説明

ディスクブレーキ

【課題】エア抜き性を向上させることができるディスクブレーキの提供。
【解決手段】一対のパッドと、ピストンをシリンダ18に摺動可能に嵌合させピストンの摺動によって一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、カムロッドの突出量を変化させるカム機構と、シリンダ内に配置され、カム機構のカムロッドで押圧されて移動するプッシュロッド45と、シリンダ18内に配置され、プッシュロッド45の一端側に螺合されるとともにピストンに当接しピストンをシリンダ18に対し強制的に摺動させるクラッチ部材とを備え、プッシュロッド45に形成され半径方向外側に突出した凸部120と、シリンダ18の内周面に形成され凸部120が摺動可能に当接する軸溝121とが設けられ、凸部120の頂点と軸溝121の底部との間に隙間が形成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
パーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキには、ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、ピストンを有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともにピストンの摺動によって一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、カムロッドの突出量を変化させるカム機構と、シリンダ内に配置され、カム機構のカムロッドで押圧されて移動するプッシュロッドと、シリンダ内に配置され、プッシュロッドに螺合されるとともにピストンに当接し、プッシュロッドで押圧されてピストンをシリンダに対し強制的に摺動させるクラッチ部材と、シリンダ内に配置され、プッシュロッドをカム機構の方向に付勢するプッシュロッド付勢部材と、シリンダ内に配置され、プッシュロッド付勢部材をプッシュロッドとの間で保持するスプリングカバーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−153227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、エア抜き性を向上させることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、ピストンを有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、回転駆動されることでカムロッドの突出量を変化させるカム機構と、前記シリンダ内に配置され、前記カム機構の前記カムロッドで押圧されて移動するプッシュロッドと、前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの一端側に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを前記シリンダに対し強制的に摺動させるクラッチ部材と、を備えたディスクブレーキにおいて、前記プッシュロッドに形成され半径方向外側に突出した凸部と、前記シリンダの内周面に形成され前記凸部が摺動可能に当接する軸溝とが設けられ、前記凸部の頂点と前記軸溝の底部との間に隙間が形成されてなることを特徴としている。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記凸部の頂点には、切欠部が形成されていることを特徴としている。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記凸部と前記軸溝とは、円弧状に形成されるとともに、前記凸部よりも前記軸溝の方が大径に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブレーキ液の充填時に隙間からエアが抜けるため、エア抜き性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1参考技術のディスクブレーキを図1〜図4を参照して以下に説明する。
【0009】
第1参考技術のディスクブレーキは、図1に示すように、車両の非回転部に固定されるキャリア11と、このキャリア11にディスク12を介して両側に配設された状態で摺動可能に支持される一対のパッド13と、キャリア11にディスク12の軸線方向に沿って摺動自在となるよう支持されて一対のパッド13を両側から挟持するキャリパ14とで主に構成されている。
【0010】
キャリパ14は、一方のパッド13のディスク12に対し反対側に開口部17を対向させる有底筒状のシリンダ18と、このシリンダ18の半径方向における一側からディスク12の外周部を跨いで延出するディスクパス部19と、このディスクパス部19のシリンダ18に対し反対側から他方のパッド13のディスク12に対し反対側に対向するように延出する爪部20とを有するキャリパ本体21を有している。
【0011】
また、キャリパ14は、有底筒状に形成されて底部24側をパッド13側に向けてキャリパ本体21のシリンダ18のボア25に摺動自在に嵌合されるピストン26と、ピストン26とシリンダ18のボア25を形成する内周面28との隙間をシールするリング状のピストンシール27とを有している。なお、ピストンシール27はシリンダ18に保持されている。
【0012】
キャリパ14は、シリンダ18とピストン26との間に導入されるブレーキ液圧によって、ピストン26をパッド13の方向に突出させることによって、このピストン26と爪部20とで一対のパッド13を両側から把持することによりディスク12に接触させるものである。
【0013】
上記のように、ピストン26は、ブレーキペダルへの踏み込み操作による通常制動時には、図示せぬマスタシリンダからシリンダ18内に導入されるブレーキ液圧でシリンダ18から爪部20の方向に突出させられることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるものであるが、シリンダ18内には、ピストン26をこのようなブレーキ液圧ではなく機械的に突出させることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるパーキングブレーキ機構30が設けられている。
【0014】
パーキングブレーキ機構30は、カム機構32を有している。
シリンダ18の底部33には、底面34から離間してこのシリンダ18の軸線方向に対し直交方向にカム穴35が形成されており、また、底面34の中央位置からカム穴35まで軸線上において貫通する底部穴36が形成されていて、これらカム穴35および底部穴36にカム機構32が設けられている。
【0015】
このカム機構32は、カム穴35にベアリング38を介して回転可能に挿入された略円柱状のカム本体39を有している。カム本体39には、半径方向の外周面から中心方向に向けて略V字状に凹むカム凹部40が形成されている。このカム凹部40は、最も凹んだ位置をカム本体39の中心軸線に対しオフセットさせている。
【0016】
カム機構32は、カム凹部40に一端側が挿入されるとともに他端側が底部穴36側に配置されるカムロッド42を有しており、このカムロッド42は、シリンダ18の軸線に直交する方向に沿う軸線回りにカム本体39が回転駆動されるとカム凹部40の形状によってカム本体39からの突出量を変化させる。なお、カム本体39は、図示せぬパーキングブレーキレバーの手動操作等により回転する。
【0017】
また、シリンダ18内には、カム機構32のカムロッド42で押圧されてシリンダ18の軸線方向に移動するプッシュロッド44が設けられている。
【0018】
図2に示すように、プッシュロッド44は、前進時前側すなわちピストン26側の前部分割体45と、前進時後側すなわちシリンダ底部33側の後部分割体46とに二分割されている。
【0019】
プッシュロッド44の後部分割体46は、軸部48とこの軸部48の一端側に設けられるこの軸部48よりも大径の大径部49とを有しており、大径部49の軸部48に対し反対側の端部には、軸線方向に沿って凸状をなす凸状球面部50が形成されている。この凸状球面部50は、後部分割体46の中心軸線上に中心を配する球面状をなしている。大径部49のこの凸状球面部50よりも半径方向外側の環状の外側端面部51は、後部分割体46の中心軸線に直交する方向に沿っている。また、軸線方向における軸部48の大径部49に対し反対側には軸線方向に凹む当接凹部52が形成されている。
【0020】
この後部分割体46は、軸部48が底部穴36に嵌合させられた状態で、当接凹部52に上記カム機構32のカムロッド42の先端側を収納する。なお、軸部48とシリンダ18の底部穴36との間には、これらの隙間をシールするリング状のプッシュロッドシール57が設けられている。このプッシュロッドシール57は、後部分割体46の軸部48に保持されている。
【0021】
プッシュロッド44の前部分割体45は、半径方向における外周面にオネジ60が形成された軸部61とこの軸部61の一端側に設けられるこの軸部61よりも大径の大径部62とを有する形状をなしている。
【0022】
大径部62の外径側には、軸部61に対し反対側に突出した後、半径方向外側に突出する形状の回止突起部63が、図3に示すように、複数具体的には二カ所、円周方向における位置を互いに180度異ならせて形成されている。また、大径部62の外径側には、軸部61に対し反対側に突出する形状の規制突起部64が複数具体的には二カ所、円周方向における位置を、互いに180度異ならせかつ上記回止突起部63に対して90度異ならせて形成されている。ここで、各回止突起部63には、図3に示すように、外周面から半径方向内方に凹む回止凹部(回止部)65がそれぞれ形成されている。
【0023】
図2に示すように、大径部62の軸部61に対し反対側には、回止突起部63および規制突起部64の内側に、軸線方向に沿って凹状をなす凹状球面部67が形成されている。この凹状球面部67は、前部分割体45の中心軸線上に中心を配した球面形状をなしており、上記凸状球面部50よりも大径とされている。大径部62のこの凹状球面部67よりも半径方向外側の環状の外側端面部68は、前部分割体45の中心軸線に直交する方向に沿っている。
【0024】
ここで、前部分割体45の各回止突起部63および各規制突起部64の前部分割体45における軸心側の各内面は、この軸心を中心とする同一円上に配置されており、この円の外径は、後部分割体46の大径部49の外径より若干大径となっている。
【0025】
そして、回止突起部63および規制突起部64の内側に大径部49を挿入させつつ後部分割体46が前部分割体45の凹状球面部67にその凸状球面部50を当接させる。このとき、前部分割体45および後部分割体46が同軸配置された状態で、凸状球面部50より外側の外側端面部51と凹状球面部67より外側の外側端面部68との間には若干の隙間が形成される。なお、凸状球面部50および外側端面部51で後部分割体46の対向面70が構成されるとともに、凹状球面部67および外側端面部68とで前部分割体45の対向面71が構成され、これら対向面70,71同士が互いに対向する。第1参考技術においては、凸状球面部50の曲率半径よりも凹状球面部67の曲率半径の方が若干大きくなっている。
【0026】
以上により、前部分割体45の凹状球面部67に対し後部分割体46の凸状球面部50が前部分割体45の軸心側具体的には軸心位置で当接し、しかも、この軸心に対し揺動可能となる。また、互いに対向する前部分割体45の対向面71および後部分割体46の対向面70には、対向面71に凹状球面部67が対向面70に凸状球面部50が形成されることになる。そして、前部分割体45の対向面71と後部分割体46の対向面70とが凹凸形状をなすことになる。
【0027】
ここで、シリンダ18の内周面28は、開口部17側の大径内周面73と、これより小径の底部33側の小径内周面74とを有しており、また、小径内周面74には、その軸線方向に沿いかつ小径内周面74よりも外径側に半円状をなして凹む挿入凹部72が複数具体的には二カ所、円周方向における位置を互いに180度異ならせて形成されている。シリンダ18の底部33の小径内周面74側には、軸線方向に沿う嵌合穴76が、複数具体的には二カ所、円周方向における位置を挿入凹部72に合わせて各挿入凹部72と同軸に所定深さ形成されている。そして、これら嵌合穴76には、ガイドピン77が、所定量底面34から突出する状態に圧入されている。なお、挿入凹部72は嵌合穴76より大径とされ、その結果、これらガイドピン77は、シリンダ18の内周面28を一部構成する挿入凹部72との間に隙間78を有して配置されている。また、これらガイドピン77は、大径内周面73と小径内周面74との間にあってシリンダ18の軸線に直交する方向に沿うシリンダ段部79と同じ高さとなるように圧入される。つまり、シリンダ段部79がガイドピン77の圧入時の高さの基準とされている。
【0028】
そして、後部分割体46の軸部48がシリンダ18の底部穴36に嵌合させられるとともに、この後部分割体46に前部分割体45が上記のように当接状態となるとき、前部分割体45の各回止凹部65がそれぞれ対応するガイドピン77に係合することになる。これにより、前部分割体45はその回止凹部65において、シリンダ18に設けられるガイドピン77により軸回りの回転が規制され(つまりシリンダ18に対して回転不可能)かつシリンダ18の軸線方向に摺動可能に案内される。つまり、前部分割体45はシリンダ18に対し軸回りの回転が規制された状態で後部分割体46に対し軸線方向に離間および近接可能となる。ここで、前部分割体45の回止凹部65は、前部分割体45の軸直交方向の断面が、図4に示すように、長穴の一方の半円を切り欠いた形状をなしており、ガイドピン77との間に前部分割体45の径方向における隙間80を有している。
【0029】
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてプッシュロッド44の前部分割体45の軸部61のオネジ60に、内径側に形成されたメネジ81で螺合される略円筒状のクラッチ部材82を有している。
【0030】
ここで、ピストン26の内周面83は、底部24側が小径の小径内周面84とされるとともに、小径内周面84よりも開口側がこれより大径の大径内周面85とされており、これら小径内周面84および大径内周面84の間にはテーパ内周面86が形成されている。また、テーパ内周面86には、ピストン26の軸線方向に延びる溝87が形成されている。
【0031】
クラッチ部材82は、先端側がピストン26の小径内周面84に嵌合する嵌合部90とされており、この嵌合部90と隣り合ってテーパ内周面86に当接するテーパ部91が形成されている。
【0032】
ここで、カム機構32のカム本体39を回転運動させることにより、カムロッド42の突出量を小から大へ変化させると、プッシュロッド44の後部分割体46および前部分割体45とクラッチ部材82とが軸線方向に直線運動し、クラッチ部材82がテーパ部91においてピストン26のテーパ内周面86に当接してこのピストン26をシリンダ18に対しパッド13側に摺動させる。
【0033】
なお、プッシュロッド44の前部分割体45のオネジ60とクラッチ部材82のメネジ81とは、螺合部93を構成しており、この螺合部93には、前部分割体45とクラッチ部材82との間に互いに回転せずに所定量軸方向に移動可能なクリアランスを有している。
【0034】
また、ピストン26の底部24側には、図1に示すように、クラッチ部材82との隙間を大気開放させるための大気開放穴94が形成されている。
【0035】
加えて、クラッチ部材82の嵌合部90とピストン26の小径内周面84との間には、これらの隙間をシールするリング状のクラッチ部材シール95が設けられている。このクラッチ部材シール95は、クラッチ部材82の嵌合部90に保持されている。
【0036】
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてクラッチ部材82とプッシュロッド44の前部分割体45との位置調整を行うクラッチ押圧部97を有している。
【0037】
このクラッチ押圧部97は、ピストン26の大径内周面85に形成された係合溝98に係合される止め輪99によってピストン26とクラッチ部材82との間に支持されてクラッチ部材82をディスク12の方向へ付勢するもので、ピストン26がシリンダ18内に導入されたブレーキ液圧によって軸方向に移動する際には、実質的には停止状態にあるプッシュロッド44に対し、このクラッチ押圧部97の付勢力によってクラッチ部材82を回転させながらピストン26に追従させて軸方向に移動させる。
【0038】
また、クラッチ押圧部97は、プッシュロッド44の前部分割体45が軸線方向に直線運動する際には、クラッチ部材82を前部分割体45に対し回転させることがなく、その結果、オネジ60とメネジ81とからなる螺合部93によってクラッチ部材82をプッシュロッド44と一体に直線運動させる。
【0039】
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内において、クラッチ部材82の一部とプッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46の一部とを覆うように設けられたスプリングカバー101と、プッシュロッド44の前部分割体45の大径部62とスプリングカバー101のピストン26側との間に介装されたプッシュロッド付勢スプリング(プッシュロッド付勢部材)102とを有している。
【0040】
スプリングカバー101は、内側にクラッチ部材82を挿入させるリング状部104と、このリング状部104の外径側から軸線方向一側に延出する円筒状部105と、円筒状部105のリング状部104に対し反対側から半径方向外側に切り起こされた複数の係止片部106と、円筒状部105のリング状部104に対し反対側からさらに軸線方向一側に延出する複数の延出片部107とを有している。
【0041】
そして、スプリングカバー101は、各延出片部107が、プッシュロッド44の前部分割体45の大径部62の外周面の外側を通り、先端部が半径方向内方に折り曲げられることになり、この折り曲げ後の折曲部108が後部分割体46の大径部49の軸部48側に係止される。
【0042】
この状態で、プッシュロッド付勢スプリング102は、スプリングカバー101のリング状部104とプッシュロッド44の前部分割体45の大径部62との間に介装されることになり、言い換えれば、スプリングカバー101は、プッシュロッド付勢スプリング102をプッシュロッド44の前部分割体45との間で保持することになる。
【0043】
そして、パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18に組み付けられる前段階で、プッシュロッド44の前部分割体45と、プッシュロッド44の後部分割体46と、プッシュロッド付勢スプリング102と、スプリングカバー101とが一つの組立体のカートリッジ111とされている。
【0044】
すなわち、例えば、折曲部108が形成される前の状態のスプリングカバー101のリング状部104に当接するようにプッシュロッド付勢スプリング102を挿入し、プッシュロッド44の前部分割体45を、その軸部61側をプッシュロッド付勢スプリング102の内側に挿入して回止突起部63を延出片部107の間に通しつつプッシュロッド付勢スプリング102に当接させる。
【0045】
そして、プッシュロッド44の後部分割体46を、その凸状球面部50を前部分割体45の凹状球面部67に当接させるように配置する。
【0046】
次に、スプリングカバー101のすべての延出片部107の先端部を後部分割体46の大径部49の前部分割体45に対し反対側において半径方向内方に折り曲げて折曲部108を形成して、後部分割体46のスプリングカバー101からの抜けを規制する。
【0047】
以上により、プッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46と、プッシュロッド付勢スプリング102と、スプリングカバー101とが一つの組立体のカートリッジ111となる。このとき、前部分割体45の対向面71および後部分割体46の対向面70はカートリッジ111に内包される。なお、プッシュロッドシール57については、カートリッジ111の組み立て前および組み立て後のいずれに取り付けても良い。
【0048】
シリンダ18の大径内周面73の小径内周面74側には、プッシュロッド44のプッシュロッド付勢スプリング102との当接面112よりもシリンダ18の開口部17側となる位置に係止段部113が形成されている。この係止段部113は、シリンダ18の大径内周面73に形成された環状の係合溝114と、この係合溝114に係合するC字状の止め輪115とで構成されている。
【0049】
そして、この係止段部113とシリンダ段部79との間に、スプリングカバー101の係止片部106が配置され、これにより、スプリングカバー101のシリンダ18に対する軸方向移動が規制される。
【0050】
以上のディスクブレーキのキャリパ14を組み立てる場合には、キャリパ本体21のカム穴35にベアリング38およびカム本体39を挿入し、カム凹部40を底部穴36側に向け、この状態で、カムロッド42をキャリパ本体21のシリンダ18に開口部17側から挿入しさらに底部穴36を介してカム凹部40に挿入する。
【0051】
次に、上記のように予め組み立てられたカートリッジ111を、プッシュロッドシール57を付けた状態で開口部17側からシリンダ18内に挿入し、そのプッシュロッド44の後部分割体46の軸部48を底部33の底部穴36に嵌合させつつこの軸部48の当接凹部52にカムロッド42を挿入させ、さらに、シリンダ18の底部33のガイドピン77に回止凹部65を嵌合させて、最終的に係止片部106を係合溝114よりもシリンダ段部79側に位置させる。
【0052】
そして、シリンダ18内にC字状の止め輪115を挿入し、この止め輪115をシリンダ18の係合溝114に係合させる。すると、止め輪115がカートリッジ111のスプリングカバー101の係止片部106を係止して、カートリッジ111の抜けを規制する。このようにカートリッジ111がシリンダ18内に係止された状態においては、シリンダ18の底面34とスプリングカバー101の折曲部108との間に隙間aが、該折曲部108と前部分割体45の規制突起部64との間に隙間bが、また、スプリングカバー101の係止片部106とシリンダ段部79との間に隙間cが形成されるようになっている。隙間aと隙間cとは隙間aの方が大きくなるように設定されており、これによりシリンダ18へのカートリッジ111の組付けを確実に行うことができる。また、隙間bが存在することにより、駐車ブレーキの応答性が向上するようになっている。
【0053】
一方で、クラッチ部材シール95が装着されたクラッチ部材82をピストン26に嵌合させるとともに、クラッチ押圧部97を止め輪99でピストン26に係止させることで、ピストン26、クラッチ部材82およびクラッチ押圧部97を別の組立体としておき、この組立体を、シリンダ18に嵌合させつつそのクラッチ部材82をプッシュロッド44に螺合させることで、キャリパ14が組み立てられる。
【0054】
なお、このように組み立てられた状態で、前部分割体45および後部分割体46のシリンダ18の軸線方向における当接位置つまり凸状球面部50の先端位置が、シリンダ18に設けられるガイドピン77で摺動可能に案内される回止凹部65の全体よりもシリンダ18の開口部17側に配置されている。
【0055】
以上のような構成のディスクブレーキでは、図示せぬパーキングブレーキレバーが操作されることによりカム機構32のカム本体39が回動させられると、カム機構32のカムロッド42が突出量を増やし、プッシュロッド44の後部分割体46をディスク12の方向に移動させる。すると、後部分割体46に当接する前部分割体45がディスク12の方向に移動し、これと一体にクラッチ部材82が移動して、ピストン26をディスク12の方向に移動させて、機械的に一対のパッド13をディスク12に押し付ける。
【0056】
他方、通常のブレーキペダルによるブレーキ操作でブレーキ液圧がシリンダ18とピストン26との間に導入されると、ピストン26にはピストンシール27による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになるが、クラッチ部材82にもクラッチ部材シール95による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生し、初期においてはプッシュロッド44の前部分割体45との螺合部74における螺合のクリアランス分回転せずに軸線方向に移動してピストン26を押すことになる。
【0057】
そして、さらにブレーキ液圧がシリンダ18内に導入されて、所定液圧以上になると、クラッチ部材82へ作用する液圧でクラッチ部材82がピストン26に押し付けられることになり、ピストン26に液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになって、クラッチ部材82にも液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになる。
【0058】
このとき、一方で、プッシュロッド44の後部分割体46にも、プッシュロッドシール57による受圧面積に対し液圧が作用して、ディスク12に対し反対方向への推進力が発生することになるが、プッシュロッド44が、上記のように前部分割体45と後部分割体46とに二分割されていることから、後部分割体46のディスク12に対し反対方向の推進力を、前部分割体45に生じるディスク12の方向への推進力から分離できる。
【0059】
以上により、第1参考技術のディスクブレーキにおいては、高液圧時のピストン出力の損失を防止することができる。その結果、ピストン径の増大を抑制できてディスクブレーキの小型化を図ることができる。
【0060】
また、プッシュロッド44の分割された前部分割体45と後部分割体46とが前部分割体45の軸心側で該軸心に対し揺動可能に当接するため、カム機構32のカムロッド42から後部分割体46がシリンダ軸線に対し斜めに押圧され、後部分割体46がシリンダ軸線に対し斜めになっても、前部分割体45はシリンダ軸線に対し斜めになることがなく、よって、その移動を阻害されることがない。したがって、良好な応答性を確保できる。
【0061】
さらに、互いに対向する前部分割体45の対向面71に凹状球面部67を有し、後部分割体46の対向面70に凸状球面部50を有するため、確実に前部分割体45と後部分割体46とを前部分割体45の軸心側で揺動可能に当接させることができる。なお、前部分割体45の対向面71と後部分割体46の対向面70とのうちの少なくともいずれか一方に球面を有するようにすれば良い。
【0062】
加えて、前部分割体45の対向面71と後部分割体46の対向面70とが凹凸形状をなすため、前部分割体45に対し後部分割体46が揺動しても、揺動による前部分割体45のシリンダ軸線方向における移動量を最小限に抑えることができる。したがって、揺動による影響を最小限に抑えることができる。
【0063】
また、前部分割体45および後部分割体46のシリンダ18の軸線方向における当接位置つまり凸状球面部50の先端位置が、シリンダ18に設けられるガイドピン77で摺動可能に案内される回止凹部65の全体よりもシリンダ18の開口部17側に配置されているため、後部分割体46から前部分割体45への入力時に回止凹部65には引っ張る力が加わることになり、その結果、回止凹部65の摺動が円滑になる。したがって、さらに良好な応答性を確保できる。なお、凸状球面部50の先端位置は、回止凹部65のシリンダ軸線方向における底部側端部よりもシリンダ18の開口部17側に配置されていれば良く、上記の効果を奏することができる。
【0064】
加えて、シリンダ18の底部24に設けられた嵌合穴76にガイドピン77を圧入してプッシュロッド44の回止凹部65の回り止めを図るため、例えばキープレートをシリンダの底部にスナップリングで固定するような工数の係る回り止めが不要となる。したがって、製造効率を向上させることができる。
【0065】
さらに、ガイドピン77がシリンダ18の小径内周面74との間に隙間78を有するため、ブレーキ液を充填する際にガイドピン77とシリンダ18との間にエアが溜まることを防止できる。したがって、ブレーキ液を充填する際のエア抜き性を向上させることができる。
【0066】
また、回止凹部65とガイドピン77との間に前部分割体45の径方向における隙間80を有するため、ブレーキ液を充填する際に回止凹部65とガイドピン77との間にエアが溜まることを防止できる。したがって、この点からもブレーキ液を充填する際のエア抜き性を向上させることができる。しかも、回止凹部65とガイドピン77との間に隙間80が設けられていることでこれらの間でコジリが生じることを防止できる。したがって、プッシュロッド44の良好な摺動性能を確保できる。
【0067】
プッシュロッド44を前部分割体45と後部分割体46とに分割することで、そのままでは、例えばキャリパ14のシリンダ18に後部分割体46を挿入した後に、位置を合わせながらさらに前部分割体45を挿入し、位置を合わせながらプッシュロッド付勢スプリング102を挿入する等の非常に煩雑な作業が必要となってしまうことになるが、これら前部分割体45および後部分割体46をキャリパ14の外で、プッシュロッド付勢スプリング102およびスプリングカバー101と合わせて一つの組立体のカートリッジ111とすることで、このカートリッジ111をシリンダ18に挿入すれば済むことになり、上記した煩雑な作業が不要となる。したがって、組立工数の増大を抑制することができる。
【0068】
なお、第1参考技術においては、回止凹部65とガイドピン77とによりプッシュロッド44の回り止めを行ったが、この構成に限ることなく、第2参考技術のように、前部分割体45に円弧状突起を設け、シリンダ18の内周面に該円弧状突起を摺動可能に係合させる軸溝を設けてプッシュロッド44の回り止めを行っても良い。
【0069】
第2参考技術のディスクブレーキを図5および図6を参照し、本発明の第1実施形態〜第4実施形態を図7〜10を参照して、第1参考技術との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1参考技術と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0070】
第2参考技術において、プッシュロッド44の前部分割体45には、第1参考技術と同様、大径部62の外径側に、図5に示すように軸部61に対し反対側に突出した後、半径方向外側に突出する形状の回止突起部63が、図6に示すように複数具体的には二カ所、円周方向における位置を互いに180度異ならせて形成されている。そして、各回止突起部63に、回止凹部65に換えて、外周面から半径方向外方に半円状に突出する回止凸部(回止部)120がそれぞれ形成されている。ここで、回止凸部120は、前部分割体45の軸線に対し直交する線上に中心を有する円弧状をなしている。
【0071】
また、シリンダ18の小径内周面74に、挿入凹部72、嵌合穴76およびガイドピン77に換えて、その軸線方向に沿いかつ小径内周面74よりも外径側に円弧状をなして凹んでシリンダ18の軸線方向に延びる回止軸溝121が複数具体的には二カ所、円周方向における位置を互いに180度異ならせて形成されている。ここで、この回止軸溝121は、シリンダ18の軸線に対し直交する線上に中心を有する半円状をなしており、回止凸部120より大径とされている。
【0072】
そして、後部分割体46の軸部48がシリンダ18の底部穴36に嵌合させられるとともに、この後部分割体46に前部分割体45が上記のように当接状態となるとき、前部分割体45の各回止凸部120がそれぞれ対応する回止軸溝121に係合することになる。これにより、前部分割体45は、シリンダ18に対する軸回りの回転が規制されかつシリンダ18に対し軸線方向に摺動可能に案内されることになり、第1参考技術と同様に、シリンダ18に対し軸回りの回転が規制された状態で後部分割体46に対し軸線方向に離間および近接可能となる。
【0073】
なお、第2参考技術において、ブレーキ液を充填する際に回止凸部120と回止軸溝121との隙間のエア抜き性を向上させることを目的として、図7に示す本発明の第1実施形態のように、回止凸部120の半径方向外側の外端部に円弧状に凹む切欠部123を軸線方向の全長にわたって形成することも可能である。この切欠部123は、前部分割体45の中心および回止凸部120の中心を通る線上に中心を有する円弧状をなしている。このように切欠部123を形成することで回止凸部120と回止軸溝121との間に十分な隙間124を形成できるため、ブレーキ液を充填する際に回止凸部120とシリンダ18との間にエアが溜まることを防止できる。
【0074】
同様の目的で、図8に示す本発明の第2実施形態のように、回止凸部120を、プッシュロッド44の中心に直交する線に対し両側に中心を有する二つの小径円弧状部126,127を軸線方向の全長にわたって形成した形状としても良い。このようにしても、回止凸部120と回止軸溝121との間に十分な隙間124を形成できるため、ブレーキ液を充填する際に回止凸部120とシリンダ18との間にエアが溜まることを防止できる。
【0075】
同様の目的で、図9に示す本発明の第3実施形態のように、回止凸部120と回止軸溝121とを半円状とするとともに、回止凸部120よりも回止軸溝121の方を大幅に大径にして回止凸部120を回止軸溝121に対し偏心状態で当接させても良い。このようにしても、回止突起120と回止軸溝121との間に十分な隙間124を形成できるため、ブレーキ液を充填する際に回止凸部120とシリンダ18との間にエアが溜まることを防止できる。
【0076】
同様の目的で、図10に示す本発明の第4実施形態のように、回止凸部120と回止軸溝121とを半円よりも大きい円弧状とするとともに、回止凸部120よりも回止軸溝121の方を大径にして回止凸部120を回止軸溝121に対し偏心状態で当接させても良い。このようにしても、回止凸部120と回止軸溝121との間に十分な隙間124を形成できるため、ブレーキ液を充填する際に回止凸部120とシリンダ18との間にエアが溜まることを防止できる。この場合、回止凸部120と回止軸溝121との接触位置130がシリンダ18の小径内周面74と回止軸溝121との境界位置131よりもシリンダ18の半径方向外側に位置することになる。
【0077】
本発明の第3参考技術のディスクブレーキを図11〜図15を参照して第2参考技術との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第2参考技術と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0078】
第3参考技術においては、図11に示すように、スプリングカバー101の各延出片部107の先端から半径方向内方側に折り曲げられた折曲部108の折り曲げ長さが短くされており、その代わりに折曲部108との係止のために後部分割体46の大径部49に半径方向外方に延出する係止部133が形成されている。
【0079】
また、第3参考技術においては、図12〜図14に示すように一つの組立体のカートリッジ111とされた状態で、スプリングカバー101の隣り合う延出片部107同士の間に、回止突起部63が、図14に示すように、カートリッジ111の軸線方向において常にその厚さの1/3以上の長さで嵌合するように延出片部107の長さが設定されている。その結果、スプリングカバー101は常にプッシュロッド44に対する回転が規制された状態となる。
【0080】
加えて、第3参考技術においては、図12〜図14に示すように延出片部107の先端部の円周方向における中央部に上記した折曲部108が形成されており、この折曲部108のカートリッジ111の軸線方向における先端面108aは、折曲部108の円周方向における両側の基準部135の先端面135aと、カートリッジ111の軸線方向における位置が一致している。つまり、折曲部108は、図15に二点鎖線で示す折り曲げ前の状態から、円周方向両側の基準部135の先端面135aを基準として、これと面一となるように折り曲げられて形成されることになり、例えば、図示略の折曲治具を基準部135の先端面135aに当接させた状態とすればこの折曲治具による正確な折曲加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1参考技術のディスクブレーキを示す断面図である。
【図2】本発明の第1参考技術のディスクブレーキの要部の図3に示すB−B線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第1参考技術のディスクブレーキの図2に示すA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1参考技術のディスクブレーキのガイドピンおよび回止凹部を示す部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第2参考技術のディスクブレーキの要部の図6に示すD−D線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第2参考技術のディスクブレーキの図5に示すC−C線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態のディスクブレーキの回止凸部および回止軸溝を示す部分拡大断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のディスクブレーキの回止凸部および回止軸溝を示す部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態のディスクブレーキの回止凸部および回止軸溝を示す部分拡大断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態のディスクブレーキの回止凸部および回止軸溝を示す部分拡大断面図である。
【図11】本発明の第3参考技術のディスクブレーキを示す断面図である。
【図12】本発明の第3参考技術のディスクブレーキにおけるカートリッジを示す後部分割体側から軸線方向に見た図である。
【図13】本発明の第3参考技術のディスクブレーキにおけるカートリッジを示す図12におけるE方向から見た側面図である。
【図14】本発明の第3参考技術のディスクブレーキにおけるカートリッジを示す図12におけるF方向から見た正面図である。
【図15】本発明の第3参考技術のディスクブレーキにおけるスプリングカバーを示す部分拡大側面図である。
【符号の説明】
【0082】
12 ディスク
13 パッド
14 キャリパ
17 開口部
18 シリンダ
24 底部
26 ピストン
32 カム機構
42 カムロッド
44 プッシュロッド
45 前部分割体
46 後部分割体
50 凸状球面部(球面)
65 回止凹部(回止部)
67 凹状球面部(球面)
70,71 対向面
74 小径内周面(内周面)
76 嵌合穴
77 ガイドピン
78 隙間
80 隙間
82 クラッチ部材
101 スプリングカバー
102 プッシュロッド付勢スプリング(プッシュロッド付勢部材)
111 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、
ピストンを有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、
回転駆動されることでカムロッドの突出量を変化させるカム機構と、
前記シリンダ内に配置され、前記カム機構の前記カムロッドで押圧されて移動するプッシュロッドと、
前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの一端側に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを前記シリンダに対し強制的に摺動させるクラッチ部材と、
を備えたディスクブレーキにおいて、
前記プッシュロッドに形成され半径方向外側に突出した凸部と、
前記シリンダの内周面に形成され前記凸部が摺動可能に当接する軸溝とが設けられ、
前記凸部の頂点と前記軸溝の底部との間に隙間が形成されてなることを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記凸部の頂点には、切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記凸部と前記軸溝とは、円弧状に形成されるとともに、前記凸部よりも前記軸溝の方が大径に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−194450(P2006−194450A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102167(P2006−102167)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【分割の表示】特願2003−95618(P2003−95618)の分割
【原出願日】平成15年3月31日(2003.3.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】