説明

ディスポーザ・排水処理システム

【課題】 ディスポーザ排水専用立て管を設けることなく既設集合住宅にディスポーザ・排水処理システムを導入することができ、ディスポーザ排水の排水管が詰まりにより、他の排水源設備が使用できなくなる可能性を低下できるディスポーザ・排水処理システムを提供すること
【解決手段】 ディスポーザ・排水処理システム1は、洗面所31等から排出される雑排水が流れる雑排水用主立て管41を備える既設集合住宅2において、各住宅3は、一端が洗面所31等に接続され他端が雑排水用主立て管41に接続された雑排水用枝管42と、一端が台所36のディスポーザ37に接続され、他端が雑排水用主立て管41に接続されたディスポーザ排水用枝管43とを備え、雑排水用主立て管41の終端部から延出する横主管44が接続された処理装置7でディスポーザ排水及び雑排水を浄化処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に設置するディスポーザ・排水処理システムに関し、特に複数階にそれぞれ台所を備える既設の集合住宅に設置するディスポーザ・排水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生ごみを台所に設置したディスポーザで破砕し、台所排水専用排水管を通して生ごみを含んだディスポーザ排水を処理装置に流入させ、ディスポーザ排水を浄化処理して公共下水道等に放流するディスポーザ・排水処理システムが知られている。
このようなディスポーザ・排水処理システムは、生活の利便性向上と清潔な環境づくりに寄与することができ、普及が進んでいる。
複数階にそれぞれ台所を備える住宅、例えば集合住宅においては、特許文献1に記載の住宅用生ごみ・排水処理システムがある。
【0003】
図3に示すように、住宅用生ごみ・排水処理システム100は、集合住宅の建屋101の各住居102内の台所103には生ゴミを破砕するディスポーザ104が設置されている。
各住居102のディスポーザ104により破砕された生ゴミは台所103に流された水とともに支排水管105を通って、立て管である主排水管106に流入集合し浄化槽に流入する。
また、支排水管105のディスポーザ104との連結部107の上流側に排水源として洗濯機108の排水を収集し連結部107で支排水管105と連結し洗濯排水を支排水管105に流す支排水管109を設ける。
連結部107の上流側に設ける排水源としては、洗面所、風呂及び洗濯機又はこれらの組み合わせとしてもよい。
【特許文献1】特開平8−1136
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスポーザ排水は破砕された生ごみが混ざっているので、トイレ排水を含まない洗面所、風呂及び洗濯機から出る排水並びに掃除排水からなる雑排水に比べて、排水管が詰まる可能性が高い。
したがって、ディスポーザ排水の影響で排水管が詰まった場合、洗面所、風呂及び洗濯機からの排水が流れる雑排水用の立て管とは独立したディスポーザ排水専用の立て管を設けることが望ましい。
しかし、既設の集合住宅では、パイプスペース等にディスポーザ排水専用の立て管を設ける空間の確保が困難であり、ディスポーザ・排水処理システムの導入が困難であるという問題があった。
さらに、特許文献1のシステムでは、立て管である主排水管106の管径に比べて、支排水管105の管径が短く、ディスポーザ排水は破砕された生ごみが含まれるため詰まる可能性が高い。
そのような支排水管105のディスポーザ104との連結部107の上流側に排水源を設けた場合、支排水管105の連結部107で詰まりが生じると、連結部107の上流では排水が出来なくなるため、排水源設備である洗面所、風呂及び洗濯機が使用できなくなるという問題がある。
【0005】
上記点より本発明は、ディスポーザ排水専用の立て管を設けることなく既設の集合住宅にディスポーザ・排水処理システムを導入することができ、ディスポーザ排水が流れる排水管が詰まったことによって他の排水源設備が使用できなくなる可能性を低下させることができるディスポーザ・排水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1のディスポーザ・排水処理システムは、洗面所、風呂及び洗濯機から出る排水並びに掃除排水からなる雑排水が上から下へと流れる雑排水用主立て管を備える既設の集合住宅において、各住宅は、一端が洗面所、風呂及び洗濯機並びに掃除排水の排水溝に接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、雑排水が流れる雑排水用枝管と、一端が台所に設置され生ごみを破砕するディスポーザに接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、ディスポーザ排水が流れるディスポーザ排水用枝管とを備え、雑排水用主立て管の終端部から延出する横主管が接続する処理装置で、流入したディスポーザ排水及び雑排水を浄化処理するようになっている。
【0007】
請求項2のディスポーザ・排水処理システムは、ディスポーザ排水用枝管が雑排水用枝管とは独立して雑排水用主立て管に接続されている。
【0008】
請求項3のディスポーザ・排水処理システムは、洗面所、風呂及び洗濯機から出る排水並びに掃除排水からなる雑排水が上から下へと流れる雑排水用主立て管を備える既設の集合住宅において、各住宅は、一端が洗面所、風呂及び洗濯機並びに掃除排水の排水溝に接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、雑排水が流れる雑排水用枝管と、一端が台所に設置され生ごみを破砕するディスポーザに接続され、他端が雑排水用枝管に接続されており、ディスポーザ排水が流れるディスポーザ排水用枝管とを備え、雑排水用主立て管の終端部から延出する横主管が接続する処理装置で、流入したディスポーザ排水及び雑排水を浄化処理するようになっている。
【0009】
請求項4のディスポーザ・排水処理システムは、雑排水用主立て管の管径が雑排水用枝管及びディスポーザ排水用枝管の管径より長くなっている。
【0010】
請求項5のディスポーザ・排水処理システムは、トイレ排水管に処理装置の処理排水管が接続されており、処理装置で処理された処理排水はトイレ排水管でトイレ排水と合流し、さらに処理排水とトイレ排水は公共下水道又は処理浄化槽へ放流されるようになっている。
【0011】
請求項6のディスポーザ・排水処理システムは、処理装置が流入してきたディスポーザ排水及び雑排水を貯留し、ポンプで送り出す流入ポンプ槽と、破砕された生ごみをディスポーザ排水及び雑排水から分離する除塵機及び/又は油脂をディスポーザ排水及び雑排水から分離する油脂分離槽と、ディスポーザ排水及び雑排水を浄化する排水処理槽とを有する。
【0012】
請求項7のディスポーザ・排水処理システムは、処理装置が除塵機で分離したごみ及び/又は油脂分離槽で分離した油脂分を貯蔵又は処理するごみ・油脂分処理機をさらに有し、貯蔵又は処理されたごみ及び/又油脂分をディスポーザ・排水処理システム外に搬出できるようになっている。
【0013】
請求項8のディスポーザ・排水処理システムは、ごみ・油脂分処理機が濃縮槽、貯留槽、脱水機、微生物が棲息する多孔質の木片を充填した微生物分解槽、ごみを可溶化する好気可溶化槽若しくは微生物担体を充填した好気処理槽又はこれらの組み合わせからなる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のディスポーザ・排水処理システムによれば、既設の雑排水用主立て管にディスポーザ排水を流すことができるので、ディスポーザ排水専用の立て管を新たに設ける必要がない。
したがって、パイプスペース等にディスポーザ排水専用に立て管を設けることができない既設の集合住宅にもディスポーザ・排水処理システムを導入することができる。
【0015】
請求項2のディスポーザ・排水処理システムによれば、ディスポーザ排水用枝管は、雑排水用枝管とは独立して雑排水用主立て管に接続されている。
したがって、たとえ、ディスポーザ排水用枝管が詰まっても、雑排水用枝管は排水が可能なので、洗面所、風呂及び洗濯機等の使用が出来なくなることがない。
【0016】
請求項3のディスポーザ・排水処理システムによれば、雑排水用枝管の詰まる可能性が低い場合は、ディスポーザ排水用枝管を雑排水用枝管に接続することができる。
したがって、パイプスペース等にディスポーザ排水専用に立て管を設けることができない既設の集合住宅にもディスポーザ・排水処理システムを導入することができる。
【0017】
請求項4のディスポーザ・排水処理システムによれば、雑排水用主立て管は、排水が上から下へと流れるとともに、雑排水用主立て管の管径がディスポーザ排水用枝管及び雑排水用枝管の管径より長いので、ディスポーザ排水が合流する部分で、雑排水用主立て管が詰まる可能性を低下させることができる。
【0018】
請求項5のディスポーザ・排水処理システムによれば、トイレ排水管に処理装置の処理排水管が接続されており、処理排水がトイレ排水と合流して公共下水道又は処理浄化槽へ放流されるので、既設の集合住宅の排水処理設備を有効活用することができる。
【0019】
請求項6のディスポーザ・排水処理システムによれば、処理装置が流入ポンプ槽と、除塵機及び/又は油脂分離槽と、排水処理槽とを有することによって、ディスポーザ排水及び雑排水を公共下水道の下水排除基準に適合するまで浄化処理することができる。
【0020】
請求項7のディスポーザ・排水処理システムによれば、各住居の台所から離れた位置にある処理装置から貯蔵又は処理されたごみ及び/又油脂分をディスポーザ・排水処理システム外に一括して搬出することができるので、食べ物を扱う台所を清潔に維持することができる。
【0021】
請求項8のディスポーザ・排水処理システムによれば、既設の住宅の状況に応じて、ごみ・油脂分処理機の構成を任意に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるディスポーザ・排水処理システム1の概略図である。
図2は、処理装置7における処理工程を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態のディスポーザ・排水処理システム1は、複数の住居3を有する既設の集合住宅2に設置される。
集合住宅2は、複数階にそれぞれ台所36を備えている。
集合住宅2は、トイレ排水を含まない洗面所31、風呂32及び洗濯機33の排水並びに掃除排水の排水口34からの排水からなる雑排水が上から下へと流れる雑排水用主立て管41を備える。
同様に集合住宅2は、トイレ35から出るトイレ排水が上から下へと流れ、トイレ排水管5の一部であるトイレ排水用立て管51を備える。
雑排水用主立て管41及びトイレ排水用立て管51は、パイプスペース6内に設置されている。
【0024】
各住居3では、一端が洗面所31、風呂32、及び洗濯機33の排水並びに掃除排水の排水口34に接続され、他端が雑排水用主立て管41に接続されており、雑排水が流れる雑排水用枝管42と、一端が台所36に設置され生ごみを破砕するディスポーザ37に接続され、他端が雑排水用主立て管41に接続されており、ディスポーザ排水が流れるディスポーザ排水用枝管43とを備える。
【0025】
本実施形態では、既設の雑排水用主立て管41にディスポーザ排水を流すことができるので、ディスポーザ排水専用の立て管を新たに設ける必要がない。
したがって、パイプスペース6等にディスポーザ排水専用立て管を設けることができない既設の集合住宅2にもディスポーザ・排水処理システム1を導入することができる。
【0026】
雑排水とディスポーザ排水は雑排水用主立て管41で合流するようになっている。
雑排水用主立て管41の管径は、雑排水用枝管42及びディスポーザ排水用枝管43の管径より長くなっている。
【0027】
雑排水用主立て管41は、排水が上から下へと流れるとともに、雑排水用主立て管41の管径が雑排水用枝管42及びディスポーザ排水用枝管43の管径より長いので、ディスポーザ排水が合流する部分で、雑排水用主立て管41が詰まる可能性を低下させることができる。
【0028】
また、ディスポーザ排水用枝管43は、雑排水用枝管42とは独立して雑排水用主立て管41に接続されている。
たとえ、ディスポーザ排水用枝管43が詰まっても、雑排水用枝管42は排水が可能なので、洗面所31、風呂32及び洗濯機33等の使用が出来なくなることがない。
【0029】
処理装置7は、雑排水用主立て管41の終端部から延出する横主管44が接続する。
雑排水用主立て管41で合流した雑排水とディスポーザ排水は、処理装置7に流入するようになっている。
【0030】
さらに、本実施形態では、トイレ排水管5に処理装置7の処理排水管75が接続されており、処理装置7で処理された処理排水はトイレ排水管5でトイレ排水と合流する。
さらに合流した処理排水とトイレ排水は公共下水道8へ放流される。
本実施形態では、合流した処理排水とトイレ排水は、公共下水道8へ放流されているが、これに限定されることなく、例えば、合流した処理排水とトイレ排水は合併処理浄化槽に放流されてもよい。
処理装置7で処理された処理排水は、トイレ排水と合流して公共下水道8又は処理浄化槽へ放流されるので、既設の集合住宅2の排水処理設備を有効活用することができる。
【0031】
処理装置7は、横主管44から流入してきたディスポーザ排水及び雑排水を貯留し、ポンプ71Aで送り出す流入ポンプ槽71と、破砕された生ごみをディスポーザ排水及び雑排水から分離するスクリーンを備える除塵機72と、油脂をディスポーザ排水及び雑排水から分離する油脂分離槽73と、ディスポーザ排水及び雑排水を浄化する排水処理槽74とを有する。
【0032】
以下、図2を参照して、処理装置7における処理工程を詳細に説明する。
矢印91〜99は、排水等の流れを示す。
横主管44から流入してきたディスポーザ排水及び雑排水(矢印91)は、流入ポンプ槽71で曝気されたあと、ポンプ71A(図1参照)によって除塵機72に送られる(矢印92)。
除塵機72は3mm目スクリーン(図示せず)が備えられており、ディスポーザ排水及び雑排水に含まれる浮遊物質(以下、「SS」とする)を主に除去することができる。
除塵機72はSS以外にも、生物化学的酸素量(以下、「BOD」とする)及びノルマルヘキサン抽出物(以下、「n−Hex」とする)等を減らすことができるようになっている。
除塵機72でSS等が除去された第一処理水は油脂分離槽73に送られる(矢印93)。
また、3mm目スクリーンで除去されたSS等は排水処理槽74に送られる(矢印94)。
【0033】
油脂分離槽73は、浮上油脂を回収するスクレーバや、油脂膜を吸引するノズルが備えられており、第一処理水に含まれるn−Hexを主に除去することができる。
油脂分離槽73で充分にSS等の項目の値が下水排除基準を下回った場合、処理排水として処理排水管75を通ってトイレ排水管5に送られる(矢印95)。
油脂分離槽73では、第一処理水の浮上油脂や油脂膜を回収し排水処理槽74に送られるようになっている(矢印96)。
さらに油脂分離槽73でSS等の項目の値が下水排除基準を上回った場合、第二処理水として排水処理槽74に送られるようになっている(矢印97)。
排水処理槽74で除塵機72及び油脂分離槽73で除去されたSS等は第二処理水に混合される。
【0034】
排水処理槽74に送られた第二処理水は、まず無機分離槽に入る。
無機分離槽では、比重の大きい無機固形物を分離・貯留する。
無機分離槽は、散気装置が備えられており、無機分離槽内に散気装置から気泡を放出することによって、無機分離槽にエアリフト水流が発生し効率よく無機固形物を分離することができる。
【0035】
第二処理水は、次いで好気可溶化槽に入る(矢印97A)。
好気可溶化槽は、水中ポンプが備えられており、曝気旋回流によって第二処理水を曝気・撹拌し、第二処理水に含まれる固体物を可溶化する。
【0036】
第二処理水は、次いで好気ろ床層に入る(矢印97B)。
好気ろ床層は、水中ポンプ及び微生物担体が備えられている。
好気ろ床層では、微生物担体に多種類の好気性微生物が棲息しており、これらの好気性微生物は第二処理水の溶存酸素を消費して可溶化された第二処理水を浄化する。
【0037】
微生物浄化された第二処理水は、次いで沈殿槽に入る(矢印97C)。
沈殿槽では、剥離汚泥を分離し上澄水を再び流入ポンプ槽71に送る(矢印98)。
【0038】
一連の流入ポンプ槽71、除塵機72、油脂分離槽73、排水処理槽74という処理作業を繰り返し行うことによって、ディスポーザ排水及び雑排水が浄化される。
油脂分離槽73で充分にSS等の項目の値が下水排除基準を下回った場合、処理排水として処理排水管75を通ってトイレ排水管5に送られる(矢印95)。
【0039】
処理装置7が流入ポンプ槽71と除塵機72と油脂分離槽73と排水処理槽74とを有することによって、ディスポーザ排水及び雑排水を公共下水道8の下水排除基準に適合するまで浄化処理することができる。
【0040】
図2に示すように、処理装置7は、除塵機72で分離したごみ及び油脂分離槽73で分離した油脂分を貯蔵又は処理するごみ・油脂分処理機76をさらに有する(矢印99A、99B)。
処理装置7は定期的にメンテナンスが行われ、その際に貯蔵又は処理されたごみ及び油脂分をディスポーザ・排水処理システムの外に搬出することができる(矢印99C)。
【0041】
各住居3の台所36から離れた位置にある処理装置7から貯蔵又は処理されたごみ及び/又油脂分をディスポーザ・排水処理システム外に一括して搬出することができるので、食べ物を扱う台所36を清潔に維持することができる。
【0042】
図3は、本発明の別の実施形態のディスポーザ・排水処理システム1の概略図である。
図1と共通する符号の説明は省略し、以下図1の実施形態との相違点について説明する。
この別の実施形態では、ディスポーザ排水用枝管43は、一端が台所36に設置され生ごみを破砕するディスポーザ37に接続され、他端が雑排水用枝管42に接続されている。
ディスポーザ排水は、雑排水用枝管42で雑排水と合流し、雑排水用主立て管41に流入するようになっている。
【0043】
雑排水用枝管42の詰まる可能性が低い場合は、ディスポーザ排水用枝管43を雑排水用枝管42に接続することができる。
したがって、パイプスペース6等にディスポーザ排水専用に立て管を設けることができない既設の集合住宅2にもディスポーザ・排水処理システム1を導入することができる。
【0044】
ごみ・油脂分処理機76は、例えば、濃縮槽、貯留槽、脱水機、微生物が棲息する多孔質の木片を充填した微生物分解槽、ごみを可溶化する好気可溶化槽若しくは微生物担体を充填した好気処理槽又はこれらの組み合わせからなるものであってもよい。
既設の集合住宅2の状況に応じて、ごみ・油脂分処理機76の構成を変えることができる。
【0045】
本実施形態では、処理装置7で処理された処理排水がトイレ排水と合流し、公共下水道8に放流される場合について説明したが、これ限定されることなく、処理排水及びトイレ排水が合併処理浄化槽に放流されてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、処理装置7が流入ポンプ槽71と除塵機72と油脂分離槽73と排水処理槽74とから構成される場合について説明したが、これに限定されることなく、ディスポーザ排水及び雑排水を処理して、処理排水が下水排除基準を下回るものであれば、処理装置の構成を変更してもよい。
また、本実施形態では、既設の集合住宅2にディスポーザ・排水処理システム1を設置する場合について説明したが、これに限定されることなく、例えば新築のマンション等の新設の集合住宅や一戸建ての住宅にディスポーザ・排水処理システムを設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態であるディスポーザ・排水処理システム1の概略図である。
【図2】処理装置7における処理工程を示すブロック図である。
【図3】本発明の別の実施形態であるディスポーザ・排水処理システム1の概略図である。
【図4】従来の住宅用生ごみ・排水処理システム100の概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ディスポーザ・排水処理システム
2 集合住宅
3 住居
5 トイレ排水管
6 パイプスペース
7 処理装置
8 公共下水道
31 洗面所
32 風呂
33 洗濯機
34 排水口
35 トイレ
36 台所
37 ディスポーザ
41 雑排水用主立て管
42 雑排水用枝管
43 ディスポーザ排水用枝管
44 横主管
51 トイレ排水用立て管
71 流入ポンプ槽
71A ポンプ
72 除塵機
73 油脂分離槽
74 排水処理槽
75 処理排水管
76 ごみ・油脂分処理機
91〜99 排水等の流れ
100 住宅用生ごみ・排水処理システム
101 建屋
102 住居
103 台所
104 ディスポーザ
105 支排水管
106 主排水管
107 連結部
108 洗濯機
109 支排水管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面所、風呂及び洗濯機から出る排水並びに掃除排水からなる雑排水が上から下へと流れる雑排水用主立て管を備える既設の集合住宅において、
各住宅は、一端が洗面所、風呂及び洗濯機並びに掃除排水の排水溝に接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、雑排水が流れる雑排水用枝管と、一端が台所に設置され生ごみを破砕するディスポーザに接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、ディスポーザ排水が流れるディスポーザ排水用枝管とを備え、
雑排水用主立て管の終端部から延出する横主管が接続する処理装置で、流入したディスポーザ排水及び雑排水を浄化処理することを特徴とするディスポーザ・排水処理システム。
【請求項2】
ディスポーザ排水用枝管は、雑排水用枝管とは独立して雑排水用主立て管に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のディスポーザ・排水処理システム。
【請求項3】
洗面所、風呂及び洗濯機から出る排水並びに掃除排水からなる雑排水が上から下へと流れる雑排水用主立て管を備える既設の集合住宅において、
各住宅は、一端が洗面所、風呂及び洗濯機並びに掃除排水の排水溝に接続され、他端が雑排水用主立て管に接続されており、雑排水が流れる雑排水用枝管と、一端が台所に設置され生ごみを破砕するディスポーザに接続され、他端が雑排水用枝管に接続されており、ディスポーザ排水が流れるディスポーザ排水用枝管とを備え、
雑排水用主立て管の終端部から延出する横主管が接続する処理装置で、流入したディスポーザ排水及び雑排水を浄化処理することを特徴とするディスポーザ・排水処理システム。
【請求項4】
雑排水用主立て管の管径は、雑排水用枝管及びディスポーザ排水用枝管の管径より長いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のディスポーザ・排水処理システム。
【請求項5】
トイレ排水管に処理装置の処理排水管が接続されており、処理装置で処理された処理排水はトイレ排水管でトイレ排水と合流し、さらに処理排水とトイレ排水は公共下水道又は合併処理浄化槽へ放流されることを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載のディスポーザ・排水処理システム。
【請求項6】
処理装置は、流入してきたディスポーザ排水及び雑排水を貯留し、ポンプで送り出す流入ポンプ槽と、破砕された生ごみをディスポーザ排水及び雑排水から分離する除塵機及び/又は油脂をディスポーザ排水及び雑排水から分離する油脂分離槽と、ディスポーザ排水及び雑排水を浄化する排水処理槽とを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のディスポーザ・排水処理システム。
【請求項7】
処理装置は、除塵機で分離したごみ及び/又は油脂分離槽で分離した油脂分を貯蔵又は処理するごみ・油脂分処理機をさらに有し、貯蔵又は処理されたごみ及び/又油脂分をディスポーザ・排水処理システム外に搬出できることを特徴とする請求項6に記載のディスポーザ・排水処理システム。
【請求項8】
ごみ・油脂分処理機は、濃縮槽、貯留槽、脱水機、微生物が棲息する多孔質の木片を充填した微生物分解槽、ごみを可溶化する好気可溶化槽若しくは微生物担体を充填した好気処理槽又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項7に記載のディスポーザ・排水処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−189917(P2009−189917A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31351(P2008−31351)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(595074509)クリーンテック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】