説明

デバイスの自動ローカライズ化

デバイスの位置によってその動作を変えるデバイスが説明される。デバイスはその位置に特有であるパラメーターにアクセスし、デバイスの動作がどのように変更されるべきかを決定するためにパラメーターを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ソフトウエア製品が多くの国で発売できるために、ソフトウエア製品は、ユーザーインターフェース(UI)の様々な態様が特定の国のために修正される「ローカライズ化(localization)」として知られる処理を通過する。ローカライズ化は、元に書かれていた言語から特定の国のための言語への、製品のUI内のすべての文字列要素及び任意の他の言語特有の部分(例えばホットキー(hotkey)、ユニット、大きさ)の翻訳をしばしば含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
いくつかのソフトウエア製品及びハードウエア製品にとって、製品の動作がローカルな法律に準拠することを保証するために、変更も行われなければならない。例えば、デバイスの許可された電磁放射を制御する様々な規制があるかもしれず、いくつかの国は画像がキャプチャされるときにカメラ付き携帯電話は可聴の提示を提供する必要がある。これらの様々な規制は、製造業者が、各モデルが特定の市場に狙われ、適切な基準を満たすよう調整されてきて、その市場における法律に準拠する製品の様々なモデルを製造することにつながる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は、読者に基本的な理解を提供するために開示の簡略化された概要を示す。この課題を解決するための手段は、開示の広範囲な概要ではなく、本発明の要素の鍵となる/臨界点となる要素を特定又は本発明の範囲を線引きしない。唯一の目的は、後で示されるより詳細な説明である発明を実施するための形態への前置きとして簡略化された形式でここに開示されるいくつかの概念を示すことである。
【0004】
デバイスの位置によってその動作を変えるデバイスが説明される。デバイスはその位置に特有であるパラメーターにアクセスし、デバイスの動作がどのように変わるべきかを決定するためにパラメーターを使用する。
【0005】
多くの付随する特徴は、読んでより理解されると同時に、添付の図面を併せて考慮される以下の発明を実施するための形態を参照することによってよりよく理解されることになる。
【0006】
図面のこの説明は、添付の図面と照らして読まれる以下の発明を実施するための形態からよりよく理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】デバイスの自動ローカライズ化の方法の例示的なフロー図である。
【図2】例示的なシステムのスキーマ図である。
【図3】第2の例示的なシステムのスキーマ図である。
【図4】デバイスの自動ローカライズ化の方法の第2の例示的なフロー図である。
【図5】第3の例示的なシステムのスキーマ図である。
【図6】デバイスの自動ローカライズ化の方法の第3の例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面において、動揺の部分を指定するのに同様の参照番号が使用される。
【0009】
添付の図面と併せて以下で提供されるより詳細な説明である、発明を実施するための形態はこの例の説明として意図され、この例が構成されるか又は利用されるかもしれない唯一の形式を表すことを意図しない。この説明は、この例の機能及びこの例を構成し、動作させるためのステップのシーケンスを説明する。しかし同じ又は同等の機能及びシーケンスが異なる例で達成されるかもしれない。
【0010】
携帯電話及びPDA(Personal Digital Assistants)などのモバイル電子デバイスは、単一の市場のために構築されるが、ユーザーの旅で多くの様々な国において使用されることになりがちである。
【0011】
モバイル電子デバイスがユーザーが旅する国々の法律を破ることがないことを保証するために、一つの解決法は、多くの国又は国の集合における法律に準拠するモバイル電子デバイス(例えば、ヨーロッパ全て及びUSの法律に準拠するデバイス)を開発することである。しかし、デバイスの準最適な性能という結果となり、(例えばデータの送信のための周波数に関する)規制が衝突するパラメーターを特定するいくつかの場合は存在しない。
【0012】
別の解決法は、デバイスの位置に依存するデバイスの動作を変えることである。これは、ローカルの法律に準拠することをまだ保証する一方で、任意の特定の位置において最適にデバイスを実行することを可能にする。ローカルの法律に準拠するためにデバイスの動作を自動的に変更するのに加えて、言語、社会及び文化的必要性に適合するためにデバイス(ハードウエア/ソフトウエア)の動作も変更するかもしれない。デバイスがモバイルであるか又はモバイルでないか(つまりデスクトップPCのように一箇所で一般に使用される)に依存してこの変更は異なるかもしれない。例えば、第1の国から第2の国に移動するモバイルデバイスにとって、ユーザーは変わらないことが多いので(例えばユーザーが外国へ行くとき)、従って言語の要件は変わらない(このデバイスは第1の国の言語におけるUIをまだ使用するべきである)。しかし、一般的なモバイルでないデバイス(例えばより大きいデバイス)が第1の国から第2の国へ移動する場合、これは配置(又は再配置)のためかもしれず、従ってユーザーは第2の国からであるかもしれず、したがって言語の要件は変わるかもしれない。
【0013】
図1はデバイスの自動ローカライズ化の方法の例示的なフロー図である。この方法は、この方法を使用することができる2つの例示的なシステムのスキーマ図を示す図2及び図3を参照して説明することができる。使用することのできる方法及びシステムのさらなる例が、以下でより詳細に説明される。
【0014】
図2に示されるように、デバイス201はネットワーク202に初期的に接続され、領域A 203における「ネットワークA」として参照される。デバイス201の破線により示されるように、デバイスが続いて領域B 204に動かされる場合、ネットワークAに 202に接続されるのを中止するかもしれないが、代わりに領域Bにおいて動作するネットワークBである、新しいネットワーク205に接続される。デバイスにより新しいネットワーク205への接続は、自動的(例えばデバイスの通信プロトコルにより)又はマニュアル(例えばユーザーにより初期化された接続を介して)であるかもしれない。位置を変更した後、デバイス201はその新しい位置(ステップ101)に特有のデータ、例えば領域Bに特有の情報にアクセスし、その後位置特有データに基づいてデバイスの動作を変更する(ステップ102)。以下でより詳細に説明するように、位置特有データはデバイスから取り出すかもしれない、例えばデバイス内のメモリから、リムーバブルメディアから又はネットワーク(例えばネットワークB 205)を介して離れた位置からである。このデータの取り出しは、デバイスによる位置の検知によりトリガーされるか、又はデバイスに提供される位置情報に応答してであるかもしれない(例えばネットワークB又はローカル送信器から)。別の例において、位置特有データは、デバイスに押されるかもしれない(例えばネットワークBから又はローカル送信機から)。
【0015】
図3に示されるように別の例において、領域C302に位置付けられたデバイス301は、アクセスポイント304を介してネットワーク303に接続されうる。このアクセスポイントは、デバイスがネットワークに接続できる任意の手段であってよく、ネットワークの種類に依存する。アクセスポイントの例は、基地局、無線アクセスポイント、イーサネット(登録商標)接続、モデム、ラインカード(line card)などを含むがこれらに限定されない。デバイスが続いて第2の位置に移動する場合、同じネットワーク303によりまだ供給されているかもしれない領域D 305(デバイス301の破線により示されているように)において、デバイスは異なるアクセスポイント306を介して現在接続されているかもしれない。位置を変えた後、デバイス301は新しい位置、例えば領域D 305又はアクセスポイント306に特有のデータにアクセスする(ステップ101)。このデータはその後、その動作を変えるためにデバイスにより使用される(ステップ102)。
【0016】
図2及び図3に示されるネットワークは、例えばGSM、3G、GPRS又はCDMAネットワークなどの任意の種類のネットワークであってよい。別の例においてネットワークはIPネットワーク、固定電話網、イントラネット又はインターネットであってよい。無線で(Bluetooth、WiFi、GSMなど)に接続でき、又はケーブルの手段(例えばイーサネット(登録商標)ケーブル)によりデバイスをネットワークに接続できる。別の例において、以下でより詳細に説明するように、デバイスはネットワークに接続されないかもしれない。
【0017】
位置特有データは、特定の位置においてデバイスにより使用されることになるルール及び/又はパラメーターのセットに準拠しなければならない。これらのルール及びパラメーターはデバイスの動作の任意の態様に関連するかもしれない。例えば、
・特定の周波数範囲に対するEM放射、意図的な放射又は意図的でない放射のいずれか
・送信周波、例えばBluetooth周波(例えばデバイスからデバイスへの通信に対する)
・受信周波、例えばテレビ及びラジオなどの放送メディアに対する
・送信電力
・画像キャプチャ上にノイズを作るためのデバイスに対する要件
・オーディオ録音に関する予防又は規制
・画像などのメディアの公開及び/又は配布に関する規制
・許可される暗号の種類及び/又は強さ
・使用又は許可されることになるプロトコル及び/又は基準(例えばPAL又はNTSC)
・アラーム
・受け入れ可能な可聴なトーン、例えば呼び出しトーン、アラーム通知など
・可聴トーンに対する許可された音量
・電力消費
・デバイス内の任意のセンサーの使用又はセンサーデータの使用
・言語
・UIの利用可能なテーマ、背景又は他のビジュアル態様
・ソフトウエアの型/バージョン
・アルファベット、通貨、カレンダー
・キーボード及び紙の大きさなどの周辺設定
これらのルール/パラメーターの一部はデバイス内のソフトウエアでの変更という結果となるかもしれなく、これらのルール/パラメーターの一部はハードウエアの性能における変更という結果となるかもしれない。
【0018】
位置特有データは、位置特有空港規制(例えば、顧客情報、セキュリティ情報)、位置特有運転の法律(例えば、10の最も重要な交通法)、位置特有安全/セキュリティデバイスに関するデータなどの位置特有の法律又は規制に関する他のデータをさらに備えるかもしれない。この他のデータ及び/又は上述のルール/パラメーターは、ユーザーインターフェースを介して(例えば、デバイス上のカスタムアプリケーションを介して、又は現存のアプリケーションを使用して)、ユーザーに表示できる。
【0019】
上述のように、位置特有データは、ローカルメモリを含む任意のメモリから(例えばデバイス内のメモリから)、リムーバブルメディアから、又はリモートデータストアから、デバイスによってアクセスできる。例において中央サービスプロバイダー(又はネットワークプロバイダー)は、位置特有データの中央リポジトリを保持できる。この中央リポジトリは、位置の一部/すべてに対する位置特有データを保持するデータベースであるか、又は位置特有データが各国に対して位置付けられた場所の詳細を含むかもしれない。例において、サービスプロバイダーは各国に対する位置特有データの位置へのリンクでウェブサイトをホストできる。この位置特有データはその後、例えば中央機関又は政府本体によって各国内で保持されるかもしれない。さらなる例において、デバイスは位置特有データを見つけるために検索ツールを使用できる(例えば、「フランスにおける通信規制」を検索するためにwww.live.comを使用すること)。別の例において、デバイス製造業者はデバイスによりアクセスできる特定の位置に対する(位置特有データを含む)デバイス設定のライブラリを提供するかもしれない。デバイスにリモートで格納されたデータは、新しい位置に対する特有データを収録するために位置を移動する度にアクセスでき、又は代替としてデータはリモートデータストアからコピーされ、デバイス上にローカルで保存できる。デバイスはその後、データへの任意のアップデートを取得するために、リモートデータストアに定期的にアクセスできる。このような方法は、位置特有データがめったに変更されない場所に特に適しているかもしれなく、及び/又はデータストアのプロバイダーに現在の位置を開示する必要のあるデバイスには望ましくないかもしれない。デバイスがネットワークに接続されない(又は普通に接続されない)場所では、ローカルに格納された位置特有データへのこのようなアップデートは、コンピューターなどのネットワーク化されたデバイスを介してデバイスに定期的にダウンロードされるかもしれない。
【0020】
別の例において、位置特有データは、デバイスにプッシュされているデータの結果としてデバイスによりアクセスできる。このデータはデバイスの位置に基づいて(例えば、デバイスが接続されているネットワーク又はアクセスポイントに基づいて)、ネットワークオペレーター又はサービスプロバイダーによりプッシュされるかもしれない。SMSメッセージ、MMSメッセージ、WAPプッシュ又は任意の他の適した技術の形式で、このデータはプッシュされるかもしれない。このデータは、ネットワーク(例えば適切なアクセスポイントを介して)又はローカル送信器からプッシュされるかもしれない。ユーザーはプッシュされたデータを受け入れることを試みるか、又はこのデータはデバイスにより自動的にアクセスされるかもしれない。このデータは領域を変わる度にデバイスにプッシュされるかもしれず、又は代替としてデバイスがその領域に対する現在の位置特有データを既に有さない場合に、このデータは新しい領域に入る上でデバイスにプッシュされるのみかもしれない。このような例において、データはその領域に対する格納された位置特有データが期限切れの場所のデバイスへプッシュされるかもしれない。
【0021】
上述において参照された図2及び図3において示されたこの領域は、例えば多くの国をカバーする(例えばヨーロッパ連合又は北アメリカ)とても大きい領域かもしれない。他の例において、この領域はより小さいかも知れず(例えば単一の国又は州)、いくつかの場合においてはとても小さいかもしれない(例えば、通り、会社、建物、部屋など)。
【0022】
図4はデバイスが特定される位置におけるデバイスの自動ローカライズ化の方法の第2の例示的なフロー図であり(ステップ401)、これは位置特有データのアクセスをトリガーする(上述のようにステップ101)。この位置特有データはその後、デバイスの動作を変更するのに使用される(上述のようにステップ102)。(ステップ401において)このデバイスがネットワークから受け取ったメッセージからその位置を特定するように、このデバイスはデバイスの位置を検知することにより、(ステップ401において)その位置を特定するかもしれず、又は代替としてネットワークがこのデバイスの位置を検知し、これをデバイスに通信するかもしれない。
【0023】
ネットワークは、デバイスが接続されるネットワーク若しくはアクセスポイント(例えば基地局)か、又はデバイスのIP(Internet Protocol)アドレスを含むがこれらに限られない任意の適した方法を使用してデバイスの位置を検知できる。緊急電話が発生している場所のデバイスを位置付けるため(特にデバイスが無線デバイスであるか又はIPネットワークに接続されている)、又はデバイスを追跡するために開発された技法である。このデバイスはその位置を特定できるように(ステップ401)、この位置情報はその後、デバイスに送信される。この位置情報を送信するのに加えて又は送信する代わりに、ネットワークは、位置特有データがアクセスされるかもしれない(例えばURL又はIPアドレスの形式で)場所の位置特有データを記述する詳細を送信するか、又は(上述のように)ネットワークが位置特有データをプッシュするかもしれない。
【0024】
デバイスは、GPS受信器又はデバイスが接続されるネットワーク若しくはアクセスポイント(例えば基地局)を含むがこれらに限られない任意の適した方法を使用してその位置を検知できる。デバイスが2以上のアクセスポイント(例えば2以上の基地局)からの信号を検知できる場所で、このデータは、(例えば三角測定法又は位置情報の他の任意の組み合わせを使用して)より正確な位置情報を提供するために使用される。データがネットワークを介して離れた位置からアクセスされる場所で、データにアクセスするために使用されるネットワークは、デバイスの位置を特定するのに使用されるかもしれない同じネットワークであるかもしれず、又は異なるネットワークであるかもしれない。例においてデバイスはWiFiホットスポットへのその接続に基づいてその位置を決定するかもしれないが、関連する位置特有データはGPRSネットワークを介してアクセスできる。さらなる例において、デバイスは他の要素(例えば、使用される本線の電圧、電源線など)に基づいて位置を特定できる。
【0025】
(ネットワーク又はデバイスによる)位置検知の様々な方法は、位置情報の精度の様々なレベルを提供し、例えば、デバイスが接続されているアクセスポイントのナレッジが、特にアクセスポイントが無線で無線の範囲がリンクである場所が短いはるかに正確な位置情報(例えばWiFiホットスポット又はBluetoothアクセスポイント)を提供しようとする一方で、デバイスが接続されるネットワークのナレッジは、デバイスが位置付けられている国での情報を提供しようとする。デバイスが固定ネットワークに接続されている場所で、(例えばポートは特定の位置に登録される場所で)位置は正確に知られ、又は位置は(上述のように)より不正確に決定されるかもしれない。
【0026】
例において、携帯電話はUKベースのユーザーによりUKにおいて購入されるかもしれない。携帯電話は従って、UKの法律に準拠する。ユーザーがドバイに旅する場合、携帯電話はローミングし、ローカル携帯電話ネットワークに接続する。携帯電話は、ドバイにおけるネットワークに接続されていることを検知し、従ってドバイにおける携帯電話の動作のためのルールを含むリモートデータソースにアクセスし、ドバイのルールに準拠するために携帯電話の動作を変更する。これは、携帯電話がどの法律にも違反することなくドバイにおける使用のための性能を最適化することを可能にする。ユーザーがUKに戻るとき、電話はUKのネットワークに接続されたことを検知する。この状況において、電話はUK特有データにアクセスするか、又は代替として、デバイスがドバイに旅したときに行われた変更を全てキャンセルする電話の「デフォルト」動作又は「ホーム」動作に戻るかもしれない。
【0027】
第2の例において、コンピューターはUKの法律に準拠するために、UKにおいて構築され、テストされるかもしれない。コンピューターは続いてフランスに出荷され、例えばイーサネット(登録商標)接続の手段によってフランスにおいて企業ネットワークに接続することにより、フランスにおいて展開されるかもしれない。位置情報は企業ネットワークを介してコンピューターに渡されるかもしれず、結果としてコンピューターは、フランスのルールのローカルに格納されたライブラリにアクセスできる。これらのルールに基づいて、コンピューターは、フランスの法律に準拠し、オペレーティングシステム及び任意のアプリケーションのフランス版を立ち上げ、フランスにおいてユーザーのために提供されてきた背景及びスクリーンセーバーのカスタムセットを提示するように、その動作を変えることができる。
【0028】
上述の例において、単一の位置のための位置特有データはいつでも各デバイスにアクセスされ、例えば図2及び図3に示されるように、デバイスが領域A若しくは領域B又は領域C若しくは領域Dのいずれかにおいて位置付けられる。しかし他の例において、2以上の領域において同時にデバイスを位置付けるように、位置特有データはレイヤー構造で提供されるかもしれず、位置特有データの2以上のセットにアクセスする必要性という結果となる。これは例示的なシステムを示す図5を参照してより詳細に示すことができる。図1又は図4のいずれかに示されるように、モバイルデバイス501が矢印502により示される軌道に沿って移動するとき、モバイルデバイス501は領域E503にまず入り、この時点で(ステップ101におけるように)デバイスは領域Eのための位置特有データにアクセスし、その後(ステップ102におけるように)その位置特有データに基づいてデバイスの動作を変更する。デバイスがさらに進むとき、領域E503内である領域504に入る。もう一度デバイスは(領域Fに対する)位置特有データにアクセスし、(図1又は図4に示されるように、)領域E及び領域Fの両方に対するルール/パラメーターに準拠するためにデバイスの動作を変更する。
【0029】
2つの領域E及びFにおける位置特有データにアクセスするためのトリガーは異なるかもしれない。例えば領域Eは国であるかもしれず、領域Eへ入る上でデバイスは(例えば上述の技法のうちの1つを使用して)デバイスの位置を特定し、(図4に示されるように)これは領域Eのための位置特有データのアクセスをトリガーするかもしれない。しかし、デバイスが例えば建物であるかもしれない領域Fであるより小さい領域に入るとき、位置情報又は位置特有データは(例えば上述のように)それにプッシュされるかもしれない。
【0030】
2つの領域E及び領域Fにおける位置特有データは、デバイスの動作の様々な態様に関連するか、又は代替として法律/規制の様々なセットに準拠するという結果となりうる。例えば、より小さい領域の位置特有データがローカルポリシーにデバイスを準拠させるようなものである一方で(例えば、飛行機上又は出入国管理を通るときなどに、画像がキャプチャされず、可聴のアラート又は呼び出し音がない「飛行モード」に自動的に変わるなど)、より大きな領域の位置特有データは、デバイスがその国/領域/州などの関連する法律に準拠することを保証するようなものであるかもしれない。2つの領域が重複する場所で、前に受信した位置特有データの代わりではなく、新しい位置特有データが前に受信した位置特有データに加えて準拠されることになることを示すために、位置特有データはフラグ付けられるかもしれない。別の例において、領域が他の領域に横たわることを特定するため及び/又は位置特有データセットが他のデータセット上で優先度を有することを特定するために、データセットはフラグ付けられるかもしれない。
【0031】
図5に示され上述されたこのようなトリガーされたアプローチを使用することにより、ローカルルールは小さいスケールで保持され実装されるかもしれない。この小さい領域はWiFiネットワーク、アクセスポイント又は任意の他の技法の対象により定義され、位置特有データを備えるローカルパラメーター/ルールのセットは、ローカルでホストされ、プッシュされ、さもなければデバイスによりアクセスされる(例えば位置特有データの位置がデバイスにプッシュされるかもしれない)。位置特有データをローカルにホストすることにより、小さい領域(例えば会社、建物など)にとって、デバイスが正しい位置特有データにアクセスできるように、中央の実体を登録する必要がない。ローカルシステムは、データが変更されない場合にもう一度デバイスにデータをプッシュする必要がないように、又は特定された時間期間(例えば24時間)以内にもう一度データをプッシュする必要がないように、最近プッシュされた位置特有データ(又はそのデータに関する情報)であるデバイスのリストを保持できる。
【0032】
上の例がネットワークに接続するデバイスに関する一方で、この方法は、カメラなどのネットワークに接続しないデバイスに同等に適用可能である。このような例において、デバイスはネットワークの存在を検知でき、そのネットワークに接続しない一方で位置を決定するために検知された情報を使用する。別の例において、デバイスは、他の技法(例えばGPS又は他の位置付けシステム)を使用する位置を検知でき、位置決定に基づいて位置特有データにアクセスできる。さらなる例において、デバイスは他の要素(例えば、使用される主な電圧、電力線など)に基づいて位置を特定できる。デバイスがネットワークに接続されない場所で、(例えばBluetooth又はIRDAリンクを介して)位置特有データはローカルに格納されるか又はデバイスにプッシュされるかもしれない。
【0033】
上述の方法は、ラップトップコンピューター、タブレットPC、携帯電話、PDA、カメラ及び時計などの電子デバイスを含むがこれらに限られない任意のモバイル又はポータブルデバイスに適用可能である。上述の方法は、コンピューター、テレビ、ラジオ、RFID(Radio Frequency Identification)リーダー、ATM(Automated Teller Machine)、キャッシュレジ、販売機のポイント(例えばクレジット/デビットカードのチップ及びPIN器)及び家電(例えば電子レンジオーブン、冷蔵冷凍庫など)を含むがこれらに限られないモバイルでないデバイスにも適用可能である。
【0034】
図6は、上述のように動作するデバイス600のスキーマ図である。デバイスはプロセッサー601、メモリ602及び受信器603を備える。メモリ602は、任意の上述の方法ステップの実行をプロセッサーに引き起こすように編成された実行可能命令を格納するように編成される。メモリはリモートデータストアから一度アクセスされた位置特有データ及び/又はローカルに格納された位置特有データも格納できる。受信器603はネットワーク(例えば無線ネットワーク)と通信し、デバイスがその位置を特定することを可能にする信号を受信するために使用できる。代替として、受信器603は任意のネットワークへの接続のためのネットワークインターフェースの一部であるかもしれない。いくつかの例において、デバイス600は位置検知回路604(例えばGPS受信器又はRFビーコン検知器)をさらに備える。位置検知回路は任意の適した技法(例えば上述の技法の任意)を使用してデバイスの位置を決定できる。デバイス600が図6に示されない多くの他の要素(例えばユーザー入力デバイス、ディスプレイデバイスなど)を備えることができることを理解されたい。
【0035】
この例が通信ネットワークにおいて実装されているものとしてここで説明され図示されているにも関わらず、説明されたシステムは例示としてであり、限定ではない。この例が様々なタイプのシステムの変形においてアプリケーションに適しており、この方法は任意のネットワーク接続なしのデバイス(例えばGPS機能又は他の位置検知機能付きデバイス)において実装できることを当業者は理解されたい。
【0036】
「コンピューター」という用語は、命令を実行できるような処理機能付きの任意のデバイスのことを指すためにここで使用される。このような処理機能が多くの異なるデバイスに組み込まれ、従って「コンピューター」という用語が、PC、サーバー、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)及び任意の他のデバイスを含むことを当業者は理解されたい。
【0037】
ここで説明される方法は、ストレージメディア上で機械に可読な形式でソフトウエアにより実行できる。方法ステップが任意の適切な順序又は同時に実行できるように、ソフトウエアはパラレルプロセッサー又はシリアルプロセッサー上で実行するのに適したものであることができる。
【0038】
ソフトウエアが価値のあるものであることができるというこの認識は、別々に貿易財である。これは所望の機能を実行するために「ダム(dumb)」又は標準ハードウエアを実行又は制御するソフトウエアを包含することを意図する。所望の機能を実行するために、シリコンチップを設計するか又はユニバーサルにプログラム可能なチップを構成するのに使用されるように、HDL(Hardware Description Language)ソフトウエアなどのハードウエアの構成を「説明」又は定義するソフトウエアを包含することも意図する。
【0039】
プログラム命令を格納するために利用されるストレージデバイスをネットワークにまたがって分散できることを当業者は理解されたい。例えばリモートコンピューターは、ソフトウエアとして説明されるプロセスの例を格納できる。ローカル又は端末コンピューターは、リモートコンピューターにアクセスでき、プログラムを実行するためにソフトウエアの一部又は全てをダウンロードできる。代替として、ローカルコンピューターは、必要に応じてソフトウエアのピースをダウンロードできるか、又はローカル端末においていくつかのソフトウエア命令を実行でき、いくつかはリモートコンピューター(又はコンピューターネットワーク)で実行できる。当業者に知られる従来の技法利用することにより、DSP、プログラマブル論理編成などの専用回路によりソフトウエア命令の全て又は一部を実行できることを当業者は理解されたい。
【0040】
ここで与えられる任意の範囲又はデバイス値は、求められた効果を失うことなく拡張又は変更できることを、当業者は理解されたい。
【0041】
上述の恩恵及び利点は、一実施形態に関連するか又は多くの実施形態に関連するかもしれないことを理解されたい。一つの物への参照は、1又は複数の物のことを指すことをさらに理解されたい。
【0042】
ここで説明される方法のステップは、任意の適した順又は適切な場所で同時に実行できる。
【0043】
好適な実施形態の上述の実装が例のみとして与えられ、様々な変更が当業者により成されうることを理解されたい。上述の詳細な説明、例及びデータは、構造の完全な記述、及び発明の例示的な実施形態の使用を提供する。本発明の様々な実施形態が、ある特定の角度又は1又は複数の個々の実施形態を参照して、上述されてきたにも関わらず、この発明の精神又は範囲から逸脱することなく開示された実施形態に膨大な変更を当業者は行うことができるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス(101)の位置に対応する位置特有データにアクセスするステップと、前記位置特有データ(102)に基づいて、前記デバイスの動作パラメーターを変更するステップと
を備えたことを特徴とするデバイスを制御する方法。
【請求項2】
前記位置特有データは、前記位置で、前記デバイスの前記動作に関するルールを備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスの位置に対応する位置特有データにアクセスするステップは、
前記位置特有データを備えるメッセージを受信するステップ
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスの位置に対応する位置特有データにアクセスするステップは、
データストアにアクセスするステップと、
前記データストアから前記位置特有データを読み出すステップと
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記データストアは前記デバイスから離れており、データストアにアクセスするステップは、
ネットワークを介して前記データストアにアクセスするステップ
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス(401)の前記位置を特定するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイスの前記位置を特定するステップは、
ネットワークからメッセージを受信するステップと、
前記メッセージから前記位置を特定するステップと
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記デバイスの前記位置を特定するステップは、
前記デバイスが接続されたネットワークを決定するステップと、
前記ネットワークに基づいて前記位置を特定するステップと
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記デバイスの前記位置を特定するステップは、
前記デバイスで信号を受信するステップと、
前記信号に基づいて前記位置を決定するステップと
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記信号は、GPS信号及びRFビーコンにより送信されるRF信号のうちの1つを備えたことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記デバイスの前記位置を特定するステップは、
前記デバイスが接続されるアクセスポイントを決定するステップと、
前記アクセスポイントに基づいて前記位置を特定するステップと
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記動作パラメーターは、電磁放射、送信周波、受信周波、送信電力、可聴のアラート、暗号、電力消費、プライバシー及びソフトウエアの選択のうちの1つに関することを特徴とする請求項1乃至11に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイスは電子デバイスであることを特徴とする請求項1乃至12に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスはポータブルデバイスであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
デバイス(101)の位置に対応する位置特有データにアクセスするステップと、
前記位置特有データ(102)に基づいて前記デバイスの動作パラメーターを変更するステップと
を実行するためのデバイス実行可能命令を有する1又は複数のデバイス可読記録媒体。
【請求項16】
プロセッサー(601)と、
実行されるときに前記プロセッサーに、
前記デバイスの位置に対応する位置特有データにアクセスさせ、
前記位置特有データに基づいて前記デバイスの動作パラメーターを変更させる
実行可能命令を格納するために編成されたメモリ(602)と
を備えることを特徴とするデバイス(600)。
【請求項17】
位置検出回路(604)
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスは電子デバイスであることを特徴とする請求項16又は17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記デバイスはポータブルデバイスであることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−512127(P2010−512127A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540434(P2009−540434)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/086427
【国際公開番号】WO2008/070690
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Bluetooth
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】