかつ未消費液体の返還のための装置で分析し、かつ強化し、かつそうして次の蒸解のために準備した。
【0077】
蒸解したチップを繊維にほぐした。そうして生じた繊維素の部分量を、強度を異なった叩解度で調べるために、異なった長さで叩解した。部分的に蒸解したチップの繊維にほぐすためのエネルギーロスは、300kWh/繊維素t以下であった。
【0078】
この試験では、収率は、使用された木材塊に対して77%であった。
【0079】
これは、広範に20%以上のリグニン含量を有する繊維素に相応する。松材についての平均リグニン含量は、otro木材塊に対して28%で挙げられる(Wagenfuehr, Anatomie des Holzes, VEB Fachbuchverlag Leipzig, 1980)。繊維素の事実上のリグニン含量は、蒸解の間に主に、しかし非排他的にリグニンが蒸解されるので、20%以上である。炭水化物(セルロース及びヘミセルロース)も少量で溶解される。前記の値は、蒸解がリグニン蒸解及び炭水化物蒸解に対して良好な選択性を有することを示す。
【0080】
白色度は、ISO55%以上の値で意外に高く、ISO75%の白色度が達成可能であるほど良好な、場合により引き続いての漂白のための出発ベースを示す。
【0081】
この物質は、12°SRの出発叩解度で、既に引裂長6kmを、比重1.87cm/gで有する。
【0082】
繊維素を15°SRの叩解度に叩解するために、20〜30分間の叩解時間が必要である。叩解度は、狭い回廊中で蒸解の開始のpH値(pH6〜pH9.4)に無関係で、20分間の叩解時間まで(叩解度12°SR〜15°SR)繰り広げられる。
【0083】
同様に蒸解の初期pH値及び叩解度の達成に必要な叩解時間に無関係で、叩解度15°SRで、高い強度水準が達成される。
【0084】
例2
繊維素を松材チップから製造し、この際、蒸解開始のpH値は9.4であった。
【0085】
全化学薬品(前記の比率での亜硫酸塩及びNaOH)15%に付加的に、化学薬品溶液に、使用木材量に対して、アントラキノン0.1を添加した。
【0086】
蒸解時間は60分間であった。
【0087】
この際、次の値が生じた:
収率(%): 81.1
リグニン含量: 22.7
白色度(ISO%): 53.7
引裂長(km): 9.6
引裂強度(cN;100g/m) 75.0
【0088】
アントラキノン0.1%の添加によって、その他の蒸解条件を変えずに、約180分間の蒸解時間は60分間に減少され得る。この時間獲得は、特に、繊維素製造用の装置の寸法をより小さく測ることができるので重要である。更なる節約ポテンシャルは、蒸解に必要な温度を、もっとずっとより短い時間に渡るだけで適性に保持すべきことにある。
【0089】
更に、針葉樹では5〜15%の値まで全化学薬品の使用を下げる場合に、広範に同様に良好な特性を有する繊維素が生成されることを調べた。この結果はアントラキノンの使用には依存しない。アントラキノンは、蒸解の促進を惹起するが、所望の繊維素はアントラキノンを添加しなくても蒸解され得る。
【0090】
例3:液相での落葉樹蒸解
ユーカリチップに、蒸煮後に、亜硫酸ナトリウム蒸解溶液を、木材‐蒸解溶液1:3の浴比で混合させた。この際、化学薬品使用量は、otroチップに対して10.5%(NaOHとして)であった。
【0091】
90分間の時間で、蒸解物を含浸させ、かつ煮沸物を最高蒸解温度170℃に加熱した。煮沸時間は50分間であった。
【0092】
ユーカリ木材を有する蒸解物は、この物質が、繊維にほぐすための特異的エネルギー供給量250KWh/t以下で製造され得ることを示す。
【0093】
この試験で、収率は使用木材塊に対して77%であった。この物質は、14°SRの出発叩解度で、既に3.5kmの引裂長を、比重2.05cm/gで有する。この物質は、次の漂白で、ISO79.6%の白色度に漂白された。
【0094】
試験は、蒸気相での蒸解が、少ない全体時間需要を示すことを示した。液相での蒸解に対して、最高の蒸解温度への加熱はずっとはるかに、より迅速に行われる。この際、本来の蒸解は、液相での煮沸と同様の時間を必要とする。蒸気相蒸解の間に、遊離流動性化学薬品溶液は存在せず、これは含浸後及び蒸解前に溜去される。従って、これに、液相での蒸解後に溜去される化学薬品溶液として有機性物質を少量加える。しかし、これは生成する繊維素の品質には著しい影響を及ぼさない。
【0095】
蒸気相蒸解において収率での類似値が達成可能であるが、蒸気蒸解で生じる繊維素の白色度は確かに明らかにより低い。170℃から155℃への最高蒸解温度の低下が、著しい効果を引き起こす:白色度は上昇する。
【0096】
蒸気相で製造された繊維素は卓越した強度を有する。引裂長は、例えば、15°SRでは、10km及び11kmで測定された。引裂強度は、例えば、82.8cN及び91.0cNで測定された。これらの値は、高いリグニン含量を有する繊維素について、液相での蒸解のために達成された又はなおそれ以上にある最高値に相応する。公知技術水準からの高いリグニン含量を有する繊維素について、比較可能な強度値は知られていない。
【0097】
特に明らかに、本発明による繊維素が、引裂強度は減少されることなく、高い引裂長を構成するために、叩解の際に少ないエネルギー消費だけを必要とすることが例から推察される。叩解度12°SRが各々0〜10分間で達成された;叩解度13°SRは5〜30分間、大抵は10〜20分間で達成された。叩解度14°SRにするために、ジョクロミル(Jokro-Muehle)を30〜40分間作動させねばならず、かつ叩解度15°SRには、35〜40分間が必要であった。叩解度約40°SRまでの叩解は、叩解エネルギーの莫大な消費を必要とすることは明白である。要するに、本発明による方法の特別な利点は、少ないエネルギー消費で、高い強度を有する叩解すべき繊維素を製造することにある。
【0098】
次にティッシュウェブの製造のための本発明による方法で使用する紙料懸濁液の製造装置は、乾燥原料及び半紙料及び古紙を水に溶かし、ポンプ汲み出し可能な状態に移行させる製紙機を包含する。引き続き、そうして生成した物質を混合桶に供給する。
【0099】
引き続いての叩解過程で、紙料懸濁液を12°SR以上の叩解度に叩解する。
【0100】
混合桶の後に、紙料懸濁液をバックウォーターで極めて強く希釈し、装入装置13に供給する。
【0101】
紙料懸濁液を得ることとは無関係で、ティッシュペーパーの製造には、装入装置13から出る紙料懸濁液が20°SR以下の叩解度を有し、かつ4.5km以上の引裂長を有することが重要である。
【0102】
前記の特性を有する紙料懸濁液1を、装入装置13から、これが成形篩14と構造化の、殊に3次元構造化のベルト3との間の、注入スリット中に注入されるようにして排出させ、それによってティッシュウェブ1が形成される。
【0103】
成形篩14は、ティッシュウェブ1へ向けられた側面を有し、この側面は構造化ベルト3のそれに相対的に平滑である。
【0104】
この際、構造化ベルト3のティッシュウェブに向かう側面は深められた範囲及び深められた範囲に相対的に高められた範囲を有し、従って、ティッシュウェブ1は、構造化ベルト3の深められた範囲及び高められた範囲で形成される。深められた範囲及び高められた範囲の間の高差は、有利に0.07mm及び0.6mmである。高められた範囲によって形成される面積は、有利に10%以上、特に有利に20%以上及び特に有利に25%〜30%である。
【0105】
図示された実施態様において、上部ベルト3、ティッシュウェブ1及び成形篩14を含む集成部材は、成形ロール15の周囲で操作され、かつティッシュウェブ1は実際に成形篩14によって脱水され、その後に、成形篩14からティッシュウェブ1は取り外されかつティッシュウェブ1はベルト3上に更に輸送される。
【0106】
ベルト3の深められた範囲で形成されるティッシュウェブ1の嵩張った断片は、ベルト3の高められた範囲で形成されるティッシュウェブ1の断片よりも高い容積及びより高い面積比重量を有する。
【0107】
従って、ティッシュウェブ1は、その成形化に基づき、構造化ベルト3上で3次元構造を有する。
【0108】
紙葉形成は、当然、二つの平らな成形篩14の間でも行うことができ、従って、実際に平らなティッシュウェブ1は3次元構造を形成しない。
【0109】
ティッシュウェブ1の形成に続く脱水段階では、ティッシュウェブ1は、上部に配置されている構造化ベルト3と下部の透過性でフェルトとして形成されたベルト2との間に送られ、この際、脱水段階では、脱水区間に沿って、構造化ベルト3、ティッシュウェブ1及びベルト2上に、矢印によって二つの指で示すように、ティッシュウェブ1がベルト2の方向に脱水されるように圧力をかける。
【0110】
脱水の間に、ティッシュウェブ1はベルト2、3と共にロール5に巻きつく。
【0111】
ティッシュウェブ1がこの脱水段階でベルト2の方向に脱水されることによって、及びティッシュウェブ1が、この上に既に形成されている構造化ベルト3上で脱水されることによって、嵩張った断片は他の断片よりも少ない強さで圧搾され、従って、結果的に、この断片の嵩張った構造は得られたままである。
【0112】
ティッシュウェブ1の脱水のための圧力は、図1による脱水段階では、少なくとも断片的に同時にガス流によって及び機械的加圧力によって引き起こされる。
【0113】
ガス流は、この際、先ず構造化ベルト3、次いでティッシュウェブ1及び引き続いてフェルトとして形成された下部ベルト2を流通する。ティッシュウェブ1を通るガス流は、1分間及びベルト長1メーター当たり約150mである。
【0114】
本例では、ガス流はロール5中の吸収帯域10を通って引き起こされ、この際、吸収帯域10は、200mm〜2500mm、有利に800mm〜1800mm、特に有利に1200mm〜1600mmの範囲の長さを有する。
【0115】
吸収帯域10の低圧(Unterdruck)は、−0.2バール〜−0.8バール、有利に−0.4バール〜−0.6バールである。
【0116】
機械的加圧力及び任意に又は付加的にガス流で実施される脱水段階の実施及びそのような脱水段階の実施のための装置の異なった配置に関して、PCT/EP2005/050198が、全範囲で、本出願の公開内容において引用されるべきである。
【0117】
機械的加圧力は、図1により、脱水段階では、構造化ベルト3、ティッシュウェブ1及びベルト3を含む集成部材が、圧力下にある加圧ベルト4と平滑表面との間の脱水区間に導かれることによって引き起こされ、この際、加圧ベルト4は構造化ベルト3に作用し、かつベルト2は平滑表面に支持されている。
【0118】
この際、平滑表面はロール5のジャケット面によって形成される。
【0119】
脱水区間11は、実際に、加圧ベルト4の巻付範囲を経てロール5のジャケット面のまわりに定められ、この際、巻付範囲は二つの方向転換ロール12の間隔を経て定められる。
【0120】
加圧ベルト4は、少なくとも30kN/m、有利に少なくとも60kN/m又は80kN/mの圧力下にあり、かつ上部ベルト3に向かうその全面の少なくとも25%の開口面及び少なくとも10%の接触面を有する。
【0121】
具体例で、スパイラルリンクファブリック(Spiral Link Fabric)として形成された加圧ベルト4は、上部ベルト3に向かうその全面の51%〜62%の開口面及び38%〜49%の接触面を有する。
【0122】
加圧ベルトの構造に関して、PCT/EP2005/050198が、全範囲で、本出願の公開内容において引用されるべきである。
【0123】
ティッシュウェブ1は、乾燥含量25%〜55%を有して脱水区間11を出る。
【0124】
次に、ティッシュウェブ1は、脱水段階に続く更なる脱水段階で、構造化ベルト3と一緒に、圧搾スリットを通って送られ、この際、ティッシュウェブ1は、構造化ベルト3とヤンキー(Yankee)乾燥シリンダー7の平滑ロール面との間の圧搾スリットに配置されている。この際、圧搾スリットは、ヤンキー乾燥シリンダー7及びシュープレスロール(Schuhpresswalze)8によって形成される延長された圧搾スリットである。
【0125】
ティッシュウェブ1は、ヤンキー乾燥シリンダー7のジャケット面上の比較的大きな面を有する側上にあり、この際、ティッシュウェブ1は構造化ベルト3上の他方側上にある。
【0126】
この際、構造化ベルト3の深められた範囲及びそれに相対的に高められた範囲は、嵩張った断片が圧搾スリット中で実際には圧搾されないように形成されかつ相互に配置されている。これに対して、他の断片は圧搾され、それによってティッシュウェブ1の強度は更に高められる。
【0127】
二つの記載された脱水段階の間に、もう1つの脱水段階が備えられていてよく、これは装置9によって実施可能である。
【0128】
任意に、ティッシュウェブ1は、それが圧搾スリットを通過する前に、構造化ベルト3と一緒に吸収巻付ロールの回りに導かれ、この際、構造化ベルト3はティッシュウェブ1と吸収巻付ロールとの間に配置されている(未表示)。
【0129】
図2から、ガス流を、付加的に構造化ベルト3の上部に配置された超過圧フード6を通って発生させることができることが明らかであり、この際、脱水段階は、この場合には、機械的加圧力を用いずに行われ、即ち、図1に相反して、ロール5に断片的に巻き付く加圧ベルト4を備えていない。
【符号の説明】
【0130】
1 紙料懸濁液、ティッシュウェブ
2 フェルトベルト
3 構造化ベルト、上部ベルト
4 加圧ベルト
5 ロール
6 超過圧フード
7 ヤンキー乾燥シリンダー
8 シュープレスロール
9 装置
10 吸収帯域
11 脱水区間
12 方向転換ロール
13 装入装置
14 成形篩
15 成形ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を含む紙料懸濁液から製造されるティッシュウェブ(1)を製造する方法において、紙料懸濁液は木材又は一年生植物からのリグノセルロース繊維素を含有し、この繊維素は、無漂白状態での針葉樹については、12°SRで6.0km以上の引裂長又は15°SRで7.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも15%のリグニン含量を有し、又は無漂白状態での落葉樹については、20°SRで4.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも12%のリグニン含量を有し、又は無漂白での一年生植物については、20°SRで3.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも10%のリグニン含量を有することを特徴とするティッシュウェブ(1)を製造する方法。
【請求項2】
針葉樹での無漂白繊維素のリグニン含量は、otro繊維素の少なくとも15%、有利に少なくとも18%、殊に少なくとも21%であり、落葉樹ではotro繊維素の少なくとも12%、有利に少なくとも14%、殊に少なくとも16%であり、かつ一年生植物では、otro繊維素の少なくとも10%、有利に少なくとも12%及び殊に19%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
12°SRでの針葉樹繊維塊の引裂長は、7kmより大きく、有利に7.5kmより大きく、かつ殊に8kmより大きい、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
15°SRでの針葉樹繊維塊の引裂長は、9kmより大きく、有利に9.5kmより大きく、かつ殊に10kmより大きい、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
20°SRの叩解度での落葉樹繊維塊の引裂長は、6kmより大きく、有利に7kmより大きく、かつ殊に7.5kmより大きい、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
20°SRでの一年生植物繊維塊の引裂長は、3.5kmより大きく、有利に4kmより大きく、かつ殊に4.5kmより大きい、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
繊維を含む紙料懸濁液から製造されるティッシュウェブ(1)を製造する方法において、紙料懸濁液は、木材又は一年生植物からのリグノセルロース繊維素を含有し、この繊維素は、漂白状態での針葉樹については、15°SRで7.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも13%のリグニン含量を有し、又は漂白状態での落葉樹については、20°SRで5.0km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも10%のリグニン含量を有し、又は漂白状態での一年生植物については、20°SRで5.5km以上の引裂長及びotro繊維素に対して少なくとも10%のリグニン含量を有することを特徴とするティッシュウェブ(1)を製造する方法。
【請求項8】
15°SRでの針葉樹繊維塊の引裂長は、9kmより大きく、有利に10kmより大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
20°SRでの落葉樹繊維塊の引裂長は、5.5よりも大きい、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
20°SRでの一年生植物繊維塊の引裂長は、4kmより大きく、有利に4.5kmより大きく、かつ殊に5kmより大きい、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
紙料懸濁液は、請求項1から10までのいずれか1項に記載のリグノセルロース繊維素のみを含有する、ティッシュウェブ(1)の製法。
【請求項12】
紙料懸濁液は、一部分だけ、請求項1から11までのいずれか1項に記載のリグノセルロース繊維素によって形成される、ティッシュウェブ(1)の製法。
【請求項13】
紙料懸濁液の繊維素の20〜80%、有利に30〜50%は、請求項1から11までのいずれか1項に記載のリグノセルロース繊維素によって形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ティッシュウェブ(1)は、脱水段階で、上部の構造化浸透性ベルト(3)の間及び下部の浸透性ベルト(2)の間に送られ、この際、脱水区間(11)に沿って、上部ベルト(3)、ティッシュウェブ(1)及び下部ベルト(2)上に圧力をかける、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
脱水段階(11)で、先ず上部ベルト(3)、次いでティッシュウェブ(1)及び引き続き下部ベルト(2)にガスを流通させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
脱水段階で、上部ベルト(3)、ティッシュウェブ(1)及び下部ベルト(2)を含む集成部材を、少なくとも断片的に、張設された加圧ベルト(4)と平滑な表面との間に送り、この際、加圧ベルト(4)は、上部ベルト(3)上に作用し、かつ下部ベルト(2)は平滑表面上に支持されている、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
上部ベルト(3)、ティッシュウェブ(1)及び下部ベルト(2)を含む集成部材に、少なくとも断片的に脱水区間(11)の範囲でガス流を流通させる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ティッシュウェブ(1)を通るガス流は、脱水区間(11)に沿って、1分間及び長さ1メートル当たり約150mである、請求項15から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
加圧ベルト(4)は、少なくとも30kN/m、有利に少なくとも60kN/m及び殊に80kN/mの圧力下にある、請求項16から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
加圧ベルト(4)は、50%以上の開口面及び少なくとも15%の接触面を有する、請求項16から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
平滑面はロール(5)のジャケット面によって形成される、請求項16から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ガス流は、ロール(5)中の吸収帯域(10)を通って発生される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ガス流は、上部ベルト(3)の上部に配置された超過圧フード(6)を通って発生される、請求項15から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
殊に、ティッシュウェブ(1)の製造に使用するための繊維を含有する紙料懸濁液を製造する方法であって、少なくとも1成分が、各々otro繊維塊に対して、針葉樹についてはすくなくとも15%、落葉樹についてはすくなくとも12%及び一年生植物についてはすくなくとも10%のリグニン含量を有する木材又は一年生植物から、次の段階:
各々木材のotro量に対して、針葉樹については化学薬品(NaOHとして計算)5%以上を有する、又は落葉樹については化学薬品(NaOHとして計算)3.5%以上を有する又は一年生植物については化学薬品(NaOHとして計算)2.5%以上を有する化学薬品溶液の製造、
化学薬品溶液と木材又は一年生植物との前与の浴比での混合、
化学薬品溶液及び木材又は一年生植物の、室温以上の温度への加熱及び引き続き
選択的)遊離流動性化学薬品溶液の除去及び蒸気相での木材又は一年生植物の蒸解‐又は
(2.選択的)液相での木材又は一年生植物の蒸解及び遊離流動性化学薬品溶液及び木材又は一年生植物の分離
で製造される、繊維を含有する紙料懸濁液を製造する方法。
【請求項25】
針葉樹については、otro繊維素に対して、リグニン少なくとも15%、有利にリグニン少なくとも18%、好ましくはリグニン少なくとも21%、殊にリグニン少なくとも24%の含量を有する、又は落葉樹については、otro繊維素に対して、リグニン少なくとも14%、有利にリグニン少なくとも16%、特に有利にリグニン少なくとも18%の含量を有する、又は一年生植物については、otro繊維素に対して、リグニン少なくとも10%、有利にリグニン少なくとも12%、殊にリグニン少なくとも19%の含量を有する繊維素を製造する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
化学薬品溶液の製造のために、キノン成分を使用する、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
針葉樹の蒸解のために、化学薬品最大15%、有利に化学薬品9〜11%を使用する、請求項24から26までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
落葉樹の蒸解のために、化学薬品最大10%、有利に化学薬品4〜10%、殊に化学薬品6〜9%を使用する、請求項24から27までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
一年生植物の蒸解のために、化学薬品最大10%、有利に化学薬品3〜10%を使用する、請求項24から28までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
化学薬品溶液の製造のために、亜硫酸塩及び硫化物を単独で又は混合して使用する、請求項24から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
化学薬品溶液の製造のために、酸性及び/又はアルカリ性成分、殊に酸、二酸化硫黄、水酸化ナトリウム及び/又は炭酸塩を使用する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
蒸解のために、アルカリ性成分及び酸性成分、殊にSOを使用し、この際、アルカリ性成分:SOの比率は、5:1〜1.6:1の範囲で、有利に2:1に調整される、請求項24から31までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
方法は、pH値6〜11、有利に7〜11、特に有利に7.5〜10で実施される、請求項24から32までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
木材:化学薬品溶液の浴比は、1:1.5〜1:6、有利に1:2〜1:4に調整される、請求項24から33までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
化学薬品溶液及び木材又は一年生植物の加熱は、130℃まで、有利に120℃まで、有利に110℃まで行われる、請求項24から34までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
木材又は一年生植物及び場合により化学薬品溶液の加熱は、120分間まで、有利に60分間まで、好ましくは30分間まで、特に有利に10分間まで持続する、請求項24から35までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
木材又は一年生植物の蒸解は、120℃〜190℃の温度で、有利に150℃〜180℃の温度で、特に有利に160℃〜170℃の温度で実施される、請求項24から36までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
木材又は一年生植物の蒸解は、180分間まで、有利に90分間まで、特に有利に60分間まで、好ましくは30分間まで、特に有利に2分間まで持続する、請求項24から37までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
蒸解の持続時間は、浴比に依存して選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
蒸解中の化学薬品の消費は、蒸解開始の化学薬品使用量の80%まで、有利に60%まで、特に有利に40%まで、有利に20%まで、特に有利に10%までである、請求項24から39までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
除去された又は分離された化学薬品溶液の組成を測定し、引き続いて繊維の製造のための、新たな使用のための初与の組成に調整する、請求項24から40までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
蒸解されたリグノセルロース原料を繊維にほぐし及び場合により叩解した後に遊離される化学薬品溶液を除去し、かつ継続使用に供給する、請求項24から41までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−514946(P2010−514946A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541802(P2009−541802)
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010165
【国際公開番号】WO2008/077450
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】