データ処理装置及び被記録媒体
【課題】 非接触型タグに対するデータの読み出しまたは記録を行うデータ処理装置において、上記非接触型タグに少なくとも位置情報が記録されたデータの復元を容易にする。
【解決手段】 用紙に添付されたRFIDタグから読み出されたデータは、一旦復元エリアに保存される。そして、復元エリアよりデータが1データずつ読み出され(S402)、そのデータが位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S403:Y)、そのデータが次のように元のファイルデータに復元される。すなわち、位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索され(S404)、ファイルがあった場合は(S405:Y)、そのファイルデータが取得され(S406)、指定フォルダに保存される(S408)。
【解決手段】 用紙に添付されたRFIDタグから読み出されたデータは、一旦復元エリアに保存される。そして、復元エリアよりデータが1データずつ読み出され(S402)、そのデータが位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S403:Y)、そのデータが次のように元のファイルデータに復元される。すなわち、位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索され(S404)、ファイルがあった場合は(S405:Y)、そのファイルデータが取得され(S406)、指定フォルダに保存される(S408)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型タグに対するデータの読み出しまたは記録を行うデータ処理装置、及び、そのデータ処理装置において使用可能な非接触型タグが添付された被記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグ(Radio Frequency Identification tag)等の非接触型タグを用紙等の被記録媒体に添付(埋め込まれたものも含む)することが提案されており、そのような被記録媒体に対して、画像を形成すると同時に非接触型タグにデータを記録することも提案されている。例えば、非接触型タグにソフトウェアのデジタルデータを記録すると共に、被記録媒体にマニュアルの文字画像等を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−3337426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ソフトウェアは複数のデータ(ファイル)から構成され、どれか1つが破損しても動作に不具合が生じる。しかしながら、従来は、非接触型タグに記録されたデータがその取得元においてどのような格納位置に格納されていたのか知る術がなく、データの復元が困難であった。また、ソフトウェア以外のデータであっても、そのデータが取得元においてどのような格納位置に格納されていたのかを調べて、そのデータを復元したい場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、非接触型タグに対するデータの読み出しまたは記録を行うデータ処理装置において、上記非接触型タグに少なくとも位置情報が記録されたデータの復元を容易にすることを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するためになされた本発明のデータ処理装置は、非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する復元手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ読み出し手段は、非接触型タグからデータを読み出す。そして、そのデータ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、復元手段は、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する。
【0007】
このため、本発明では、被記録媒体に当該データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとが記録されている場合、そのデータを容易に復元することができる。なお、当該データ自身は、上記被記録媒体に記録されていてもよく記録されていなくてもよい。
【0008】
また、本発明は以下の構成に限定されるものではないが、上記復元手段が復元したデータを、指定された格納位置に格納する第1の格納手段を、更に備えてもよい。この場合、上記復元手段が復元したデータを、予め指定された格納位置に第1の格納手段によって格納することができる。従って、復元されたデータへのアクセスが容易となる。
【0009】
そして、この場合、上記第1の格納手段は、上記指定された格納位置に上記位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報に対応する格納位置に格納してもよい。この場合、復元されたデータをかつての格納位置に対応するフォルダ構造ごと上記指定された格納位置に格納することが、元々存在したフォルダ構造に影響を与えることなく実行できる。
【0010】
また、上記復元手段が復元したデータを、上記位置情報が示す格納位置に格納する第2の格納手段を、更に備えてもよい。この場合、復元されたデータをかつての格納位置に格納することができ、他のアプリケーション等でそのデータを使用する場合に一層利便性が向上する。
【0011】
そして、この場合、上記位置情報が示す格納位置が存在しない場合、上記第2の格納手段は、その位置情報に対応するフォルダまたはフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報が示す格納位置に格納してもよい。この場合、かつての格納位置に対応するフォルダ構造自体が消失している場合でも、フォルダ構造ごと復元することができ、一層利便性が向上する。
【0012】
また、本発明のデータ処理装置が、少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成されている場合、上記復元手段は、上記端末に設けられてもよく、上記ホストに設けられてもよい。前者の場合は、データを一層確実に復元することができ、後者の場合は、ホストにおける他の処理に影響が及ぶのを抑制することができる。
【0013】
また、上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗した場合に、その失敗を示す失敗情報を作成する失敗情報作成手段を、更に備えてもよい。この場合、使用者は、失敗情報作成手段が作成した失敗情報に基づいて、上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗したことを知ることができ、善後策を迅速に検討することが可能となる。
【0014】
また、上記復元手段は、上記位置情報が示す格納位置にアクセスすることにより、上記データを復元してもよい。この場合、かつての格納位置に同様のデータが存在している場合は、極めて迅速に、かつ、簡単な処理でデータを復元することができる。
【0015】
また、上記復元手段は、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合は自動的に上記復元を実行し、添付されていない場合は、上記読み出し手段が読み出したデータを呈示して使用者の指示を待ってもよい。この場合、非接触型タグに記録されるデータに上記フラグを添付しておくか否かによって、上記復元を自動で実行させるか使用者の判断に委ねるかを設定することが可能となる。
【0016】
また、この場合、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合、上記復元手段は、復元用プログラムを自動でインストールして上記復元を実行してもよい。この場合、新たにインストールされた復元用プログラムを用いて上記復元が実行されるので、データを一層確実に復元することができる。
【0017】
また、上記データ読み出し手段が読み出したデータに、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像に対応する画像データまたはその元データが含まれる場合、そのデータを保存する画像データ保存手段を、更に備えてもよい。この場合、画像データ保存手段が保存したデータに基いて、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像を再び他の被記録媒体に形成することが可能となる。
【0018】
また、本発明のデータ処理装置は、表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データを記録するデータ記録手段と、該データ記録手段が記録するデータを指定するデータ指定手段と、該データ指定手段によりデータが指定されたとき、上記データ記録手段に、少なくともそのデータ自身とそのデータのかつての格納位置を表す位置情報とを上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのファイル名とかつての格納位置を示す位置情報とを記録させるか、更には、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムをも記録させるかを、選択的に切り換える記録制御手段と、を備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0019】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ指定手段によりデータを指定すれば、表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データ記録手段によって上記指定されたデータを記録することができる。しかも、このとき、記録制御手段は、データ記録手段に、少なくとも上記指定されたデータ自身を上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを記録させるかを、選択的に切り換える。前者が選択された場合、非接触型タグから上記指定されたデータを直接読み出すことができる。また、後者が選択された場合、上記指定されたデータは前述の復元手段を備えたデータ処理装置によって容易に復元することができ、しかも、非接触型タグの容量も確保することができる。
【0020】
また、本発明のデータ処理装置は、非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、その位置情報に基いて上記データを復元する復元手段と、を備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0021】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ読み出し手段は、非接触型タグからデータを読み出す。そして、そのデータ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、復元手段は、その位置情報に基いて上記データを復元する。
【0022】
このため、本発明では、被記録媒体に当該データのかつての格納位置を示す位置情報が記録されている場合、そのデータを容易に復元することができる。
また、本発明の被記録媒体は、データのかつての格納位置を示す位置情報と、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムと、が記録された非接触型タグと、該非接触型タグが添付され、上記各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示された表示面と、を備えたことを特徴としている。
【0023】
このように構成された本発明の被記録媒体では、非接触型タグに記録された上記位置情報と上記フラグまたは復元用プログラムとを読み出すことにより、前述の復元手段を備えたデータ処理装置によってデータを容易に復元することができる。しかも、被記録媒体の表示面には、そのデータのかつての各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示されているので、そのデータのシステム上の位置付けが一目瞭然となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[発明の実施の形態の全体構成]
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用されたデータ処理装置の構成を表すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態のデータ処理装置は、端末としてのプリンタ1と、そのプリンタ1にネットワーク700を介して接続されたホストとしてのパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)800とから構成されている。なお、ネットワーク700は、社内LAN,インターネット等、いかなるネットワークであってもよい。
【0025】
[プリンタ1の構成の説明]
図2はそのプリンタ1の内部構成を表す概略断面図である。図2に示すように、プリンタ1は、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4、マルチパーパストレイ14、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成手段の一例としてのプロセスユニット18及び定着装置19等を備えている。なお、以降、このプリンタ1において、マルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側(図2で左側)を「前部」とし、同じくマルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側とは反対側を「後部」とする。
【0026】
[フィーダ部4の構成の説明]
図2に示すように、フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ12及び分離パッド13とを備えている。また、給紙ローラ12から画像形成位置P(感光体ドラム23と転写ローラ25との接触部、つまり感光体ドラム23上のトナー像が用紙3に転写される転写位置)までの間には、湾曲状に形成された搬送経路7が配されている。
【0027】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状に保持可能であり、給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能に構成されており、また、その裏側からバネ8aによって上方向に付勢されている。分離パッド13は、給紙ローラ12に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド13aがバネ13bによって給紙ローラ12に向かって押圧されている。
【0028】
一方、搬送経路7は、用紙3を案内する一対のガイド板7a,7bが配置されることにより湾曲状に形成されている。また、この搬送経路7には、用紙搬送の上流側から順に、給紙ローラ12、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ11、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ10、及び、画像形成位置Pの直前に配置され、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対のレジストローラ9が、適宜間隔にて配置されている。
【0029】
以上のように構成されたフィーダ部4においては、用紙押圧板8上に積層された用紙3のうち最上位にある用紙3が、給紙ローラ12に向かって押圧され、その給紙ローラ12の回転によって給紙ローラ12と分離パッド13とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ11にて搬送された後、搬送ローラ10及びレジストローラ9に順次送られ、所定のタイミングで、画像形成位置Pに送られる。
【0030】
[マルチパーパストレイ14の構成の説明]
フィーダ部4より上方位置の本体ケース2の前部側には、用紙3を手差しまたは自動給紙にて供給するためのマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙機構15とが設けられている。マルチパーパス側給紙機構15は、マルチパーパス側給紙ローラ15a及びマルチパーパス側給紙パッド15bを備えており、マルチパーパス側給紙パッド15bの裏側に配設されるバネ15cによって、マルチパーパス側給紙パッド15bがマルチパーパス側給紙ローラ15aに向かって押圧されている。また、マルチパーパス側給紙機構15は、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ15dを備えている。
【0031】
以上のように構成されたマルチパーパストレイ14においては、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3が、回転するマルチパーパス側給紙ローラ15aとマルチパーパス側給紙パッド15bとで挟まれた後、1枚毎に給紙されて一対の搬送ローラ15dを介して前記レジストローラ9に送られる。
【0032】
更に、搬送ローラ15d,10とレジストローラ9との間には、データ読み出し手段としてのタグリーダ16が設けられている。このタグリーダ16は、用紙3として図3に例示するように非接触型タグの一例としてのRFIDタグ(radio frequency identification tag:以下、単にタグという)3Aを備えたものが使用された場合、そのタグ3Aに記録されたデータを読み取る。このため、タグ3Aを備えた用紙3が給紙トレイ6またはマルチパーパストレイ14から画像形成位置Pまで搬送される途中で、その用紙3に設けられたタグ3Aからタグリーダ16にてデータを読み取ることができる。なお、マルチパーパストレイ14にセットされた用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)場合、必ずしも、用紙3を搬送しながら読み取る(読み出す)ようにする必要はなく、例えば、マルチパーパストレイ14にセット(載置)した状態のままで用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。
【0033】
[スキャナユニット17の構成の説明]
スキャナユニット17は、本体ケース2の上部のうち、排紙トレイ36の下面側に配置され、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21a及び21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される画像データに応じたレーザビームを、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過或いは反射させて、プロセスユニット18における感光体ドラム23の表面上に高速走査にて照射している。
【0034】
[プロセスユニット18の構成の説明]
プロセスユニット18は、静電潜像坦持体としての感光体ドラム23、スコロトロン型帯電器37、及び、転写ローラ25等を有するドラムカートリッジと、そのドラムカートリッジに着脱自在な現像カートリッジ24とから構成されている。現像カートリッジ24は、トナー収容部26、現像ローラ27、層厚規制ブレード28、トナー供給ローラ29等を備えている。
【0035】
トナー収容部26には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーがトナー供給ローラ29によって現像ローラ27に供給され、この時、トナー供給ローラ29と現像ローラ27との間で正極性に摩擦帯電され、更に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の摺擦により一定厚さの薄層として現像ローラ27上に担持される。一方、回転する感光体ドラム23は現像ローラ27と対向して配置され、ドラム本体が接地されると共に、その表面が正帯電性の有機系感光体材料により形成されている。
【0036】
スコロトロン型帯電器37は、感光体ドラム23の上方に、感光体ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0037】
そして、感光体ドラム23の表面は、その感光体ドラム23の回転に伴って、先ず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナユニット17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0038】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム23に対向して接触する時に、感光体ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによってトナー像が形成される。
【0039】
転写ローラ25は、感光体ドラム23の下方において、この感光体ドラム23に対向するように配置され、上記ドラムカートリッジに図2において時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電源から転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム23の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光体ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に、前述の画像形成位置Pにて用紙3に転写される。
【0040】
[定着装置19の構成の説明]
定着手段としての定着装置19は、図2に示すように、プロセスユニット18より側方の搬送方向下流側に配設され、1つの加熱ローラ31と、この加熱ローラ31を押圧するように配置された加圧ローラ32と、これらの下流側に設けられる一対の搬送ローラ33とを備えている。加熱ローラ31は、アルミ等の金属製で加熱のためのハロゲンランプ等のヒータを備えており、プロセスユニット18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させる。その後、用紙3は搬送ローラ33によって、本体ケース2内の後部側の排紙パスに搬送された後、更に、搬送ローラ34及び排紙ローラ35により搬送され、その後、排紙トレイ36上に排紙される。
【0041】
また、加熱ローラ31及び加圧ローラ32と搬送ローラ33,33との間の用紙搬送経路には、前述のタグ3Aにデータを記録可能なデータ記録手段の一例としてのタグライタ38が設けられている。このため、用紙3としてタグ3Aが添付されたものを利用した場合、画像形成後の用紙3のタグ3Aに所望のデータを記録することができる。
【0042】
[プリンタ1の制御系の説明]
この他、プリンタ1の上面には、タグ読取ボタン220Aをはじめとする各種ボタン(図示省略)や液晶ディスプレイを備えた操作パネル220(図1参照)が設けられている。図1に戻って、この操作パネル220は、プロセスユニット18,スキャナユニット17,タグライタ38,タグリーダ16と共に、制御部200に接続されている。この制御部200は、CPU201,ROM202,RAM203を備えたマイクロコンピュータとして構成され、更に、電源スイッチが切られても記憶内容が消えないようにされたNVRAM204を備えている。また、この制御部200は、プリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)230及びネットワーク700を介してパソコン800に接続されている。
【0043】
パソコン800のパソコン本体810は、主な構成としてCPU811,ROM812,RAM813,及びハードディスク装置(HDD)814を備えている。また、RAM813は、後述のタグ書き込みデータエリア813Aと印刷データエリア813Bと復元エリア813Cとを備えている。そして、このパソコン本体810には、CRT等のディスプレイ820、キーボード830、マウス840、及び、プリンタ1の制御部200と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)850等が接続されている。
【0044】
[上記制御系における処理(パソコン800のファイル保存処理)]
次に、この制御系における処理について説明する。図4は、パソコン800にて実行されるファイル保存処理を表すフローチャートである。なお、本処理は、パソコン800において本処理の操作指令がなされたとき、CPU811がHDD814に記憶された所定のプログラムを実行することによって開始される。
【0045】
図4に示すように、処理が開始されると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、HDD814内における特定位置のファイル構造のイメージが作成され、ディスプレイ820に表示されて保存ファイルの指定が可能となる。例えば、図5に例示するように、ルートから末端のファイルへ至るツリー構造の図がディスプレイ820に表示され、マウス840等により、ファイルデータごとタグ3A保存するファイルデータ保存や、ファイルデータの「A:\B\C1」などといったファイルネームを含む位置情報のみをタグ3Aに保存するファイル位置保存が指定可能になる。そして、指定がなされると、例えば図6に例示するように、ファイルデータ保存が指定されたファイルには黒の四角マークが、ファイル位置保存が指定されたファイルには黒の三角マークが、それぞれディスプレイ820に表示される。
【0046】
そこで、S1に続くS2では、指定されたファイルがデータごと指定されたファイルデータ保存なのか、ファイル位置保存なのかが、1ファイルずつ順次判断される。そして、データごとの場合は(S2:Y)、S3にて、そのファイルの位置情報,ファイルネーム,及びファイルデータ自身がタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれた上で、処理はS5へ移行する。また、位置情報のみの場合は(S2:N)、S4にて、そのファイルの位置情報及びファイルネームがタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aへ書き込まれた上で、処理はS5へ移行する。S5では、他にも次のファイルが指定されているか否かが判断され、指定されている場合は(S5:Y)、処理は前述のS2へ、次のファイルが指定されていない場合は(S5:N)、処理は続くS6へ、それぞれ移行する。
【0047】
S6では、タグ3Aからデータが読み出されたときに自動的に復活を行う読み出し時復活が指示されているか否かが判断される。そして、読み出し時復活が指示されている場合は(S6:Y)、S7にて、復活のための保存をしたことを示すフラグとファイルシステム復活用アプリケーションソフト(以下、復活用ソフトという)とがタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれた後、読み出し時復活が指示されていない場合はそのまま(S6:N)、処理はS10へ移行する。
【0048】
S10では、S3またはS4で指定されたファイルネームや位置情報に対応した印刷イメージデータ(以下、単に印刷データという)が作成され、印刷データエリア813Bに書き込まれる。例えば、ファイルデータ保存及びファイル位置保存が図6に例示するように指定された場合、図7に例示するように指定されたファイルの位置情報等のみを抽出したイメージに対応する印刷データが作成され、印刷データエリア813Bに書き込まれる。なお、この印刷データは、用紙3の複数頁分に相当する場合もあり、その場合は、S10では1頁分ずつ印刷データが作成される。
【0049】
続くS11では、その印刷頁に対応するタグ書き込みデータが、タグ3Aの記憶容量まで設定される。なお、前述のフラグや復活用ソフトは1頁目に対応するデータとして設定される。また、タグ3Aの記憶容量は、用紙3がレジストローラ9の手前まで搬送されることによりタグリーダ16を介して取得されてもよく、タグ3Aの記憶容量が規格化されており、その値がHDD814等の所定領域に記憶されている場合は、その値を読み出すことにより取得されてもよい。
【0050】
続くS12では、上記印刷データのうち、タグに書き込まれるファイルが強調され、それに応じて印刷データエリア813Bのデータが更新される。例えば、当該頁に対応する全てのデータが1つのタグ3Aに書き込まれる場合は、図8に例示するように、各データに対応するファイルを表す長方形の枠が全て所定の色で塗りつぶされる。なお、強調の方法としては、この他、図7におけるファイルネームの右端に星印を付けるなど、オプションにより種々の方法が選択できる。
【0051】
また、当該頁に対応するデータが例えば2つのタグ3Aに亘って書き込まれる場合は、次に述べる処理によりS12の処理が2回繰り返されるので、図9に例示するように、各頁の用紙3にそれぞれ添付されたタグ3Aに書き込まれるデータのみが強調される。
【0052】
続くS10では、タグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれたタグ書き込みデータのうちS11で設定されたデータと、印刷データエリア813Bに書き込まれ必要に応じて更新された印刷データとがプリンタ1へ送信され、処理はS14へ移行する。
【0053】
S14では、S11にてタグ3Aの記憶容量内に書き込めなかった同一頁内の未書き込みデータがあるか否かが判断され、未書き込みデータがない場合は(S14:N)、S15にて、次頁の印刷データがあるか否かが判断される。そして、次頁の印刷データがない場合は(S15:N)、処理はそのまま終了し、次頁の印刷データがある場合は(S15:Y)、処理は前述のS10へ移行して次ページの印刷データが作成される。
【0054】
一方、同一頁内の未書き込みデータがあった場合は(S14:Y)、処理はS16へ移行し、S11と同様に、その頁に対応する残りのタグ書き込みデータがタグ3Aの記憶容量まで設定され、処理は前述のS12へ移行する。この場合、S12では、前述のように新たに設定されたデータが強調され、前回のS12の処理でなされた強調は解除される。そして、その頁に対応する全てのタグ書き込みデータの設定(S16,S11)、及び送信(S13)が終了すると(S14:Y)、処理は前述のS15へ移行する。
【0055】
以上の処理により、図8または図9に例示したようなイメージに対応する印刷データと、各頁に対応するファイルデータ,ファイルネーム,位置情報等が、プリンタ1へ送信される。また、ファイルのイメージが1枚の用紙3に印刷できない場合は(S15:Y)、例えば図10に例示するように、印刷データも複数頁分のイメージが作成され(S10)、各頁にそれぞれ対応したタグ書き込みデータと共にプリンタ1に送信される(S11,S16,S13)。
【0056】
[上記制御系における処理(プリンタ1の処理)]
次に、図11は、上記S13の処理に応じてプリンタ1の制御部200が実行するプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。この処理は、パソコン800からプリンタ1へデータが送信されると開始される。
【0057】
図11に示すように、処理が開始されると、先ず、S201にて、パソコン800から送信されたデータを受信する処理が実行され、続くS202にて、その受信されたデータが印刷データであったか否かが判断される。そして、印刷データであった場合は(S202:Y)、S203にてその印刷データがRAM203に設定された印刷バッファへ書き込まれた後、印刷データでなかった場合はそのまま(S202:N)、処理はS204へ移行する。
【0058】
S204では、上記受信されたデータがタグ書き込みデータであったか否かが判断される。そして、タグ書き込みデータであった場合は(S204:Y)、S205にてそのタグ書き込みデータがRAM203に設定されたタグ書き込みバッファへ書き込まれた後、タグ書き込みデータでなかった場合はそのまま(S204:N)、処理はS206へ移行する。なお、S205では、前述の印刷データも、タグ書き込みデータとしてタグ書き込みバッファへ書き込まれる。続くS206では、パソコン800からのデータ受信が終了したか否かが判断され、まだ終了していない場合は(S206:N)、処理はS201へ移行して、前述のS201〜S205の処理が繰り返される。
【0059】
一方、パソコン800からのデータ受信が終了すると(S206:Y)、処理はS207へ移行し、印刷データに基いてスキャナユニット17,プロセスユニット18等を駆動することによる用紙3への印刷が開始される。続くS208では、タグライタ38によるタグ3Aへのデータの書き込みが可能なタグ書き込み位置まで用紙3が搬送されたか否かが判断される。そして、タグ書き込み位置でない場合はそのまま(S208:N)、タグ書き込み位置である場合は(S208:Y)、S209にて、タグ書き込みデータがタグ3Aに書き込まれた後、処理はS210へ移行する。
【0060】
S210では、用紙3への印刷とタグ3Aへの書き込みとが完了したか否かが判断され、まだ完了していない場合は(S210:N)、処理はS207へ移行して、前述のS207〜S209の処理が繰り返される。そして、用紙3への印刷とタグ3Aへの書き込みとが完了すると(S210:Y)、処理は一旦終了する。以上の処理により、前述のようなファイルのイメージの画像が用紙3に印刷され、対応するタグ書き込みデータがタグ3Aに書き込まれる。
【0061】
また、制御部200は、パソコン800からタグ3Aのデータを読み出すべき旨の指令を受信したとき、または、操作パネル220のタグ読取ボタン220Aが押下されたときには、次のようなタグデータ読み出し処理を実行する。
【0062】
図12は、そのタグデータ読み出し処理を表すフローチャートである。図12に示すように、処理が開始されると、先ず、S250にて、マルチパーパストレイ14に用紙3がセットされているか否かが判断される。用紙3がセットされていない場合は(S250:N)、処理はS250にてそのまま待機し、用紙3がセットされている場合は(S250:Y)、S251にてその用紙3の搬送が開始される。
【0063】
続くS252では、タグリーダ16がタグ3Aと交信可能であるか否かが判断される。そして、交信不能の場合はそのまま(S252:N)、交信可能の場合は(S252:Y)、S253にて、タグリーダ16を介してタグ3Aよりデータが読み出されてRAM203内のタグバッファに書き込まれた後、処理はS254へ移行する。S254では、用紙3の末尾まで搬送されてその用紙3が排紙トレイ36上に排紙されたか否かが判断される。そして、用紙末尾まで搬送されていない場合は(S254:N)、処理は前述のS251へ移行してS251〜S253の処理が繰り返され、用紙末尾まで搬送された場合は(S254:Y)、処理は続くS255へ移行する。S255では、S253にてタグ3Aより読み出されたデータがホスト(この場合、パソコン800)に送信されて処理が終了する。
【0064】
なお、マルチパーパストレイ14にセットされた用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み出す場合、必ずしも、用紙3を搬送しながら読み出すようにする必要はなく、例えば、マルチパーパストレイ14に用紙3をセット(載置)した状態のままで用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。
【0065】
図19は、このような読み出しを可能とした場合のタグデータ読み出し処理を示すもので、図12に示すS251,S252,S254の各処理が省略されている。
[上記制御系における処理(パソコン800のファイル復活処理)]
次に、図13は、前述のS255の処理によりプリンタ1から送信されたデータに対して、パソコン800にて実行されるファイル復活処理を表すフローチャートである。なお、パソコン800のCPU811は、プリンタ1からのデータ受信時に、HDD814に記憶された所定のプログラムに基いてこの処理を実行する。
【0066】
図13に示すように、処理が開始されると、先ず、S31にて、プリンタ1から受信されたデータが復元エリア813Cに保存される。続くS33では、前述の復活のための保存をしたことを示すフラグがそのデータの中にあるか否かが判断され、ない場合は(S33:N)、S35にて、ディスプレイ820にそのデータが一覧表示されて、処理が終了する。すると、例えば下記のようなデータの復元や保存を行うか否かといったその後の処理は、使用者に委ねられる。
【0067】
一方、プリンタ1からのデータに上記フラグがある場合は(S33:Y)、S37にて、前述の復活用ソフトがインストールされる。続くS38では、ディスプレイ820を介してメッセージを表示して、使用者にファイルの復活位置を選択させる復活位置選択処理が実行される。続くS38では、その復活位置選択処理により、指定フォルダが選択されたか元の位置が選択されたかが判断される。なお、指定フォルダの選択は、ディスプレイ820に表示されたツリー状のフォルダ構造に対してなされてもよく、キーボード830から位置情報を直接入力することによってなされてもよい。そして、復活位置として指定フォルダが選択された場合は(S39:指定フォルダ)、S40にて指定フォルダへの保存処理が実行され、また、復活位置として元の位置が選択された場合は(S39:元の位置)、S50にて元の位置への保存処理がなされた後、処理が終了する。
【0068】
図14は、S40の指定フォルダへの保存処理を詳細に表すフローチャートである。図14に示すように、この処理では、先ず、S401にて、復元エリア813Cに保存されている前述の印刷データが上記指定フォルダに保存される。続くS402では、復元エリア813Cよりデータが1データ読み出され、S403にて、そのデータがファイルネームを含む位置情報、またはファイルネームのみのデータであるか否かが判断される。
【0069】
位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S403:Y)、そのデータが次のように元のファイルデータに復元される。すなわち、この場合、先ず、S404にてその位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索される。この検索は、位置情報が当該パソコン800の所定領域を指示している場合はパソコン800内の処理によってなされるが、URLなどに基いてネットワーク700を介して検索がなされてもよい。
【0070】
続くS405では、ファイルがあったか否かが判断され、ファイルがあった場合は(S405:Y)、S406にてそのファイルがデータが取得された上で、ファイルがなかった場合は(S405:N)、S407にて、ファイルデータの取得ができなかった旨の失敗情報としてのフォルトレポートが作成された上で、処理はS408へ移行する。
【0071】
S408では、その時点で得られているデータが指定フォルダに保存される。例えば、ファイルデータが取得されている場合は(S406)、そのファイルデータと、S402にて読み出された位置情報またはファイルネームとが、指定フォルダに保存される。また、ファイルがなかった場合は(S405:N)、何も保存されなくてもよく、空のファイルが保存されてもよく、S402にて読み出された位置情報またはファイルネームのみがファイルにして保存されてもよい。
【0072】
また、S403にて位置情報またはファイルネームのみのデータでないと判断された場合は(S403:N)、そのデータはファイル自身やフラグなど、復元の対象となるファイルを探す必要のないデータである。そこで、この場合、処理はS403からS408へ直接移行し、S402で読み出されたデータがそのまま指定フォルダへ保存される。
【0073】
S408に続くS409では、復元エリア813Cに、次のデータがまだ保存されているか否かが判断される。そして、次のデータがある場合は(S409:Y)、処理は前述のS402へ移行して次のデータに対してS402〜S408の処理が実行される。こうして復元エリア813Cの全てのデータに対して上記S402〜S408の処理が終了すると、(S409:N)、S411にてフォルトレポートが保存された上で(フォルトレポートがある場合のみ)、処理が終了する。
【0074】
次に、図15は、S50の元の位置への保存処理を詳細に表すフローチャートである。図15に示すように、この処理では、先ず、S501〜S507にて前述のS401〜S407と同様の処理が実行される。すなわち、印刷データが保存され(S501)、復元エリア813Cより1データ読み出される(S502)。但し、この処理では、指定フォルダの指定がなされていないので、S501では、印刷データは予め指定されたHDD814の所定フォルダ(例えばマイクロソフト・ウインドウズ(登録商標)におけるマイピクチャ)に保存されるか、パソコン800上で指定された場所に保存される。
【0075】
そして、S502にて読み出されたデータが位置情報またはファイルネームのみのデータの場合は(S503:Y)、対応するフォルダが取得され(S504〜S506)、取得できなかった場合はフォルトレポートが作成されて(S507)、処理はS510へ移行する。また、復元エリア813Cから読み出されたデータが位置情報またはファイルネームのみのデータでない場合は(S503:N)、復元の対象となるファイルを探す必要がないため処理はS503からS510へ直接移行する。
【0076】
S510では、上記位置情報によって規定されるフォルダ構造があるか否かが判断される。そして、フォルダ構造がない場合は(S510:N)、S511にて、位置情報に基づいてそのフォルダ構造が構築される。このステップでは、場合によっては、例えば図5示すルートAから構築がなされる。続くS512では、そのフォルダ構造が構築できたか否かが判断され、構築できた場合は(S512:Y)、S513にて、上記データ及び復元後のファイルデータが、位置情報の位置へ保存される。一方、上記フォルダ構造が最初からあった場合は(S510:Y)、処理はS510からS513へ直接移行し、フォルダ構造を構築することなく既存のフォルダ構造における上記位置情報の位置へデータが保存される(S513)。
【0077】
S513に続くS514では、前述のS409と同様に、次のデータがあるか否かが判断され、次のデータがある場合は(S514:Y)、処理は前述のS502へ移行する。また、S512にてフォルダ構造の構築ができなかったと判断された場合は(S512:N)、S515にて、フォルダ構造の構築ができなかった旨の失敗情報としてのフォルトレポートが作成された上で、処理は前述のS514へ移行する。こうして、復元エリア813Cの全てのデータに対して上記S502〜S515の処理が終了すると、(S514:N)、S516にてフォルトレポートが保存された上で(フォルトレポートがある場合のみ)、処理が終了する。
【0078】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、位置情報またはファイルネームのみでタグ3Aに書き込まれていたデータをファイルとして復元し、所望の指定フォルダ若しくは元の位置へ格納することが容易に実行できる。しかも、タグ3Aのデータに上記フラグが添付されている場合には、その処理を自動で実行することができる。なお、指定フォルダへの保存(S40)が実行された場合には、復元されたファイルへのアクセスが容易になり、元の位置への保存(S50)が実行された場合には、他のアプリケーション等でそのデータを使用する場合に一層利便性が向上する。しかも、後者の場合、元の位置に対応するフォルダ構造自体が消失している場合でも、そのフォルダ構造を再構築してデータの保存がなされるので(S511)、一層利便性が向上する。
【0079】
更に、本実施の形態では、ファイルの復元やフォルダ構造の構築に失敗した場合はフォルトレポートが作成されるので、使用者は善後策を迅速に検討することが可能となる。また、用紙3に印刷された画像の印刷データも保存されるので(S411,S516)、その画像を再び他の用紙3に印刷することも容易となる。
【0080】
なお、上記実施の形態において、S404〜S406の処理及びS504〜S506の処理が復元手段に、S408の処理が第1の格納手段に、S511〜S513の処理が第2の格納手段に、S407,S507,S515の処理が失敗情報作成手段に、S401及びS502の処理が画像データ保存手段に、S1の処理がデータ指定手段に、S2の処理が記録制御手段に、それぞれ相当する。
【0081】
[本実施の変形例]
また、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、本発明は、印刷機能を有さず、タグ3Aに対するデータの書き込み・読み出しのみを実行するシステムに対しても適用することができる。この場合、タグ3Aは用紙3に添付されていなくてもよい。
【0082】
また、指定フォルダへの保存処理では、S408の処理を次のように変更してもよい。図16は、その変形例を表すフローチャートである。なお、本処理では、前述のS408の処理をS480〜S482のように変更した点を除いて、他は図14の処理と同様に構成されているので、変更点のみを説明する。
【0083】
すなわち、ファイルデータの取得(S406)等がなされて処理がS480へ移行すると、その指定フォルダの中に上記位置情報によって規定されるフォルダ構造があるか否かが判断される。そして、フォルダ構造がない場合は(S480:N)、S481にて、位置情報に基づいてそのフォルダ構造が構築される。この場合も、フォルダ構造がルートから構築される場合があるが、その場合、例えば図17に例示するように、ルートの名称は適宜変更される。そして、続くS482では、前述の復元後のファイルデータ等が、構築後のフォルダ構造における上記位置情報の位置へ保存され、処理は前述のS409へ移行する。一方、上記フォルダ構造が最初からあった場合は(S480:Y)、処理はS480からS482へ直接移行し、指定フォルダ内の既存のフォルダ構造における上記位置情報の位置へデータが保存される(S482)。この例では、復元されたファイルデータをかつての格納位置に対応するフォルダ構造ごと上記指定フォルダに格納することが、元々存在したフォルダ構造に影響を与えることなく実行できる。
【0084】
また、ファイルデータの復元は、プリンタ1にて実行されてもよい。図18は、そのような実施の形態におけるプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。図18に示すように、本処理では、先ず、S260〜S264にて、前述のS250〜S254と同様にタグ3Aよりデータが読み出されてタグバッファに書き込まれた後、処理はS270へ移行する。S270では、タグバッファよりデータが1データ読み出され、続くS271にて、そのデータがファイルネームを含む位置情報、またはファイルネームのみのデータであるか否かが判断される。
【0085】
位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S271:Y)、S272にてその位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索される。この検索は、例えばネットワーク700に複数のパソコン800やサーバが接続されている場合、URLなどに基いてネットワーク700を介してなされる。
【0086】
続くS273では、ファイルがあったか否かが判断され、ファイルがあった場合は(S273:Y)、S274にてそのファイルがデータが取得された上で、ファイルがなかった場合はそのまま(S273:N)、処理はS275へ移行する。
【0087】
S275では、その時点で得られているデータが送信用バッファに保存される。例えば、ファイルデータが取得されている場合は(S274)、そのファイルデータと、S270にて読み出された位置情報またはファイルネームとが、また、ファイルがなかった場合は(S273:N)S270にて読み出された位置情報またはファイルネームのみが、送信用バッファに保存される。
【0088】
また、S271にて位置情報またはファイルネームのみのデータでないと判断された場合は(S271:N)、そのデータはファイル自身やフラグなど、復元の対象となるファイルを探す必要のないデータである。そこで、この場合、処理はS271からS275へ直接移行し、S270で読み出されたデータがそのまま送信用バッファへ保存される。
【0089】
S275に続くS276では、タグバッファに、次のデータがまだ保存されているか否かが判断される。そして、次のデータがある場合は(S276:Y)、処理は前述のS270へ移行して次のデータに対してS270〜S275の処理が実行される。こうしてタグバッファの全てのデータに対して上記S270〜S275の処理が終了すると、(S276:N)、送信用バッファのデータがホスト(この場合、パソコン800)に送信されて、処理が終了する。この場合、パソコン800の負担を軽減して、パソコン800における他の処理に影響が及ぶのを抑制することができる。
【0090】
なお、図18に示すプリンタ印刷処理においても、図12の場合と同様に、必ずしもマルチパーパストレイ14にセットされた用紙3を搬送しながら、用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み出すようにする必要はなく、例えば、図19に示すタグデータ読み出し処理と同様に、マルチパーパストレイ14に用紙3をセット(載置)した状態のままで、用紙3に添付されているタグ3Aからタグリーダ16にてデータを読み出すようにしてもよいことはもちろんである。
【0091】
また、プリンタ1の本体ケース2の上面等にタグリーダを内蔵して、用紙3に設けられたタグ3Aをタグリーダにかざすことで、タグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。複数の用紙3から連続してタグ3Aのデータを読み取る場合には、用紙3を一枚ずつタグリーダにかざして読み取るようにしてもよいし、いわゆる衝突防止(アンチコリジョン)機能を用いて複数の用紙3を束ねた状態でも各タグ3Aからデータを順次読み出すこともできる。
【0092】
更に、プリンタ機能に加えて、例えば、スキャナ(原稿読み取り)機能や、コピー機能、ファックス機能等を備えた複合機の場合には、スキャナ機能に付属する原稿自動搬送機構(いわゆるADF機構)により、タグ3Aが添付された用紙3を搬送しながら、搬送経路に沿って配置されているタグリーダにより、タグ3Aに記録されているデータを読み出すようにしてもよい。
【0093】
更に、本発明における非接触型タグとしては、赤外線を利用してデータの送受信を行うタグも採用することができる。また、プリンタ1が適宜の大きさの操作パネル220を備え、かつ、内部の記憶領域にフォルダ構造等を備えている場合は、上記実施の形態でパソコン800が実行した処理を全て制御部200で実行してもよい。この場合、プリンタ1単体で本発明のデータ処理装置を構成することができる。
【0094】
また、上記実施の形態では、フラグまたは復活プログラムによる復活であるが、このフラグまたは復活プログラムに依存せずに、とにかく復活を行うようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明が適用されたデータ処理装置の構成を表すブロック図である。
【図2】そのデータ処理装置を構成するプリンタの内部構成を表す概略断面図である。
【図3】非接触型タグを備えた用紙の構成を例示する説明図である。
【図4】上記データ処理装置を構成するパソコンで実行されるファイル保存処理を表すフローチャートである。
【図5】そのファイル保存処理で表示されるファイル構造の画像を例示する説明図である。
【図6】そのファイル構造の画像に強調がなされた状態を例示する説明図である。
【図7】上記ファイル保存処理で作成される印刷イメージを例示する説明図である。
【図8】その印刷イメージに強調がなされた状態を例示する説明図である。
【図9】上記印刷イメージに強調がなされた他の状態を例示する説明図である。
【図10】上記印刷イメージの他の形態を表す説明図である。
【図11】上記プリンタで実行されるプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。
【図12】上記プリンタで実行されるタグデータ読み出し処理を表すフローチャートである。
【図13】上記パソコンで実行されるファイル復活処理を表すフローチャートである。
【図14】そのファイル復活処理の指定フォルダへの保存処理を詳細に表すフローチャートである。
【図15】上記ファイル復活処理の元の位置への保存処理を詳細に表すフローチャートである。
【図16】上記指定フォルダへの保存処理の変形例を表すフローチャートである。
【図17】その処理によって構築されるフォルダ構造を例示する説明図である。
【図18】上記プリンタ印刷処理の変形例を表すフローチャートである。
【図19】上記タグデータ読み出し処理の変形例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1…プリンタ 3…用紙 3A…タグ 16…タグリーダ
38…タグライタ 200…制御部 800…パソコン
810…パソコン本体 813A…タグ書き込みデータエリア
813B…印刷データエリア 813C…復元エリア 820…ディスプレイ
830…キーボード 840…マウス 811…CPU
813…RAM 814…HDD
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型タグに対するデータの読み出しまたは記録を行うデータ処理装置、及び、そのデータ処理装置において使用可能な非接触型タグが添付された被記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグ(Radio Frequency Identification tag)等の非接触型タグを用紙等の被記録媒体に添付(埋め込まれたものも含む)することが提案されており、そのような被記録媒体に対して、画像を形成すると同時に非接触型タグにデータを記録することも提案されている。例えば、非接触型タグにソフトウェアのデジタルデータを記録すると共に、被記録媒体にマニュアルの文字画像等を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−3337426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ソフトウェアは複数のデータ(ファイル)から構成され、どれか1つが破損しても動作に不具合が生じる。しかしながら、従来は、非接触型タグに記録されたデータがその取得元においてどのような格納位置に格納されていたのか知る術がなく、データの復元が困難であった。また、ソフトウェア以外のデータであっても、そのデータが取得元においてどのような格納位置に格納されていたのかを調べて、そのデータを復元したい場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、非接触型タグに対するデータの読み出しまたは記録を行うデータ処理装置において、上記非接触型タグに少なくとも位置情報が記録されたデータの復元を容易にすることを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するためになされた本発明のデータ処理装置は、非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する復元手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ読み出し手段は、非接触型タグからデータを読み出す。そして、そのデータ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、復元手段は、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する。
【0007】
このため、本発明では、被記録媒体に当該データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとが記録されている場合、そのデータを容易に復元することができる。なお、当該データ自身は、上記被記録媒体に記録されていてもよく記録されていなくてもよい。
【0008】
また、本発明は以下の構成に限定されるものではないが、上記復元手段が復元したデータを、指定された格納位置に格納する第1の格納手段を、更に備えてもよい。この場合、上記復元手段が復元したデータを、予め指定された格納位置に第1の格納手段によって格納することができる。従って、復元されたデータへのアクセスが容易となる。
【0009】
そして、この場合、上記第1の格納手段は、上記指定された格納位置に上記位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報に対応する格納位置に格納してもよい。この場合、復元されたデータをかつての格納位置に対応するフォルダ構造ごと上記指定された格納位置に格納することが、元々存在したフォルダ構造に影響を与えることなく実行できる。
【0010】
また、上記復元手段が復元したデータを、上記位置情報が示す格納位置に格納する第2の格納手段を、更に備えてもよい。この場合、復元されたデータをかつての格納位置に格納することができ、他のアプリケーション等でそのデータを使用する場合に一層利便性が向上する。
【0011】
そして、この場合、上記位置情報が示す格納位置が存在しない場合、上記第2の格納手段は、その位置情報に対応するフォルダまたはフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報が示す格納位置に格納してもよい。この場合、かつての格納位置に対応するフォルダ構造自体が消失している場合でも、フォルダ構造ごと復元することができ、一層利便性が向上する。
【0012】
また、本発明のデータ処理装置が、少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成されている場合、上記復元手段は、上記端末に設けられてもよく、上記ホストに設けられてもよい。前者の場合は、データを一層確実に復元することができ、後者の場合は、ホストにおける他の処理に影響が及ぶのを抑制することができる。
【0013】
また、上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗した場合に、その失敗を示す失敗情報を作成する失敗情報作成手段を、更に備えてもよい。この場合、使用者は、失敗情報作成手段が作成した失敗情報に基づいて、上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗したことを知ることができ、善後策を迅速に検討することが可能となる。
【0014】
また、上記復元手段は、上記位置情報が示す格納位置にアクセスすることにより、上記データを復元してもよい。この場合、かつての格納位置に同様のデータが存在している場合は、極めて迅速に、かつ、簡単な処理でデータを復元することができる。
【0015】
また、上記復元手段は、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合は自動的に上記復元を実行し、添付されていない場合は、上記読み出し手段が読み出したデータを呈示して使用者の指示を待ってもよい。この場合、非接触型タグに記録されるデータに上記フラグを添付しておくか否かによって、上記復元を自動で実行させるか使用者の判断に委ねるかを設定することが可能となる。
【0016】
また、この場合、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合、上記復元手段は、復元用プログラムを自動でインストールして上記復元を実行してもよい。この場合、新たにインストールされた復元用プログラムを用いて上記復元が実行されるので、データを一層確実に復元することができる。
【0017】
また、上記データ読み出し手段が読み出したデータに、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像に対応する画像データまたはその元データが含まれる場合、そのデータを保存する画像データ保存手段を、更に備えてもよい。この場合、画像データ保存手段が保存したデータに基いて、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像を再び他の被記録媒体に形成することが可能となる。
【0018】
また、本発明のデータ処理装置は、表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データを記録するデータ記録手段と、該データ記録手段が記録するデータを指定するデータ指定手段と、該データ指定手段によりデータが指定されたとき、上記データ記録手段に、少なくともそのデータ自身とそのデータのかつての格納位置を表す位置情報とを上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのファイル名とかつての格納位置を示す位置情報とを記録させるか、更には、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムをも記録させるかを、選択的に切り換える記録制御手段と、を備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0019】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ指定手段によりデータを指定すれば、表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データ記録手段によって上記指定されたデータを記録することができる。しかも、このとき、記録制御手段は、データ記録手段に、少なくとも上記指定されたデータ自身を上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを記録させるかを、選択的に切り換える。前者が選択された場合、非接触型タグから上記指定されたデータを直接読み出すことができる。また、後者が選択された場合、上記指定されたデータは前述の復元手段を備えたデータ処理装置によって容易に復元することができ、しかも、非接触型タグの容量も確保することができる。
【0020】
また、本発明のデータ処理装置は、非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、その位置情報に基いて上記データを復元する復元手段と、を備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0021】
このように構成された本発明のデータ処理装置では、データ読み出し手段は、非接触型タグからデータを読み出す。そして、そのデータ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、復元手段は、その位置情報に基いて上記データを復元する。
【0022】
このため、本発明では、被記録媒体に当該データのかつての格納位置を示す位置情報が記録されている場合、そのデータを容易に復元することができる。
また、本発明の被記録媒体は、データのかつての格納位置を示す位置情報と、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムと、が記録された非接触型タグと、該非接触型タグが添付され、上記各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示された表示面と、を備えたことを特徴としている。
【0023】
このように構成された本発明の被記録媒体では、非接触型タグに記録された上記位置情報と上記フラグまたは復元用プログラムとを読み出すことにより、前述の復元手段を備えたデータ処理装置によってデータを容易に復元することができる。しかも、被記録媒体の表示面には、そのデータのかつての各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示されているので、そのデータのシステム上の位置付けが一目瞭然となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[発明の実施の形態の全体構成]
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用されたデータ処理装置の構成を表すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態のデータ処理装置は、端末としてのプリンタ1と、そのプリンタ1にネットワーク700を介して接続されたホストとしてのパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)800とから構成されている。なお、ネットワーク700は、社内LAN,インターネット等、いかなるネットワークであってもよい。
【0025】
[プリンタ1の構成の説明]
図2はそのプリンタ1の内部構成を表す概略断面図である。図2に示すように、プリンタ1は、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4、マルチパーパストレイ14、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成手段の一例としてのプロセスユニット18及び定着装置19等を備えている。なお、以降、このプリンタ1において、マルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側(図2で左側)を「前部」とし、同じくマルチパーパストレイ14が本体ケース2に取り付けられている側とは反対側を「後部」とする。
【0026】
[フィーダ部4の構成の説明]
図2に示すように、フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ12及び分離パッド13とを備えている。また、給紙ローラ12から画像形成位置P(感光体ドラム23と転写ローラ25との接触部、つまり感光体ドラム23上のトナー像が用紙3に転写される転写位置)までの間には、湾曲状に形成された搬送経路7が配されている。
【0027】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状に保持可能であり、給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能に構成されており、また、その裏側からバネ8aによって上方向に付勢されている。分離パッド13は、給紙ローラ12に対向状に配設され、摩擦係数の大きい部材からなるパッド13aがバネ13bによって給紙ローラ12に向かって押圧されている。
【0028】
一方、搬送経路7は、用紙3を案内する一対のガイド板7a,7bが配置されることにより湾曲状に形成されている。また、この搬送経路7には、用紙搬送の上流側から順に、給紙ローラ12、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ11、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ10、及び、画像形成位置Pの直前に配置され、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対のレジストローラ9が、適宜間隔にて配置されている。
【0029】
以上のように構成されたフィーダ部4においては、用紙押圧板8上に積層された用紙3のうち最上位にある用紙3が、給紙ローラ12に向かって押圧され、その給紙ローラ12の回転によって給紙ローラ12と分離パッド13とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ11にて搬送された後、搬送ローラ10及びレジストローラ9に順次送られ、所定のタイミングで、画像形成位置Pに送られる。
【0030】
[マルチパーパストレイ14の構成の説明]
フィーダ部4より上方位置の本体ケース2の前部側には、用紙3を手差しまたは自動給紙にて供給するためのマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙機構15とが設けられている。マルチパーパス側給紙機構15は、マルチパーパス側給紙ローラ15a及びマルチパーパス側給紙パッド15bを備えており、マルチパーパス側給紙パッド15bの裏側に配設されるバネ15cによって、マルチパーパス側給紙パッド15bがマルチパーパス側給紙ローラ15aに向かって押圧されている。また、マルチパーパス側給紙機構15は、駆動ローラと従動ローラの対からなる一対の搬送ローラ15dを備えている。
【0031】
以上のように構成されたマルチパーパストレイ14においては、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3が、回転するマルチパーパス側給紙ローラ15aとマルチパーパス側給紙パッド15bとで挟まれた後、1枚毎に給紙されて一対の搬送ローラ15dを介して前記レジストローラ9に送られる。
【0032】
更に、搬送ローラ15d,10とレジストローラ9との間には、データ読み出し手段としてのタグリーダ16が設けられている。このタグリーダ16は、用紙3として図3に例示するように非接触型タグの一例としてのRFIDタグ(radio frequency identification tag:以下、単にタグという)3Aを備えたものが使用された場合、そのタグ3Aに記録されたデータを読み取る。このため、タグ3Aを備えた用紙3が給紙トレイ6またはマルチパーパストレイ14から画像形成位置Pまで搬送される途中で、その用紙3に設けられたタグ3Aからタグリーダ16にてデータを読み取ることができる。なお、マルチパーパストレイ14にセットされた用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)場合、必ずしも、用紙3を搬送しながら読み取る(読み出す)ようにする必要はなく、例えば、マルチパーパストレイ14にセット(載置)した状態のままで用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。
【0033】
[スキャナユニット17の構成の説明]
スキャナユニット17は、本体ケース2の上部のうち、排紙トレイ36の下面側に配置され、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21a及び21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される画像データに応じたレーザビームを、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過或いは反射させて、プロセスユニット18における感光体ドラム23の表面上に高速走査にて照射している。
【0034】
[プロセスユニット18の構成の説明]
プロセスユニット18は、静電潜像坦持体としての感光体ドラム23、スコロトロン型帯電器37、及び、転写ローラ25等を有するドラムカートリッジと、そのドラムカートリッジに着脱自在な現像カートリッジ24とから構成されている。現像カートリッジ24は、トナー収容部26、現像ローラ27、層厚規制ブレード28、トナー供給ローラ29等を備えている。
【0035】
トナー収容部26には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーがトナー供給ローラ29によって現像ローラ27に供給され、この時、トナー供給ローラ29と現像ローラ27との間で正極性に摩擦帯電され、更に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の摺擦により一定厚さの薄層として現像ローラ27上に担持される。一方、回転する感光体ドラム23は現像ローラ27と対向して配置され、ドラム本体が接地されると共に、その表面が正帯電性の有機系感光体材料により形成されている。
【0036】
スコロトロン型帯電器37は、感光体ドラム23の上方に、感光体ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0037】
そして、感光体ドラム23の表面は、その感光体ドラム23の回転に伴って、先ず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナユニット17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0038】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム23に対向して接触する時に、感光体ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによってトナー像が形成される。
【0039】
転写ローラ25は、感光体ドラム23の下方において、この感光体ドラム23に対向するように配置され、上記ドラムカートリッジに図2において時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電源から転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム23の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光体ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に、前述の画像形成位置Pにて用紙3に転写される。
【0040】
[定着装置19の構成の説明]
定着手段としての定着装置19は、図2に示すように、プロセスユニット18より側方の搬送方向下流側に配設され、1つの加熱ローラ31と、この加熱ローラ31を押圧するように配置された加圧ローラ32と、これらの下流側に設けられる一対の搬送ローラ33とを備えている。加熱ローラ31は、アルミ等の金属製で加熱のためのハロゲンランプ等のヒータを備えており、プロセスユニット18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させる。その後、用紙3は搬送ローラ33によって、本体ケース2内の後部側の排紙パスに搬送された後、更に、搬送ローラ34及び排紙ローラ35により搬送され、その後、排紙トレイ36上に排紙される。
【0041】
また、加熱ローラ31及び加圧ローラ32と搬送ローラ33,33との間の用紙搬送経路には、前述のタグ3Aにデータを記録可能なデータ記録手段の一例としてのタグライタ38が設けられている。このため、用紙3としてタグ3Aが添付されたものを利用した場合、画像形成後の用紙3のタグ3Aに所望のデータを記録することができる。
【0042】
[プリンタ1の制御系の説明]
この他、プリンタ1の上面には、タグ読取ボタン220Aをはじめとする各種ボタン(図示省略)や液晶ディスプレイを備えた操作パネル220(図1参照)が設けられている。図1に戻って、この操作パネル220は、プロセスユニット18,スキャナユニット17,タグライタ38,タグリーダ16と共に、制御部200に接続されている。この制御部200は、CPU201,ROM202,RAM203を備えたマイクロコンピュータとして構成され、更に、電源スイッチが切られても記憶内容が消えないようにされたNVRAM204を備えている。また、この制御部200は、プリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)230及びネットワーク700を介してパソコン800に接続されている。
【0043】
パソコン800のパソコン本体810は、主な構成としてCPU811,ROM812,RAM813,及びハードディスク装置(HDD)814を備えている。また、RAM813は、後述のタグ書き込みデータエリア813Aと印刷データエリア813Bと復元エリア813Cとを備えている。そして、このパソコン本体810には、CRT等のディスプレイ820、キーボード830、マウス840、及び、プリンタ1の制御部200と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)850等が接続されている。
【0044】
[上記制御系における処理(パソコン800のファイル保存処理)]
次に、この制御系における処理について説明する。図4は、パソコン800にて実行されるファイル保存処理を表すフローチャートである。なお、本処理は、パソコン800において本処理の操作指令がなされたとき、CPU811がHDD814に記憶された所定のプログラムを実行することによって開始される。
【0045】
図4に示すように、処理が開始されると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、HDD814内における特定位置のファイル構造のイメージが作成され、ディスプレイ820に表示されて保存ファイルの指定が可能となる。例えば、図5に例示するように、ルートから末端のファイルへ至るツリー構造の図がディスプレイ820に表示され、マウス840等により、ファイルデータごとタグ3A保存するファイルデータ保存や、ファイルデータの「A:\B\C1」などといったファイルネームを含む位置情報のみをタグ3Aに保存するファイル位置保存が指定可能になる。そして、指定がなされると、例えば図6に例示するように、ファイルデータ保存が指定されたファイルには黒の四角マークが、ファイル位置保存が指定されたファイルには黒の三角マークが、それぞれディスプレイ820に表示される。
【0046】
そこで、S1に続くS2では、指定されたファイルがデータごと指定されたファイルデータ保存なのか、ファイル位置保存なのかが、1ファイルずつ順次判断される。そして、データごとの場合は(S2:Y)、S3にて、そのファイルの位置情報,ファイルネーム,及びファイルデータ自身がタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれた上で、処理はS5へ移行する。また、位置情報のみの場合は(S2:N)、S4にて、そのファイルの位置情報及びファイルネームがタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aへ書き込まれた上で、処理はS5へ移行する。S5では、他にも次のファイルが指定されているか否かが判断され、指定されている場合は(S5:Y)、処理は前述のS2へ、次のファイルが指定されていない場合は(S5:N)、処理は続くS6へ、それぞれ移行する。
【0047】
S6では、タグ3Aからデータが読み出されたときに自動的に復活を行う読み出し時復活が指示されているか否かが判断される。そして、読み出し時復活が指示されている場合は(S6:Y)、S7にて、復活のための保存をしたことを示すフラグとファイルシステム復活用アプリケーションソフト(以下、復活用ソフトという)とがタグ書き込みデータとしてタグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれた後、読み出し時復活が指示されていない場合はそのまま(S6:N)、処理はS10へ移行する。
【0048】
S10では、S3またはS4で指定されたファイルネームや位置情報に対応した印刷イメージデータ(以下、単に印刷データという)が作成され、印刷データエリア813Bに書き込まれる。例えば、ファイルデータ保存及びファイル位置保存が図6に例示するように指定された場合、図7に例示するように指定されたファイルの位置情報等のみを抽出したイメージに対応する印刷データが作成され、印刷データエリア813Bに書き込まれる。なお、この印刷データは、用紙3の複数頁分に相当する場合もあり、その場合は、S10では1頁分ずつ印刷データが作成される。
【0049】
続くS11では、その印刷頁に対応するタグ書き込みデータが、タグ3Aの記憶容量まで設定される。なお、前述のフラグや復活用ソフトは1頁目に対応するデータとして設定される。また、タグ3Aの記憶容量は、用紙3がレジストローラ9の手前まで搬送されることによりタグリーダ16を介して取得されてもよく、タグ3Aの記憶容量が規格化されており、その値がHDD814等の所定領域に記憶されている場合は、その値を読み出すことにより取得されてもよい。
【0050】
続くS12では、上記印刷データのうち、タグに書き込まれるファイルが強調され、それに応じて印刷データエリア813Bのデータが更新される。例えば、当該頁に対応する全てのデータが1つのタグ3Aに書き込まれる場合は、図8に例示するように、各データに対応するファイルを表す長方形の枠が全て所定の色で塗りつぶされる。なお、強調の方法としては、この他、図7におけるファイルネームの右端に星印を付けるなど、オプションにより種々の方法が選択できる。
【0051】
また、当該頁に対応するデータが例えば2つのタグ3Aに亘って書き込まれる場合は、次に述べる処理によりS12の処理が2回繰り返されるので、図9に例示するように、各頁の用紙3にそれぞれ添付されたタグ3Aに書き込まれるデータのみが強調される。
【0052】
続くS10では、タグ書き込みデータエリア813Aに書き込まれたタグ書き込みデータのうちS11で設定されたデータと、印刷データエリア813Bに書き込まれ必要に応じて更新された印刷データとがプリンタ1へ送信され、処理はS14へ移行する。
【0053】
S14では、S11にてタグ3Aの記憶容量内に書き込めなかった同一頁内の未書き込みデータがあるか否かが判断され、未書き込みデータがない場合は(S14:N)、S15にて、次頁の印刷データがあるか否かが判断される。そして、次頁の印刷データがない場合は(S15:N)、処理はそのまま終了し、次頁の印刷データがある場合は(S15:Y)、処理は前述のS10へ移行して次ページの印刷データが作成される。
【0054】
一方、同一頁内の未書き込みデータがあった場合は(S14:Y)、処理はS16へ移行し、S11と同様に、その頁に対応する残りのタグ書き込みデータがタグ3Aの記憶容量まで設定され、処理は前述のS12へ移行する。この場合、S12では、前述のように新たに設定されたデータが強調され、前回のS12の処理でなされた強調は解除される。そして、その頁に対応する全てのタグ書き込みデータの設定(S16,S11)、及び送信(S13)が終了すると(S14:Y)、処理は前述のS15へ移行する。
【0055】
以上の処理により、図8または図9に例示したようなイメージに対応する印刷データと、各頁に対応するファイルデータ,ファイルネーム,位置情報等が、プリンタ1へ送信される。また、ファイルのイメージが1枚の用紙3に印刷できない場合は(S15:Y)、例えば図10に例示するように、印刷データも複数頁分のイメージが作成され(S10)、各頁にそれぞれ対応したタグ書き込みデータと共にプリンタ1に送信される(S11,S16,S13)。
【0056】
[上記制御系における処理(プリンタ1の処理)]
次に、図11は、上記S13の処理に応じてプリンタ1の制御部200が実行するプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。この処理は、パソコン800からプリンタ1へデータが送信されると開始される。
【0057】
図11に示すように、処理が開始されると、先ず、S201にて、パソコン800から送信されたデータを受信する処理が実行され、続くS202にて、その受信されたデータが印刷データであったか否かが判断される。そして、印刷データであった場合は(S202:Y)、S203にてその印刷データがRAM203に設定された印刷バッファへ書き込まれた後、印刷データでなかった場合はそのまま(S202:N)、処理はS204へ移行する。
【0058】
S204では、上記受信されたデータがタグ書き込みデータであったか否かが判断される。そして、タグ書き込みデータであった場合は(S204:Y)、S205にてそのタグ書き込みデータがRAM203に設定されたタグ書き込みバッファへ書き込まれた後、タグ書き込みデータでなかった場合はそのまま(S204:N)、処理はS206へ移行する。なお、S205では、前述の印刷データも、タグ書き込みデータとしてタグ書き込みバッファへ書き込まれる。続くS206では、パソコン800からのデータ受信が終了したか否かが判断され、まだ終了していない場合は(S206:N)、処理はS201へ移行して、前述のS201〜S205の処理が繰り返される。
【0059】
一方、パソコン800からのデータ受信が終了すると(S206:Y)、処理はS207へ移行し、印刷データに基いてスキャナユニット17,プロセスユニット18等を駆動することによる用紙3への印刷が開始される。続くS208では、タグライタ38によるタグ3Aへのデータの書き込みが可能なタグ書き込み位置まで用紙3が搬送されたか否かが判断される。そして、タグ書き込み位置でない場合はそのまま(S208:N)、タグ書き込み位置である場合は(S208:Y)、S209にて、タグ書き込みデータがタグ3Aに書き込まれた後、処理はS210へ移行する。
【0060】
S210では、用紙3への印刷とタグ3Aへの書き込みとが完了したか否かが判断され、まだ完了していない場合は(S210:N)、処理はS207へ移行して、前述のS207〜S209の処理が繰り返される。そして、用紙3への印刷とタグ3Aへの書き込みとが完了すると(S210:Y)、処理は一旦終了する。以上の処理により、前述のようなファイルのイメージの画像が用紙3に印刷され、対応するタグ書き込みデータがタグ3Aに書き込まれる。
【0061】
また、制御部200は、パソコン800からタグ3Aのデータを読み出すべき旨の指令を受信したとき、または、操作パネル220のタグ読取ボタン220Aが押下されたときには、次のようなタグデータ読み出し処理を実行する。
【0062】
図12は、そのタグデータ読み出し処理を表すフローチャートである。図12に示すように、処理が開始されると、先ず、S250にて、マルチパーパストレイ14に用紙3がセットされているか否かが判断される。用紙3がセットされていない場合は(S250:N)、処理はS250にてそのまま待機し、用紙3がセットされている場合は(S250:Y)、S251にてその用紙3の搬送が開始される。
【0063】
続くS252では、タグリーダ16がタグ3Aと交信可能であるか否かが判断される。そして、交信不能の場合はそのまま(S252:N)、交信可能の場合は(S252:Y)、S253にて、タグリーダ16を介してタグ3Aよりデータが読み出されてRAM203内のタグバッファに書き込まれた後、処理はS254へ移行する。S254では、用紙3の末尾まで搬送されてその用紙3が排紙トレイ36上に排紙されたか否かが判断される。そして、用紙末尾まで搬送されていない場合は(S254:N)、処理は前述のS251へ移行してS251〜S253の処理が繰り返され、用紙末尾まで搬送された場合は(S254:Y)、処理は続くS255へ移行する。S255では、S253にてタグ3Aより読み出されたデータがホスト(この場合、パソコン800)に送信されて処理が終了する。
【0064】
なお、マルチパーパストレイ14にセットされた用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み出す場合、必ずしも、用紙3を搬送しながら読み出すようにする必要はなく、例えば、マルチパーパストレイ14に用紙3をセット(載置)した状態のままで用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。
【0065】
図19は、このような読み出しを可能とした場合のタグデータ読み出し処理を示すもので、図12に示すS251,S252,S254の各処理が省略されている。
[上記制御系における処理(パソコン800のファイル復活処理)]
次に、図13は、前述のS255の処理によりプリンタ1から送信されたデータに対して、パソコン800にて実行されるファイル復活処理を表すフローチャートである。なお、パソコン800のCPU811は、プリンタ1からのデータ受信時に、HDD814に記憶された所定のプログラムに基いてこの処理を実行する。
【0066】
図13に示すように、処理が開始されると、先ず、S31にて、プリンタ1から受信されたデータが復元エリア813Cに保存される。続くS33では、前述の復活のための保存をしたことを示すフラグがそのデータの中にあるか否かが判断され、ない場合は(S33:N)、S35にて、ディスプレイ820にそのデータが一覧表示されて、処理が終了する。すると、例えば下記のようなデータの復元や保存を行うか否かといったその後の処理は、使用者に委ねられる。
【0067】
一方、プリンタ1からのデータに上記フラグがある場合は(S33:Y)、S37にて、前述の復活用ソフトがインストールされる。続くS38では、ディスプレイ820を介してメッセージを表示して、使用者にファイルの復活位置を選択させる復活位置選択処理が実行される。続くS38では、その復活位置選択処理により、指定フォルダが選択されたか元の位置が選択されたかが判断される。なお、指定フォルダの選択は、ディスプレイ820に表示されたツリー状のフォルダ構造に対してなされてもよく、キーボード830から位置情報を直接入力することによってなされてもよい。そして、復活位置として指定フォルダが選択された場合は(S39:指定フォルダ)、S40にて指定フォルダへの保存処理が実行され、また、復活位置として元の位置が選択された場合は(S39:元の位置)、S50にて元の位置への保存処理がなされた後、処理が終了する。
【0068】
図14は、S40の指定フォルダへの保存処理を詳細に表すフローチャートである。図14に示すように、この処理では、先ず、S401にて、復元エリア813Cに保存されている前述の印刷データが上記指定フォルダに保存される。続くS402では、復元エリア813Cよりデータが1データ読み出され、S403にて、そのデータがファイルネームを含む位置情報、またはファイルネームのみのデータであるか否かが判断される。
【0069】
位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S403:Y)、そのデータが次のように元のファイルデータに復元される。すなわち、この場合、先ず、S404にてその位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索される。この検索は、位置情報が当該パソコン800の所定領域を指示している場合はパソコン800内の処理によってなされるが、URLなどに基いてネットワーク700を介して検索がなされてもよい。
【0070】
続くS405では、ファイルがあったか否かが判断され、ファイルがあった場合は(S405:Y)、S406にてそのファイルがデータが取得された上で、ファイルがなかった場合は(S405:N)、S407にて、ファイルデータの取得ができなかった旨の失敗情報としてのフォルトレポートが作成された上で、処理はS408へ移行する。
【0071】
S408では、その時点で得られているデータが指定フォルダに保存される。例えば、ファイルデータが取得されている場合は(S406)、そのファイルデータと、S402にて読み出された位置情報またはファイルネームとが、指定フォルダに保存される。また、ファイルがなかった場合は(S405:N)、何も保存されなくてもよく、空のファイルが保存されてもよく、S402にて読み出された位置情報またはファイルネームのみがファイルにして保存されてもよい。
【0072】
また、S403にて位置情報またはファイルネームのみのデータでないと判断された場合は(S403:N)、そのデータはファイル自身やフラグなど、復元の対象となるファイルを探す必要のないデータである。そこで、この場合、処理はS403からS408へ直接移行し、S402で読み出されたデータがそのまま指定フォルダへ保存される。
【0073】
S408に続くS409では、復元エリア813Cに、次のデータがまだ保存されているか否かが判断される。そして、次のデータがある場合は(S409:Y)、処理は前述のS402へ移行して次のデータに対してS402〜S408の処理が実行される。こうして復元エリア813Cの全てのデータに対して上記S402〜S408の処理が終了すると、(S409:N)、S411にてフォルトレポートが保存された上で(フォルトレポートがある場合のみ)、処理が終了する。
【0074】
次に、図15は、S50の元の位置への保存処理を詳細に表すフローチャートである。図15に示すように、この処理では、先ず、S501〜S507にて前述のS401〜S407と同様の処理が実行される。すなわち、印刷データが保存され(S501)、復元エリア813Cより1データ読み出される(S502)。但し、この処理では、指定フォルダの指定がなされていないので、S501では、印刷データは予め指定されたHDD814の所定フォルダ(例えばマイクロソフト・ウインドウズ(登録商標)におけるマイピクチャ)に保存されるか、パソコン800上で指定された場所に保存される。
【0075】
そして、S502にて読み出されたデータが位置情報またはファイルネームのみのデータの場合は(S503:Y)、対応するフォルダが取得され(S504〜S506)、取得できなかった場合はフォルトレポートが作成されて(S507)、処理はS510へ移行する。また、復元エリア813Cから読み出されたデータが位置情報またはファイルネームのみのデータでない場合は(S503:N)、復元の対象となるファイルを探す必要がないため処理はS503からS510へ直接移行する。
【0076】
S510では、上記位置情報によって規定されるフォルダ構造があるか否かが判断される。そして、フォルダ構造がない場合は(S510:N)、S511にて、位置情報に基づいてそのフォルダ構造が構築される。このステップでは、場合によっては、例えば図5示すルートAから構築がなされる。続くS512では、そのフォルダ構造が構築できたか否かが判断され、構築できた場合は(S512:Y)、S513にて、上記データ及び復元後のファイルデータが、位置情報の位置へ保存される。一方、上記フォルダ構造が最初からあった場合は(S510:Y)、処理はS510からS513へ直接移行し、フォルダ構造を構築することなく既存のフォルダ構造における上記位置情報の位置へデータが保存される(S513)。
【0077】
S513に続くS514では、前述のS409と同様に、次のデータがあるか否かが判断され、次のデータがある場合は(S514:Y)、処理は前述のS502へ移行する。また、S512にてフォルダ構造の構築ができなかったと判断された場合は(S512:N)、S515にて、フォルダ構造の構築ができなかった旨の失敗情報としてのフォルトレポートが作成された上で、処理は前述のS514へ移行する。こうして、復元エリア813Cの全てのデータに対して上記S502〜S515の処理が終了すると、(S514:N)、S516にてフォルトレポートが保存された上で(フォルトレポートがある場合のみ)、処理が終了する。
【0078】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、位置情報またはファイルネームのみでタグ3Aに書き込まれていたデータをファイルとして復元し、所望の指定フォルダ若しくは元の位置へ格納することが容易に実行できる。しかも、タグ3Aのデータに上記フラグが添付されている場合には、その処理を自動で実行することができる。なお、指定フォルダへの保存(S40)が実行された場合には、復元されたファイルへのアクセスが容易になり、元の位置への保存(S50)が実行された場合には、他のアプリケーション等でそのデータを使用する場合に一層利便性が向上する。しかも、後者の場合、元の位置に対応するフォルダ構造自体が消失している場合でも、そのフォルダ構造を再構築してデータの保存がなされるので(S511)、一層利便性が向上する。
【0079】
更に、本実施の形態では、ファイルの復元やフォルダ構造の構築に失敗した場合はフォルトレポートが作成されるので、使用者は善後策を迅速に検討することが可能となる。また、用紙3に印刷された画像の印刷データも保存されるので(S411,S516)、その画像を再び他の用紙3に印刷することも容易となる。
【0080】
なお、上記実施の形態において、S404〜S406の処理及びS504〜S506の処理が復元手段に、S408の処理が第1の格納手段に、S511〜S513の処理が第2の格納手段に、S407,S507,S515の処理が失敗情報作成手段に、S401及びS502の処理が画像データ保存手段に、S1の処理がデータ指定手段に、S2の処理が記録制御手段に、それぞれ相当する。
【0081】
[本実施の変形例]
また、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、本発明は、印刷機能を有さず、タグ3Aに対するデータの書き込み・読み出しのみを実行するシステムに対しても適用することができる。この場合、タグ3Aは用紙3に添付されていなくてもよい。
【0082】
また、指定フォルダへの保存処理では、S408の処理を次のように変更してもよい。図16は、その変形例を表すフローチャートである。なお、本処理では、前述のS408の処理をS480〜S482のように変更した点を除いて、他は図14の処理と同様に構成されているので、変更点のみを説明する。
【0083】
すなわち、ファイルデータの取得(S406)等がなされて処理がS480へ移行すると、その指定フォルダの中に上記位置情報によって規定されるフォルダ構造があるか否かが判断される。そして、フォルダ構造がない場合は(S480:N)、S481にて、位置情報に基づいてそのフォルダ構造が構築される。この場合も、フォルダ構造がルートから構築される場合があるが、その場合、例えば図17に例示するように、ルートの名称は適宜変更される。そして、続くS482では、前述の復元後のファイルデータ等が、構築後のフォルダ構造における上記位置情報の位置へ保存され、処理は前述のS409へ移行する。一方、上記フォルダ構造が最初からあった場合は(S480:Y)、処理はS480からS482へ直接移行し、指定フォルダ内の既存のフォルダ構造における上記位置情報の位置へデータが保存される(S482)。この例では、復元されたファイルデータをかつての格納位置に対応するフォルダ構造ごと上記指定フォルダに格納することが、元々存在したフォルダ構造に影響を与えることなく実行できる。
【0084】
また、ファイルデータの復元は、プリンタ1にて実行されてもよい。図18は、そのような実施の形態におけるプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。図18に示すように、本処理では、先ず、S260〜S264にて、前述のS250〜S254と同様にタグ3Aよりデータが読み出されてタグバッファに書き込まれた後、処理はS270へ移行する。S270では、タグバッファよりデータが1データ読み出され、続くS271にて、そのデータがファイルネームを含む位置情報、またはファイルネームのみのデータであるか否かが判断される。
【0085】
位置情報またはファイルネームのみのデータである場合は(S271:Y)、S272にてその位置情報またはファイルネームに対応するファイルが検索される。この検索は、例えばネットワーク700に複数のパソコン800やサーバが接続されている場合、URLなどに基いてネットワーク700を介してなされる。
【0086】
続くS273では、ファイルがあったか否かが判断され、ファイルがあった場合は(S273:Y)、S274にてそのファイルがデータが取得された上で、ファイルがなかった場合はそのまま(S273:N)、処理はS275へ移行する。
【0087】
S275では、その時点で得られているデータが送信用バッファに保存される。例えば、ファイルデータが取得されている場合は(S274)、そのファイルデータと、S270にて読み出された位置情報またはファイルネームとが、また、ファイルがなかった場合は(S273:N)S270にて読み出された位置情報またはファイルネームのみが、送信用バッファに保存される。
【0088】
また、S271にて位置情報またはファイルネームのみのデータでないと判断された場合は(S271:N)、そのデータはファイル自身やフラグなど、復元の対象となるファイルを探す必要のないデータである。そこで、この場合、処理はS271からS275へ直接移行し、S270で読み出されたデータがそのまま送信用バッファへ保存される。
【0089】
S275に続くS276では、タグバッファに、次のデータがまだ保存されているか否かが判断される。そして、次のデータがある場合は(S276:Y)、処理は前述のS270へ移行して次のデータに対してS270〜S275の処理が実行される。こうしてタグバッファの全てのデータに対して上記S270〜S275の処理が終了すると、(S276:N)、送信用バッファのデータがホスト(この場合、パソコン800)に送信されて、処理が終了する。この場合、パソコン800の負担を軽減して、パソコン800における他の処理に影響が及ぶのを抑制することができる。
【0090】
なお、図18に示すプリンタ印刷処理においても、図12の場合と同様に、必ずしもマルチパーパストレイ14にセットされた用紙3を搬送しながら、用紙3に添付されているタグ3Aからデータを読み出すようにする必要はなく、例えば、図19に示すタグデータ読み出し処理と同様に、マルチパーパストレイ14に用紙3をセット(載置)した状態のままで、用紙3に添付されているタグ3Aからタグリーダ16にてデータを読み出すようにしてもよいことはもちろんである。
【0091】
また、プリンタ1の本体ケース2の上面等にタグリーダを内蔵して、用紙3に設けられたタグ3Aをタグリーダにかざすことで、タグ3Aからデータを読み取る(読み出す)ようにしてもよい。複数の用紙3から連続してタグ3Aのデータを読み取る場合には、用紙3を一枚ずつタグリーダにかざして読み取るようにしてもよいし、いわゆる衝突防止(アンチコリジョン)機能を用いて複数の用紙3を束ねた状態でも各タグ3Aからデータを順次読み出すこともできる。
【0092】
更に、プリンタ機能に加えて、例えば、スキャナ(原稿読み取り)機能や、コピー機能、ファックス機能等を備えた複合機の場合には、スキャナ機能に付属する原稿自動搬送機構(いわゆるADF機構)により、タグ3Aが添付された用紙3を搬送しながら、搬送経路に沿って配置されているタグリーダにより、タグ3Aに記録されているデータを読み出すようにしてもよい。
【0093】
更に、本発明における非接触型タグとしては、赤外線を利用してデータの送受信を行うタグも採用することができる。また、プリンタ1が適宜の大きさの操作パネル220を備え、かつ、内部の記憶領域にフォルダ構造等を備えている場合は、上記実施の形態でパソコン800が実行した処理を全て制御部200で実行してもよい。この場合、プリンタ1単体で本発明のデータ処理装置を構成することができる。
【0094】
また、上記実施の形態では、フラグまたは復活プログラムによる復活であるが、このフラグまたは復活プログラムに依存せずに、とにかく復活を行うようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明が適用されたデータ処理装置の構成を表すブロック図である。
【図2】そのデータ処理装置を構成するプリンタの内部構成を表す概略断面図である。
【図3】非接触型タグを備えた用紙の構成を例示する説明図である。
【図4】上記データ処理装置を構成するパソコンで実行されるファイル保存処理を表すフローチャートである。
【図5】そのファイル保存処理で表示されるファイル構造の画像を例示する説明図である。
【図6】そのファイル構造の画像に強調がなされた状態を例示する説明図である。
【図7】上記ファイル保存処理で作成される印刷イメージを例示する説明図である。
【図8】その印刷イメージに強調がなされた状態を例示する説明図である。
【図9】上記印刷イメージに強調がなされた他の状態を例示する説明図である。
【図10】上記印刷イメージの他の形態を表す説明図である。
【図11】上記プリンタで実行されるプリンタ印刷処理を表すフローチャートである。
【図12】上記プリンタで実行されるタグデータ読み出し処理を表すフローチャートである。
【図13】上記パソコンで実行されるファイル復活処理を表すフローチャートである。
【図14】そのファイル復活処理の指定フォルダへの保存処理を詳細に表すフローチャートである。
【図15】上記ファイル復活処理の元の位置への保存処理を詳細に表すフローチャートである。
【図16】上記指定フォルダへの保存処理の変形例を表すフローチャートである。
【図17】その処理によって構築されるフォルダ構造を例示する説明図である。
【図18】上記プリンタ印刷処理の変形例を表すフローチャートである。
【図19】上記タグデータ読み出し処理の変形例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1…プリンタ 3…用紙 3A…タグ 16…タグリーダ
38…タグライタ 200…制御部 800…パソコン
810…パソコン本体 813A…タグ書き込みデータエリア
813B…印刷データエリア 813C…復元エリア 820…ディスプレイ
830…キーボード 840…マウス 811…CPU
813…RAM 814…HDD
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、
該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する復元手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記復元手段が復元したデータを、指定された格納位置に格納する第1の格納手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記第1の格納手段は、上記指定された格納位置に上記位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報に対応する格納位置に格納することを特徴とする請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記復元手段が復元したデータを、上記位置情報が示す格納位置に格納する第2の格納手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
上記位置情報が示す格納位置が存在しない場合、上記第2の格納手段は、その位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報が示す格納位置に格納することを特徴とする請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項6】
少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成され、
上記復元手段が、上記端末に設けられたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成され、
上記復元手段が、上記ホストに設けられたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗した場合に、その失敗を示す失敗情報を作成する失敗情報作成手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項9】
上記復元手段は、上記位置情報が示す格納位置にアクセスすることにより、上記データを復元することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項10】
上記復元手段は、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合は自動的に上記復元を実行し、添付されていない場合は、上記読み出し手段が読み出したデータを呈示して使用者の指示を待つことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項11】
上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合、上記復元手段は、復元用プログラムを自動でインストールして上記復元を実行することを特徴とする請求項10記載のデータ処理装置。
【請求項12】
上記データ読み出し手段が読み出したデータに、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像に対応する画像データまたはその元データが含まれる場合、そのデータを保存する画像データ保存手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項13】
表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データを記録するデータ記録手段と、
該データ記録手段が記録するデータを指定するデータ指定手段と、
該データ指定手段によりデータが指定されたとき、上記データ記録手段に、少なくともそのデータ自身とそのデータのかつての格納位置を表す位置情報とを上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのファイル名とかつての格納位置を示す位置情報とを記録させるか、更には、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムをも記録させるかを、選択的に切り換える記録制御手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項14】
非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、
該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、その位置情報に基いて上記データを復元する復元手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項15】
データのかつての格納位置を示す位置情報と、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムと、が記録された非接触型タグと、
該非接触型タグが添付され、上記各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示された表示面と、
を備えたことを特徴とする被記録媒体。
【請求項1】
非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、
該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報とそのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムとを読み出した場合、そのフラグまたは復元用プログラムに基いて上記データを復元する復元手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記復元手段が復元したデータを、指定された格納位置に格納する第1の格納手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記第1の格納手段は、上記指定された格納位置に上記位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報に対応する格納位置に格納することを特徴とする請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記復元手段が復元したデータを、上記位置情報が示す格納位置に格納する第2の格納手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
上記位置情報が示す格納位置が存在しない場合、上記第2の格納手段は、その位置情報に対応するフォルダ構造を構築してから、上記データを上記位置情報が示す格納位置に格納することを特徴とする請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項6】
少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成され、
上記復元手段が、上記端末に設けられたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
少なくとも上記データ読み出し手段を備えた端末と、少なくとも上記第1または第2の格納手段を備えたホストとによって構成され、
上記復元手段が、上記ホストに設けられたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
上記復元手段による復元、若しくは、上記第1または第2の格納手段による格納が失敗した場合に、その失敗を示す失敗情報を作成する失敗情報作成手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項9】
上記復元手段は、上記位置情報が示す格納位置にアクセスすることにより、上記データを復元することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項10】
上記復元手段は、上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合は自動的に上記復元を実行し、添付されていない場合は、上記読み出し手段が読み出したデータを呈示して使用者の指示を待つことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項11】
上記データ読み出し手段が読み出したデータに復元を指示するフラグが添付されている場合、上記復元手段は、復元用プログラムを自動でインストールして上記復元を実行することを特徴とする請求項10記載のデータ処理装置。
【請求項12】
上記データ読み出し手段が読み出したデータに、上記非接触型タグが添付された被記録媒体の表示面に形成された画像に対応する画像データまたはその元データが含まれる場合、そのデータを保存する画像データ保存手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項13】
表示面に画像が形成可能な被記録媒体に添付された非接触型タグに、データを記録するデータ記録手段と、
該データ記録手段が記録するデータを指定するデータ指定手段と、
該データ指定手段によりデータが指定されたとき、上記データ記録手段に、少なくともそのデータ自身とそのデータのかつての格納位置を表す位置情報とを上記非接触型タグに記録させるか、そのデータのファイル名とかつての格納位置を示す位置情報とを記録させるか、更には、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムをも記録させるかを、選択的に切り換える記録制御手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項14】
非接触型タグからデータを読み出すデータ読み出し手段と、
該データ読み出し手段が、上記非接触型タグから、データのかつての格納位置を示す位置情報を読み出した場合、その位置情報に基いて上記データを復元する復元手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項15】
データのかつての格納位置を示す位置情報と、そのデータを復元するためのフラグまたは復元用プログラムと、が記録された非接触型タグと、
該非接触型タグが添付され、上記各納位置と他のデータ及びフォルダとの関係が表示された表示面と、
を備えたことを特徴とする被記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−85844(P2008−85844A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265321(P2006−265321)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]