説明

データ処理装置、及び、消費電力量管理方法

【課題】データ処理装置の稼働率を抑えながら高精度にジョブ消費電力を算出・計測すること。
【解決手段】コントローラ部1200のCPU1201が、ジョブの処理開始時と処理終了時に、プリンタ部30のCPU3001に指示して、電力計測部50により電力計測を行うように制御する。そして、ジョブの処理開始時に計測された消費電力と、直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻からジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて画像形成装置100のジョブ間消費電力量を算出する。さらに、ジョブの処理終了時に計測された消費電力と、ジョブの処理開始時の計測時刻からジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて画像形成装置100のジョブ消費電力量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、及び、消費電力量管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を低減するために、プリンタや複合機等のデータ処理装置の使用時における消費電力量を低減することが求められている。このため、デバイス使用時における消費電力量をユーザが認識可能にすることが求められている。また、ユーザに消費電力量を低減する行動を促進させるためには、各ユーザが実行した印刷やコピーなどのジョブ単位での消費電力量を高精度に測定し、その測定結果をユーザに提示する必要がある。
【0003】
特許文献1には、消費電力を計測可能な複数の複写機(データ処理装置)とそれらの管理装置がネットワークに接続されたシステムにおいて、管理装置の要求に応じて各複写機が計測した消費電力量に関するデータを送出する技術が開示されている。これによれば、例えば1か月毎の各複写機の消費電力量の履歴を管理装置で一元把握することが可能になる。さらに、一定間隔で複写機が自身でジョブ処理中か判別し、測定された消費電力量をそれぞれのジョブにおける消費電力量として積算することにより、複写機のジョブ毎の消費電力量を高精度に算出および計測可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−335026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように一定間隔でデータ処理装置がジョブ中か否かの判別を行っていてはデータ処理装置の稼働率が高くなってしまい、データ処理装置が行う他の処理の処理時間が長くなってしまう。このため、データ処理装置における消費電力量の低減を妨げてしまう可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、一定間隔でデータ処理装置がジョブを処理中か否かを判別することを必要とせず、データ処理装置のジョブ毎の消費電力量を高精度に算出及び計測する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、データ処理装置であって、前記データ処理装置が実行すべきジョブを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記ジョブを処理する処理手段と、前記データ処理装置の消費電力を計測する電力計測手段と、前記電力計測手段による消費電力の計測時刻を記憶する記憶手段と、前記処理手段による前記ジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記ジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記処理手段による処理が実行されない間の消費電力量を示す第1の消費電力情報を算出し、前記ジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、前記ジョブの処理開始時の計測時刻から前記ジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記ジョブの処理中の消費電力量を示す第2の消費電力情報を算出するように制御する制御手段と、前記制御手段で算出された前記第1の消費電力情報と前記第2の消費電力情報を管理するジョブ履歴管理手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データ処理装置の稼働率を抑えながら、ジョブ毎の消費電力を高精度に算出・計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の消費電力量を算出又は計測することのできる画像形成装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】ジョブ履歴管理部1212で保持されるジョブ履歴情報テーブルの一例を示す図である。
【図3】画像形成装置100内の電源供給構成及び電力計測部50内の構成例を示した図である。
【図4】操作部10の構成例を示す図である。
【図5】クライアントPC110のハードウェア構成図である。
【図6】画像形成装置100が実行する消費電力量管理プログラム1290の一例を示すソフトウェア構成図である。
【図7】実施例1における印刷ジョブ実行と消費電力量計測の処理タイミングを示すフローチャートである。
【図8】ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
【図9】実施例1における画像形成装置100の消費電力量の表示例を示す図である。
【図10】ユーザが投入したジョブ毎の消費電力量の表示例を示す図である。
【図11】実施例2における各画像形成装置の消費電力に関わる情報を管理するネットワークシステム構成図である。
【図12】本実施例における消費電力算出管理サーバの消費電力量情報の取得フローを示した図である。
【図13】実施例3における印刷ジョブ実行と消費電力量取得のタイミングを示すフローチャートである。
【図14】ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
【図15】実施例4における印刷ジョブ・スキャンジョブ実行と電力値取得のタイミングを示すフローチャートである。
【図16】先行するジョブの終了前に後続のジョブが終了する場合における、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
【図17】先行するジョブの終了後に後続のジョブが終了する場合における、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
【図18】本実施例における印刷ジョブ・コピージョブ実行と電力値取得のタイミングを示すフローチャートである。
【図19】ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
以下、実施例1について図面を用いて説明する。
<画像形成装置-全体構成>
図1は、本発明の消費電力量を算出又は計測することのできるデータ処理装置の一例としての画像形成装置100の構成の一例を示す図である。
【0012】
画像形成装置100は、画像形成装置100を使用するユーザが各種の操作を行うための操作部10と、操作部10からの指示に従って画像情報を読み取るスキャナ部20と、画像データを用紙に印刷するプリンタ部30とを有する。
【0013】
スキャナ部20は、スキャナ部20を制御するCPU2001や原稿読取を行うための図示しない照明ランプや走査ミラーなどを有する。プリンタ部30は、プリンタ部の制御を行うCPU3001や画像形成や定着を行うための図示しない感光体ドラムや定着器を有する。なお、プリンタ部30は、インクジェット方式、昇華式等の他の印刷方式を用いるものであってもよい。
【0014】
さらに、画像形成装置100は、画像形成装置100の消費電力を計測する電力計測部50を有する。また、画像形成装置100は、スキャナ部20や、プリンタ部30や、LAN3000や、公衆回線(WAN)4000と接続され、画像形成装置の動作を統括的に制御するコントローラ部1200とを備える。また一方でコントローラ部1200は、画像情報やデバイス情報、消費電力量に関わる情報等の入出力制御を行う
【0015】
<画像形成装置-コントローラ構成>
図1を用いてコントローラ部1200の内部について詳細に説明する。
コントローラ部1200は、LAN3000を介してLAN上のクライアントコンピュータ(クライアントPC)110から受信した印刷ジョブに含まれるPDLコードをビットマップイメージに展開するラスタイメージプロセッサ(RIP)1250を有する。
【0016】
また、コントローラ部1200は、スキャナ部20から入力された画像データに対し補正、加工、編集を行うスキャナ画像処理部1260を有する。また、コントローラ部1200は、プリンタ部30で出力(印刷)される画像データに対して補正、解像度変換等を行うプリンタ画像処理部1270と、画像データの回転を行う画像回転部1230とを有する。
【0017】
また、コントローラ部1200は、多値画像データにJPEG、2値画像データにJBIG、MMR、又はMHの圧縮伸張処理を行う画像圧縮部1240を有する。また、コントローラ部1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30とコントローラ部1200を接続して画像データの同期系/非同期系の変換を行うデバイスI/F1220を有する。
【0018】
更に、コントローラ部1200は、RIP1250、スキャナ画像処理部1260、プリンタ画像処理部1270、画像回転部1230、画像圧縮部1240、デバイスI/F1220を互いに接続して画像データを高速で転送する画像バス1213とを備えている。
【0019】
また、コントローラ部1200は画像形成装置100を統括的に制御する制御部としてのCPU1201を有する。また、コントローラ部1200は、CPU1201が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもあるRAM1202を有する。また、コントローラ部1200は、操作部10とのインタフェースで、操作部10に表示する画像データを操作部10に対して出力する操作部I/F1206を有する。なお、操作部I/F1206は、操作部10から本画像形成装置を使用するユーザが入力した情報をCPU1201に伝える役割も有する。
【0020】
また、コントローラ部1200は、LAN3000に接続され、クライアントPC100やLAN3000上の図示しないその他のコンピュータ端末との通信(送受信)を行うネットワーク部1210を有する。また、コントローラ部1200は、公衆回線4000に接続され、図示しない外部のファクシミリ装置とのデータの通信(送受信)を行うモデム部1211を有する。
【0021】
また、コントローラ部1200は、CPU1201が実行するブートプログラムが格納されているROM1203と、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値などを格納するハードディスクドライブ(HDD)1204を備える。また、コントローラ部1200は、スキャナ部20及びプリンタ部30と夫々通信を行う内部通信I/F1208を備える。
【0022】
また、コントローラ部1200は、CPU1201、RAM1202、操作部I/F1206、ネットワーク部1210、ROM1203、HDD1204、内部通信I/F1208等を互いに接続するシステムバス1207を備える。
【0023】
また、コントローラ部1200は、システムバス1207及び画像バス1213を接続しデータ構造を変換するバスブリッジであるImageBusI/F1205を備える。
また、コントローラ部1200は、印刷やコピージョブを解析し、ユーザ名や印刷部数、カラー印刷等の出力属性情報などを取得し、ジョブ情報として管理するジョブ管理部1209を備える。なお、ジョブ情報は、操作部10から発行されたジョブ(例えば、コピージョブ)であれば操作部I/F1206から、クライアントPC100や他の端末から発行されたジョブ(例えば印刷ジョブ)であればネットワーク部1210から取得される。
【0024】
さらに、コントローラ部1200は、ジョブ履歴情報を管理するジョブ履歴管理部1212を備える。ジョブ履歴管理部1212は、ジョブ終了時にジョブ管理部1209から送信したジョブ情報をジョブ履歴情報テーブル(図2)として保持する。
【0025】
図2は、ジョブ履歴管理部1212で保持されるジョブ履歴情報テーブルの一例を示す図である。
図2において、ジョブ履歴ID601は、ジョブ履歴を一意に識別するIDである。ユーザ名602は、ジョブの実行を指示したユーザ名を示す。ジョブタイプ603は、実行されたジョブの種別を示し、クライアントPC110からの印刷ジョブやコピー、スキャン等が挙げられる。
【0026】
開始時刻604は、ジョブの開始時刻を示す。終了時刻605は、ジョブの終了時刻を示す。
カラーページ数606は、該当ジョブによりプリンタ部30でカラー印刷/コピーされたページ数を示す。白黒ページ数607は、該当ジョブによりプリンタ部30で白黒印刷/コピーされたページ数を示す。スキャンページ数608は、該当ジョブによりスキャナ部20でスキャンされたページ数を示し、カラースキャンページ数、白黒スキャンページ数等を区別して記録することも可能である。
【0027】
ジョブ消費電力量609は、該当ジョブによって消費された電力量を示す。ジョブ間消費電力量610は、該当ジョブの直前のジョブから該当ジョブまでに消費された消費電力量を示す。
【0028】
ジョブ履歴情報テーブルは、これら601〜610の情報により、誰によってどのようなジョブがどの時刻に開始され終了し、何Whの電力が消費されたかというジョブ履歴情報を記録する。
【0029】
例えば、ジョブ履歴611は、"2010/6/2_18:33:10"に開始し、"2010/6/2_18:50:15"に終了したコピージョブが実行されたことを示している。更に、このジョブでは、10ページスキャンされ、10ページのカラー印刷が行われ、1000Whの電力が消費されたことを示している。
【0030】
なお、ジョブ履歴情報テーブルをジョブ種毎に作成するように構成してもよい。言うまでもなく、ジョブ管理部1209やジョブ履歴管理部1212は個別に用意されている必要は無く、CPU1201で実行されるソフトウェアとHDD1204などの記憶装置の組み合わせでも実現できる。
【0031】
<画像形成装置-電力計測部構成>
図3は、画像形成装置100内の電源供給構成及び電力計測部50内の構成例を示した図である。
【0032】
図3において、商用電源70は、主電源スイッチ71、電力計測部50を介し電源供給部80に接続されている。電源供給部80では、スキャナ部20、プリンタ部30、電力計測部50、コントローラ部1200、操作部10などの画像形成装置100の各部に必要な電力を、商用電源70を元に内部生成し供給する。
【0033】
次に、図3を用いて電力計測部50を詳細に説明する。
電力計測部50内部には、電圧検出部51と電流検出部52があり、それぞれ電圧と電流の2つの値を読み取る。また、電圧の具体的な検出は、一般的な商用電源のL(ライン)とN(ニュートラル)を全波整流し、それをトランスなどで低圧化して、その数値をA/D変換部53で読み取る方法でも良い。電流の具体的な検出は、L(ライン)に流れる電流値を磁束に変換し、それを電圧に変換して、A/D変換部54で読み取ってもよいし、電流値検出抵抗を挿入して読み取っても良い。また、流れる電流により温度が変化する素子を挿入して、読み取る方法でも良い。上記した方法で検出され、A/D変換された電圧レベルと電流レベルは、本実施例ではプリンタ部30に入力される。
【0034】
プリンタ部30に入力された電圧レベルと電流レベルは、プリンタ部30内部のCPU3001により読み取られ、2つの値を掛け算した結果(電圧レベル×電流レベル)を消費電力として算出する。さらに、プリンタ部30内部のCPU3001は、上記算出した消費電力とともに、上記電圧レベルと電流レベルとを読み取った読み取り時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に保持する。また、プリンタ部30内部のCPU3001は、直前の読み取り時間(前回の読み取りで記憶装置に保持された読み取り時刻)からの経過時間から、消費電力×時間とすることで所定時間内の消費電力量を算出する。この計測結果を元にプリンタ部30内部で算出された消費電力量は、プリンタ部30がコントローラ部1200内の内部通信I/F1208と通信することでコントローラ部1200内のCPU1201に送信することが可能な構成となっている。また、その他の手法として、電力計測部50内部にデジタルデータを高速に演算処理するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を搭載し、電力計測部50内部で消費電力量を算出する構成としてもよい。その場合、電力計測部50は直接コントローラ部1200に内部通信I/F1208を通して接続されるものとしてよい。さらに、プリンタ部30内部のCPU3001で電力計測部50により計測された消費電力を算出し、コントローラ部1200のCPU1201が消費電力量の算出を行う構成であってもよい。
【0035】
<画像形成装置-操作部構成>
図4は、操作部10の構成例を示す図である。
図4において、液晶操作パネル11は、液晶とタッチパネルを組み合わせたものであり、操作画面を表示するとともに、表示キーがユーザにより押されるとその情報をコントローラ部1200に送る。
【0036】
スタートキー12は、原稿画像の読み取り印刷の動作を開始するときや、その他機能の開始指示に用いられる。スタートキー12には、緑色と赤色の2色のLEDが組み込まれ、緑色点灯時には開始可能を示し、赤色点灯時には開始不可であることを示す。ストップキー13は、稼動中の動作を止める働きをする。
【0037】
ハードキー群14には、テンキー、クリアキー、リセットキー、ガイドキー、ユーザーモードキーが設けられる。また、節電キー15は、画像形成装置を操作部10からスリープモードに移行、又は、画像形成装置をスリープモードから復帰させる際に用いられる。画像形成装置は、通常モードで節電キー15がユーザによって押下されるとスリープモードへ移行し、スリープモードで節電キー15がユーザによって押下されると通常モードへ移行する。
【0038】
また、操作部10は、ユーザが液晶操作パネル11を用いて入力したユーザ名や印刷/コピー枚数、出力属性情報といったジョブ情報作成に必要な情報を、操作部I/F1206に送信する。
【0039】
<クライアントPC-ハード構成>
図5は、クライアントPC110のハードウェア構成図の一例を示す図である。
図5において、クライアントPC110は、それぞれシステムバス1308で相互に接続されているCPU1301、RAM1302、ROM1303、HDD1304、ネットワーク部1307、IO部1305、操作部1306を有するように構成される。
【0040】
CPU1301は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラムをHDD1304から読み出して実行することで種々の機能を提供する。RAM1302は、CPU1301がプログラムを実行する際のシステムワークメモリである。ROM1303は、BIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。
【0041】
HDD1304は、ハードディスクドライブであって、システムソフトウェアなどが記憶されている。ネットワーク部1307は、LAN3000に接続され、画像形成装置100などの外部機器と通信(送受信)を行う。IO部1305は、液晶ディスプレイやマウスなど図示しない入出力デバイスとから構成する操作部1306との情報を入出力するインタフェースである。操作部1306の液晶ディスプレイには、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で所定の情報が描画される。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等が表示される。
【0042】
<消費電力量管理制御>
図6は、画像形成装置100が実行する消費電力量管理プログラム1290の一例を示すソフトウェア構成図である。本プログラムは、印刷やコピーなどのジョブを実行するジョブ制御プログラムなどとともにHDD1204内に格納されている。これらプログラムは、CPU1201がブートプログラムを実行することにより、HDD1204からRAM1202へ読み出される。そしてCPU1201がRAM1202上に読み出したプログラムを実行することで処理されることとなる。
【0043】
図6の消費電力量管理プログラム1290において、ジョブ履歴収集部1291は、ジョブ履歴管理部1212で管理されているジョブ履歴情報テーブル(図2)を取得(収集)し、保持する。累計消費電力量保持部1292は、ジョブ履歴収集部1291に保持されたジョブ履歴情報テーブルからジョブ消費電力量609とジョブ間消費電力量610を読み出し、これらから総消費電力量(累計消費電力量)を算出し保持する。なお、累計消費電力量保持部1292が算出する累計消費電力量は、ユーザからの指定により、指定期間内において、全ユーザ又は指定ユーザの消費電力量を、時間毎又はジョブ毎に累計する等、さまざまな累計が可能である。
【0044】
インタフェース部1293では、累計消費電力量保持部1292で保持している総消費電力量を読み出し、操作部10の液晶操作パネル11に表示する。また、インタフェース部1293は、総消費電力量を、ネットワーク部1210を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110やその他の外部装置に出力する制御を行う。
【0045】
<印刷ジョブの実行・消費電力量情報更新フロー>
次に、本実施例における画像形成装置の印刷ジョブ実行と消費電力量情報の更新フローについて述べる。
【0046】
まず、印刷ジョブの実行の流れに関して述べる。
画像形成装置100(図1)は、LAN3000に接続されたクライアントPC110から送信された印刷ジョブに基づいて以下のように印刷処理を実行する。CPU1201は、印刷ジョブを受信すると内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ開始を通知する。
【0047】
プリンタ部30のCPU3001は、ジョブ開始の通知に従い、プリンタ部30を印刷可能な状態にするための制御を行う。CPU1201は、LAN3000に接続されたクライアントPC110からネットワーク部1210を介して受信した画像データである印刷データをRAM1202に記憶させる。そして、この画像データを、イメージバスI/F1205を介してRIP1250に供給する。
【0048】
RIP1250は、この画像データ(PDLコード)をビットマップデータに展開する。画像圧縮部1240は、RIP1250で展開されたビットマップデータに圧縮処理を行ってHDD1204に蓄積する。次いで、HDD1204に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)は、イメージバスI/F1205を介して画像圧縮部1240に供給される。
【0049】
画像圧縮部1240は、供給された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を伸張する。プリンタ画像処理部1270は、伸張された画像データに、プリンタの補正及び解像度変換等を行う。画像回転部1230は、必要な場合に画像データに回転処理を施す。続いて、各種処理を施された画像データは、印刷データとしてデバイスI/F1220を介してプリンタ部30に送出され、プリンタ部30によって用紙に印刷処理がなされる。
【0050】
さらに、CPU1201は内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ終了を通知する。プリンタ部30のCPU3001は、ジョブ終了の通知に従い、プリンタ部30を印刷終了状態にするための制御を行う。
【0051】
図7は、実施例1における印刷ジョブ実行と消費電力量計測の処理タイミングを示すフローチャートである。なお、図中のコントローラ部1200側の処理は、コントローラ部1200のCPU1201が、HDD1204にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。また、プリンタ部30側の処理は、プリンタ部30のCPU3001が、不図示のROM等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0052】
まず、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブを受信すると印刷ジョブを開始し、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ開始を通知すると同時に、電力計測をプリンタ部30に指示する(S101)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0053】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値(電圧レベル、電流レベル)を取得する(S102)。なお、プリンタ部30のCPU3001による計測値の取得は、電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。ジョブ開始後であっても、特定時間内(機種等に依存する)であれば、まだそのジョブの影響を受けておらず、そのジョブの開始前の電力が取得可能である。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0054】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S102で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻)から上記S102の実行時刻までの経過時間を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、上記算出した電力(消費電力)と時間(経過時間)を乗算することにより(電力×時間)、ジョブの処理が実行されないジョブ間の消費電力量を示す情報(第1の消費電力情報)を算出する(S103)。なお、直前に電力計測値を取得した時刻、即ち、直前に処理された処理済みのジョブの終了時の計測値取得時刻は、上述したようにプリンタ部30の図示しない記憶装置に保持されている。また、電源投入後の最初のジョブ実行時のように、前回の計測値取得時刻が保持されていない場合には、上記経過時間を、電源投入後からの経過時間として算出するようにしてもよい。
【0055】
さらに、プリンタ部30のCPU3001は、内部通信I/F1208を介してコントローラ部1200のCPU1201に、上記S103で算出した消費電力量(消費電力量1-1とする)を示す情報を通知する(S104)。
【0056】
図8は、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
図8に示される消費電力量1-1は、上記S104においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力量1-1である。
以下、フローチャートの説明に戻る。
コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力量1-1を示す情報をジョブとジョブの間に画像形成装置が消費した消費電力量(ジョブ間消費電力量610)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S105)。
【0057】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブが終了したと判断すると(S106)、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ終了を通知すると同時に、電力計測をプリンタ部30に指示する(S107)。
【0058】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値(電圧レベル、電流レベル)を取得する(S108)。なお、プリンタ部30のCPU3001による計測値の取得は、電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。ジョブ終了後であっても、特定時間内(機種等に依存する)であれば、まだそのジョブの影響により、そのジョブの実行時の電力が取得可能である。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0059】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S108で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここでは上記S102の時刻)から上記S108の実行時刻までの経過時間を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、上記算出した電力(消費電力)と時間(経過時間)を乗算することにより(電力×時間)、ジョブ処理中の消費電力量を示す情報(第2の消費電力情報)を計算する(S109)。
【0060】
さらに、プリンタ部30のCPU3001は、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に、上記S109で計算した消費電力量(消費電力量1-2とする)を示す情報を通知する(S110)。
【0061】
図8に示される消費電力量1-2は、上記S110においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力量1-2である。
コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力量1-2を示す情報を当該ジョブにて画像形成装置100が消費した消費電力量(ジョブ消費電力量609)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S111)。
【0062】
以下、図8を用いて、実施例1で取得した消費電力量について詳細に説明する。
図8において、t0は、直前に電力を計測した時刻である。t1は、図7のフローチャートにおけるS102の実行時刻である。t2は、図7のフローチャートにおけるS108の実行時刻である。
【0063】
画像形成装置の消費電力は、901で示すように、ジョブ開始後に例えば定着器の温度を上昇させるなど画像形成装置を印刷開始状態に移行するために上昇する。画像形成装置が印刷開始状態に移行した後は、902のように消費電力は一定の値となる。ジョブ終了後は、画像形成装置はスタンバイ状態と呼ばれる、ジョブを受信した際にすぐにジョブを処理できる状態に移行するため、903のように消費電力は下降し一定の値となる。
【0064】
以上述べたように画像形成装置の消費電力は遷移するため、本実施例で取得した消費電力量1-2は、ジョブ処理中に消費した電力量と近い値となる。
なお、図7の処理の後、操作部10等を介したユーザからの指示に応じて又は所定の周期等で、ジョブ履歴収集部1291が、ジョブ履歴管理部1212で管理されているジョブ履歴情報テーブル(図2)を取得し、保持する。さらに、累計消費電力量保持部1292が、ジョブ履歴収集部1291に保持されたジョブ履歴情報テーブルからジョブ消費電力量609とジョブ間消費電力量610を読み出し、これらから総消費電力量(累計消費電力量)を算出し保持する。そして、操作部10等を介したユーザからの指示に応じて、インタフェース部1293が、累計消費電力量保持部1292で保持している総消費電力量を読み出し、操作部10の液晶操作パネル11等に表示する。
【0065】
以下、図9、図10を用いて、インタフェース部1293による画像形成装置の消費電力量の表示・出力について説明する。
<画像形成装置の消費電力量の表示・出力>
図9は、実施例1における画像形成装置100の消費電力量の表示例を示す図である。
図9の表示は、ユーザが操作部10を操作することによって液晶操作パネル11に表示された消費電力量の情報を示している。
81は表示内容のタイトルであり、本表示例の場合は、1日分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、消費電力量(日)と表示している。また、80では、表示している区間におけるトータル消費電力量を示している。
【0066】
消費電力量グラフ82では、ユーザからの指示をうけて、ある区間の消費電力量をグラフ化して表示している。この場合、縦軸は単位当りの消費電力量であり横軸は時刻である。
【0067】
図10は、ユーザが投入したジョブ毎の消費電力量の表示例を示す図である。
図10の表示も、ユーザが操作部10を操作して、ジョブ毎の消費電力量の表示を指示することによって液晶操作パネル11に表示される。
図10において、83は表示内容のタイトルであり、本表示例の場合は、ユーザAの1ヶ月分の消費電力量の情報をグラフ化表示していることから、ユーザAの消費電力量(月)と表示している。また、84では、表示している区間におけるトータル消費電力量を示している。
【0068】
消費電力量グラフ85では、ユーザAが該当月に実行したジョブの情報として日時と各ジョブで消費された消費電力量をグラフ化して表示している。この場合、横軸は単位当りの消費電力量である。
【0069】
図9や図10の表示処理は、ユーザによる操作部10からの表示要求(指定期間、指定ユーザ名、指定累計単位(時間毎、ジョブ毎)等)が操作部I/F1206を介してCPU1201に伝えることによって、CPU1201により実行される。具体的には、CPU1201によって、前述した消費電力量管理プログラム1290を実行することによって実現される(ジョブ履歴収集部1291、累計消費電力量保持部1292、インタフェース部1293の機能により実現される)。
【0070】
また、本実施例では操作部10の液晶操作パネル11に表示としたが、LAN3000上のクライアントPC110などの外部機器からの要求を受けてネットワーク部1210を介してクライアントPC110などの外部機器の表示部に表示してもよい。
【0071】
以上示したように、本実施例では、コントローラ部1200のCPU1201は、ジョブ開始時(ジョブの処理開始時)とジョブ終了時(ジョブの処理終了時)に、プリンタ部30のCPU3001に指示して、電力計測部50により電力計測を行うように制御する。そして、前記ジョブ開始時に計測された消費電力と、前記ジョブ開始時の直前の計測時刻から前記ジョブ開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて(乗算して)、画像形成装置100のジョブ間消費電力量を算出するように制御する。さらに、前記ジョブ終了時に計測された消費電力と、前記ジョブ開始時の計測時刻から前記ジョブ終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて(乗算して)、画像形成装置100のジョブ消費電力量を算出するように制御する。
【0072】
このような構成により、ジョブ処理の開始時と終了時に消費電力を算出・計測することにより、画像形成装置の稼働率を抑えながら、ジョブ毎の消費電力量を高精度に算出・計測可能となる。
【実施例2】
【0073】
以下、実施例2について図面を用いて説明する。
実施例2では、実施例1で画像形成装置にて実現していた消費電力量管理の機能を、画像形成装置外の消費電力算出管理サーバにて実現する例を示す。このような構成をとることで、複数台の画像形成装置の消費電力量に関わる情報を消費電力算出管理サーバで一元管理することが可能となる。
【0074】
<システム構成図>
図11は、実施例2における各画像形成装置の消費電力に関わる情報を管理するネットワークシステム構成図である。
【0075】
図11に示すように、本システムは、クライアントPC110、111と、画像形成装置100、101、102と、消費電力算出管理サーバ200とを備える。クライアントPC110、111と、画像形成装置100、101、102と、消費電力算出管理サーバ200は、それぞれLAN3000により相互に通信可能に接続されている。
【0076】
消費電力算出管理サーバ200は、画像形成装置100、101、102の消費電力に関わる情報を管理するための情報処理装置である。
<画像形成装置-全体構成>
本実施例における画像形成装置100、101、102の構成は、実施例1に示した画像形成装置の構成とほぼ同様である。ただし、実施例1との差分として、本実施例では画像形成装置100、101、102において、消費電力量管理プログラム1290は実行されない。なお、画像形成装置100、101、102はそれぞれ、図7に示した処理を実行し、各ジョブ履歴管理部1212内のジョブ履歴テーブルに、ジョブ消費電力量とジョブ間消費電力量を格納するものとする。
【0077】
<消費電力算出管理サーバ-ハード構成>
消費電力算出管理サーバ200のハードウェア構成は、実施例1に示したクライアントPCの構成とほぼ同様である。消費電力算出管理サーバ200のCPU1301において、後述する消費電力量管理プログラム1290を実行する。
【0078】
<消費電力算出管理サーバ-機能構成>
消費電力算出管理サーバ200が実行する消費電力量管理プログラム1290は、図6と同一である。
【0079】
消費電力量管理プログラム1290は、消費電力算出管理サーバ200のHDD1304内に消費電力算出管理サーバ200が実現すべき機能として格納されている。ジョブ履歴収集部1291は、操作部1306やLAN3000等を介したユーザからの指示や所定の周期等に応じて、インタフェース部1293を介して画像形成装置100、101、102と通信して、各画像形成装置のジョブ履歴管理部1212でそれぞれ管理されているジョブ履歴情報テーブルを取得し、保持する。複数の画像形成装置からジョブ履歴情報テーブルを収集する場合、画像形成装置の識別子を情報としてテーブルに加えることが考えられる。
【0080】
累計消費電力量保持部1292は、ジョブ履歴収集部1291に保持されたジョブ履歴情報テーブルからジョブ消費電力量とジョブ間消費電力量を読み出し、これらから総消費電力量(累計消費電力量)を算出し保持する。累計消費電力量保持部1292の機能は、実施例1と同様である。
【0081】
インタフェース部1293では、操作部1306やLAN3000等を介したユーザからの指示に応じて、累計消費電力量保持部1292で保持している各画像形成装置の総消費電力量を、操作部1306の液晶ディスプレイに表示する。また、インタフェース部1293は、ネットワーク部1307を介してLAN3000上に接続されたクライアントPC110やその他の外部装置に出力する制御を行う。インタフェース部1293の機能も、実施例1と同様である。
【0082】
<消費電力算出管理サーバの消費電力量情報更新フロー>
図12は、本実施例における消費電力算出管理サーバの消費電力量情報の取得フローを示した図である。
【0083】
消費電力算出管理サーバ200のCPU1301は、ネットワーク部1307を経由して、画像形成装置100にジョブ履歴送付を指示する(S201)。
消費電力算出管理サーバ200からの指示をネットワーク部1210を経由して指示を受け取った画像形成装置100は、S202の処理を実行する。S202では、画像形成装置100は、CPU1201によりジョブ履歴管理部1212に保持されているジョブ履歴情報テーブル(図2)を、ネットワーク部1210を経由して消費電力算出管理サーバ200に送付する。なお、ジョブ履歴情報テーブルに存在するジョブ消費電力量とジョブ間消費電力量の取得方法は、図7、図8を用いて実施例1で述べたものと同一である。また、画像形成装置100のCPU1201は、送信済みのジョブ履歴情報テーブルを、送信済みジョブ履歴情報テーブルとしてジョブ履歴管理部1212に新たに保持してもよい。
【0084】
ネットワーク部1307を経由して画像形成装置100からジョブ履歴情報テーブルを受け取った消費電力算出管理サーバ200のCPU1301は、ジョブ履歴収集部1291にジョブ履歴情報テーブルを保持する(S203)。なお、上記S201とS203の処理は、ジョブ履歴収集部1291の機能に対応する。
【0085】
その後、消費電力算出管理サーバ200のCPU1301は、新たに収集されたジョブ履歴情報テーブルを用いて、ジョブ消費電力量とジョブ間消費電力量を読み出し、保持する(S204)。なお、上記S204の処理は、累計消費電力量保持部1292の機能に対応する。なお、累計消費電力量保持部1292は、必要に応じてさまざまな単位(ユーザ単位、時間単位、ジョブ単位、これらの組み合わせ等)の累計処理を行う。
【0086】
以上述べたフローチャート(図12)の処理を、消費電力算出管理サーバ200が、各画像形成装置に対して行うことにより、各画像形成装置のジョブ消費電力量とジョブ間消費電力量が算出・計測可能になる。
【0087】
以上のように、ジョブ処理の開始時と終了時に消費電力量を算出・計測することにより画像形成装置の稼働率を抑えながら、消費電力算出管理サーバ200により、複数の画像形成装置の消費電力量を一元管理することができる。
【実施例3】
【0088】
以下、実施例3について図面を用いて説明する。
実施例1、実施例2では、ジョブ開始時とジョブ終了時に、電力計測部から電力値を取得し、消費電力量を計算することで画像形成装置の稼働率を低減する例について述べた。実施例3では、電力計測部若しくは電力計測部を制御する部分(プリンタ部30)にて、一定間隔で電力値の取得と消費電力量の計算を行い、この消費電力量をジョブ開始時とジョブ終了時に電力管理を行う部分(コントローラ部1200)が取得する例を示す。
消費電力量を取得する頻度を減らすことで、コントローラ部1200のCPU1201の稼働率低減が可能となる。実施例1を元に、差分について詳細に説明する。
【0089】
<画像形成装置>
本実施例における画像形成装置のハードウェア構成は実施例1と同一である。ただし、本実施例においては、プリンタ部30において、一定間隔で電力計測部50からの電力測定値の取得及び消費電力量の計算を行い、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に保持する。また、プリンタ部30のCPU3001は、コントローラ部1200のCPU1201からの送付指示が無い限り、電力測定値の取得及び消費電力量の更新を続ける。なお、電力測定値の取得及び消費電力量の計算は、図7のS102及びS103の処理と同様の処理とする。一方、コントローラ部1200のCPU1201は、内部通信I/F1208を経由して、プリンタ部30が保持する消費電力量の送付を指示する。さらに、コントローラ部1200のジョブ履歴管理部1212は、プリンタ部30から送付された消費電力量を用いてジョブ履歴情報テーブルを作成し、保持する。
【0090】
<印刷ジョブの実行・消費電力量情報更新フロー>
次に、本実施例における画像形成装置の印刷ジョブ実行と消費電力量情報の更新フローについて述べる。
【0091】
印刷ジョブの実行の流れは実施例1と同一である。
図13は、実施例3における印刷ジョブ実行と消費電力量取得のタイミングを示すフローチャートである。なお、図中のコントローラ部1200側の処理は、コントローラ部1200のCPU1201が、HDD1204にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。また、プリンタ部30側の処理は、プリンタ部30のCPU3001が、不図示のROM等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0092】
まず、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブを受信すると印刷ジョブを開始し、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ開始を通知すると同時に、消費電力量の送付をプリンタ部30に指示する(S301)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0093】
消費電力量送付指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、プリンタ部30の不図示の記憶装置に保持する消費電力量(消費電力量3-1とする)を、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S302)。ここで通知した消費電力量3-1は、上述したように、CPU3001で、一定間隔で電力計測部50から電力値を読み出して計算し、プリンタ部30の不図示の記憶装置に保持しているものである。
【0094】
図14は、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
図14に示される消費電力量3-1は、上記S302においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力量3-1である。
以下、フローチャートの説明に戻る。
コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力量3-1をジョブとジョブの間に画像形成装置が消費した消費電力量(ジョブ間消費電力量610)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S303)。
【0095】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブが終了したと判断すると(S304)、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ終了を通知すると同時に、消費電力量の送付を、プリンタ部30に指示する(S305)。
【0096】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、プリンタ部30の不図示の記憶装置に保持する消費電力量(消費電力量3-2とする)を、内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S306)。ここで通知した消費電力量3-2も、上述したように、CPU3001で、一定間隔で電力計測部50から電力値を読み出して計算し、プリンタ部30の不図示の記憶装置に保持しているものである。
【0097】
図14に示される消費電力量3-2は、上記S306においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力量3-2である。
次に、コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力量3-2を、当該ジョブにおいて画像形成装置100が消費した消費電力量(ジョブ消費電力量609)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S307)。
【0098】
以下、図14を用いて、実施例3で取得した消費電力量について詳細に説明する。
図14において、t0は、直前に電力を計測した時刻つまり直前のジョブが終了した時刻である。t1は、図13のフローチャートにおけるS302の実行時刻である。t2は、図13のフローチャートにおけるS304の時刻である。本実施例では、プリンタ部30が、ジョブ中も一定間隔で電力計測と消費電力量の算出を行うため、消費電力量3-2は、実際に画像形成装置100がジョブ処理により消費した電力量と極めて近い値となる。
【0099】
なお、図13の処理の後、実施例3においても実施例1と同様に、操作部10等を介したユーザからの指示に応じて又は所定の周期等で、ジョブ履歴収集部1291が、ジョブ履歴収集を行う。また、さらにその後、累計消費電力量保持部1292が、累計消費電力量保持を行う。そして、ユーザからの指示に応じて、インタフェース部1293が、総消費電力量表示・出力を行う。
【0100】
以上示したように、本実施例では、プリンタ部30のCPU3001が一定間隔で電力計測部50により電力計測を行い、該電力計測より画像形成装置100の消費電力量を算出して積算し、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。そして、コントローラ部1200のCPU1201は、ジョブ開始時とジョブ終了時にプリンタ部30から前記消費電力量を取得する。さらに、コントローラ部1200のCPU1201は、前記ジョブ開始時に取得した消費電力量をジョブ間消費電力量とし、前記ジョブ終了時に取得した消費電力量をジョブ消費電力量とするように制御する。
【0101】
このような構成により、プリンタ部30のCPU3001が一定間隔で消費電力量を算出し、ジョブ処理の開始時と終了時にのみコントローラ部1200のCPU1201が消費電力量の送付をプリンタ部30に指示するようにできる。これにより、CPU1201の稼働率を抑えながら、ジョブ毎の消費電力を高精度に算出・計測が可能となる。
【実施例4】
【0102】
以下、実施例4について図面を用いて説明する。
実施例4では、印刷ジョブとスキャンジョブといった複数の並行動作可能なジョブを実行した際のそれぞれのジョブの消費電力量を取得する方法について述べる。実施例1を元に、差分について詳細に説明する。
【0103】
<並行動作の実行・消費電力量情報更新フロー>
本実施例における画像形成装置の印刷ジョブとスキャンジョブという並行動作の実行と消費電力量情報の更新フローについて述べる。
【0104】
印刷ジョブの実行の流れは実施例1と同一である。以下、スキャンジョブの実行の流れに関して述べる。
画像形成装置100は、操作部10からのスキャンジョブの指示に基づいて以下のようにスキャン処理を実行する。コントローラ部1200のCPU1201は、スキャンジョブを受信すると内部通信I/F1208を介してスキャナ部20にジョブ開始を通知する。スキャナ部20のCPU2001は、ジョブ開始の通知に従い、スキャナ部20を読み取り可能な状態にするための制御を行う。その後、スキャナ部20による読み取りが開始し、読み取られた画像データをRAM1202に記憶させる。
【0105】
その後、画像データを、画像圧縮部1240に供給し、圧縮処理を行ってHDD1204に蓄積する。次いで、HDD1204に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)は、コントローラ部1200のCPU1201によってネットワーク部1210を経由して、宛先として指定された機器に送信される。宛先は、操作部10を経由してユーザにより設定される。もちろん、宛先として画像形成装置100のHDD1204を選んでもよい。
【0106】
送信処理完了後は、コントローラ部1200のCPU1201は、内部通信I/F1208を介してスキャナ部20にジョブ終了を通知する。スキャナ部20のCPU2001は、ジョブ終了の通知に従い、スキャナ部20を印刷終了状態にするための制御を行う。
【0107】
図15は、実施例4における印刷ジョブ・スキャンジョブ実行と電力値取得のタイミングを示すフローチャートである。なお、図中のコントローラ部1200側の処理は、コントローラ部1200のCPU1201が、HDD1204にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。また、プリンタ部30側の処理は、プリンタ部30のCPU3001が、不図示のROM等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0108】
本実施例では、実施例1と異なりプリンタ部30からは消費電力値と経過時間を通知し、コントローラ部1200のCPU1201で消費電力量を計算する場合のフローを述べる。ここでは、印刷ジョブを処理している最中にスキャンジョブが実行される例を示す。
【0109】
まず、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブを受信すると印刷ジョブを開始し、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ開始を通知すると同時に、電力計測をプリンタ部30に指示する(S401)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0110】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S402)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0111】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S402で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力4-1を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻)から上記S402の実行時刻までの経過時間4-1を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値4-1を経過時間4-1とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S403)。
【0112】
図16は、先行するジョブの終了前に後続のジョブが終了する場合における、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
図16に示される消費電力値4-1と経過時間4-1は、上記S403においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値4-1と経過時間4-1である。
【0113】
以下、フローチャートの説明に戻る。
コントローラ部1200のCPU1201は、電力(消費電力値4-1)と時間(経過時間4-1)を乗算することにより(電力×時間)、消費電力量を計算する。さらに、コントローラ部1200のCPU1201は、上記計算した消費電力量を、ジョブとジョブの間に画像形成装置が消費した消費電力量(ジョブ間消費電力量610)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S404)。
【0114】
そして、スキャンジョブを受信すると、コントローラ部1200のCPU1201は、スキャンジョブが開始し(S405)、内部通信I/F1208を介してスキャナ部20にジョブ開始を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S406)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0115】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S407)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0116】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S407で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力4-2を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS402の時刻)から上記S407の実行時刻までの経過時間4-2を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値4-2を経過時間4-2とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S408)。
【0117】
図16に示される消費電力値4-2と経過時間4-2は、上記S408においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値4-2と経過時間4-2である。
【0118】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、スキャンジョブが終了したと判断すると(S409)、内部通信I/F1208を介してスキャナ部20にジョブ終了を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S410)。
【0119】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S411)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0120】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S411で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力4-3を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS407の時刻)から上記S411の実行時刻までの経過時間4-3を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値4-3を経過時間4-3とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S412)。
【0121】
図16に示される消費電力値4-3と経過時間4-3は、上記S412においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値4-3と経過時間4-3である。
【0122】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブが終了したと判断すると(S413)、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ終了を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S414)。
【0123】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S415)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0124】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S415で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力4-4を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS411の時刻)から上記S415の実行時刻までの経過時間4-4を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値4-4を経過時間4-4とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S416)。
【0125】
図16に示される消費電力値4-4と経過時間4-4は、上記S416においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値4-4と経過時間4-4である。
【0126】
コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力値4-2と経過時間4-2、消費電力値4-3と経過時間4-3、消費電力値4-4と経過時間4-4から、スキャンジョブと印刷ジョブのジョブ消費電力量を計算する(S417)。即ち、ジョブの開始時に計測した消費電力と、それぞれのジョブ終了時に取得した消費電力と、それぞれの計測時刻間の経過時間とを用いてそれぞれのジョブ消費電力量を算出する。
【0127】
具体的には、スキャンジョブと印刷ジョブのジョブ消費電力量を以下の数式を用いて計算する。
印刷ジョブの消費電力量=(消費電力値4-2)×(経過時間4-2+経過時間4-3)+(消費電力量4-4)×(経過時間4-4)
スキャンジョブの消費電力量=(消費電力値4-3−消費電力値4-2)×(経過時間4-3)
【0128】
即ち、先行するジョブの消費電力量を、〔(後続のジョブの開始時に計測した消費電力値)と(先行するジョブの開始時の計測時刻から後続のジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算した値〕と、〔(先行するジョブの終了時に計測した消費電力値)と(後続するジョブの終了時の計測時刻から先行するジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算した値〕とを合算して計算する。
後続のジョブの消費電力量を、(後続のジョブの終了時に計測した消費電力値から、後続のジョブの開始時に計測した消費電力を減算した値)と(後続のジョブの開始時の計測時刻から後続のジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算することで計算する。
このような式で、並行に実行され、先行するジョブの処理終了前に後続のジョブが処理終了するような複数のジョブの消費電力量をそれぞれ算出する。
【0129】
これらの数式で計算されたスキャンジョブの消費電力量、印刷ジョブの消費電力量を、スキャンジョブ、印刷ジョブにおいて画像形成装置100が消費したそれぞれの消費電力量(ジョブ消費電力量609)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S417)。なお、先行するジョブである印刷ジョブ処理中に開始したスキャンジョブのジョブ間消費電力量610は「0」として、ジョブ履歴情報テーブルに格納する。
【0130】
以下、図16を用いて、実施例4で取得した消費電力値と経過時間について詳細に説明する。
図16において、t0は、直前に電力を計測した時刻である。t1は、図15のフローチャートにおけるS402の実行時刻である。t2は、図15のフローチャートにおけるS407の実行時刻である。以下、同様にt3、t4は、図15のフローチャートにおけるS411、S415の実行時刻である。
【0131】
印刷ジョブ開始後に、例えば、定着器の温度を上昇させるなど画像形成装置を印刷開始状態に移行するために、消費電力値は上昇するが、印刷開始状態に移行した後は、消費電力値は一定の値となる。印刷ジョブ処理中にスキャンジョブが開始されると、例えば照明ランプの点灯など画像形成装置をスキャン開始状態に移行するために、消費電力値は上昇する。スキャン開始状態に移行した後は、消費電力値は一定の状態になる。この特性を利用することで、上述したような数式を用いて、スキャンジョブの消費電力量と印刷ジョブの消費電力量を高精度に算出・計測可能になる。
【0132】
なお、図15の処理の後、実施例4においても実施例1と同様に、操作部10等を介したユーザからの指示に応じて又は所定の周期等で、ジョブ履歴収集部1291が、ジョブ履歴収集を行う。また、さらにその後、累計消費電力量保持部1292が、累計消費電力量保持を行う。そして、ユーザからの指示に応じて、インタフェース部1293が、総消費電力量表示・出力を行う。
【0133】
以上のような手法を用いることで、画像形成装置のコントローラの稼働率を抑えながら、複数のジョブが並行に動作した際もそれぞれのジョブの消費電力量を高精度に算出・計測可能になる。
【0134】
なお、本実施例4では、先行するジョブ(上記例では印刷ジョブ)の終了前に後続のジョブ(上記例ではスキャンジョブ)が終了する場合について示した。
しかし、先行するジョブ(印刷ジョブ)の終了後に後続のジョブ(スキャンジョブ)が終了する場合も考えられる。以下、この場合の消費電力算出方法について説明する。
図17は、先行するジョブの終了後に後続のジョブが終了する場合における、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
図17において、t0は、直前に電力を計測した時刻である。t1は、先行するジョブ(ここでは印刷ジョブとする)の開始時の電力測定時刻である。t2は、後続のジョブ(ここではスキャンジョブとする)の開始時の電力測定時刻である。t3は、先行するジョブの終了時の電力測定時刻である。t4は、後続のジョブの終了時の電力測定時刻である。
【0135】
印刷ジョブ(先行するジョブ)の開始後に、例えば、定着器の温度を上昇させるなど画像形成装置を印刷開始状態に移行するために、消費電力値は上昇するが、印刷開始状態に移行した後は、消費電力値は一定の値となる。印刷ジョブの処理中にスキャンジョブ(後続のジョブ)が開始されると、例えば照明ランプの点灯など画像形成装置をスキャン開始状態に移行するために、消費電力値は上昇する。スキャン開始状態に移行した後は、消費電力値は一定の状態になる。この特性を利用することで、以下に示すような数式を用いて、スキャンジョブの消費電力量と印刷ジョブの消費電力量を高精度に算出・計測可能になる。
【0136】
印刷ジョブの消費電力量=(消費電力値6-2)×(経過時間6-2+経過時間6-3)
スキャンジョブの消費電力量=(消費電力値6-3−消費電力値6-2)×(経過時間6-3)+(消費電力量6-4)×(経過時間6-4)
【0137】
即ち、先行するジョブの消費電力量を、(後続のジョブの開始時に計測した消費電力値)と(先行するジョブの開始時の計測時刻から先行するジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算することで計算する。
後続のジョブの消費電力量を、〔(先行するジョブの終了時に計測した消費電力値から、後続のジョブの開始時に計測した消費電力を減算した値)と(後続のジョブの開始時の計測時刻から先行するジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算した値〕と、〔(後続のジョブの終了時に計測した消費電力値)と(先行するジョブの終了時の計測時刻から後続のジョブの終了時の計測時刻までの経過時間)とを乗算した値〕とを合算して計算する。
このような式で、並行に実行され、先行するジョブの処理終了後に後続のジョブが処理終了するような複数のジョブの消費電力量をそれぞれ算出する。
【実施例5】
【0138】
以下、実施例5について図面を用いて説明する。
実施例5では、ジョブ処理中に並行動作不可能なジョブが割り込んだ際(例えば、印刷ジョブの実行中にコピージョブが割り込んだ際)のそれぞれのジョブの消費電力量を取得する方法について述べる。実施例1を元に、差分について詳細に説明する。
【0139】
<順次動作の実行・消費電力量情報更新フロー>
本実施例における画像形成装置が印刷ジョブ処理中にコピージョブが割り込んで処理を行うという動作と消費電力量情報の更新フローについて述べる。
【0140】
印刷ジョブの実行の流れは実施例1と同一である。以下、コピージョブの実行の流れに関して述べる。
画像形成装置100は、操作部10からのコピージョブの指示に基づいて以下のようにスキャン処理を実行する。コントローラ部1200のCPU1201は、コピージョブを受信すると内部通信I/F1208を介してスキャナ部20及びプリンタ部30にコピージョブ開始を通知する。スキャナ部20のCPU2001は、ジョブ開始の通知に従い、スキャナ部20を読み取り可能な状態にするための制御を行う。その後、スキャナ部20による読み取りが開始し、読み取られた画像データをRAM1202に記憶させる。
【0141】
その後、画像データを、画像圧縮部1240に供給し、圧縮処理を行ってHDD1204に蓄積する。次いで、HDD1204に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)は、イメージバスI/F1205を介して画像圧縮部1240に供給される。画像圧縮部1240は、供給された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を伸張し、プリンタ画像処理部1270は、プリンタの補正及び解像度変換等を行い、画像回転部1230は、必要な場合に画像データに回転処理を施す。続いて、各種処理を施された画像データは、印刷データとしてデバイスI/F1220を介してプリンタ部30に送出され、プリンタ部30によって用紙に印刷処理がなされる。
【0142】
図18は、本実施例における印刷ジョブ・コピージョブ実行と電力値取得のタイミングを示すフローチャートである。なお、図中のコントローラ部1200側の処理は、コントローラ部1200のCPU1201が、HDD1204にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。また、プリンタ部30側の処理は、プリンタ部30のCPU3001が、不図示のROM等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0143】
本実施例では、実施例1と異なりプリンタ部30からは消費電力値と経過時間を通知し、コントローラ部1200のCPU1201で消費電力量を計算する場合のフローを述べる。ここでは、印刷ジョブを処理している最中にスキャンジョブが実行される例を示す。
【0144】
印刷ジョブを処理している最中にコピージョブが実行される例を示す。
まず、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブを受信すると印刷ジョブを開始し、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ開始を通知すると同時に、電力計測をプリンタ部30に指示する(S501)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0145】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S502)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0146】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S502で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力5-1を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻)から上記S502の実行時刻までの経過時間5-1を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値5-1を経過時間5-1とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S503)。
【0147】
図19は、ジョブ開始から終了までの画像形成装置の消費電力と経過時間の関係を示した概略図である。
図19に示される消費電力値5-1と経過時間5-1は、上記S503においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値5-1と経過時間5-1である。
【0148】
以下、フローチャートの説明に戻る。
コントローラ部1200のCPU1201は、電力(消費電力値5-1)と時間(経過時間5-1)を乗算することにより(電力×時間)、消費電力量を計算する。さらに、コントローラ部1200のCPU1201は、上記計算した消費電力量を、ジョブとジョブの間に画像形成装置が消費した消費電力量(ジョブ間消費電力量610)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S504)。
【0149】
次に、コピージョブが開始され(S505)、コピージョブを受信すると、コントローラ部1200のCPU1201は、内部通信I/F1208を介してスキャナ部20およびプリンタ部にコピージョブ開始を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S506)。なお、受信されたジョブは、ジョブ履歴管理部1212にて管理され、該ジョブのジョブ情報がジョブ履歴情報テーブル(図2)に保持される。
【0150】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S507)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0151】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S507で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力5-2を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS502の時刻)から上記S507の実行時刻までの経過時間5-2を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値5-2を経過時間5-2とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S508)。
【0152】
図19に示される消費電力値5-2と経過時間5-2は、上記S508においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値5-2と経過時間5-2である。
【0153】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、コピージョブが終了したと判断すると(S509)、内部通信I/F1208を介してスキャナ部20及びプリンタ部30にコピージョブ終了を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S510)。
【0154】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S511)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0155】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S511で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力5-3を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS507の時刻)から上記S511の実行時刻までの経過時間5-3を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値5-3を経過時間5-3とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S512)。
【0156】
図19に示される消費電力値5-3と経過時間5-3は、上記S512においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値5-3と経過時間5-3である。
【0157】
そして、コントローラ部1200のCPU1201は、印刷ジョブが終了したと判断すると(S513)、内部通信I/F1208を介してプリンタ部30にジョブ終了を通知すると同時に、プリンタ部30に電力計測を指示する(S514)。
【0158】
電力計測指示を受け取ったプリンタ部30のCPU3001は、電力計測部50の計測値を取得する(S515)。なお、プリンタ部30による計測値の取得は、上記電力計測指示を受け取ってから所定の時間経過した後に行ってもよい。また、プリンタ部30のCPU3001は、上記計測値の取得時刻を、プリンタ部30内の不図示の記憶装置に記憶する。
【0159】
上記計測値を取得した後に、プリンタ部30のCPU3001は、上記S515で取得した電圧レベルと電流レベルを乗算(電圧レベル×電流レベル)することにより消費電力5-4を算出する。また、プリンタ部30のCPU3001は、直前に電力計測値を取得した時刻(前回の計測値取得時刻、ここではS511の時刻)から上記S515の実行時刻までの経過時間5-4を算出する。さらに、プリンタ部30のCPU3001は、消費電力値5-4を経過時間5-4とともに、コントローラ部1200の内部通信I/F1208を介してCPU1201に通知する(S516)。
【0160】
図19に示される消費電力値5-4と経過時間5-4は、上記S516においてプリンタ部30からコントローラ部1200に通知された消費電力値5-4と経過時間5-4である。
【0161】
コントローラ部1200のCPU1201は、消費電力値5-2と経過時間5-2、消費電力値5-3と経過時間5-3、消費電力値5-4と経過時間5-4から、スキャンジョブと印刷ジョブのジョブ消費電力量を以下の数式を用いて計算する。
【0162】
コピージョブの消費電力量=(消費電力値5-3)×(経過時間5-3)
印刷ジョブの消費電力量=(消費電力値5-2)×(経過時間5-2)+(消費電力量5-4)×(経過時間5-4)
これらの数式で計算されたコピージョブの消費電力量、印刷ジョブの消費電力量を、コピージョブ、印刷ジョブにおいて画像形成装置100が消費したそれぞれの消費電力量(ジョブ消費電力量609)として、ジョブ履歴管理部1212のジョブ履歴情報テーブルの該当するジョブ履歴に保持する(S517)。なお、先行するジョブである印刷ジョブ処理中に開始したコピージョブのジョブ間消費電力量610は「0」として、ジョブ履歴情報テーブルに格納する。
【0163】
以下、図19を用いて、実施例5で取得した消費電力値と経過時間について詳細に説明する。
図19において、t0は直前に電力を計測した時刻である。t1は、図18のフローチャートにおけるS502の実行時刻である。t2は、図18のフローチャートにおけるS507の実行時刻である。以下、同様にt3、t4は、図18のフローチャートにおけるS511、S515の実行時刻である。
【0164】
画像形成装置は、割り込みジョブが発生した際には、瞬時に割り込んだジョブの処理に移行するため、上述したような数式を用いて、コピージョブの消費電力量と印刷ジョブの消費電力量を高精度に算出・計測可能になる。
【0165】
なお、図18の処理の後、実施例5においても実施例1と同様に、操作部10等を介したユーザからの指示に応じて又は所定の周期等で、ジョブ履歴収集部1291が、ジョブ履歴収集を行う。また、さらにその後、累計消費電力量保持部1292が、累計消費電力量保持を行う。そして、ユーザからの指示に応じて、インタフェース部1293が、総消費電力量表示・出力を行う。
【0166】
以上のような手法を用いることで、画像形成装置のコントローラの稼働率を抑えながら、ジョブ処理中に並行動作不可能なジョブが割り込んだ際もそれぞれのジョブの消費電力量を高精度に算出・計測可能になる。
【実施例6】
【0167】
実施例6として、以下の2つの消費電力量計測モード(第1のモード、第2のモード)を用意しておき、それらをコントローラ部1200のCPU1201で切り替えるようにしてもよい。
【0168】
第1のモード:実施例1で述べたような消費電力値の計測を、コントローラ部1200のCPU1201が指示するタイミングでのみ行い、画像形成装置100全体の稼働率を低減させるモード。
【0169】
第2のモード:実施例3で述べたようなプリンタ部30において一定間隔で電力計測部50からの電力値の取得と消費電力量の計算を行い、コントローラ部1200のCPU1201がプリンタ部30に対して消費電力量を送付するタイミングを指示するCPU1201の稼働率を低減させるモード。
【0170】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0171】
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
以上示したように、画像形成装置の稼働率を抑えながらジョブ毎の消費電力量を高精度に算出および計測することができる。
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0172】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0173】
100 画像形成装置
1200 コントローラ
1209 ジョブ管理部
1212 ジョブ履歴管理部
30 プリンタ部
50 電力計測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置であって、
前記データ処理装置が実行すべきジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記ジョブを処理する処理手段と、
前記データ処理装置の消費電力を計測する電力計測手段と、
前記電力計測手段による消費電力の計測時刻を記憶する記憶手段と、
前記処理手段による前記ジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記ジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記処理手段による処理が実行されない間の消費電力量を示す第1の消費電力情報を算出し、前記ジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、前記ジョブの処理開始時の計測時刻から前記ジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記ジョブの処理中の消費電力量を示す第2の消費電力情報を算出するように制御する制御手段と、
前記制御手段で算出された前記第1の消費電力情報と前記第2の消費電力情報を管理するジョブ履歴管理手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
複数のジョブが並行に実行された際には、先行するジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、前記先行するジョブの処理開始時の直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記先行するジョブの開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記第1の消費電力情報を算出し、
後続のジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、それぞれのジョブ終了時に取得した消費電力と、それぞれの計測時刻間の経過時間とを用いてそれぞれの前記第2の消費電力情報を算出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記先行するジョブの処理終了前に前記後続のジョブが処理終了した場合、
前記先行するジョブの前記第2の消費電力情報を、前記後続のジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力に、前記先行するジョブの処理開始時の計測時刻から前記後続のジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算した値と、前記先行するジョブの処理終了時に計測した消費電力に、前記後続するジョブの処理終了時の計測時刻から前記先行するジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算した値とを合算することで算出し、
また、前記後続のジョブの前記第2の消費電力情報を、前記後続のジョブの処理終了時に計測した消費電力から前記後続のジョブの処理開始時に計測した消費電力を減算した値に、前記後続のジョブの処理開始時の計測時刻から前記後続のジョブの終了時の計測時刻までの経過時間を乗算することで算出することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記先行するジョブの処理終了後に前記後続のジョブが処理終了した場合、
前記先行するジョブの前記第2の消費電力情報を、前記後続のジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力に、前記先行するジョブの処理開始時の計測時刻から前記先行するジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算することで算出し、
また、前記後続のジョブの前記第2の消費電力情報を、前記先行するジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力から前記後続のジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力を減算した値に、前記後続のジョブの処理開始時の計測時刻から前記先行するジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算した値と、前記後続のジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力に、前記先行するジョブの処理終了時の計測時刻から前記後続のジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算した値とを合算することで算出することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
ジョブの処理中に他のジョブが割り込んで実行された際には、割り込まれたジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、前記割り込まれたジョブの処理開始時の直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記割り込まれたジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記第1の消費電力情報を算出し、
割り込んだジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、それぞれのジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、それぞれの計測時刻間の経過時間とを用いてそれぞれの前記第2の消費電力情報を算出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記割り込まれたジョブの前記第2の消費電力情報を、前記割り込んだジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力に、前記割り込まれたジョブの処理開始時の計測時刻から前記割り込んだジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間を乗算した値と、前記割り込まれたジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力値に、前記割り込んだジョブの処理終了時の計測時刻から前記割り込まれたジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間を乗算した値とを合算することで算出し、
また、前記割り込んだジョブの前記第2の消費電力情報を、前記割り込んだジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力に、前記割り込んだジョブの処理開始時の計測時刻から前記割り込んだジョブの終了時の計測時刻までの経過時間を乗算することで算出することを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
データ処理装置であって、
前記データ処理装置が実行すべきジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記ジョブを処理する処理手段と、
前記データ処理装置の消費電力を計測する電力計測手段と、
一定間隔で前記電力計測手段により電力計測を行い、該電力計測より前記データ処理装置の消費電力量を算出して積算する積算手段と、
前記処理手段によるジョブの処理開始時とジョブの処理終了時に前記積算手段から前記消費電力量を取得し、前記ジョブの処理開始時に取得した消費電力量を前記処理手段による処理が実行されない間の消費電力量とし、前記ジョブの処理終了時に取得した消費電力量を前記ジョブの処理中の消費電力量とするように制御する制御手段と、
前記制御手段で取得された前記処理手段による処理が実行されない間の消費電力量を示す第1の消費電力情報と前記ジョブの処理中の消費電力量を示す第2の消費電力情報を保持するジョブ履歴管理手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項8】
データ処理装置であって、
前記データ処理装置が実行すべきジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記ジョブを処理する処理手段と、
前記データ処理装置の消費電力を計測する電力計測手段と、
前記電力計測手段による消費電力の計測時刻を記憶する記憶手段と、
第1のモードが設定された場合、前記処理手段による前記ジョブの処理開始時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記ジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記処理手段による処理が実行されない間の消費電力量を示す第1の消費電力情報を算出し、前記ジョブの処理終了時に前記電力計測手段により計測された消費電力と、前記ジョブの処理開始時の計測時刻から前記ジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記ジョブの処理中の消費電力量を示す第2の消費電力情報を算出するように制御する制御手段と、
前記制御手段で算出された前記第1の消費電力情報と前記第2の消費電力情報を管理するジョブ履歴管理手段と、
第2のモードが設定された場合に、一定間隔で前記電力計測手段により電力計測を行い、該電力計測より前記データ処理装置の消費電力を算出し積算する積算手段とを有し、
前記制御手段は、前記第2のモードが設定された場合、前記処理手段によるジョブの処理開始時とジョブの処理終了時に前記積算手段から前記消費電力量を取得し、前記ジョブの処理開始時に取得した消費電力量を前記第2の消費電力情報とし、前記ジョブの処理終了時に取得した消費電力量を前記第2の消費電力情報とすることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項9】
複数のデータ処理装置の消費電力に関わる情報を管理する情報処理装置に対して、前記ジョブ履歴管理手段が保持する前記第1の消費電力情報及び前記第2の消費電力情報を送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
データ処理装置における消費電力量管理方法であって、
入力手段が、前記データ処理装置が実行すべきジョブを入力する入力ステップと、
処理手段が、前記入力ステップにて入力された前記ジョブを処理する処理ステップと、
算出手段が、前記ジョブの処理開始時に計測された消費電力と、直前に処理された処理済みのジョブの処理終了時の計測時刻から前記ジョブの処理開始時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記処理ステップによる処理が実行されない間の消費電力量を示す第1の消費電力情報を算出するステップと、
算出手段が、前記ジョブの処理終了時に計測された消費電力と、前記ジョブの処理開始時の計測時刻から前記ジョブの処理終了時の計測時刻までの経過時間とを用いて前記ジョブの処理中の消費電力量を示す第2の消費電力情報を算出するステップと、
ジョブ履歴管理手段が、前記第1の消費電力情報と前記第2の消費電力情報を管理するステップと、
を有することを特徴とする消費電力量管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−90198(P2012−90198A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237100(P2010−237100)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】