説明

デジタル放送受信装置

【課題】 ユーザが文字スーパーの消去条件を設定可能にして、中座の際等に、受信された文字スーパーの見逃がしを防止できるデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】 文字スーパーの消去条件をメニュー表示する。消去条件のメニュー項目の「default」は、OSDの消去タイミングを放送局からの制御に従って設定する場合、「キー操作で消去」は、文字スーパーの表示が開始されたら、リモコンのキー操作を行うまで文字スーパーを表示させキー操作がなされた時点で文字スーパーの表示を消去させる場合、「1分後に消去」、「5分後に消去」、及び「10分後に消去」は、文字スーパーの表示の開始から、1分間、5分間、及び10分間だけ繰り返し表示させ、その時間が経過したならばその表示を消去させる場合である。各メニュー項目にようってユーザが指定した消去条件はシステム制御部1が設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置において文字スーパーの表示を制御可能なデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BS(放送衛星)/地上波デジタル放送においては、文字スーパーと呼ばれる情報を、デジタル放送信号に含めて、映像/音声信号とは別に送信することが可能である。文字スーパーは、画面上の他の映像情報に重ねて文字、数字、記号、図形等からなる情報を表示するスーパーインポーズのことをいう。
【0003】
現在、この文字スーパーは、地震やニュース速報等の速報性が高く重要な情報を視聴者に素早く伝えるために利用されている。
【0004】
しかし、この文字スーパーを含めて、文字放送は、放送局が任意のタイミングで送信してくるものであるため、ユーザは、いつ文字スーパーが放送されるのかを知ることができない。
【0005】
さらに、ニュース速報や地震情報等の文字スーパーは、比較的短時間しか表示されないため、視聴者が、たまたま席を外していた時等に文字スーパーが表示されており、視聴者が戻って来て続きを読もうとすると、既に表示が終了しているか、若しくは終了間近であったために、直ぐに消えてしまうことがあり、不便に感じられるという問題点があった。
【0006】
この問題点を解決することを意図して、例えば、特許文献1(特開平2001−309267号公報)では、デジタル放送受信規において、番組視聴中の文字スーパーの表示を視聴者の選択により抑制する方法として、文字スーパーの内容をメモリに保存しておき、その後で、視聴者が、保存された文字スーパーの情報を確認することができる手段が開示されている。この手段によれば、視聴者が不快で不要と感じる場合には、文字スーパーが表示されないように抑制する機能が与えられると共に、視聴者が文字スーパーを見落としたとしても、後で、メモリに保存されている内容を表示させることにより、文字スーパーの情報を知ることが可能となる。
【特許文献1】特開平2001−309267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のデジタル放送受信機にあっては、ユーザが、中座等の際、文字放送のデータをメモリに保存しておいたとしても、中座から戻った時に、文字放送を受信していたことを忘れてしまったり、文字放送が受信されたことをユーザに知らせる音声や、OSD(:On Screen Display:ディスプレイの一部に表示しながら設定できるようにしたディスプレイの機能)等による通知を逃してしまったりした場合には、文字スーパーを受信していたことに気づかない可能性がある。
【0008】
特に、緊急性の高い情報の場合には、ユーザが、後で気がついてメモリに保存されている内容を確認した時点では、この文字スーパーの情報は、既に無意味な情報になってしまっている可能性が高いという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザが文字スーパーの消去条件を設定可能にすることによって、中座の際等に、ユーザが受信された文字スーパーを見逃がしてしまうことを防止できるデジタル放送受信装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため次の構成を有する。
【0011】
本発明のデジタル放送受信装置は、デジタル放送の受信内容と共に文字スーパーを画面に表示可能なデジタル放送受信装置において、デジタル放送を受信して文字スーパーを取得する手段と、取得した文字スーパーを画面に表示する手段と、ユーザに文字スーパーの消去条件を設定させるための設定手段と、前記設定手段で設定された消去条件に応じて画面への文字スーパーの表示制御を行う手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明において、設定手段は、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を画面に表示すると共に、ユーザに対して、前記消去条件を前記メニュー項目から選択させることが好ましい。
【0013】
本発明において、設定手段は、ユーザに対して、表示する文字スーパーの種類に応じて前記文字スーパーの消去条件を設定させることが好ましい。
【0014】
本発明において、設定手段は、表示する文字スーパーの種類毎に、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を表示することが好ましい。
【0015】
本発明において、前記メニュー項目には、前記文字スーパーを表示しないことを指定する選択項目が有ることが好ましい。
【0016】
本発明において、消去条件は、文字スーパーの表示を開始してからその表示を消去するまでの時間であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明のデジタル放送受信装置によれば、デジタル放送を受信して文字スーパーを取得し、取得した文字スーパーを画面に表示する際に、ユーザに、設定手段によって文字スーパーの消去条件を設定させ、この設定手段により設定された消去設定条件に応じて画面への文字スーパーの表示制御を行うので、例えば、文字スーパーの放送が行われている時にユーザが席を外していたとしても、このユーザが、予め、文字スーパーの表示が消去されるまでの時間を、席に戻るまでの時間以上に設定しておくことにより、ユーザは席に戻った時に、放送されていた文字スーパーを視認することができ、見たい文字スーパーの見逃しを防止できる効果がある。
【0018】
また、文字スーパーの消去条件の設定に際しては、文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を画面に表示すると共に、ユーザに対して、消去条件をメニュー項目から選択させるようにすれば、ユーザは、容易に文字スーパーの消去条件を設定することができる効果がある。
【0019】
また、ユーザに対して表示する文字スーパーの種類に応じて前記文字スーパーの消去条件を設定させるようにすれば、ユーザは、文字スーパーの重要度に応じた文字スーパーの消去条件を設定することが可能となり、例えば、重要度の高い文字スーパーは長時間表示させ、また、重要度の低い文字スーパーは早めに消去することができる効果がある。
【0020】
また、表示する文字スーパーの種類毎に、文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を表示すれば、ユーザは、文字スーパーの重要度に応じて、文字スーパーの消去条件を容易に設定することができる効果がある。
【0021】
さらに、表示する文字スーパーの種類毎に表示されるメニュー項目には、前記文字スーパーを表示しないことを指定する選択メニュー項目が有るようにすれば、ユーザは、文字スーパーの重要度から見て不要な文字スーパーの消去指定を、容易に設定することができる効果がある。
【0022】
また、消去条件は、文字スーパーの表示を開始してからその表示を消去するまでの時間であるようにすれば、ユーザが必要とする時間、文字スーパーを画面に表示させることができ、また、必要でなくなった以後は文字スーパーを消去することができるので不要な文字スーパーの表示を画面から速やかに無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係るデジタル放送受信装置の最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置の全体構成を示す構成図である。
【0025】
同図において、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、本装置全体を制御するシステム制御部1と、映像データを記憶するメモリ部2と、アンテナの受信信号からチャンネルを選局してRF信号をトランスポートストリームに変換するデジタルチューナー部3と、映像信号/音声信号別にデコードするMPEGデコード部4と、文字スーパー、及び(EPG、エラーメッセージ等の)OSDを作成して映像信号に重畳するOSD制御部5と、映像信号をビデオ信号に変換する映像出力部6と、音声信号をオーディオ信号に変換する音声出力部7と、ユーザの操作を伝達する入力I/F部8とを備えており、これら各部構成はシステムバス9によって信号が相互に伝達できるようになっている。
【0026】
以下、図1を参照しながら、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の動作について説明する。
【0027】
BS放送アンテナまたは地上波放送アンテナ等により受信されたBS放送または地上波放送のRF信号は、チューナー部3に入力される。
【0028】
チューナー部3では、ユーザ(視聴者)の指示に従ってチャンネルが選局され、RF信号が復調されてトランスポートストリームが出力される。
【0029】
復調されたトランスポートストリームは、MPEGデコード部4において音声信号、映像信号、及びデータ信号(文字スーパー等)に分離した後、映像信号、音声信号について復号(デコード)を行う。また、文字スーパーのデータ信号がある場合には、OSD制御部5において、このデータ信号から文字スーパーを作成し、映像信号に重畳する。
【0030】
OSD制御部5では、必要に応じて各種EPG(番組情報)、エラーメッセージ等のOSDを作成し、映像信号への重畳も行う。
【0031】
即ち、MPEGデコード部4において復号された映像信号は、OSD制御部5において必要なOSDが重畳された後に、映像出力部6を介して本装置の外部の液晶表示部等の映像出力手段に出力され、この外部の液晶表示部等の映像出力手段10によって映像出力されることになる。また、MPEGデコード部4において復号された音声信号は、音声出力部7を介して本装置の外部のスピーカまたはイヤホン端子に出力され、スピーカまたはイヤホン等の音声出力手段11によって音声出力される。
【0032】
本デジタル受信装置外部にリモコン送信機12が設けられる。ユーザは、このリモコン送信器12によって文字スーパーの消去条件を設定するためのコントロール信号を発信可能になっており、このコントロール信号はリモコン受光部13で受信されて入力I/F部8に入力される。リモコン送信機と入力I/F部8との間では、コントロール信号は赤外線を信号伝達媒体としているものである。
【0033】
システム制御部1は、入力I/F部8から送られるコントロール信号、即ち、ユーザの操作により入力された指示に従って、チューナー部3のチューナー選局等を制御し、または、その他、デジタル放送受信装置の全体の制御を行う。
【0034】
このシステム制御部1は、処理手順を記述したプログラムを記憶したROM(read-only memory)、ROMの記憶したプログラムにしたがって、その処理手順を実行する中央処理ユニット(central processing unit:CPU)、および、処理データを一時的に記憶するRAM(random-access memory)を有して構成されている。
【0035】
なお、システム制御部1は、上記のプログラムによって、本発明に特徴的な処理(例えば、後述する「文字スーパーの消去条件の設定」処理等を行う)。
【0036】
すなわち、本実施形態のプログラムは、デジタル放送の受信内容と共に文字スーパーを画面に表示可能なデジタル放送受信装置のプログラムにおいて、デジタル放送を受信して文字スーパーを取得する機能と、取得した文字スーパーを画面に表示する機能と、ユーザに文字スーパーの消去条件を設定させるための設定手機能と、前記設定機能で設定された消去条件に応じて文字スーパーの表示制御を行う機能とを実現することを内容とする。
【0037】
デジタル放送を受信して文字スーパーを取得する手段は、実施形態では、アンテナ、デジタルチューナー部3、MPEGデコード部4、OSD制御部5、メモリ部2およびシステム制御部1から構成されている。
【0038】
取得した文字スーパーを画面に表示する手段は、実施形態では、OSD制御部5、メモリ部2、映像出力部6およびシステム制御部1から構成されている。
【0039】
ユーザに文字スーパーの消去条件を設定させるための設定手段は、実施形態では、リモコン送信機12、リモコン受光部13、入力I/F部8、OSD制御部5、メモリ部2、映像出力部6およびシステム制御部1から構成されている。
【0040】
設定手段で設定された消去条件に応じて画面への文字スーパーの表示制御を行う手段は、実施形態では、OSD制御部5、メモリ部2、映像出力部6およびシステム制御部1から構成されている。
【0041】
また、上記プログラムは、設定機能に、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を画面に表示すると共に、ユーザに対して、前記消去条件を前記メニュー項目から選択させることと、ユーザに対して、表示する文字スーパーの種類に応じて前記文字スーパーの消去条件を設定させることと、表示する文字スーパーの種類毎に、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を表示することとを実現するものである。
【0042】
なお、前記メニュー項目には、前記文字スーパーを表示しないことを指定する選択項目が有る。また、消去条件は、文字スーパーの表示を開始してからその表示を消去するまでの時間がある。
【0043】
メモリ部2については、チューナー部3における復調により得られたトランスポートストリーム、映像データ、音声データ、及びOSDデータ等の一時的な保存に等に使用される。
【0044】
図2は、文字スーパーの消去条件を設定する場合のメニュー画面の1例と、文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【0045】
同図は、ユーザが、文字スーパーの消去条件を設定する場合の設定画面を示すと共に、ユーザが、文字スーパーの消去条件を、この設定画面に表示されたメニュー項目から選択して設定する場合を例示している。
【0046】
図2に示す設定画面が表示する複数のメニュー項目において、「default」のメニュー項目は、OSDの消去タイミングを放送局からの制御に従って設定する場合に選択して指定するメニュー項目である。これは通常の文字スーパーの視聴条件の設定と同じ仕様である。
【0047】
また、図2に示すメニューにおいて、「キー操作で消去」のメニュー項目は、文字スーパーの表示が開始されたら、ユーザが所定のキー操作を行うまで一連の文字スーパーを繰り返し表示させ、ユーザの所定のキー操作がなされた時点で、文字スーパーの表示を消去させたい場合に選択して設定するメニュー項目である。
【0048】
さらに、図2に示すメニューにおいて、「1分後に消去」、「5分後に消去」、及び「10分後に消去」の各メニュー項目は、文字スーパーの表示が開始されてから、それぞれ1分間、5分間、及び10分間だけ繰り返し表示させ、指定の時間が経過した時点で、この表示を消去させたい場合に選択して指定する複数のメニュー項目である。
【0049】
この設定例では、文字スーパーの表示が消去されるまでの時間は、表示された複数のメニュー項目から選択することにより設定する方法となっているが、文字スーパーの表示が消去されるまでの時間は、その時間(何秒、何分、何時間等)の数値をユーザが直接入力して設定することも可能である。また、文字スーパーを消去したい時間(何時何分等)自体を指定して設定することもできる。
【0050】
また、「キー操作で消去」が設定されたときには、未だ指定した時間が経過していなくても、ユーザが、指定のキー操作を行った時点で、文字スーパーを消去するように設定することも可能である。
【0051】
図3は、文字スーパーの表示から消去に至るまでのタイミングを説明する説明図であり、図3(a)は「default」が設定されていた場合のタイミング、図3(b)は「5分後に消去」が設定されていた場合のタイミング、図3(c)は「キー操作で消去」が設定されていた場合のタイミング、図3(c)は時間軸上の主要な事象を、それぞれ示す。
【0052】
図3(a)に示すように、まず、放送局から文字スーパー情報を受信した時点から、文字スーパーの表示が開始される。「default」が設定されていた場合には、放送局からの文字スーパーの受信が停止した時点で文字スーパーの表示が消去される。
【0053】
また、図3(b)に示すように、「5分後に消去」が設定されていた場合には、放送局からの文字スーパーの受信が停止したとしても、文字スーパーの表示を継続し、表示を開始してから5分が経過したら文字スーパーの表示を消去する。
【0054】
さらに、図3(c)に示すように、「キー操作で消去」が設定されていた場合には、放送局からの文字スーパーの受信が停止したとしても、ユーザが所定のキー操作を行うまで文字スーパーの表示を継続し、キー操作がなされた時点で文字スーパーを消去する。
【0055】
図3では、文字スーパーを消去するまでの時間設定、及びユーザがキー操作を行って文字スーパーを消去するまでの時間が、いずれも放送局の文字スーパー送信時間よりも長かった場合を例示しているが、それぞれの時間が、放送局の文字スーパー送信時間より短かい場合においても、各設定に応じて、同様に文字スーパーの表示を消去するものとする。
【0056】
なお、ユーザによる前記選択したメニュー項目の決定を受けて、実際に設定処理するのはシステム制御部1(図1)である。以下では、システム制御部1の動作を、フローチャートを使用して説明する。
【0057】
図4は、本実施形態において、文字スーパーの消去条件を設定する具体的な手順を示すフローチャートである。
【0058】
以下、図1〜3を参照しながら、図4に示すフローチャートを使用して、文字スーパーの消去条件を設定する場合の作動を説明する。
【0059】
まず、ステップS1では、「default」の設定がなされたか否かを検証し、「default」の設定がなされた場合には、ステップS2で、「default」の設定を行って処理を終了する。また、「default」の設定がなされていない場合には、ステップS3に進む。
【0060】
ステップS3では、「キー操作で消去」の設定がなされたか否かを検証し、「キー操作で消去」の設定がなされた場合には、ステップS4で、「キー操作で消去」の設定を行って処理を終了する。また、「キー操作で消去」の設定がなされていない場合には、ステップS5に進む。
【0061】
ステップS5では、「1分後に消去」の設定がなされたか否かを検証し、「1分後に消去」の設定がなされた場合には、ステップS6で、「1分後に消去」の設定を行って処理を終了する。また、「1分後に消去」の設定がなされていない場合には、ステップS7に進む。
【0062】
ステップS7では、「5分後に消去」の設定がなされたか否かを検証し、「5分後に消去」の設定を行う場合には、ステップS8で、「5分後に消去」の設定を行って処理を終了する。また、「5分後に消去」の設定がなされていない場合には、ステップS9に進む。
【0063】
ステップS9では、「10分後に消去」の設定がなされたか否かを検証し、「1分後に消去」の設定がなされた場合には、ステップS10で、「10分後に消去」の設定を行って処理を終了する。また、「10分後に消去」の設定がなされていない場合には、再びステップS1に戻る。
【0064】
次に、図5のフローチャートによって、前記の各設定による文字スーパーの表示から消去に至るまでのタイミングを説明する。
【0065】
図5は、各設定に応じて文字スーパーの消去を行うまでの動作を示すフローチャートである。
【0066】
以下、図1〜3を参照しながら、図5に示すフローチャートを使用して、各設定に応じて文字スーパーの消去を行うまでの動作を説明する。
【0067】
まず、ステップS21では、消去条件の設定が有るか否かを検証し、消去条件の設定が無い場合には、ステップ22にて文字スーパーの受信終了まで待ってから、ステップS26で、文字スーパーの表示を消去して処理を終了する。また、消去条件の設定が有る場合には、ステップS23に進む。
【0068】
ステップS23では、消去までの時間指定が有るか否かを判定し、消去までの時間指定が有る場合には、ステップS24で、指定時間が経過したか否かを検証し、指定時間が経過した時点でステップS26にて文字スーパーの表示を消去して処理を終了する。また、指定時間が経過していない場合には、ステップS25に移る。さらに、ステップS23で、消去までの時間指定が無い場合は、直ちにステップS25に進む。
【0069】
ステップS25では、所定のキー操作がなされるまで待って、所定のキー操作がなされた時点で、ステップS26にて文字スーパーの表示を消去して処理を終了する。
【0070】
図6は、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置において、文字放送の種類に応じて文字スーパーの消去条件を設定する場合のメニュー画面の1例と、文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【0071】
同図に示す設定例では、文字スーパーの種類(「警報」、「注意報」、「地震」)に応じて、それぞれ図2に示す設定画面と同じ設定画面が表示されるので、ユーザは、この設定画面により、文字スーパーが消去されるまでの時間を、それぞれ独立に設定する。各設定に応じて文字スーパーの消去を行うまでの動作は、図5に例示するフローチャートで示す動作と同様であるが、この場合は、各文字スーパーの種類毎に消去条件の判定を行うことになる。
【0072】
なお、現在、どの種類の文字スーパーを受信しているのかを検証する場合、例えば、警報の受信がなされたか否かを検証する場合には、文字スーパーの中に「警報」の文字列があるか否かを検索する等の手段を採用することが可能である。
【0073】
図7は、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置において、文字放送の種類に応じて文字スーパーの消去条件を設定する場合の他のメニュー画面の1例と、文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【0074】
同図に示す設定例では、文字スーパーの種類(「警報」、「注意報」、「地震」)に応じて、それぞれ図2に示す設定画面に「表示しない」のメニュー項目が追加された設定画面が表示される。
【0075】
この「表示しない」のメニュー項目を設けることで、該当する種類の文字スーパーの表示を行うか、若しくは行わないかの設定ができるようにしている。
【0076】
なお、受信している文字スーパーの種類の検証手段には、図6の文字スーパーの種類の検証と同様に、文字スーパーの中の文字列中に「警報」、「注意報」、「地震」の単語等の文字列、またはそれに関連する単語等の文字列を含むか否か検索する等の手段を採用することが可能である。
【0077】
なお、メモリ部2には、前記の文字スーパーの消去条件付きの映像が記憶されるが、この文字スーパーの消去条件を外した映像を記憶させることも、ユーザの別途設定により、可能である。
【0078】
さらに、本発明に係るデジタル放送受信装置の各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図4,5のフローチャートで示した手順によりコンピュータに実行させるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ,パーソナルコンピュータ,汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】図1のデジタル放送受信装置において、文字スーパーの消去条件を設定する場合のメニュー画面の1例と文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【図3】図1のデジタル放送受信装置において、文字スーパーの表示から消去に至るまでのタイミングを説明する説明図であり、(a)は「default」が設定されていた場合のタイミング、(b)は「5分後に消去」が設定されていた場合のタイミング、(c)は「キー操作で消去」が設定されていた場合のタイミング、(d)は時間軸上の主要な事象を、それぞれ示す。
【図4】図1のデジタル放送受信装置において、文字スーパーの消去条件を設定する場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1のデジタル放送受信装置において、各設定に応じて文字スーパーの消去を行うまでの動作を示すフローチャートである。
【図6】図1のデジタル放送受信装置において、文字放送の種類に応じて文字スーパーの消去条件を設定する場合のメニュー画面の1例と、文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【図7】図1デジタル放送受信装置において、文字放送の種類に応じて文字スーパーの消去条件を設定する場合の他のメニュー画面の1例と、文字スーパーの消去条件の設定方法とを示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1 システム制御部
2 メモリ部
3 チューナー部
4 MPEGデコード部
5 OSD制御部
6 映像出力部
7 音声出力部
8 入力I/F部
9 システムバス
10 映像出力手段
11 音声出力手段
12 リモコン送信機
13 リモコン受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送の受信内容と共に文字スーパーを画面に表示可能なデジタル放送受信装置において、
デジタル放送を受信して文字スーパーを取得する手段と、
取得した文字スーパーを画面に表示する手段と、
ユーザに文字スーパーの消去条件を設定させるための設定手段と、
前記設定手段で設定された消去条件に応じて画面への文字スーパーの表示制御を行う手段とを備えていることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
設定手段は、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を画面に表示すると共に、ユーザに対して、前記消去条件を前記メニュー項目から選択させることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
設定手段は、ユーザに対して、表示する文字スーパーの種類に応じて前記文字スーパーの消去条件を設定させることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
設定手段は、表示する文字スーパーの種類毎に、前記文字スーパーの消去条件を示したメニュー項目を表示することを特徴とする請求項3記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記メニュー項目には、前記文字スーパーを表示しないことを指定する選択項目が有ることを特徴とする請求項4記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
消去条件は、文字スーパーの表示を開始してからその表示を消去するまでの時間であることを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−203719(P2006−203719A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15058(P2005−15058)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】