説明

デンプン代謝改変植物

本明細書は、コントロール植物と比較して生産能力が向上した遺伝的に改変された植物を得る方法を提供し、前記方法は、i)そのうちの少なくとも1つが異種ポリヌクレオチドをそのゲノム内に含む複数の植物を得る工程、ii)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して生産能力が向上し、かつ前記異種ポリヌクレオチドを含む植物を同定する工程、およびiii)前記遺伝的に改変された植物を選別する工程を含み、この場合、前記ポリヌクレオチドは、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む。いくつかの実施態様では、前記植物はコントロール植物と比較して内因性グリコシラーゼの増加または消化性が向上した。いくつかの特定の実施態様では、前記内因性デンプンリン酸化および/または分解は、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミラーゼ(EC3.2.1.2)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、デンプンホスホリラーゼ(EC2.4.1.1)、グリコシラーゼ(EC3.1.33)、スクラーゼ-イソマルターゼ(EC3.2.10)、アミロマルターゼ(EC2.4.1.25)、マルターゼ(EC3.2.1.20)、イソアミラーゼおよびα-グルカン、水ジキナーゼ(GWD, EC2.7.9.4)から成る群から選択される1つ以上の酵素の発現または活性を改変することによって改変される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロール植物と比較して、生産能力が向上した遺伝的に改変された植物を得る方法であって、i)複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の少なくとも1つが異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、ii)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して生産能力が向上し、かつ前記異種ポリヌクレオチドを含む植物を同定する工程、およびiii)前記遺伝的に改変された植物を選別する工程を含み、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記方法。
【請求項2】
コントロール植物と比較して、内因性グリコシラーゼの増加した遺伝的に改変された植物を得る方法であって、i)複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の少なくとも1つが異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、ii)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して内因性グリコシラーゼが増加し、かつ前記異種ポリヌクレオチドを含む植物を同定する工程、およびiii)前記遺伝的に改変された植物を選別する工程を含み、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記方法。
【請求項3】
コントロール植物と比較して、少なくとも1つの部分における消化性が向上した遺伝的に改変された植物を得る方法であって、i)複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の少なくとも1つが異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、ii)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して、少なくとも1つの部分における消化性の向上を示し、かつ前記異種ポリヌクレオチドを含む遺伝的に改変された植物を同定する工程、およびiii)前記遺伝的に改変された植物を選別する工程を含み、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記方法。
【請求項4】
遺伝的に改変した植物が、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性が向上したか否かを決定する方法であって、i)異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む1つ以上の植物を得る工程、およびii)前記1つ以上の植物が、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つ部分における消化性が向上したか否かを決定する工程を含み、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記方法。
【請求項5】
コントロール植物と比較して植物の生産能力の向上に関与する遺伝子を同定する方法であって、i)複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の各々が異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、ii)各々の植物の生産能力、場合によって、それらが、コントロール植物と比較して内因性グリコシラーゼの増加または少なくとも1つの部分における消化性が向上したか否かを測定する工程、iii)生産能力が向上した植物を同定する工程、およびiv)前記生産能力が向上した植物中の異種ポリヌクレオチドを同定し、それによって前記遺伝子を同定する工程を含み、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記方法。
【請求項6】
コントロール植物と比較して、植物の生産能力を向上させるか、植物の内因性グリコシラーゼを増加させるか、または植物の少なくとも1つの部分における消化性を向上させることができるポリヌクレオチドを同定する方法であって、i)その各々が植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む1つ以上の異種ポリヌクレオチドを得る工程、ii)前記異種ポリヌクレオチドを前駆細胞、組織、器官、種子、または植物に導入する工程、iii)前記前駆細胞、組織、器官、種子、または植物から複数の植物を生じさせる工程、iv)異種ポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの植物が、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性が向上したか否かを決定する工程、およびv)前記ポリヌクレオチドを選別する工程を含む、前記方法。
【請求項7】
コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性が向上した、遺伝的に改変された植物を作製する方法であって、i)植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む異種ポリヌクレオチドを得る工程、ii)前記異種ポリヌクレオチドを前駆細胞、組織、器官、種子または植物に導入する工程、iii)前記前駆細胞、組織、器官、種子または植物から複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の少なくとも1つが前記異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、iv)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性の向上を示し、かつ前記異種ポリヌクレオチドを含む植物を同定する工程、およびv)前記植物を選別し、それによって遺伝的に改変された植物を作製する工程を含む、前記方法。
【請求項8】
コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性が向上した、遺伝的に改変された植物を作製する方法であって、i)前駆細胞、組織、器官、種子または植物に変異を導入する工程、ii)前記前駆細胞、組織、器官、種子または植物から複数の植物を得る工程であって、前記複数の植物の少なくとも1つが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、前記工程、およびiii)前記複数の植物から、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加または少なくとも1つの部分における消化性が向上した植物を同定する工程を含む、前記工程。
【請求項9】
工程ii)が、コントロール植物と比較してデンプンの含有量もしくは組成(例えばデンプンリン酸化レベル)の改変、生産能力の向上、細胞もしくは器官の少なくともいくつかにおける内因性グリコシラーゼの増加、または少なくとも1つの部分における消化性の向上という表現型を評価する工程、および/または前記表現型を示す植物を同定する工程をさらに含む、請求項1から5のいずれかの項に記載の方法。
【請求項10】
異種ポリヌクレオチドを前駆細胞、組織、器官、種子または植物に異種ポリヌクレオチドを導入する工程、および前記前駆細胞、組織、器官、種子または植物から複数の植物を生じさせる工程を含む、請求項1から9のいずれかの項に記載の方法。
【請求項11】
ポリヌクレオチドを導入する工程が、前駆細胞、組織、器官、種子または植物の形質転換および/または変異導入を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
因子が、内因性デンプンリン酸化および/または分解に必要な酵素をコードする遺伝子の発現またはその機能的活性をダウンレギュレートする、請求項1から11のいずれかの項に記載の方法。
【請求項13】
因子が植物の内因性デンプンリン酸化をダウンレギュレートする、請求項1から12のいずれかの項に記載の方法。
【請求項14】
デンプン分解および/またはデンプンリン酸化に必要なポリペプチドをコードする遺伝子の変異について、植物から得た核酸サンプルを試験する工程をさらに含む、請求項1から13のいずれかの項に記載の方法。
【請求項15】
内因性デンプンリン酸化および/または分解が、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミラーゼ(EC3.2.1.2)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、デンプンホスホリラーゼ(EC2.4.1.1)、グリコシラーゼ(EC3.1.33)、スクラーゼ-イソマルターゼ(EC3.2.10)、アミロマルターゼ(EC2.4.1.25)、マルターゼ(EC3.2.1.20)、イソアミラーゼおよびα-グルカン、水ジキナーゼ(GWD, EC2.7.9.4)から成る群から選択される1つ以上の酵素の発現または活性を改変することによって改変される、請求項1から14のいずれかの項に記載の方法。
【請求項16】
内因性デンプンリン酸化および/または分解が、α-アミラーゼまたはβ-アミラーゼの発現もしくは活性を高めることによって、および/またはGWDの発現もしくは活性を低下させることによって改変される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに、ホスホグリカン、水ジキナーゼ(PWD, EC2.7.9.5)の発現または活性を低下させる工程を含む、請求項1から16のいずれかの項に記載の方法。
【請求項18】
因子が植物の貯蔵器官、例えば発育中の種子、根、塊茎または茎で発現される、請求項1から17のいずれかの項に記載の方法。
【請求項19】
因子が、植物の光合成活性のある組織で発現される、請求項1から17のいずれかの項に記載の方法。
【請求項20】
内因性デンプンリン酸化および/または分解が移動デンプンに関する、請求項1から19のいずれかの項に記載の方法。
【請求項21】
グリコシラーが、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼまたはグリコシラーゼである、請求項2および4から20のいずれかの項に記載の方法。
【請求項22】
植物が、草類、野菜、穀類、豆類および果実または花をもつ植物から選択される、請求項1から21のいずれかの項に記載の方法。
【請求項23】
穀類が、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、コメ、ライムギ、エンバク、アワ、ソルガム、トリチケール、ソバ、フォニオ、クィノア、スペルトコムギ、デュラムコムギ、パンコムギ、アインコルン、アマランサス、マコモまたはテフである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
植物がさらに、転写制御配列と作動できるように連結された、α-アミラーゼまたはβ-アミラーゼ発現もしくは活性をダウンレギュレートする因子をコードする異種ポリヌクレオチド、またはα-アミラーゼもしくはβ-アミラーゼをコードする遺伝子の変異を含み、さらに少なくとも1つの器官でα-アミラーゼまたはβ-アミラーゼ発現もしくは活性の低下を示す植物が選択される、請求項1から23のいずれかの項に記載の方法。
【請求項25】
因子が貯蔵器官で発現されるか、またはα-アミラーゼもしくはβ-アミラーゼをコードする前記遺伝子が貯蔵器官で発現される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
因子が、ジキナーゼ酵素の発現をダウンレギュレートするRNA分子である、請求項1から25のいずれかの項に記載の方法。
【請求項27】
生産能力の向上が、バイオマス、成長力、発芽、苗木の成長力、成長速度、高さ、葉の総面積、葉の面積当りの光合成率、植物当りの葉の数、植物当りの穂の数、植物当りの分げつ枝の数、植物当りの種子の数、穂当りの種子の数、平均種子重量、植物当りの種子総重量、種子もしくは塊茎のデンプンの含有量または組成、茎の太さ、節間の数、枝の数、花の数、花のサイズまたは形、花の色、植物当りのさやの数、さやのサイズ、さや当りの種子の数、植物当りの果実の数、着果、果実のサイズ、果実の形、果実の色、果実の質、耐病性、根の質量、根の数、根の長さ、および/またはコントロール植物と比較した収量および/または老化の遅さの向上または改善である、請求項1から26のいずれかの項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1から27のいずれかの項に記載の方法によって得られ、作製され、または同定される遺伝的に改変された植物。
【請求項29】
植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、遺伝的に改変された植物であって、デンプンリン酸化および/または分解の改変を示すこと、および、さらに、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加および/または少なくとも1つの部分における消化性が向上したことを特徴とする、前記遺伝的に改変された植物。
【請求項30】
内因性デンプンリン酸化ポリペプチドおよび/または分解酵素をコードする遺伝子に導入された変異をゲノム内に含む遺伝的に改変された植物であって、デンプンリン酸化および/または分解の改変を示すこと、および前記に加えて、コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加および/または少なくとも1つの部分における消化性が向上したことを特徴とする、前記遺伝的に改変された植物。
【請求項31】
各々が植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む1つ以上の異種ポリヌクレオチドをゲノム内に含む、遺伝的に改変された植物であって、コントロール植物と比較して、少なくとも1つの部分におけるデンプンリン酸化および/または分解の低下、成熟種子におけるグリコシラーゼ(好ましくはアミラーゼ)発現および/または活性の増加または低下、および生産能力が向上したことを特徴とする、前記遺伝的に改変された植物。
【請求項32】
植物の少なくとも第一の器官で標的とされたデンプンリン酸化ポリペプチドおよび/または分解酵素のレベルの低下、および場合によって、前記植物の少なくとも第二の器官でデンプンリン酸化ポリペプチドおよび/または分解酵素のレベルの増加を示し、前記第一および第二の器官が同じ器官または異なる器官である、請求項28から31のいずれかの項に記載の植物。
【請求項33】
因子が、内因性デンプンリン酸化および/または分解に必要な酵素の発現または機能的活性をダウンレギュレートする、請求項28から32のいずれかの項に記載の植物。
【請求項34】
標的とされたポリペプチドまたは酵素が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、デンプンホスホリラーゼ、グリコシラーゼ、スクラーゼ-イソマルターゼ、アミロマルターゼ、マルターゼ、イソアミラーゼおよびα-グルカン、水ジキナーゼから成る群から選択される、請求項32から33のいずれかの項に記載の植物。
【請求項35】
因子が、ジキナーゼのレベルまたは機能的活性をダウンレギュレートする、請求項28から34のいずれかの項に記載の植物。
【請求項36】
ジキナーゼがGWD、または、GWDおよびPWDである、請求項35に記載の植物。
【請求項37】
因子が貯蔵器官で発現される、請求項28から36のいずれかの項に記載の植物。
【請求項38】
因子が植物の光合成活性のある組織で発現される、請求項28から36のいずれかの項に記載の植物。
【請求項39】
デンプンリン酸化および/または分解は移動デンプンに関する、請求項28から38のいずれかの項に記載の植物。
【請求項40】
植物が、草類、野菜、穀類、豆類および果実をもつ植物から選択される、請求項28から39のいずれかの項に記載の植物。
【請求項41】
穀類が、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、コメ、ライムギ、エンバク、アワ、ソルガム、トリチケール、ソバ、フォニオ、クィノア、スペルトコムギ、デュラムコムギ、パンコムギ、アインコルン、アマランサス、マコモまたはテフである、請求項40に記載の植物。
【請求項42】
転写制御配列が、もっぱら貯蔵器官および/または光合成活性のある植物組織でポリヌクレオチドの発現を指令する、請求項28から41のいずれかの項に記載の植物。
【請求項43】
植物がさらに、アミラーゼ活性をダウンレギュレートする因子をコードする、転写制御配列と作動できるように連結されたポリヌクレオチドを含む、請求項28から42のいずれかの項に記載の植物。
【請求項44】
植物の部分が、種子、葉、茎、根、塊茎、花、果実、さや、または植物から得られた切片である、請求項28から43のいずれかの項に記載の植物の部分。
【請求項45】
コントロール植物の対応する部分と比較して、デンプンの含有量もしくは組成の改変、請求項26に記載の生産の向上、内因性グリコシラーゼの増加または消化性の向上を特徴とする、請求項44に記載の植物の部分。
【請求項46】
デンプンを含む種子であって、前記種子のデンプン中のグルコース-6-リン酸のレベルが10ng/mgデンプン未満であり、種子から得られる粉のアミラーゼ活性のレベルが少なくとも4単位/g粉である、前記種子。
【請求項47】
加工された穀粒、小麦粉、全粒小麦粉または少なくとも部分的に精製したデンプンである、請求項28から43のいずれかの項に記載の植物の製品であって、コントロール植物から得られる対応する製品と比較してデンプン含有量または全体的なデンプン組成が改変されている、前記植物製品。
【請求項48】
請求項28から43のいずれかの項に記載の植物を生育させる工程および/または前記植物または植物の部分を採集する工程を含む、製品を製造する方法。
【請求項49】
請求項28から43のいずれかの項に記載の植物に由来する植物の部分(例えば穀粒)を加工する工程を含む、加工穀粒、小麦粉、全粒小麦粉または少なくとも部分的に精製したデンプンを製造する方法。
【請求項50】
請求項28から43のいずれかの項に記載の植物もしくは植物の部分または請求項47に記載の製品を別の食物成分と混合する工程、および、場合によって前記混合物を加熱し、焼成し、油により加熱し、蒸し、茹で、押し出し加工し、または他の態様で加工する工程を含む、食品を製造する方法。
【請求項51】
請求項47に記載の製品または請求項49に記載の方法によって製造された粉もしくはデンプンを発酵させる工程を含む、発酵生成物を製造する方法。
【請求項52】
請求項28から43のいずれかの項に記載の植物、請求項44から46に記載の植物部分、請求項47に記載の製品または請求項48から51のいずれかの項に記載の方法によって製造された製品をヒトまたは動物に提供する工程を含む、ヒトまたは動物に食物を与える方法。
【請求項53】
請求項48から51のいずれかの項に記載の方法によって製造された製品。
【請求項54】
コントロール植物と比較して生産能力の向上、内因性グリコシラーゼの増加またはその種子もしくはその器官の少なくとも1つにおける消化性の向上を特徴とする植物の作製を目的とする異種ポリヌクレオチドの使用であって、前記ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記異種ポリヌクレオチドの使用。
【請求項55】
食品または非食品の製造を目的とする、請求項28から43のいずれかの項に記載の植物、またはデンプンを含むその部分の使用。
【請求項56】
製品がエタノールである、請求項51に記載の方法または請求項55に記載の使用。
【請求項57】
動物の成長または健康を増進するための動物飼料としての、請求項28から43のいずれかの項に記載の植物またはデンプンを含む植物部分の使用。
【請求項58】
ヒトの消費に供する食物物質の製造を目的とする植物またはその部分の使用であって、前記植物またはその部分が少なくとも2つの異種ポリヌクレオチドの導入によって遺伝的に改変され、前記植物が、生産能力の向上、前記植物の葉におけるデンプンリン酸化および/または分解の低下および前記植物の種子における内因性グリコシラーゼの低下を特徴とし、各異種ポリヌクレオチドが、植物において内因性デンプンリン酸化および/または分解を改変する因子をコードする核酸配列に作動できるように連結された転写制御配列を含む、前記植物またはその部分の使用。
【請求項59】
コントロール植物と比較して、植物の生産能力、内因性グリコシラーゼの増加、または種子もしくは少なくとも1つの他の植物部分における消化性の向上の分子マーカーを同定するまたは前記分子マーカーを使用する方法であって、植物から核酸サンプルを得る工程および前記サンプルを処理して植物中のGWDをコードする遺伝子内の多形性または前記遺伝子に遺伝的に連結された多形性の実態を確認する工程を含む、前記分子マーカーを同定するまたは前記分子マーカーを使用する方法。
【請求項60】
植物を評価する方法であって、前記方法が、植物から核酸サンプルを入手し、さらにサンプルを処理してGWD遺伝子内の選択したヌクレオチドを同定する工程、および、同定されたヌクレオチドと植物の生産能力に関連する属性とを関連づける工程を含む、前記植物の評価方法。
【請求項61】
単離されたまたはキメラ核酸分子であって、配列番号:3のアミノ酸配列を含むα-グルカン、水ジキナーゼポリペプチド、または生物学的に活性なその部分、または配列番号:3と少なくとも90%の配列同一性を有するその変種、をコードするヌクレオチド配列、または前記配列と相補的なヌクレオチド配列を含む、前記核酸分子。
【請求項62】
単離された核酸分子またはキメラ核酸分子であって、配列番号:2もしくは配列番号:5もしくは配列番号:8もしくは配列番号:9もしくは配列番号:10もしくは配列番号:12もしくは配列番号:13もしくは配列番号:14、または前記のタンパク質コード部分もしくは生物学的に活性な部分、または配列番号:2(コムギGWD)もしくは配列番号:5(コムギGWD)もしくは配列番号:8もしくは配列番号:9もしくは配列番号:10もしくは配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13もしくは配列番号:14または前記のタンパク質コード領域と少なくとも90%の配列同一性を有するその変種と一致するヌクレオチド配列、または、前記配列と相補的なヌクレオチド配列、を含む前記核酸分子。
【請求項63】
単離された核酸分子またはキメラ核酸分子であって、配列番号:2もしくは配列番号:5もしくは配列番号:8もしくは配列番号:9もしくは配列番号:10、配列番号:12、配列番号:13もしくは配列番号:14、または前記のタンパク質コード部分もしくは生物学的に活性な部分、または配列番号:2(コムギGWD)もしくは配列番号:5(コムギGWD)もしくは配列番号:8もしくは配列番号:9もしくは配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13もしくは配列番号:14または前記のタンパク質コード領域と少なくとも90%の配列同一性を有するその変種と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記核酸分子。
【請求項64】
転写制御配列と作動できるように連結された請求項61、62または63に記載の核酸分子を含む、キメラ核酸構築物。
【請求項65】
GWD活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現を穀類植物で低下させることができる、単離された核酸分子またはキメラ核酸分子。
【請求項66】
アンチセンスRNA、共抑制RNA、二重鎖RNA、ヘアピンRNAまたはリボザイムであるRNAであるか、または前記RNAをコードする、請求項62に記載の核酸分子。
【請求項67】
GWD活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の穀類植物における発現の低下を目的とする、単離されたまたはキメラ核酸分子の使用。
【請求項68】
連続する20ヌクレオチドを含む一本鎖核酸プローブであって、前記20ヌクレオチドのヌクレオチド配列が、請求項58から60のいずれかの項に記載の核酸分子のヌクレオチド配列の相補鎖と同一である、前記核酸プローブ。
【請求項69】
固体支持体に結合させた核酸分子のアレイであって、穀類植物においてGWD活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含む核酸分子と選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、前記核酸分子のアレイ。
【請求項70】
請求項61から63、請求項65もしくは66のいずれかの項に記載の核酸分子、または請求項64に記載の構築物を含む、発現ベクター、宿主細胞、植物細胞、植物または種子。
【請求項71】
穀類GWDポリペプチドもしくはその変種を生成する方法、または生物学的に活性なフラグメントもしくはその変種を生成する方法であって、請求項64に記載の構築物を宿主細胞、植物細胞、植物、植物部分または種子で発現させる工程を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−504728(P2011−504728A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535178(P2010−535178)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001759
【国際公開番号】WO2009/067751
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(590003283)コモンウェルス サイエンティフィック アンドインダストリアル リサーチ オーガナイゼーション (11)
【出願人】(510148197)グレインズ リサーチ アンド デベロップメント コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】