テレビジョン信号の監視ユニット
【課題】無線テレビジョン信号にもとずいて、ユーザ端末の位置を決定する。
【解決手段】ユーザ端末の受信器で複数の無線テレビジョン信号を受信し、ユーザ端末とテレビジョン放送信号の送信器との間の擬似距離を決定する。擬似距離と送信器のそれぞれの位置にもとずいてユーザ端末の位置を決定する。無線テレビジョン信号にもとずいて、受信器の基準クロックと、送信器クロックとの間のクロック・オフセットも決定する。
【解決手段】ユーザ端末の受信器で複数の無線テレビジョン信号を受信し、ユーザ端末とテレビジョン放送信号の送信器との間の擬似距離を決定する。擬似距離と送信器のそれぞれの位置にもとずいてユーザ端末の位置を決定する。無線テレビジョン信号にもとずいて、受信器の基準クロックと、送信器クロックとの間のクロック・オフセットも決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には位置決定に関し、具体的には、DTV信号を使用する位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
昔から、ラジオ信号を使用する2次元緯度/経度位置決定システムの方法があった。Loran CおよびOmegaなどの地上システムと、Transitとして知られる衛星ベースのシステムが、広く使用されてきた。高まる人気を享受しているもう1つの衛星ベースのシステムが、全地球測位システム(GPS)である。
【0003】
1974年に最初に考案されたGPSは、位置決定、ナビゲーション、測量、および時間伝送に広く使用されている。GPSシステムは、準同期した12時間軌道にある24個の軌道衛星の集まりに基づく。各衛星は、正確なクロックを担持し、擬似雑音信号を送信し、この擬似雑音信号を正確に追跡して、擬似距離を決定することができる。4つ以上の衛星を追跡することによって、全世界で3次元の正確な位置をリアル・タイムで決定することができる。より多くの詳細が、B.W.ParkinsonおよびJ.J.Spilker,Jr.、Global Positioning System−Theory and Applications、巻IおよびII、AIAA、米国ワシントンD.C.、1996年に記載されている。
【0004】
GPSは、ナビゲーションおよび位置決定の技術に変革を起こした。しかし、いくつかの状況で、GPSは、より有効でない。GPS信号は、比較的低い出力レベル(100ワット未満)で送信され、長距離にわたるので、受信信号強度は、比較的弱い(全方向性アンテナによって受信された時に−160dBw程度)。したがって、信号は、妨害物が存在する場合または建物の内部では、辛うじて有用であり、あるいは全く有用ではない。
【0005】
従来のアナログの全米テレビジョン基準委員会(NTSC)テレビジョン信号を使用して位置を決定する、提案されたシステムがあった。この提案は、「Location Determination System And Method Using Television Broadcast Signals」という名称の米国特許すなわち、1996年4月23日発行の米国特許第5510801号に見られる。しかし、現在のアナログTV信号は、TVセット掃引回路の比較的粗い同期化を意図された水平同期パルスおよび垂直同期パルスを含む。さらに、2006年に、連邦通信委員会(FCC)は、NTSC送信器を止め、その貴重なスペクトルを再割り当てし、その結果、より貴重と思われる他の目的のためにオークションにかけられるようにすることを検討する。
【発明の概要】
【0006】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロックと、無線テレビジョン信号を受信する受信器であって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信器と、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロックと送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定するクロック・オフセット・ユニットとを含む装置を特徴とする。
【0007】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定するプロセッサを含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信する衛星受信器と、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定するプロセッサと、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロックを調整する時間伝送ユニットとを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0008】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロック信号を生成する手段と、無線テレビジョン信号を受信する手段であって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信する手段と、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロック信号と送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定する手段とを含む装置を特徴とする。
【0009】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定する手段を含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信する手段と、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定する手段と、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロック信号を調整する手段とを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0010】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロック信号を生成することと、無線テレビジョン信号を受信することであって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信することと、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロック信号と送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定することとを含む方法を特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定することを含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信することと、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定することと、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロック信号を調整することとを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0012】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付図面および下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、および利益は、この説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明白になるであろう。
【0013】
さまざまな図面の類似する符号は、類似する要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
序
放送テレビジョン信号を使用して、ユーザ端末の位置を決定することができる。American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6861984号、「Position Location using Broadcast Digital Television Signals」に開示されている。欧州電気通信標準化機構(ETSI)Digital Video Broadcasting(DVB)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2001年8月17日に出願した米国非仮特許出願第09/932010号、「Wireless Position Location Using the Japanese ISDB−T Digital TV Signals」に開示されている。日本のIntegrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6952182号、「Position Location using Terrestrial Digital Video Broadcast Television Signals」に開示されている。NTSC(全米テレビジョン基準委員会)アナログ・テレビジョン(TV)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6559800号および米国特許第6522297号に開示されている。
【0015】
これらのテレビジョン信号のそれぞれが、テレビジョン信号の送信器までの擬似距離を入手するのに使用できる成分を含む。複数のそのような擬似距離が既知であり、送信器の位置が既知である時に、ユーザ端末の位置を正確に決定することができる。ATSCディジタル・テレビジョン信号内の適切な成分は、ATSCデータ・フレーム内のField Synchronization SegmentおよびATSCデータ・フレーム内のData Segment内のSynchronization Segmentなどの同期化コードを含む。ETSI DVBディジタル・テレビジョン信号およびISDB−Tディジタル・テレビジョン信号内の適切な成分は、散乱パイロットキャリアを含む。NTSCアナログ・テレビジョン信号内の適切な成分は、水平同期パルス、水平帰線消去パルス、ひとまとめにされた水平帰線消去パルスおよび水平同期パルス、ゴースト・キャンセル用基準信号、垂直消去期間試験信号、ならびに他のチャープタイプ信号を含む。
【0016】
テレビジョン信号を使用する位置決め技法は、ナビゲーションおよび位置決定の技術を変革するに違いない。テレビジョン信号の遍在する可用性は、テレビジョンが使用可能であるすべての場所でのカバレッジを可能にする。実際に、時間ゲーティングされた遅延ロック・ループの使用に伴って、テレビジョン受信が可能である区域を超えてさえ位置決めにテレビジョン信号を使用することが可能である。詳細は、たとえば、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6753812号、「Time−Gated Noncoherent Delay Lock Loop Tracking of Digital Television Signals」に記載されている。
【0017】
本発明の実施形態は、テレビジョン信号を使用する位置決定用の監視ユニットを提供する。この監視ユニットは、本明細書で「ユーザ端末」と称するモバイル・ユニットのジオロケーション(geolocation)に使用されるテレビジョン信号のパラメータを決定する。たとえば、監視ユニットは、テレビジョン送信器内の送信器クロックのクロック・オフセットを決定することができる。次に、そのクロック・オフセットが、ユーザ端末の位置を正確に決定するのに使用される。
【0018】
いくつかの実施形態で、監視ユニットは、測量、衛星位置決め、テレビジョン信号を使用する位置決め、および類似物によって高い度合の精度で決定された固定位置を有する静止ユニットである。この静止監視ユニットは、GPSなどの衛星から正確な時刻を入手することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、モバイル・ユーザ端末が、監視ユニットとして働き、GPSなどの衛星から位置および時刻を入手することができる。GPSが使用可能ではない場合には、複数のモバイル監視ユニットを一緒に使用して、送信器クロック・オフセットなどのテレビジョン信号のパラメータを決定し、ユーザ端末内の受信器クロックのクロック・オフセットを決定し、ユーザ端末の位置を決定することができる。
【0020】
図1を参照すると、例の実施態様100は、エア・リンクを介して基地局104と通信するユーザ端末102を含む。一実施態様で、ユーザ端末102は、無線電話機であり、基地局104は、無線電話基地局である。一実施態様で、基地局104は、モバイルMAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)またはWAN(広域ネットワーク)の一部である。
【0021】
図1は、本発明のさまざまな態様を示すのに使用されるが、本発明は、この実施態様に限定されない。たとえば、句「ユーザ端末」は、説明するDTV位置決定技法を実施できるすべての物体を指すことが意図されている。ユーザ端末の例は、PDA、携帯電話機、自動車および他の車両、ならびに説明するDTV位置決定を実施するチップまたはソフトウェアを含むことができるすべての物体を含む。物体は、「端末」である物体または「ユーザ」によって操作される物体に限定されることを意図されたものではない。
【0022】
DTV位置決定サーバによって実行される位置決定
図2に、実施態様100の動作を示す。ユーザ端末102は、複数のDTV送信器106Aおよび106B〜106NからDTV信号を受信する(ステップ202)。
【0023】
さまざまな方法を使用して、位置決定に使用されるDTVチャネルを選択することができる。一実施態様では、DTV位置決定サーバ110が、監視すべき最良のDTVチャネルについてユーザ端末102に知らせる。一実施態様では、ユーザ端末102が、基地局104によって位置決定サーバ110とメッセージを交換する。もう1つの実施態様では、ユーザ端末102が、基地局104のアイデンティティと、基地局およびDTVチャネルを相関させる格納されたテーブルとに基づいて、監視すべきDTVチャネルを選択する。一実施態様では、ユーザ端末102が、最も近い都市の名前など、領域の一般的表示を与えるユーザからの位置入力を受け入れることができ、この情報を使用して、処理のためにDTVチャネルを選択する。一実施態様では、ユーザ端末102が、使用可能なDTVチャネルをスキャンして、使用可能なDTVチャネルの出力レベルに基づいて、位置の指紋を組み立てる。ユーザ端末102は、この指紋を、既知の指紋を既知の位置と突き合わせる格納されたテーブルと比較して、処理のためにDTVチャネルを選択する。
【0024】
ユーザ端末102は、ユーザ端末102と各DTV送信器106との間の擬似距離を決定する(ステップ204)。各擬似距離は、DTV放送信号の成分の送信器106からの送信の時刻と、その成分のユーザ端末102での受信の時刻との間の時間差(または同等の距離)ならびにユーザ端末でのクロック・オフセットを表す。
【0025】
ユーザ端末102は、擬似距離をDTV位置決定サーバ110に送信する。一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、本明細書で説明する動作を実行するように設計されたソフトウェアを実行する汎用コンピュータとして実施される。もう1つの実施態様では、DTV位置決定サーバは、ASIC(特定用途向け集積回路)またはある他の種類のデバイスとして実施される。一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、基地局104内または基地局104の近くで実施される。
【0026】
DTV信号は、固定されたおよび/またはモバイルの監視ユニット108を含めることができる複数の監視ユニット108A〜Nによっても受信される。各監視ユニット108は、トランシーバおよびプロセッサを含む小さいユニットとして実施することができる。固定された監視ユニットは、電柱、DTV送信器106、または基地局104などの便利な位置に取り付けることができる。一実施態様で、監視ユニットは、衛星上で実施される。
【0027】
各監視ユニット108は、それがDTV信号をそこから受信するDTV送信器106のそれぞれについて、そのDTV送信器のローカル・クロックと基準クロックとの間の時間オフセットを測定する。一実施態様で、基準クロックは、GPS信号から導出される。基準クロックの使用は、複数の監視ユニット108が使用される時の各DTV送信器106の時間オフセットの決定を可能にする。というのは、各監視ユニット108が、基準クロックに関する時間オフセットを決定できるからである。したがって、監視ユニット108のローカル・クロックのオフセットは、これらの決定に影響しない。
【0028】
もう1つの実施態様では、外部時刻基準は不要である。この実施態様によれば、単一の監視ユニットが、ユーザ端末102が受信するのと同一のDTV送信器のすべてからDTV信号を受信する。実際には、この単一の監視ユニットのローカル・クロックが、時刻基準として機能する。
【0029】
一実施態様で、各時間オフセットが、固定オフセットとしてモデル化される。もう1つの実施態様では、各時間オフセットが、a、b、c、およびTによって記述できる
Offset=a+b(t−T)+c(t−T)2 (1)
の形の2次多項式あてはめとしてモデル化される。どの実施態様でも、各測定された時間オフセットは、インターネット、保護されたモデム接続、または類似物を使用して、DTV位置決定サーバに周期的に送信される。一実施態様で、各監視ユニット108の位置が、GPS受信器を使用して決定される。
【0030】
DTV位置決定サーバ110は、各DTV送信器106の位相中心(すなわち、位置)を記述する情報をデータベース112から受信する。一実施態様で、各DTV送信器106の位相中心は、位相中心を直接に測定するために、異なる位置の監視ユニット108を使用することによって測定される。もう1つの実施態様では、各DTV送信器106の位相中心は、アンテナ位相中心を測量することによって測定される。
【0031】
一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、気象サーバ114から、ユーザ端末102の付近の気温、気圧、および湿度を記述する気象情報を受信する。気象情報は、インターネットおよび他のソースから入手可能である。DTV位置決定サーバ110は、B.ParkinsonおよびJ.Spilker,Jr.著、「Global Positioning System−Theory and Applications」、AIAA、米国ワシントンD.C.、1996年、Vol.1、Chapter 17のJ.Spilker,Jr.によるTropospheric Effects on GPSで開示された技法などの技法を使用して、気象情報から対流圏伝搬速度を決定する。
【0032】
DTV位置決定サーバ110は、ユーザ端末102の全般的な地理的位置を識別する情報を基地局104から受信することもできる。たとえば、この情報は、セル電話機が置かれているセルまたはセル・セクタを識別することができる。この情報は、以下で説明するように、曖昧さの解決に使用される。
【0033】
DTV位置決定サーバ110は、擬似距離、使用される場合に距離、送信器のそれぞれの位置に基づいて、ユーザ端末の位置を決定する(ステップ206)。図3に、3つのDTV送信器106を使用する位置決定のジオメトリを示す。DTV送信器106Aは、位置(x1,y1)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Aとの間の距離は、r1である。DTV106B送信器は、位置(x2,y2)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Bとの間の距離は、r2である。DTV送信器106Nは、位置(x3,y3)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Nとの間の距離は、r3である。
【0034】
DTV位置決定サーバ110は、対流圏伝搬速度および対応するDTV送信器106の時間オフセットに従って、各擬似距離の値を調整することができる。DTV位置決定サーバ110は、データベース112からの位相中心情報を使用して、各DTV送信器106の位置を決定する。
【0035】
ユーザ端末102は、3回以上の擬似距離測定を行って、3つの未知数すなわち、ユーザ端末102の位置(x,y)およびクロック・オフセットTを解く。他の実施態様では、本明細書で開示される技法は、経度、緯度、および高度などの3次元の位置を決定するのに使用され、DTV送信器の高度などの要因を含むことができる。
【0036】
3つの擬似距離測定値pr1、pr2、およびpr3は、
pr1=r1+T (2)
pr2=r2+T (3)
pr3=r3+T (4)
によって与えられる。3つの距離は、
r1=|X−X1| (5)
r2=|X−X2| (6)
r3=|X−X3| (7)
として表すことができ、ここで、Xは、ユーザ端末の2次元ベクトル位置(x,y)を表し、X1は、DTV送信器106Aの2次元ベクトル位置(x1,y1)を表し、X2は、DTV送信器106Bの2次元ベクトル位置(x2,y2)を表し、X3は、DTV送信器106Nの2次元ベクトル位置(x3,y3)を表す。これらの関係は、3つの未知数x、y、およびTについて解くべき3つの方程式をもたらす。緯度および経度だけが必要である場合に、DTV位置決定サーバ110が、zについてある推定値を仮定し、他の未知の座標に関して行うようにはそれに関して解かないことに留意されたい。一実施態様で、地形図を使用して、zの初期推定値を、xおよびyの計算された値に基づいて繰り返して洗練することができる。もう1つの実施態様では、DTV位置決定サーバ110が、zについて能動的に解く。DTV位置決定サーバ110は、従来の周知の方法に従って、これらの方程式を解く。E911応用例では、ユーザ端末102の位置が、正しい機関への配布のためにE911位置決定サーバ116に送信される。もう1つの応用例では、位置が、ユーザ端末102に送信される。
【0037】
もう1つの実施態様で、ユーザ端末102は、擬似距離を計算するのではなく、擬似距離を計算するのに十分なDTV信号の測定値をとり、これらの測定値をDTV位置決定サーバ110に送信する。次に、DTV位置決定サーバ110は、これらの測定値に基づいて擬似距離を計算し、上で説明したように、これらの擬似距離に基づいて位置を計算する。
【0038】
ユーザ端末によって実行される位置決定
もう1つの実施態様で、ユーザ端末102の位置は、ユーザ端末102によって計算される。この実施態様では、必要な情報のすべてが、ユーザ端末102に送信される。この情報は、DTV位置決定サーバ110、基地局104、1つまたは複数のDTV送信器106、またはこれらの任意の組合せによってユーザ端末に送信することができる。次に、ユーザ端末102は、擬似距離を測定し、上で説明した連立方程式を解く。この実施態様を、これから説明する。
【0039】
ユーザ端末102は、各DTV送信器のローカル・クロックと基準クロックとの間の時間オフセットを受信する。ユーザ端末102は、各DTV送信器106の位相中心を記述する情報をもデータベース112から受信する。
【0040】
ユーザ端末102は、DTV位置決定サーバ110によって計算された対流圏伝搬速度を受信する。もう1つの実施態様で、ユーザ端末102は、ユーザ端末102の付近の気温、気圧、および湿度を記述する気象情報を気象サーバ114から受信し、従来の技法を使用して、この気象情報から対流圏伝搬速度を決定する。
【0041】
ユーザ端末102は、ユーザ端末102のおおまかな位置を識別する情報を基地局104から受信することもできる。たとえば、この情報は、セル電話機が置かれているセルまたはセル・セクタを識別することができる。この情報は、以下で説明するように、曖昧さの解決に使用される。
【0042】
ユーザ端末102は、複数のDTV送信器106からDTV信号を受信し、ユーザ端末102と各DTV送信器106との間の擬似距離を決定する。次に、ユーザ端末102は、擬似距離および送信器の位相中心に基づいてその位置を決定する。
【0043】
これらの実施態様のいずれにおいても、2つのDTV送信器だけが使用可能である場合には、ユーザ端末102の位置を、2つのDTV送信器および以前の位置決定中に計算されたオフセットTを使用して決定することができる。Tの値は、従来の方法に従って格納するか維持することができる。
【0044】
一実施態様で、基地局104は、ユーザ端末102のクロック・オフセットを決定する。この実施態様では、2つのDTV送信器だけが、位置決定に必要である。基地局104は、クロック・オフセットTをDTV位置決めサーバ110に送信し、このDTV位置決めサーバ110は、DTV送信器のそれぞれについて計算された擬似距離から、ユーザ端末102の位置を決定する。
【0045】
もう1つの実施態様では、1つまたは2つのDTV送信器だけが位置決定に使用可能である場合に、GPSが、位置決定を増補するのに使用される。
【0046】
受信器アーキテクチャ
図4に、擬似距離測定値を生成する際に使用される受信器の実施態様400を示す。いくつかの実施態様で、受信器400は、ユーザ端末102内で実施される。いくつかの実施態様で、受信器400は、監視ユニット108内で実施される。
【0047】
RFサンプラおよび量子化器406は、アンテナ404を区域内のディジタルTV信号402のそれぞれに順次同調し、その信号をRF増幅し、IFまたはベースバンドにダウンコンバートする。その8MHz帯域幅を用いて広帯域フィルタリングされた信号は、その後、RFサンプラおよび量子化器406によってサンプリングされ、量子化される。次に、4つ以上のシンボル・インターバルを含む、量子化された信号の1セグメントが、メモリ408に格納される。好ましくは、おそらく持続時間において0.1秒以上の実質的により長いセグメントが、平均化時間を改善し、雑音性能を改善するために使用される。
【0048】
ミキサ410と相関器および積分器412は、信号の格納された時間セグメントを、scattered pilotジェネレータ418によって生成された基準scattered pilot carrierのさまざまな時間オフセットされた版と順次相関させる。基準信号を、所定の時間ステップによって時間的にステップして、自己相関関数のピークを見つける。ステップ・サイズは、自己相関ピークを識別するのに十分な個数の、自己相関関数からのサンプルを作るように選択される。一実施態様で、大きいステップ・サイズが、当初に、自己相関ピークの推定を入手するために使用され、その後、より小さいステップ・サイズが、その推定値を洗練するのに使用される。下で示すように、本発明の実施態様は、1/(1116×20000)=44nsだけ間隔をおかれた時間サンプルを使用する。相関器検索制御420が、自己相関関数の主ピークを検索し、見つかった時に、擬似距離のその測定値をディジタル化された形に変換する。次に、受信器400は、他のDTV塔からその区域内で使用可能な他のディジタルTV信号402に対して、同一の組の関数を順次実行する。同一のDTV塔から送信された信号から複数の測定を行う必要はない。次に、3回以上の擬似距離測定値の組が、ディジタル・セルラ・リンクまたは他の無線リンクによってDTV位置決めサーバ110に送信される。
【0049】
加入者送受話器または他のデバイスでの位置決定動作が、加入者が位置決定を必要とする時にのみ行われる必要があることに留意されたい。ゆっくり歩いているか、ゆっくり移動する車両内にいるか、建物の中または緊急現場で座っている加入者について、この位置情報は、低い頻度で測定されることだけを必要とする。したがって、電池または他の電源を、非常に小さくすることができる。
【0050】
受信器400は、ディジタル信号の和を用いる相互相関器を実施するが、代替実施形態が、たとえばFFT/DFT(高速フーリエ変換/直接フーリエ変換)処理を使用することによって回路網を単純化できることは、当業者に明白であろう。さらに、受信器400は、サンプルを中間周波数(IF)で処理するが、他の実施態様は、アナログまたはディジタルの形でサンプルを処理することができ、IFまたはベースバンドで動作することができる。さらに異なる実施態様は、サンプルを周波数領域で処理する。
【0051】
信号構造内の他の信号を、位置決定に使用することもできる。たとえば、ワイド・レーニング(wide laning)技法を、連続するパイロット信号に適用することができる。しかし、ワイド・レーニングなどの技法は、サイクル曖昧さの固有の分解能を伴う。そのような曖昧さを解決する技法は、当技術分野で周知である。そのような技法の1つが、M.Rabinowitzの博士論文、「A Differential Carrier Phase Navigation System Combining GPS with Low Earth Orbit Satellites for Rapid Resolution of Integer Cycle Ambiguities」、2000年、Department of Electrical Engineering、スタンフォード大学、59〜76頁に開示されている。
【0052】
受信器相関器内および整合フィルタ内には、受信器劣化の2つの重要な源がある。ユーザ端末局所発振器は、しばしば、周波数において相対的に低い安定性を有する。この不安定性は、2つの異なる受信器パラメータに影響する。第1に、この不安定性は、受信器信号内の周波数オフセットを引き起こす。第2に、この不安定性は、受信されたビット・パターンに、基準クロックのシンボル・レートに対して相対的にスリップさせる。これらの影響の両方が、受信器の積分時間を制限し、したがって受信器の処理利得を制限する可能性がある。積分時間は、受信器基準クロックを訂正することによって延ばすことができる。一実施態様で、遅延ロック・ループが、受信器クロックを自動的に訂正する。
【0053】
もう1つの実施態様では、NCO(数値制御発振器)クロック414が、着信する受信信号クロック周波数のクロック周波数と一致するように受信器のクロック周波数を調整し、ユーザ端末102内の局所発振器のドリフトおよび周波数オフセットを補償する。高められた精度のクロック周波数は、より長い積分時間を可能にし、受信器相関器のよりよい性能を可能にする。NCOクロック414の周波数制御入力は、基準クロック416、受信器シンボル・クロック・レート・シンセサイザ、パイロット搬送波の追跡、またはNCOクロック414内にインストールされた他のクロック・レート弁別器技法から導出することができる。
【0054】
位置決定の機能強化
図5に、2つの別々のDTV送信器106Aおよび106BからDTV信号を受信するユーザ端末102の位置決定計算の単純な例を示す。一定範囲の円502Aおよび502Bが、それぞれ送信器106Aおよび106Bのそれぞれの回りに描かれている。ユーザ端末クロック・オフセットの訂正を含むユーザ端末の位置は、2つの円502Aおよび502Bの交点504Aおよび504Bのうちの1つにある。この曖昧さは、基地局104が、そのフットプリント(すなわち、そのカバレッジ区域)506のどのセクタ508にユーザ端末が位置するかを決定できることに留意することによって解決される。もちろん、3つ以上のDTV送信器が視野にある場合には、この曖昧さを、3つの円の交差をとることによって解決することができる。
【0055】
一実施態様で、ユーザ端末102は、最も近い都市の名前など、区域の全般的表示を与えるユーザからの入力を受け入れることができる。一実施態様で、ユーザ端末102が、使用可能なDTVチャネルをスキャンして、位置の指紋を組み立てる。ユーザ端末102は、この指紋を、既知の指紋を既知の位置と突き合わせる格納されたテーブルと比較して、ユーザ端末102の現在位置を識別する。
【0056】
一実施態様で、位置決定計算は、地面の標高の影響を含む。したがって、DTV送信器106の位相中心に対する相対的な丘および谷を有する地形では、一定範囲の円がゆがめられる。図6に、周囲の土地と同一の高度に配置されたDTV送信器106の一定範囲の円602に対する単一の丘604の影響を示す。
【0057】
ユーザ位置の計算は、地球の表面すなわちジオイドに対するユーザ高度の影響を計算に含めることを可能にする地上の地形図をデータベースとして有する単純なコンピュータによって簡単に行われる。この計算は、図6に示されているように、一定範囲の円をひずませるという影響を有する。
【0058】
監視ユニット
図7に、図1の監視ユニット108の実施態様700を示す。実施態様700は、上で述べたように固定式またはモバイルとすることができる。図8に、図7の実施態様700の処理を示す。アンテナ704が、GPS信号702を受信する(ステップ802)。GPS時間伝送ユニット706が、GPS信号に基づいて基準クロック信号を展開する(ステップ804)。
【0059】
DTV送信器クロックのオフセットを決定するために、NCO(数値制御発振器)コード同期化タイマ708Aが、基準クロック信号に基づいて基準同期化信号を展開する(ステップ806)。基準同期化信号は、scattered pilot carrierを含むことができる。一実施態様では、すべての監視ユニット108内のNCOコード同期化タイマ708Aが、ベース日時に同期化される。単一の監視ユニット108が、ユーザ端末102が受信するのと同一のDTV送信器のすべてからDTV信号を受信する実施態様では、ユーザ端末102の位置を決定するために、その監視ユニット108を他のすべての監視ユニットと同期化する必要はない。そのような同期化は、すべての監視ユニット108またはすべてのDTV送信器が共通のクロックに同期化される場合にも、不要である。
【0060】
DTVアンテナ712は、複数のDTV信号710を受信する(ステップ808)。いくつかの実施態様では、複数のDTVアンテナが使用される。増幅器714が、DTV信号を増幅する。1つまたは複数のDTV同調器716Aから716Nのそれぞれが、受信されたDTV信号内の1つのDTVチャネルに同調して、DTVチャネル信号を作る(ステップ810)。複数のNCOコード同期化タイマ708Bから708Mのそれぞれが、DTVチャネル信号のうちの1つを受け取る。NCOコード同期化タイマ708Bから708Mのそれぞれは、DTVチャネル信号からチャネル同期化信号を抽出する(ステップ812)。チャネル同期化信号は、scattered pilot carrierを含むことができる。一実施形態では、連続的なパイロット信号およびシンボル・クロック信号が、獲得の助けとして使用される。
【0061】
複数のアナログ加算器718Aから718Nのそれぞれが、基準同期化信号とチャネル同期化信号のうちの1つとの間のクロック・オフセットを生成する(ステップ814)。プロセッサ720が、クロック・オフセットを記述するデータをフォーマットし、DTV位置決めサーバ110に送信する(ステップ816)。さまざまな実施態様で、このデータは、測定されたDTVチャネルごとに、DTV送信器の識別番号、DTVチャネル番号、DTV送信器のアンテナ位相中心、およびクロック・オフセットのうちの1つまたは複数を含む。このデータは、エア・リンクおよびインターネットを含む複数の方法のいずれかによって送信することができる。いくつかの実施態様で、データは、DTVチャネル自体の上で疎なMPEGパケット内でブロードキャストされる。
【0062】
GPSなしの監視ユニット
いくつかの実施形態で、たとえばユーザ端末が室内にあるので、GPS信号がユーザ端末から入手可能ではないか、ユーザ端末がGPS受信器を有しないかのいずれかである。そのような実施形態で、ユーザ端末を、それでも監視ユニットとして使用することができる。たとえば、K個のTV放送信号が、M個のユーザ端末のそれぞれによって観察される。第mユーザ端末について、次のパラメータが未知である:rm=(xm,ym)によって与えられる2次元空間内の位置と、内部クロックのクロック・オフセットαm。したがって、M個のモバイル・デバイスについて、3M個の未知のパラメータがある。
【0063】
K個のTV放送信号について、送信器クロック・オフセットだけが未知である。したがって、第kのTV放送信号について、内部クロックの未知の時間オフセットは、βkと表され、TV信号の送信器の既知の2D位置は、akによって与えられる。したがって、K個のTV送信器について、未知のパラメータの個数は、Kである。相対時間オフセットだけが必要なので、オフセットのセット1には、0がセットされる。したがって、これらのK個のTV放送信号について、K−1個の未知のパラメータだけがある。
【0064】
位置決定計算を実行する時に、第mユーザ端末は、第k TV放送信号への擬似距離をctmkとして計算し、ここで、cは、光の速度(ラジオ伝搬速度)であり、tmkは、TV放送信号内の既知の同期化セグメントとの相関のピーク出力に基づく擬似時間遅延測定値である。この擬似距離は、方程式
ctmk=|rm−ak|+αm+βk (8)
ただしm=1,2,3,…Mかつk=1,2,3,…Kを満足する。
【0065】
これが、3M+K−1個の未知パラメータに関するMK個の方程式をもたらすことに留意されたい。
【0066】
したがって、
MK≧3M+K−1 (9)
である場合に、式(8)を、3M+K−1個の未知パラメータについて解くことができる。
【0067】
ソフトウェア受信器
マルチパスの影響を軽減する1つの完全な手法は、ハードウェア・セットアップで行われるように早期および後期のサンプルだけを使用するのではなく、自己相関関数全体をサンプリングすることである。マルチパスの影響は、最も早期の相関ピークを選択することによって軽減することができる。
【0068】
E911応用例など、短い遅延で位置を計算できる場合には、単純な手法は、フィルタリングされた信号のシーケンスをサンプリングし、その後、サンプルをDSP上のファームウェア内で処理する、ソフトウェア受信器を使用することである。
【0069】
図9に、ソフトウェアでの追跡の一実施態様900を示す。アンテナ902が、DTV信号を受信する。アンテナ902は、磁気双極子またはDTV信号を受信できる任意の他のタイプのアンテナとすることができる。帯域フィルタ904が、DTV信号スペクトル全体をLNA 906に渡す。一実施形態で、フィルタ904は、ディジタル信号プロセッサ(DSP)914の制御の下で特定のDTVチャネルのスペクトルを通過させる同調可能帯域フィルタである。
【0070】
低雑音増幅器(LNA)906が、選択された信号を増幅し、DTVチャネル・セレクタ908に渡す。DTVチャネル・セレクタ908は、DSP 914の制御の下で特定のDTVチャネルを選択し、選択されたチャネル信号をフィルタリングし、従来の方法に従って、UHF(超高周波数)からIF(中間周波数)にダウンコンバートする。増幅器(AMP)910が、選択されたIFチャネル信号を増幅する。アナログ−ディジタル変換器およびサンプラ(A/D)912が、DTVチャネル信号s(t)のディジタル・サンプルを作り、これらのサンプルをDSP 914に渡す。
【0071】
ここで、DSP 914によるDTVチャネル信号の処理を、コヒーレント・ソフトウェア受信器について説明する。ダウンコンバートされたサンプリングされた信号の公称オフセット周波数を仮定する。この信号がベースバンドにダウンコンバートされる場合には、公称オフセットは0Hzである。この処理は、信号s(t)のサンプルに基づいて完全な自己相関関数を生成する。この処理は、低デューティ係数信号について、はるかに効率的に実施することができる。Tiが、サンプリングされるデータの周期であり、ωinが、サンプリングされた入射信号の公称オフセットであり、ωoffsetが、ドップラ・シフトおよび発振器周波数ドリフトに起因する最大の可能なオフセット周波数であるものとする。この処理は、下にリストした擬似コードを実施する。
【0072】
Rmax=0
複素コード信号
scode(t)=Ci(t)+jCq(t)
を作成する。ここで、Ciは、同相ベースバンド信号を記述する関数であり、Cqは、直交ベースバンド信号を記述する関数である。
【0073】
F{scode}を計算する。ここで、Fは、フーリエ変換演算子であり、*は共役演算子である。
【0074】
For ω=ωin−ωoffset to ωin+ωoffset step π/2Ti
複素混合信号
smix(t)=cos(ωt)+j sin(ωt),t=[0…Ti]
を作成する。
【0075】
入射信号s(t)と混合信号smix(t)とを組み合わせる。
【0076】
scomb(t)=s(t)smix(t)
相関関数R(τ)=F−1{F(scode)F(Scomb)}を計算する。
【0077】
If maxτ|R(τ)|>Rmax、
【0078】
【数1】
、Rstore(τ)=R(τ)
Next ω
【0079】
このプロセスから抜ける時に、Rstore(τ)には、入射信号s(t)と複素コード信号scode(t)との間の相関が格納されている。Rstore(τ)は、ωのより小さいステップにわたって検索することによって、さらに洗練することができる。ωに関する初期ステップ・サイズは、ナイキスト
【0080】
【数2】
の半分未満でなければならない。最大の相関出力を作る時間オフセットτが、擬似距離として使用される。
【0081】
代替実施形態
本発明を、ディジタル電子回路網内で、あるいはコンピュータ・ハードウェア、コンピュータ・ファームウェア、コンピュータ・ソフトウェア内で、あるいはこれらの組合せで実施することができる。本発明の装置を、プログラマブル・プロセッサによる実行のために機械可読記憶装置内で有形に実施されるコンピュータ・プログラム製品で実施することができ、本発明の方法ステップを、入力データを操作し、出力を生成することによって本発明の機能を実行するために命令のプログラムを実行するプログラマブル・プロセッサによって実行することができる。本発明を、データ記憶システムからデータおよび命令を受け取り、データ記憶システムにデータおよび命令を送るために結合された少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含むプログラマブル・システムで実行可能な1つまたは複数のコンピュータ・プログラム内で有利に実施することができる。各コンピュータ・プログラムは、高水準手続き指向プログラミング言語または高水準オブジェクト指向プログラミング言語で、あるいは望まれる場合にはアセンブリ言語または機械語で実施することができ、どの場合でも、言語は、コンパイルされる言語または解釈される言語とすることができる。適切なプロセッサは、たとえば、汎用マイクロプロセッサと特殊目的マイクロプロセッサとの両方を含む。一般に、プロセッサは、読取専用メモリおよび/またはランダム・アクセスメモリから命令およびデータを受け取る。一般に、コンピュータは、データ・ファイルを格納するための1つまたは複数の大容量記憶装置を含み、そのような装置は、内蔵ハード・ディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびに光ディスクを含む。コンピュータ・プログラム命令およびデータを有形に実施するのに適する記憶装置は、たとえばEPROM、EEPROM、およびフラッシュ・メモリ・デバイスなどの半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMディスクを含む、すべての形の不揮発性メモリを含む。前述のいずれをも、ASIC(特定用途向け集積回路)によって増補するか、ASIC内に組み込むことができる。
【0082】
本発明の複数の実施形態を説明した。それでも、さまざまな変更を、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに行えることを理解されたい。
【0083】
たとえば、さまざまな信号および信号処理技法を、本明細書でアナログの形で述べたが、ディジタル実施態様が、この説明を読んだ後に当業者に明白になるであろう。
【0084】
たとえば、信号を追跡する1つの方法を説明したが、さまざまな形の従来の遅延ロック・ループを使用し、さまざまなタイプの整合フィルタの使用を介してこれらの信号を追跡する複数の方法があることは明白である。
【0085】
本発明の実施態様を、8MHz信号を参照して述べたが、実施態様を、他の帯域幅の信号と共に使用することができる。さらに、本発明の実施態様は、信号の帯域幅のサブセットを使用することができる。たとえば、本発明の実施態様は、8MHz信号のうちの6MHzだけを使用して、満足な結果を達成することができる。本発明の実施態様を、信号の将来の機能強化を使用するように拡張することができる。
【0086】
本発明の実施態様は、多くの形でDTV信号の低デューティ係数を活用する。たとえば、一実施形態は、J.J.Spilker,Jr.著、「Digital Communications by Satellite」、Prentice−Hall、米国ニュージャージー州エングルウッド・クリフ、1977年、Chapter 18−6で開示されたものなどの時間ゲーティングされた遅延ロック・ループ(DLL)を使用する。他の実施態様は、J.J.Spilker,Jr.著、「Digital Communications by Satellite」、Prentice−Hall、米国ニュージャージー州エングルウッド・クリフ、1977年、Chapter 18、ならびにB.ParkinsonおよびJ.Spilker,Jr.著、「Global Positioning System−Theory and Applications」、AIAA、米国ワシントン州、1996年、Vol.1、Chapter 17のJ.Spilker,Jr.によるFundamentals of Signal Tracking Theoryに開示されたものなど、コヒーレントDLL、非コヒーレントDLL、および準コヒーレントDLLを含むDLLの変形形態を使用する。他の実施態様は、再循環式整合フィルタなどのさまざまなタイプの整合フィルタを使用する。
【0087】
一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、DTV送信器から入手可能な擬似距離、各DTVチャネルおよび擬似距離を検証するためならびに誤りのあるDTVチャネルを識別するための追加の検査など、システム・レベルで入手可能な冗長信号eを使用する。そのような技法の1つが、従来の受信器自律型完全性監視(receiver autonomous integrity monitoring、RAIM)である。
【0088】
したがって、他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】エア・リンクを介して基地局と通信するユーザ端末を含む、本発明の実施態様を示す図である。
【図2】本発明の実施態様の動作を示す図である。
【図3】3つのDTV送信器を使用する位置決定のジオメトリを示す図である。
【図4】擬似距離測定値を生成する際に使用される受信器の実施態様を示す図である。
【図5】2つの別々のDTVアンテナからDTV信号を受信するユーザ端末の位置決定計算の単純な例を示す図である。
【図6】周囲の土地と同一の高度に配置されたDTV送信器の一定範囲の円に対する単一の丘の影響を示す図である。
【図7】監視ユニットの実施態様を示す図である。
【図8】図7の実施態様の処理を示す図である。
【図9】ソフトウェアでの追跡の一実施態様を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には位置決定に関し、具体的には、DTV信号を使用する位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
昔から、ラジオ信号を使用する2次元緯度/経度位置決定システムの方法があった。Loran CおよびOmegaなどの地上システムと、Transitとして知られる衛星ベースのシステムが、広く使用されてきた。高まる人気を享受しているもう1つの衛星ベースのシステムが、全地球測位システム(GPS)である。
【0003】
1974年に最初に考案されたGPSは、位置決定、ナビゲーション、測量、および時間伝送に広く使用されている。GPSシステムは、準同期した12時間軌道にある24個の軌道衛星の集まりに基づく。各衛星は、正確なクロックを担持し、擬似雑音信号を送信し、この擬似雑音信号を正確に追跡して、擬似距離を決定することができる。4つ以上の衛星を追跡することによって、全世界で3次元の正確な位置をリアル・タイムで決定することができる。より多くの詳細が、B.W.ParkinsonおよびJ.J.Spilker,Jr.、Global Positioning System−Theory and Applications、巻IおよびII、AIAA、米国ワシントンD.C.、1996年に記載されている。
【0004】
GPSは、ナビゲーションおよび位置決定の技術に変革を起こした。しかし、いくつかの状況で、GPSは、より有効でない。GPS信号は、比較的低い出力レベル(100ワット未満)で送信され、長距離にわたるので、受信信号強度は、比較的弱い(全方向性アンテナによって受信された時に−160dBw程度)。したがって、信号は、妨害物が存在する場合または建物の内部では、辛うじて有用であり、あるいは全く有用ではない。
【0005】
従来のアナログの全米テレビジョン基準委員会(NTSC)テレビジョン信号を使用して位置を決定する、提案されたシステムがあった。この提案は、「Location Determination System And Method Using Television Broadcast Signals」という名称の米国特許すなわち、1996年4月23日発行の米国特許第5510801号に見られる。しかし、現在のアナログTV信号は、TVセット掃引回路の比較的粗い同期化を意図された水平同期パルスおよび垂直同期パルスを含む。さらに、2006年に、連邦通信委員会(FCC)は、NTSC送信器を止め、その貴重なスペクトルを再割り当てし、その結果、より貴重と思われる他の目的のためにオークションにかけられるようにすることを検討する。
【発明の概要】
【0006】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロックと、無線テレビジョン信号を受信する受信器であって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信器と、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロックと送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定するクロック・オフセット・ユニットとを含む装置を特徴とする。
【0007】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定するプロセッサを含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信する衛星受信器と、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定するプロセッサと、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロックを調整する時間伝送ユニットとを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0008】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロック信号を生成する手段と、無線テレビジョン信号を受信する手段であって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信する手段と、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロック信号と送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定する手段とを含む装置を特徴とする。
【0009】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定する手段を含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信する手段と、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定する手段と、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロック信号を調整する手段とを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0010】
一般に、一態様で、本発明は、基準クロック信号を生成することと、無線テレビジョン信号を受信することであって、無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信することと、無線テレビジョン信号に基づいて基準クロック信号と送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定することとを含む方法を特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態で、無線テレビジョン信号は、American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号とのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、ユーザ端末の位置は、クロック・オフセット、無線テレビジョン信号に基づいてユーザ端末とテレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびにテレビジョン送信器の位置に基づいて決定される。いくつかの実施形態は、ユーザ端末の位置を決定することを含む。いくつかの実施形態は、衛星ポジショニング信号を受信することと、衛星ポジショニング信号に基づいて受信器の位置を決定することと、衛星ポジショニング信号に基づいて基準クロック信号を調整することとを含む。いくつかの実施形態で、衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む。
【0012】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付図面および下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、および利益は、この説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明白になるであろう。
【0013】
さまざまな図面の類似する符号は、類似する要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
序
放送テレビジョン信号を使用して、ユーザ端末の位置を決定することができる。American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6861984号、「Position Location using Broadcast Digital Television Signals」に開示されている。欧州電気通信標準化機構(ETSI)Digital Video Broadcasting(DVB)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2001年8月17日に出願した米国非仮特許出願第09/932010号、「Wireless Position Location Using the Japanese ISDB−T Digital TV Signals」に開示されている。日本のIntegrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6952182号、「Position Location using Terrestrial Digital Video Broadcast Television Signals」に開示されている。NTSC(全米テレビジョン基準委員会)アナログ・テレビジョン(TV)信号を使用してユーザ端末の位置を決定する技法が、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6559800号および米国特許第6522297号に開示されている。
【0015】
これらのテレビジョン信号のそれぞれが、テレビジョン信号の送信器までの擬似距離を入手するのに使用できる成分を含む。複数のそのような擬似距離が既知であり、送信器の位置が既知である時に、ユーザ端末の位置を正確に決定することができる。ATSCディジタル・テレビジョン信号内の適切な成分は、ATSCデータ・フレーム内のField Synchronization SegmentおよびATSCデータ・フレーム内のData Segment内のSynchronization Segmentなどの同期化コードを含む。ETSI DVBディジタル・テレビジョン信号およびISDB−Tディジタル・テレビジョン信号内の適切な成分は、散乱パイロットキャリアを含む。NTSCアナログ・テレビジョン信号内の適切な成分は、水平同期パルス、水平帰線消去パルス、ひとまとめにされた水平帰線消去パルスおよび水平同期パルス、ゴースト・キャンセル用基準信号、垂直消去期間試験信号、ならびに他のチャープタイプ信号を含む。
【0016】
テレビジョン信号を使用する位置決め技法は、ナビゲーションおよび位置決定の技術を変革するに違いない。テレビジョン信号の遍在する可用性は、テレビジョンが使用可能であるすべての場所でのカバレッジを可能にする。実際に、時間ゲーティングされた遅延ロック・ループの使用に伴って、テレビジョン受信が可能である区域を超えてさえ位置決めにテレビジョン信号を使用することが可能である。詳細は、たとえば、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6753812号、「Time−Gated Noncoherent Delay Lock Loop Tracking of Digital Television Signals」に記載されている。
【0017】
本発明の実施形態は、テレビジョン信号を使用する位置決定用の監視ユニットを提供する。この監視ユニットは、本明細書で「ユーザ端末」と称するモバイル・ユニットのジオロケーション(geolocation)に使用されるテレビジョン信号のパラメータを決定する。たとえば、監視ユニットは、テレビジョン送信器内の送信器クロックのクロック・オフセットを決定することができる。次に、そのクロック・オフセットが、ユーザ端末の位置を正確に決定するのに使用される。
【0018】
いくつかの実施形態で、監視ユニットは、測量、衛星位置決め、テレビジョン信号を使用する位置決め、および類似物によって高い度合の精度で決定された固定位置を有する静止ユニットである。この静止監視ユニットは、GPSなどの衛星から正確な時刻を入手することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、モバイル・ユーザ端末が、監視ユニットとして働き、GPSなどの衛星から位置および時刻を入手することができる。GPSが使用可能ではない場合には、複数のモバイル監視ユニットを一緒に使用して、送信器クロック・オフセットなどのテレビジョン信号のパラメータを決定し、ユーザ端末内の受信器クロックのクロック・オフセットを決定し、ユーザ端末の位置を決定することができる。
【0020】
図1を参照すると、例の実施態様100は、エア・リンクを介して基地局104と通信するユーザ端末102を含む。一実施態様で、ユーザ端末102は、無線電話機であり、基地局104は、無線電話基地局である。一実施態様で、基地局104は、モバイルMAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)またはWAN(広域ネットワーク)の一部である。
【0021】
図1は、本発明のさまざまな態様を示すのに使用されるが、本発明は、この実施態様に限定されない。たとえば、句「ユーザ端末」は、説明するDTV位置決定技法を実施できるすべての物体を指すことが意図されている。ユーザ端末の例は、PDA、携帯電話機、自動車および他の車両、ならびに説明するDTV位置決定を実施するチップまたはソフトウェアを含むことができるすべての物体を含む。物体は、「端末」である物体または「ユーザ」によって操作される物体に限定されることを意図されたものではない。
【0022】
DTV位置決定サーバによって実行される位置決定
図2に、実施態様100の動作を示す。ユーザ端末102は、複数のDTV送信器106Aおよび106B〜106NからDTV信号を受信する(ステップ202)。
【0023】
さまざまな方法を使用して、位置決定に使用されるDTVチャネルを選択することができる。一実施態様では、DTV位置決定サーバ110が、監視すべき最良のDTVチャネルについてユーザ端末102に知らせる。一実施態様では、ユーザ端末102が、基地局104によって位置決定サーバ110とメッセージを交換する。もう1つの実施態様では、ユーザ端末102が、基地局104のアイデンティティと、基地局およびDTVチャネルを相関させる格納されたテーブルとに基づいて、監視すべきDTVチャネルを選択する。一実施態様では、ユーザ端末102が、最も近い都市の名前など、領域の一般的表示を与えるユーザからの位置入力を受け入れることができ、この情報を使用して、処理のためにDTVチャネルを選択する。一実施態様では、ユーザ端末102が、使用可能なDTVチャネルをスキャンして、使用可能なDTVチャネルの出力レベルに基づいて、位置の指紋を組み立てる。ユーザ端末102は、この指紋を、既知の指紋を既知の位置と突き合わせる格納されたテーブルと比較して、処理のためにDTVチャネルを選択する。
【0024】
ユーザ端末102は、ユーザ端末102と各DTV送信器106との間の擬似距離を決定する(ステップ204)。各擬似距離は、DTV放送信号の成分の送信器106からの送信の時刻と、その成分のユーザ端末102での受信の時刻との間の時間差(または同等の距離)ならびにユーザ端末でのクロック・オフセットを表す。
【0025】
ユーザ端末102は、擬似距離をDTV位置決定サーバ110に送信する。一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、本明細書で説明する動作を実行するように設計されたソフトウェアを実行する汎用コンピュータとして実施される。もう1つの実施態様では、DTV位置決定サーバは、ASIC(特定用途向け集積回路)またはある他の種類のデバイスとして実施される。一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、基地局104内または基地局104の近くで実施される。
【0026】
DTV信号は、固定されたおよび/またはモバイルの監視ユニット108を含めることができる複数の監視ユニット108A〜Nによっても受信される。各監視ユニット108は、トランシーバおよびプロセッサを含む小さいユニットとして実施することができる。固定された監視ユニットは、電柱、DTV送信器106、または基地局104などの便利な位置に取り付けることができる。一実施態様で、監視ユニットは、衛星上で実施される。
【0027】
各監視ユニット108は、それがDTV信号をそこから受信するDTV送信器106のそれぞれについて、そのDTV送信器のローカル・クロックと基準クロックとの間の時間オフセットを測定する。一実施態様で、基準クロックは、GPS信号から導出される。基準クロックの使用は、複数の監視ユニット108が使用される時の各DTV送信器106の時間オフセットの決定を可能にする。というのは、各監視ユニット108が、基準クロックに関する時間オフセットを決定できるからである。したがって、監視ユニット108のローカル・クロックのオフセットは、これらの決定に影響しない。
【0028】
もう1つの実施態様では、外部時刻基準は不要である。この実施態様によれば、単一の監視ユニットが、ユーザ端末102が受信するのと同一のDTV送信器のすべてからDTV信号を受信する。実際には、この単一の監視ユニットのローカル・クロックが、時刻基準として機能する。
【0029】
一実施態様で、各時間オフセットが、固定オフセットとしてモデル化される。もう1つの実施態様では、各時間オフセットが、a、b、c、およびTによって記述できる
Offset=a+b(t−T)+c(t−T)2 (1)
の形の2次多項式あてはめとしてモデル化される。どの実施態様でも、各測定された時間オフセットは、インターネット、保護されたモデム接続、または類似物を使用して、DTV位置決定サーバに周期的に送信される。一実施態様で、各監視ユニット108の位置が、GPS受信器を使用して決定される。
【0030】
DTV位置決定サーバ110は、各DTV送信器106の位相中心(すなわち、位置)を記述する情報をデータベース112から受信する。一実施態様で、各DTV送信器106の位相中心は、位相中心を直接に測定するために、異なる位置の監視ユニット108を使用することによって測定される。もう1つの実施態様では、各DTV送信器106の位相中心は、アンテナ位相中心を測量することによって測定される。
【0031】
一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、気象サーバ114から、ユーザ端末102の付近の気温、気圧、および湿度を記述する気象情報を受信する。気象情報は、インターネットおよび他のソースから入手可能である。DTV位置決定サーバ110は、B.ParkinsonおよびJ.Spilker,Jr.著、「Global Positioning System−Theory and Applications」、AIAA、米国ワシントンD.C.、1996年、Vol.1、Chapter 17のJ.Spilker,Jr.によるTropospheric Effects on GPSで開示された技法などの技法を使用して、気象情報から対流圏伝搬速度を決定する。
【0032】
DTV位置決定サーバ110は、ユーザ端末102の全般的な地理的位置を識別する情報を基地局104から受信することもできる。たとえば、この情報は、セル電話機が置かれているセルまたはセル・セクタを識別することができる。この情報は、以下で説明するように、曖昧さの解決に使用される。
【0033】
DTV位置決定サーバ110は、擬似距離、使用される場合に距離、送信器のそれぞれの位置に基づいて、ユーザ端末の位置を決定する(ステップ206)。図3に、3つのDTV送信器106を使用する位置決定のジオメトリを示す。DTV送信器106Aは、位置(x1,y1)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Aとの間の距離は、r1である。DTV106B送信器は、位置(x2,y2)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Bとの間の距離は、r2である。DTV送信器106Nは、位置(x3,y3)に配置される。ユーザ端末102とDTV送信器106Nとの間の距離は、r3である。
【0034】
DTV位置決定サーバ110は、対流圏伝搬速度および対応するDTV送信器106の時間オフセットに従って、各擬似距離の値を調整することができる。DTV位置決定サーバ110は、データベース112からの位相中心情報を使用して、各DTV送信器106の位置を決定する。
【0035】
ユーザ端末102は、3回以上の擬似距離測定を行って、3つの未知数すなわち、ユーザ端末102の位置(x,y)およびクロック・オフセットTを解く。他の実施態様では、本明細書で開示される技法は、経度、緯度、および高度などの3次元の位置を決定するのに使用され、DTV送信器の高度などの要因を含むことができる。
【0036】
3つの擬似距離測定値pr1、pr2、およびpr3は、
pr1=r1+T (2)
pr2=r2+T (3)
pr3=r3+T (4)
によって与えられる。3つの距離は、
r1=|X−X1| (5)
r2=|X−X2| (6)
r3=|X−X3| (7)
として表すことができ、ここで、Xは、ユーザ端末の2次元ベクトル位置(x,y)を表し、X1は、DTV送信器106Aの2次元ベクトル位置(x1,y1)を表し、X2は、DTV送信器106Bの2次元ベクトル位置(x2,y2)を表し、X3は、DTV送信器106Nの2次元ベクトル位置(x3,y3)を表す。これらの関係は、3つの未知数x、y、およびTについて解くべき3つの方程式をもたらす。緯度および経度だけが必要である場合に、DTV位置決定サーバ110が、zについてある推定値を仮定し、他の未知の座標に関して行うようにはそれに関して解かないことに留意されたい。一実施態様で、地形図を使用して、zの初期推定値を、xおよびyの計算された値に基づいて繰り返して洗練することができる。もう1つの実施態様では、DTV位置決定サーバ110が、zについて能動的に解く。DTV位置決定サーバ110は、従来の周知の方法に従って、これらの方程式を解く。E911応用例では、ユーザ端末102の位置が、正しい機関への配布のためにE911位置決定サーバ116に送信される。もう1つの応用例では、位置が、ユーザ端末102に送信される。
【0037】
もう1つの実施態様で、ユーザ端末102は、擬似距離を計算するのではなく、擬似距離を計算するのに十分なDTV信号の測定値をとり、これらの測定値をDTV位置決定サーバ110に送信する。次に、DTV位置決定サーバ110は、これらの測定値に基づいて擬似距離を計算し、上で説明したように、これらの擬似距離に基づいて位置を計算する。
【0038】
ユーザ端末によって実行される位置決定
もう1つの実施態様で、ユーザ端末102の位置は、ユーザ端末102によって計算される。この実施態様では、必要な情報のすべてが、ユーザ端末102に送信される。この情報は、DTV位置決定サーバ110、基地局104、1つまたは複数のDTV送信器106、またはこれらの任意の組合せによってユーザ端末に送信することができる。次に、ユーザ端末102は、擬似距離を測定し、上で説明した連立方程式を解く。この実施態様を、これから説明する。
【0039】
ユーザ端末102は、各DTV送信器のローカル・クロックと基準クロックとの間の時間オフセットを受信する。ユーザ端末102は、各DTV送信器106の位相中心を記述する情報をもデータベース112から受信する。
【0040】
ユーザ端末102は、DTV位置決定サーバ110によって計算された対流圏伝搬速度を受信する。もう1つの実施態様で、ユーザ端末102は、ユーザ端末102の付近の気温、気圧、および湿度を記述する気象情報を気象サーバ114から受信し、従来の技法を使用して、この気象情報から対流圏伝搬速度を決定する。
【0041】
ユーザ端末102は、ユーザ端末102のおおまかな位置を識別する情報を基地局104から受信することもできる。たとえば、この情報は、セル電話機が置かれているセルまたはセル・セクタを識別することができる。この情報は、以下で説明するように、曖昧さの解決に使用される。
【0042】
ユーザ端末102は、複数のDTV送信器106からDTV信号を受信し、ユーザ端末102と各DTV送信器106との間の擬似距離を決定する。次に、ユーザ端末102は、擬似距離および送信器の位相中心に基づいてその位置を決定する。
【0043】
これらの実施態様のいずれにおいても、2つのDTV送信器だけが使用可能である場合には、ユーザ端末102の位置を、2つのDTV送信器および以前の位置決定中に計算されたオフセットTを使用して決定することができる。Tの値は、従来の方法に従って格納するか維持することができる。
【0044】
一実施態様で、基地局104は、ユーザ端末102のクロック・オフセットを決定する。この実施態様では、2つのDTV送信器だけが、位置決定に必要である。基地局104は、クロック・オフセットTをDTV位置決めサーバ110に送信し、このDTV位置決めサーバ110は、DTV送信器のそれぞれについて計算された擬似距離から、ユーザ端末102の位置を決定する。
【0045】
もう1つの実施態様では、1つまたは2つのDTV送信器だけが位置決定に使用可能である場合に、GPSが、位置決定を増補するのに使用される。
【0046】
受信器アーキテクチャ
図4に、擬似距離測定値を生成する際に使用される受信器の実施態様400を示す。いくつかの実施態様で、受信器400は、ユーザ端末102内で実施される。いくつかの実施態様で、受信器400は、監視ユニット108内で実施される。
【0047】
RFサンプラおよび量子化器406は、アンテナ404を区域内のディジタルTV信号402のそれぞれに順次同調し、その信号をRF増幅し、IFまたはベースバンドにダウンコンバートする。その8MHz帯域幅を用いて広帯域フィルタリングされた信号は、その後、RFサンプラおよび量子化器406によってサンプリングされ、量子化される。次に、4つ以上のシンボル・インターバルを含む、量子化された信号の1セグメントが、メモリ408に格納される。好ましくは、おそらく持続時間において0.1秒以上の実質的により長いセグメントが、平均化時間を改善し、雑音性能を改善するために使用される。
【0048】
ミキサ410と相関器および積分器412は、信号の格納された時間セグメントを、scattered pilotジェネレータ418によって生成された基準scattered pilot carrierのさまざまな時間オフセットされた版と順次相関させる。基準信号を、所定の時間ステップによって時間的にステップして、自己相関関数のピークを見つける。ステップ・サイズは、自己相関ピークを識別するのに十分な個数の、自己相関関数からのサンプルを作るように選択される。一実施態様で、大きいステップ・サイズが、当初に、自己相関ピークの推定を入手するために使用され、その後、より小さいステップ・サイズが、その推定値を洗練するのに使用される。下で示すように、本発明の実施態様は、1/(1116×20000)=44nsだけ間隔をおかれた時間サンプルを使用する。相関器検索制御420が、自己相関関数の主ピークを検索し、見つかった時に、擬似距離のその測定値をディジタル化された形に変換する。次に、受信器400は、他のDTV塔からその区域内で使用可能な他のディジタルTV信号402に対して、同一の組の関数を順次実行する。同一のDTV塔から送信された信号から複数の測定を行う必要はない。次に、3回以上の擬似距離測定値の組が、ディジタル・セルラ・リンクまたは他の無線リンクによってDTV位置決めサーバ110に送信される。
【0049】
加入者送受話器または他のデバイスでの位置決定動作が、加入者が位置決定を必要とする時にのみ行われる必要があることに留意されたい。ゆっくり歩いているか、ゆっくり移動する車両内にいるか、建物の中または緊急現場で座っている加入者について、この位置情報は、低い頻度で測定されることだけを必要とする。したがって、電池または他の電源を、非常に小さくすることができる。
【0050】
受信器400は、ディジタル信号の和を用いる相互相関器を実施するが、代替実施形態が、たとえばFFT/DFT(高速フーリエ変換/直接フーリエ変換)処理を使用することによって回路網を単純化できることは、当業者に明白であろう。さらに、受信器400は、サンプルを中間周波数(IF)で処理するが、他の実施態様は、アナログまたはディジタルの形でサンプルを処理することができ、IFまたはベースバンドで動作することができる。さらに異なる実施態様は、サンプルを周波数領域で処理する。
【0051】
信号構造内の他の信号を、位置決定に使用することもできる。たとえば、ワイド・レーニング(wide laning)技法を、連続するパイロット信号に適用することができる。しかし、ワイド・レーニングなどの技法は、サイクル曖昧さの固有の分解能を伴う。そのような曖昧さを解決する技法は、当技術分野で周知である。そのような技法の1つが、M.Rabinowitzの博士論文、「A Differential Carrier Phase Navigation System Combining GPS with Low Earth Orbit Satellites for Rapid Resolution of Integer Cycle Ambiguities」、2000年、Department of Electrical Engineering、スタンフォード大学、59〜76頁に開示されている。
【0052】
受信器相関器内および整合フィルタ内には、受信器劣化の2つの重要な源がある。ユーザ端末局所発振器は、しばしば、周波数において相対的に低い安定性を有する。この不安定性は、2つの異なる受信器パラメータに影響する。第1に、この不安定性は、受信器信号内の周波数オフセットを引き起こす。第2に、この不安定性は、受信されたビット・パターンに、基準クロックのシンボル・レートに対して相対的にスリップさせる。これらの影響の両方が、受信器の積分時間を制限し、したがって受信器の処理利得を制限する可能性がある。積分時間は、受信器基準クロックを訂正することによって延ばすことができる。一実施態様で、遅延ロック・ループが、受信器クロックを自動的に訂正する。
【0053】
もう1つの実施態様では、NCO(数値制御発振器)クロック414が、着信する受信信号クロック周波数のクロック周波数と一致するように受信器のクロック周波数を調整し、ユーザ端末102内の局所発振器のドリフトおよび周波数オフセットを補償する。高められた精度のクロック周波数は、より長い積分時間を可能にし、受信器相関器のよりよい性能を可能にする。NCOクロック414の周波数制御入力は、基準クロック416、受信器シンボル・クロック・レート・シンセサイザ、パイロット搬送波の追跡、またはNCOクロック414内にインストールされた他のクロック・レート弁別器技法から導出することができる。
【0054】
位置決定の機能強化
図5に、2つの別々のDTV送信器106Aおよび106BからDTV信号を受信するユーザ端末102の位置決定計算の単純な例を示す。一定範囲の円502Aおよび502Bが、それぞれ送信器106Aおよび106Bのそれぞれの回りに描かれている。ユーザ端末クロック・オフセットの訂正を含むユーザ端末の位置は、2つの円502Aおよび502Bの交点504Aおよび504Bのうちの1つにある。この曖昧さは、基地局104が、そのフットプリント(すなわち、そのカバレッジ区域)506のどのセクタ508にユーザ端末が位置するかを決定できることに留意することによって解決される。もちろん、3つ以上のDTV送信器が視野にある場合には、この曖昧さを、3つの円の交差をとることによって解決することができる。
【0055】
一実施態様で、ユーザ端末102は、最も近い都市の名前など、区域の全般的表示を与えるユーザからの入力を受け入れることができる。一実施態様で、ユーザ端末102が、使用可能なDTVチャネルをスキャンして、位置の指紋を組み立てる。ユーザ端末102は、この指紋を、既知の指紋を既知の位置と突き合わせる格納されたテーブルと比較して、ユーザ端末102の現在位置を識別する。
【0056】
一実施態様で、位置決定計算は、地面の標高の影響を含む。したがって、DTV送信器106の位相中心に対する相対的な丘および谷を有する地形では、一定範囲の円がゆがめられる。図6に、周囲の土地と同一の高度に配置されたDTV送信器106の一定範囲の円602に対する単一の丘604の影響を示す。
【0057】
ユーザ位置の計算は、地球の表面すなわちジオイドに対するユーザ高度の影響を計算に含めることを可能にする地上の地形図をデータベースとして有する単純なコンピュータによって簡単に行われる。この計算は、図6に示されているように、一定範囲の円をひずませるという影響を有する。
【0058】
監視ユニット
図7に、図1の監視ユニット108の実施態様700を示す。実施態様700は、上で述べたように固定式またはモバイルとすることができる。図8に、図7の実施態様700の処理を示す。アンテナ704が、GPS信号702を受信する(ステップ802)。GPS時間伝送ユニット706が、GPS信号に基づいて基準クロック信号を展開する(ステップ804)。
【0059】
DTV送信器クロックのオフセットを決定するために、NCO(数値制御発振器)コード同期化タイマ708Aが、基準クロック信号に基づいて基準同期化信号を展開する(ステップ806)。基準同期化信号は、scattered pilot carrierを含むことができる。一実施態様では、すべての監視ユニット108内のNCOコード同期化タイマ708Aが、ベース日時に同期化される。単一の監視ユニット108が、ユーザ端末102が受信するのと同一のDTV送信器のすべてからDTV信号を受信する実施態様では、ユーザ端末102の位置を決定するために、その監視ユニット108を他のすべての監視ユニットと同期化する必要はない。そのような同期化は、すべての監視ユニット108またはすべてのDTV送信器が共通のクロックに同期化される場合にも、不要である。
【0060】
DTVアンテナ712は、複数のDTV信号710を受信する(ステップ808)。いくつかの実施態様では、複数のDTVアンテナが使用される。増幅器714が、DTV信号を増幅する。1つまたは複数のDTV同調器716Aから716Nのそれぞれが、受信されたDTV信号内の1つのDTVチャネルに同調して、DTVチャネル信号を作る(ステップ810)。複数のNCOコード同期化タイマ708Bから708Mのそれぞれが、DTVチャネル信号のうちの1つを受け取る。NCOコード同期化タイマ708Bから708Mのそれぞれは、DTVチャネル信号からチャネル同期化信号を抽出する(ステップ812)。チャネル同期化信号は、scattered pilot carrierを含むことができる。一実施形態では、連続的なパイロット信号およびシンボル・クロック信号が、獲得の助けとして使用される。
【0061】
複数のアナログ加算器718Aから718Nのそれぞれが、基準同期化信号とチャネル同期化信号のうちの1つとの間のクロック・オフセットを生成する(ステップ814)。プロセッサ720が、クロック・オフセットを記述するデータをフォーマットし、DTV位置決めサーバ110に送信する(ステップ816)。さまざまな実施態様で、このデータは、測定されたDTVチャネルごとに、DTV送信器の識別番号、DTVチャネル番号、DTV送信器のアンテナ位相中心、およびクロック・オフセットのうちの1つまたは複数を含む。このデータは、エア・リンクおよびインターネットを含む複数の方法のいずれかによって送信することができる。いくつかの実施態様で、データは、DTVチャネル自体の上で疎なMPEGパケット内でブロードキャストされる。
【0062】
GPSなしの監視ユニット
いくつかの実施形態で、たとえばユーザ端末が室内にあるので、GPS信号がユーザ端末から入手可能ではないか、ユーザ端末がGPS受信器を有しないかのいずれかである。そのような実施形態で、ユーザ端末を、それでも監視ユニットとして使用することができる。たとえば、K個のTV放送信号が、M個のユーザ端末のそれぞれによって観察される。第mユーザ端末について、次のパラメータが未知である:rm=(xm,ym)によって与えられる2次元空間内の位置と、内部クロックのクロック・オフセットαm。したがって、M個のモバイル・デバイスについて、3M個の未知のパラメータがある。
【0063】
K個のTV放送信号について、送信器クロック・オフセットだけが未知である。したがって、第kのTV放送信号について、内部クロックの未知の時間オフセットは、βkと表され、TV信号の送信器の既知の2D位置は、akによって与えられる。したがって、K個のTV送信器について、未知のパラメータの個数は、Kである。相対時間オフセットだけが必要なので、オフセットのセット1には、0がセットされる。したがって、これらのK個のTV放送信号について、K−1個の未知のパラメータだけがある。
【0064】
位置決定計算を実行する時に、第mユーザ端末は、第k TV放送信号への擬似距離をctmkとして計算し、ここで、cは、光の速度(ラジオ伝搬速度)であり、tmkは、TV放送信号内の既知の同期化セグメントとの相関のピーク出力に基づく擬似時間遅延測定値である。この擬似距離は、方程式
ctmk=|rm−ak|+αm+βk (8)
ただしm=1,2,3,…Mかつk=1,2,3,…Kを満足する。
【0065】
これが、3M+K−1個の未知パラメータに関するMK個の方程式をもたらすことに留意されたい。
【0066】
したがって、
MK≧3M+K−1 (9)
である場合に、式(8)を、3M+K−1個の未知パラメータについて解くことができる。
【0067】
ソフトウェア受信器
マルチパスの影響を軽減する1つの完全な手法は、ハードウェア・セットアップで行われるように早期および後期のサンプルだけを使用するのではなく、自己相関関数全体をサンプリングすることである。マルチパスの影響は、最も早期の相関ピークを選択することによって軽減することができる。
【0068】
E911応用例など、短い遅延で位置を計算できる場合には、単純な手法は、フィルタリングされた信号のシーケンスをサンプリングし、その後、サンプルをDSP上のファームウェア内で処理する、ソフトウェア受信器を使用することである。
【0069】
図9に、ソフトウェアでの追跡の一実施態様900を示す。アンテナ902が、DTV信号を受信する。アンテナ902は、磁気双極子またはDTV信号を受信できる任意の他のタイプのアンテナとすることができる。帯域フィルタ904が、DTV信号スペクトル全体をLNA 906に渡す。一実施形態で、フィルタ904は、ディジタル信号プロセッサ(DSP)914の制御の下で特定のDTVチャネルのスペクトルを通過させる同調可能帯域フィルタである。
【0070】
低雑音増幅器(LNA)906が、選択された信号を増幅し、DTVチャネル・セレクタ908に渡す。DTVチャネル・セレクタ908は、DSP 914の制御の下で特定のDTVチャネルを選択し、選択されたチャネル信号をフィルタリングし、従来の方法に従って、UHF(超高周波数)からIF(中間周波数)にダウンコンバートする。増幅器(AMP)910が、選択されたIFチャネル信号を増幅する。アナログ−ディジタル変換器およびサンプラ(A/D)912が、DTVチャネル信号s(t)のディジタル・サンプルを作り、これらのサンプルをDSP 914に渡す。
【0071】
ここで、DSP 914によるDTVチャネル信号の処理を、コヒーレント・ソフトウェア受信器について説明する。ダウンコンバートされたサンプリングされた信号の公称オフセット周波数を仮定する。この信号がベースバンドにダウンコンバートされる場合には、公称オフセットは0Hzである。この処理は、信号s(t)のサンプルに基づいて完全な自己相関関数を生成する。この処理は、低デューティ係数信号について、はるかに効率的に実施することができる。Tiが、サンプリングされるデータの周期であり、ωinが、サンプリングされた入射信号の公称オフセットであり、ωoffsetが、ドップラ・シフトおよび発振器周波数ドリフトに起因する最大の可能なオフセット周波数であるものとする。この処理は、下にリストした擬似コードを実施する。
【0072】
Rmax=0
複素コード信号
scode(t)=Ci(t)+jCq(t)
を作成する。ここで、Ciは、同相ベースバンド信号を記述する関数であり、Cqは、直交ベースバンド信号を記述する関数である。
【0073】
F{scode}を計算する。ここで、Fは、フーリエ変換演算子であり、*は共役演算子である。
【0074】
For ω=ωin−ωoffset to ωin+ωoffset step π/2Ti
複素混合信号
smix(t)=cos(ωt)+j sin(ωt),t=[0…Ti]
を作成する。
【0075】
入射信号s(t)と混合信号smix(t)とを組み合わせる。
【0076】
scomb(t)=s(t)smix(t)
相関関数R(τ)=F−1{F(scode)F(Scomb)}を計算する。
【0077】
If maxτ|R(τ)|>Rmax、
【0078】
【数1】
、Rstore(τ)=R(τ)
Next ω
【0079】
このプロセスから抜ける時に、Rstore(τ)には、入射信号s(t)と複素コード信号scode(t)との間の相関が格納されている。Rstore(τ)は、ωのより小さいステップにわたって検索することによって、さらに洗練することができる。ωに関する初期ステップ・サイズは、ナイキスト
【0080】
【数2】
の半分未満でなければならない。最大の相関出力を作る時間オフセットτが、擬似距離として使用される。
【0081】
代替実施形態
本発明を、ディジタル電子回路網内で、あるいはコンピュータ・ハードウェア、コンピュータ・ファームウェア、コンピュータ・ソフトウェア内で、あるいはこれらの組合せで実施することができる。本発明の装置を、プログラマブル・プロセッサによる実行のために機械可読記憶装置内で有形に実施されるコンピュータ・プログラム製品で実施することができ、本発明の方法ステップを、入力データを操作し、出力を生成することによって本発明の機能を実行するために命令のプログラムを実行するプログラマブル・プロセッサによって実行することができる。本発明を、データ記憶システムからデータおよび命令を受け取り、データ記憶システムにデータおよび命令を送るために結合された少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含むプログラマブル・システムで実行可能な1つまたは複数のコンピュータ・プログラム内で有利に実施することができる。各コンピュータ・プログラムは、高水準手続き指向プログラミング言語または高水準オブジェクト指向プログラミング言語で、あるいは望まれる場合にはアセンブリ言語または機械語で実施することができ、どの場合でも、言語は、コンパイルされる言語または解釈される言語とすることができる。適切なプロセッサは、たとえば、汎用マイクロプロセッサと特殊目的マイクロプロセッサとの両方を含む。一般に、プロセッサは、読取専用メモリおよび/またはランダム・アクセスメモリから命令およびデータを受け取る。一般に、コンピュータは、データ・ファイルを格納するための1つまたは複数の大容量記憶装置を含み、そのような装置は、内蔵ハード・ディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびに光ディスクを含む。コンピュータ・プログラム命令およびデータを有形に実施するのに適する記憶装置は、たとえばEPROM、EEPROM、およびフラッシュ・メモリ・デバイスなどの半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMディスクを含む、すべての形の不揮発性メモリを含む。前述のいずれをも、ASIC(特定用途向け集積回路)によって増補するか、ASIC内に組み込むことができる。
【0082】
本発明の複数の実施形態を説明した。それでも、さまざまな変更を、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに行えることを理解されたい。
【0083】
たとえば、さまざまな信号および信号処理技法を、本明細書でアナログの形で述べたが、ディジタル実施態様が、この説明を読んだ後に当業者に明白になるであろう。
【0084】
たとえば、信号を追跡する1つの方法を説明したが、さまざまな形の従来の遅延ロック・ループを使用し、さまざまなタイプの整合フィルタの使用を介してこれらの信号を追跡する複数の方法があることは明白である。
【0085】
本発明の実施態様を、8MHz信号を参照して述べたが、実施態様を、他の帯域幅の信号と共に使用することができる。さらに、本発明の実施態様は、信号の帯域幅のサブセットを使用することができる。たとえば、本発明の実施態様は、8MHz信号のうちの6MHzだけを使用して、満足な結果を達成することができる。本発明の実施態様を、信号の将来の機能強化を使用するように拡張することができる。
【0086】
本発明の実施態様は、多くの形でDTV信号の低デューティ係数を活用する。たとえば、一実施形態は、J.J.Spilker,Jr.著、「Digital Communications by Satellite」、Prentice−Hall、米国ニュージャージー州エングルウッド・クリフ、1977年、Chapter 18−6で開示されたものなどの時間ゲーティングされた遅延ロック・ループ(DLL)を使用する。他の実施態様は、J.J.Spilker,Jr.著、「Digital Communications by Satellite」、Prentice−Hall、米国ニュージャージー州エングルウッド・クリフ、1977年、Chapter 18、ならびにB.ParkinsonおよびJ.Spilker,Jr.著、「Global Positioning System−Theory and Applications」、AIAA、米国ワシントン州、1996年、Vol.1、Chapter 17のJ.Spilker,Jr.によるFundamentals of Signal Tracking Theoryに開示されたものなど、コヒーレントDLL、非コヒーレントDLL、および準コヒーレントDLLを含むDLLの変形形態を使用する。他の実施態様は、再循環式整合フィルタなどのさまざまなタイプの整合フィルタを使用する。
【0087】
一実施態様で、DTV位置決定サーバ110は、DTV送信器から入手可能な擬似距離、各DTVチャネルおよび擬似距離を検証するためならびに誤りのあるDTVチャネルを識別するための追加の検査など、システム・レベルで入手可能な冗長信号eを使用する。そのような技法の1つが、従来の受信器自律型完全性監視(receiver autonomous integrity monitoring、RAIM)である。
【0088】
したがって、他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】エア・リンクを介して基地局と通信するユーザ端末を含む、本発明の実施態様を示す図である。
【図2】本発明の実施態様の動作を示す図である。
【図3】3つのDTV送信器を使用する位置決定のジオメトリを示す図である。
【図4】擬似距離測定値を生成する際に使用される受信器の実施態様を示す図である。
【図5】2つの別々のDTVアンテナからDTV信号を受信するユーザ端末の位置決定計算の単純な例を示す図である。
【図6】周囲の土地と同一の高度に配置されたDTV送信器の一定範囲の円に対する単一の丘の影響を示す図である。
【図7】監視ユニットの実施態様を示す図である。
【図8】図7の実施態様の処理を示す図である。
【図9】ソフトウェアでの追跡の一実施態様を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準クロックと、
無線テレビジョン信号を受信する受信器であって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信器と、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロックと前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定するクロック・オフセット・ユニットと
を含む装置。
【請求項2】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ユーザ端末の前記位置を決定するプロセッサをさらに含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
衛星ポジショニング信号を受信する衛星受信器と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定するプロセッサと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロックを調整する時間伝送ユニットと
をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項5に記載の装置。
【請求項7】
基準クロック信号を生成する手段と、
無線テレビジョン信号を受信する手段であって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信する手段と、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロック信号と前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定する手段と
を含む装置。
【請求項8】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザ端末の前記位置を決定する手段をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
衛星ポジショニング信号を受信する手段と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定する手段と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロック信号を調整する手段と
をさらに含む請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
基準クロック信号を生成することと
無線テレビジョン信号を受信することであって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信することと、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロック信号と前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定することと
を含む方法。
【請求項14】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザ端末の前記位置を決定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
衛星ポジショニング信号を受信することと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定することと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロック信号を調整することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項17に記載の方法。
【請求項1】
基準クロックと、
無線テレビジョン信号を受信する受信器であって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信器と、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロックと前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定するクロック・オフセット・ユニットと
を含む装置。
【請求項2】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ユーザ端末の前記位置を決定するプロセッサをさらに含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
衛星ポジショニング信号を受信する衛星受信器と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定するプロセッサと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロックを調整する時間伝送ユニットと
をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項5に記載の装置。
【請求項7】
基準クロック信号を生成する手段と、
無線テレビジョン信号を受信する手段であって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信する手段と、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロック信号と前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定する手段と
を含む装置。
【請求項8】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザ端末の前記位置を決定する手段をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
衛星ポジショニング信号を受信する手段と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定する手段と、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロック信号を調整する手段と
をさらに含む請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
基準クロック信号を生成することと
無線テレビジョン信号を受信することであって、前記無線テレビジョン信号は、送信器クロックに従ってテレビジョン送信器によって送信される、受信することと、
前記無線テレビジョン信号に基づいて前記基準クロック信号と前記送信器クロックとの間のクロック・オフセットを決定することと
を含む方法。
【請求項14】
前記無線テレビジョン信号は、
American Television Standards Committee(ATSC)ディジタル・テレビジョン(DTV)信号と、
Digital Video Broadcasting(DVB)信号と、
Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial(ISDB−T)信号と、
全米テレビジョン基準委員会(NTSC)アナログ・テレビジョン信号と
のうちの少なくとも1つを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ端末の位置は、前記クロック・オフセット、前記無線テレビジョン信号に基づいて前記ユーザ端末と前記テレビジョン送信器との間で決定される擬似距離、ならびに前記テレビジョン送信器の位置に基づいて決定される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザ端末の前記位置を決定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
衛星ポジショニング信号を受信することと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記受信器の前記位置を決定することと、
前記衛星ポジショニング信号に基づいて前記基準クロック信号を調整することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記衛星ポジショニング信号は、全地球測位システム(GPS)信号を含む請求項17に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−25292(P2009−25292A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−143960(P2008−143960)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【分割の表示】特願2003−343729(P2003−343729)の分割
【原出願日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願人】(503274753)ロザム コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143960(P2008−143960)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【分割の表示】特願2003−343729(P2003−343729)の分割
【原出願日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願人】(503274753)ロザム コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】
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