説明

ディスクプレーヤ

【課題】 チャッキングプーリをローディング待機位置に安定した姿勢で保持して、ディスクとチャッキングプーリの接触を回避することが可能なディスクプレーヤを提供する。
【解決手段】 本発明に係るディスクプレーヤにおいて、シャーシ9には、ディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作に連動して往復移動する第1アーム部材53a及び第2アーム部材53bが配備され、両アーム部材53a,53bの端部がチャッキングプーリと係合しており、両アーム部材53a,53bは、ディスクがターンテーブル91とチャッキングプーリ51の間に侵入する際にはチャッキングプーリ51をディスクの搬送路から離間した位置に保持し、ディスクがディスクチャック位置に到達したときには、チャッキングプーリ51をディスクの搬送路に接近した位置へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンテーブルとチャッキングプーリの間にディスクを挟持して該ディスクを回転させ、該ディスクから信号を再生するディスクプレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のディスクプレーヤ(特許文献1)においては、ターンテーブルと、該ターンテーブルとの間にディスクを挟持するディスクチャック機構とが配備され、該ディスクチャック機構は、チャッキングプーリと、シャーシ上の支軸に枢支されて該チャッキングプーリを保持するアーム部材と、該アーム部材を駆動して往復移動させる往復移動機構とを具えており、該往復移動機構が、アーム部材を駆動することによりチャッキングプーリをターンテーブルに対し接近離間させて、ディスクの挟持動作及び挟持解除動作を行なう。
【0003】
上記ディスクプレーヤにおいて、ディスクがディスクプレーヤから排出された状態にあるとき、チャッキングプーリは、ターンテーブルから最も離間したローディング待機位置に前記アーム部材によって保持されており、この状態で、ディスク挿入口からディスクチャック位置までディスクを搬送するローディング動作が行なわれる。
ディスクがディスクチャック位置に到達すると、前記往復移動機構がアーム部材を駆動して、チャッキングプーリをターンテーブルに接近する方向に移動させ、チャッキングプーリがターンテーブルに最も接近したディスクチャック位置に到達すると、チャッキングプーリとターンテーブルとの間にディスクが挟持される。
尚、ディスク回転中においてアーム部材がチャッキングプーリと接触してディスクの回転に対する抵抗とならず、然も、ディスク挟持動作時にチャッキングプーリがターンテーブルと回転中心が合致する際の僅かな変位を許容するように、チャッキングプーリは前記アーム部材に一定の遊びを持って保持されている。
【特許文献1】特開平6−195839号公報 [G11B 17/04]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、ディスクプレーヤにおいては薄型化の要求が益々厳しくなってきており、この要求に応えるべく、チャッキングプーリをディスク搬送路に可及的に近づけて配備することが行なわれており、これによって、チャッキングプーリとディスクとの隙間が極めて小さくなっている。
この様な構成において、チャッキングプーリは、従来より1本のアーム部材によって遊びを持って保持されているため、ローディング待機位置で待機するチャッキングプーリの姿勢は不安定である。従って、例えばチャッキングプーリがディスク侵入方向に対して俯角を有する向きに傾斜した場合、侵入してきたディスクの端部とチャッキングプーリが接触する虞があった。
チャッキングプーリとディスクとの接触を回避するためには、前記ローディング待機位置で待機するチャッキングプーリを安定した姿勢で保持する必要があるが、チャッキングプーリを1本のアーム部材により遊びを持って保持する従来の構成では、ローディング待機位置でチャッキングプーリの姿勢を安定に且つ確実に保持することは困難であった。
【0005】
そこで本発明の目的は、チャッキングプーリをローディング待機位置に安定した姿勢で保持して、ディスクとチャッキングプーリの接触を回避することが可能なディスクプレーヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るディスクプレーヤは、ディスクを回転駆動するターンテーブル(91)と、ターンテーブル(91)との間にディスクを挟持するチャッキングプーリ(51)と、ディスク挿入口から該チャッキングプーリとターンテーブルの間のディスクチャック位置に亘ってディスクを搬送するディスク搬送機構と、ディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作に伴ってチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)に対して接近離間する方向に往復移動させるプーリ往復移動機構とを具え、該プーリ往復移動機構は、ターンテーブル(91)の回転軸と平行な面内で往復移動可能に支持された第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)と、ディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作に連動して両アーム部材を往復駆動するアーム部材駆動機構とによって構成され、両アーム部材は、ディスクがターンテーブル(91)とチャッキングプーリ(51)の間に侵入する際にはチャッキングプーリ(51)をディスクの搬送路から離間した位置に保持し、ディスクがディスクチャック位置に到達したときには、チャッキングプーリ(51)をディスクの搬送路に接近した位置へ移動させる。
【0007】
上記本発明のディスクプレーヤにおいて、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、ディスク挟持動作に連動して一方向に移動し、ディスク挟持解除動作に連動して逆方向に移動する。ディスクがディスクプレーヤから排出された状態にあるとき、チャッキングプーリ(51)は、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)によってディスクの搬送路から離間したローディング待機位置に保持されている。
ここで、チャッキングプーリ(51)は、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)の2本のアーム部材で保持されているので、従来の1本のアーム部材でチャッキングプーリを保持する構成に比べて、前記ディスク待機位置にあるチャッキングプーリ(51)の姿勢をより安定に保持することが可能である。
更に、ディスクのローディング動作が行なわれ、ディスクがディスクチャック位置に到達すると、チャッキングプーリとターンテーブルとの間にディスクを挟持すべく、アーム部材駆動機構が、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)を駆動してチャッキングプーリ(51)をディスクの搬送路に接近したディスクチャック位置へ向けて移動させる。チャッキングプーリ(51)がディスクチャック位置に到達すると、ターンテーブル(91)との間にディスクが挟持される。
一方、ディスクのアンローディング動作が行なわれると、チャッキングプーリとターンテーブルとの間のディスクの挟持を解除すべく、前記アーム部材駆動機構が第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)を駆動してチャッキングプーリ(51)を前記ローディング待機位置に向けて移動させる。チャッキングプーリ(51)がディスクチャック位置から離間すると、ターンテーブル(91)との間のディスクの挟持が解除され、更に、チャッキングプーリ(51)がローディング待機位置に到達すると、ディスク搬送機構によりディスクがディスク挿入口に向けて排出される。
【0008】
具体的構成において、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路に最も接近した位置にあるとき、該チャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)の回転面と平行な姿勢に保持する。
これによって、ディスクの挟持動作が迅速且つスムーズに行なわれる。
【0009】
又、具体的構成において、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路から最も離間した位置にあるとき、該チャッキングプーリ(51)をディスクの侵入方向に対して仰角を有する傾斜姿勢に保持する。
該具体的構成においては、ディスクのローディング動作時、ディスクの端部が前記ローディング待機位置にあるチャッキングプーリ(51)の外周面に衝突する虞はなく、例えばディスクに過大な反りが生じていた場合においてもディスクの端部がチャッキングプーリ(51)の裏面に摺接する虞があるに過ぎず、ローディング動作は正常に継続される。
【0010】
又、具体的構成において、チャッキングプーリ(51)との対向位置には、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路から最も離間した位置に移動したとき、該位置にてチャッキングプーリ(51)を受け止めて、該チャッキングプーリ(51)を前記傾斜姿勢に保持するストッパー部材(52)が配備されている。
該具体的構成によれば、チャッキングプーリ(51)が前記ローディング待機位置に到達したとき、チャッキングプーリ(51)は、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)により前記ストッパー部材(52)に押圧されて傾斜姿勢に保持される。従って、ディスクプレーヤの設置姿勢に拘わらず、チャッキングプーリ(51)の傾斜姿勢をより安定に且つ確実に保持することができる。
【0011】
更に具体的な構成において、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、ディスク搬送方向に沿ってチャッキングプーリ(51)の両側に配備され、ディスク搬送方向と平行な面内で基端部を中心として揺動可能に枢支され、両アーム部材の先端部が互いに接近する方向に伸びて、ディスク搬送方向と直交するチャッキングプーリ(51)の直径線を挟んで両側にてチャッキングプーリ(51)と係合し、チャッキングプーリ(51)は両アーム部材の先端部に対して回転軸に沿う方向及び半径方向に一定の遊びを有している。
該具体的構成によれば、両アーム部材の先端部が、ディスク搬送方向と直交するチャッキングプーリ(51)の直径線を挟んで両側、即ちチャッキングプーリ(51)の重心を挟んだ両側にてチャッキングプーリ(51)を保持するので、従来の1本のアーム部材でチャッキングプーリを保持する構成に比べて、ディスク待機位置にあるチャッキングプーリ(51)の姿勢をより安定に保持することが出来る。
更に、両アーム部材は、ディスク搬送方向に沿ってチャッキングプーリ(51)の両側に配備され、ディスク搬送方向と平行な面内で基端部を中心として揺動可能に枢支されているので、両アーム部材の駆動タイミング及び揺動角度を制御することにより、ディスクの侵入方向に対するチャッキングプーリ(51)の姿勢を任意に設定することが出来る。
【0012】
更に又、具体的な構成において、前記アーム部材駆動機構は、モータによって往復駆動されるスライド部材(65)を具え、該スライド部材(65)には第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)が形成される一方、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)にはそれぞれ前記第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)に係合するカムフォロワーが設けられており、該スライド部材(65)の往復移動によって、両アーム部材が揺動駆動され、前記第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線によって、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)の揺動のタイミング及び揺動角度が制御される。
該具体的構成によれば、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)の揺動のタイミング及び揺動角度を、1つのスライド部材(65)に設けた第1カム部(67a)及び第2カム部(67a)のカム曲線によって、それぞれ独立に制御することが可能となる。
【0013】
更に又、具体的な構成において、ターンテーブル(91)とチャッキングプーリ(51)とは互いの磁気吸引力によってディスクに対する挟持力を発揮するものであって、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、ディスクの搬送路に最も接近した揺動姿勢にてチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)の回転軸に対して垂直な姿勢で保持することが可能であり、ディスク挟持動作によってチャッキングプーリ(51)が両アーム部材に対する回転軸方向の遊びの中間位置まで持ち上げられた状態で、両アーム部材はチャッキングプーリ(51)と非接触状態に保たれる。
該具体的構成によれば、ディスクがターンテーブル(91)とチャッキングプーリ(51)の間に挟持されて回転するとき、チャッキングプーリ(51)は第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)と接触しないので、回転に対して摩擦抵抗を受けることがない。
【0014】
ディスク挟持解除動作において、具体的には、何れか一方のアーム部材が他方のアーム部材に先行してチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)から離間する方向に移動させることにより、チャッキングプーリ(51)の回転軸をターンテーブル(91)の回転軸に対して傾斜させる。
該具体的構成によれば、ディスクの挟持解除動作は、何れか一方のアーム部材が、チャッキングプーリ(51)を前記磁気吸引力に抗してターンテーブル(91)から離間する方向に移動させることにより行なわれる。先行する一方のアーム部材が、チャッキングプーリ(51)の一端をターンテーブル(91)から離間する方向に移動させると、チャッキングプーリ(51)の他端を支点とした回転トルクが発生するので、水平に離間させる場合に比べ小さな力でチャッキングプーリ(51)を持ち上げることが出来る。続いて他方のアーム部材がチャッキングプーリ(51)の他端を持ち上げる際には、先行する一方のアーム部材が既にチャッキングプーリ(51)の一端を持ち上げてターンテーブル(91)から離間させており、これによって前記磁気吸引力は大幅に低下しているので、小さな力でディスクの挟持を解除することが出来る。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るディスクプレーヤによれば、チャッキングプーリを安定した姿勢で保持することが可能であり、これによってディスクとチャッキングプーリの接触を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
全体構成
本発明に係るディスクプレーヤは、図1及び図2に示す如く、シャーシ(9)を具え、シャーシ(9)の前面(図1における左方)には、ディスク(図示省略)を挿入するためのディスク挿入口(94)(図2参照)が設けられている。又、シャーシ(9)の底面中央部にはターンテーブル(図示省略)と、該ターンテーブルを回転駆動するスピンドルモータ(図示省略)と、ディスクから信号を読み取るための光学式ピックアップ機構(図示省略)とが配備されている。又、シャーシ(9)上には、ディスク搬送機構(1)、第2ディスクセンタリング機構(2)、ディスク位置決め機構(3)、位置決め部材拘束機構(4)、ディスクチャック機構(5)、プーリ往復移動機構(6)が配備されている。
【0017】
ディスクチャック機構(5)は、ターンテーブル上方に位置し、チャッキングプーリ(51)を保持するものである。
プーリ往復移動機構(6)は、シャーシ(9)の右側面にディスク搬送方向に沿って往復移動可能に配備されており、プーリ往復移動機構(6)の往復動作に連動して、チャッキングプーリ(51)を昇降させ、下降位置でターンテーブルとの間にディスクを挟持する。
ディスク搬送機構(1)は、ディスク挿入口(94)から前記ターンテーブルとチャッキングプーリ(51)の間のディスクチャック位置とまで伸びるディスク搬送路に沿ってディスクを搬送するものである。
又、挿入されたディスクを前記ディスク搬送路の中心線に向けて移動させるために、前記ローラ支持機構(10)を構成するベースプレート(14)の底面には第1ディスクセンタリング機構(8)が配備されると共に(図4参照)、シャーシ(9)の上面には第2ディスクセンタリング機構(2)が配備されている。
ディスク位置決め機構(3)は、ディスクを前記ディスクチャック位置に位置決めするものであって、チャッキングプーリ(51)の後方位置に配備されている。更にシャーシ(9)上面には、ディスク位置決め機構(3)と係合してディスク位置決め機構(3)を一定位置に拘束する位置決め部材拘束機構(4)が配備されている。
【0018】
ディスク挿入口(94)からディスクが挿入されると、ディスク搬送ローラ(11)を具えたディスク搬送機構(1)が起動して、ディスクをディスク挿入口(94)から前記ディスクチャック位置まで搬送するローディング動作が行なわれる。
ローディング動作の過程において、ディスクは、第1ディスクセンタリング機構(8)及び第2ディスクセンタリング機構(2)により、前記ディスク搬送路の中心線に向けて搬送され、ディスク位置決め機構(3)によって、前記ディスクチャック位置に位置決めされる。
更にディスク挟持動作が開始されると、プーリ往復移動機構(6)によって、チャッキングプーリ(51)がターンテーブルに接近する方向に移動され、該チャッキングプーリ(51)とターンテーブルとの間にディスクが挟持される。
この状態で前記スピンドルモータの駆動によってディスクが高速回転し、前記光学式ピックアップによって該ディスクから信号が再生される。
【0019】
その後、ディスク排出指令が与えられると、前記プーリ往復移動機構(6)によって、ターンテーブルとチャッキングプーリ(51)によるディスクの挟持を解除するディスク解除動作が行なわれた後、ディスクを前記ディスクチャック位置からディスク挿入口(94)に向けて排出するアンローディング動作が行なわれる。
【0020】
ディスク搬送機構(1)
ディスク搬送機構(1)は、シャーシ(9)の右側面に配備されたモータ(15)(図2参照)、駆動ベルト(16)、ギア列(17)、前記ディスク挿入口(94)近傍に配備されたディスク搬送ローラ(11)、シャーシ(9)の底面に取り付けられて該ディスク搬送ローラ(11)をシャーシ(9)に対して接近離間可能に支持するローラ支持機構(10)(図2参照)から構成される。
図1及び図2に示す如く、シャーシ(9)の右側面にはギア列(17)が配備されており、モータ(15)(図2参照)と該ギア列(17)は、駆動ベルト(16)により連結されている。又、シャーシ(9)には、前記ディスク挿入口(94)近傍にディスク搬送ローラ(11)が架設され、ディスク搬送ローラ(11)の右端部には、ギア列(17)と係脱するギア(140)が設けられている。
ディスク搬送ローラ(11)は、図2及び図33に示す如く、ローラ支持機構(10)に回転可能に支持されている。ローラ支持機構(10)は、シャーシ(9)の底面に取り付けられたベースプレート(14)と、ベースプレート(14)に回転可能に枢支されたローラ支持アーム(13)と、該ベースプレート(14)と該ローラ支持アーム(13)の間に張設されたコイルバネ(18)とから構成される。ディスク搬送ローラ(11)は、ローラ支持アーム(13)の一端部に回転可能に枢支されている。ローラ支持アーム(13)は、前記コイルバネ(18)の付勢力によって、ディスク搬送ローラ(11)をシャーシ(9)の上面に接近させる方向に回転する。
【0021】
一方、シャーシ(9)の左右両側面には、図3(b)に示す如く、ディスク搬送ローラ(11)の回動軌跡に沿って、ディスク搬送ローラ(11)の駆動軸が貫通する開口部(105)が形成されている。従って、該ローラ支持アーム(13)の回転は、前記ディスク搬送ローラ(11)の駆動軸が該開口部(105)の内周面上端と当接することにより規制される。この状態において、前記ディスク搬送ローラ(11)のギア(140)がギア列(17)に噛合すると共に、シャーシ(9)の上面に下方から圧接される。従って、ディスクは、ディスク搬送ローラ(11)とシャーシ(9)上面との間に挟持され、ディスク搬送ローラ(11)の回転駆動によって、前記ディスク挿入口(94)とディスクチャック位置との間を搬送される。
【0022】
第1ディスクセンタリング機構(8)
第1ディスクセンタリング機構(8)は、図2、図4及び図5に示す如く、ローラ支持機構(10)のベースプレート(14)底面中央部に突設した枢軸(110)(図2参照)に枢支されたピニオンギア(81)と、該ピニオンギア(81)を挟んで前後から該ピニオンギア(81)と噛合する第1ラックギア(82a)及び第2ラックギア(82b)と、第1ラックギア(82a)と前記ベースプレート(14)側面のバネ掛け部(113)との間に張設されて両ラックギア(82a)(82b)を互いに接近する方向に付勢するコイルバネ(84)とから構成される。
従って、両ラックギア(82a)(82b)は、上述のラックピニオン機構により、互いに逆方向に同期して、左右対称にスライドすることになる。
前記両ラックギア(82a)(82b)は、シャーシ(9)上面に向けて突出するディスク押圧ピン(83a)(83b)と、前記ベースプレート(14)の底面に設けたガイド溝(111)(112)に係合するガイドピン(85a)(85b)とを具えている。両ラックギア(82a)(82b)は、該ガイド溝(111)(112)の範囲内でディスク搬送方向と直交する方向にスライド可能にベースプレート(14)の底面に取り付けられている。
【0023】
ディスクがディスクプレーヤから排出されている状態において、図14に示す如く、両ラックギア(82a)(82b)は、ガイドピン(85a)(85b)がガイド溝(111)(112)の内周部端面に当接した状態、即ち互いに最も接近した状態で静止している。
【0024】
第2ディスクセンタリング機構(2)
第2ディスクセンタリング機構(2)は、図4及び図5に示す如く、ディスク搬送路の中心線を挟んで両側に配備された第1スライド部材(21a)及び第2スライド部材(21b)と、両スライド部材(21a)(21b)を互いに連結するコイルバネ(23)とによって構成される。
両スライド部材(21a)(21b)は、図6に示す如く、ディスク押圧部(22a)(22b)とガイドピン(25a)(25b)とを具え、ディスク押圧部(22a)(22b)は、シャーシ(9)の上面に設けたガイド溝(95a)(95b)(図3(a)参照)と係合すると共に、ガイドピン(25a)(25b)は、シャーシ(9)上面に設けたガイド溝(100a)(100b)(図3(a)参照)と係合して、該ガイド溝の範囲内でディスク搬送方向と直交する方向にスライド可能にシャーシ(9)の上面に取り付けられている。
【0025】
ディスクがディスクプレーヤから排出されている状態において、図14に示す如く、前記両スライド部材(21a)(21b)は、ガイドピン(25a)(25b)が前記ガイド溝(100a)(100b)の内周部端面に当接して、ディスク押圧部(22a)(22b)が互いに最も接近した状態で静止している。
両スライド部材(21a)(21b)は更に、図5に示す如く、アーム当接部(24a)(24b)を具えており、後述の如く前記第1アーム部材(53a)が該アーム当接部(24a)(24b)に当接すると、前記ディスク押圧部(22a)(22b)がディスクから離間する。
【0026】
ディスク位置決め機構(3)
ディスク位置決め機構(3)は、図5に示す如く、ディスク搬送路の中心線を挟んで両側に配備された第1位置決め部材(31a)及び第2位置決め部材(31b)と、第1位置決め部材(31a)を反時計方向に回転付勢するトーションバネ(33)とから構成される。
【0027】
第1位置決め部材(31a)は、図7に示す如く、シャーシ(9)上面に突設した枢軸(105)(図3(a)参照)に枢支される軸受け部(38a)と、後述する位置決め部材拘束機構(4)と係合する係合溝(37a)(37b)と、シャーシ(9)上面の突片(108)(図3(a)参照)と係合する長孔(39a)と、第2位置決め部材(31b)と連結される連結部(35a)と、シャーシ(9)上面のガイド溝(96a)(図3(a)参照)を貫通して下方に向けて突出した位置決めピン(32a)とを具え、該ガイド溝(96a)の範囲内で回転可能にシャーシ(9)上面に枢支されている。
【0028】
第2位置決め部材(31b)は、図8に示す如く、シャーシ(9)の上面に突設した枢軸(106)(図3(a)参照)に枢支される軸受け部(38b)と、シャーシ(9)上面の突片(109)(図3(a)参照)と係合する長孔(39b)と、他方の位置決め部材(31a)と連結される連結部(35b)と、シャーシ(9)上面のガイド溝(96b)(図3(a)参照)を貫通して下方に突出した位置決めピン(32b)とを具え、該ガイド溝(96b)の範囲内で回転可能にシャーシ(9)上面に枢支されている。
第2位置決め部材(32b)は更に、図5に示す如く、上方に向けて突出したアーム部材当接部(34)を具えており、後述の如く、前記第2アーム部材(52b)によって該アーム部材当接部(34)が押圧され、前記両位置決めピン(32a)(32b)はディスクから離間する。
【0029】
両位置決め部材(31a)(31b)は、前記両連結部(35a)(35b)が互いに係合して連結されており、これによって、互いに逆方向に同期回転して、左右対称に開閉する。
【0030】
ディスクがディスクプレーヤから排出されている状態において、図14に示す如く、第1位置決め部材(31a)は、トーションバネ(33)により付勢されて反時計方向に回転し、前記位置決めピン(32a)がシャーシ(9)のガイド溝(96a)の内周部端面と当接して静止している。一方、第2位置決め部材(31b)は、第1位置決め部材(31a)と逆方向に同期回転して、位置決めピン(32b)がシャーシ(9)のガイド溝(96b)の内周面端部と当接して静止している。
前記静止状態において、前記位置決め部材(31a)(31b)の位置決めピン(32a)(32b)は、小径ディスク(93a)がターンテーブル(91)の回転軸上若しくは略回転軸上に到達したときに、該ディスク(93a)の外周縁に当接してディスク(93a)を受け止める第1の位置で静止している。
【0031】
位置決め部材拘束機構(4)
位置決め部材拘束機構(4)は、前記第1位置決め部材(31a)の係合溝(37a)(37b)と係合して両位置決め部材(31a)(31b)を一定位置に拘束する拘束レバー(41)と、拘束レバー(41)を反時計方向に回転付勢するコイルバネ(42)とから構成される。拘束レバー(41)は、図9に示す如く、シャーシ(9)上面に突設した枢軸(107)(図3(a)参照)に枢支される軸受け部(43)と、前記第1位置決め部材(31a)の係合溝(37a)(37b)と係合する位置決め部材係合部(44)と、シャーシ(9)のガイド溝(99)(図3(a)参照)を貫通して下方に突出するディスク当接ピン(45)とを具え、該ガイド溝(99)の範囲内で回転可能に、シャーシ(9)上に枢支されている。
【0032】
ディスクがディスクプレーヤから排出されている状態において、図14に示す如く、拘束レバー(41)は、コイルバネ(44)により付勢されて反時計方向に回転し、ディスク当接ピン(45)がシャーシ(9)のガイド溝(99)の内周部端面と当接した状態で静止している。この状態において、該拘束レバー(41)の位置決め部材係合部(44)は、第1位置決め部材(31a)の係合溝(37a)の左端面近傍に位置している。ここで、第1位置決め部材(31a)が時計方向に回転すると、第1位置決め部材(31a)の係合溝(37a)の左端面が位置決め部材係合部(44)に当接して、回転が規制させる。従って、該拘束レバー(41)により、両位置決め部材(31a)(31b)を一定範囲内の遊びを持って前記第1の位置に拘束することが出来る。
【0033】
ディスクチャック機構(5)
ディスクチャック機構(5)は、図12に示す如く、チャッキングプーリ(51)と、第1アーム部材(53a)と、第2アーム部材(53b)と、ストッパ(52)と、両アーム部材(53a)(53b)をシャーシ(9)上面に向けて付勢するトーションバネ(54a)(54b)(図1参照)とから構成される。
【0034】
図34に示す如く、両アーム部材(53a)(53b)は基端部(120a)(120b)と、基端部(120a)(120b)から下方に向けて垂直に折れ曲がった垂直部(121a)(121b)と、該垂直部(121a)(121b)から該基端部(120a)(120b)と水平に伸びる先端部(122a)(122b)とから構成されている。該先端部(122a)(122b)は、チャッキングプーリ(51)の外径より大きい半円状の開口(123a)(123b)を有している。
第1アーム部材(53a)は、基端部(120a)に設けた枢軸(38a)(38a)がシャーシ(9)上面前方の軸受け部(101a)(101b)に枢支されて、シャーシ(9)上に支持されている。一方、第2アーム部材(53a)は、基端部(120b)に設けた軸受け部(38b)(38b)がシャーシ(9)上面後方の枢軸(102a)(102b)に枢支されて、シャーシ(9)上に支持されている。従って、チャッキングプーリ(51)は、ディスク搬送方向と直交するチャッキングプーリ(51)の直径線を挟む両側で両アーム部材(53a)(53b)の先端部(122a)(122b)と係合して、両アーム部材(53a)(53b)により回転可能に保持される。
【0035】
更に、第1アーム部材(53a)の基端部(120a)には、後述するプーリ往復移動機構(6)のカム部(67a)上を摺動するカムフォロワー(58a)と、前記第2ディスクセンタリング機構(2)のスライド部材(21a)(21b)のアーム当設部(24a)(24b)と当接可能な拘持解放部(55a)(55b)とが配備されている。
一方、第2アーム部材(53b)の基端部(120b)には、後述するプーリ往復移動機構(6)のカム部(67a)上を摺動するカムフォロワー(58b)と、前記ディスク位置決め機構(3)の第2位置決め部材(31b)のアーム当設部(34)と当接可能な拘持解放部(56b)と、該第2位置決め部材(31b)の端部と当接可能に下方に突出した突起部(56a)とが配備されている。
【0036】
プーリ往復移動機構(6)
プーリ往復移動機構(6)は、図12に示す如く、前記ディスク搬送機構(1)のギア列(17)に係脱可能な原動スライド部材(61)と、該原動スライド部材(61)と共に移動する従動スライド部材(65)と、該原動スライド部材(61)と従動スライド部材(65)とを連結して、互いに接近する方向へ付勢する連結バネ(70)と、従動スライド部材(65)とシャーシ後方のバネ掛け部(104)の間に張設されて従動スライド部材(65)をシャーシ後方へ付勢する引張りバネ(69)とから構成される。
【0037】
従動スライド部材(65)は、図11に示す如く、前記第1アーム部材(53a)のカムフォロワー(58a)と係合する第1カム部(67a)と、前記第2アーム部材(53b)のカムフォロワー(58b)と係合する第2カム部(67b)と、前記ディスク搬送ローラ(11)の駆動軸と係合して該ディスク搬送ローラ(11)をディスクに対して接近離間させる第3カム部(66)とを具え、ガイドピン(68a)(68b)が、シャーシ(9)の右側面に設けたガイド溝(106a)(106b)(図3(b)参照)とそれぞれ係合して、該ガイド溝(106a)(106b)の範囲内でディスク搬送方向に往復移動可能に取り付けられている。
原動スライド部材(61)は、前記従動スライド部材(65)の一方のガイドピン(68b)が原動スライド部材(61)の長孔(63)と係合して、シャーシ右側面を挟んで従動スライド部材(63)に取り付けられている。従って、原動スライド部材(61)及び従動スライド部材(65)は、該長孔(63)の範囲内で互いに相対移動可能な構成となっている。原動スライド部材(61)は更に、前記ディスク搬送機構(1)のギア列(17)に係脱するギア部(62)と、後述する切換機構によって押圧される押圧片(64)とを具えている。該押圧片(64)は、シャーシ(9)の右側面に設けたガイド溝(106b)(図3(b)参照)と係合している。
【0038】
原動スライド部材(61)をディスク搬送機構(1)のギア列(17)に連結させる切換機構として、図4及び図5に示す切換レバー(75)が配備され、該切換レバー(75)は、図10に示す如く、前記第2位置決め部材(32b)に設けた枢軸(36)(図8参照)に小孔(78a)が係合して、第2位置決め部材(32b)との間にシャーシ(9)の上面を挟んで下方に取り付けられている。又、上方に突出したガイドピン(79)がシャーシ(9)の上面に設けたガイド溝(98b)と係合して、該ガイド溝(96b)の範囲内で、前記枢軸(36)を中心に回動可能に構成されている。該切換レバー(75)は更に、下方に向けて突出したスライド押圧部(76)とディスク当接部(77)とを具えている。
【0039】
図14〜図17は、小径ディスクのディスクローディング動作における前記第1ディスクセンタリング機構(8)、第2ディスクセンタリング機構(2)及びディスク位置決め機構(3)の一連の動作を示している。
【0040】
小径ディスク(93a)が、図14の2点鎖線で示す挿入口中央位置から挿入されると、小径ディスク(93a)の外周縁が両ラックギア(82a)(82b)のディスク押圧ピン(83a)(83b)に当接する。更に、該ディスク押圧ピン(83a)(83b)がディスク外周縁に押圧されて互いに離間する方向にスライドすると、図示しないディスク挿入検知スイッチがオンとなり、前記ディスク搬送機構(1)によってディスク搬送ローラ(11)がディスク引き込み方向に駆動される。ディスク(93a)は、該ディスク搬送ローラ(11)とシャーシ上面(図示省略)との間に挟持され、該ディスク搬送ローラ(11)の回転によって、ディスクプレーヤ本体内に引き込まれる。
ディスク(93a)は、両ラックギア(82a)(82b)のディスク押圧ピン(83a)(83b)により、該ディスク(93a)の外周縁をディスク搬送路の中心線の両側から該中心線に向かって押圧されながら搬送され、該中心線に向かって徐々に移動する。
【0041】
図15に示す如く、小径ディスク(93a)が第1ディスクセンタリング機構(8)を通過して、小径ディスクの外周縁が、第2ディスクセンタリング機構(2)の両スライド部材(21a)(21b)のディスク押圧部(22a)(22b)に当接すると、該ディスク押圧部(22a)(22b)は、ディスク外周縁に押圧されて互いに離間する方向にスライドする。このとき、ディスク(93a)は、両スライド部材(21a)(21b)のディスク押圧部(22a)(22b)により、該ディスク(93a)の外周縁をディスク搬送路の中心線の両側から該中心線に向かって押圧されながら搬送され、該中心線に向かって徐々に移動する。
【0042】
更にディスクが奥方へ搬送されて、図16に示す如く、ディスク外周縁が切換レバー(75)のディスク当接部(77)に当接すると、該ディスク当接部(77)がディスク(93a)に押圧されて、切換レバー(75)が時計方向に回転する。これによって、切換レバー(75)のスライド押圧部(76)が、原動スライド部材(61)の押圧片(64)に当接して原動スライド部材(61)を押圧し、ディスク搬送機構(1)のギア列(17)に接近する方向(図16の紙面に沿って上方向)に移動させる。
【0043】
その後、図17に示す如く、ディスク(93a)の外周縁が、両位置決め部材(31a)(31b)の位置決めピン(32a)(32b)によって受け止められることにより、小径ディスク(93a)はディスクチャック位置に位置決めされる。
この状態において、小径ディスク(93a)は、ディスク押圧部(22a)(22b)及び位置決めピン(31a)(32b)によってディスク外周縁を拘持されているので、ディスクプレーヤの姿勢に拘わらず、小径ディスク(93a)がディスクチャック位置からずれる虞はない。
又、原動スライド部材(61)は、切換レバー(75)により更にディスク搬送機構(1)のギア列(17)に接近する方向に駆動されて、ギア列(17)と係合し、ディスク挟持動作が開始される。
【0044】
図29(a)(b)は、原動スライド部材(61)がディスク搬送機構(1)のギア列(17)に係合する際の動作を示している。図29(a)は、原動スライド部材(61)がディスク搬送機構(1)のギア列(17)に向けて移動を開始する前の状態を示しており、この状態において、従動スライド部材(65)は、引張りバネ(69)により付勢されて、シャーシの最後方に後退した位置で静止している。一方、原動スライド部材(61)は、従動スライド部材(65)との間に張設された連結バネ(70)により付勢されて、原動スライド部材(61)の長孔(63)の内周面左端が従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)に当接した状態、即ち、従動スライド部材(65)に最も接近した位置で静止している。
原動スライド部材(61)が前記切換レバー(75)によって押圧されると、該原動スライド部材(61)は長孔(63)の範囲d内で前方(図29における左方)に移動する。そして、原動スライド部材(61)が前方に少し移動することで原動スライド部材(61)のギア部(62)がディスク搬送機構(1)のギア列(17)に噛合する。
【0045】
小径ディスク(93a)がディスク搬送路の中心線から左右の何れかに偏った挿入位置に挿入された場合においては、図21に示す如く、第1ディスクセンタリング機構(8)の第1ピニオンギア(31a)に設けたディスク押圧ピン(32a)がディスク(93a)の右外周縁に当接して、ディスク(93a)を左方に押圧しながらディスク搬送路中央に向かって移動する。
更に、第2ディスクセンタリング機構(2)の両スライド部材(21a)(21b)に設けたディスク押圧部(22a)(22b)が、搬送途中の小径ディスク(93a)の外周縁に当接しながら、ディスク外周縁に沿ってディスク搬送方向と直交する方向にスライドして、ディスク搬送路の中心線を挟んで両側からディスク(93a)を該中心線に向けて押圧する。従って、小径ディスク(93a)はディスク搬送動作に伴って徐々に中心線に向けて移動する。
【0046】
図22〜図26は、大径ディスクのディスクローディング動作における前記第1ディスクセンタリング機構(8)、第2ディスクセンタリング機構(2)及びディスク位置決め機構(3)の一連の動作を示している。
小径ディスクの搬送動作と同様に、大径ディスク(93b)は、第1ディスクセンタリング機構(8)及び第2ディスクセンタリング機構(2)により、該ディスク(93b)の外周縁をディスク搬送路の中心線の両側から該中心線に向かって押圧されながら搬送され、該中心線に向かって徐々に移動する。
【0047】
図23に示す如く、ディスク(93b)の外周縁が拘束レバー(41)のディスク当接ピン(45)に当接すると、拘束レバー(41)がディスク外周縁により押圧されて時計方向に回転し、図24に示す如く、拘束レバー(41)の位置決め部材係合部(44)が、第1位置決め部材(31a)の係合溝(37a)から離間する。これによって、両位置決め部材(31a)(31b)は、互いに離間する方向の回動を許容される。更に、ディスク(93b)の外周縁が両位置決め部材(31a)(31b)の位置決めピン(32a)(32b)に当接すると、両位置決め部材(31a)(31b)は、ディスク(93b)の外周縁に押圧されて両位置決めピン(32a)(32b)が互いに離間する方向に回動する。
【0048】
大径ディスク(93b)がターンテーブル(91)の回転軸上若しくは略回転軸上に到達すると、図25に示す如く、拘束レバー(41)の位置決め部材係合部(44)が、第1位置決め部材(31a)の係合溝(37b)に係合して、両位置決め部材(31a)(31b)を大径ディスク(93b)の外周縁に当接せしめてディスク(93b)を受け止める第2の位置に拘束する。この結果、大径ディスク(93b)は、両位置決め部材(31a)(31b)の位置決めピン(32a)(32b)に外周縁を受け止められてディスクチャック位置に位置決めされることになる。
更に、小径ディスクのローディング動作と同様に、原動スライド部材(61)が切換レバー(75)に押圧されてギア列(17)に向かって移動し、該ギア列(17)と噛合して、ディスク挟持動作が開始される。
【0049】
図30及び図31は、一連のディスク挟持動作及び挟持解除動作におけるチャッキングプーリ(51)、両アーム部材(53a)(53b)、従動スライド部材(65)及びディスク搬送ローラ(11)の動作を示している。
尚、チャッキングプーリ(51)は、前記両アーム部材(53a)(53b)の先端部に鉛直方向の回転軸回りに回転可能且つ、回転軸方向及び半径方向に一定の遊びを持って保持されている。
図31(d)及び図32(c)に示す如く、ローディング待機位置において、チャッキングプーリ(51)は、ディスク侵入方向に仰角を有する向きに傾斜した姿勢で、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材の先端部(53b)とストッパー部材(52)の間に上円板部(130)を挟まれて保持されている。
ストッパー部材(52)は、図13に示す如く、第1アーム部材(53a)側でチャッキングプーリ(51)を受け止める第1規制部(59a)と、第2アーム部材側(53b)でチャッキングプーリ(51)を受け止める第2規制部(59b)とを具え、シャーシ(9)上にチャッキングプーリ(51)と対向して取り付けられている。
図13(c)に示す如く、ストッパー部材(52)においては、第2規制部(59b)が第1規制部(59a)よりチャッキングプーリ(51)側へ大きく突出しているので、ローディング待機位置におけるチャッキングプーリ(51)の姿勢は、前記傾斜姿勢で安定に且つ確実に保持される。
【0050】
一方、ディスク搬送ローラ(11)は、ローラ支持アーム(13)により回転可能に支持されている。又、ローラ支持アーム(13)は、ベースプレート(14)により回転可能に支持されており、コイルバネ(18)により、図30及び図31において反時計方向に回転付勢され、ディスク搬送ローラ(11)をシャーシ上面に圧接している。
【0051】
ディスク(93)がディスクチャック位置に位置決めされ、ディスク挟持動作が開始されると、前述の如く、原動スライド部材(61)のギア部(62)がディスク搬送機構(1)のギア列(17)と噛合して、原動スライド部材(61)は、ディスク搬送機構(1)によって前方(図30及び31における左方)に向かって駆動される。
原動スライド部材(61)の移動に伴って、従動スライド部材(65)が、図31(d)(c)(b)(a)及び図30(c)に示す如く前方に向かって移動すると、第1アーム部材(53a)のカムフォロワー(58a)が従動スライド部材(65)の第1カム部(67a)上を摺動し、第2アーム部材(53b)のカムフォロワー(58b)が従動スライド部材(65)の第2カム部(67b)上を摺動して、両アーム部材(53a)(53b)が、チャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)に接近させる方向に移動させる。
【0052】
更に、ディスク搬送ローラ(11)は、該ローラ(11)の回転軸が従動スライド部材(65)の第3カム部(66)上を摺動し、ローラ支持アーム(13)が、前記コイルバネ(18)の付勢力に抗して時計方向に回動されてディスク(93)から離間する。
この時、ディスク(93)は、前述した第2ディスクセンタリング機構(2)のディスク押圧部(22a)(22b)及びディスク位置決め機構(3)の位置決めピン(31a)(32b)によってディスク外周縁を拘持されているので、ディスク搬送ローラ(11)がディスク(93)から離間しても、ディスク(93)がディスクチャック位置からずれる虞はない。
【0053】
その後、図30(b)に示す如く、両アーム部材(53a)(53b)が、シャーシ上面に当接して水平姿勢にて保持されると、チャッキングプーリ(51)は、図32(a)に示す如く、ターンテーブル(91)上に保持され、チャッキングプーリ(51)に内蔵された永久磁石(図示省略)の磁気吸引力によって、ターンテーブル(91)との間にディスク(93)を挟持する。両アーム部材(53a)(53b)の先端部は、鉛直方向における前記遊びの中間位置であって且つチャッキングプーリ(51)と非接触の状態で、シャーシ上面に保持されている。
【0054】
この状態において、図18及び図26に示す如く、前記第2ディスクセンタリング機構(8)のディスク押圧部(22a)(22b)及びディスク位置決め機構(3)の位置決めピン(32a)(32b)がディスクから離間する。
【0055】
チャッキングプーリ(51)とターンテーブル(91)との間に小径ディスク(93a)が挟持された場合においては、図19に示す如く、第1アーム部材(53a)の接近動作に伴って、第1アーム部材(53a)の拘持解放部(55a)が、第2ディスクセンタリング機構(2)の両スライド部材(21a)(21b)に設けたアーム当接部(24a)(24b)に当接し、第1アーム部材(53a)の拘持解放部(55a)に押圧されて、両スライド部材(21a)(21b)が互いに離間する方向に距離G1だけ移動して、ディスク押圧部(22a)(22b)がディスク(93a)の外周縁から離間する。
又、図20に示す如く、第2アーム部材(53b)の接近動作に伴って、第2アーム部材(53a)の突起部(56a)が、ディスク位置決め機構(3)の第2位置決め部材(31b)の端面に当接し、第2アーム部材(53a)の突起部(56a)に押圧されてディスク(93a)から離間する方向に距離G2だけ移動すると、両位置決め部材(31a)(31b)が互いに離間する方向に回転して、位置決めピン(32a)(32b)がディスク(93a)の外周縁から離間する。
【0056】
一方、チャッキングプーリ(51)とターンテーブル(91)との間に大径ディスク(93b)が挟持された場合においては、図27に示す如く、第1アーム部材(53a)の接近動作に伴って、第1アーム部材(53a)の拘持解放部(55b)が、第2ディスクセンタリング機構(2)の両スライド部材(21a)(21b)に設けたアーム当接部(24a)(24b)に当接し、第1アーム部材(53a)の拘持解放部(55b)に押圧されて、両スライド部材(21a)(21b)が互いに離間する方向に距離G1だけ移動して、ディスク押圧部(22a)(22b)がディスク(93b)の外周縁から離間する。
又、図28に示す如く、第2アーム部材(53b)の接近動作に伴って、第2アーム部材(53a)の拘持解放部(56b)が、ディスク位置決め機構(3)の第2位置決め部材(31b)のアーム部材当接部(34)に当接し、第2アーム部材(53a)の拘持解放部(56b)に押圧されて、ディスク(93b)から離間する方向に距離G3だけ移動すると、両位置決め部材(31a)(31b)が互いに離間する方向に回転して、位置決めピン(32a)(32b)がディスク(93b)の外周縁から離間する。
【0057】
原動スライド部材(61)の更なる移動に伴って、従動スライド部材(65)が前方に向かって移動すると、図30(a)に示す如く、従動スライド部材(65)の第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)は、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)から離間する。
この状態で、スピンドルモータが駆動して、ディスク(93b)の回転駆動が行なわれる。
【0058】
その後、停止ボタンが操作され、更にエジェクトボタンが操作されると、ディスク狭持解除動作が開始される。
【0059】
図35(a)〜(c)及び図36(a)〜(c)は、一連のディスク挟持解除動作時における前記両アーム部材(53a)(53b)、原動スライド部材(61)、及び従動スライド部材(65)の動作を示している。
チャッキングプーリ(51)とターンテーブル(91)との間にディスクを挟持した状態においては、図35(a)に示す如く、従動スライド部材(65)は、ガイドピン(68a)がシャーシ(9)のガイド溝(106a)の前端面に当接して停止している。
【0060】
ディスク狭持解除動作が開始されると、前記ディスク搬送機構(1)が起動してギア列(17)が時計方向に回転する。これによって、原動スライド部材(61)が後方に移動する。一方、従動スライド部材(65)は、引張りバネ(69)によりシャーシ後方に向けて付勢され、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)と原動スライド部材(61)の長孔(63)の後端面との当接状態を保ちながら、原動スライド部材(61)の移動に伴って後方へ移動して、図35(b)に示す如く、従動スライド部材の第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)が、両アーム部材のカムフォロワー(58a)(58b)と当接する状態へと遷移する。
【0061】
原動スライド部材(61)が後方に更に移動すると、該移動に伴い、従動スライド部材(65)は、第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線に沿って両アーム部材(53a)(53b)を押し上げながら後方へ移動して、図35(c)に示す状態に遷移する。この時、図32(b)に示す如く、第1アーム部材(53a)の先端部が、チャッキングプーリ(51)の上円板部と当接する。
従動スライド部材(65)が、この状態から更に後方へ移動するには、第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線に沿って両アーム部材を押し上げて、前記チャッキングプーリ(51)とターンテーブル(91)との間の磁気吸引力(ディスク挟持力)を解除する必要がある。
しかしながら、従動スライド部材(65)の後方への移動は、実質的には引張りバネ(69)の付勢力によって行なわれており、該引張りバネ(69)の付勢力は、前記ディスク挟持力に抗して該従動スライド部材(65)を後方に移動させるのに必要な力より弱いため、従動スライド部材(65)は図32(b)の位置で一旦停止する。その後、原動スライド部材(61)のみが前記遊びの範囲内で右方向に移動して、図36(a)に示す如く、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)と原動スライド部材の長孔(63)の前端面とが当接する。
【0062】
この状態で原動スライド部材(61)が後方に移動すると、従動スライド部材(65)は、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)が原動スライド部材の長孔(63)の内周面左端に押圧されながら原動スライド部材(61)と共に右方向に移動して、第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)に沿って両アーム部材を押し上げ、チャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)から持ち上げる。
このとき、上述の如く第1アーム部材(53a)の先端部が第2アーム部材(53b)の先端部に先行してチャッキングプーリ(51)の一端を持ち上げるので、チャッキングプーリ(51)には他端を支点とした回転トルクが発生し、水平に離間させる場合に比べて小さな力でチャッキングプーリ(51)を離間させることが出来る。
続いて、第2アーム部材(53b)がチャッキングプーリ(51)の他端を持ち上げる際には、第1アーム部材(53a)が既にチャッキングプーリ(51)の一端を持ち上げてターンテーブル(91)から離間させており、これによって前記磁気吸引力は大幅に低下しているので、小さな力でディスクの挟持を解除することが出来る。
【0063】
この際、従動スライド部材(65)の移動の妨げとなっていたディスク挟持力が解除されたため、従動スライド部材(65)は、図36(b)に示す如く、引張りバネ(69)によってシャーシ後方に付勢されて移動し、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)が原動スライド部材の長孔(63)の後端面に衝突する。
【0064】
その後、図36(c)に示す如く、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)がシャーシのガイド溝(106b)の後端面に当接して停止すると、原動スライド部材(61)は、ギア列(17)から離間する。原動スライド部材(61)は更に連結バネ(70)の付勢力により移動され、原動スライド部材(61)長孔(63)の前端面が、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)と当接して停止する。この時、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)は、従動スライド部材(65)は第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線の頂上に設けた平坦部に当接しており、チャッキングプーリ(51)はターンテーブル(91)から最も離間したローディング待機位置に保持される。
この状態で、ディスク(93)は、ディスク搬送ローラ(11)とシャーシ上面の間に挟持されて、アンローディング動作が開始される。この結果、ディスク搬送機構(1)によりディスク搬送ローラ(11)がディスク排出方向に駆動されて、ディスク(93)がディスク挿入口(94)に向けて搬送される。そして、ディスク(93)がディスク挿入口(94)に到達すると、アンローディング動作が停止する。
【0065】
上記実施例においては、上述の如くディスク狭持解除動作時に、前記従動スライド部材(65)が原動スライド部材(61)に衝突して、衝突音が発生する。この問題を解決した実施例を図37〜図39に示す。
本実施例においては、図37の如く、原動スライド部材(61)に、第1アーム部材(53a)のカムフォロワー(58a)が摺動する第4カム部(72a)と、第2アーム部材(53b)のカムフォロワー(58b)が摺動する第5カム部(72b)とが新たに設けられている。
第4カム部(72a)のカム形状は、従動スライド部材(65)の第1カム部(67a)の傾斜部のカム形状に相似しており、第4カム部(72a)の頂上部は、第1カム部(67a)の平坦部より低い位置に形成されている。
同様に、第5カム部(72b)のカム形状は、従動スライド部材(65)の第2カム部(67b)の傾斜部のカム形状に相似しており、第5カム部(72b)の頂上部は、第2カム部(67b)の頂上部より低い位置に形成されている。
更に、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)が原動スライド部材(61)の長孔(63)の後端面に当接している状態において、第4カム部(72a)は第1カム部(67a)の後方に位置すると共に、第5カム部(72b)は第1カム部(67b)の後方に位置する。
第1アーム部材(53a)、第2アーム部材(53b)及び従動スライド部材(65)は、前述した構成と同等であるので説明は省略する。
【0066】
図38(a)〜(c)及び図39(a)〜(c)は、本実施例における一連のディスク挟持解除動作時における前記両アーム部材(53a)(53b)、原動スライド部材(61)、及び従動スライド部材(65)の動作を示している。図38(a)に示す如く、チャッキングプーリ(51)とターンテーブルとの間にディスクを挟持した状態において、原動スライド部材(61)及び従動スライド部材(65)は、従動スライド部材(65)のガイドピン(68a)がシャーシのガイド溝(106a)の前端面に当接した状態で停止している。この状態において、原動スライド部材(61)の両カム部(72a)(72b)は、従動スライド部材(65)の両カム部(67a)(67b)の後方近傍に位置している。
【0067】
ディスク狭持解除動作が開始されると、前記ディスク搬送機構(1)が起動してギア列(17)を回転駆動する。これによって、原動スライド部材(61)が後方に移動して、図38(b)に示す如く、原動スライド部材の第4カム部(67a)及び第5カム部(67b)が、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)と当接する。更に、図38(c)に示す如く、原動スライド部材(61)が、第4カム部(72a)及び第5カム部(67b)に沿って両アーム部材(53a)(53b)を押し上げながら後方へ移動する。その後、図39(a)に示す如く、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)が、原動スライド部材(61)の第4カム部(72a)及び第5カム部(72b)上を摺動して、両カム部(72a)(72b)の頂上部に到達する。原動スライド部材(61)が、図38(b)、図38(c)、図39(a)と移動する過程において、チャッキングプーリ(51)がターンテーブル(91)から引き離され、ディスクの狭持が解除される。
【0068】
一方、従動スライド部材(65)は、引張りバネ(69)によりシャーシ後方に向けて付勢され、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)と原動スライド部材の長孔(63)の後端面との当接状態を保ちながら、原動スライド部材(61)の移動に伴って後方へ移動する。
従って、ディスク狭持解除動作の前後で、原動スライド部材(61)と従動スライド部材(65)の相対位置は一定に維持され、両スライド部材(61)(65)が衝突することはない。
図39(a)の状態において、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)は、原動スライド部材(61)の両カム部(72a)(72b)から、追随して移動する従動スライド部材(65)の両カム部(67a)(67b)に受け渡される。
【0069】
その後、図39(b)(c)に示す如く、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)は、従動スライド部材(65)の両カム部(67a)(67b)上を摺動する。
図39(c)に示す如く、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)がシャーシのガイド溝(106b)の後端面に当接して停止すると、原動スライド部材(61)は、ギア列(17)から離間する。原動スライド部材(61)は更に連結バネ(70)の付勢力により駆動され、原動スライド部材(61)の長孔(63)の前端面が、従動スライド部材(65)のガイドピン(68b)と当接して停止する。この時、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)は、従動スライド部材(65)は第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線の頂上に設けた平坦部に当接しており、チャッキングプーリ(51)はターンテーブル(91)から最も離間したローディング待機位置に保持される。
この状態で、ディスク(93)は、ディスク搬送ローラ(11)とシャーシ上面の間に挟持されて、アンローディング動作が開始される。この結果、ディスク搬送機構(1)によりディスク搬送ローラ(11)がディスク排出方向に駆動されて、ディスク(93)がディスク挿入口(94)に向けて搬送される。そして、ディスク(93)がディスク挿入口(94)に到達すると、アンローディング動作が停止する。
【0070】
上記本発明のディスクプレーヤの2つの実施例によれば、ディスク(93)が、ディスク搬送路中央からずれて挿入された場合においても、ディスク(93)は、第1ディスクセンタリング機構(8)及び第2ディスクセンタリング機構(2)によりディスク搬送路の中心線に向けて移動され、ディスク位置決め機構(3)により、ディスクの外径に応じてディスクの外周縁と当接可能な位置で受け止められるので、ディスクをディスクチャック位置に確実に位置決めすることが出来る。又、ディスク(93)は、ディスクチャック位置において第2ディスクセンタリング機構(2)及びディスク位置決め機構(3)によりディスク(93)の外周縁を拘持されているので、横置き又は縦置きの設置姿勢に拘わらず、ディスク搬送ローラ(11)をディスク(93)から離間させることが出来、ディスク面に傷を付ける虞はない。
【0071】
更に、チャッキングプーリ(51)は、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)によって保持されているので、一本のアーム部材で保持する場合に比べ、チャッキングプーリ(51)を安定した姿勢で保持することが出来る。又、両アーム部材(53a)(53b)の駆動タイミング及び揺動角度は、従動スライド部材(65)に設けた第1カム部(67a)及び第2カム部(67a)のカム曲線によりそれぞれ独立に制御することが出来るので、ディスクの侵入方向に対するチャッキングプーリ(51)の姿勢を任意に設定することが可能である。更に、ローディング待機位置において、チャッキングプーリ(51)は、前記両アーム部材(53a)(53b)により、ストッパー部材(52)に圧接されているので、チャッキングプーリを傾斜姿勢にて安定に且つ確実に保持することが出来、これによって、ディスクとの接触を回避することが出来る。
又、第2の実施例においては、原動スライド部材(61)の前記両アーム部材(53a)(53b)との対向部にカム部(72a)(72b)を設け、従動スライド部材(65)のカム部(67a)(67b)に先行して、原動スライド部材(61)のカム部(72a)(72b)を、両アーム部材(53a)(53b)のカムフォロワー(58a)(58b)が摺動するように構成したので、原動スライド部材(61)と従動スライド部材(65)は互いの相対位置を維持しながら移動する。従って、両スライド部材(61)(65)が相対移動して衝突することはなく、これによって衝突音の発生が防止される。
【0072】
尚、本発明の各部構成は上記の実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1ディスクセンタリング機構(8)及び第2ディスクセンタリング機構(2)の何れか一方を省略して、単一のディスクセンタリング機構によって、ディスクをディスク搬送路中心に向けて移動させる構成を採用することも可能である。
又、チャッキングプーリ(51)を水平姿勢のままターンテーブル(91)に接近離間させる構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係るディスクプレーヤの斜視図である。
【図2】該ディスクプレーヤを裏面から見た斜視図である。
【図3】該ディスクプレーヤを構成するシャーシの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図4】該ディスクプレーヤを裏面から見た要部斜視図である。
【図5】該ディスクプレーヤにおける第1、第2ディスクセンタリング機構、ディスク位置決め機構及びプーリ往復機構を示す斜視図である。
【図6】第2ディスクセンタリング機構を構成する第1スライド部材及び第2スライド部材の斜視図である。
【図7】ディスク位置決め機構を構成する第1位置決め部材の斜視図である。
【図8】ディスク位置決め機構を構成する第2位置決め部材の斜視図である。
【図9】位置決め部材拘束機構を構成する拘束レバーの斜視図である。
【図10】該ディスクプレーヤにおける切換機構の切換レバーの斜視図である。
【図11】プーリ往復移動機構を構成する原動スライド部材及び従動スライド部材の斜視図である。
【図12】プーリ往復移動機構の要部を示す斜視図である。
【図13】ストッパー部材の斜視図(a)、平面図(b)及び側面図(c)である。
【図14】小径ディスクのローディング動作の第1段階を表わす平面図である。
【図15】小径ディスクのローディング動作の第2段階を表わす平面図である。
【図16】小径ディスクのローディング動作の第3段階を表わす平面図である。
【図17】小径ディスクのローディング動作の第4段階を表わす平面図である。
【図18】小径ディスクのディスク挟持動作を表わす平面図である。
【図19】図18のA−A断面において小径ディスクのディスク挟持動作を拡大して表わす図である。
【図20】図18のB−B断面において小径ディスクのディスク挟持動作を拡大して表わす図である。
【図21】ディスク搬送路中央からずれて挿入された小径ディスクのローディング動作を表わす平面図である。
【図22】大径ディスクのローディング動作の第1段階を表わす平面図である。
【図23】大径ディスクのローディング動作の第2段階を表わす平面図である。
【図24】大径ディスクのローディング動作の第3段階を表わす平面図である。
【図25】大径ディスクのローディング動作の第4段階を表わす平面図である。
【図26】大径ディスクのディスク挟持動作を表わす平面図である。
【図27】図26のA−A断面において大径ディスクのディスク挟持動作を拡大して表わす図である。
【図28】図26のB−B断面において大径ディスクのディスク挟持動作を拡大して表わす図である。
【図29】切換機構の動作による原動スライド部材及び受動スライド部材の相対移動の様子を表わす一連の側面図である。
【図30】ディスク挟持解除動作の前半工程における第1、第2アーム部材、チャッキングプーリ及び従動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【図31】ディスク挟持解除動作の後半工程における第1、第2アーム部材、チャッキングプーリ及び従動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【図32】図30及び図31に示すディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作の要部を拡大して表わす一部破断側面図である。
【図33】ローラ支持機構の斜視図である。
【図34】第1アーム部材及び第2アーム部材の斜視図である。
【図35】ディスク挟持解除動作の前半工程における第1、第2アーム部材、原動スライド部材及び従動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【図36】ディスク挟持解除動作の後半工程における第1、第2アーム部材、原動スライド部材及び従動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【図37】改良したプーリ往復移動機構を構成する原動スライド部材及び従動スライド部材の斜視図である。
【図38】ディスク挟持解除動作の前半工程における第1、第2アーム部材、従動スライド部材、及び改良した原動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【図39】ディスク挟持解除動作の後半工程における第1、第2アーム部材、従動スライド部材、及び改良した原動スライド部材の動作を表わす一連の一部破断側面図である。
【符号の説明】
【0074】
(11) ディスク搬送ローラ
(21a) 第1スライド部材
(21b) 第2スライド部材
(31a) 第1位置決め部材
(31b) 第2位置決め部材
(41) 拘束レバー
(51) チャッキングプーリ
(52) ストッパー部材
(53a) 第1アーム部材
(53b) 第2アーム部材
(61) 原動スライド部材
(65) 従動スライド部材
(75) 切換レバー
(81) ピニオンギア
(82a) 第1ラックギア
(82b) 第2ラックギア
(9) シャーシ
(91) ターンテーブル
(92) モータ
(93) ディスク
(93a) 小径ディスク
(93b) 大径ディスク
(94) ディスク挿入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを回転駆動するターンテーブル(91)と、ターンテーブル(91)との間にディスクを挟持するチャッキングプーリ(51)と、ディスク挿入口から該チャッキングプーリとターンテーブルの間のディスクチャック位置に亘ってディスクを搬送するディスク搬送機構とを具えたディスクプレーヤにおいて、ディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作に伴ってチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)に対して接近離間する方向に往復移動させるプーリ往復移動機構を具え、該プーリ往復移動機構は、ターンテーブル(91)の回転軸と平行な面内で往復移動可能に支持された第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)と、ディスク挟持動作及びディスク挟持解除動作に連動して両アーム部材(53a)(53b)を往復駆動するアーム部材駆動機構とによって構成され、両アーム部材(53a)(53b)は、ディスクがターンテーブル(91)とチャッキングプーリ(51)の間に侵入する際にはチャッキングプーリ(51)をディスクの搬送路から離間した位置に保持し、ディスクがディスクチャック位置に到達したときには、チャッキングプーリ(51)をディスクの搬送路に接近した位置へ移動させることを特徴とするディスクプレーヤ。
【請求項2】
前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路に最も接近した位置に設定されているとき、該チャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)の回転面と平行な姿勢に保持する請求項1に記載のディスクプレーヤ。
【請求項3】
前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路から最も離間した位置に設定されているとき、該チャッキングプーリ(51)をディスクの侵入方向に対して仰角を有する傾斜姿勢に保持する請求項1又は請求項2に記載のディスクプレーヤ。
【請求項4】
チャッキングプーリ(51)との対向位置には、チャッキングプーリ(51)がディスク搬送路から最も離間した位置に移動したとき、該位置にてチャッキングプーリ(51)を受け止めて、該チャッキングプーリ(51)を前記傾斜姿勢に保持するストッパー部材(52)が配備されている請求項3に記載のディスクプレーヤ。
【請求項5】
前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、ディスク搬送方向に沿ってチャッキングプーリ(51)の両側に配備され、ディスク搬送方向と平行な面内で基端部を中心として揺動可能に枢支され、両アーム部材の先端部が互いに接近する方向に伸びて、ディスク搬送方向と直交するチャッキングプーリ(51)の直径線を挟んで両側にてチャッキングプーリ(51)と係合し、チャッキングプーリ(51)は両アーム部材の先端部に対して回転軸に沿う方向及び半径方向に一定の遊びを有している請求項1乃至請求項4の何れかに記載のディスクプレーヤ。
【請求項6】
前記アーム部材駆動機構は、モータによって往復駆動されるスライド部材(65)を具え、該スライド部材(65)には第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)が形成される一方、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)にはそれぞれ前記第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)に係合するカムフォロワーが設けられており、該スライド部材(65)の往復移動によって、両アーム部材が揺動駆動され、前記第1カム部(67a)及び第2カム部(67b)のカム曲線によって、第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)の揺動のタイミング及び揺動角度が制御される請求項5に記載のディスクプレーヤ。
【請求項7】
ターンテーブル(91)とチャッキングプーリ(51)とは互いの磁気吸引力によってディスクに対する挟持力を発揮するものであって、前記第1アーム部材(53a)及び第2アーム部材(53b)は、ディスクの搬送路に最も接近した揺動姿勢にてチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)の回転軸に対して垂直な姿勢で保持することが可能であり、ディスク挟持動作によってチャッキングプーリ(51)が両アーム部材に対する回転軸方向の遊びの中間位置まで持ち上げられた状態で、両アーム部材はチャッキングプーリ(51)と非接触状態に保たれる請求項1乃至請求項6の何れかに記載のディスクプレーヤ。
【請求項8】
ディスク挟持解除動作において、何れか一方のアーム部材が他方のアーム部材に先行してチャッキングプーリ(51)をターンテーブル(91)から離間する方向に移動させることにより、チャッキングプーリ(51)の回転軸をターンテーブル(91)の回転軸に対して傾斜させる請求項7に記載のディスクプレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−48839(P2006−48839A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229208(P2004−229208)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(397016699)三洋テクノ・サウンド株式会社 (16)
【Fターム(参考)】