テープ印刷装置およびテープカセット
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、前記ラベル印刷機は、前記テープに前記複数の色で像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドと、少なくとも1つの背景色および少なくとも1つのテキスト色を選択するインターフェースとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテープ印刷装置、テープ印刷装置のためのテープ供給源、およびテープ印刷装置に使用するためのテープ供給源を有するテープカセットに関する。特に、本発明は直接感熱型印刷用テープ印刷装置、テープ印刷装置で使用するための直接感熱型媒体のテープを備えたテープ供給源、およびテープ印刷装置に使用するための前記テープを収容するテープカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
直接感熱型印刷を使用するテープ印刷装置が、当技術分野で知られている。例えばCasioのKP−C10はPCとともに使用するための印刷機を備える。この印刷機は、感熱紙テープのロールを受け取るテープ受け取り部分、プラテンおよび感熱印刷ヘッドを有し、動作中にプラテンが回転し、印刷ヘッドがテープ上に像を形成するようにテープを加熱する状態で、テープがプラテンと印刷ヘッドとの間を通過する。しかし、この印刷機は、白い感熱テープ上に黒い像を印刷することしか可能でない。
【0003】
カラー印刷用のテープ印刷装置が示唆されている。しかし、これらの装置は着色したインクリボンを有するカセットを使用し、着色インクが感熱印刷ヘッドを使用してインクリボンから受け取りテープへと転写される。様々に着色された像の場合は、異なる色の複数のインクリボンが必要である。これらを同時に印刷機に装填すると、装置のサイズを増大させる。あるいはまた、印刷を一時停止して、異なる色の像を生成するためにインクリボンを異なる色で置換してから印刷を継続することになる。この場合は、様々な色の像を生成するために必要な時間を増大させる。また、この種の印刷機は、フルカラーの像を生成するのではなく、1つの色を印刷してから、異なる色を印刷することになる。
【0004】
別の配置構成として、欧州特許第EP−A−0,641,663号が、1つのテープカセットおよびインクリボンを使用して多色印刷を形成可能なテープ印刷機を開示している。テープカセットはテープ印刷機に収容されており、テープカセットは、印刷テープおよびインクリボンを含み、インクリボンは、印刷テープの長手方向に沿って設定されたピッチに設けられた異なる色のインク部分から形成されている。このテープ印刷機は、次のように構成されている。すなわち、インクリボンおよび印刷テープが印刷のために前方へと移送可能であり、リボン巻き取り機構が停止し且つプラテンが印刷区間から離れることができ、その後にテープ移送機構が、異なる色を重ね刷りするための印刷テープを逆方向に移送し、それによって多色像が生成されるように構成されている。1本の多色リボンを使用することによって、複数のリボンを有するという問題を解決している。しかし、多色像を生成するために着色像を重ね刷りするための正確な位置合わせが困難であり、位置合わせ不良は低い品質の像を生じさせる。さらに、複数回の重ね刷りや、複数回のインクリボンの巻き戻しおよび/または配置換えは、インクリボンに折りじわを生じさせたり、または、インクリボンおよび/または印刷機構内の印刷受け取りテープの詰まりを引き起こすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、上述した問題の1つまたは複数に対応することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1を参照すると、写真の分野で知られている直接感熱型印刷媒体は基層2、印刷層4および保護膜層6を備える。印刷層2は、酸8(現像液)および無色の染料先駆物質10を備える。感熱印刷ヘッド12からの熱によって酸8と染料10が反応するまで、反応は生ぜず、その後に色が形成される。色の光学濃度は、加熱の温度および時間の増大とともに上昇する。単色像は、最も一般的には黒と白である。しかし、単色像は、様々なロイコ染料を使用することによって、様々な色を生成することができる。
【0007】
ワックス型熱転写および色素拡散熱転写などのカラー感熱像成形法といった従来の方法は通常、互いに別のドナーおよび受け取り材料の使用を含む。しかし、多色直接感熱型印刷を達成するために、写真の分野では最近、様々な直接感熱型媒体が開発されている。例えば、WO02/096665は、感熱印刷ヘッドの温度および熱エネルギが像形成層に適用される時間を制御することによって、感熱印刷ヘッドにより少なくとも部分的に独立して感熱像成形部材の少なくとも2つ、好ましくは3つの異なる像形成層に対応する多色感熱像成形法システムを開示する。感熱像成形部材の各色を単独で、または選択可能な部分で他の色に印刷することができる。つまり、温度−時間ドメインが、様々な色に対応する領域に分割され、これらは最終印刷で組み合わせることが望ましい。図2は、マゼンタ、シアンおよびイエローを印刷するためのこのような直接感熱型媒体の温度および時間のパラメータでの特性を示すグラフ図である。色形成領域に選択された温度は概ね、約50℃から約450℃の範囲である。像成形部材の色形成層に熱エネルギが適用される期間は、約0.01ミリ秒から約100ミリ秒の範囲であることが好ましい。
【0008】
埋め込み層での熱拡散、タイミング層との組み合わせによる化学的拡散または溶解、溶解遷移および化学的閾値など、幾つかの像形成技術が開発されている。
【0009】
次に図3を参照すると、形成すべき色の印刷領域を画定するために熱遅延を利用した着色感熱像成形部材が見られる。3つのカラー像成形部材14は、基質16、シアン、マゼンタおよびイエローそれぞれの像形成層18、20、22、およびスペーサ中間層24、26を含む。
【0010】
像成形部材を上から感熱印刷ヘッドで加熱すると、シアンの像形成層18は、熱を加えたほぼ直後に感熱印刷ヘッドによって加熱されるが、スペーサ層24、26の熱伝導性および厚さにより、マゼンタの像形成層20およびイエローの像形成層22が加熱される前にかなりの遅延がある。多色印刷を提供するために、各像形成層が異なる温度で活性化するように配置構成することが好ましい。この結果は、例えば異なる融点を有するように像形成層を配置構成するか、異なる温度で溶解し、像形成材料を液化する異なる熱溶剤を組み込むことによって達成することができる。例えば、シアン層の活性化温度がT1であり、マゼンタ層の活性化温度がT2で、イエローの像形成層の活性化温度がT3である場合、活性化温度は、T1>T2>T3になるように選択してよい。したがってT2とT3の間の温度を比較的長期間にわたって適用すると、シアンまたはマゼンタの色がないイエローの色が生成される。T1より上の比較的短く高い温度の熱パルスは、マゼンタまたはイエローの色がないシアン色を生成する。T1とT2の間の温度を適切な長さの時間にわたって適用すると、マゼンタ色が生成される。したがって、加熱の温度および時間を変動することによって、多色像を生成するように、個々の色またはその混合が生成される。
【0011】
このような層を形成するための様々な層の配置構成および適切な材料が、WO02/096665およびそこで引用された文書で開示されている。
【0012】
本発明によると、テープ印刷装置で使用するテープ供給源が提供され、前記テープ供給源は、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープは、前記直接感熱型像テープを加熱すると、前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤、および少なくとも1つの現像液を備える。
【0013】
本発明によると、テープ印刷装置で使用するテープカセットがさらに提供され、前記テープカセットは、上述した直接感熱型像テープの供給材料を収容する本体を備える。
【0014】
本発明によると、テープの供給材料を受け取るテープ供給源受け取り部分、テープに像を印刷する複数の印刷要素を備える印刷ヘッド、印刷ヘッドを通過するテープを駆動する駆動手段、および複数の印刷要素を制御する制御手段を備えるテープ印刷機がさらに提供され、制御手段は、直接型熱転写によってテープに多色像を生成するために、印刷要素を制御するような構成である。
【0015】
本発明によると、感熱印刷ヘッドを通過した直接感熱型テープを駆動することと、印刷ヘッドを制御することとを含むラベルの印刷方法がさらに提供され、1回の通過で直接型熱転写によってテープ上に多色像が生成される。
【0016】
本発明の実施形態は、直接感熱型印刷を使用して、連続的に変動可能な光学濃度の単色像および/または完全な多色像が印刷可能であるテープ印刷装置およびテープカセット/テープを提供する。
【0017】
本発明およびその実行方法をよりよく理解するために、次に例示により添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1から図3は、先行技術を示し、本明細書の前書き部分で既に検討されている。
【0019】
図4は、本発明によるテープ印刷装置28の実施形態の略図を示す。テープ印刷装置は、キーボード30およびカセット受け取りベイ(bay、収容する区画)32を備える。キーボードは、ラベルとして印刷すべきデータを入力するために数字、文字および句読点のキーのような複数のデータ入力キー34、および入力データを編集する機能キーを有する。キーボードは、ラベルを印刷することが望ましい場合に操作される印刷キー36も有する。また、テープ印刷装置をオンおよびオフに切り換えるために、オン/オフキー38も設けられている。
【0020】
テープ印刷装置は、データが入力されるにつれてこれを表示する液晶表示器(LCD)40を有する。表示器によって、使用者は印刷すべきラベルの全部または一部を見ることができ、これは印刷する前にラベルの編集を容易にする。また、表示器は表示器ドライバ(図示せず)によって駆動される。
【0021】
テープ印刷器具1を制御する基本的回路が、図15に図示されている。読み取り専用メモリ(ROM)202、マイクロプロセッサ201、およびRAM204によって概略的に図示されたランダムアクセスメモリ容量を有するマイクロプロセッサチップ200がある。マイクロプロセッサチップ200は、キーボード206のようなデータ入力器具から自身に入力されるラベルデータを受信するために接続される。マイクロプロセッサチップ200は、表示器ドライバチップ209を介して表示器208を駆動し、印刷すべきラベル(またはその一部)および/または使用者へのメッセージを表示するために、データを出力する。あるいは、表示器ドライバはマイクロプロセッサチップの一部を形成してよい。また、マイクロプロセッサチップ200は、ラベルデータが像受け取りテープに印刷され、ラベルを形成するように、印刷ヘッド216を駆動するためのデータも出力する。最後に、マイクロプロセッサチップ200は、プラテンを駆動するためにモータ207も制御する。マイクロプロセッサチップ200は、ある長さのテープを切り取ることができるように、切断機構も制御する。代替実施形態では、切断機構の少なくとも一部を手動で操作することができる。
【0022】
図16は、本発明を実現するテープ印刷器具300を平面図で示す。テープ印刷器具300は、自身内に配置構成されたカセット306を有する。このカセットは、後に詳述するが、直接感熱型カラー材料の供給材料を含むことができる。カセット306はカセットベイ316内に配置される。カセットベイ316は、少なくとも1つの感熱印刷ヘッド304、および協働して印刷ゾーン302を画定するプラテン308も収容する。印刷の他の配置構成について、以降でさらに詳細に説明する。印刷ヘッド304は、印刷するためにプラテン308と接触し、カセット306を外して、交換できるようにするためにプラテン308から離れることができるように、旋回点324の周囲で旋回することができる。操作位置では、プラテン308が回転し、これによって像受け取りテープ310が印刷ヘッド304を通過するように駆動される。
【0023】
プラテン308はDCモータ(図15参照)によって駆動され、印刷中にテープ印刷器具301の印刷ゾーン302を通して像受け取りテープ310を駆動するために回転する。この方法で、像がテープに印刷され、印刷ゾーン302から送り出される。
【0024】
像は、印刷ヘッド304によって像受け取りテープ10上にカラムごとに印刷され、それぞれのカラムはテープ310の動作方向に沿って相互に隣接している。各カラムのピクセルを選択的に活性化して、当技術分野でよく知られている方法で像を構築する。DCモータには、モータの回転速度を監視するシャフトエンコーダを設ける。モータの速度制御は、マイクロプロセッサチップ100(図15参照)によって達成され、データストローブ信号を生成し、各信号は印刷ヘッド304によってピクセルデータのカラムを印刷させる。
【0025】
テープ印刷器具は、切断位置320に、刃318を担持する切断機構328を含むことができる。刃318は、像受け取りテープ310を切断し、次にカセット306内に配置されたスロット330に入る。
【0026】
テープ印刷機の他の実施形態も想定できることが理解されよう。例えば、本発明のテープ印刷機は、独立式印刷機ではなくPC用印刷機としてもよい。このような印刷機では、データをPCに入力し、表示できるので、キーボードおよび表示手段が必要不可欠ではない。これで、PCは印刷機の入力器具として作用する。あるいは、印刷用にデータを印刷機に入力するために他の装置を使用してもよい。例えば、本発明の実施形態では、ディジタルカメラを使用して、印刷用にデータをテープ印刷器具に入力することができる。あるいは、像はスマートカード、チップカード、メモリカードなどを使用して入力することができる。
【0027】
図5は、テープ印刷装置内のカセット受け取りベイ32の略図を示す。カセット受け取りベイは、直接感熱型テープの供給材料を収容するカセットを受け取るように配置構成される。カセット受け取りベイは、全体がカセットベイ蓋に覆われる。
【0028】
カセットは、感熱印刷器具と協働するように意図される。印刷器具は、印刷ヘッド40およびプラテン42を担持する。印刷ヘッドは、プラテンに接触して、像受け取りテープが印刷ヘッドとプラテンの間に挟まれる操作位置と、カセットを取り出し可能にするためにテープが解放される非操作位置との間で動作可能である。印刷ヘッドが操作位置にある状態で、感熱印刷ヘッド上でピクセルを集合的に加熱する結果として、像受け取りテープ上に像を形成することができる。本発明の代替実施形態では、印刷ヘッドが静止し、プラテンが非操作位置と操作位置の間で移動する。メッセージが印刷されたら、像受け取りテープがカセットから切断装置44へと送り出される。
【0029】
図6は、カセット50の略図を示す。カセットは、直接感熱型テープ54の供給材料を終了する本体52を備える。直接感熱型テープは、印刷する像が形成される第1側、および解放可能な裏当て層を備える第2側を備える。直接感熱型テープの構造について、以降でさらに詳細に説明する。直接感熱型テープは、案内されてカセットから出て、プラテンと感熱印刷ヘッドの間の印刷ゾーン56を通る。
【0030】
図7で示すようなカセットを必要とせずに、受け取りベイが直接感熱型テープのロールを受け取るテープ印刷機の他の実施形態を想定できることが理解されよう。これは、テープ供給源の交換費用を削減することができる。しかし、テープを収容するためにカセットを使用すると、保存中にも、使用するために印刷機内に導入した場合にも、テープが良好な状態を維持することが保証される。カセットは、光を通さないことも好ましい。光に過度に露光すると悪影響を受けるテープもあるからである。本発明の幾つかの実施形態では、感熱表面がテープの内側で、裏当て層が半径方向外側になるように、テープをテープ供給ロールに巻き付ける。
【0031】
本発明を実現するテープ印刷機で使用する直接感熱型テープは、写真の分野で使用され、図1から図3に関して本明細書の前書き部分で検討したタイプの直接感熱型印刷媒体を備える。カラー印刷が可能な従来通りのテープ印刷機は、別個のドナーテープおよび受け取りテープを使用するが、本発明では、熱で活性化する化学物質を1本のテープに組み込む。図8は、本発明の実施形態による直接感熱型テープの略図を示す。テープは取り外し可能な基層70、接着剤層72、基質層16、印刷層73、および保護膜層74を備える。印刷層は、完全な多色像を生成可能な直接感熱型テープを形成するために、複数の無色染料先駆物質を備える。この実施形態では、様々な無色の染料先駆物質を、別個の像形成層18、20、22に設け、スペーサ中間層24、26を有する。ラベルを印刷した後、取り外し可能な基層を取り外して、印刷したラベルを表面に取り付けるために、接着剤層を露出させることができる。
【0032】
印刷中に、プロセッサの形態の印刷制御手段が印刷ヘッドを制御し、それによって様々な色の染料が選択的に反応して、多色像を生成する。選択的反応性の基準は、テープ層の厚さ、層の熱伝導性、染料先駆物質の反応の温度係数、加熱時間などに依存する。埋め込み層での熱拡散、化学的拡散または溶解とタイミング層、溶解遷移および化学的閾値の組み合わせなど、幾つかの像形成技術が想定される。多色印刷を達成するために、選択的光活性反応も使用することができる。
【0033】
印刷中に、プロセッサは印刷ヘッドを制御し、特にキーボード、PCまたは他の入力器具から入力されたデータに従って、各印刷ヘッドピクセルの温度を制御する。各ピクセルの温度またはエネルギは、連続的に変動可能であり、これによって連続的に変動可能な光学濃度および/または色の像を生成することができる。プロセッサは、印刷ヘッドストローブ時間、つまりパルスの幅および/またはパルスの数も制御する。加熱温度および加熱時間を制御すると、直接感熱型像テープに多色像を生成することができる。
【0034】
印刷機およびテープは、テープの1回の通過で直接型熱転写によってテープに多色像を生成するような構成である。つまりテープの反転が必要ない。プロセッサは、使用者がテープ印刷機に入力したデータに従って、印刷要素を制御するような構成である。例えば、使用者は、キーボードを介してラベルに異なる色体系を選択することができる。プロセッサは、各印刷要素が加熱される温度および期間を制御し、各要素の温度は連続的に変動可能である。幾つかの実施形態では、エネルギを連続的ではなく段階的に変更することができる。
【0035】
温度、加熱期間および色のデータを保持するために、印刷機に入力されるデータに従って各印刷要素の温度および加熱期間を選択するためのプロセッサによってアクセス可能であるメモリを設ける。メモリは、様々なタイプの直接感熱型テープについて、さらに感熱転写テープ(インクリボンを使用する)について、温度、加熱期間および色のデータを保持する。1つの実施形態では、印刷機は、印刷機に挿入される直接感熱型テープ(例えば2色テープまたは全色テープでよい)のタイプを検出する検出手段を有するか、熱転写テープである場合、検出手段は制御手段に信号を送信し、これによって検出されたテープのタイプに対応するデータが選択される。この方法で、直接感熱型像テープの幾つかの異なる実施形態で、テープ印刷機を使用することができる。検出手段は物理的でよい。例えば、テープカセットは、印刷機に導入されると、カセットの本体の形状に従ってスイッチを起動することができる。あるいは、電気的、光学的、RF、磁気的、マークの形態であるか、使用者が手動で選択することができる。
【0036】
上述した実施形態によって、テープが印刷ヘッドを1回通過する直接型熱転写によって、多色像がテープ上に生成されるラベルの印刷方法が可能になる。特に、このような方法を使用すると、インクリボンと受け取りテープとの位置合わせの問題が解決され、インクリボンのしわの問題も解決される。その結果、より高い品質のカラー像が達成される。
【0037】
次に、本発明の実施形態に使用可能な面材料の4つの例を示す図9を参照する。これらの実施形態の幾つかは、前述した実施形態と同じ、または同様である。以下では、同じである層は同じ参照番号で参照する。
【0038】
最初に図9aを参照する。この配置構成では、透明なキャリアフィルム106がある。透明なキャリアフィルムの一方側には、シアン染料などを含む層108がある。シアン層108に載るのは底部オーバーレイ110である。これは保護層であり、小さい分子が溶解または分散している高分子結合剤でよい。
【0039】
透明なキャリアフィルムの他方側には、マゼンタ染料を含む層104がある。そのマゼンタ層の頂部には、イエロー染料102を含むさらなる層がある。そのイエロー層102は、底部オーバーレイ110と同様である保護オーバーレイ100が載せられる。これは、第1面材料116aを画定する。
【0040】
次に図9cを参照する。この面材料構造116cは、図9aに図示したものと同様の構造を有する。しかし、オーバーレイ100が透明な保護フィルム112に置換されている。透明な保護フィルム112は、接着剤層114によってイエロー染料を含む層に接着される。その接着剤層は透明である。透明な保護フィルムは、ポリオレフィンまたはポリプロピレンまたは他の任意の適切な材料の薄い透明層でよく、通常は例えば3マイクロメートルから15マイクロメートルの範囲の厚さを有する。透明な保護フィルムは、任意選択でワックスコーティングを有してよい。透明な保護フィルムは、摩擦軽減材料で被覆してよい。
【0041】
次に、面材料のさらなる実施形態を示す図9bを参照する。面材料は透明なキャリアフィルム106を備える。その透明なキャリアフィルム106上には、シアン染料を含む層108を設ける。これは、その頂部に配置されたマゼンタを含む層104を有する。マゼンタ層104上には、イエロー染料を含む層102がある。イエロー染料102を含む層は、その頂部に配置された保護オーバーレイ100を有する。
【0042】
図9dは、図9bで図示した実施形態の変形を示す。図9bのオーバーレイ100が、透明な保護フィルム112に置換されており、これは透明な接着剤114によってイエロー層102に接着される。これは、図9cに関して既に説明した通りである。
【0043】
図9で図示した実施形態は、透明なキャリアフィルムを有する。本発明の幾つかの実施形態では、キャリアフィルムは不透明で着色してもよい。あるいは、キャリアフィルムは透明で着色してもよい。図9の実施形態は、着色層の間にスペーサ層などを含むように改造することができる。3つの着色層が図示されている。本発明の代替実施形態では、2つまたは1つの着色層しかなくてよい。接着剤層は、本発明の代替実施形態では不透明および/または着色してよい。シアン層は、幾つかの実施形態では、イエローおよびマゼンタ層とは異なるキャリアの側に図示されている。本発明の代替実施形態では、イエローまたはマゼンタ層は、他の2つの着色層に対してキャリア層の他方側に設けることができる。本発明の実施形態は、図示されたマゼンタ、シアンおよびイエローの着色層を有する。本発明の代替実施形態では、層に異なる色があってもよい。使用する技術に応じて、染料などを1つの層に組み込むか、2つ以上の色を同じ層から生成できることが可能である。
【0044】
ラベル材料の様々な実施形態、および本発明の好ましい実施形態のラベル印刷機でラベルに使用する方法を示す図10を参照する。
【0045】
次に実施形態を示す図10aを参照する。この実施形態では、材料の2つの供給材料を使用する。第1供給材料128は面材料116を備える。底部オーバーレイまたは透明なキャリアフィルムに、白インクの層118を適用する。
【0046】
材料の第2供給材料は、両面シリコンライナ122を備える。シリコンライナ層122の一方側には、白い接着剤の層120を設ける。図10aから分かるように、第1供給材料128をロール上に設ける。使用時には、ラベルが印刷されたら、薄いシリコンライナ層を取り外すことができる。これで、白い接着剤層が露出し、ラベルを任意の適切な表面に貼り付けることができる。本発明の代替実施形態では、接着剤層は白でなくてよい。
【0047】
図10aのラベル材料124をロール124中に設ける。本発明の実施形態に応じて、以前に検討したようにロールをテープカセットに収容することができる。しかし、これは必要ではなく、本発明の代替実施形態では、ロール中にラベル材料を単純に設けることができる。印刷を実行できる印刷ステーション126にラベル材料を提供する。印刷ステーションの様々な実施例について、以降で説明する。ロール内に、あるいはカセット内に第2供給材料130を設ける。本発明の幾つかの実施形態では、供給材料128および130の両方に、共通のカセットを設けることができる。材料130は、材料128とともに1対のローラ132および134に設ける。これらのローラは一緒に作用して、白い接着剤およびシリコンライナ材料130を一方では面材料に、他方では白いインク層に適用し、それによって1つのラベルを提供する。白いインク層118は、白い接着剤層120に接着される。
【0048】
ローラ132および134の一方または両方を駆動できることを理解されたい。本発明の代替実施形態では、1つのローラを使用することができ、この1つのローラが固定した表面に作用する。
【0049】
次に、ラベル材料のさらなる実施形態を示す図10bを参照する。1つの別個の供給材料として面材料116を提供する。異なる供給材料として、接着剤層190を備える材料が提供される。接着剤層190の一方側には白いフィルム192が取り付けられる。白いフィルム192の他方側には、接着剤層193が取り付けられ、これは両面シリコンライナ194に取り付けられる。シリコンは、ライナの両側に設ける。これは裏当て供給材料196を画定する。裏当て供給材料196および面材料116を、共通のカセットまたは別個のカセット内のロール上に設けることができる。図10aで図示した配置構成と同様に、印刷ステーション126で像を面材料116に印刷する。印刷後、裏当て材料196が1対のローラ132および134によって面材料116に適用される。
【0050】
次に、印刷ステーションの様々な異なる構成を示す図11aから図11dを参照する。
【0051】
最初に図11aを参照する。図11aには、2つの印刷ヘッド140および146がある。第1印刷ヘッド140は、プラテン142との組み合わせで作用する。この第1印刷ヘッド140は、図9aおよび図9cで図示した材料で、イエローおよびマゼンタの印刷を制御するように配置構成される。第2印刷ヘッド146も、ローラの形状のプラテン144との組み合わせで作用する。この第2印刷ヘッド146は、図9aおよび図9cの配置構成内のシアン層108の印刷を制御するように配置構成される。この同じ配置構成は、図9bまたは図9dで図示した実施形態でも使用してよいことを理解されたい。本発明の幾つかの代替実施形態では、2つの印刷ヘッド140および146を配置構成して、ラベル材料の同じ側に接触させ、像を印刷することができる。この後者の実施形態では、面材料の構造に応じて、2つの印刷ヘッドが頂部オーバーレイまたは透明な保護フィルムに接触するように配置構成することが好ましいが、そうである必要はない。
【0052】
図11aの配置構成では、印刷ヘッドが完全にアドレス可能である。つまり、印刷ヘッドがn個の印刷要素を含み、それぞれが別個に制御可能である。つまり、任意の印刷操作について、印刷要素をオンまたはオフになるように制御可能であるように、各印刷要素に駆動回路を設けることが効果的である。図11aでは、印刷ヘッドは、テープ印刷機で使用すべきラベルの最大幅に対応する高さxを有する。概して、テキストは、最大ラベル高さxより小さい最大高さyを有する。テキストという用語は、背景像の上に印刷される任意の像を指すために使用され、テキスト、記号、数字、グラフィック、図などでよい。というのは、通常はラベル上の文字の上および下に空白があるからである。「テキスト高さ」という用語は、ラベルが1行のテキストを含む場合に、テキストの行の高さ、またはラベルが複数の行を有する場合に、最初の行の頂部から最終行の底部までの高さを指す。
【0053】
図11aの配置構成の改造を示す図11bを参照する。図11bの配置構成は、図11aで図示し、それに関して説明したものと同様の配置構成で、個々のプラテン150および152と組み合わされた2つの印刷ヘッド148および154を示す。
【0054】
次に、図11bの印刷ヘッドを制御する方法を示す図12を参照する。図12では、6つの印刷要素180a〜fが図示されている。これは非常に概略的である。実際には、6つより非常に多い印刷要素180を設ける。これらの印刷要素180は一緒になって高さxを提供し、これはテープ印刷機で使用するテープの最大幅に等しい。ピクセル180cおよび180dは一緒になって、テキストの印刷に使用する印刷ヘッドの部分を提供し、したがって高さyを有する。つまり、2つのピクセル180cおよび180dの上の2つのピクセル180aおよび180bを使用して、テキストの上に像を設け、2つのピクセル180eおよび180fを使用して、テキストの下に像を提供する。通常、この像は以降でさらに詳細に検討するように、背景色、背景パターンなどである。図11dで図示する実施形態では、テキストを生成するために使用するピクセル、つまりピクセル180cおよび180dにはそれぞれ、自身の駆動回路182bおよび182cを設ける。駆動回路182bおよび182cは、制御装置184によって制御される。2つのピクセル180cおよび180dはそれぞれ自身の駆動回路を有するので、独立して別個に制御可能である。つまり、両方ともオフにするか、2つのうち一方のみをオンにすることができる。しかし、テキストの上の2つのピクセル、つまりピクセル180aおよび180bについて、1つの駆動回路182aを設け、これも制御装置184によって制御される。つまり、これらの2つのピクセルは、両方ともオンであるか、両方ともオフである。これらの2つのピクセルを個別に制御することは不可能である。
【0055】
同様に、テキストの下の2つのピクセル、つまりピクセル180eおよび180fについて、これも制御装置184によって制御された共通の駆動回路182dを設ける。つまり、2つの底部ピクセルは、両方ともオンまたは両方ともオフになる。これらのピクセルを別個に制御することは不可能である。
【0056】
前述したように、図12は実際には6つより非常に多くのピクセルを設けるという点で概略的である。図12で図示した配置構成の利点は、駆動回路の費用が印刷ヘッド回路のかなりの費用になることである。必要な駆動回路の数を削減することによって、印刷ヘッドの費用を大幅に削減することができる。
【0057】
図11aおよび図11bの配置構成では、2つの印刷ヘッドが一緒になって、背景およびテキストの両方を提供する。したがって、背景は適切な色またはパターンを有することができ、テキストは適切な1つまたは複数の色を有することができる。これらの実施形態の両方で、2つの印刷ヘッドが個々の実施形態で同じ構造を有する。
【0058】
次に、印刷プロセスを2つの段階に効果的に分割した図11cおよび図11dを参照する。第1段階では、テキストを所望の1つまたは複数の色でテープに印刷し、次に背景をテープに適用する。本発明の代替実施形態では、テキストの背景を最初に適用し、次に像を適用することができる。
【0059】
図11cで図示した配置構成では、プラテン172と組み合わせた印刷ヘッド173を使用して、テキストをテープに印刷する。印刷ヘッドは、図11aに関して説明したのと同じ印刷ヘッド構造を有する。
【0060】
次に、第1印刷ヘッド168および関連するプラテン164、および第2印刷ヘッド160および関連するプラテン162を備えた2つの印刷ヘッド構成にテープを提供する。この構成は、図11aおよび図11bに関して説明したものと同じである。しかし図11cで図示する配置構成では、印刷ヘッドは、カラー背景を提供するように配置構成される。したがって、印刷ヘッドは、全ての印刷要素がオンまたはオフになるように制御され、オンの場合は、エネルギレベルおよび継続時間が必要な色に応じて適切に制御されるという点で、非常に単純化された構造を有する。印刷ヘッドは、実際には必要な継続時間だけ必要な温度まで加熱することができる要素によって交換できることを理解されたい。印刷ヘッドという用語は、任意のこのような要素も含むように意図される。
【0061】
図11dは、プラテンの必要性を解消できるように、ここでは2つの印刷ヘッドを相互に位置合わせするように配置構成されるという点で、図11cの配置構成の改造を示す。2つの印刷ヘッド174および176は、図11cに関して説明した印刷ヘッド160および168と同じ構造を有する。
【0062】
図11cおよび図11dで図示した配置構成は、1つの印刷ヘッドの形態の1つの背景アプリケータを設けるように改造することができる。したがって、図11cおよび図11dで図示した配置構成は、2つの印刷ヘッドを提供するように単純化することができる。一方の印刷ヘッドは、ラベル上に適すとなどを提供するように配置構成され、他方の印刷ヘッドは、背景の色または像を提供するように配置構成される。印刷ヘッドの位置は、材料の性質によって決定される。例えば、材料と同じ側から作用する印刷ヘッドで全色の像を達成できる場合、印刷ヘッドは、並べて設けることができる。あるいは、材料のいずれかの側から印刷を達成できるような材料でる場合は、2つの印刷ヘッドを相互に位置合わせした状態で設けてよく、したがってプラテンの必要性が回避され、コンパクトな配置構成も提供する。つまり、印刷ヘッドは、対向して位置決めされた印刷ヘッドに対してプラテンとして作用する。
【0063】
材料の構造に応じて、使用する印刷ヘッドの数は1つ、2つまたは3つでよいことを理解されたい。本発明の実施形態は、より制限されたカラー像を提供する直接感熱型材料で使用できることも理解されたい。例えば、本発明の実施形態は、二色または三色材料で使用することができる。それらの場合、印刷ヘッドの数および印刷ヘッドの制御を単純化することができる。
【0064】
本発明を実現するテープ印刷機を使用して、カラー像を提供することができるが、感熱材料とともに使用して、背景色に変動性がない1つの印刷色を提供できることも理解されたい。つまり、テープ材料は所定の色を有し、像を1つの色、通常は黒で印刷することができる。
【0065】
本発明を実現するテープ印刷機は、インクリボンを使用する熱転写印刷を実行するように配置構成することもできる。図11cおよび図11dは、熱転写カセットを使用する場合を示す。特に、熱転写カセットは、各印刷要素が個別に制御可能である印刷ヘッドを使用して、像がテープ上に印刷されるように位置決めされる。
【0066】
次に、図13を参照して、使用者が所望の色を選択できる方法を示す。使用者は、色の選択肢にアクセスするために1つまたは複数の機能キーを操作する。1つの実施形態では、色機能キー210を起動して、図13aに図示するメニューを提供する。カーソルを使用して、使用者は背景とテキストの間で移動することができる。背景を強調表示する場合は、図13bに図示されたメニューが表示される。図13bに図示したメニューを得るためには、使用者は背景の選択肢が強調表示されるまでカーソルを移動させる。次に、使用者はOKキーまたはENTERキーのような確認キーを起動する。これで、図13bで図示したようなメニューが提供される。使用者は、使用者にとって使用可能な様々な異なる色をスクロールすることができる。色を選択するには、OKキーまたはENTERキーのような確認キーを起動する。これで、使用者は図13aに図示されたメニューに戻る。次に、使用者はカーソルをテキストの選択肢へと下げることができる。確認またはOKキーを起動すると、図13cに図示されたメニューが表示される。背景の色に関して説明したのと同じ方法で、テキストの色を選択することができる。OKキーを押下すると、使用者は図13aに図示されたメニューへと戻る。OKキーまたは確認キーをさらに起動すると、使用者は編集画面に戻り、印刷すべき像を入力することができる。
【0067】
本発明の1つの実施形態では、図13aに図示されたメニューが、背景およびテキストについて現在選択されている色を示す。
【0068】
本発明の別の実施形態では、使用者は、使用可能な色のプリントアウトを見ることによって、使用可能な色の選択肢を見ることができる。これは、メニューから「カラーパレット」のオプションを選択するか、キーボードで適切なキーを選択することによって達成される。カラーパレットの選択肢を選択した場合は、使用者が印刷される色を名称で識別できるように、印刷機が各色の名称と一緒に使用可能な色を印刷するように配置構成することができる。本発明のこの実施形態は、単色表示器を使用するか、表示器が使用者に使用可能な色の全範囲を表示できない場合に、特に有用である。
【0069】
本発明の別の実施形態では、表示器はカラー表示器でよく、使用者がテキストを入力すると、テキストは表示器上で選択された色を有する。同様に、表示の背景も必要な色を有する。
【0070】
あるいは、本発明のさらなる実施形態では、色のグリッドまたは「マトリクス」を表示するようにカラー表示器を配置構成することができ、マトリクスの各領域が選択可能な色を表示する。この実施形態では、図13bおよび図13cで図示されたメニューの代わりに、色のマトリクスが表示される。したがって、使用者が図13aで図示されたメニューから「背景」または「テキスト」を選択した後、印刷機は、色のマトリクスを表示するように配置構成することができる。使用者は、カーソルキーを使用して、所望の色を表示するマトリクスの領域にカーソルを配置することによって、色を選択することができる。印刷機はさらに、カーソルが配置された色の名称も表示するように配置構成してよい。
【0071】
表示器には、1行または2行のテキストしか表示できないものもあることを理解されたい。その場合、図13aに図示されたメニューは表示されず、使用者はカーソルを下方向に移動させることによって、選択肢を見ることになる。
【0072】
本発明の幾つかの実施形態では、テープ印刷機をPCに接続してよい。このような実施形態では、テープ印刷機はキーボードまたは表示器を有さない。しかし、幾つかの実施形態では、テープ印刷機が追加的に表示器およびキーボードを有する。テープ印刷機がPCに接続される実施形態では、印刷するために、比較的複雑な色の像をPCからテープ印刷機にダウンロードすることができる。これは全色像でよい。
【0073】
次に図14を参照する。図14は、使用者がテープの背景を選択できる方法を示す。使用者は、機能キーの1つを使用して、図14aで図示されたような背景メニューに行くことができる。これは、背景の様々な選択肢を列挙する。例示により、使用者は背景なし、パターンを形成した背景、無地の背景(つまり特定の色)またはテキストの背景を有することができる。使用者は、カーソルを使用してこれらの選択肢の1つを選択することができる。図13に関して説明したように、使用者は、カーソルを選択した選択肢へと移動させ、確認キーなどを起動する。使用者が選択肢としてパターンを選択した場合は、図14bに図示されたメニューが表示される。図から分かるように、使用者は、網掛け背景、水玉の背景、星がある背景または縞模様がある背景などの選択肢を有する。これは全く例示によるものであり、背景として他の適切なパターンを使用することもできる。特定のパターンを選択するには、使用者はカーソルを押下して、選択した選択肢を強調表示し、次に確認キーを押下するか、起動させる。使用者がテキストの選択肢を選択した場合は、図14cで図示されたメニューが表示される。特に、入力テキストまたは空白画面のような使用者へのメッセージが提供される。いずれの場合も、使用者は背景として表示されるテキストを入力する。入力テキストを確認するために、使用者は確認キーを起動するか、押下する。
【0074】
使用者が無地の背景を選択すると、使用者は、図13aで図示されたメニューに行く。
【0075】
本発明の実施形態は、本出願で与えられるテープ材料の例に制限されないことを協調しなければならない。本発明の実施形態は、全色の直接感熱型材料、または2つ以上の可能な色が選択される直接感熱型材料で使用することができる。
【0076】
本発明の好ましい実施形態は、材料の機能に関して、情報がテープ印刷機に自動的に提供されるか、テープ印刷機によって検出されるように配置構成される。つまり、材料が全色か、熱転写材料か、1色しか提供しない直接感熱型材料か、または2色以上の色の選択肢を提供するカラー直接感熱型材料であるか、その場合は、その色の選択肢は何か、である。この情報は、幾つかの異なる方法で提供することができる。例えば、テープ供給源および/またはカセットは、必要な情報を提供する要素を有してよい。本発明の代替実施形態では、使用者はキーボードからこれを設定することができる。つまり、使用者は、テープ材料のタイプに関する情報をテープ印刷機に提供し、したがってテープ印刷機はそれに応じて制御することができる。
【0077】
本発明の実施形態では、カラー直接感熱型材料が提供されたという情報をテープ印刷機が受信すると、これは例えば、図13aに図示された色および背景のテキストメニューを自動的に表示することができ、したがって使用者は現在の設定を維持するか、これらの設定を変更することができる。
【0078】
2つのラベル400および402を示す図17を参照する。ラベル400は、第1背景色を提供するように加熱されており、第2ラベル402は、異なる背景色を提供するように加熱されている。参照番号404で示すように、2つのラベルの間に、色が2つの色の混合であるか、色の境界が明白でない領域があってよい。実際には、2色の間に明快な線を獲得することは困難なことがある。この問題に対応するために、領域404は一方側が第1切断部406で、他方側は切断部408で境界を区切られる。これらの切断部は両方とも完全な切断部でよい。つまり、切断部がテープおよびその裏当てテープの全体を通って延在し、2つのラベルを十分に分離する。本発明の好ましい実施形態では、これらの切断部の一方は部分切断部である。つまり、切断部は、表面に接着すべきテープの部分のみを通り、廃棄される裏当て層は通らない。この部分的またはタブ切断部は、裏当てテープからラベルを容易に外せるという点で、それ自体が有利である。
【0079】
本発明の幾つかの実施形態では、2つの切断部は部分切断部でよい。これは、縞模様のラベルを印刷する必要があり、ラベルを完全に分離しない場合に望ましい。これは輸送を容易にするために実行される。各ラベルは、容易に廃棄するために、各側が切断部によって画定された通りの領域404が裏当てテープ上に残っている状態で、裏当て層から外すことができる。
【0080】
第1ラベル400を第2ラベル402から分離する場合、下流側のラベル402には下流側の端部にも部分切断部および完全切断部を設けてよいことを理解されたい。
【0081】
この方法で、色が明瞭に画定されていない領域が処分される。
【0082】
本発明の1つの実施形態では、印刷機は領域404に印刷するように配置構成することができる。したがって、ラベルの一部を構成していない領域404は、使用者への情報を提示するために使用することができる。
【0083】
領域404に印刷可能な情報の一例は、カセット内に残っているテープの量を表示することである。これは、マイクロプロセッサ200で、または例えばカセット上またはホストコンピュータ内に配置されたプロセッサまたはRFタグ上に設けた別個のメモリ記憶装置で、メモリの位置を参照することによって達成される。テープ残量は、メモリ位置から読み取り、ラベルの印刷操作中に領域404に印刷することができる。
【0084】
領域404に印刷してよい情報のさらなる例は、一連のラベルの各ラベルをナンバリングするシリアル番号の印刷、タブ切断部が配置された位置を示す矢印の印刷、およびウェブサイトのアドレスのような宣伝情報の印刷を含む。
【0085】
部分および完全切断部を提供する機構は知られており、この点に関して、は参照により本明細書に組み込まれる出願人の以前の特許、つまり欧州特許第578372号、欧州特許第711670号、欧州特許第607027号および欧州特許第711637号を参照する。
【0086】
図18は、タブ切断部を提供する1つの配置構成を概略的に示す。この配置構成は、第1刃412および第2刃414を保持する共通ホルダ410を備える。第1刃412は、部分切断部を提供するように配置構成され、第2刃414は、完全な切断部を提供するように配置構成される。2つの刃412および414は、金床416に対して作用する。部分切断刃412は、完全な切断部を提供する刃414ほど下まで延在しないように配置構成される。これは距離418によって示される。2枚の刃412と414の最低点の差は、テープの裏当て層の厚さを表す。共通機構410は、刃が金床416に対して作用するように、2枚の刃412および414を下降させるように配置構成される。言うまでもなく、テープは刃と金床416の間に提供される。この方法で、完全切断部および部分切断部を提供することができる。完全および部分切断部を提供する機構は、必要に応じて変更することができる。完全および部分切断部を提供するために上下の動作を提供する代わりに、刃が回転運動を実行して、テープと接触し、離れる回転運動がある。これは、出願人の欧州特許第711637号に記載されている。
【0087】
本発明の代替実施形態では、切断操作は2段階の操作であり、1枚の刃が完全切断部と部分切断部を提供する。
【0088】
本発明の1つの実施形態を実現する詳細な例を示す図22を参照する。図22には、第1印刷ヘッド600とそれに関連するプラテン602との相対的位置が図示されている。第1印刷ヘッド600の下流に、第2印刷ヘッド604およびそれに関連するプラテン608がある。第2印刷ヘッド604の下流に、タブ切断刃610がある。タブ切断刃610の下流には、完全切断刃612がある。実行される様々なステップを、図示の構成要素に対するテープの位置で示す。
【0089】
ステップS1では、テープがタブ切断部614を有し、タブ切断部分の下流に、以前のラベルで使用した背景616の一部がある。
【0090】
ステップS2では、第1印刷ヘッドが、タブ切断部とラベルの終了部との間で次のラベルの背景像の印刷を開始できるように、テープを反転させる。タブ切断部は、背景像のための第1印刷行より前に位置決めする必要がある。
【0091】
ステップS3からステップS5では、ラベルの背景像を印刷する。テープが第2印刷ヘッドに到達すると、ステップS5で示すような重なる像が印刷される。背景の印刷および重なる像の印刷は、同時に、しかしテープの異なる部分で実行することができる。
【0092】
ステップS6では、背景像が完成し、したがって第1印刷ヘッドが非活動状態になる。第2印刷ヘッドは、重なる像が完成するまで印刷し続ける。
【0093】
ステップS7では、背景の像と重なる像との両方が印刷されたラベルが、切断位置に送られ、タブ切断刃が起動する。
【0094】
ステップS8では、テープがわずかに逆行し、完全切断刃が起動する。これは、印刷される最終行で切断することが困難だからである。したがって、完全切断は、ラベルの長さより短い距離で実行される。つまり、印刷の一部がタブ切断部分になる。
【0095】
ステップS9は、ステップS2と同じであるが、次のラベルのものである。
【0096】
背景印刷を有するラベルを示す図19を参照する(ABC LTDが背景像を構成する)。明快さを期して、背景印刷の頂部の像印刷は省略されている。この実施形態では、言葉、パターン、無地の色などでよい背景像が、テープの全幅にわたって延在するように配置構成されることが分かる。したがって、テープの幅にわたって印刷する場合は、背景が印刷の全幅を覆い、テープの縁部と印刷された背景像の間に空白スペースを残さないことを保証することができる。
【0097】
印刷がテープの全幅、つまり印刷ヘッドの長手方向軸線に平行なテープの次元にわたって実行されることを保証するために、印刷ヘッドが、テープの全幅に延在するほど十分に長いことを保証する必要がある。様々な幅を印刷できる場合、印刷ヘッドを制御して、存在するテープの幅に印刷する必要がある加熱要素のみを起動させることができる。テープ位置およびテープ幅の公差に対処するために、印刷ヘッドを制御して、テープ幅よりわずかに大きい長さにわたって印刷してもよい。つまり、プラテン上で印刷を実行し、プラテンと印刷ヘッドの間にテープがない。これは図20に図示される。印刷ヘッド500は、印刷ヘッドホルダ504によって支持される。印刷ヘッドは高さ502を有する。テープ512は高さ510を有する。テープ512の高さ510は印刷ヘッドの高さ502より小さく、背景像を印刷するために起動される印刷ヘッドの印刷要素の数は、像受け取りテープの幅と少なくとも同じサイズを、好ましくはそれよりわずかに大きいサイズを有する。この図には、プラテン506およびその支持体508も図示されている。印刷ヘッドはプラテンに当たって印刷する。
【0098】
打ち抜きラベルに適用される本発明の実施形態では、印刷ヘッドを制御して、ラベルの幅よりわずかに大きい長さにわたって印刷することができる。この実施形態では、印刷ヘッドは、単にラベルライナ上で印刷を終了する。これは図21で図示されている。印刷ヘッド500、印刷ヘッドホルダ504、プラテン508およびプラテンホルダ508が図21に図示されている。印刷ヘッドの高さは502であり、ラベルの高さは516、ラベルライナ520の高さは518である。印刷ヘッドを制御して、少なくともラベルと同じ高さ、および好ましくはこれよりわずかに高い背景像を印刷する。像の高さは、ラベルライナの高さ518より小さいことが好ましい。
【0099】
本発明の実施形態は、連続的テープに、および連続的裏当て層上に配置構成された適当な打ち抜きラベルにも適用可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】直接感熱型印刷の先行技術の配置構成の略図である。
【図2】先行技術の写真媒体の温度−時間領域のグラフ図であり、温度−時間領域が、最終印刷で組み合わせることが望ましい様々な色に対応する領域に分割されている。
【図3】分割され、図2で図示された温度−時間領域を生成するために使用する先行技術の写真媒体を示す図である。
【図4】本発明によるテープ印刷装置の実施形態の略図である。
【図5】図4で図示したテープ印刷装置のカセット受け取りベイの実施形態の略図である。
【図6】本発明によるカセットの実施形態の略図である。
【図7】直接感熱型テープのロールをテープ印刷機に直接導入する本発明による直接感熱型テープ印刷機の代替実施形態の略図である。
【図8】本発明による直接感熱型テープの実施形態の略図である。
【図9】図9aは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0101】
図9bは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0102】
図9cは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0103】
図9dは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【図10】図10aは、ラベル材料の一例、およびその材料をテープ印刷機で使用する方法を示す図である。
【0104】
図10bは、ラベル材料の一例、およびその材料をテープ印刷機で使用する方法を示す図である。
【図11】図11aは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0105】
図11bは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0106】
図11cは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0107】
図11dは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【図12】図11で図示した配置構成の幾つかで使用する印刷ヘッドの制御部を概略的に示す図である。
【図13】図13aは、色を選択するメニューを示す図である。
【0108】
図13bは、色を選択するメニューを示す図である。
【0109】
図13cは、色を選択するメニューを示す図である。
【図14】図14aは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【0110】
図14bは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【0111】
図14cは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【図15】本発明を実現するテープ印刷器具を制御する制御回路を概略的に示す図である。
【図16】本発明を実現するテープ印刷機の略断面図である。
【図17】ラベルの一方が部分的切断部を有する状態で、完全切断部によって分離された2つのラベルの例を示す図である。
【図18】図17の完全切断部および部分切断部を提供する配置構成を概略的に示す図である。
【図19】背景印刷を有するラベルを示す図である。
【図20】テープに背景像を印刷する配置構成を概略的に示す図である。
【図21】打ち抜きラベルに背景像を印刷する配置構成を概略的に示す図である。
【図22】図17のラベルを提供する方法を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はテープ印刷装置、テープ印刷装置のためのテープ供給源、およびテープ印刷装置に使用するためのテープ供給源を有するテープカセットに関する。特に、本発明は直接感熱型印刷用テープ印刷装置、テープ印刷装置で使用するための直接感熱型媒体のテープを備えたテープ供給源、およびテープ印刷装置に使用するための前記テープを収容するテープカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
直接感熱型印刷を使用するテープ印刷装置が、当技術分野で知られている。例えばCasioのKP−C10はPCとともに使用するための印刷機を備える。この印刷機は、感熱紙テープのロールを受け取るテープ受け取り部分、プラテンおよび感熱印刷ヘッドを有し、動作中にプラテンが回転し、印刷ヘッドがテープ上に像を形成するようにテープを加熱する状態で、テープがプラテンと印刷ヘッドとの間を通過する。しかし、この印刷機は、白い感熱テープ上に黒い像を印刷することしか可能でない。
【0003】
カラー印刷用のテープ印刷装置が示唆されている。しかし、これらの装置は着色したインクリボンを有するカセットを使用し、着色インクが感熱印刷ヘッドを使用してインクリボンから受け取りテープへと転写される。様々に着色された像の場合は、異なる色の複数のインクリボンが必要である。これらを同時に印刷機に装填すると、装置のサイズを増大させる。あるいはまた、印刷を一時停止して、異なる色の像を生成するためにインクリボンを異なる色で置換してから印刷を継続することになる。この場合は、様々な色の像を生成するために必要な時間を増大させる。また、この種の印刷機は、フルカラーの像を生成するのではなく、1つの色を印刷してから、異なる色を印刷することになる。
【0004】
別の配置構成として、欧州特許第EP−A−0,641,663号が、1つのテープカセットおよびインクリボンを使用して多色印刷を形成可能なテープ印刷機を開示している。テープカセットはテープ印刷機に収容されており、テープカセットは、印刷テープおよびインクリボンを含み、インクリボンは、印刷テープの長手方向に沿って設定されたピッチに設けられた異なる色のインク部分から形成されている。このテープ印刷機は、次のように構成されている。すなわち、インクリボンおよび印刷テープが印刷のために前方へと移送可能であり、リボン巻き取り機構が停止し且つプラテンが印刷区間から離れることができ、その後にテープ移送機構が、異なる色を重ね刷りするための印刷テープを逆方向に移送し、それによって多色像が生成されるように構成されている。1本の多色リボンを使用することによって、複数のリボンを有するという問題を解決している。しかし、多色像を生成するために着色像を重ね刷りするための正確な位置合わせが困難であり、位置合わせ不良は低い品質の像を生じさせる。さらに、複数回の重ね刷りや、複数回のインクリボンの巻き戻しおよび/または配置換えは、インクリボンに折りじわを生じさせたり、または、インクリボンおよび/または印刷機構内の印刷受け取りテープの詰まりを引き起こすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、上述した問題の1つまたは複数に対応することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1を参照すると、写真の分野で知られている直接感熱型印刷媒体は基層2、印刷層4および保護膜層6を備える。印刷層2は、酸8(現像液)および無色の染料先駆物質10を備える。感熱印刷ヘッド12からの熱によって酸8と染料10が反応するまで、反応は生ぜず、その後に色が形成される。色の光学濃度は、加熱の温度および時間の増大とともに上昇する。単色像は、最も一般的には黒と白である。しかし、単色像は、様々なロイコ染料を使用することによって、様々な色を生成することができる。
【0007】
ワックス型熱転写および色素拡散熱転写などのカラー感熱像成形法といった従来の方法は通常、互いに別のドナーおよび受け取り材料の使用を含む。しかし、多色直接感熱型印刷を達成するために、写真の分野では最近、様々な直接感熱型媒体が開発されている。例えば、WO02/096665は、感熱印刷ヘッドの温度および熱エネルギが像形成層に適用される時間を制御することによって、感熱印刷ヘッドにより少なくとも部分的に独立して感熱像成形部材の少なくとも2つ、好ましくは3つの異なる像形成層に対応する多色感熱像成形法システムを開示する。感熱像成形部材の各色を単独で、または選択可能な部分で他の色に印刷することができる。つまり、温度−時間ドメインが、様々な色に対応する領域に分割され、これらは最終印刷で組み合わせることが望ましい。図2は、マゼンタ、シアンおよびイエローを印刷するためのこのような直接感熱型媒体の温度および時間のパラメータでの特性を示すグラフ図である。色形成領域に選択された温度は概ね、約50℃から約450℃の範囲である。像成形部材の色形成層に熱エネルギが適用される期間は、約0.01ミリ秒から約100ミリ秒の範囲であることが好ましい。
【0008】
埋め込み層での熱拡散、タイミング層との組み合わせによる化学的拡散または溶解、溶解遷移および化学的閾値など、幾つかの像形成技術が開発されている。
【0009】
次に図3を参照すると、形成すべき色の印刷領域を画定するために熱遅延を利用した着色感熱像成形部材が見られる。3つのカラー像成形部材14は、基質16、シアン、マゼンタおよびイエローそれぞれの像形成層18、20、22、およびスペーサ中間層24、26を含む。
【0010】
像成形部材を上から感熱印刷ヘッドで加熱すると、シアンの像形成層18は、熱を加えたほぼ直後に感熱印刷ヘッドによって加熱されるが、スペーサ層24、26の熱伝導性および厚さにより、マゼンタの像形成層20およびイエローの像形成層22が加熱される前にかなりの遅延がある。多色印刷を提供するために、各像形成層が異なる温度で活性化するように配置構成することが好ましい。この結果は、例えば異なる融点を有するように像形成層を配置構成するか、異なる温度で溶解し、像形成材料を液化する異なる熱溶剤を組み込むことによって達成することができる。例えば、シアン層の活性化温度がT1であり、マゼンタ層の活性化温度がT2で、イエローの像形成層の活性化温度がT3である場合、活性化温度は、T1>T2>T3になるように選択してよい。したがってT2とT3の間の温度を比較的長期間にわたって適用すると、シアンまたはマゼンタの色がないイエローの色が生成される。T1より上の比較的短く高い温度の熱パルスは、マゼンタまたはイエローの色がないシアン色を生成する。T1とT2の間の温度を適切な長さの時間にわたって適用すると、マゼンタ色が生成される。したがって、加熱の温度および時間を変動することによって、多色像を生成するように、個々の色またはその混合が生成される。
【0011】
このような層を形成するための様々な層の配置構成および適切な材料が、WO02/096665およびそこで引用された文書で開示されている。
【0012】
本発明によると、テープ印刷装置で使用するテープ供給源が提供され、前記テープ供給源は、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープは、前記直接感熱型像テープを加熱すると、前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤、および少なくとも1つの現像液を備える。
【0013】
本発明によると、テープ印刷装置で使用するテープカセットがさらに提供され、前記テープカセットは、上述した直接感熱型像テープの供給材料を収容する本体を備える。
【0014】
本発明によると、テープの供給材料を受け取るテープ供給源受け取り部分、テープに像を印刷する複数の印刷要素を備える印刷ヘッド、印刷ヘッドを通過するテープを駆動する駆動手段、および複数の印刷要素を制御する制御手段を備えるテープ印刷機がさらに提供され、制御手段は、直接型熱転写によってテープに多色像を生成するために、印刷要素を制御するような構成である。
【0015】
本発明によると、感熱印刷ヘッドを通過した直接感熱型テープを駆動することと、印刷ヘッドを制御することとを含むラベルの印刷方法がさらに提供され、1回の通過で直接型熱転写によってテープ上に多色像が生成される。
【0016】
本発明の実施形態は、直接感熱型印刷を使用して、連続的に変動可能な光学濃度の単色像および/または完全な多色像が印刷可能であるテープ印刷装置およびテープカセット/テープを提供する。
【0017】
本発明およびその実行方法をよりよく理解するために、次に例示により添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1から図3は、先行技術を示し、本明細書の前書き部分で既に検討されている。
【0019】
図4は、本発明によるテープ印刷装置28の実施形態の略図を示す。テープ印刷装置は、キーボード30およびカセット受け取りベイ(bay、収容する区画)32を備える。キーボードは、ラベルとして印刷すべきデータを入力するために数字、文字および句読点のキーのような複数のデータ入力キー34、および入力データを編集する機能キーを有する。キーボードは、ラベルを印刷することが望ましい場合に操作される印刷キー36も有する。また、テープ印刷装置をオンおよびオフに切り換えるために、オン/オフキー38も設けられている。
【0020】
テープ印刷装置は、データが入力されるにつれてこれを表示する液晶表示器(LCD)40を有する。表示器によって、使用者は印刷すべきラベルの全部または一部を見ることができ、これは印刷する前にラベルの編集を容易にする。また、表示器は表示器ドライバ(図示せず)によって駆動される。
【0021】
テープ印刷器具1を制御する基本的回路が、図15に図示されている。読み取り専用メモリ(ROM)202、マイクロプロセッサ201、およびRAM204によって概略的に図示されたランダムアクセスメモリ容量を有するマイクロプロセッサチップ200がある。マイクロプロセッサチップ200は、キーボード206のようなデータ入力器具から自身に入力されるラベルデータを受信するために接続される。マイクロプロセッサチップ200は、表示器ドライバチップ209を介して表示器208を駆動し、印刷すべきラベル(またはその一部)および/または使用者へのメッセージを表示するために、データを出力する。あるいは、表示器ドライバはマイクロプロセッサチップの一部を形成してよい。また、マイクロプロセッサチップ200は、ラベルデータが像受け取りテープに印刷され、ラベルを形成するように、印刷ヘッド216を駆動するためのデータも出力する。最後に、マイクロプロセッサチップ200は、プラテンを駆動するためにモータ207も制御する。マイクロプロセッサチップ200は、ある長さのテープを切り取ることができるように、切断機構も制御する。代替実施形態では、切断機構の少なくとも一部を手動で操作することができる。
【0022】
図16は、本発明を実現するテープ印刷器具300を平面図で示す。テープ印刷器具300は、自身内に配置構成されたカセット306を有する。このカセットは、後に詳述するが、直接感熱型カラー材料の供給材料を含むことができる。カセット306はカセットベイ316内に配置される。カセットベイ316は、少なくとも1つの感熱印刷ヘッド304、および協働して印刷ゾーン302を画定するプラテン308も収容する。印刷の他の配置構成について、以降でさらに詳細に説明する。印刷ヘッド304は、印刷するためにプラテン308と接触し、カセット306を外して、交換できるようにするためにプラテン308から離れることができるように、旋回点324の周囲で旋回することができる。操作位置では、プラテン308が回転し、これによって像受け取りテープ310が印刷ヘッド304を通過するように駆動される。
【0023】
プラテン308はDCモータ(図15参照)によって駆動され、印刷中にテープ印刷器具301の印刷ゾーン302を通して像受け取りテープ310を駆動するために回転する。この方法で、像がテープに印刷され、印刷ゾーン302から送り出される。
【0024】
像は、印刷ヘッド304によって像受け取りテープ10上にカラムごとに印刷され、それぞれのカラムはテープ310の動作方向に沿って相互に隣接している。各カラムのピクセルを選択的に活性化して、当技術分野でよく知られている方法で像を構築する。DCモータには、モータの回転速度を監視するシャフトエンコーダを設ける。モータの速度制御は、マイクロプロセッサチップ100(図15参照)によって達成され、データストローブ信号を生成し、各信号は印刷ヘッド304によってピクセルデータのカラムを印刷させる。
【0025】
テープ印刷器具は、切断位置320に、刃318を担持する切断機構328を含むことができる。刃318は、像受け取りテープ310を切断し、次にカセット306内に配置されたスロット330に入る。
【0026】
テープ印刷機の他の実施形態も想定できることが理解されよう。例えば、本発明のテープ印刷機は、独立式印刷機ではなくPC用印刷機としてもよい。このような印刷機では、データをPCに入力し、表示できるので、キーボードおよび表示手段が必要不可欠ではない。これで、PCは印刷機の入力器具として作用する。あるいは、印刷用にデータを印刷機に入力するために他の装置を使用してもよい。例えば、本発明の実施形態では、ディジタルカメラを使用して、印刷用にデータをテープ印刷器具に入力することができる。あるいは、像はスマートカード、チップカード、メモリカードなどを使用して入力することができる。
【0027】
図5は、テープ印刷装置内のカセット受け取りベイ32の略図を示す。カセット受け取りベイは、直接感熱型テープの供給材料を収容するカセットを受け取るように配置構成される。カセット受け取りベイは、全体がカセットベイ蓋に覆われる。
【0028】
カセットは、感熱印刷器具と協働するように意図される。印刷器具は、印刷ヘッド40およびプラテン42を担持する。印刷ヘッドは、プラテンに接触して、像受け取りテープが印刷ヘッドとプラテンの間に挟まれる操作位置と、カセットを取り出し可能にするためにテープが解放される非操作位置との間で動作可能である。印刷ヘッドが操作位置にある状態で、感熱印刷ヘッド上でピクセルを集合的に加熱する結果として、像受け取りテープ上に像を形成することができる。本発明の代替実施形態では、印刷ヘッドが静止し、プラテンが非操作位置と操作位置の間で移動する。メッセージが印刷されたら、像受け取りテープがカセットから切断装置44へと送り出される。
【0029】
図6は、カセット50の略図を示す。カセットは、直接感熱型テープ54の供給材料を終了する本体52を備える。直接感熱型テープは、印刷する像が形成される第1側、および解放可能な裏当て層を備える第2側を備える。直接感熱型テープの構造について、以降でさらに詳細に説明する。直接感熱型テープは、案内されてカセットから出て、プラテンと感熱印刷ヘッドの間の印刷ゾーン56を通る。
【0030】
図7で示すようなカセットを必要とせずに、受け取りベイが直接感熱型テープのロールを受け取るテープ印刷機の他の実施形態を想定できることが理解されよう。これは、テープ供給源の交換費用を削減することができる。しかし、テープを収容するためにカセットを使用すると、保存中にも、使用するために印刷機内に導入した場合にも、テープが良好な状態を維持することが保証される。カセットは、光を通さないことも好ましい。光に過度に露光すると悪影響を受けるテープもあるからである。本発明の幾つかの実施形態では、感熱表面がテープの内側で、裏当て層が半径方向外側になるように、テープをテープ供給ロールに巻き付ける。
【0031】
本発明を実現するテープ印刷機で使用する直接感熱型テープは、写真の分野で使用され、図1から図3に関して本明細書の前書き部分で検討したタイプの直接感熱型印刷媒体を備える。カラー印刷が可能な従来通りのテープ印刷機は、別個のドナーテープおよび受け取りテープを使用するが、本発明では、熱で活性化する化学物質を1本のテープに組み込む。図8は、本発明の実施形態による直接感熱型テープの略図を示す。テープは取り外し可能な基層70、接着剤層72、基質層16、印刷層73、および保護膜層74を備える。印刷層は、完全な多色像を生成可能な直接感熱型テープを形成するために、複数の無色染料先駆物質を備える。この実施形態では、様々な無色の染料先駆物質を、別個の像形成層18、20、22に設け、スペーサ中間層24、26を有する。ラベルを印刷した後、取り外し可能な基層を取り外して、印刷したラベルを表面に取り付けるために、接着剤層を露出させることができる。
【0032】
印刷中に、プロセッサの形態の印刷制御手段が印刷ヘッドを制御し、それによって様々な色の染料が選択的に反応して、多色像を生成する。選択的反応性の基準は、テープ層の厚さ、層の熱伝導性、染料先駆物質の反応の温度係数、加熱時間などに依存する。埋め込み層での熱拡散、化学的拡散または溶解とタイミング層、溶解遷移および化学的閾値の組み合わせなど、幾つかの像形成技術が想定される。多色印刷を達成するために、選択的光活性反応も使用することができる。
【0033】
印刷中に、プロセッサは印刷ヘッドを制御し、特にキーボード、PCまたは他の入力器具から入力されたデータに従って、各印刷ヘッドピクセルの温度を制御する。各ピクセルの温度またはエネルギは、連続的に変動可能であり、これによって連続的に変動可能な光学濃度および/または色の像を生成することができる。プロセッサは、印刷ヘッドストローブ時間、つまりパルスの幅および/またはパルスの数も制御する。加熱温度および加熱時間を制御すると、直接感熱型像テープに多色像を生成することができる。
【0034】
印刷機およびテープは、テープの1回の通過で直接型熱転写によってテープに多色像を生成するような構成である。つまりテープの反転が必要ない。プロセッサは、使用者がテープ印刷機に入力したデータに従って、印刷要素を制御するような構成である。例えば、使用者は、キーボードを介してラベルに異なる色体系を選択することができる。プロセッサは、各印刷要素が加熱される温度および期間を制御し、各要素の温度は連続的に変動可能である。幾つかの実施形態では、エネルギを連続的ではなく段階的に変更することができる。
【0035】
温度、加熱期間および色のデータを保持するために、印刷機に入力されるデータに従って各印刷要素の温度および加熱期間を選択するためのプロセッサによってアクセス可能であるメモリを設ける。メモリは、様々なタイプの直接感熱型テープについて、さらに感熱転写テープ(インクリボンを使用する)について、温度、加熱期間および色のデータを保持する。1つの実施形態では、印刷機は、印刷機に挿入される直接感熱型テープ(例えば2色テープまたは全色テープでよい)のタイプを検出する検出手段を有するか、熱転写テープである場合、検出手段は制御手段に信号を送信し、これによって検出されたテープのタイプに対応するデータが選択される。この方法で、直接感熱型像テープの幾つかの異なる実施形態で、テープ印刷機を使用することができる。検出手段は物理的でよい。例えば、テープカセットは、印刷機に導入されると、カセットの本体の形状に従ってスイッチを起動することができる。あるいは、電気的、光学的、RF、磁気的、マークの形態であるか、使用者が手動で選択することができる。
【0036】
上述した実施形態によって、テープが印刷ヘッドを1回通過する直接型熱転写によって、多色像がテープ上に生成されるラベルの印刷方法が可能になる。特に、このような方法を使用すると、インクリボンと受け取りテープとの位置合わせの問題が解決され、インクリボンのしわの問題も解決される。その結果、より高い品質のカラー像が達成される。
【0037】
次に、本発明の実施形態に使用可能な面材料の4つの例を示す図9を参照する。これらの実施形態の幾つかは、前述した実施形態と同じ、または同様である。以下では、同じである層は同じ参照番号で参照する。
【0038】
最初に図9aを参照する。この配置構成では、透明なキャリアフィルム106がある。透明なキャリアフィルムの一方側には、シアン染料などを含む層108がある。シアン層108に載るのは底部オーバーレイ110である。これは保護層であり、小さい分子が溶解または分散している高分子結合剤でよい。
【0039】
透明なキャリアフィルムの他方側には、マゼンタ染料を含む層104がある。そのマゼンタ層の頂部には、イエロー染料102を含むさらなる層がある。そのイエロー層102は、底部オーバーレイ110と同様である保護オーバーレイ100が載せられる。これは、第1面材料116aを画定する。
【0040】
次に図9cを参照する。この面材料構造116cは、図9aに図示したものと同様の構造を有する。しかし、オーバーレイ100が透明な保護フィルム112に置換されている。透明な保護フィルム112は、接着剤層114によってイエロー染料を含む層に接着される。その接着剤層は透明である。透明な保護フィルムは、ポリオレフィンまたはポリプロピレンまたは他の任意の適切な材料の薄い透明層でよく、通常は例えば3マイクロメートルから15マイクロメートルの範囲の厚さを有する。透明な保護フィルムは、任意選択でワックスコーティングを有してよい。透明な保護フィルムは、摩擦軽減材料で被覆してよい。
【0041】
次に、面材料のさらなる実施形態を示す図9bを参照する。面材料は透明なキャリアフィルム106を備える。その透明なキャリアフィルム106上には、シアン染料を含む層108を設ける。これは、その頂部に配置されたマゼンタを含む層104を有する。マゼンタ層104上には、イエロー染料を含む層102がある。イエロー染料102を含む層は、その頂部に配置された保護オーバーレイ100を有する。
【0042】
図9dは、図9bで図示した実施形態の変形を示す。図9bのオーバーレイ100が、透明な保護フィルム112に置換されており、これは透明な接着剤114によってイエロー層102に接着される。これは、図9cに関して既に説明した通りである。
【0043】
図9で図示した実施形態は、透明なキャリアフィルムを有する。本発明の幾つかの実施形態では、キャリアフィルムは不透明で着色してもよい。あるいは、キャリアフィルムは透明で着色してもよい。図9の実施形態は、着色層の間にスペーサ層などを含むように改造することができる。3つの着色層が図示されている。本発明の代替実施形態では、2つまたは1つの着色層しかなくてよい。接着剤層は、本発明の代替実施形態では不透明および/または着色してよい。シアン層は、幾つかの実施形態では、イエローおよびマゼンタ層とは異なるキャリアの側に図示されている。本発明の代替実施形態では、イエローまたはマゼンタ層は、他の2つの着色層に対してキャリア層の他方側に設けることができる。本発明の実施形態は、図示されたマゼンタ、シアンおよびイエローの着色層を有する。本発明の代替実施形態では、層に異なる色があってもよい。使用する技術に応じて、染料などを1つの層に組み込むか、2つ以上の色を同じ層から生成できることが可能である。
【0044】
ラベル材料の様々な実施形態、および本発明の好ましい実施形態のラベル印刷機でラベルに使用する方法を示す図10を参照する。
【0045】
次に実施形態を示す図10aを参照する。この実施形態では、材料の2つの供給材料を使用する。第1供給材料128は面材料116を備える。底部オーバーレイまたは透明なキャリアフィルムに、白インクの層118を適用する。
【0046】
材料の第2供給材料は、両面シリコンライナ122を備える。シリコンライナ層122の一方側には、白い接着剤の層120を設ける。図10aから分かるように、第1供給材料128をロール上に設ける。使用時には、ラベルが印刷されたら、薄いシリコンライナ層を取り外すことができる。これで、白い接着剤層が露出し、ラベルを任意の適切な表面に貼り付けることができる。本発明の代替実施形態では、接着剤層は白でなくてよい。
【0047】
図10aのラベル材料124をロール124中に設ける。本発明の実施形態に応じて、以前に検討したようにロールをテープカセットに収容することができる。しかし、これは必要ではなく、本発明の代替実施形態では、ロール中にラベル材料を単純に設けることができる。印刷を実行できる印刷ステーション126にラベル材料を提供する。印刷ステーションの様々な実施例について、以降で説明する。ロール内に、あるいはカセット内に第2供給材料130を設ける。本発明の幾つかの実施形態では、供給材料128および130の両方に、共通のカセットを設けることができる。材料130は、材料128とともに1対のローラ132および134に設ける。これらのローラは一緒に作用して、白い接着剤およびシリコンライナ材料130を一方では面材料に、他方では白いインク層に適用し、それによって1つのラベルを提供する。白いインク層118は、白い接着剤層120に接着される。
【0048】
ローラ132および134の一方または両方を駆動できることを理解されたい。本発明の代替実施形態では、1つのローラを使用することができ、この1つのローラが固定した表面に作用する。
【0049】
次に、ラベル材料のさらなる実施形態を示す図10bを参照する。1つの別個の供給材料として面材料116を提供する。異なる供給材料として、接着剤層190を備える材料が提供される。接着剤層190の一方側には白いフィルム192が取り付けられる。白いフィルム192の他方側には、接着剤層193が取り付けられ、これは両面シリコンライナ194に取り付けられる。シリコンは、ライナの両側に設ける。これは裏当て供給材料196を画定する。裏当て供給材料196および面材料116を、共通のカセットまたは別個のカセット内のロール上に設けることができる。図10aで図示した配置構成と同様に、印刷ステーション126で像を面材料116に印刷する。印刷後、裏当て材料196が1対のローラ132および134によって面材料116に適用される。
【0050】
次に、印刷ステーションの様々な異なる構成を示す図11aから図11dを参照する。
【0051】
最初に図11aを参照する。図11aには、2つの印刷ヘッド140および146がある。第1印刷ヘッド140は、プラテン142との組み合わせで作用する。この第1印刷ヘッド140は、図9aおよび図9cで図示した材料で、イエローおよびマゼンタの印刷を制御するように配置構成される。第2印刷ヘッド146も、ローラの形状のプラテン144との組み合わせで作用する。この第2印刷ヘッド146は、図9aおよび図9cの配置構成内のシアン層108の印刷を制御するように配置構成される。この同じ配置構成は、図9bまたは図9dで図示した実施形態でも使用してよいことを理解されたい。本発明の幾つかの代替実施形態では、2つの印刷ヘッド140および146を配置構成して、ラベル材料の同じ側に接触させ、像を印刷することができる。この後者の実施形態では、面材料の構造に応じて、2つの印刷ヘッドが頂部オーバーレイまたは透明な保護フィルムに接触するように配置構成することが好ましいが、そうである必要はない。
【0052】
図11aの配置構成では、印刷ヘッドが完全にアドレス可能である。つまり、印刷ヘッドがn個の印刷要素を含み、それぞれが別個に制御可能である。つまり、任意の印刷操作について、印刷要素をオンまたはオフになるように制御可能であるように、各印刷要素に駆動回路を設けることが効果的である。図11aでは、印刷ヘッドは、テープ印刷機で使用すべきラベルの最大幅に対応する高さxを有する。概して、テキストは、最大ラベル高さxより小さい最大高さyを有する。テキストという用語は、背景像の上に印刷される任意の像を指すために使用され、テキスト、記号、数字、グラフィック、図などでよい。というのは、通常はラベル上の文字の上および下に空白があるからである。「テキスト高さ」という用語は、ラベルが1行のテキストを含む場合に、テキストの行の高さ、またはラベルが複数の行を有する場合に、最初の行の頂部から最終行の底部までの高さを指す。
【0053】
図11aの配置構成の改造を示す図11bを参照する。図11bの配置構成は、図11aで図示し、それに関して説明したものと同様の配置構成で、個々のプラテン150および152と組み合わされた2つの印刷ヘッド148および154を示す。
【0054】
次に、図11bの印刷ヘッドを制御する方法を示す図12を参照する。図12では、6つの印刷要素180a〜fが図示されている。これは非常に概略的である。実際には、6つより非常に多い印刷要素180を設ける。これらの印刷要素180は一緒になって高さxを提供し、これはテープ印刷機で使用するテープの最大幅に等しい。ピクセル180cおよび180dは一緒になって、テキストの印刷に使用する印刷ヘッドの部分を提供し、したがって高さyを有する。つまり、2つのピクセル180cおよび180dの上の2つのピクセル180aおよび180bを使用して、テキストの上に像を設け、2つのピクセル180eおよび180fを使用して、テキストの下に像を提供する。通常、この像は以降でさらに詳細に検討するように、背景色、背景パターンなどである。図11dで図示する実施形態では、テキストを生成するために使用するピクセル、つまりピクセル180cおよび180dにはそれぞれ、自身の駆動回路182bおよび182cを設ける。駆動回路182bおよび182cは、制御装置184によって制御される。2つのピクセル180cおよび180dはそれぞれ自身の駆動回路を有するので、独立して別個に制御可能である。つまり、両方ともオフにするか、2つのうち一方のみをオンにすることができる。しかし、テキストの上の2つのピクセル、つまりピクセル180aおよび180bについて、1つの駆動回路182aを設け、これも制御装置184によって制御される。つまり、これらの2つのピクセルは、両方ともオンであるか、両方ともオフである。これらの2つのピクセルを個別に制御することは不可能である。
【0055】
同様に、テキストの下の2つのピクセル、つまりピクセル180eおよび180fについて、これも制御装置184によって制御された共通の駆動回路182dを設ける。つまり、2つの底部ピクセルは、両方ともオンまたは両方ともオフになる。これらのピクセルを別個に制御することは不可能である。
【0056】
前述したように、図12は実際には6つより非常に多くのピクセルを設けるという点で概略的である。図12で図示した配置構成の利点は、駆動回路の費用が印刷ヘッド回路のかなりの費用になることである。必要な駆動回路の数を削減することによって、印刷ヘッドの費用を大幅に削減することができる。
【0057】
図11aおよび図11bの配置構成では、2つの印刷ヘッドが一緒になって、背景およびテキストの両方を提供する。したがって、背景は適切な色またはパターンを有することができ、テキストは適切な1つまたは複数の色を有することができる。これらの実施形態の両方で、2つの印刷ヘッドが個々の実施形態で同じ構造を有する。
【0058】
次に、印刷プロセスを2つの段階に効果的に分割した図11cおよび図11dを参照する。第1段階では、テキストを所望の1つまたは複数の色でテープに印刷し、次に背景をテープに適用する。本発明の代替実施形態では、テキストの背景を最初に適用し、次に像を適用することができる。
【0059】
図11cで図示した配置構成では、プラテン172と組み合わせた印刷ヘッド173を使用して、テキストをテープに印刷する。印刷ヘッドは、図11aに関して説明したのと同じ印刷ヘッド構造を有する。
【0060】
次に、第1印刷ヘッド168および関連するプラテン164、および第2印刷ヘッド160および関連するプラテン162を備えた2つの印刷ヘッド構成にテープを提供する。この構成は、図11aおよび図11bに関して説明したものと同じである。しかし図11cで図示する配置構成では、印刷ヘッドは、カラー背景を提供するように配置構成される。したがって、印刷ヘッドは、全ての印刷要素がオンまたはオフになるように制御され、オンの場合は、エネルギレベルおよび継続時間が必要な色に応じて適切に制御されるという点で、非常に単純化された構造を有する。印刷ヘッドは、実際には必要な継続時間だけ必要な温度まで加熱することができる要素によって交換できることを理解されたい。印刷ヘッドという用語は、任意のこのような要素も含むように意図される。
【0061】
図11dは、プラテンの必要性を解消できるように、ここでは2つの印刷ヘッドを相互に位置合わせするように配置構成されるという点で、図11cの配置構成の改造を示す。2つの印刷ヘッド174および176は、図11cに関して説明した印刷ヘッド160および168と同じ構造を有する。
【0062】
図11cおよび図11dで図示した配置構成は、1つの印刷ヘッドの形態の1つの背景アプリケータを設けるように改造することができる。したがって、図11cおよび図11dで図示した配置構成は、2つの印刷ヘッドを提供するように単純化することができる。一方の印刷ヘッドは、ラベル上に適すとなどを提供するように配置構成され、他方の印刷ヘッドは、背景の色または像を提供するように配置構成される。印刷ヘッドの位置は、材料の性質によって決定される。例えば、材料と同じ側から作用する印刷ヘッドで全色の像を達成できる場合、印刷ヘッドは、並べて設けることができる。あるいは、材料のいずれかの側から印刷を達成できるような材料でる場合は、2つの印刷ヘッドを相互に位置合わせした状態で設けてよく、したがってプラテンの必要性が回避され、コンパクトな配置構成も提供する。つまり、印刷ヘッドは、対向して位置決めされた印刷ヘッドに対してプラテンとして作用する。
【0063】
材料の構造に応じて、使用する印刷ヘッドの数は1つ、2つまたは3つでよいことを理解されたい。本発明の実施形態は、より制限されたカラー像を提供する直接感熱型材料で使用できることも理解されたい。例えば、本発明の実施形態は、二色または三色材料で使用することができる。それらの場合、印刷ヘッドの数および印刷ヘッドの制御を単純化することができる。
【0064】
本発明を実現するテープ印刷機を使用して、カラー像を提供することができるが、感熱材料とともに使用して、背景色に変動性がない1つの印刷色を提供できることも理解されたい。つまり、テープ材料は所定の色を有し、像を1つの色、通常は黒で印刷することができる。
【0065】
本発明を実現するテープ印刷機は、インクリボンを使用する熱転写印刷を実行するように配置構成することもできる。図11cおよび図11dは、熱転写カセットを使用する場合を示す。特に、熱転写カセットは、各印刷要素が個別に制御可能である印刷ヘッドを使用して、像がテープ上に印刷されるように位置決めされる。
【0066】
次に、図13を参照して、使用者が所望の色を選択できる方法を示す。使用者は、色の選択肢にアクセスするために1つまたは複数の機能キーを操作する。1つの実施形態では、色機能キー210を起動して、図13aに図示するメニューを提供する。カーソルを使用して、使用者は背景とテキストの間で移動することができる。背景を強調表示する場合は、図13bに図示されたメニューが表示される。図13bに図示したメニューを得るためには、使用者は背景の選択肢が強調表示されるまでカーソルを移動させる。次に、使用者はOKキーまたはENTERキーのような確認キーを起動する。これで、図13bで図示したようなメニューが提供される。使用者は、使用者にとって使用可能な様々な異なる色をスクロールすることができる。色を選択するには、OKキーまたはENTERキーのような確認キーを起動する。これで、使用者は図13aに図示されたメニューに戻る。次に、使用者はカーソルをテキストの選択肢へと下げることができる。確認またはOKキーを起動すると、図13cに図示されたメニューが表示される。背景の色に関して説明したのと同じ方法で、テキストの色を選択することができる。OKキーを押下すると、使用者は図13aに図示されたメニューへと戻る。OKキーまたは確認キーをさらに起動すると、使用者は編集画面に戻り、印刷すべき像を入力することができる。
【0067】
本発明の1つの実施形態では、図13aに図示されたメニューが、背景およびテキストについて現在選択されている色を示す。
【0068】
本発明の別の実施形態では、使用者は、使用可能な色のプリントアウトを見ることによって、使用可能な色の選択肢を見ることができる。これは、メニューから「カラーパレット」のオプションを選択するか、キーボードで適切なキーを選択することによって達成される。カラーパレットの選択肢を選択した場合は、使用者が印刷される色を名称で識別できるように、印刷機が各色の名称と一緒に使用可能な色を印刷するように配置構成することができる。本発明のこの実施形態は、単色表示器を使用するか、表示器が使用者に使用可能な色の全範囲を表示できない場合に、特に有用である。
【0069】
本発明の別の実施形態では、表示器はカラー表示器でよく、使用者がテキストを入力すると、テキストは表示器上で選択された色を有する。同様に、表示の背景も必要な色を有する。
【0070】
あるいは、本発明のさらなる実施形態では、色のグリッドまたは「マトリクス」を表示するようにカラー表示器を配置構成することができ、マトリクスの各領域が選択可能な色を表示する。この実施形態では、図13bおよび図13cで図示されたメニューの代わりに、色のマトリクスが表示される。したがって、使用者が図13aで図示されたメニューから「背景」または「テキスト」を選択した後、印刷機は、色のマトリクスを表示するように配置構成することができる。使用者は、カーソルキーを使用して、所望の色を表示するマトリクスの領域にカーソルを配置することによって、色を選択することができる。印刷機はさらに、カーソルが配置された色の名称も表示するように配置構成してよい。
【0071】
表示器には、1行または2行のテキストしか表示できないものもあることを理解されたい。その場合、図13aに図示されたメニューは表示されず、使用者はカーソルを下方向に移動させることによって、選択肢を見ることになる。
【0072】
本発明の幾つかの実施形態では、テープ印刷機をPCに接続してよい。このような実施形態では、テープ印刷機はキーボードまたは表示器を有さない。しかし、幾つかの実施形態では、テープ印刷機が追加的に表示器およびキーボードを有する。テープ印刷機がPCに接続される実施形態では、印刷するために、比較的複雑な色の像をPCからテープ印刷機にダウンロードすることができる。これは全色像でよい。
【0073】
次に図14を参照する。図14は、使用者がテープの背景を選択できる方法を示す。使用者は、機能キーの1つを使用して、図14aで図示されたような背景メニューに行くことができる。これは、背景の様々な選択肢を列挙する。例示により、使用者は背景なし、パターンを形成した背景、無地の背景(つまり特定の色)またはテキストの背景を有することができる。使用者は、カーソルを使用してこれらの選択肢の1つを選択することができる。図13に関して説明したように、使用者は、カーソルを選択した選択肢へと移動させ、確認キーなどを起動する。使用者が選択肢としてパターンを選択した場合は、図14bに図示されたメニューが表示される。図から分かるように、使用者は、網掛け背景、水玉の背景、星がある背景または縞模様がある背景などの選択肢を有する。これは全く例示によるものであり、背景として他の適切なパターンを使用することもできる。特定のパターンを選択するには、使用者はカーソルを押下して、選択した選択肢を強調表示し、次に確認キーを押下するか、起動させる。使用者がテキストの選択肢を選択した場合は、図14cで図示されたメニューが表示される。特に、入力テキストまたは空白画面のような使用者へのメッセージが提供される。いずれの場合も、使用者は背景として表示されるテキストを入力する。入力テキストを確認するために、使用者は確認キーを起動するか、押下する。
【0074】
使用者が無地の背景を選択すると、使用者は、図13aで図示されたメニューに行く。
【0075】
本発明の実施形態は、本出願で与えられるテープ材料の例に制限されないことを協調しなければならない。本発明の実施形態は、全色の直接感熱型材料、または2つ以上の可能な色が選択される直接感熱型材料で使用することができる。
【0076】
本発明の好ましい実施形態は、材料の機能に関して、情報がテープ印刷機に自動的に提供されるか、テープ印刷機によって検出されるように配置構成される。つまり、材料が全色か、熱転写材料か、1色しか提供しない直接感熱型材料か、または2色以上の色の選択肢を提供するカラー直接感熱型材料であるか、その場合は、その色の選択肢は何か、である。この情報は、幾つかの異なる方法で提供することができる。例えば、テープ供給源および/またはカセットは、必要な情報を提供する要素を有してよい。本発明の代替実施形態では、使用者はキーボードからこれを設定することができる。つまり、使用者は、テープ材料のタイプに関する情報をテープ印刷機に提供し、したがってテープ印刷機はそれに応じて制御することができる。
【0077】
本発明の実施形態では、カラー直接感熱型材料が提供されたという情報をテープ印刷機が受信すると、これは例えば、図13aに図示された色および背景のテキストメニューを自動的に表示することができ、したがって使用者は現在の設定を維持するか、これらの設定を変更することができる。
【0078】
2つのラベル400および402を示す図17を参照する。ラベル400は、第1背景色を提供するように加熱されており、第2ラベル402は、異なる背景色を提供するように加熱されている。参照番号404で示すように、2つのラベルの間に、色が2つの色の混合であるか、色の境界が明白でない領域があってよい。実際には、2色の間に明快な線を獲得することは困難なことがある。この問題に対応するために、領域404は一方側が第1切断部406で、他方側は切断部408で境界を区切られる。これらの切断部は両方とも完全な切断部でよい。つまり、切断部がテープおよびその裏当てテープの全体を通って延在し、2つのラベルを十分に分離する。本発明の好ましい実施形態では、これらの切断部の一方は部分切断部である。つまり、切断部は、表面に接着すべきテープの部分のみを通り、廃棄される裏当て層は通らない。この部分的またはタブ切断部は、裏当てテープからラベルを容易に外せるという点で、それ自体が有利である。
【0079】
本発明の幾つかの実施形態では、2つの切断部は部分切断部でよい。これは、縞模様のラベルを印刷する必要があり、ラベルを完全に分離しない場合に望ましい。これは輸送を容易にするために実行される。各ラベルは、容易に廃棄するために、各側が切断部によって画定された通りの領域404が裏当てテープ上に残っている状態で、裏当て層から外すことができる。
【0080】
第1ラベル400を第2ラベル402から分離する場合、下流側のラベル402には下流側の端部にも部分切断部および完全切断部を設けてよいことを理解されたい。
【0081】
この方法で、色が明瞭に画定されていない領域が処分される。
【0082】
本発明の1つの実施形態では、印刷機は領域404に印刷するように配置構成することができる。したがって、ラベルの一部を構成していない領域404は、使用者への情報を提示するために使用することができる。
【0083】
領域404に印刷可能な情報の一例は、カセット内に残っているテープの量を表示することである。これは、マイクロプロセッサ200で、または例えばカセット上またはホストコンピュータ内に配置されたプロセッサまたはRFタグ上に設けた別個のメモリ記憶装置で、メモリの位置を参照することによって達成される。テープ残量は、メモリ位置から読み取り、ラベルの印刷操作中に領域404に印刷することができる。
【0084】
領域404に印刷してよい情報のさらなる例は、一連のラベルの各ラベルをナンバリングするシリアル番号の印刷、タブ切断部が配置された位置を示す矢印の印刷、およびウェブサイトのアドレスのような宣伝情報の印刷を含む。
【0085】
部分および完全切断部を提供する機構は知られており、この点に関して、は参照により本明細書に組み込まれる出願人の以前の特許、つまり欧州特許第578372号、欧州特許第711670号、欧州特許第607027号および欧州特許第711637号を参照する。
【0086】
図18は、タブ切断部を提供する1つの配置構成を概略的に示す。この配置構成は、第1刃412および第2刃414を保持する共通ホルダ410を備える。第1刃412は、部分切断部を提供するように配置構成され、第2刃414は、完全な切断部を提供するように配置構成される。2つの刃412および414は、金床416に対して作用する。部分切断刃412は、完全な切断部を提供する刃414ほど下まで延在しないように配置構成される。これは距離418によって示される。2枚の刃412と414の最低点の差は、テープの裏当て層の厚さを表す。共通機構410は、刃が金床416に対して作用するように、2枚の刃412および414を下降させるように配置構成される。言うまでもなく、テープは刃と金床416の間に提供される。この方法で、完全切断部および部分切断部を提供することができる。完全および部分切断部を提供する機構は、必要に応じて変更することができる。完全および部分切断部を提供するために上下の動作を提供する代わりに、刃が回転運動を実行して、テープと接触し、離れる回転運動がある。これは、出願人の欧州特許第711637号に記載されている。
【0087】
本発明の代替実施形態では、切断操作は2段階の操作であり、1枚の刃が完全切断部と部分切断部を提供する。
【0088】
本発明の1つの実施形態を実現する詳細な例を示す図22を参照する。図22には、第1印刷ヘッド600とそれに関連するプラテン602との相対的位置が図示されている。第1印刷ヘッド600の下流に、第2印刷ヘッド604およびそれに関連するプラテン608がある。第2印刷ヘッド604の下流に、タブ切断刃610がある。タブ切断刃610の下流には、完全切断刃612がある。実行される様々なステップを、図示の構成要素に対するテープの位置で示す。
【0089】
ステップS1では、テープがタブ切断部614を有し、タブ切断部分の下流に、以前のラベルで使用した背景616の一部がある。
【0090】
ステップS2では、第1印刷ヘッドが、タブ切断部とラベルの終了部との間で次のラベルの背景像の印刷を開始できるように、テープを反転させる。タブ切断部は、背景像のための第1印刷行より前に位置決めする必要がある。
【0091】
ステップS3からステップS5では、ラベルの背景像を印刷する。テープが第2印刷ヘッドに到達すると、ステップS5で示すような重なる像が印刷される。背景の印刷および重なる像の印刷は、同時に、しかしテープの異なる部分で実行することができる。
【0092】
ステップS6では、背景像が完成し、したがって第1印刷ヘッドが非活動状態になる。第2印刷ヘッドは、重なる像が完成するまで印刷し続ける。
【0093】
ステップS7では、背景の像と重なる像との両方が印刷されたラベルが、切断位置に送られ、タブ切断刃が起動する。
【0094】
ステップS8では、テープがわずかに逆行し、完全切断刃が起動する。これは、印刷される最終行で切断することが困難だからである。したがって、完全切断は、ラベルの長さより短い距離で実行される。つまり、印刷の一部がタブ切断部分になる。
【0095】
ステップS9は、ステップS2と同じであるが、次のラベルのものである。
【0096】
背景印刷を有するラベルを示す図19を参照する(ABC LTDが背景像を構成する)。明快さを期して、背景印刷の頂部の像印刷は省略されている。この実施形態では、言葉、パターン、無地の色などでよい背景像が、テープの全幅にわたって延在するように配置構成されることが分かる。したがって、テープの幅にわたって印刷する場合は、背景が印刷の全幅を覆い、テープの縁部と印刷された背景像の間に空白スペースを残さないことを保証することができる。
【0097】
印刷がテープの全幅、つまり印刷ヘッドの長手方向軸線に平行なテープの次元にわたって実行されることを保証するために、印刷ヘッドが、テープの全幅に延在するほど十分に長いことを保証する必要がある。様々な幅を印刷できる場合、印刷ヘッドを制御して、存在するテープの幅に印刷する必要がある加熱要素のみを起動させることができる。テープ位置およびテープ幅の公差に対処するために、印刷ヘッドを制御して、テープ幅よりわずかに大きい長さにわたって印刷してもよい。つまり、プラテン上で印刷を実行し、プラテンと印刷ヘッドの間にテープがない。これは図20に図示される。印刷ヘッド500は、印刷ヘッドホルダ504によって支持される。印刷ヘッドは高さ502を有する。テープ512は高さ510を有する。テープ512の高さ510は印刷ヘッドの高さ502より小さく、背景像を印刷するために起動される印刷ヘッドの印刷要素の数は、像受け取りテープの幅と少なくとも同じサイズを、好ましくはそれよりわずかに大きいサイズを有する。この図には、プラテン506およびその支持体508も図示されている。印刷ヘッドはプラテンに当たって印刷する。
【0098】
打ち抜きラベルに適用される本発明の実施形態では、印刷ヘッドを制御して、ラベルの幅よりわずかに大きい長さにわたって印刷することができる。この実施形態では、印刷ヘッドは、単にラベルライナ上で印刷を終了する。これは図21で図示されている。印刷ヘッド500、印刷ヘッドホルダ504、プラテン508およびプラテンホルダ508が図21に図示されている。印刷ヘッドの高さは502であり、ラベルの高さは516、ラベルライナ520の高さは518である。印刷ヘッドを制御して、少なくともラベルと同じ高さ、および好ましくはこれよりわずかに高い背景像を印刷する。像の高さは、ラベルライナの高さ518より小さいことが好ましい。
【0099】
本発明の実施形態は、連続的テープに、および連続的裏当て層上に配置構成された適当な打ち抜きラベルにも適用可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】直接感熱型印刷の先行技術の配置構成の略図である。
【図2】先行技術の写真媒体の温度−時間領域のグラフ図であり、温度−時間領域が、最終印刷で組み合わせることが望ましい様々な色に対応する領域に分割されている。
【図3】分割され、図2で図示された温度−時間領域を生成するために使用する先行技術の写真媒体を示す図である。
【図4】本発明によるテープ印刷装置の実施形態の略図である。
【図5】図4で図示したテープ印刷装置のカセット受け取りベイの実施形態の略図である。
【図6】本発明によるカセットの実施形態の略図である。
【図7】直接感熱型テープのロールをテープ印刷機に直接導入する本発明による直接感熱型テープ印刷機の代替実施形態の略図である。
【図8】本発明による直接感熱型テープの実施形態の略図である。
【図9】図9aは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0101】
図9bは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0102】
図9cは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【0103】
図9dは、本発明を実現する面材料の一例を示す図である。
【図10】図10aは、ラベル材料の一例、およびその材料をテープ印刷機で使用する方法を示す図である。
【0104】
図10bは、ラベル材料の一例、およびその材料をテープ印刷機で使用する方法を示す図である。
【図11】図11aは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0105】
図11bは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0106】
図11cは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【0107】
図11dは、本発明の実施形態に使用可能な印刷ステーションの一例を示す図である。
【図12】図11で図示した配置構成の幾つかで使用する印刷ヘッドの制御部を概略的に示す図である。
【図13】図13aは、色を選択するメニューを示す図である。
【0108】
図13bは、色を選択するメニューを示す図である。
【0109】
図13cは、色を選択するメニューを示す図である。
【図14】図14aは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【0110】
図14bは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【0111】
図14cは、ラベルの背景を選択するために表示されるメニューを示す図である。
【図15】本発明を実現するテープ印刷器具を制御する制御回路を概略的に示す図である。
【図16】本発明を実現するテープ印刷機の略断面図である。
【図17】ラベルの一方が部分的切断部を有する状態で、完全切断部によって分離された2つのラベルの例を示す図である。
【図18】図17の完全切断部および部分切断部を提供する配置構成を概略的に示す図である。
【図19】背景印刷を有するラベルを示す図である。
【図20】テープに背景像を印刷する配置構成を概略的に示す図である。
【図21】打ち抜きラベルに背景像を印刷する配置構成を概略的に示す図である。
【図22】図17のラベルを提供する方法を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
前記テープ上に前記複数の色で像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
少なくとも1つの背景色および少なくとも1つのテキスト色を選択するインターフェースと、を備えるラベル印刷機。
【請求項2】
前記インターフェースがキーボードを備える、請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
印刷機は、使用者が前記像について1つの色を、前記背景には別の1つの色を選択できるようになされている、請求項1または2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記背景がパターン、テキスト、像および無地の色のうち1つを備える、前記請求項のいずれかに記載の印刷機。
【請求項5】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
背景像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
テキスト像を印刷する少なくとも1つの別の印刷ヘッドと、を備えるラベル印刷機。
【請求項6】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
前記テープに像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、
背景が第1色で印刷され、像が第2色で印刷されるようになされている、ラベル印刷機。
【請求項7】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドが複数の印刷要素を有し、前記印刷要素のうち少なくとも幾つかが個別に制御可能であり、前記印刷要素のうち少なくとも幾つかが、共通に制御される少なくとも1つのグループに分割されている、ラベル印刷機。
【請求項8】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドは、前記テープの全幅にわたって印刷できるようになされており、前記印刷ヘッドは、個別に制御可能である複数の印刷要素であって、前記テープ上に像を印刷するように配置構成された印刷ヘッドの部分に対応する印刷要素と、共通に制御される少なくとも1つのグループの印刷要素であって、前記像と前記テープの前記上縁および下縁のうち少なくとも一方との間で前記テープに背景を印刷するように配置構成された印刷ヘッドの部分に対応する印刷要素とを有する、ラベル印刷機。
【請求項9】
テープ印刷装置に使用するテープ供給源であって、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープが、前記直接感熱型像テープの加熱時に前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤および少なくとも1つの現像剤を備える、テープ供給源。
【請求項10】
テープ印刷装置に使用するテープ供給源であって、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープが、前記直接感熱型像テープの加熱時に前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤および少なくとも1つの現像剤を備え、前記テープがさらに、外部保護層を備える、テープ供給源。
【請求項11】
前記保護層がポリオレフィンまたはポリプロピレンを備える、請求項10に記載のテープ供給源。
【請求項12】
前記保護層が、使用時に印刷ヘッドに接触するように配置構成される、請求項10または11に記載のテープ供給源。
【請求項13】
前記保護層が3マイクロメートルと15マイクロメートルの間の厚さを有する、請求項10から12いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項14】
取り外し可能な裏当て層が、前記保護層の反対側に設けられる、請求項10から13いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項15】
前記テープ供給源の一部が切り取られて、ラベルを形成する、請求項10から14いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項16】
前記保護層の頂部表面が摩擦軽減材料で被覆される、請求項10から14いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項17】
前記熱で活性化する着色剤が染料を含む、請求項9から16いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項18】
前記染料がロイコ染料を含む、請求項17に記載のテープ供給源。
【請求項19】
熱で活性化する各着色剤が、色が形成されるときのそれぞれ異なる活性化温度を有し、それによって、使用時に、熱で活性化する着色剤のいずれか1つを個別に活性化して、熱で活性化する他の着色剤を活性化せずに色を生成することができる、請求項9から18いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項20】
前記テープが、熱拡散、化学的溶解、溶融遷移および化学的閾値のうち1つまたは複数によって多色像を生成するような構成である、請求項9から19いずれか1つに記載のテープ供給源。
【請求項21】
前記テープが基質層を備え、印刷層が像形成層を備える、請求項9から20いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項22】
前記像形成層が、固体材料の分散、カプセル化した液体、非晶質材料、固体材料、活性化可能な材料の溶液、および高分子結合剤のうち1つまたは複数を備える、請求項21に記載のテープ供給源。
【請求項23】
前記テープが、温度T1で期間t1だけテープに熱を適用することによって色を生成するために選択的に活性化可能である上部像形成層と、温度T2で期間t2だけテープに熱を適用することによって色を生成するために選択的に活性化可能である下部像形成層とを備え、T1>T2およびt1<t2であり、これによって使用時に上部層または下部層を他方から別個に活性化可能である、請求項9から22いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項24】
前記テープが複数の像形成層を備え、個々の各像形成層が、熱で活性化される、それぞれ異なる着色剤を含む、請求項9から23いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項25】
前記テープが1つまたは複数のスペーサ層を備え、各スペーサ層がそれぞれ前記像形成層の間に配置される、請求項24に記載のテープ供給源。
【請求項26】
前記1つまたは複数のスペーサ層が、熱で不活性な材料、感熱印刷ヘッドで加熱されると相変化する材料、熱溶剤および高分子材料のうち1つまたは複数を備える、請求項25に記載のテープ供給源。
【請求項27】
1つまたは複数のスペーサ層の厚さおよび熱伝導性が、使用時に熱で活性化する着色剤のいずれか1つを個別に活性化して、熱で活性化する他の着色剤を活性化せずに、色を生成できるように選択される、請求項25または26に記載のテープ供給源。
【請求項28】
前記テープが、上部および下部表面を有する基質層と、基質層の上部表面に配置された第1像形成層と、第1像形成層に配置された第1スペーサ層と、前記スペーサ層に配置された第2像形成層とを備える、請求項10から27いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項29】
接着剤層が前記基質層の前記下部表面に配置され、基層が前記接着剤層に配置され、前記基層が、前記テープを表面に取り付けるために前記接着剤層を露出させるように取り外し可能である、請求項28に記載のテープ供給源。
【請求項30】
第2スペーサ層が前記第2像形成層に配置され、第3像形成が前記第2スペーサ層に配置される、請求項28または29に記載のテープ供給源。
【請求項31】
前記テープが複数の現像剤を備え、各現像剤がそれぞれ異なる活性化温度を有する、請求項9から30いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項32】
各現像剤が前記テープの異なる像形成層に配置される、請求項31に記載のテープ供給源。
【請求項33】
テープ印刷装置に使用するテープカセットであって、請求項9から32いずれかに記載の直接感熱型像テープの供給材料を収容する本体を備えるテープカセット。
【請求項34】
前記カセットが、前記カセットに収容される直接感熱型像テープのタイプを表示する表示手段を備える、請求項33に記載のテープカセット。
【請求項35】
前記表示手段が、前記直接感熱型像受け取りテープから入手可能な色に関する情報を提供するようになされている、請求項33に記載のテープカセット。
【請求項36】
テープの供給材料を受け取るテープ供給源受け取り部分と、テープに像を印刷する複数の印刷要素を備える印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを通過するテープを駆動する駆動手段と、前記複数の印刷要素を制御する制御手段とを備えるテープ印刷機であって、前記制御手段が、直接型熱転写によってテープに多色像を生成するために前記印刷要素を制御するようになされている、テープ印刷機。
【請求項37】
前記制御手段が、直接熱転写によって1回の通過でテープに多色像を生成するようになされている、請求項36に記載のテープ印刷機。
【請求項38】
前記制御手段が、前記テープ印刷機に入力されたデータに従って前記印刷要素を制御するようになされている、請求項36または37に記載のテープ印刷機。
【請求項39】
前記制御手段がプロセッサである、請求項36から38いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項40】
前記制御手段が、各印刷要素の温度を制御するようになされている、請求項36から39いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項41】
前記制御手段が、各印刷要素が加熱される期間を制御するようになされている、請求項36から40いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項42】
前記制御手段が、前記印刷機に入力されるデータに従って各印刷要素の温度および加熱期間を選択するためにアクセス可能である温度、加熱期間および色のデータのうち少なくとも1つを記憶するメモリを備える、請求項36から41いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項43】
前記メモリが、異なるタイプの直接感熱型テープについて温度、加熱期間および色のデータのうち少なくとも1つを記憶する、請求項36から42いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項44】
前記印刷機が、前記印刷機に挿入された直接感熱型テープのタイプを検出する検出手段を備え、前記検出手段が前記制御手段に信号を送信し、それによって前記検出されたテープタイプに対応するデータが選択される、請求項43に記載のテープ印刷機。
【請求項45】
前記テープ印刷機は、熱転写テープ材料が前記テープ印刷機に設置された場合に、これを検出し、それに従って前記テープ印刷機を制御するようになされている、請求項44に記載のテープ印刷機。
【請求項46】
感熱印刷ヘッドを通過する直接感熱型テープを駆動することと、前記印刷ヘッドを制御することとを含み、それによって直接型熱転写によって1回の通過で前記テープ上に多色像を生成する、ラベル印刷方法。
【請求項47】
請求項1から8または36から45いずれかに記載のテープ印刷機と、請求項9から35いずれかに記載のテープ供給源との組み合わせ。
【請求項48】
印刷用ラベル印刷機であって、
像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、それによって1つのラベルの第1背景がその後の第2ラベルの第2背景とは異なり、さらに、
前記第1ラベルと第2ラベルの間で前記第1背景と第2背景とが出会う領域の各側に切断部を提供する切断手段を備えるラベル印刷機。
【請求項49】
少なくとも1つの印刷ヘッドが、前記第1ラベルと第2ラベルの間の前記領域に情報を印刷するようになされている、請求項48に記載の印刷機。
【請求項50】
前記切断部の少なくとも1つが部分的切断部である、請求項48に記載の印刷機。
【請求項51】
前記切断部の少なくとも1つが完全切断部である、請求項48または50に記載の印刷機。
【請求項52】
印刷するために前記ラベルが配置構成された像受け取り媒体を反転させる反転手段を備える、請求項48から51いずれかに記載の印刷機。
【請求項53】
前記反転手段が、前記媒体を前記切断手段から前記少なくとも1つの印刷ヘッドへと反転させるように配置構成される、請求項52に記載の印刷機。
【請求項54】
前記少なくとも1つの印刷ヘッドのうち少なくとも1つが、前記切断手段によって提供された部分的切断部の一方側で、前記像受け取り媒体上の像の印刷を開始し、前記部分的切断部の他方側で印刷を継続するようになされている、請求項48から53いずれかに記載の印刷機。
【請求項55】
前記切断手段が、切断部を提供するようになされており、1つの背景が前記切断部の両側に延在するような位置に前記切断部がある、請求項48から54いずれかに記載の印刷機。
【請求項56】
前記1つの背景が、前記切断部の一方側では比較的小さい距離しか延在しない、請求項55に記載の印刷機。
【請求項57】
少なくとも1つの印刷ヘッドが、前記第1および第2ラベルに異なる色で背景を印刷するようになされている、請求項48から56いずれかに記載の印刷機。
【請求項58】
像を印刷するラベル印刷機であって、
テープ上に、第1ラベルには第1像を、第2ラベルには異なる第2像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記第1ラベルと第2ラベルが隣接し、さらに、
前記第1ラベルと第2ラベルの間で前記第1像と第2像が出会う領域の各側に切断可能な箇所を提供する切断手段を備えるラベル印刷機。
【請求項59】
像を印刷する方法であって、
連続的テープの供給材料に第1ラベルを印刷するステップと、
第2ラベルを印刷するために前記テープを印刷位置へと移動するステップとを含み、最初の印刷が部分的切断部の一方の側にあり、その後の印刷が前記部分的切断部の他方の側にある方法。
【請求項60】
前記像が印刷されたら、前記テープを少なくとも部分的に切断するステップを含み、前記切断部が前記像を通る、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記切断部が背景像を通る、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
ラベルに像を印刷するラベル印刷機であって、
前記ラベルに像を印刷する印刷手段を備え、前記印刷手段が長さを有し、前記長さが前記ラベルの対応する寸法より長く、前記ラベルに背景像を印刷する場合、前記印刷手段が制御されて、少なくともラベルの前記対応する寸法に等しい長さにわたって前記背景像を印刷する、ラベル印刷機。
【請求項63】
前記印刷手段が印刷要素を備え、前記印刷手段が、少なくともラベルの対応する寸法に等しい前記長さにわたって前記像を印刷するのに十分な数の印刷要素を起動することによって、前記背景像を印刷するようになされている、請求項62に記載のラベル印刷機。
【請求項64】
前記背景像が、ラベルの前記対応する寸法より大きい長さにわたって印刷されるようになされている、請求項62または63に記載のラベル印刷機。
【請求項65】
前記印刷機がカラー像を印刷するようになされている、請求項48から58または62から64いずれかに記載の印刷機。
【請求項1】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
前記テープ上に前記複数の色で像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
少なくとも1つの背景色および少なくとも1つのテキスト色を選択するインターフェースと、を備えるラベル印刷機。
【請求項2】
前記インターフェースがキーボードを備える、請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
印刷機は、使用者が前記像について1つの色を、前記背景には別の1つの色を選択できるようになされている、請求項1または2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記背景がパターン、テキスト、像および無地の色のうち1つを備える、前記請求項のいずれかに記載の印刷機。
【請求項5】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
背景像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
テキスト像を印刷する少なくとも1つの別の印刷ヘッドと、を備えるラベル印刷機。
【請求項6】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
前記テープに像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、
背景が第1色で印刷され、像が第2色で印刷されるようになされている、ラベル印刷機。
【請求項7】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドが複数の印刷要素を有し、前記印刷要素のうち少なくとも幾つかが個別に制御可能であり、前記印刷要素のうち少なくとも幾つかが、共通に制御される少なくとも1つのグループに分割されている、ラベル印刷機。
【請求項8】
直接感熱型テープに複数の色で印刷するラベル印刷機であって、
少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドは、前記テープの全幅にわたって印刷できるようになされており、前記印刷ヘッドは、個別に制御可能である複数の印刷要素であって、前記テープ上に像を印刷するように配置構成された印刷ヘッドの部分に対応する印刷要素と、共通に制御される少なくとも1つのグループの印刷要素であって、前記像と前記テープの前記上縁および下縁のうち少なくとも一方との間で前記テープに背景を印刷するように配置構成された印刷ヘッドの部分に対応する印刷要素とを有する、ラベル印刷機。
【請求項9】
テープ印刷装置に使用するテープ供給源であって、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープが、前記直接感熱型像テープの加熱時に前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤および少なくとも1つの現像剤を備える、テープ供給源。
【請求項10】
テープ印刷装置に使用するテープ供給源であって、直接感熱型像テープのロールを備え、前記直接感熱型像テープが、前記直接感熱型像テープの加熱時に前記直接感熱型像テープ上に多色像を生成するために、熱で活性化する複数の着色剤および少なくとも1つの現像剤を備え、前記テープがさらに、外部保護層を備える、テープ供給源。
【請求項11】
前記保護層がポリオレフィンまたはポリプロピレンを備える、請求項10に記載のテープ供給源。
【請求項12】
前記保護層が、使用時に印刷ヘッドに接触するように配置構成される、請求項10または11に記載のテープ供給源。
【請求項13】
前記保護層が3マイクロメートルと15マイクロメートルの間の厚さを有する、請求項10から12いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項14】
取り外し可能な裏当て層が、前記保護層の反対側に設けられる、請求項10から13いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項15】
前記テープ供給源の一部が切り取られて、ラベルを形成する、請求項10から14いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項16】
前記保護層の頂部表面が摩擦軽減材料で被覆される、請求項10から14いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項17】
前記熱で活性化する着色剤が染料を含む、請求項9から16いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項18】
前記染料がロイコ染料を含む、請求項17に記載のテープ供給源。
【請求項19】
熱で活性化する各着色剤が、色が形成されるときのそれぞれ異なる活性化温度を有し、それによって、使用時に、熱で活性化する着色剤のいずれか1つを個別に活性化して、熱で活性化する他の着色剤を活性化せずに色を生成することができる、請求項9から18いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項20】
前記テープが、熱拡散、化学的溶解、溶融遷移および化学的閾値のうち1つまたは複数によって多色像を生成するような構成である、請求項9から19いずれか1つに記載のテープ供給源。
【請求項21】
前記テープが基質層を備え、印刷層が像形成層を備える、請求項9から20いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項22】
前記像形成層が、固体材料の分散、カプセル化した液体、非晶質材料、固体材料、活性化可能な材料の溶液、および高分子結合剤のうち1つまたは複数を備える、請求項21に記載のテープ供給源。
【請求項23】
前記テープが、温度T1で期間t1だけテープに熱を適用することによって色を生成するために選択的に活性化可能である上部像形成層と、温度T2で期間t2だけテープに熱を適用することによって色を生成するために選択的に活性化可能である下部像形成層とを備え、T1>T2およびt1<t2であり、これによって使用時に上部層または下部層を他方から別個に活性化可能である、請求項9から22いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項24】
前記テープが複数の像形成層を備え、個々の各像形成層が、熱で活性化される、それぞれ異なる着色剤を含む、請求項9から23いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項25】
前記テープが1つまたは複数のスペーサ層を備え、各スペーサ層がそれぞれ前記像形成層の間に配置される、請求項24に記載のテープ供給源。
【請求項26】
前記1つまたは複数のスペーサ層が、熱で不活性な材料、感熱印刷ヘッドで加熱されると相変化する材料、熱溶剤および高分子材料のうち1つまたは複数を備える、請求項25に記載のテープ供給源。
【請求項27】
1つまたは複数のスペーサ層の厚さおよび熱伝導性が、使用時に熱で活性化する着色剤のいずれか1つを個別に活性化して、熱で活性化する他の着色剤を活性化せずに、色を生成できるように選択される、請求項25または26に記載のテープ供給源。
【請求項28】
前記テープが、上部および下部表面を有する基質層と、基質層の上部表面に配置された第1像形成層と、第1像形成層に配置された第1スペーサ層と、前記スペーサ層に配置された第2像形成層とを備える、請求項10から27いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項29】
接着剤層が前記基質層の前記下部表面に配置され、基層が前記接着剤層に配置され、前記基層が、前記テープを表面に取り付けるために前記接着剤層を露出させるように取り外し可能である、請求項28に記載のテープ供給源。
【請求項30】
第2スペーサ層が前記第2像形成層に配置され、第3像形成が前記第2スペーサ層に配置される、請求項28または29に記載のテープ供給源。
【請求項31】
前記テープが複数の現像剤を備え、各現像剤がそれぞれ異なる活性化温度を有する、請求項9から30いずれかに記載のテープ供給源。
【請求項32】
各現像剤が前記テープの異なる像形成層に配置される、請求項31に記載のテープ供給源。
【請求項33】
テープ印刷装置に使用するテープカセットであって、請求項9から32いずれかに記載の直接感熱型像テープの供給材料を収容する本体を備えるテープカセット。
【請求項34】
前記カセットが、前記カセットに収容される直接感熱型像テープのタイプを表示する表示手段を備える、請求項33に記載のテープカセット。
【請求項35】
前記表示手段が、前記直接感熱型像受け取りテープから入手可能な色に関する情報を提供するようになされている、請求項33に記載のテープカセット。
【請求項36】
テープの供給材料を受け取るテープ供給源受け取り部分と、テープに像を印刷する複数の印刷要素を備える印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを通過するテープを駆動する駆動手段と、前記複数の印刷要素を制御する制御手段とを備えるテープ印刷機であって、前記制御手段が、直接型熱転写によってテープに多色像を生成するために前記印刷要素を制御するようになされている、テープ印刷機。
【請求項37】
前記制御手段が、直接熱転写によって1回の通過でテープに多色像を生成するようになされている、請求項36に記載のテープ印刷機。
【請求項38】
前記制御手段が、前記テープ印刷機に入力されたデータに従って前記印刷要素を制御するようになされている、請求項36または37に記載のテープ印刷機。
【請求項39】
前記制御手段がプロセッサである、請求項36から38いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項40】
前記制御手段が、各印刷要素の温度を制御するようになされている、請求項36から39いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項41】
前記制御手段が、各印刷要素が加熱される期間を制御するようになされている、請求項36から40いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項42】
前記制御手段が、前記印刷機に入力されるデータに従って各印刷要素の温度および加熱期間を選択するためにアクセス可能である温度、加熱期間および色のデータのうち少なくとも1つを記憶するメモリを備える、請求項36から41いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項43】
前記メモリが、異なるタイプの直接感熱型テープについて温度、加熱期間および色のデータのうち少なくとも1つを記憶する、請求項36から42いずれか1項に記載のテープ印刷機。
【請求項44】
前記印刷機が、前記印刷機に挿入された直接感熱型テープのタイプを検出する検出手段を備え、前記検出手段が前記制御手段に信号を送信し、それによって前記検出されたテープタイプに対応するデータが選択される、請求項43に記載のテープ印刷機。
【請求項45】
前記テープ印刷機は、熱転写テープ材料が前記テープ印刷機に設置された場合に、これを検出し、それに従って前記テープ印刷機を制御するようになされている、請求項44に記載のテープ印刷機。
【請求項46】
感熱印刷ヘッドを通過する直接感熱型テープを駆動することと、前記印刷ヘッドを制御することとを含み、それによって直接型熱転写によって1回の通過で前記テープ上に多色像を生成する、ラベル印刷方法。
【請求項47】
請求項1から8または36から45いずれかに記載のテープ印刷機と、請求項9から35いずれかに記載のテープ供給源との組み合わせ。
【請求項48】
印刷用ラベル印刷機であって、
像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、それによって1つのラベルの第1背景がその後の第2ラベルの第2背景とは異なり、さらに、
前記第1ラベルと第2ラベルの間で前記第1背景と第2背景とが出会う領域の各側に切断部を提供する切断手段を備えるラベル印刷機。
【請求項49】
少なくとも1つの印刷ヘッドが、前記第1ラベルと第2ラベルの間の前記領域に情報を印刷するようになされている、請求項48に記載の印刷機。
【請求項50】
前記切断部の少なくとも1つが部分的切断部である、請求項48に記載の印刷機。
【請求項51】
前記切断部の少なくとも1つが完全切断部である、請求項48または50に記載の印刷機。
【請求項52】
印刷するために前記ラベルが配置構成された像受け取り媒体を反転させる反転手段を備える、請求項48から51いずれかに記載の印刷機。
【請求項53】
前記反転手段が、前記媒体を前記切断手段から前記少なくとも1つの印刷ヘッドへと反転させるように配置構成される、請求項52に記載の印刷機。
【請求項54】
前記少なくとも1つの印刷ヘッドのうち少なくとも1つが、前記切断手段によって提供された部分的切断部の一方側で、前記像受け取り媒体上の像の印刷を開始し、前記部分的切断部の他方側で印刷を継続するようになされている、請求項48から53いずれかに記載の印刷機。
【請求項55】
前記切断手段が、切断部を提供するようになされており、1つの背景が前記切断部の両側に延在するような位置に前記切断部がある、請求項48から54いずれかに記載の印刷機。
【請求項56】
前記1つの背景が、前記切断部の一方側では比較的小さい距離しか延在しない、請求項55に記載の印刷機。
【請求項57】
少なくとも1つの印刷ヘッドが、前記第1および第2ラベルに異なる色で背景を印刷するようになされている、請求項48から56いずれかに記載の印刷機。
【請求項58】
像を印刷するラベル印刷機であって、
テープ上に、第1ラベルには第1像を、第2ラベルには異なる第2像を印刷する少なくとも1つの印刷ヘッドを備え、前記第1ラベルと第2ラベルが隣接し、さらに、
前記第1ラベルと第2ラベルの間で前記第1像と第2像が出会う領域の各側に切断可能な箇所を提供する切断手段を備えるラベル印刷機。
【請求項59】
像を印刷する方法であって、
連続的テープの供給材料に第1ラベルを印刷するステップと、
第2ラベルを印刷するために前記テープを印刷位置へと移動するステップとを含み、最初の印刷が部分的切断部の一方の側にあり、その後の印刷が前記部分的切断部の他方の側にある方法。
【請求項60】
前記像が印刷されたら、前記テープを少なくとも部分的に切断するステップを含み、前記切断部が前記像を通る、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記切断部が背景像を通る、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
ラベルに像を印刷するラベル印刷機であって、
前記ラベルに像を印刷する印刷手段を備え、前記印刷手段が長さを有し、前記長さが前記ラベルの対応する寸法より長く、前記ラベルに背景像を印刷する場合、前記印刷手段が制御されて、少なくともラベルの前記対応する寸法に等しい長さにわたって前記背景像を印刷する、ラベル印刷機。
【請求項63】
前記印刷手段が印刷要素を備え、前記印刷手段が、少なくともラベルの対応する寸法に等しい前記長さにわたって前記像を印刷するのに十分な数の印刷要素を起動することによって、前記背景像を印刷するようになされている、請求項62に記載のラベル印刷機。
【請求項64】
前記背景像が、ラベルの前記対応する寸法より大きい長さにわたって印刷されるようになされている、請求項62または63に記載のラベル印刷機。
【請求項65】
前記印刷機がカラー像を印刷するようになされている、請求項48から58または62から64いずれかに記載の印刷機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2007−527801(P2007−527801A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516609(P2006−516609)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002496
【国際公開番号】WO2005/000586
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505438937)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002496
【国際公開番号】WO2005/000586
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505438937)
【Fターム(参考)】
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