説明

テレビインターホン装置、及び画像伝送装置

【課題】 カメラの撮像映像を伝送線を介して親機に伝送する際に、画像データを伝送する伝送線の帯域を拡大することなく、高品質の映像を伝送することができるテレビインターホン装置を提供する。
【解決手段】 子機1に、カメラ10が撮像した映像信号から解像度VGAとQQVGAの画像データを生成して出力する解像度変更部11と、生成したVGAの画像データに対して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部13と、分離した高域周波数データのフレーム間引きを行う高域データ間引き部14、分離した低域周波数データのフレーム間引きを行う低域データ間引き部15と、親機2へ伝送する画像データを圧縮するJPEGエンコーダ16とを設ける一方、親機2に、JPEGデコーダ24と、高域周波数データと低域周波数データとを合成して画像データを生成する低域/高域データ合成部25とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来訪者を映像で確認できるテレビインターホン装置、及びカメラが撮像した画像データを伝送線を介してモニタ装置に伝送する画像伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、玄関に設置した呼出機能を備えた子機にカメラを組み込んで来訪者を撮像し、その映像を住戸内に設置された応答機能を備えた親機のモニタに表示させて、居住者が来訪者をモニタで確認しながら通話できるテレビインターホン装置や、住戸外等にカメラを設置して不審者を監視する監視装置等の画像伝送装置がある。
このような画像伝送装置において、特にテレビインターホン装置は子機と親機とを接続した伝送線の帯域が小さくデータ伝送容量に制限があるため、鮮明な映像を伝送する、即ち解像度の高い画像データを送信するには、データ圧縮を行ってデータ量を削減して送信する等の工夫がなされた。
例えば、特許文献1では、子機のカメラが撮像した映像信号を、JPEGを用いてデータ圧縮して親機に送信し、台所リモコン(親機)において圧縮されたデータを伸張してモニタに表示させた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−197790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているように、画像データを圧縮して送信することで、画質を落とすことなく伝送するデータ量を少なくでき、従来より鮮明な映像を伝送することができた。
しかしながら、更に高解像度の画像データを伝送するにはフレームレートを削減しなければならなかったし、複数種類の映像データを同時に伝送したい場合はフレームレートの削減に加えてエンコーダの圧縮率を上げなければならなかった。その結果、画像の画質を向上させることができたとしても、動画としてみた場合、親機に伝送された映像は動きが滑らかでなかったり、折角の高解像映像が粗い画素で表示されることになった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、カメラの撮像映像を伝送線を介して親機等のモニタ装置に伝送する際に、画像データを伝送する伝送線の帯域を拡大することなく、高品質の映像を伝送することができるテレビインターホン装置及び画像伝送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者を撮像する為のカメラ及び居住者を呼び出す機能を備えた子機と、カメラの撮像映像を表示するモニタ及び子機からの呼び出しに応答する機能を備えた親機とを有し、双方が伝送線を介して接続されたテレビインターホン装置において、子機は、カメラが撮像した映像信号から解像度の異なる複数の画像データを生成して出力する解像度変更部と、変換した画像データのうち、少なくとも最大の解像度の画像データに対して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部と、分離した高域周波数データのフレーム間引きを行う高域データ間引き部、分離した低域周波数データのフレーム間引きを行う低域データ間引き部のうちの少なくとも一方の間引き部と、親機へ伝送する画像データを圧縮するデータ圧縮部とを具備する一方、親機は、伝送線を介して伝送された高域周波数データを保持する高域データバッファ部と、同様に伝送された低域周波数データを保持する低域データバッファ部と、モニタに表示させるために圧縮画像データを伸張するデータ伸張部と、高域周波数データと低域周波数データとを合成して画像データを生成する低域/高域データ合成部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、解像度の最も大きな画像データが、子機で高域周波数データと低域周波数データに分離された後フレーム間引きされ、更にデータ圧縮されて親機に送信されるので、データ量を大きく削減でき、単にデータ圧縮して伝送する構成に比べて解像度の高い画像データを伝送することができる。
そのため、伝送線の帯域が限られていても、画質を劣化させることなく複数の画像データを親機に伝送することができ、結果として滑らかな動きをする複数の動画を親機で表示させることが可能となる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、解像度変更部は、VGAとQQVGAの2つの解像度で画像データを出力し、広域/低域フィルタ部は、VGA画像データに対して高域周波数データと低域周波数データに分離することを特徴とする。
この構成によれば、解像度VGAの画像データを周波数分解してフレーム間引きを実施することで、解像度VGAとQQVGAの二つの画像を同時に伝送しても、解像度が高く滑らかな映像を親機のモニタに表示させることができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、親機は、無線通信部を備えてワイヤレス親機と通信が可能であり、子機から受信した画像データを、モニタに表示するデータとワイヤレス親機に送信するデータとに振り分ける画像データ振り分け部を有することを特徴とする。
この構成によれば、モニタやワイヤレス親機等画像データの出力先に合わせて、画像データを自動で振り分けて出力するので、子機から受信する複数種類の画像データをその都度選択する操作が必要ない。例えば、周波数データにより伝送された画像データを親機モニタに表示させることで、常に高解像度の画像を親機で表示できる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の構成において、親機は、画像データを記憶する映像記憶部と、画像データ振り分け部により振り分けられた所定の画像データを映像記憶部に記憶制御する録画制御部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、録画する画像データは決められた所定の形式のデータとなるため、再生操作が面倒になることがない。また、例えば高域周波数データと低域周波数データに分割したデータにすれば、高画質画像データであっても記憶容量を削減できる。
【0010】
請求項5の発明は、カメラを備えて当該カメラが撮像した画像データを出力するカメラ装置と、伝送線を介してカメラ装置から伝送された画像データを基に映像を表示するモニタを備えたモニタ装置とを有する画像伝送装置であって、カメラ装置は、カメラが撮像した画像データに対して周波数分解して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部と、分離した高域周波数データのフレーム間引きを行う高域データ間引き部、分離した低域周波数データのフレーム間引きを行う低域データ間引き部のうちの少なくとも一方の間引き部と、モニタ装置へ伝送する画像データを圧縮するデータ圧縮部とを具備する一方、モニタ装置は、伝送線を介して伝送された高域及び低域の周波数データを保持する高域データバッファ部、及び低域データバッファ部と、圧縮画像データを伸張するデータ伸張部と、高域周波数データと低域周波数データとを合成してモニタに表示する画像データを生成する低域/高域データ合成部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、高域周波数データと低域周波数データに分離された画像データに対してフレーム間引きし、更にデータ圧縮してモニタ装置に送信するので、画質の劣化を最小限に止めてデータ量を大きく削減することができる。よって、伝送線の帯域量が限られていても、モニタ装置では高画質の動画を表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のテレビインターホン装置によれば、解像度の最も大きな画像データが、子機で高域周波数データと低域周波数データに分離された後フレーム間引きされ、更にデータ圧縮されて親機に送信されるので、データ量を大きく削減でき単にデータ圧縮して伝送する構成に比べて解像度の高い画像データを伝送することができる。そのため、伝送線の帯域が限られていても、画質を劣化させることなく複数の画像データを親機に伝送することができ、結果として滑らかな動きをする複数の動画を親機で表示させることが可能となる。。
また、本発明の画像伝送装置によれば、高域周波数データと低域周波数データに分離された画像データに対してフレーム間引きし、更にデータ圧縮してモニタ装置に送信するので、画質の劣化を最小限に止めてデータ量を大きく削減することができる。よって、伝送線の帯域が限られていても、モニタ装置では高画質の動画を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るテレビインターホン装置の実施形態の一例を示す構成図であり、子機及び親機を回路ブロック図で示している。
【図2】子機から出力される画像信号のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るテレビインターホン装置の一例を示す構成図であり、1は玄関等に設置されて来訪者が居住者を呼び出すために操作する子機、2は室内に設置されて子機1からの呼び出しに居住者が応答するための親機、3は親機2と無線通信して子機1と通信が可能なワイヤレス親機である。子機1及び親機2は回路ブロック図で示しており、両者は伝送線L1で接続されている。
尚、子機1、親機2とも、インターホン本来の構成要素である呼出/応答に関する回路は、本発明の要部ではないため省略してある。
【0014】
子機1は、来訪者を撮像するカメラ10、カメラ10が撮像した映像の解像度を所定の解像度に変更して出力する解像度変更部11、異なる画像データを所定の順序で出力するマルチプレクサ12、画像データをフーリエ変換して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部13、高域周波数データのフレームを間引き操作する高域データ間引き部14、低域周波数データのフレームを間引き操作する低域データ間引き部15、データ圧縮するJPEGエンコーダ16、個々の画像データにヘッダーを付与するヘッダ生成部17、親機2と通信するための子機インターフェース(以下、子機IFとする)18等を備えている。これら子機1の各回路の具体的作用は次のようである。
【0015】
解像度変更部11は、カメラ10が撮像したビデオ信号等の映像信号から、第1の解像度(ここではVGA画像)の第1画像データと、この第1画像データより解像度の低い第2の解像度(ここではQQVGA画像)の第2画像データを生成して交互に出力する。
【0016】
マルチプレクサ12は、第1画像データと第2画像データとを分離して第1画像データを高域/低域フィルタ部13に出力し、第2画像データをJPEGエンコーダ16に出力する。
【0017】
高域/低域フィルタ部13は、第1画像データをフーリエ変換した後、高域周波数データと低域周波数データに分離し、高域周波数データを高域データ間引き部14に出力し、低域周波数データを低域データ間引き部15に出力する。
高域データ間引き部14と、低域データ間引き部15では、夫々入力された周波数データを予め設定された所定の割合でフレーム間引きを実施し、フレーム間引きした周波数データをJPEGエンコーダ16に出力する。具体的に、高域周波数データのフレーム数は2分の1に削減され、低域周波数データのフレーム数は4分の1に削減されて出力される。
【0018】
尚、フレームを間引く割合は任意に設定することが可能であるが、テレビインターホン装置の場合、撮像した画像から人物を把握することが主な目的になるため、色情報が中心となる低域周波数データに比べて、輪郭データが中心となる高域周波数データの方が重要であるため、低域周波数データを大きく削減しても人物を把握する障害になり難い。そのため、低域周波数データはデータ量を大きく削減することが可能であり、ここでは高域周波数データの削減量に比べて低域周波数データの削減量を2倍にしている。
【0019】
JPEGエンコーダ16は、フレーム間引きされた高域周波数データと低域周波数データと第2画像データとをJPEG方式でデータ圧縮処理し、画像データヘッダ生成部17へ出力する。
画像データヘッダ生成部17では、親機2で個々の画像データを識別可能とするために、高域周波数データ、低域周波数データ、第2画像データのそれぞれに個別のヘッダを付与して子機IF18に出力する。子機IF18は、伝送線L1を介して親機2に画像データを順次送信する。
【0020】
親機2は、子機1と通信するための親機インターフェース(以下、親機IFとする)20、子機1から伝送された画像データを振り分ける画像データ振り分け部21、高域周波数データを一時保管する高域データバッファ部22、低域周波数データを一時保管する低域データバッファ部23、データを伸張するJPEGデコーダ24、高域周波数データと低域周波数データを合成して画像データを再生成する高域/低域データ合成部25、生成された映像を表示する例えばLCDから成るモニタ26、画像データを記憶するメモリ27、メモリ27への録画及び画像の取り出しを制御する録画制御部28、ワイヤレス親機3へ信号を送信するワイヤレス送信部29、画像データのフレームレートを制御するフレームレート制御部30等を備えている。これら親機2の各回路の具体的作用は次のようである。
【0021】
画像データ振り分け部21は、個々の画像データに付加されたヘッダ情報を参照して、画像データを振り分ける。具体的に、解像度の低い第2画像データはワイヤレス親機3へ伝送するデータとしてフレームレート制御部30へ出力し、解像度の高い高域周波数データ及び低域周波数データは、モニタ26に表示するデータとして高域データバッファ部22及び低域データバッファ部23へ出力する。更に、ここでは録画する画像データを第1画像データとし、高域周波数データと低域周波数データを録画制御部28にも出力する。
【0022】
高域データバッファ部22と低域データバッファ部23では、子機1で間引きされたフレームを補完するために高域周波数データと低域周波数データをそれぞれ一時保管してJPEGデコーダ24へ出力する。
【0023】
JPEGデコーダ24は、夫々のバッファ部からモニタ26に表示するデータを順次取り出して、子機1のJPEGエンコーダ16においてJPEG方式で圧縮された状態にあるデータを伸張して高域/低域データ合成部25へ出力する。
高域/低域データ合成部25は、伸張した高域周波数データと低域周波数データを合成して第1画像データを再生成してモニタ26に出力し、モニタ26において第1画像データに基づいた映像を表示する。
【0024】
録画制御部28は、高域周波数データと低域周波数データをメモリ27に記録する。また録画データの再生時には、メモリ27から画像データを読み込んで高域データバッファ部22と低域データバッファ部23へ出力する。
【0025】
フレームレート制御部30では、ワイヤレス親機3において画像を表示するために第2画像データのフレームレートを制御し、例えば1秒間に3フレームの速度でワイヤレス送信部29へ出力する。
【0026】
尚、ワイヤレス親機3は映像を表示する表示部3aを備え、ワイヤレス送信部29から無線送信された第2画像データを受信して表示する。また、親機2はワイヤレス送信部29に加えて、ワイヤレス親機3から送信された信号を受信するワイヤレス受信部(図示せず)を有し、親機2と同様に来訪者を確認しながら応答することができるよう構成されている。
【0027】
このように構成されたテレビインターホン装置の動作は以下のようである。但し、テレビインターホン装置の基本動作である子機1からの呼び出し、親機2或いはワイヤレス親機3によるその応答動作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは子機1の呼出操作により起動するカメラ10の撮像映像信号の流れを説明する。
【0028】
カメラ10が撮像を開始したら、その映像信号を基に解像度変更部11において第1画像データと第2画像データが生成され、生成された第1画像データは高域/低域フィルタ部13において、フーリエ変換されたのち高域周波数データと低域周波数データとに分離される。
周波数分離された第1画像データは、高域データ間引き部14、及び低域データ間引き部15においてフレームが上述した所定の割合で間引きされた後、第2画像データと共にJPEGエンコーダ16においてデータ圧縮される。
圧縮された画像データは、画像データヘッダ生成部17において個々にヘッダが付与され、子機IF18から伝送線L1を介して親機2に伝送される。
【0029】
この時、子機IF18から親機2へは、例えば図2のタイミング図に示すフレーム順で画像データが出力される。図2において、D1,D2,・・は伝送するフレームの群を示し、第1画像データのフレームと第2画像データのフレームとが所定の順で1つの群を形成して伝送される。但し、高域周波数データのフレーム数に対して、伝送される低域周波数データのフレームは2分の1に設定されているため、低域周波数データのフレームは図2に示すように奇数の群D1,D3,・・毎に伝送される。
【0030】
親機2へ伝送された画像データは、親機IF20で受信され、画像データ振り分け部21へ伝送される。画像データ振り分け部21では、モニタ26で表示するデータ、録画するデータ、ワイヤレス親機3に送信するデータに振り分けが行われる。具体的に、上述したように周波数分解した第1画像データは、モニタ26表示用と録画用に振り分けられ、第2画像データはワイヤレス親機3に振り分けられる。
【0031】
モニタ26表示用に振り分けられた第1画像データは、バッファ部22,23を介してJPEGデコーダ24でデータ伸張され、高域/低域データ合成部25でモニタ26で表示するビデオ信号等の映像信号に再合成される。こうして再生成された映像信号がモニタ26に表示される。
録画用に振り分けられた第1画像データは、親機2において所定の録画操作が成されたら、録画制御部28の制御で高域周波数データと低域周波数データに分解された状態でメモリ27に記憶される。
【0032】
尚、メモリ27記憶された画像データは、所定の再生操作が成されると、録画制御部28の制御により録画画像の再生制御が行われる。具体的に、メモリ27から画像データが読み出され、バッファ部22,23を介してJPEGエンコーダ24に伝送される。その後は、上記モニタ26の表示制御と同様であり、データ伸張された後、映像信号が再合成されてモニタ26に表示される。
【0033】
一方、画像データ振り分け部21からワイヤレス親機3向けに送られた第2画像信号は、フレームレート制御部30においてワイヤレス親機3が受信できる所定のフレームレートに設定され、ワイヤレス送信部29からワイヤレス親機3に送信される。
こうして、子機1からの呼び出しに対して、居住者が親機2で応答する場合は、親機2に表示された映像を見ながら応答することができるし、ワイヤレス親機3で応答する場合でも、ワイヤレス親機3に表示された映像を見ながら応答することができる。
【0034】
このように、子機1で撮像された解像度の最も大きな画像データが、高域周波数データと低域周波数データに分離された後にフレーム間引きされ、更にデータ圧縮されて親機2に送信されるので、データ量を大きく削減でき単にデータ圧縮して伝送する構成に比べて解像度の高い画像データを伝送することができる。よって、伝送線L1の帯域が限られていても、画質を劣化させることなく滑らかな動きをする2種類の画像を親機2に伝送することができ、結果として滑らかな動きをする複数の動画を親機で表示させることが可能となる。
また、解像度VGAの画像データを周波数分解してフレーム間引きを実施することで、解像度VGAとQQVGAの二つの画像を同時に伝送しても、解像度が高く滑らかな映像を親機2のモニタ26に表示させることができる。
更に、モニタ26やワイヤレス親機3等画像データの出力先に合わせて、画像データを自動で振り分けるので、子機1から受信する複数種類の画像データをその都度選択する操作が必要ないし、録画する画像データは決められた所定の形式のデータとなるため、再生操作が面倒になることがない。
また、録画する際に高域周波数データと低域周波数データに分割したデータを記憶することで、高画質画像データであっても記憶容量を削減できる。
【0035】
尚、上記実施形態では、解像度VGAとQQVGAの2種類の画像データを生成してデータ加工を実施しているが、解像度変更部11が生成する解像度はこの解像度で限定するものではなく、例えばVGAとQVGAとQQVGAであっても良いし、SVGAと組み合わせても良い。
また、解像度VGAとQQVGAの2種類の画像データを子機1で生成し、データの大きいVGAデータのみ周波数分解、フレーム間引きを実施しているが、QQVGAデータに対して周波数分解及びフレーム間引きを実施しても良い。
更に、高域周波数データ、低域周波数データの双方に対してフレーム間引きを実施しているが、低域周波数データのみ実施してもよい。上述したようにインターホン装置の場合、撮像した画像から人物を把握することが主な目的になるため、人物認証の為の情報が少ない色情報が中心となる低域周波数データは、大きく削減しても人物を把握する障害になることが少ない。よって、低域周波数データはデータ量を大きく削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上記実施形態は、テレビインターホン装置における画像データ伝送形態を説明したが、上記テレビインターホン装置は本発明の画像伝送装置の一例であり、本発明はインターホンに限定するものでなく、例えば監視カメラ等のカメラ装置と、そのカメラが撮像した映像を表示するモニタを備えた監視モニタ等のモニタ装置とを備えて、双方が伝送線で接続された画像伝送装置に対しても適用できる。この場合、図1に示す子機1の構成をカメラ装置に適用し、親機2の構成をモニタ装置に適用すれば良く、カメラ装置から周波数分離した画像データを伝送して、モニタ装置においてこの画像データをモニタに表示させることで、伝送線の帯域を拡張することなく高解像映像をモニタ装置で見ることができるし、効率良く録画することが可能となる。
【0037】
また、監視カメラの場合、通常1種類の画像データの伝送で十分であるため、上記技術を適用することで高解像度の映像をモニタ装置に表示させることが可能となる。そして、、複数種類の画像データをカメラ装置から伝送すれば、モニタ装置に解像度変更部を設けることなく例えば携帯端末から監視映像を見ることができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・子機(カメラ装置)、2・・親機(モニタ装置)、3・・ワイヤレス親機、10・・カメラ、11・・解像度変更部、12・・マルチプレクサ、13・・高域/低域フィルタ部、14・・高域データ間引き部、15・・低域データ間引き部、16・・JPEGエンコーダ(データ圧縮部)、17・・画像データヘッダ生成部、21・・画像データ振り分け部、22・・高域データバッファ部、23・・低域データバッファ部、24・・JPEGデコーダ(データ伸張部)、25・・高域/低域データ合成部、26・・モニタ、27・・メモリ(映像記憶部)、28・・録画制御部、29・・ワイヤレス送信部(無線通信部)、30・・クレームレート制御部、L1・・伝送線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者を撮像する為のカメラ及び居住者を呼び出す機能を備えた子機と、前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えた親機とを有し、双方が伝送線を介して接続されたテレビインターホン装置において、
前記子機は、前記カメラが撮像した映像信号から解像度の異なる複数の画像データを生成して出力する解像度変更部と、
変換した画像データのうち、少なくとも最大の解像度の画像データに対して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部と、
分離した高域周波数データのフレーム間引きを行う高域データ間引き部、分離した低域周波数データのフレーム間引きを行う低域データ間引き部のうちの少なくとも一方の間引き部と、
前記親機へ伝送する画像データを圧縮するデータ圧縮部とを具備する一方、
前記親機は、前記伝送線を介して伝送された前記高域周波数データを保持する高域データバッファ部と、
同様に伝送された前記低域周波数データを保持する低域データバッファ部と、
前記モニタに表示させるために圧縮画像データを伸張するデータ伸張部と、
前記高域周波数データと前記低域周波数データとを合成して画像データを生成する低域/高域データ合成部とを備えたことを特徴とするテレビインターホン装置。
【請求項2】
前記解像度変更部は、VGAとQQVGAの2つの解像度で画像データを出力し、前記広域/低域フィルタ部は、前記VGA画像データに対して高域周波数データと低域周波数データに分離することを特徴とする請求項1記載のテレビインターホン装置。
【請求項3】
前記親機は、無線通信部を備えてワイヤレス親機と通信が可能であり、
前記子機から受信した画像データを、前記モニタに表示するデータと前記ワイヤレス親機に送信するデータとに振り分ける画像データ振り分け部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のテレビインターホン装置。
【請求項4】
前記親機は、映像記憶部と、録画を制御する録画制御部とを有し、
前記画像データ振り分け部は前記映像記憶部に所定の画像データを振り分けることを特徴とする請求項3記載のテレビインターホン装置。
【請求項5】
カメラを備えて当該カメラが撮像した画像データを出力するカメラ装置と、伝送線を介して前記カメラ装置から伝送された画像データを基に映像を表示するモニタを備えたモニタ装置とを有する画像伝送装置であって、
前記カメラ装置は、カメラが撮像した画像データに対して周波数分解して高域周波数データと低域周波数データとに分離する高域/低域フィルタ部と、
分離した高域周波数データのフレーム間引きを行う高域データ間引き部、分離した低域周波数データのフレーム間引きを行う低域データ間引き部のうちの少なくとも一方の間引き部と、
前記モニタ装置へ伝送する画像データを圧縮するデータ圧縮部とを具備する一方、
前記モニタ装置は、前記伝送線を介して伝送された高域及び低域の周波数データを保持する高域データバッファ部、及び低域データバッファ部と、
圧縮画像データを伸張するデータ伸張部と、
前記高域周波数データと前記低域周波数データとを合成して前記モニタに表示する画像データを生成する低域/高域データ合成部と、を備えたことを特徴とする画像伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−176764(P2011−176764A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40909(P2010−40909)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】