説明

データ伝送方法及びシステム並びに光送信装置

【課題】
簡易な構成で秘匿性の高い通信を実現する。
【解決手段】
レーザダイオード14及び分波器16により、2つの光キャリアを生成する。光変調器18aは、送信データで第1の光キャリアを強度変調する。光変調器18bは、遅延回路24からのダミー信号で第2の光キャリアを強度変調する。光フィルタ26aは、光変調器18aの出力光信号から光キャリア成分と片方のサイドバンド成分を抽出する。光フィルタ26bは、光変調器18bの出力ダミー光信号から、異なるサイドバンド成分のみを抽出する。光合波器28は、光フィルタ26a,26bの出力光を合波する。光受信装置40の光フィルタ44は、光フィルタ26aの出力信号光成分を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送方法及びシステム、並びに光送信装置に関し、より具体的な秘匿性の高い通信を提供するデータ伝送方法及びシステム並びに光送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
秘匿性の高い光通信システムとして、特許文献1,2には量子暗号理論による秘匿通信システムが記載され、特許文献3には、レーザの揺らぎを利用する秘匿通信方法として、複数の発振波長で同時発振し、光出力の総和が一定になるように制御されたレーザ光を利用する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−057313号公報
【特許文献2】特開2005−012631号公報
【特許文献3】特開2004−302210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
何れの方法も、光送信装置及び光受信装置の構成が何れも複雑になる。
【0004】
本発明は、より簡易な構成で秘匿性の高い通信を実現するデータ伝送方法及びシステム並びに光送信装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデータ伝送方法は、第1の光キャリアを使って送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成ステップと、第2の光キャリアを使ってダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成ステップと、当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する合波ステップと、当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号の合波光を光伝送路に出力する出力ステップと、当該光伝送路からの当該合波光から当該VSB被変調光信号を抽出する抽出ステップと、抽出した当該VSB被変調光信号を電気信号に変換する変換ステップとを具備し、当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とする。
【0006】
本発明に係るデータ伝送システムは、第1及び第2の光キャリアを生成する光キャリア生成装置と、当該第1の光キャリアを送信データで変調し、当該送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成装置と、ダミー信号を発生するダミー信号発生装置と、当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調し、当該ダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成装置と、当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する光合波器と、当該合波光から当該VSB被変調光信号を抽出する光抽出器と、抽出した当該VSB被変調光信号を電気信号に変換する光/電気変換器とを具備し、当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る光送信装置は、第1及び第2の光キャリアを生成する光キャリア生成装置と、当該第1の光キャリアを送信データで変調し、当該送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成装置と、ダミー信号を発生するダミー信号発生装置と、当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調し、当該ダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成装置と、当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する光合波器とを具備し、当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、送信データを搬送するVSB被変調光信号に、ダミー信号を搬送するSSB被変調光信号を合波することで、スペクトル上及び時間波形上で送信データを隠蔽できる。これにより、簡単な構成で秘匿性の高い通信を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。
【0011】
光送信装置10のデータ入力端子12に送信データが入力する。レーザダイオード14は、波長λsのCWレーザ光を出力する。分波器16は、レーザダイオード14の出力レーザ光を等しい光パワーで2分割し、一方の分割光を光変調器18aに、他方の分割光を光変調器18bに印加する。
【0012】
光変調器18aは、入力端子12からの送信データに従い分波器16からのレーザ光を強度変調し、送信データを搬送するNRZ光パルス信号を出力する。クロック抽出装置20は、入力端子12からの送信データからクロックを抽出し、ダミー信号発生装置22は、クロック抽出装置20からのクロックに従い、送信データと同レートのダミー信号を生成する。送信データを隠蔽するために、ダミー信号のレートは、送信データのそれと等しいのが好ましい。ダミー信号生成装置22で生成されたダミー信号は、遅延回路24で遅延されて光変調器18bに印加される。光変調器18bは、遅延回路24からのダミー信号に従い、分波器16からのレーザ光を強度変調し、ダミー信号を搬送するNRZ光パルス信号を出力する。
【0013】
光フィルタ26aは、光変調器18aから出力される光信号から光キャリア成分と片方のサイドバンド成分を抽出する。即ち、光フィルタ26aは、光変調器18aから出力されるBSB(両サイドバンド)被変調光からVSB(残留サイドバンド)被変調光を生成する。図2は、光フィルタ26aの透過率と透過前後のスペクトルを示す。横軸は、周波数(波長)を示す。図2(a)は、光変調器18aの出力光信号、即ち光フィルタ26aの入力光のスペクトルを示し、同(b)は、光フィルタ26aの透過率特性を示し、同(c)は、光フィルタ26aの出力光のスペクトルを示す。図2に示す例では、光フィルタ26aは、低周波数(長波長)から信号波長λsより少し短い波長までの範囲で光を透過する。
【0014】
他方、光フィルタ26bは、光変調器18bから出力されるダミー光信号から他方のサイドバンド成分のみを抽出する。即ち、光フィルタ26bは、光変調器18bから出力されるBSB被変調光からキャリア抑圧されたSSB被変調光を生成する。図3は、光フィルタ26bの透過率と前後のスペクトルを示す。横軸は、周波数(波長)を示す。図3(a)は、光変調器18bの出力ダミー信号光、即ち、光フィルタ26bの入力光のスペクトルを示し、同(b)は、光フィルタ26bの透過率特性を示し、同(c)は、光フィルタ26bの出力光のスペクトルを示す。図3に示す例では、光フィルタ26aは、信号波長λsより少し短い波長から短波長側のサイドバンドを透過し、光キャリア成分と長波長側のサイドバンドを抑圧する。
【0015】
光合波器28は、光フィルタ26a,26bの出力光を合波する。光合波器28の出力合波光は、光出力端子30から光伝送路32に出力される。
【0016】
光伝送路32を伝搬した光は、光受信装置40の入力端子42から光フィルタ44に入力する。光フィルタ44は、光フィルタ26aと同じ透過特性を具備し、入力端子42からの光から、光キャリア成分と短波長側のサイドバンド成分を抽出する。受光器46は光フィルタ46の出力光信号を電気信号に変換する。光フィルタ44により、光フィルタ26aの出力信号光成分、即ち、送信データを搬送する光成分を分離できる。
【0017】
図4は、合波器28の入力光と出力光、光フィルタ44の出力光の各スペクトル例を示す。横軸は周波数(波長)を示す。図4(a)は、光フィルタ26aの出力光のスペクトルを示す。同(b)は、光フィルタ26bの出力光のスペクトルを示す。同(c)は、合波器28の出力光のスペクトルを示す。同(d)は、光フィルタ44の出力光のスペクトルを示す。合波器28の出力信号光のスペクトルは、見かけ上、図2(a)及び図3(a)にそれぞれ示す光変調器18a,18bの出力光のスペクトルに近似している。動作上、明らかように、合波器28の出力信号光は、送信データとダミー信号の両方を搬送する。図4(d)に示すように、光受信装置40において、光フィルタ26aと同じ透過特性の光フィルタ44によりダミー光信号搬送光成分を除去することにより、送信データを搬送する光成分を抽出できる。
【0018】
時間領域で見た波形変化例を図5に示す。横軸は時間を示す。図5(a)は、光変調器18aの出力光、即ち、送信データを搬送する信号光の波形例を示す。図5(b)は、光変調器18bの出力光、即ちダミー信号を搬送する光信号の波形例を示す。図5(c)は、合波器28の出力光の波形例を示し、図5(d)は光フィルタ44の出力光の波形を示す。光フィルタ26a,26b,44により、時間波形が変形するが、ここでは、そのような波形変化を無視し、矩形パルスとして図示してある。図5(c)から明らかなように、図5(c)に示す時間波形の信号光をそのまま受信した場合、送信データを復元するのは困難である。光受信装置40において、光伝送路32からの信号光から、送信データを搬送するサイドバンドと光キャリア成分を光フィルタ44により抽出すると、図5(d)に示すように、送信データを搬送するVSB光信号を分離できる。本来、信号波形の劣化があるが、図5(d)に示す波形では、無視してある。
【0019】
数値シミュレーションにより本実施例の効果を確認した。送信データ及びダミー信号ともに1.25GbpsのNRZ信号とした。光フィルタ26a,44を、帯域1.0GHz、中心周波数をキャリア周波数+0.5GHz、3次のガウシアン型とした。また、光フィルタ26bを、帯域1.0GHz、中心周波数をキャリア周波数−0.7GHz、3次のガウシアン型とした。ダミー信号として、送信信号との相関係数が0.03の信号を用いた。その結果、合波器28の出力光の波形と送信データとの相関係数は0.67であり、送信データの復元が困難になっている。これに対して、光受信装置40における光フィルタ44の出力光の波形と送信データとの相関係数は0.91であり、送信データを復元できる。
【0020】
本実施例では、光伝送路32を伝送する信号光を直接、電気信号に変換すると、送信データとダミー信号の混在した電気信号が得られ、しかも、その電気信号からダミー信号を除去するのは極めて困難又は不可能である。これにより、簡易な構成で高度に秘匿性の高い通信を実現できる。
【実施例2】
【0021】
第1実施例では、送信データとは異なる信号パターンのダミー信号を使用したが、送信データを遅延させたものをダミー信号としても良い。例えば、送信データを搬送するVSB光信号と、送信データを整数ビットブ分、遅延したSSBダミー光信号とを合波することで、合波光を電気信号に変換するだけでは、送信データを復元できない。
【0022】
図6は、第2実施例の光送信装置の概略構成ブロック図を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。光送信装置10aでは、入力端子10に入力する送信データが、遅延回路24aにも供給される。遅延回路24aの遅延時間は、好ましくは、送信データの1ビット期間の整数倍である。
【0023】
本実施例でも、光伝送路32を伝送する信号光直接、電気信号に変換すると、送信データとこれを遅延したデータの混在した信号が得られ、しかも、光電変換後に両者を分離するのは極めて困難又は不可能である。これにより、簡易な構成で高度に秘匿性の高い通信を実現できる。
【実施例3】
【0024】
第1実施例では、単一のレーザダイオード14の出力レーザ光を分波器16で2分割したが、ほとんど同一波長でレーザ発振するレーザダイオードを2つ用意しても良い。
【0025】
図7は、その変更実施例の概略構成ブロック図を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図7に示す光受信装置10bでは、レーザダイオード14と分波器16の代わりに、ほとんど同一波長でレーザ発振するレーザダイオード14a,14bを用意し、レーザダイオード14aの出力レーザ光を光変調器18aに印加し、レーザダイオード14bの出力レーザ光を光変調器18bに印加する。
【0026】
2つのレーザ光源を使用する場合、送信データを搬送する光信号の波長と、ダミー信号を搬送する光信号の波長の差を調整できるが、光源数の増加によりコストが増加する。他方、1つのレーザ光源の出力光を2つに分割する場合、光源が1つで済むことでコストを低減できる。送信データを搬送する光信号の波長と、ダミー信号を搬送する光信号の波長が等しくなることは、障害にはならない。
【0027】
レーザダイオード14aのレーザ波長とレーザダイオード14bのレーザ波長との差は、最大でも、周波数換算値で送信データのビットレート以下であればよい。これ以上に波長差が大きくなると、伝送路上の光信号スペクトルが、ダミー信号と送信データで分離してしまい、本実施例の秘匿方法を盗聴者に理解されてしまうからである。
【0028】
本実施例でも、実施例1,2と同様の作用効果を得ることができる。
【実施例4】
【0029】
図6に示す第2実施例に対しても、図7に示す実施例と同様に、レーザダイオード14と分波器16の代わりに、ほとんど同一波長でレーザ発振する2つのレーザダイオードに使ってもよい。
【実施例5】
【0030】
ダミー信号のデータレートを送信データのそれと同じにし、且つ、互いに同期させることで、送信データの秘匿度が高くなる。より低い秘匿度で良い場合には、ダミー信号を送信データに同期させなくてもよい。即ち、図1に示す実施例で、クロック抽出回路20を省略できる。更には、ダミー信号のレートを送信データのそれとは異なる値、例えば、送信データのレートよりも低くしても良い。
【0031】
ダミー信号のビットレートを送信データのそれと同じにすると、合波器28の出力光の光スペクトルを左右対称にすることができ、データの秘匿性が高まる。ダミー信号として遅延した送信データを使用する場合、構成が非常に簡略になる。他方、盗聴者にとって、データ信号のビットレートが容易に推測可能である。
【0032】
ダミー信号のビットレートが送信データのそれとは異なる場合、盗聴者は、ビットレートを推測することが困難となり、より秘匿性が増す。他方、盗聴者が光スペクトルを観測可能である場合、サイドバンドの間隔からデータ信号とダミー信号が多重されていることを理解される恐れがある。
【0033】
送信データとダミー信号を同期させると、受信装置において、分離したデータ信号のマークレベルおよびスペースレベルが安定するという利点がある。他方、同期のために、光送信装置で一方の信号の遅延時間を調整しなければならない。
【0034】
送信データとダミー信号を同期させない場合、同期させるための遅延量の調整が不必要になる。他方、受信側では、データ信号の分離が不十分な場合、つまりダミー信号からのクロストークが存在する場合、受信データ信号のマークレベルおよびスペースレベルが不安定になることがある。
【実施例6】
【0035】
CWレーザダイオードを光源とする実施例1〜5を説明したが、何れの実施例でも、CW光源レーザダイオードをパルス光源に変更できる。但し、その場合、光変調器18aにレーザ光を供給するパルス光源に対しては、送信データからクロックを抽出し、そのクロックで当該パルス光源を駆動する必要がある。また、送信データと同期しないダミー信号のパルス光源に対しては、ダミー信号からクロックを抽出し、そのクロックで当該パルス光源を駆動する必要がある。
【0036】
CW光源を使用する場合、クロック抽出回路が不要になり、構成が簡略になる。しかし、NRZ以外の被変調信号を生成するのが、難しくなる。他方、パルス光源を使用する場合、NRZ以外の被変調信号を生成するのが容易になるが、クロック抽出回路を設ける必要がある。
【0037】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】光フィルタ26aの透過率と前後のスペクトルであって、(a)は、光変調器18aの出力光信号のスペクトルを示し、同(b)は、光フィルタ26aの透過率特性を示し、同(c)は、光フィルタ26aの出力光のスペクトルを示す。
【図3】光フィルタ26bの透過率と前後のスペクトルであって、(a)は、光変調器18bの出力ダミー信号光のスペクトルを示し、同(b)は、光フィルタ26bの透過率特性を示し、同(c)は、光フィルタ26bの出力光のスペクトルを示す。
【図4】合波器28の入力光と出力光、光フィルタ44の出力光の各スペクトル例であって、(a)は光フィルタ26aの出力光のスペクトルを示し、(b)は光フィルタ26bの出力光のスペクトルを示し、(c)は合波器28の出力光のスペクトルを示し、(d)は、光フィルタ44の出力光のスペクトルを示す。
【図5】時間領域で見た波形変化例であって、(a)は光変調器18aの出力光の波形例を示し、(b)は光変調器18bの出力光の波形例を示し、(c)は、合波器28の出力光の波形例を示し、(d)は光フィルタ44の出力光の波形を示す。
【図6】本発明の第2実施例の概略構成ブロック図である。
【図7】本発明の第3実施例の概略構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
10,10a,10b:光送信装置
12:データ入力端子
14,14a,14b:レーザダイオード
16:分波器
18a,18b:光変調器
20:クロック抽出装置
22:ダミー信号発生装置
24,24a:遅延器
26a,26b:光フィルタ
28:光合波器
30:光出力端子
32:光伝送路
40:光受信装置
42:入力端子
44:光フィルタ
46:受光器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光キャリアを使って送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成ステップと、
第2の光キャリアを使ってダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成ステップと、
当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する合波ステップと、
当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号の合波光を光伝送路に出力する出力ステップと、
当該光伝送路からの当該合波光から当該VSB被変調光信号を抽出する抽出ステップと、
抽出した当該VSB被変調光信号を電気信号に変換する変換ステップ
とを具備し、
当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
当該VSB被変調光信号生成ステップが、
第1の光キャリアを当該送信データで変調することにより第1の被変調波を生成するステップと、
当該第1の被変調波から一方のサイドバンドと光キャリア成分を抽出するステップ
とを具備することを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
当該SSB被変調光信号生成ステップが、
第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調することにより第2の被変調波を生成するステップと、
当該第2の被変調波からその光キャリア成分を抑圧しつつ一方のサイドバンドの抽出するステップ
とを具備することを特徴とする請求項2に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
更に、単一のレーザ光源の出力光を2分割して、当該第1及び第2の光キャリアを生成するステップを具備することを特徴とする請求項3に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
当該ダミー信号のデータレートが、当該送信データのそれと等しいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
当該ダミー信号が、当該送信データと同期していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項7】
更に、
当該送信データからクロックを抽出するステップと、
抽出されたクロックに同期して当該ダミー信号を生成するステップ
とを具備することを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送方法。
【請求項8】
更に、当該送信データを遅延して当該ダミー信号を生成するステップを具備することを特徴とする請求項5又は6に記載のデータ伝送方法。
【請求項9】
第1及び第2の光キャリアを生成する光キャリア生成装置(14,16;14a,14b)と、
当該第1の光キャリアを送信データで変調し、当該送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成装置(18a,26a)と、
ダミー信号を発生するダミー信号発生装置(22,24a)と、
当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調し、当該ダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成装置(18b,26b)と、
当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する光合波器(28)と、
当該合波光から当該VSB被変調光信号を抽出する光抽出器(44)と、
抽出した当該VSB被変調光信号を電気信号に変換する光/電気変換器(46)
とを具備し、
当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項10】
当該VSB被変調光信号生成装置が、
当該第1の光キャリアを当該送信データで変調することにより第1の被変調波を生成する第1の光変調器(18a)と、
当該第1の被変調波から一方のサイドバンドと光キャリア成分を抽出する第1の光フィルタ(26a)
とを具備することを特徴とする請求項8に記載のデータ伝送システム。
【請求項11】
当該SSB被変調光信号生成装置が、
当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調することにより第2の被変調波を生成する第2の光変調器(18b)と、
当該第2の被変調波からその光キャリア成分を抑圧しつつ一方のサイドバンドの抽出する第2の光フィルタ(26b)
とを具備することを特徴とする請求項9に記載のデータ伝送システム。
【請求項12】
当該光キャリア生成装置が、
レーザ光源(14)と、
当該レーザ光源(14)の出力光を2分割して、当該第1及び第2の光キャリアを生成する光分波器(16)
とを具備することを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【請求項13】
当該光キャリア生成装置が、
当該第1の光キャリアを出力する第1のレーザ光源(14a)と、
当該第2の光キャリアを出力する第2のレーザ光源(14b)
とを具備することを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【請求項14】
更に、当該送信データからクロックを抽出するクロック抽出装置(20)を具備し、
当該ダミー信号発生装置(22)が、当該クロック抽出装置(20)で抽出されたクロックに従い、当該ダミー信号を発生する
ことを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【請求項15】
当該ダミー信号発生装置が、当該送信データを遅延する遅延器(24a)からなることを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【請求項16】
第1及び第2の光キャリアを生成する光キャリア生成装置(14,16;14a,14b)と、
当該第1の光キャリアを送信データで変調し、当該送信データを搬送するVSB(残留側波帯)被変調光信号を生成するVSB被変調光信号生成装置(18a,26a)と、
ダミー信号を発生するダミー信号発生装置(22,24a)と、
当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調し、当該ダミー信号を搬送する光キャリア成分を抑圧されたSSB(単側波帯)被変調光信号を生成するSSB被変調光信号生成装置(18b,26b)と、
当該VSB被変調光信号と当該SSB被変調光信号を合波する光合波器(28)
とを具備し、
当該第1の光キャリアの波長と当該第2の光キャリアの波長との差が、最大でも、周波数換算値で当該送信データのビットレート以下であることを特徴とする光送信装置。
【請求項17】
当該VSB被変調光信号生成装置が、
当該第1の光キャリアを当該送信データで変調することにより第1の被変調波を生成する第1の光変調器(18a)と、
当該第1の被変調波から一方のサイドバンドと光キャリア成分を抽出する第1の光フィルタ(26a)
とを具備することを特徴とする請求項15に記載の光送信装置。
【請求項18】
当該SSB被変調光信号生成装置が、
当該第2の光キャリアを当該ダミー信号で変調することにより第2の被変調波を生成する第2の光変調器(18b)と、
当該第2の被変調波からその光キャリア成分を抑圧しつつ一方のサイドバンドの抽出する第2の光フィルタ(26b)
とを具備することを特徴とする請求項16に記載の光送信装置。
【請求項19】
当該光キャリア生成装置が、
レーザ光源(14)と、
当該レーザ光源(14)の出力光を2分割して、当該第1及び第2の光キャリアを生成する光分波器(16)
とを具備することを特徴とする請求項15乃至17の何れか1項に記載の光送信装置。
【請求項20】
当該光キャリア生成装置が、
当該第1の光キャリアを出力する第1のレーザ光源(14a)と、
当該第2の光キャリアを出力する第2のレーザ光源(14b)
とを具備することを特徴とする請求項15乃至17の何れか1項に記載の光送信装置。
【請求項21】
更に、当該送信データからクロックを抽出するクロック抽出装置(20)を具備し、
当該ダミー信号発生装置(22)が、当該クロック抽出装置(20)で抽出されたクロックに従い、当該ダミー信号を発生する
ことを特徴とする請求項15乃至19の何れか1項に記載の光送信装置。
【請求項22】
当該ダミー信号発生装置が、当該送信データを遅延する遅延器(24a)からなることを特徴とする請求項15乃至19の何れか1項に記載の光送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−88534(P2007−88534A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271311(P2005−271311)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】