説明

テレビ番組送信/記録再生システム

【課題】記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録できるテレビ番組送信/記録再生システムを提供する。
【解決手段】送信装置では、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報が作成され、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号が送信される。ハードディスクレコーダでは、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えてハードディスクに対して当該テレビ番組の記録が行われる。したがって、記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、ハードディスクの記録容量を有効に使用することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムに関し、特に、テレビ番組を記録する際に記録ビットレートの変更を可能にする記録動作を行う情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、テレビ放送局から送信されてきたテレビ番組の放送信号の映像音声信号をデジタルデータに変換して、例えば、ハードディスクレコーダのハードディスクに記録することが行われている。ハードディスクレコーダは、従来から知られているビデオテープレコーダなどと同様の機能を実現するものであり、テレビ番組の記録を行って、その後、記録したテレビ番組を視聴したいときに、再生することができるようになっている。
【0003】
ところで、ハードディスクレコーダにおいて、映像データの記録を行う場合、例えば、MPEGなどのエンコード技術を用いてデータ圧縮を行うことで、ハードディスクを効率良く使用するこができる。例えば、データのビットレート(転送レート)が低いほど間引かれる情報量が多くなり、画質は低下するが映像データのサイズを小さくできるので、ハードディスクの記録容量が少なくて済み、ハードディスクの記録可能時間が多く取れる。また、逆に、データのビットレートが高いほど間引かれる情報量が少なくなり、画質は向上するが、映像データのサイズは大きくなるので、ハードディスクの記録容量が多く必要となり、ハードディスクの記録可能時間が少なくなる。
【0004】
したがって、ユーザは、ハードディスクレコーダにおいて、テレビ番組の記録を行う場合、記録予約(録画予約)設定時などに画質情報としてのビットレート(記録モード)の設定を行うことになる。例えば、ニュース番組、情報番組、語学番組など、あまり画質が問われない番組については、低画質の記録ビットレート(記録モードLP)を選択して設定し、ドラマ番組など或る程度の画質が要求される番組については、標準画質の記録ビットレート(記録モードSP)を選択して設定し、また、映画番組や音楽番組などのように臨場感などが求められる番組や、スポーツ中継番組などのように例えばボールや選手などの動きの激しい映像になる番組については、高画質の記録ビットレート(記録モードXP)を選択して設定することができる。但し、単に映像データの容量を小さくしたい場合には、映画番組、音楽番組、スポーツ中継番組であっても、低画質の記録ビットレート(記録モードLP)を選択して記録することができる。
【特許文献1】特開2001−285801号公報
【特許文献2】特開2004−297823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、記録媒体であるハードディスクの大容量化が進んでおり、この大容量のハードディスクを有効に利用するものとして、例えば、放送が行われている1日中の時間に渡り、或るチャンネルで放送されている番組(ニュース番組、ドラマ番組、スポーツ中継番組など)を連続して記録し続ける長時間記録を行いたい場合がある。この場合、ユーザは、長時間記録しておいた番組を例えば休日などの好きな時に番組をまとめて視聴することができる。
【0006】
このような長時間の連続した記録を行う場合、例えば、記録予約の設定時に設定された画質(記録モード)が有効なものとなるので、記録予約設定に基づいて記録が実行されている状態では、画質変更(記録モードの変更)を行うことができない。したがって、記録予約設定を行った場合に選択された画質が低画質(記録モードLP)であった場合は、全ての番組が低画質で記録されることになる。
【0007】
長時間に渡り低画質で記録が行われた場合、データ量も小さいものとなり、ハードディスクを効率良く使用することが可能になる。しかし、例えば、映画番組や音楽番組などのように良好な画質が求められる番組では、低画質記録によって映像が劣化することにより、映像の臨場感などが低下してしまう。また、例えば、映像の動きが速いスポーツ中継番組などは、低画質で記録されることでボールや選手などの円滑な動きが損なわれてしまう。しかし、例えば、番組の種類に応じて、画質の設定を行う場合は、記録したい時間帯に含まれる番組毎にそれぞれ記録予約設定を行い、所望する画質を個々に設定する必要があり、設定操作が煩わしく使い勝っての良いものではなかった。
【0008】
そこで、特許文献1の従来技術では、録画(記録)する番組の種類に応じて、番組毎に画質を設定して高画質録画や低画質録画を効率良く行うことができるようにしている。即ち、この従来技術では、放送番組の送信装置側で、映像信号の垂直帰線期間に番組種別を示す画質情報を重畳して送信し、記録装置側で、その番組種別を示す画質情報を検出することにより、その画質情報に基づいて録画画質を設定することができ、録画が実行されている間でも、放送番組の種類に応じて録画画質を変更できるようにし、高画質録画や低画質録画を効率良く行うことができるようにしている。
【0009】
ところで、一つ番組の中でも、場面によっては動きが激しい場面や、動きが殆どない場面がある。このような場合、動きが激しい場面は高画質の記録モード(記録ビットレート)で記録する必要があるが、動きが殆どない場面は、必ずしも高画質の記録モード(記録ビットレート)で記録する必要がなく、低画質の記録モードで記録しても再生映像の画質は、ユーザから見れば劣らない。したがって、特許文献1の従来技術では、一つ番組の中で、動きが激しい場面や、動きが殆どない場面があっても、番組毎に設定された録画画質(記録モード)で行うので、記録媒体の記録容量が無駄に使用されるという課題があった。
【0010】
なお、特許文献2の従来技術では、送信装置は、映像音声信号とは別に制御情報として映像信号の垂直帰線期間にMPEGの圧縮率を重畳して出力するようにし、受信装置は、映像信号から制御情報を分離し、この制御情報に応じて映像信号に適宜的信号処理を施すようにしているが、一つ番組の中で、動きが激しい場面や、動きが殆どない場面があった場合、記録モードを変えるような処理は開示されていない。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録できる情報記録再生装置を有するテレビ番組送信/記録再生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備え、前記ビットレート情報を含む放送信号を送信するように構成され、情報記録再生装置は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、当該テレビ番組の種別と映像の動き度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を前記送信装置から受信した前記チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを備え、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うように構成されたことを特徴とするテレビ番組送信/記録再生システムを提供する。
【0013】
この構成において、テレビ放送局の送信装置では、ビートレート作成手段は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成し、ビットレート情報重畳手段は、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させる。そして、送信装置は、前記ビットレート情報を含む放送信号を送信する。
【0014】
情報記録再生装置では、自動記録モードに設定されたことが検知され、記録指示されたことが検知されると、ビットレート情報抽出手段は、チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出し、記録制御手段は、そのビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて、記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる。
【0015】
この構成によれば、送信装置では、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成し、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号を送信し、情報記録再生装置では、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うので、記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、記録媒体の記録容量を有効に使用することが可能になる。
【0016】
請求項2の発明は、テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成し、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号を送信するように構成され、情報記録再生装置は、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うように構成されたことを特徴とするテレビ番組送信/記録再生システムを提供する。
【0017】
この構成において、送信装置では、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報が作成され、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号が送信される。情報記録再生装置では、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録が行われる。
【0018】
この構成によれば、記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、記録媒体の記録容量を有効に使用することが可能になる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備えことを特徴とする。
【0020】
したがって、前記送信装置は、ビットレート作成処理およびビットレート情報重畳処理を実現でき、これにより、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいたビットレート情報を作成でき、また、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させることが可能になる。
【0021】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、前記情報記録再生装置は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、当該テレビ番組の種別と映像の動き度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を前記送信装置から受信した前記チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
したがって、前記情報記録再生装置は、ビットレート情報抽出処理および記録制御処理を実現でき、これにより、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録が可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備え、前記ビットレート情報を含む放送信号を送信するように構成され、情報記録再生装置は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、当該テレビ番組の種別と映像の動き度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を前記送信装置から受信した前記チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを備えたので、記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、記録媒体の記録容量を有効に使用することが可能になる。
【0024】
また、本発明によれば、テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成し、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号を送信するように構成され、情報記録再生装置は、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うように構成されたので、記録媒体に記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、記録媒体の記録容量を有効に使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るテレビ番組送信/記録再生システムの構成を示すブロック図である。ここでは、情報記録再生装置としてハードディスクレコーダにおいて記録時の記録ビットレートを変えてテレビ番組を記録する処理について説明するが、ハードディスクレコーダに限らす、DVDレコーダやビデオテープレコーダについても同様に、記録時の記録ビットレートを変えてテレビ番組を記録する処理を適用できることは言うまでもない。
【0026】
図1において、このハードディスクレコーダHは、チューナ1、A/D変換部2、エンコーダ3、インターフェイス4、ハードディスクドライブ5、ハードディスク5a、デコーダ6、D/A変換部7、出力選択スイッチ8、ビットレート/記録モード情報メモリ9、予約設定メモリ10、タイマ11、キャラクタジェネレータ12、システムコントローラ13、バス14、操作部15、表示部16、およびキャラクタROM17を備えている。なお、ビットレート/記録モード情報メモリ9、予約設定メモリ10、およびキャラクタROM17は、1個のフラッシュROMで実現できる。
【0027】
チューナ1は、アンテナAで受信した放送信号の中から所望の放送信号を選択し、復調を行って所望のテレビ番組の映像音声信号を取り出す。A/D変換部2は、チューナ1からの映像音声信号のうち、映像信号を所要のサンプリング周波数でデジタルデータに変換し、変換した映像データをエンコーダ3に供給する。なお、チューナ1からの音声信号の処理については説明を省略する。
【0028】
エンコーダ3は、例えば、MPEGによってデータ圧縮を行い、圧縮した映像データをインターフェイス4に出力する。ハードディスクドライブ5は、インターフェイス4を介して入力された映像データなどをハードディスク5aに記録したり、ハードディスク5aに記録された映像データなどを再生してインターフェイス4に出力したりする。
【0029】
デコーダ6は、ハードディスク5aに記録されている映像データをハードディスクドライブ5により再生する場合に、インターフェイス4を介して供給された映像データを伸張してD/A変換部7に供給する。D/A変換部7は、デコード部6で伸張された映像データをアナログの映像信号に変換する。D/A変換部7から出力される映像信号は、出力選択スイッチ8で選択されて、テレビジョン受像機などモニタ装置(図示せず)に供給される。
【0030】
出力選択スイッチ8は、当該ハードディスクレコーダHからモニタ装置に出力される映像信号を選択するように構成され、例えば、端子aが選択されている場合は、信号経路Lに示すようにチューナ1からの映像信号を出力し、端子bが選択されている場合は、D/A変換部7から出力される映像信号、また、端子cが選択されている場合は、後述するキャラクタジェネレータ12で生成される操作画面の映像信号を出力する。
【0031】
ビットレート/記録モード情報メモリ9には、テレビ放送局Tから送信されてきた放送信号に含まれるビットレート情報が示す記録ビットレートと記録モード(記録画質)との対応関係を示すテーブルが記憶されている。即ち、ビットレート/記録モード情報メモリ9には、ビットレート情報が示す記録ビットレートが、高画質である場合は、記録モードがXPであり、中画質である場合は、記録モードがSPであり、低画質である場合は、記録モードがLPであることを示すテーブルが記憶されている。予約設定メモリ10には、記録予約(録画予約)を行う場合の設定情報として、例えば、チャンネル番号、記録開始時刻、記録終了時刻、記録モード(記録ビットレート)などが記憶される。
【0032】
タイマ11は、現在時刻を計時し、現在時刻が記録予約の記録開始時刻や記録終了時刻になったときに、記録開始信号や記録終了信号を出力する。キャラクタジェネレータ12は、例えば、リモコンなどの操作部15による各種入力操作に基づいて、当該ハードディスクレコーダHの各種設定などを行うメニュー画面に対応したキャラクタ信号などを生成して出力する。キャラクタ信号を生成するためのキャラクタ情報は、キャラクタROM17に格納されている。したがって、キャラクタジェネレータ12がキャラクタ信号の生成を行う場合は、キャラクタROM17から所要のキャラクタ情報が読み出されることになる。
【0033】
システムコントローラ13は、例えば、マイクロコンピュータなどで構成され、前記の各構成要素をバス14を介して各種制御を行う。特に、この実施形態におけるシステムコントローラ13は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、テレビ番組の種別と映像の動き度合とにより記録ビットレートをハードディスクレコーダH側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を受信したチューナ1からの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えてハードディスク5aに対してテレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを有する。
【0034】
操作部15は、当該ハードディスクレコーダHの再生動作や記録動作、または選局動作などを実行させる各種操作キーや各種設定キーを有する。操作部15の各種キーによって入力された操作信号は、システムコントローラ13に供給される。そして、システムコントローラ13は、操作部15から供給された操作信号に基づいて、例えば、チューナ1における選局制御や、チューナ1、A/D変換部2、エンコーダ3、インターフェイス4、およびハードディスクドライブ5を制御して記録動作を実行させたり、またはハードディスクドライブ5、インターフェイス4、デコーダ6、およびD/A変換部7を制御して再生動作を実行させたりする。また、操作部15によって記録予約設定を行うことができ、設定された記録予約設定情報は、予約設定メモリ10に格納される。
【0035】
テレビ放送局Tの送信装置20は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、ハードディスクレコーダHで用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間(VBI; Vertical Blanking Interval)に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備え、前記ビットレート情報を含む放送信号を送信するように構成されている。
【0036】
即ち、送信装置20では、ドラマや映画などテレビ番組の種別と、場面によって変化する映像の動き度合(映像信号の変化の度合)とに基づいて、記録ビットレートをハードディスクレコーダH側で変化させるためのビットレート情報を作成し、このビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号のVBIに重畳させ、当該テレビ番組の放送信号をアンテナBから電波に乗せて送信する。したがって、ハードディスクレコーダHでは、受信した放送信号の中からビットレート情報を抽出し、このビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて、当該テレビ番組を記録する。
【0037】
図2は本実施形態のテレビ放送局においてビットレート情報の作成してから放送信号を送信するまでの処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1を参照してテレビ放送局においてビットレート情報の作成してから放送信号を送信するまでの処理について説明する。
【0038】
テレビ放送局Tの送信装置20では、ドラマや映画などテレビ番組の種別と、場面によって変化する映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成する。即ち、ハードディスクレコーダHで、記録時に、ここまで記録ビットレートを下げて記録しても、再生時には再生映像として問題のない程度の画質の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成する(ステップS1)。テレビ放送局Tの送信装置20では、画像圧縮のビットレートは、固定で、例えば、記録モードXPのビットレートであれば、記録モードXPのビットレートで圧縮された映像信号を含むテレビ番組の放送信号が送信される。
【0039】
ところで、テレビジョン受像機では、ドラマの画質と映画の画質を比べると、通常、ドラマの画質の方が映画の画質に比べて良いので、ハードディスクレコーダHでの記録モードをLPでドラマを記録しても問題ないが、映画を記録する場合は、記録モードをLPにすると、更に画質が悪くなる。したがって、テレビ放送局Tの送信装置20では、ドラマの番組を送信する場合は、ハードディスクレコーダH側では、これ以上記録モードを下げてはいけないと言う例えば記録モードLP(記録ビットレート)を示すビットレート情報を作成し、このビットレート情報を当該ドラマ番組の映像信号のVBIに重畳させ(ステップS2)、当該ドラマ番組の放送信号をアンテナBから電波に乗せて送信する(ステップS3)。また、テレビ放送局Tの送信装置20では、映画の番組を送信する場合は、ハードディスクレコーダH側では、これ以上記録モードを下げてはいけないと言う例えば記録モードSP(記録ビットレート)を示すビットレート情報を作成し、このビットレート情報を当該映画番組の映像信号のVBIに重畳させ、当該映画番組の放送信号をアンテナBから電波に乗せて送信する。
【0040】
このようなビットレート情報を含めて放送信号がテレビ放送局Tから送信されるが、更に、テレビ放送局Tの送信装置20では、当該番組の映像信号を所定時間毎(例えば5秒毎)に検出し、映像信号の変化の度合を、例えば、記録モードXP,SP,LPに対応させて、3段階に分け、その映像信号の変化の度合、つまり当該番組の映像の動き度合も考慮してビットレート情報を作成する。例えば、ドラマの番組で、或る1分間の場面のうちで、5秒間だけ映像の動き度合が大きく、55秒間は映像の動きが小さい場合、この場面を記録するハードディスクレコーダHでは、55秒間の場面の記録モードが低くても、再生画像は画質が低下する分けではないので、低い記録モードで記録しても問題ないので、前記ビットレート情報を作成する際に、映像の動き度合も考慮して作成する。
【0041】
例えば、映画の番組に関するビットレート情報を作成する際に、ビットレート情報は、映像の動き度合が大きい場面に対応できる記録モードは、例えば、SPで良いが、映像の動き度合が小さい場面には、記録モードはSPでなく、LPでも再生映像の画質が良いものとなる。したがって、テレビ放送局Tの送信装置20からハードディスクレコーダHに送信するビットレート情報は、番組の種別と映像の動き度合を考慮したものであるので、再生映像の画質が良くて、且つハードディスク5aの記録容量を節約して当該番組を記録することができる。
【0042】
図3は本実施形態のハードディスクレコーダにおいてテレビ番組を記録する場合の処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1を参照してハードディスクレコーダにおいてテレビ番組を記録する場合の処理について説明する。
【0043】
先ず、ユーザは、テレビ番組を自動記録モードで記録させたいため、操作部15を操作して設定画面をモニタ装置に表示させ、自動記録モードの項目を選択して決定すると、システムコントローラ13は、自動記録モードに設定されたことを検知する(ステップN1)。そして、ユーザが操作部15の記録キーを操作したとき、またはタイマ11により計時されている現在時刻が記録予約による記録開始時刻になったとき、システムコントローラ13は、記録指示されたことを検知する(ステップN2)。
【0044】
次に、システムコントローラ13のビットレート情報抽出手段は、当該テレビ番組の種別と映像信号の変化の度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号をテレビ放送局Tの送信装置20から受信したチューナ1からの映像信号の中からビットレート情報を抽出し、記録制御手段は、ハードディスクドライブ5を制御し、そのビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えてハードディスク5aに対して当該テレビ番組の記録を行わせる(ステップN3)。
【0045】
例えば、テレビ番組がドラマであった場合、ビットレート情報が、映像が通常の動きであるときは記録モードSPである記録ビットレートを示し、映像が殆ど静止しているときは記録モードLPである記録ビットレートを示すものとすると、システムコントローラ13は、ハードディスクドライブ5に対して、映像が通常の動きのときは記録モードSPで記録動作させたり、映像が殆ど静止しているときは記録モードLPで記録動作させたりする。テレビ放送局Tの送信装置20からハードディスクレコーダHに送信するビットレート情報は、番組の種別と映像の動き度合を考慮したものであるので、再生映像の画質が良くて、且つハードディスク5aの記録容量を節約して当該番組を記録することができる。
【0046】
このようにして記録動作が行われているときに、ユーザが操作部15の停止キーを操作したとき、またはタイマ11により計時されている現在時刻が記録予約による記録終了時刻になったとき、システムコントローラ13は、記録終了指示されたことを検知し(ステップN4)、ハードディスクドライブ5の記録動作を停止させ、本処理を終える。
【0047】
また、ユーザは、テレビ番組を設定記録モードで記録させたいため、操作部15を操作して設定画面をモニタ装置に表示させ、設定記録モードの項目を選択して記録モードを決定すると、システムコントローラ13は、設定記録モードに設定されたことを検知する(ステップN5)。そして、ユーザが操作部15の記録キーを操作したとき、またはタイマ11により計時されている現在時刻が記録予約による記録開始時刻になったとき、システムコントローラ13は、記録指示されたことを検知する(ステップN6)。
【0048】
そして、システムコントローラ13の記録制御手段は、ハードディスクドライブ5を制御し、設定された記録モードのビットレートで、ハードディスク5aに対して当該テレビ番組の記録を行わせる(ステップN7)。このようにして記録動作が行われているときに、ユーザが操作部15の停止キーを操作したとき、またはタイマ11により計時されている現在時刻が記録予約による記録終了時刻になったとき、システムコントローラ13は、記録終了指示されたことを検知し(ステップN8)、ハードディスクドライブ5の記録動作を停止させ、本処理を終える。
【0049】
以上説明したように本実施形態によれば、テレビ放送局Tの送信装置20は、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成し、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号を送信し、ハードディスクレコーダHは、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えてハードディスク5aに対して当該テレビ番組の記録を行うようにしたので、記録している映像の記録ビットレートをリアルタイムに変更して映像を記録でき、これにより、映像を適切な画質で再生できると共に、ハードディスク5aの記録容量を有効に使用することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダ、ビデオテープレコーダなどに利用可能であり、記録時の記録ビットレートを変えてテレビ番組を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビ番組送信/記録再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態のテレビ放送局においてビットレート情報を作成してから放送信号を送信するまでの処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】前記実施形態のハードディスクレコーダにおいてテレビ番組を記録する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
13 システムコントローラ(ビットレート情報抽出手段、記録制御手段)
20 送信装置(ビットレート作成手段、ビットレート情報重畳手段)
H ハードディスクレコーダ(情報記録再生装置)
T テレビ放送局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、
前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備え、前記ビットレート情報を含む放送信号を送信するように構成され、
情報記録再生装置は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、当該テレビ番組の種別と映像の動き度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を前記送信装置から受信した前記チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを備え、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うように構成されたことを特徴とするテレビ番組送信/記録再生システム。
【請求項2】
テレビ番組の放送信号を送信するテレビ放送局の送信装置と、この送信装置からの放送信号を受信して所望のテレビ番組を記録したり再生したりする情報記録再生装置とを備えたテレビ番組送信/記録再生システムにおいて、
前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別とテレビ番組の映像信号の変化の度合とに基づいてビットレート情報を作成し、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させて放送信号を送信するように構成され、
情報記録再生装置は、記録指示を検知したとき、前記ビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行うように構成されたことを特徴とするテレビ番組送信/記録再生システム。
【請求項3】
前記送信装置は、放送するテレビ番組の種別と、放送するテレビ番組の映像信号を所定時間毎に検出して得られた映像信号の変化の度合とに基づいて、前記情報記録再生装置で用いる最低限の記録ビットレートを示すビットレート情報を作成するビットレート作成手段と、前記ビットレート情報を当該テレビ番組の映像信号の垂直帰線期間に重畳させるビットレート情報重畳手段とを備えことを特徴とする請求項2に記載のテレビ番組送信/記録再生システム。
【請求項4】
前記情報記録再生装置は、自動記録モードに設定されている場合で、記録指示を検知したとき、当該テレビ番組の種別と映像の動き度合とに基づいて記録ビットレートを当該装置側で変化させるためのビットレート情報を含む放送信号を前記送信装置から受信した前記チューナからの映像信号の中からビットレート情報を抽出するビットレート情報抽出手段と、前記抽出されたビットレート情報に基づき記録時の記録ビットレートを変えて記録媒体に対して当該テレビ番組の記録を行わせる記録制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載のテレビ番組送信/記録再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−160233(P2008−160233A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343752(P2006−343752)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】