説明

ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置

【課題】排ガスの圧力損失を最小限にしつつ、排ガス浄化能力に優れ、メンテナンスが容易となるディーゼルエンジンの排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】排ガス導入管4を経たディーゼルエンジン11の排ガスEGが気液接触混合部3の上方から流入するとともに、循環槽2に供給された海水Wが洗浄液FWとして、循環ポンプ10bによって洗浄液循環路6を介して排ガス導入管4の下端部4aに循環して先端のノズル6aから噴霧され、気液接触混合部3に直列に内設されたミキシングエレメント3a〜3dの円筒体の内側に螺旋状に右または左に捩じられた多数の小孔を設けた複数の羽根部によって激しく接触混合して排ガスEGに含まれる煤塵等が洗浄液FWに捕集されて、浄化された排ガスCGが循環槽2を経て、排ガス排出管5から排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置に関し、さらに詳しくは、排ガスの圧力損失を最小限にしつつ、排ガス浄化能力に優れ、メンテナンスが容易となるディーゼルエンジンの排ガス浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排ガスには、煤塵、SOx、NOx、V、CaSO、Fe、その他の有害物質が含まれ、環境汚染の原因となっている。近年、このような環境問題を解決するため、自動車用のディーゼルエンジンの他に、例えば、船舶に搭載されているディーゼルエンジンについても、排ガス規制が強化されつつある。
従来、ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置が種々、提案されている。例えば、非イオン活性剤水溶液を排ガスに衝突させ、排ガス中の微粒子に水分を浸透させて、この微粒子を相互に結合および凝集させて大粒化させ、サイクロン部で粒子と排ガスに分離し、凝集しなかった微粒子をフィルタで濾過する手段が提案されている(特許文献1参照)。
このような、サイクロンやフィルタを用いた手段では、排ガスの圧力損失が大きくなり、エンジン出力の低下を招来するという問題があった。また、フィルタの交換等のメンテナンスも面倒となる。さらに、硫黄化合物ガスの除去ができず、十分な浄化性能を得ることが困難であるという問題もあった。
別の手段として、洗浄塔の内部に排ガスの通過孔を有するシーブトレイを水平に複数段配置し、洗浄塔の下部に貯留された洗浄液を上方に循環させて噴霧し、洗浄塔の下方から上方へ通過する排ガスと接触させて排ガスを洗浄するものが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、水平に多段に配置されたシーブトレイでは、排ガスと洗浄液との接触効率を向上させるには限界があり、十分な浄化性能を得ることができないという問題があった。また、排ガスの圧力損失が大きくなるという問題があった。
【特許文献1】特開平9―173755号公報
【特許文献2】特開2002―273151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、排ガスの圧力損失を最小限にしつつ、排ガス浄化能力に優れ、メンテナンスが容易となるディーゼルエンジンの排ガス浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため本発明のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排ガスを洗浄液と接触混合させて浄化するディーゼルエンジンの排ガス浄化装置であって、前記排ガスおよび洗浄液を上方から下方へ通過させつつ接触混合させる気液接触混合部と、該気液接触混合部の下方に連結された循環槽と、該循環槽に突設されて前記気液接触混合部を通過した排ガスを排出させる排ガス排出管と、前記気液接触混合部を通過した洗浄液を前記循環槽から前記気液接触混合部の上方に循環させる洗浄液循環路とを備え、前記気液接触混合部はミキシングエレメントを内設し、該ミキシングエレメントは多数の小孔を設けた複数の羽根部を有し、該複数の羽根部は筒状体の内側に螺旋状に右または左に捩じられて突設され、前記排ガスおよび洗浄液を前記気液接触混合部を上方から下方へ通過させる流路を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のディーゼルエンジンの排ガスを洗浄液と接触混合させて浄化するディーゼルエンジンの排ガス浄化装置によれば、排ガスおよび洗浄液を上方から下方へ通過させつつ接触混合させるいわゆる静止型の気液接触混合部と、この気液接触混合部の下方に連結された循環槽と、この循環槽に突設されて気液接触混合部を通過した排ガスを排出させる排ガス排出管と、気液接触混合部を通過した洗浄液を循環槽から気液接触混合部の上方に循環させる洗浄液循環路とを備える簡易な構成なので、メンテナンスが容易であり、気液接触混合部に駆動部が不要となるので消費エネルギーを最小限にすることが可能となる。
【0006】
また、気液接触混合部はミキシングエレメントを内設し、このミキシングエレメントは多数の小孔を設けた複数の羽根部を有し、複数の羽根部は筒状体の内側に螺旋状に右または左に捩じられて突設され、排ガスおよび洗浄液を気液接触混合部を上方から下方へ通過させる流路を形成した構造としたので、排ガスと洗浄液とを激しく接触混合させることができる。これによって、排ガス中の煤塵等の有害物質を洗浄液で効率よく、確実に捕集することが可能となり、優れた排ガス浄化能力を得ることができる。また、この羽根部の形状および小孔によって排ガスの良好な通過を確保でき、排ガスの圧力損失を小さくしてエンジン出力の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0008】
図1にディーゼルエンジンの排ガス浄化装置1の全体概要を内部を透視して示す。排ガス浄化装置1は循環槽2を有し、この循環槽2の上面には、ディーゼルエンジン11に接続された排ガス導入管4に連結された気液接触混合部3と、排ガス排出管5とが立設されている。
【0009】
循環槽2の側面の一方側には、循環槽2の内部に洗浄液FWとなる海水Wを供給する供給ポンプ10aが備わっている。循環槽2の側面の他方側には、循環槽2の内部と、気液接触混合部3の上方に位置する排ガス導入管4の下端部4aとを連通する洗浄液循環路6が接続され、中途に循環ポンプ10bを備えている。排ガス導入管4の下端部4aの内部に突設された洗浄液循環路6の先端にはノズル6aが備わっている。
【0010】
排ガス導入管4の下端部4aの内部には、さらにノズル17aを有するスチーム供給管17が突設されている。
【0011】
洗浄液循環路6の中途からは洗浄液分岐管7が分岐し、洗浄液循環路6と固液分解部8とを接続している。固液分解部8の上面には凝集剤Cを供給する凝集剤タンク9が設置され、側面には固体成分DT、液体成分RWをそれぞれ排出する排出管が接続されている。
【0012】
気液接触混合部3には、4つのミキシングエレメント3a〜3dが直列に内設されている。そのうちの一つのミキシングエレメント3aを図4に例示する。ミキシングエレメント3aは円筒体12aの中央に内筒体12bを有し、一端部を内筒体12bの外周面に接続し、他端部を円筒体12aの内周面に接続して、円筒体12aの内側に螺旋状に左に捩じられた複数の羽根部12cを突設している。それぞれの羽根部12cには、排ガスEGおよび洗浄液FWが通過可能な多数の小孔12dが設けられている。
【0013】
羽根部12cが螺旋状に捩じられる角度は、適宜決定することができ、例えば90°や180°等に設定される。
【0014】
ミキシングエレメント3a〜3dの円筒体12aは、他の筒状体にすることができるが、メンテナンス性や浄化性能等の観点から円筒体12aが好適である。
【0015】
直列配置されて隣接するそれぞれのミキシングエレメント3a〜3dは、その羽根部12cの螺旋状の捩じり方向を反対方向にして配置されている。図1では最上段のミキシングエレメント3aの羽根部12cは、図4に示したように螺旋状に左に捩じられているので、その下に位置するミキシングエレメント3bは、その羽根部12cを右に捩じられている。同様にミキシングエレメント3c、3dは羽根部12cをそれぞれ左、右に捩じられている。
【0016】
このミキシングエレメント3a〜3dの羽根部12cによって、気液接触混合部3の内部に排ガスEGおよび洗浄液FWを上方から下方に通過させる流路が形成されている。尚、配置されるミキシングエレメント3a〜3dの数は1つでもよく、特に限定されない。
【0017】
以下、この排ガス浄化装置1による排ガスEGの浄化過程について説明する。図1に示すようにディーゼルエンジン11からの排ガスEGは、排ガス導入管4を経て、気液接触混合部3を上方から下方へ通過して循環槽2に流入する。
【0018】
排ガス導入管4の下端部4aに突設されたスチーム供給管17のノズル17aからは、スチームSが噴霧されて排ガスEGが予備加湿されている。これによって、排ガスEGに含まれる煤塵等の有害物質が浄化され易くなる。このスチーム供給管17は必要に応じて設ければよい。
【0019】
一方、循環槽2に供給された海水Wは洗浄液FWとして、循環ポンプ10bによって洗浄液循環路6を介して排ガス導入管4の下端部4aに循環し、先端のノズル6aから噴霧され気液接触混合部3を上方から下方へ通過する。
【0020】
気液接触混合部3の上方から並流となって流入する排気ガスEGおよび洗浄液FWは、ミキシングエレメント3a〜3dの羽根部12cによって形成された流路に沿って、下方へ通過する。これによって、激しく接触混合して排ガスEGに含まれる煤塵、SOx、NOx、V、CaSO、Fe、その他の有害物質が洗浄液FWに捕集され、排ガスEGが浄化される。羽根部12cの形状および小孔12dによって良好な通気性が確保される。ここでは海水Wを洗浄液FWとして用いているので、周知のとおり優れた脱硫効果を得ることができる。
【0021】
複数のミキシングエレメント3a〜3dを直列に配置すると、螺旋状に回転して通過する流れ、内筒体12bの開口部12eを通過する流れ、これらの流れの合流および分流が繰返して発生して、より優れた浄化性能を得ることができる。隣接するミキシングエレメント3a〜3dを、それぞれの羽根部12cの螺旋状の捩じり方向を反対方向にして配置することにより、さらに激しい接触混合が可能となり、浄化性能を一層、向上させることができる。
【0022】
浄化された排ガスCGは、循環槽2の内部の上方を流れて排ガス排出管5から大気へと排出される。
【0023】
この気液接触混合部3は駆動部のない静止型の装置であり簡素な構造なので、煤塵等が堆積しにくく、メンテナンスが容易となる。また、駆動部が不要となるので消費エネルギーを最小限にすることが可能となる。また、優れた排ガス浄化性能を得つつ、排ガスの圧力損失を最小限にしてエンジン出力低下を抑えることができる。
【0024】
この排ガス浄化装置1では、気液接触混合部3で接触混合させる洗浄液FWの量Lと排ガスEGの量Gとの比で示される液ガス比L/G(l/m)が、7程度と小さい条件下においても、良好な浄化性能を得ることができる。液ガス比L/Gとして好ましい範囲は2以上15以下である。
【0025】
また、気液接触混合部3の上方から流入させる排ガスEGの流速が、6m/s程度の高速であっても、良好な浄化性能を得ることができる。流入させる排ガスEGの流速として好ましい範囲は3m/s以上15m/s以下である。
【0026】
ミキシングエレメント3a〜3dの羽根部12cに設けた小孔12dの内径は5mm以上50mm以下とし、羽根部12cに占める小孔12dの総開口面積の比率を5%以上50%以下とすると、安定して優れた浄化性能を得つつ、通気性を確保できる。煤塵等を捕集した洗浄液FWは、洗浄液循環路6を循環ポンプ10bで圧送され、繰返し気液接触混合部3を通過して排ガスEGの煤塵等を捕集する。
【0027】
捕集物が多くなり、洗浄液FWが一定の汚れ具合になった場合等には、洗浄液分岐管7を経て洗浄液FWの一部を固液分離部8に流出させる。固液分離部8では凝集剤タンク9から凝集剤Cを供給して洗浄液FWの固体成分(煤塵等)と液体成分とを分離させて、それぞれを固液分離部8から排出して処理をする。凝集剤としては、高分子凝集剤、アルミ系凝集剤、鉄系凝集剤等を用いることができる。固液分離部8に流出して減少した量の洗浄液FWは、供給ポンプ10aによって新たに海水Wを循環槽2に供給して補うようにする。
【0028】
固液分離部8における詳細な固液分離過程の一例を図6にフロー図として示す。洗浄液分岐管7から流出された洗浄液FWには、順次、pH調整槽8aでpH調整剤Pが供給され、混和槽8bで凝集剤Cが供給されて凝集槽8cに送られる。その後、スキマー8dで煤塵等の固体成分DTが回収されて焼却処理される。液体成分RWはドレンタンク等に排水される。
【0029】
実施形態では、洗浄液FWとして海水Wを用いているが、その他に水やNaOH、Ca(OH)、CaCOなどのアルカリ性水溶液を用いることができる。
【0030】
図5に本発明の排ガス浄化装置1を船舶15に搭載された推進用のディーゼルエンジン11に適用した状態を例示する。この場合には、調達の容易性および浄化性能の観点から洗浄液FWとして海水Wを使用することが好ましい。排ガス浄化装置1で浄化された排ガスCGは、煙突14に内装される排ガス排出管5から排出される。推進用のディーゼルエンジン11に限らず船舶15に搭載されている他のディーゼルエンジン11に適用することができる。
【0031】
図3に循環槽2の内部構造を例示する。気液接触混合部3を通過して循環槽2に流入する洗浄液FWは、排ガスEGとの激しい接触混合によって多くの気泡が発生することがある。循環槽2の上面には消泡手段として消泡剤噴霧ノズル16が設けられており、消泡剤を噴霧して気泡を消すことが可能となっている。
【0032】
消泡剤としては、シリコーン油、鉱物油、高級アルコール、ポリエーテル等を用いることができる。消泡手段は、これに限定されることはなく、送風、加圧・減圧等による機械的な手段やその他一般的な手段を用いることができる。
【0033】
図2に排ガス浄化装置1の変形例を一部構成要素を省略して示す。図1の排ガス浄化装置1との相違点は排ガス排出管5の構造のみである。この排ガス排出管5には、図4に示したものと同様のミキシングエレメント3a〜3bが内設されている。また、ミキシングエレメント3a〜3bの下方には、洗浄液FWを噴霧するノズル13aを備えた洗浄液供給管13を突設している。
【0034】
浄化された排気ガスCGが、排ガス排出管5を経て排出される際に、ミキシングエレメント3a〜3bの羽根部12cによって形成された流路を下方から上方へ通過することによって、さらにこの排ガスCGを浄化させることが可能になる。尚、洗浄液供給管13を省略してもよい。洗浄液FWとしては、海水Wや水等を用いる。
【0035】
内設するミキシングエレメント3a〜3bの数は特に限定されず、複数のミキシングエレメント3a〜3bを直列配置する場合は、隣接するミキシングエレメント3a〜3bの羽根部12cの捩じり方向を反対方向にして配置するのが好ましい。
【実施例】
【0036】
図1に示した排ガス浄化装置と同構造の実験装置を用いて、気液接触混合部の入口および出口を通過する排ガスの圧力を測定し、圧力損失と排ガスEG量との関係を測定した。この実験装置では、6つのミキシングエレメントを直列に配置して、隣接するミキシングエレメントの羽根部の捩じり方向を反対方向にした。それぞれのミキシングエレメントの円筒体の内径は13cm、高さは13cmm、羽根部を6枚有して、それぞれ螺旋状に180°に捩じられている。小孔の内径は5mm〜20mmの範囲であり、羽根部の表面積に占める小孔の総開口面積の比率は約20%である。
【0037】
尚、実施例1および2では、液ガス比を4.2l/m以下、実施例3では、6.7l/m以上の範囲で変えたものであり、洗浄液として水を用いた。
【0038】
試験条件を表1に示し、測定結果を図7に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
図7の結果から、気液接触混合部に流入する排ガスEGの量と圧力損失とが比例し、流入する排ガスEGの量が6m/min程度と大きな場合であっても、圧力損失を123〜176mmAq程度に抑えることが可能であることが確認できた。
【0041】
また、同じ実験装置を用いて、気液接触混合部の入口および出口を通過する排ガスの煤塵濃度を測定して排ガス浄化性能を確認した。試験条件を表2に示し、測定結果を図8に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
図8の結果から、実施例Aのように液ガス比が7.1と小さくても約77%((47−11)/47)という優れた浄化性能を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置の一例を示す全体概要図である。
【図2】本発明のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置の変形例を示す一部省略概要図である。
【図3】本発明に用いる循環槽を例示する内部構造図である。
【図4】本発明に用いるミキシングエレメントを例示する斜視図である。
【図5】本発明のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置の設置例を示す説明図である。
【図6】本発明に用いる固液分離部における分離過程を例示するフロー図である。
【図7】実施例における圧力損失と排ガス量との関係を示すグラフ図である。
【図8】実施例における排ガス浄化性能を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0045】
1 排ガス浄化装置
2 循環槽
3 気液混合接触部 3a〜3d ミキシングエレメント
4 排ガス導入管 4a 排ガス導入管の下端部 5 排ガス排出管
6 洗浄液循環路 6a ノズル
7 洗浄液分岐管
8 固液分離部 8a pH調整槽 8b 混和槽
8c 凝集槽 8d スキマー
9 凝集剤タンク
10a 供給ポンプ 10b 循環ポンプ
11 ディーゼルエンジン
12a 円筒体(筒状体) 12b 内筒体 12c 羽根部
12d 小孔 12e 開口部
13 洗浄液供給管 13a ノズル
14 煙突
15 船舶
16 消泡剤噴霧ノズル(消泡手段)
17 スチーム供給管 17a ノズル















【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンの排ガスを洗浄液と接触混合させて浄化するディーゼルエンジンの排ガス浄化装置であって、前記排ガスおよび洗浄液を上方から下方へ通過させつつ接触混合させる気液接触混合部と、該気液接触混合部の下方に連結された循環槽と、該循環槽に突設されて前記気液接触混合部を通過した排ガスを排出させる排ガス排出管と、前記気液接触混合部を通過した洗浄液を前記循環槽から前記気液接触混合部の上方に循環させる洗浄液循環路とを備え、前記気液接触混合部はミキシングエレメントを内設し、該ミキシングエレメントは多数の小孔を設けた複数の羽根部を有し、該複数の羽根部は筒状体の内側に螺旋状に右または左に捩じられて突設され、前記排ガスおよび洗浄液を前記気液接触混合部を上方から下方へ通過させる流路を形成したディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記排ガス排出管に前記ミキシングエレメントを内設し、該ミキシングエレメントの複数の羽根部によって前記気液接触混合部を通過した排ガスを前記排ガス排出管の下方から上方へ排出させる流路を形成した請求項1に記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記ミキシングエレメントを直列に複数内設するとともに、隣接して内設されるミキシングエレメントの羽根部の捩じり方向を反対方向にした請求項1または2に記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項4】
前記洗浄液循環路の中途に洗浄液分岐管を連結し、該洗浄液分岐管に固液分離部を設け、該固液分離部に流入させた洗浄液の固体成分と液体成分とを分離可能とした請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項5】
前記気液接触混合部を通過した洗浄液の気泡を消滅させる消泡手段を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項6】
前記ミキシングエレメントの羽根部に設けた小孔の内径が6mm以上50mm以下であり、前記羽根部の表面積に占める前記小孔の総開口面積の比率が5%以上50%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項7】
前記ディーゼルエンジンが船舶に搭載されたものである請求項1〜6のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。
【請求項8】
前記洗浄液に海水を用いる請求項1〜7のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排ガス浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−51555(P2007−51555A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235666(P2005−235666)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(596150677)株式会社ミューカンパニーリミテド (2)
【Fターム(参考)】