説明

ディスプレイの接続

システムは、基板(16)を有するディスプレイ(1)とキャリア(2)とを備えている。ディスプレイ(1)は、ピクセル(11)と、表示信号(DS)をピクセル(11)に対して供給する複数のディスプレイ導体(12)とを備えている。キャリア(2)は、入力信号(IS)を送るための複数のキャリア導体(20)を備えている。ディスプレイ導体(12)およびキャリア導体(20)は、ディスプレイ導体(12)およびキャリア導体(20)のうちの対応する導体間でキャパシタ(C)を得ることによりキャリア導体(20)上の入力信号(IS)をディスプレイ導体(12)へ容量的に伝送するために互いに対して位置決めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアと、基板および表示ピクセルを有するディスプレイとを備えるシステム、そのようなシステムを備えるディスプレイ装置、そのようなシステムで使用するためのディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
経済的な方法でマトリクスディスプレイを製造するため、通常、ディスプレイは、基板またはマザープレート上に形成される。例えばLCD(液晶ディスプレイ)等の従来のディスプレイにおいて、ピクセル、接続電極、インピーダンス素子、トランジスタ(ディスプレイがアクティブマトリクスディスプレイの場合)は、2つの基板間に存在する。通常、これらの基板は、その境界で互いに接着される。ガラス基板が使用される場合には、接点ラッチのための空間を確保するため、一方のガラス基板が他方のガラス基板よりも大きい場合がある。接点ラッチは、ディスプレイに対する入力信号の機械的な導電接続を担う。例えば、導電ストリップを備える接点箔を使用して、接点ラッチの導電ストリップとの機械的な導電接触を行なっても良い。通常、接点箔のストリップのそれぞれを接点ラッチの対応するストリップに対して熱的に接着するために、導電ストリップの端部上に導電接着剤が使用される。プラスチック基板が使用される場合には、通常、ディスプレイが切断により分離されるとともに、ディスプレイの両方の基板が同じサイズを有し、最も大きな基板の縁部に接点ラッチを設けることができない。日本国特許第2000−275597号は、機械的な導電接触を行なうことができる基板の一方に穿孔を形成できることを開示している。これは、製造プロセスを複雑にするとともに、大きなピッチを伴う接続においてのみ実行できる。
【0003】
基板のために使用される材料は、マトリクス回路または背面および/または接点箔で使用される材料と大きく異なる熱膨張を有している場合がある。したがって、接点箔と基板との間で信頼性の高い接続を行なうことが難しく、あるいは、導電接着剤を用いてマトリクス回路または背面に対して直接に接続することは難しい。接着剤は、温度や湿度の変化により機械的な応力を受けやすい。その結果、接着剤中の導電粒子が、導電接続される面同士の間の接触を緩め、接続に不良を生じる恐れがある。これは、特に、プラスチック基板に基づいて大きなマトリクスディスプレイを形成する際の障害となる。絶えず曲げることができる最近開発されたフレキシブルディスプレイにおいては、信頼性の問題が更に重要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性が高いマトリクスディスプレイに対する接続を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、キャリアと、基板および表示ピクセルを有するマトリクスディスプレイとを備えるシステムであって、前記ディスプレイは、表示信号を表示ピクセルへ供給するための複数のディスプレイ導体を備え、前記キャリアは、入力信号を送るための複数のキャリア導体を備え、前記システムは、容量伝送、誘導伝送、光伝送のうちの少なくとも1つの伝送を用いて、前記入力信号を前記キャリアの前記キャリア導体から前記基板を介して前記ディスプレイの前記ディスプレイ導体へと伝送するための手段を更に備えているシステムを提供する。従属請求項には、有利な実施形態が記載されている。
【0006】
本発明に係るシステムは、一方で、基板を有するディスプレイを備えるとともに、他方で、ディスプレイを取り付けるためのキャリアを備えている。ディスプレイは、ピクセルと、ピクセルに対して表示信号を供給するディスプレイ導体とを備えている。キャリアは、入力信号を送るためのキャリア導体を備えている。システムは、キャリア導体上の入力信号を基板を介してディスプレイのディスプレイ導体へ容量的に、誘導的に、あるいは、光学的に伝送する。
【0007】
信号をキャリアからディスプレイへと容量的に、誘導的に、あるいは、光学的に伝送するため、機械的な接続が不要になるとともに、機械的な応力もなくなり、その結果、キャリアからディスプレイへの信号伝送の信頼性が高まる。これは、特に、例えばプラスチック基板の場合のように基板がキャリアの熱膨張と異なる熱膨張を有するディスプレイにおいて重要である。
【0008】
容量的、誘導的、あるいは、光学的な信号伝送は、それ自体でキャパシタを形成できるディスプレイ基板およびキャリアの両方に対して、磁気的に結合されたインダクタまたは光学的に結合された送信器および受信器を設ける必要がある。伝送された信号は、ディスプレイ電極を介してピクセルへと方向付けられなければならない。例えば、ディスプレイ電極は、LCDまたは基板を有する任意の他のマトリクスディスプレイの列電極および行電極である。
【0009】
容量的、誘導的、あるいは、光学的な信号伝送によれば、例えばディスプレイステッカやディスプレイタイル等の取り外し可能なディスプレイを導入することができる。これらの新たな用途において、通常の機械的に接触する導電接続は、悪い解決策である。ディスプレイが接着された後は、ディスプレイを取り外すことができず、また、通常、下側基板の裏側には接点ラッチが位置される。更に、機械的な導電接続を行なうために従来の解決策において必要とされた導電接着剤は、接点の遮断、隣接する導体同士の短絡等といった信頼性の問題を引き起こす。
【0010】
フレキシブルな接点素子を有する機械的なコネクタは、非常に大きなピッチを有しており、あるいは、非常に高価でかつ非常に脆弱である。ディスプレイタイルにおいては、接点ラッチにより占められる面積を非常に小さくして、幾つかのディスプレイタイルが張られる際の接点ラッチの視認性を最小限に抑えることが重要である。キャリア導体上の入力信号をディスプレイ導体に結合するキャパシタ、インダクタ、あるいは、光学素子によって占められる面積は、比較的小さくすることができる。例えば、キャパシタ、インダクタ、あるいは、光学素子は、接着剤ストリップが基板を一緒に接着する基板の境界に沿って、接着剤ストリップの下側に配置されても良い。
【0011】
本発明の更なる利点は、接点ラッチを必要とすることなく、薄い基板上にディスプレイを形成できる可能性が生じるという点である。プラスチック基板が使用される場合には、通常、ディスプレイが切断により分けられるとともに、ディスプレイの両方の基板が同じサイズを有し、最も大きい基板の縁部に接点ラッチを設けることができない。
【0012】
請求項2に記載される本発明に係る一実施形態において、ディスプレイは、ピクセルと、ピクセルに対して表示信号を供給するディスプレイ導体とを備えている。キャリアは、入力信号を送るためのキャリア導体を備えている。ディスプレイ導体およびキャリア導体は互いに対して位置決めされており、これにより、ディスプレイ導体およびキャリア導体のうちの関連付けられた導体同士の間に所定のキャパシタンス(容量)またはインダクタンスを得て、キャリア導体上の入力信号をディスプレイ導体へ容量的に或いは誘導的に伝送するようになっている。
【0013】
請求項3に記載される本発明に係る一実施形態において、基板は、キャパシタの誘電体を形成し、あるいは、上記誘電体の本質的な部分である。キャパシタの電極は、キャリアと基板との間に存在するキャリア導体と、キャリアから離れる方向に向けられた基板の側面に存在するディスプレイ導体とが協働することにより形成される。
【0014】
請求項4に記載される本発明に係る一実施形態においては、基板の厚さが250ミクロン未満であり、これにより、協働するキャリア導体およびディスプレイ導体の重なり合う面積が小さい状態で、キャパシタの値を比較的大きくすることができる。
【0015】
請求項5に記載される本発明に係る一実施形態においては、基板がガラスまたはプラスチックを構成している。直接的な機械的導電接続が無いため、接続において大きな機械的応力を引き起こすことなく、キャリアの膨張係数と実質的に同一でない膨張係数を有するガラスまたはプラスチックを使用することもできる。考えられる影響は、対応するディスプレイ導体の位置に対するキャリア導体の位置の僅かな変化によってキャパシタの値が若干小さくなり得るという点だけである。したがって、キャパシタの値は、ディスプレイ導体およびキャリア導体の最適な位置合わせで必要とされるよりも若干高く選択されることが好ましい。他には、例えばキャパシタの一方の電極の寸法を他方の電極のそれよりも大きくなるように選択することにより、一方向で位置合わせできるキャパシタ構造を使用することも可能である。その一方向で電極を互いに対して変位させても、キャパシタの値に影響が及ばない。
【0016】
請求項7に記載される本発明に係る一実施形態においては、協働するパッドを得るために、キャリア導体およびディスプレイ導体の面積が局所的に広げられる。これは、キャパシタの値を大きくする。
【0017】
請求項8に記載される本発明に係る一実施形態においては、ディスプレイが2つの基板を備えている。チップ(集積回路)上に集積されても良い或いは一方の基板上に直接に形成されても良いマトリクスディスプレイのピクセルおよびディスプレイ導体並びに他の素子は、2つの基板間に挟み込まれる。2つの基板は、縁部近傍の接着剤ストリップにより互いに接着される。接着剤ストリップにより占められる空間をディスプレイのアクティブ領域として使用することができないため、この空間をキャパシタ、インダクタ、光学素子の形成のために使用することは有益である。例えば、パッシブマトリクスディスプレイにおいては、上側基板上の電極が導電接着剤により下側基板上の接点ラッチに対して接続されても良く、また、アクティブマトリクスディスプレイにおいては、上側基板上の共通電極(コモン電極)が少量の導電接着剤により下側基板上の接点ラッチに対して接続されても良い。
【0018】
請求項9に記載される本発明に係る一実施形態においては、受けた信号を容量的(容量的)にバッファリングするためにバッファが使用される。バッファの入力は、トランジスタの高インピーダンス制御電極を備えている。バッファは、バッファの後にくるディスプレイの回路によるキャパシタの充電の乱れが最小限に抑えられるように管理する。
【0019】
請求項10に記載される本発明に係る一実施形態において、バッファは、キャリア導体への入力データの供給と同期して動作される。
【0020】
新たな入力データがキャリア導体によって供給される前に、最初に、キャパシタの電極のうちの1つを形成するディスプレイ導体およびバッファの出力の両方が、第1の電圧レベルに接続されることにより初期化される。その後、入力データがキャリア導体により供給され、ディスプレイ導体における電圧のレベルにより、バッファの出力は、ディスプレイマトリクスに伝送されるべき第2の電圧レベルを供給し、あるいは、最初の第1の電圧レベルを保持する。p型FETが使用される場合、第1の電圧レベルは第2の電圧レベルよりも高い。
【0021】
請求項11に記載される本発明に係る一実施形態において、マトリクスディスプレイは、一般に行電極である選択電極を有している。ライン毎に選択電極に関連付けられたピクセルを選択するために、シフトレジスタが使用される。これにより、選択電極に対して供給される信号の数を最小限に抑えることができる。全ての選択電極のために1つのキャパシタを使用する必要はない。シフトレジスタを駆動するために必要な信号をキャリアから供給するだけで十分である。通常、クロック信号および電源電圧だけが必要とされる。シフトレジスタを使用してマトリクスディスプレイの選択電極を駆動すること自体は周知である。
【0022】
また、データ(通常は、列に対して供給される)シフトレジスタ(いかにも選択シフトレジスタのようであるが、更に高い周波数で作動する)または列マルチプレクサを組み込むこともできる。列シフトレジスタを組み込む場合には、たった1つのビデオラインおよびクロック並びに基準電圧を列に対して供給しなければならない。データマルチプレクサの場合、列電極に対する接続の数は、マルチプレックス比と等しいファクタだけ減少される。
【0023】
請求項12に記載される本発明に係る一実施形態において、キャリア電極上に存在する入力信号は、クロック信号または基準信号であっても良い。通常、クロック周波数は、比較的高い周波数を有しており、したがって、キャパシタを介してまたはインダクタによりディスプレイ電極へと容易に伝送可能である。例えば、基準レベルは、AC電圧の振幅としてキャパシタ、インダクタ、光学素子により、伝送される光の強度により、あるいは、任意の他の方法により、伝送されても良い。基準レベルが特定のデューティサイクルとして伝送されても良く、例えば50%のデューティサイクルが特定のレベルに変換されても良く、他のデューティサイクルが他の基準レベルに対応していても良い。
【0024】
請求項14に記載される本発明に係る一実施形態において、キャパシタ値は、十分なエネルギをディスプレイに対して伝送できる程度に十分大きく、それにより、ディスプレイによって使用される電源電圧を生成することができる。通常、これは、キャパシタ電極およびディスプレイ中に存在しかつキャパシタ電極に接続されるディスプレイの整流器のため、比較的大きな面積を必要とする。ディスプレイのキャパシタ電極がディスプレイの縁部近傍でループを形成するため、大きな面積を得ることができ、そのため、このキャパシタ電極の最大長が得られる。しかしながら、導電ループによってキャパシタを形成する必要はなく、キャパシタの電極の大きな面積は、長くて狭い電極形状により得られても良く、また、ディスプレイ基板の寸法を大きくしないようにディスプレイの縁部の近傍に電極を位置決めすることにより得られても良い。
【0025】
請求項15に記載される本発明に係る一実施形態において、キャリアおよび基板は、エネルギをディスプレイへ伝送するための協働する複数のインダクタを備えている。好ましくは、基板上のインダクタおよびキャリア上のインダクタの両方が、できる限り大きい面積を有することが好ましい1または複数のループを形成する。両方のインダクタが大きな面積(上記インダクタ同士の離間距離と比べて大きい面積)を有している場合であって、これらのインダクタが実質的に上下に配置される場合には、特に良好な誘導結合が得られる。
【0026】
請求項17に記載される本発明に係る一実施形態においては、キャリア上に光発生素子が設けられる。基板は、光発生素子によって発せられた光を透過する。ディスプレイ上には対応する感光素子が設けられており、これにより、光発生素子から基板を介して感光素子へと光を伝送することができる。
【0027】
本発明のこれらの態様および他の態様は、後述する実施形態から明らかであり、上記実施形態を参照して前記態様について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
異なる図における同一の参照符号は、同一の信号または同一の機能を果たす同一の要素を示している。
【0029】
図1は、キャパシタを形成するように配置された複数の導体(導線)を有する本発明に係る実施形態のキャリアおよび基板の略図を示している。
【0030】
簡略化のため、1つのキャパシタCのみが示されている。ディスプレイ1が選択電極RO(図2参照)およびデータ電極COを有するマトリクスディスプレイである場合には、多数のキャパシタCが必要である。基本的には、各選択電極RO毎に少なくとも1つのキャパシタが必要であり、また、各データ電極CO毎に少なくとも1つのキャパシタが必要である。また、キャパシタCは、クロック信号CLK(図3参照)、基準レベルおよび/または電力(図4参照)をディスプレイ1に対して送るために設けられても良い。
【0031】
キャリア2は、パッド200で終端しかつ入力信号ISを伝えるキャリア導体20を備えている。ディスプレイ1は、基板16とディスプレイ導体12とを備えている。ディスプレイ導体12は、その一端がディスプレイピクセル(表示ピクセル)11に接続されるとともに、その他端がパッド120で終端している。ディスプレイ導体12は、キャリア導体20から離れる方向に向けられた基板16の側面上に設けられており、これにより、基板16は、パッド120とパッド200との間に位置される。ディスプレイ導体は、表示信号DSをピクセル11に対して供給する。パッド200,120は、互いに対して位置合わせされることによりキャパシタCの電極を形成しており、その誘電体が基板16によって形成されている。ディスプレイ1の素子(要素)が集積回路として形成されている場合には、パッド120が基板16に対して最も近接するようにマトリクス回路または背面が基板16上に位置されていることが好ましい。マトリクス回路または背面は、全てのピクセル11がスイッチの機能を果たす薄膜トランジスタ(TFT)を有しているアクティブマトリクス回路であっても良く、あるいは、ピクセル11中に能動素子が存在しないパッシブマトリクス回路であっても良い。
【0032】
キャリア2が実際にディスプレイ1を機械的に支持していても良く、あるいは、ディスプレイ1を駆動するための回路を支持するキャリア2が、単に、機械的な導電接続を要することなくキャリア2からの信号をディスプレイ1に対して送るキャパシタCのための電極20を形成する。いずれの実施形態においても、パッド120,200を最適に位置合わせするために、機械的な固定が行なわれることが好ましい。
【0033】
通常、第2の基板15は、パッド120、ディスプレイ導体12、ピクセル11、ディスプレイ1の他の素子を基板16,15同士の間で挟み込むために存在する。通常、ディスプレイの素子は、マトリクス回路または背面とも称される集積回路の状態で一体化される。このマトリクス回路または背面は、2つの基板15,16同士の間に挟み込まれる。基板15上または基板16上の一方に直接にディスプレイの素子を設けることができる。基板15,16の縁部に設けられた接着剤から成るストリップGLにより、2つの基板15,16同士が付着されても良い。基板15の僅かな部分だけが示されており、通常、2つの基板15,16は、略同一の寸法を有しているが、厚さが異なっていても良い。通常、基板15,16のうちの少なくとも一方は透明である。
【0034】
図1は、ディスプレイ導体12はピクセル11に対して直接に接続されているように示しているが、パッド120とピクセル11との間に少なくともバッファ13(図3参照)が設けられていることが好ましい。ディスプレイ1の構成は本発明と関係がない。
【0035】
したがって、一般に、本発明の一実施形態は、ディスプレイ1とキャリア2との間にキャパシタCを形成することにより、ディスプレイ1とキャリア2との間の機械的な導電接続を不要にしようとするものである。キャパシタCの電極は、ディスプレイ基板16およびキャリア2上に存在するディスプレイ導体12およびキャリア導体20のそれぞれによって形成される。
【0036】
一例としてのみ、以下では、実用的な実施形態の一実施例を示す。基板16が50ミクロンという一般的な厚さを有し、基板16の誘電率が4.5である場合には、キャパシタCは0.8ピコファラッド/mmである。入力信号の非常に大きな容量分割(capacitive division)を防止するため、キャパシタCの値は、バッファ13(図3参照)の入力における寄生容量に対して十分に大きくなければならない。バッファ13の入力130はキャパシタCに接続される。
【0037】
小さな薄膜トランジスタ(TFT)のゲートにおける寄生容量の値は、0.01ピコファラッド程度である。これは、共に5ミクロンであるソース−ゲートおよびドレイン−ゲートの重なり合い、0.3ミクロンという誘電体層の厚さ、相対誘電率4.5、寄生容量がトランジスタT1のソース−ゲートおよびドレイン−ゲート容量とトランジスタT3のドレイン−ゲート容量とから成るという事実に基づいている。
【0038】
前述のように計算された0.8ピコファラッド/mmを使用することにより、0.0125mm(約110×110平方ミクロン)の面積を有する容量接続部は、TFTと同じ容量を有する。このことは、(プラスチック)ディスプレイに対する容量結合接続が可能であることを示している。実際には、容量分割を減少させ、したがって、駆動電圧の振幅を減らすために、キャパシタCの値は、TFT容量よりも大きくなるように選択される。
【0039】
基板16を介して容量結合、誘導結合、または、光結合が常に起こる必要はない。更に一般的には、基板15を介して結合が起こっても良い。これは、一般に、基板15,16が多かれ少なかれ透明である場合における光を用いた光結合において起こり得る。パッシブマトリクスディスプレイは、一方の基板上に行電極を有するとともに、他方の基板上に列電極を有しているため、上側基板15を介した容量結合および誘導結合も望ましい。これにより、結合を介して行電圧を一方の基板に供給することができるとともに、結合を介して列電圧を他方の基板に供給することができる。アクティブマトリクスディスプレイの場合には、他の基板を介した容量結合および誘導結合も考えられる。ただし、この基板が共通電極を有していない場合に限る。これは、例えば、面内切り換えアクティブマトリクスディスプレイにおける場合である。
【0040】
図2は、本発明に係るディスプレイ装置のブロック図を示している。ディスプレイ1は、行パッドROと列パッドCOとを備えている。行パッドROと列パッドCOとに接続されたディスプレイ1内の導体およびディスプレイ1の内部構造は、これらが本発明に関係していないため、図示されていない。2つの破線GLは、一般にピクセル11(図1参照)を見ることができるように透明である上側基板(図示せず)を、ディスプレイの下側基板16に対して接着する接着剤ストリップを示している。図2においては下側基板16よりも下側に位置するキャリア2は図示されていない。
【0041】
第1の実施形態においては、キャリア2上に行ドライバSRおよび導体20が存在している。行ドライバSRは、入力信号INおよびクロックCLKを受けるとともに、ディスプレイ1のピクセル11が行毎に選択されるように導体20に対して電圧を供給する。パッドROは、ディスプレイ1の基板16およびキャリア2上の導体20とともに、キャパシタCRCを形成している。
【0042】
第2の実施形態(図示せず)において、行ドライバSRは、ディスプレイ中に存在するシフトレジスタである。この場合、シフトレジスタSRとディスプレイ1との間にキャパシタCRCは必要ないため、行パッドROは不要である。その代わり、入力信号INおよびクロック信号CLKをキャリア2から受けるためにキャパシタCRCが必要となる。したがって、この場合、これらの信号が存在する基板16上およびキャリア2上の対応する導体は、基板16と共に、キャパシタCRCを形成しなければならない。
【0043】
通常、列パッドCOは、キャリア2上の対応する電極またはパッドと共に、キャパシタCCCを形成する。この場合も同様に、基板16がキャパシタCCCの誘電体を形成する。
【0044】
図1に示されるように、行パッドROおよび列パッドCOによって占められる空間は、実質的に接着剤によって覆われる領域の範囲内である。
【0045】
また、ディスプレイに対して機械的に導電接続される電源供給ラインPLがディスプレイ1中に存在していても良い。また、幾つかの電源供給ラインを機械的に導電接続することも考えられる。このことは、限られた数の機械的接続においては大きなラインによって大きなピッチを使用することにより強固な機械的導電接続を形成することができるため、例えば温度変化または湿度に起因する機械的応力に関する問題ではない。
【0046】
また、クロック信号CLKは、ディスプレイに対して容量的に供給されても良い。
【0047】
図2に示される本発明に係る実施形態は、列への情報を、容量結合を介して、接着剤ラインGLの下側に隠された小さなキャパシタCCCに対して供給する。列パッドCOはキャパシタCCCの電極である。バッファ13の入力130(図3参照)は、対応するキャパシタCCCに供給される電圧に応じてディスプレイ1の列ラインを充電するために、列パッドCOのうちの対応する1つに対して接続されている。この解決策は、アクティブマトリクスディスプレイにおいて容易に適用することができる。1つの例は、低いリフレッシュ速度で有機TFTにより駆動される電気泳動E−インクディスプレイである。このようにすると、アモルファスシリコンまたは多結晶シリコンTFTが使用される場合には、更に大きなLCDを駆動することができる。
【0048】
残る唯一の機械的な列接続は、1つのクロックラインおよび2つの電源供給ライン(供給電圧およびグランド)である。ディスプレイ1における適切なバッファリングによりクロックCLKにかかる負荷を低くすることができるため、クロックラインは、それ自体の容量結合を有していても良い。電源供給ラインは、ディスプレイ1の一部である別個の電源ユニットに対する機械的な接続部を有していても良い。また、電源供給ラインは、2つの大きなピッチコネクタを介してディスプレイ1に接続されても良い。また、キャパシタCを介してディスプレイ1に電力を供給することもできる。
【0049】
解像度が低いディスプレイ1の場合には、ディスプレイによって受けられる信号の全て或いは一部に関してバッファを除去できるようにキャパシタCを十分に大きくするため、十分な面積が与えられても良い。これは、特に、パッシブディスプレイまたはセグメントディスプレイにおいて良い選択肢である。そのようなディスプレイは、例えばスマートカードまたはクレジットカード等の情報ソース上に配置されることにより、このソースに記憶された情報を表示しても良い。大きな接続部によれば、情報ソース上においてディスプレイを手動で位置決めすることができる。
【0050】
また、行接続も、列接続と同じ方法で行なわれても良い。前述したように、キャパシタCRCを介した別個の行接続が使用されても良い。行電極の容量(キャパシタンス)は一般に列電極のそれよりも高いため、キャパシタCRCは、列で使用されるキャパシタCCCよりも高い値を必要とし、あるいは、更に良好なバッファリングを適用しなければならない。小さなパッシブマトリクスディスプレイまたはセグメントディスプレイにおいては、バッファが無いキャパシタCRCを介した直接的な接続も可能である。シフトレジスタSRがディスプレイ1中に組み込まれる場合には、僅かな行接続だけ、すなわち、僅かな数のクロック信号(一般的には1〜6つ)および電源供給ライン(典型的には2つ)だけが残る。クロック信号CLKは容量結合されても良い。電源供給ラインは、列に関して説明した方法と同じ方法で接続されても良い。また、図2に示されるように、キャリア2からキャパシタを介してディスプレイ1へと基準レベルRLを供給することもできる。基準レベルRLはAC電圧として送られ、AC電圧の振幅が基準レベルの値を示している。ディスプレイにおいては、例えば整流器を使用することにより、基準レベルRLを回復することができる。
【0051】
図3は、本発明に係るバッファの一実施形態を示している。バッファ13は、第1のトランジスタT1と、第2のトランジスタT2と、第3のトランジスタT3とを備えている。
【0052】
第1のトランジスタT1は、パッド120上の入力電圧をディスプレイ導体12を介して受けるためにバッファ入力130に結合された制御電極と、第1の電圧レベルVLを受けるために結合された第1の主電極と、出力信号DSをピクセル11に対して供給するためにバッファ出力131に結合された第2の主電極とを有している。入力電圧は、行パッドROまたは列パッドCO上に存在する。
【0053】
第2のトランジスタT2は、クロック信号CLKを受けるように結合された制御電極と、バッファ出力131に結合された第1の主電極と、第2の電圧レベルVHを受けるように結合された第2の主電極とを有している。
【0054】
第3のトランジスタT3は、クロック信号CLKを受けるように結合された制御電極と、入力電圧を受けるためにバッファ入力130に結合された第1の主電極と、第2の電圧レベルVHを受けるように結合された第2の主電極とを有している。
【0055】
キャパシタCの1つの電極であるパッド120は、ディスプレイ導体12を介して、入力130に対して接続されている。
【0056】
以下では、p型トランジスタT1,T2,T3に基づいて、バッファの動作について説明する。当業者であれば分かるように、n型FETトランジスタまたはバイポーラトランジスタを有する同様の回路により、同じバッファ機能を得ることができる。p型トランジスタが使用される場合、電圧レベルVHは、電圧レベルVLよりも高い。
【0057】
クロック信号CLKにより、トランジスタT2,T3は、キャリア上のパッド200であるキャパシタCの他の電極に入力電圧IS(図1参照)が供給される前に、導電状態になる。電圧レベルVHがパッド120および出力131の両方に供給され、バッファ13が初期状態となる。この初期状態は、キャパシタCを介した全ての信号の送信前と同じ状態である。その後、クロック信号CLKがトランジスタT2,T3をOFFに切り換え、入力信号ISがキャパシタCに供給される。入力信号ISが高レベルVHのまま保持されている場合には、パッド120の電圧が高レベルVHに維持され、トランジスタT1は導電状態とならず、出力131の電圧は高レベルVHを維持する。入力信号ISが低レベルVへ変わると、パッド120の電圧が降下し、トランジスタT1が導電状態となって、出力131の電圧は、入力信号ISに従って、低レベルVとほぼ等しいレベルまで降下する。
【0058】
バッファ13の入力における高いインピーダンスは、キャパシタの充電の乱れを最小限に抑える。
【0059】
図4は、エネルギがディスプレイに対して送られる本発明に係るディスプレイ装置のブロック図を示している。図4は、信号をキャリア2からディスプレイ1へ送るために使用される行キャパシタRCおよび列キャパシタCCの平面図を示している。導電ループLO;LPがディスプレイ1を取り囲んでいる。ループLO;LPには整流器REが接続されている。ディスプレイ領域がDAで示されている。
【0060】
図4に示されるように、ループLO;LPは、クローズドループ(閉じられたループ)LPであっても良く、キャリア2上の対応するスローズドループと協働して比較的大きなキャパシタとしての機能を果たす。また、大きなキャパシタは、他の方法により、例えばディスプレイ領域DAの一方側に広い領域を設けることにより得られても良い。また、ループLO;LPがオープンループLO(図示せず)である場合には、キャパシタの大きな値を得ることもできる。
【0061】
また、ループLO;LPを閉じることなく、オープンループLOの一端を整流器REに接続するとともに、オープンループLOの他端を例えばグランドである基準電圧に対して接続することもできる。オープンループLOは、キャリア2上の対応するオープンループと共に、変圧器としての機能を果たす。この変圧器においては、キャリア上のオープンループが一次巻線であり、オープンループLOが二次巻線である。
【0062】
図5は、キャリアから基板16を介してディスプレイへ信号を光学的に伝送する略図を示している。キャリア2上に存在する発光素子Ltは、入力信号ISを受けることにより、基板16を通じて基板16上の対応する感光素子Lrへと光を発する。発光素子Ltが図1のパッド200の位置に存在し、また、感光素子Lrが図1のパッド120の位置に存在していることが好ましい。
【0063】
発光素子Ltは発光ダイオードであっても良い。感光素子Lrは、図5に示されるような感光p型TFTであっても良い。そのような感光TFTはレジスタとしての機能を果たし、その値は、受けた光の量によって決まる。光がチャンネルに衝突しない場合よりも光がチャンネルに衝突する場合に十分に低いチャンネル抵抗を有するアモルファスシリコンTFTが使用されることが好ましい。適当な感光素子の他の例は、薄膜ダイオードである。基板16は、使用される光を透過しなければならない。
【0064】
TFT Lrは、電圧V1を受けるドレインと、高電圧VHを受けるゲートと、レジスタR1を介して電圧V2を受けかつバッファ入力130に接続されたソースとを有している。図3に示されるバッファと同じバッファが使用されても良い。バッファ入力130における電圧は、光がTFT Lrのチャンネルに衝突しない場合には電圧V2であり、発光素子Ltが光を発する場合には電圧V1である。
【0065】
マトリクスディスプレイ1の実用的な実施形態においては、多数の発光素子Ltおよび対応する感光素子Lrが存在し、これらの各対が、列信号、行信号、または、他の信号をキャリア2からディスプレイ1へと送信する。
【0066】
図6は、キャリアから基板16を介してディスプレイへ信号を誘導伝送する略図を示している。この場合、キャリア2上の導体20は、ループLcを形成する2つの導体20a,20bを備えている。基板16上の導体12は、ループLdを形成する2つの導体12a,12bを備えている。ループLcおよびループLdは、基板16を介して磁気的に結合されて変圧器を形成している。ループLcが図1のパッド200の位置に存在し、ループLdが図1のパッド120の位置に存在していることが好ましい。単に明確にするため、ループLdの寸法がループLcの寸法よりも大きくなるように示されているが、ループLdの寸法は、ループLcの寸法よりも小さくても良く、あるいは、ループLcの寸法と同じであっても良い。2つのループの中間にある基板16は図示されていない。
【0067】
入力信号ISによって生成されかつループLcを通じて流れる電流は、ループLdによって受けられる磁場を引き起こす。ループLdの両端間の電圧は、バッファによって検出することができる。導体12a,12bのうちの一方がグランド等の基準レベルに接続されても良く、導体12a,12bのうちの他方が図3に示されるバッファの入力130に接続されても良い。
【0068】
マトリクスディスプレイ1の実用的な実施形態においては、多数のインダクタ(誘導子)Lcおよび対応するインダクタLdが存在しており、これらの各対が、列信号、行信号、または、他の信号をキャリア2からディスプレイ1へと送信する。
【0069】
本発明は、薄い基板を有する全てのディスプレイに対して適用できる。本発明によれば、例えばディスプレイステッカまたはディスプレイタイル等の取り外し可能なディスプレイ等の新しい製品を作ることができる。取り外し可能なディスプレイは、ディスプレイがキャリアから取り外される際に特に重要であるエネルギ消費量が非常に低い双安定ディスプレイ(bistable display)であることが好ましい。
【0070】
なお、前述した実施形態は、本発明を限定するものではなく、単なる例示にすぎない。当業者であれば、添付の請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施形態を設計することができる。
【0071】
例えば、ディスプレイおよびバッファの構造、ピクセルのドライブは、本発明に不可欠なものではなく、周知の方法で構成されても良い。
【0072】
請求項において、括弧内に記載された任意の参照符号は、請求の範囲を制限するものと解釈すべきではない。用語「備える(含む)」は、請求項に記載された要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を排除しない。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって具現化することができる。互いに異なる従属請求項に特定の手段が列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを都合良く使用できないことを示唆するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態にしたがってキャパシタを形成するように配置された導体を有する基板およびキャリアの略図である。
【図2】本発明に係るディスプレイ装置のブロック図である。
【図3】本発明に係るバッファの一実施形態を示す図である。
【図4】エネルギがディスプレイに対して伝送される本発明に係るディスプレイ装置のブロック図である。
【図5】キャリアからの信号を基板を介してディスプレイへ光学的に伝送する素子の略図である。
【図6】キャリアからの信号を基板を介してディスプレイへ誘導伝送する素子の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアと、基板および表示ピクセルを有するマトリクスディスプレイとを備えるシステムであって、
前記ディスプレイは、表示信号を表示ピクセルへ供給するための複数のディスプレイ導体を備え、
前記キャリアは、入力信号を送るための複数のキャリア導体を備え、前記システムは、容量伝送、誘導伝送、光伝送のうちの少なくとも1つの伝送を用いて、前記入力信号を前記キャリアの前記キャリア導体から前記基板を介して前記ディスプレイの前記ディスプレイ導体へと伝送するための手段を更に備えている、システム。
【請求項2】
容量伝送、誘導伝送、または、光伝送するための前記手段は、互いに対して位置決めされた前記ディスプレイ導体および前記キャリア導体を備えており、これにより、前記ディスプレイ導体および前記キャリア導体のうちの関連付けられた導体同士の間のキャパシタあるいは互いに結合されたインダクタを得て、あるいは前記キャリア導体上の入力信号を前記ディスプレイ導体へ容量的に或いは誘導的に伝送することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記キャリア導体および前記ディスプレイ導体は互いに前記基板の反対側に位置されており、前記基板は、キャパシタの誘電体または変圧器の磁気媒体を形成していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板の厚さが250ミクロン未満であることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記基板がガラスまたはプラスチックを構成していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記基板が可撓性であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記キャリア導体および前記ディスプレイ導体のうちの前記関連付けられた導体は、互いに対向して位置されてキャパシタを形成するパッドを有していることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記ディスプレイが更なる基板を備え、先に記載した前記基板および前記更なる基板がこれらの間に前記表示ピクセルを挟み込み、先に記載した前記基板と前記更なる基板とを機械的に接続するために、先に記載した前記基板および前記更なる基板の縁部に接着剤ストリップが設けられ、容量伝送、誘導伝送、または、光伝送するための前記手段は、前記接着剤ストリップと略一致するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイがバッファを備え、前記バッファは、容量結合、誘導結合、または、光結合された入力信号のうちの対応する1つを受けるために前記ディスプレイ導体のうちの1つに結合されたバッファ入力と、前記表示信号のうちの対応する1つを前記表示ピクセルのうちの対応する1つに供給するためのバッファ出力とを有し、前記バッファは、容量結合、誘導結合、または、光結合された前記入力信号を受けるための制御電極を有するトランジスタを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記バッファは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタとを備え、
前記第1のトランジスタは、前記入力信号を受けるために前記バッファ入力に結合された制御電極と、第1の電圧レベルに結合された第1の主電極と、前記表示信号を供給するために前記バッファ出力に結合された第2の主電極とを有し、
前記第2のトランジスタは、クロック信号を受けるように結合された制御電極と、前記バッファ出力に結合された第1の主電極と、前記第1の電圧レベルと異なる第2の電圧レベルに結合された第2の主電極とを有し、
前記第3のトランジスタは、クロック信号を受けるように結合された制御電極と、前記バッファ入力に結合された第1の主電極と、前記第2の電圧レベルに結合された第2の主電極とを有していることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記表示ピクセルは、列および行から成るマトリクス状に配置され、前記システムは、前記列または前記行の方向のいずれにおいても、ピクセルのラインを連続的に選択するためのシフトレジスタ、あるいは、選択されたピクセルに対してデータラインを供給するためのシフトレジスタを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力信号は、クロック信号および/または基準レベルを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
電力を前記ディスプレイに対して容量結合または誘導結合するための手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
容量結合または誘導結合するための前記手段は、互いに前記基板の反対側に配置されかつ前記キャリア導体から前記ディスプレイ導体へ前記入力信号を伝送するために必要なキャパシタよりも十分に大きいキャパシタを得るための面積を有する2つの協働するパッドを備えていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
容量結合または誘導結合するための前記手段は、互いに前記基板の反対側にトラックとして配置された2つの協働するインダクタを備えていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記2つの協働するインダクタがそれぞれクローズドループを形成することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
容量伝送、誘導伝送、または、光伝送するための前記手段は、前記キャリア上の光発生素子と、前記ディスプレイ上の対応する感光素子とを備え、前記基板は、前記光発生素子から前記感光素子への光伝送を得るために前記光発生素子によって発せられる光を透過することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1に記載されたシステムを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項19】
請求項14に記載された2つの協働するパッドのうちの一方を備えるディスプレイであって、前記2つの協働するパッドのうちの一方に存在するときにAC電圧を整流する整流器を更に備えていることを特徴とするディスプレイ。
【請求項20】
請求項15に記載された2つの協働するインダクタのうちの一方を備えるディスプレイであって、前記2つの協働するインダクタのうちの一方に存在するときにAC電圧を整流する整流器を更に備えていることを特徴とするディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512606(P2006−512606A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563437(P2004−563437)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005764
【国際公開番号】WO2004/059607
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】