説明

データ出力装置、データ入出力装置、記憶装置、データ処理システム、および、データ出力装置の制御方法

【課題】複数のメモリを接続するデータバスにおいて、汎用性を確保しつつ、データの衝突を防止する。
【解決手段】
制御回路110は、データ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバ170に前記データを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときにラッチ回路180に電流の供給を停止させる。出力ドライバ170は、入力された前記データの値に応じた電位を前記出力端子190に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を出力端子190に供給する。ラッチ回路180は、前記出力端子190に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子190に印加することにより絶対値が前記所定値より小さいラッチ電流を前記出力端子に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ出力装置に関し、特に記憶素子に記憶されたデータを出力するデータ出力装置、データ入出力装置、記憶装置、データ処理システム、および、データ出力装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ処理システム内にプロセッサと複数のメモリとを実装する場合、プロセッサおよび各メモリが共有するデータバスを設け、そのデータバスを介してプロセッサが各メモリにアクセスする構成が一般的であった。データ処理システム内では、これらのメモリおよびプロセッサを平面的に実装し、またはTSV(Through-Silicon-Via:シリコン貫通ビア)などを介して3次元的に実装していた。
【0003】
複数のメモリおよびプロセッサを実装した構成において、プロセッサがデータバスを介して各メモリに順にデータを出力させる場合、各メモリの特性のばらつきにより、各メモリが完全に同期できないことがあった。各メモリのデータ出力が同期していないと、データの衝突が生じうる。データの衝突とは、複数のメモリがデータバスへ同時にデータを出力してしまうことである。各メモリは、データの値に応じた電位をデータバスに印加することによりデータを出力している。印加される電位は、メモリの電源レベルの電位やグランドレベルの電位である。データの衝突が生じると、例えば、あるメモリが電源レベルの電位を印加し、別のメモリがグランドレベルの電位を印加してしまうことがある。この場合、一方のメモリの電源から、他方のメモリのグランドへデータバスを介して電流が流れ、ショート状態が生じてしまうおそれがある。
【0004】
このようなデータの衝突を防ぐため、各メモリがデータを出力する期間を短くするデータ出力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。各メモリがデータを出力する期間を短くすることにより、各メモリが完全に同期していない場合であってもデータの衝突を防止している。また、このデータ出力装置において、各メモリは、位相を調整する位相調整回路を備えている。各メモリが位相調整回路を使用して完全に同期してデータを出力するため、データの衝突の可能性がさらに低減する。
【0005】
各メモリのクロック信号線の配線長を調整するとともに、各メモリに遅延制御回路を設けるデータ出力装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このクロック信号線は、メモリコントローラからのデータ読出しのコマンド等を伝送するための信号線である。各メモリの物理的な位置によってデータ等の伝送の遅延時間が異なるが、その遅延時間に応じて配線長が調整される。各メモリの遅延制御回路は、その配線長に応じた時間だけ、内部動作クロックを進めておく。このため、各メモリのデータの内部動作クロックの位相が一致するようになる。この結果、データの衝突が防止される。
【0006】
さらに、各メモリからのデータの出力をラッチするデータ出力装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。このメモリは、接続ノード、出力バッファ、および、バスキーパ回路を備える。接続ノードは、データバスに接続されるノードである。出力バッファは、データの値に応じた電位を接続ノードに印加する。バスキーパ回路は、出力バッファが接続ノードに電位を印加したときに、その電位を保持し、出力バッファが電位を印加しない間、保持している電位を接続ノードに印加しつづける。ただし、バスキーパ回路の供給する電流は、出力バッファが供給する電流と比較して微弱である。この構成により、各出力バッファが電位を印加する時間を短くしても、バスキーパ回路が電位を保持するため、データを出力する期間を長くすることができる。また、バスキーパ回路が供給する電流は、出力バッファが供給する電流と比較して微弱であるため、あるメモリのバスキーパ回路と別のメモリの出力バッファとが同時に電位を印加してもデータの衝突は生じない。従って、メモリがデータを出力する期間を長くしつつ、データの衝突を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許41262364号
【特許文献2】特開平10−187592号公報
【特許文献3】特開2004−362346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の従来技術では、汎用性に乏しいという問題があった。具体的には、各メモリがデータバスへデータを出力する期間を短くする構成とした場合、プロセッサがデータを受け取る動作におけるマージンが少なくなってしまう。
【0009】
また、各メモリに位相調整回路、または、遅延制御回路を設ける構成とした場合、それらの回路の分、メモリの消費電流が大きくなってしまう。また、アナログ制御を行う回路により位相調整回路等を構成する場合、一般に回路規模が増大し、メモリチップの面積が大きくなってしまう。また、位相調整回路等が対応できる周波数帯域以外においては、データの衝突を確実に防止できない。
【0010】
さらに、各メモリにバスキーパ回路を設ける構成とした場合、複数のバスキーパ回路が電位を保持することにより、データバスの電位の保持力が強くなる。このため、バスキーパ回路の数が増加するほど、データバスの電位の反転が困難となってしまう。
【0011】
このように、上述した技術では、適用できる構成が限定されるため、汎用性に乏しいという問題があった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複数のメモリを接続するデータバスにおいて、汎用性を確保しつつ、データの衝突を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、出力端子と、入力されたデータの値に応じた電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を上記出力端子に供給する出力ドライバと、上記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している上記電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が上記所定値より小さいラッチ電流を上記出力端子に供給するラッチ部と、上記ドライバ電流または上記ラッチ電流を上記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から上記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバに上記データを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に上記ラッチ電流の供給を停止させる制御部とを具備するデータ出力装置、および、その制御方法である。これにより、データ出力期間の開始時点からドライブ期間を経過するまでの間だけ出力ドライバがデータの値に応じた電位を出力端子に印加することによりドライブ電流を供給するとともに、データ出力期間を経過したときに、ラッチ部がラッチ電流の供給を停止するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記制御部は、クロック周期の半分が上記ドライブ期間となるクロック信号を取得し、上記開始時点から上記ドライブ期間が経過したか否かを上記クロック信号に基づいて判断することにより、上記ドライブ期間だけ上記出力ドライバに上記データを入力してもよい。これにより、データ出力期間の開始時点から上記ドライブ期間が経過したか否かを上記クロック信号に基づいて判断するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記開始時点から上記ドライブ期間だけ遅延する内部信号を生成し、上記開始時点から上記内部信号の遅延時間が経過するまでの間だけ上記出力ドライバにデータを入力してもよい。これにより、データ出力期間の開始時点から内部信号の遅延時間が経過するまでの間だけ出力ドライバにデータが入力されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記開始時点から上記データ出力期間を経過したときまでの間だけ上記ラッチ部に上記ラッチ電流を供給させてもよい。これにより、データ出力期間の間にわたってラッチ部がラッチ電流を供給するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記ドライブ期間を経過したときから上記データ出力期間を経過したときまでの間だけ上記ラッチ部に上記ラッチ電流を供給させてもよい。これにより、ドライブ期間を経過したときからデータ出力期間を経過するときまでの間だけ、ラッチ部がラッチ電流を供給するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記制御部は、クロック周期が上記データ出力期間より短く、上記クロック周期の半分が第1のドライブ期間および第2のドライブ期間より長いクロック信号を取得し、上記クロック信号の立上りから上記第1のドライブ期間を経過するまでの間、および、上記クロック信号の立下りから上記第2のドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバにデータを入力してもよい。これにより、クロック信号の立上りから第1のドライブ期間を経過するときまでの間と、クロック信号の立下りから第2のドライブ期間を経過するときまでの間だけ、出力ドライバがドライブ電流を供給するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記クロック信号の位相を所定期間だけずらしたシフトクロック信号を生成する位相シフト部と、上記クロック信号の立上りから上記シフトクロック信号の立下りの時点までの間、および、上記クロック信号の立下りから上記シフトクロック信号の立下りまでの間だけ上記出力ドライバにデータを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に電流の供給を停止させる出力制御部とを具備してもよい。これにより、クロック信号の立上りからシフトクロック信号の立下りの時点までの間、および、クロック信号の立下りからシフトクロック信号の立下りまでの間だけ出力ドライバがドライブ電流を供給するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記出力端子が接続される経路に複数のデータ出力装置が接続される場合、上記開始時点から上記ドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバにデータを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に電流の供給を停止させ、上記経路に接続されるデータ出力装置が1台の場合、上記データ出力期間の間だけ上記出力ドライバにデータを入力するとともに上記ラッチ部を無効にしてもよい。これにより、経路に接続されるデータ出力装置が1台の場合、ラッチ部が無効になる。
【0021】
また、本発明の第2の側面は、入出力端子と、データが入力されている間だけ上記データの値に応じた電位を上記入出力端子に印加することにより絶対値が所定値となる電流を上記入出力端子に供給する出力ドライバと、抵抗値が上記所定値となる内部抵抗に基づく電流が上記出力端子に供給されたときに上記入出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している上記電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が上記所定値より小さい電流を上記出力端子に供給するラッチ部と、上記データに応じた電流を上記入出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から上記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバに上記データを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に上記ラッチ電流の供給を停止させる制御部と上記入出力端子に印加された電位に応じたデータを生成する入力部とを具備するデータ入出力装置である。これにより、データ出力期間の開始時点からドライブ期間を経過するまでの間だけ出力ドライバがデータの値に応じた電位を出力端子に印加することにより電流を供給するとともに、データ出力期間を経過したときにラッチ部がラッチ電流の供給を停止するという作用をもたらす。
【0022】
また、本発明の第3の側面は、データを記憶し、データの出力が要求されたとき、データ出力装置にデータを出力する記憶素子と、上記記憶素子に上記データの出力を要求する要求部と、出力端子と、入力されたデータの値に応じた電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を上記出力端子に供給する出力ドライバと、上記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している上記電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が上記所定値より小さいラッチ電流を上記出力端子に供給するラッチ部と、上記ドライバ電流または上記ラッチ電流を上記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から上記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバに上記記憶素子により出力された上記データを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に上記ラッチ電流の供給を停止させる制御部とを具備するデータ出力装置とを具備する記憶装置である。これにより、データ出力期間の開始時点からドライブ期間を経過するまでの間だけ出力ドライバがデータの値に応じた電位を出力端子に印加することにより電流を供給するとともに、データ出力期間を経過したときに、ラッチ部がラッチ電流の供給を停止するという作用をもたらす。
【0023】
また、本発明の第3の側面は、出力端子と、入力されたデータの値に応じた電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を上記出力端子に供給する出力ドライバと、上記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している上記電位を上記出力端子に印加することにより絶対値が上記所定値より小さいラッチ電流を上記出力端子に供給するラッチ部と、上記ドライバ電流または上記ラッチ電流を上記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から上記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ上記出力ドライバに上記データを入力するとともに、上記データ出力期間を経過したときに上記ラッチ部に上記ラッチ電流の供給を停止させる制御部とを具備する複数のデータ出力装置と、上記複数のデータ出力装置が具備する上記出力端子に接続された経路と、上記経路に印加された電位に応じたデータを生成して処理する処理装置とを具備するデータ処理システムである。これにより、データ出力期間の開始時点からドライブ期間を経過するまでの間だけ出力ドライバがデータの値に応じた電位を出力端子に印加することにより電流を供給するとともに、データ出力期間を経過したときに、ラッチ部がラッチ電流の供給を停止するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のメモリを接続するデータバスにおいて、汎用性を確保しつつ、データの衝突を防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの一構成例を示す全体図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるメモリの一構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における制御回路の動作の一例を示す真理値表である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置の一構成例を示す回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における出力ドライバの動作の一例を示す表である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における制御回路の一構成例を示す回路図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるデータ出力装置の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態における制御回路の一構成例を示す回路図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における制御回路の動作の一例を示す真理値表である。
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるデータ出力装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施の形態におけるデータ出力装置の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図17】本発明の第4の実施の形態におけるデータ入出力装置の一構成例を示すブロック図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態における制御回路の一構成例を示す回路図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態におけるデータ出力装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第5の実施の形態におけるデータ出力装置の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図21】本発明の第5の実施の形態におけるデータ処理システムの動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図22】本発明の第5の実施の形態における制御回路の変形例を示す回路図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力回路の変形例を示す回路図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの変形例を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(データ出力装置の制御:クロック信号を使用する例)
2.第2の実施の形態(データ出力装置の制御:クロック信号を使用しない例)
3.第3の実施の形態(データ出力装置の制御:ラッチ期間を短くする例)
4.第4の実施の形態(データ入出力装置の制御:データの入出力を行う例)
5.第5の実施の形態(データ出力装置の制御:DDR方式の例)
6.変形例
【0027】
<1.第1の実施の形態>
[データ処理システムの構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの一構成例を示す全体図である。このデータ処理システムは、複数のメモリ100、プロセッサ200、データバス300、および、信号線401乃至406を備える。メモリ100およびプロセッサ200は、データ処理システム内において平面的に実装されており、また、これらは、データバス300に接続されている。
【0028】
メモリ100は、データを記憶し、プロセッサ200の制御に従って記憶しているデータを出力するものである。メモリ100は、信号線401乃至403によりデータバス300に接続されている。そして、メモリ100は、外部クロック信号CLKに同期して動作する。
【0029】
信号線401は、メモリ100に入力されるリードコマンドCMDおよびリードアドレスADRを伝送するものである。信号線402は、メモリ100に入力されるモード信号MODEを伝送するものである。信号線403は、メモリ100から出力されたデータDATAを伝送するものである。ここで、リードコマンドCMDは、データの読出しを指示する信号である。モード信号MODEは、プロセッサ200が複数のメモリから連続的にデータを読み出すか否かを示す信号である。例えば、プロセッサ200が複数のメモリから連続的にデータを読み出す場合に、モード信号MODEは「H」(ハイ)状態に設定され、そうでない場合に「L」(ロー)状態に設定される。データDATAは、メモリ100が記憶しているデータである。
【0030】
メモリ100は、信号線401および402を介して、プロセッサ200から出力されたリードコマンドCMD、リードアドレスADR、および、モード信号MODEを受け取る。メモリ100は、このリード命令信号が「H」状態であれば、リードアドレスに対応する記憶素子からデータを取り出す。メモリ100は、そのデータを、信号線403を介してプロセッサ200へ出力する。ここで、メモリ100は、モード信号の値に応じてデータを出力する動作を変更する。モード信号に基づくメモリ100の動作の詳細については、図4を参照して後述する。
【0031】
プロセッサ200は、メモリ100からデータを受け取り、受け取ったデータを処理するものである。プロセッサ200は、信号線404乃至406によりデータバス300に接続される。プロセッサ200は、処理部210およびデータ入力装置220を備える。
【0032】
信号線404は、プロセッサ200から出力されたリードコマンドCMDおよびリードアドレスADRを伝送するものである。信号線405は、プロセッサ200から出力されたモード信号MODEを伝送するものである。信号線406は、プロセッサ200に入力されるデータDATAを伝送するものである。
【0033】
処理部210は、リードコマンドCMD、リードアドレスADR、および、モード信号MODEを生成するとともに、入力されたデータDATAを処理するものである。データ入力装置220は、メモリ100から受け取ったデータを処理部210に入力するものである。データをメモリ100から読み出す場合、処理部210は、まず、リードコマンド、リードアドレス、および、モード信号を生成する。処理部210は、信号線404を介してリードコマンドおよびリードアドレスをメモリ100へ出力する。また、プロセッサ200は、信号線405を介してモード信号をメモリ100へ出力する。データ入力装置220は、信号線406を介してメモリ100からのデータを受け取り、処理部210に入力する。処理部210は、入力されたデータを処理する。
【0034】
データバス300は、複数のメモリ100およびプロセッサ200が、リードコマンドCMD、リードアドレスADR、モード信号MODE、および、データDATAを授受する共通の経路である。
【0035】
なお、上述の実施の形態のプロセッサ200は、特許請求の範囲に記載の処理装置の一例である。上述の実施の形態のデータバス300は、特許請求の範囲に記載の経路の一例である。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるメモリ100の一構成例を示すブロック図である。メモリ100は、内部クロック生成部104、デコーダ105、メモリセルアレイ106、および、データ出力装置110を備える。
【0037】
内部クロック生成部104は、内部クロック信号RDCLKを生成するものである。内部クロック信号は、メモリ100内部のデバイスが同期するための信号である。内部クロック生成部104は、外部クロック信号CLKから、その外部クロック信号に対して位相がわずかに遅延した内部クロック信号を生成する。内部クロック生成部104は、生成した内部クロック信号を、デコーダ105、メモリセルアレイ106、およびデータ出力装置110に入力する。
【0038】
デコーダ105は、リードコマンドCMDおよびリードアドレスADRを復号するものである。デコーダ105には、信号線401を介してプロセッサ200によりリードコマンドおよびリードアドレスが入力される。デコーダ105は、リードコマンドを復号して、リード命令信号RDを生成する。リード命令信号は、データに基づく電流をデータ出力装置110がデータバス300に供給すべき期間(以下、「データ出力期間」と称する。)だけ「H」状態とされる信号である。データ出力期間は、プロセッサ200がデータを受け取るのに充分な期間が設定される。デコーダ105は、リード命令信号をデータ出力装置110に出力する。また、デコーダ105は、リードアドレスに基づいてそのリードアドレスに対応する記憶素子にデータの出力を要求する。具体的には、デコーダ105は、リードアドレスから行アドレスおよび列アドレスを取得する。そして、デコーダ105は、行アドレスを指定するRAS(Row Address Strobe)信号、および、列アドレスを指定するCAS(Column Address Strobe)信号を生成してメモリセルアレイ106に出力する。
【0039】
メモリセルアレイ106は、複数のデータを記憶するものである。メモリセルアレイ106は、複数のメモリセルにより構成され、各メモリセルには、アドレスが割り当てられている。それぞれのメモリセルはデータを記憶することができる。メモリセルアレイ106は、デコーダ105から出力されたRASおよびCASに対応するメモリセルに記憶しているデータをデータ出力装置110へ出力する。
【0040】
データ出力装置110は、メモリセルアレイ106により出力されたデータを、信号線403を介してデータバス300へ出力するものである。データ出力装置110には、メモリセルアレイ106からのデータと、デコーダ105からのリード命令信号とが入力される。また、データ出力装置110には、信号線402を介してプロセッサ200からのモード信号MODEが入力される。データ出力装置110は、モード信号に基づく動作により、リード命令信号のオン期間の間、データを信号線403へ出力する。
【0041】
なお、上述の実施の形態のデコーダ105は、特許請求の範囲に記載の要求部の一例である。上述の実施の形態のメモリセルは、特許請求の範囲に記載の記憶素子の一例である。
【0042】
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置110の一構成例を示すブロック図である。データ出力装置110は、制御回路120、出力ドライバ170、ラッチ回路180、および、出力端子190を備える。また、制御回路120と出力ドライバ170とは、信号線C1およびC2により接続されている。制御回路120とラッチ回路180とは信号線L1により接続されている。
【0043】
制御回路120は、出力ドライバ170およびラッチ回路180を制御するものである。制御回路120には、データDATAと、リード命令信号RDと、内部クロック信号RDCLKと、モード信号MODEとが入力される。制御回路120は、入力された信号に基づいてドライバ制御信号DCtlと、ラッチイネーブル信号LENとを生成する。制御回路120の動作の詳細については、図4を参照して後述する。
【0044】
ドライバ制御信号は、出力ドライバ170の状態を制御する信号である。出力ドライバ170は、有効または無効の状態をとる。有効の状態とは、「H」状態および「L」状態のうち、いずれかの状態をとることをいう。無効の状態は、ハイインピーダンス(Hi−Z)状態とも呼ばれる。出力ドライバ制御信号は、「H」状態、「L」状態、および、ハイインピーダンス状態の中のいずれかを2ビットの情報により指定する。この2ビットの情報は、信号線C1を伝送する1ビットの情報と、信号線C2を伝送する1ビットの情報とにより構成される。ここで、「H」状態とは、出力ドライバ170が「L」状態よりも高い電位を出力端子190に印加する状態である。「L」状態とは、出力ドライバ170が「H」状態よりも低い電位を出力端子190に印加する状態である。例えば、「H」状態における電位は、出力ドライバ170の電源レベルの電位であり、「L」状態における電位は、出力ドライバ170のグランドレベルの電位である。ハイインピーダンス状態とは、出力ドライバ170が出力端子190に電位を印加しない状態である。
【0045】
制御回路120が出力ドライバ170を「H」状態または「L」状態に制御する場合、ドライバ制御信号は、データの値に対応する信号となる。言い換えれば、制御回路120は、出力ドライバ170を有効の状態にしている間、出力ドライバ170に対してデータを入力することになる。
【0046】
ラッチイネーブル信号LENは、ラッチ回路180を制御する信号である。ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号により有効または無効の状態に制御される。これらの状態におけるラッチ回路180の動作の詳細については、後述する。ラッチイネーブル信号は、例えば、ラッチ回路180を有効の状態にする場合に「H」状態に設定され、ラッチ回路180を無効の状態にする場合に「L」状態に設定される。
【0047】
モード信号が「H」状態の場合における制御回路120の動作について説明する。この場合、制御回路120は、リード命令信号が「H」状態になってから、データ出力期間より短い一定の期間だけ出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する。以下、出力ドライバを有効の状態にする期間を「ドライブ期間」と称する。例えば、内部クロック信号が「H」状態である期間をドライブ期間とする。リード命令信号または内部クロック信号が「L」状態の間、すなわちドライブ期間以外の期間、制御回路120は、出力ドライバ170を無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する。また、リード命令信号が「H」状態の間は、制御回路120は、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。リード命令信号が「L」状態の間は、制御回路120は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。
【0048】
次に、モード信号が「L」状態の場合における制御回路120の動作について説明する。この場合、制御回路120は、リード命令信号が「H」状態であるならば、出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する。この結果、データ出力期間がドライブ期間となる。一方、リード命令信号が「L」状態であるならば、制御回路120は、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する。また、制御回路120は、リード命令信号、内部クロック信号、および、データのそれぞれの値にかかわらず、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。
【0049】
ラッチ回路180は、出力端子190に印加された電位を保持するとともに、保持している電位を出力端子190に印加するものである。ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号に従って有効または無効の状態をとる。
【0050】
ラッチ回路180の有効の状態とは、ラッチ回路180が出力端子190に印加された電位を保持し、保持している電位を出力端子190に印加する状態である。ここで、ラッチ回路180が電位を印加することにより出力端子190に供給される電流は、出力ドライバ170が電位を印加することにより出力端子190に供給される電流と比較して微弱であるものとする。以下、出力ドライバ170が供給する電流を「ドライバ電流」と称し、ラッチ回路180が供給する電流を「ラッチ電流」と称する。より具体的には、出力ドライバ170およびラッチ回路180が「H」レベルまたは「L」レベルの電位を印加することにより、印加する電位の値に応じて、一定の範囲内の値のドライバ電流またはラッチ電流が供給される。ラッチ電流が微弱とは、ラッチ電流の範囲が、ドライバ電流の範囲よりも遥かに狭いことを意味する。言い換えれば、ラッチ電流の絶対値は、ドライバ電流の絶対値より小さい。このため、出力ドライバ170が電位を印加している間は、ラッチ回路180が電位を印加しても、ドライバ電流が優先して出力端子190に供給される。また、ドライバ電流は、ラッチ回路180の保持する電位の値を反転させるのに必要な駆動電流以上であるものとする。このため、出力ドライバ170が出力端子190に電位を印加すると、ラッチ回路180は、出力端子190に印加された電位により、保持している電位を更新する。同じメモリ内の出力ドライバのみならず、他のメモリ内の出力ドライバが出力端子190に電位を印加したときも、ラッチ回路180は、保持している電位を更新する。
【0051】
一方、ラッチ回路180の無効の状態とは、ラッチ回路180が、出力端子190の電位の保持および更新と、出力端子190への電位の印加とを停止する状態である。
【0052】
出力端子190は、信号線403を介してデータバス300に接続される端子である。
【0053】
なお、上述の実施の形態の制御回路120は、特許請求の範囲に記載の制御部の一例である。上述の実施の形態のラッチ回路180は、特許請求の範囲に記載のラッチ部の一例である。
【0054】
図4は、本発明の第1の実施の形態における制御回路120の動作の一例を示す真理値表である。まず、モード信号が「H」の状態において生成されるドライバ制御信号DCtlについて説明する。この状態においてリード命令信号が「L」状態の場合、制御回路120は、内部クロック信号およびデータの値にかかわらず、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する。リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態の場合、データの値が「1」であれば、制御回路120は、出力ドライバ170を「H」状態にするドライバ制御信号を生成する。また、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態の場合、データの値が「0」であれば、制御回路120は、出力ドライバ170を「L」状態にするドライバ制御信号を生成する。リード命令信号が「H」状態かつ内部クロック信号が「L」状態の場合、データの値にかかわらず、制御回路120は、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する。
【0055】
次に、モード信号が「H」状態において生成されるラッチイネーブル信号について説明する。この状態においてリード命令信号が「L」状態の場合、制御回路120は、内部クロック信号およびデータの値にかかわらず、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。一方、リード命令信号が「H」状態の場合、制御回路120は、内部クロック信号およびデータの値にかかわらず、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。
【0056】
このように、モード信号が「H」状態の場合において、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態であれば、制御回路120は、出力ドライバ170を有効の状態にする。そうでなければ、制御回路120は、出力ドライバ170を無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態に制御する。ここで、前述したように、リード命令信号は内部クロック信号に同期して出力される。また、リード命令信号のオン期間(すなわち、データ出力期間)は、クロック信号のオン期間(すなわち、ドライブ期間)より長く設定されている。従って、データ出力期間の開始時点から、その期間より短いドライブ期間が経過するまでの間だけ、出力ドライバ170は有効の状態になる。一方、ラッチ回路180は、データ出力期間の間、有効の状態になるように制御される。
【0057】
まとめると、データ出力期間の開始時点からドライブ期間が経過するまでの間だけ出力ドライバ170は出力端子190にデータの値に応じた電位を印加する。ドライブ期間を経過してからデータ出力期間が経過するまでの間は、ラッチ回路180が出力ドライバ170に代わって電位を印加することになる。この結果、データ出力期間の間、データに基づくドライバ電流またはラッチ電流が出力端子190に供給される。言い換えれば、データ出力期間にわたって、出力端子190からデータが出力される。
【0058】
続いて、モード信号が「L」の状態において生成されるドライバ制御信号およびラッチイネーブル信号について説明する。この状態においてリード命令信号が「L」状態の場合、制御回路120は、内部クロック信号およびデータの値にかかわらず、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する。リード命令信号が「H」状態の場合にデータの値が「1」であれば、制御回路120は、出力ドライバ170を「H」状態にするドライバ制御信号を生成する。また、リード命令信号が「H」状態の場合にデータの値が「0」であれば、制御回路120は、出力ドライバ170を「L」状態にするドライバ制御信号を生成する。一方、制御回路120は、リード命令信号、内部クロック信号、および、データの値にかかわらず、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する。
【0059】
このように、モード信号が「L」状態の場合において、制御回路120は、リード命令信号がオンの期間だけ、出力ドライバ170を有効の状態にするとともにラッチ回路180を無効の状態にする。従って、データ出力期間の間、出力ドライバ170によりドライバ電流が供給され、ラッチ電流は供給されない。
【0060】
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置110の一構成例を示す回路図である。データ出力装置110は、制御回路120、出力ドライバ170、ラッチ回路180、および、出力端子190を備える。
【0061】
制御回路120は、インバータ121および125、NANDゲート122および126、ANDゲート123および124、NORゲート127を備える。
【0062】
インバータ121は、入力値を反転して出力するものである。インバータ121の入力端子には、内部クロック信号RDCLKが入力される。インバータ121は、その内部クロック信号の値を反転してNANDゲート122へ出力する。
【0063】
NANDゲート122は、入力値の否定論理積を出力するものである。NANDゲート122は、入力端子を2つ備える。NANDゲート122の一方の入力端子にはインバータ121から出力された信号が入力され、他方の入力端子にはモード信号MODEが入力される。NANDゲート122は、これらの信号の値の否定論理積をANDゲート123へ出力する。
【0064】
ANDゲート123は、入力値の論理積を出力するものである。ANDゲート123は、入力端子を2つ備える。ANDゲート123の一方の入力端子には、リード命令信号RDが入力され、他方の入力端子にはNANDゲート122から出力された信号が入力される。ANDゲート123は、これらの信号の値の論理積をインバータ125およびNANDゲート126へ出力する。
【0065】
上述の構成により、ANDゲート123は、リード命令信号、内部クロック信号、および、モード信号が全て「H」状態である場合に「H」状態、そうでない場合に「L」状態となる信号を生成する。図4を参照して前述したように、リード命令信号、内部クロック信号、および、モード信号が全て「H」状態である場合、出力ドライバ170は、データの値に応じて「H」状態または「L」状態をとる必要がある。また、リード命令信号、内部クロック信号、または、モード信号が「L」状態である場合、出力ドライバ170は、ハイインピーダンス状態をとる必要がある。このことから、ANDゲート123が生成する信号は、出力ドライバ170を有効または無効の状態に制御する信号である。以下、ANDゲート123が出力する信号を出力ドライバイネーブル信号OENと称する。
【0066】
インバータ125は、入力値を反転して出力するものである。インバータ125の入力端子には、ANDゲート123から出力された信号が入力される。インバータ125は、入力された信号の値を反転してNORゲート127へ出力する。
【0067】
NANDゲート126は、入力値の否定論理積を出力するものである。NANDゲート126は、入力端子を2つ備える。NANDゲート126の一方の入力端子には、データが入力され、他方の入力端子には、ANDゲート123から出力された信号が入力される。NANDゲート126は、これらの信号の値の否定論理積を、信号線C1を介して出力ドライバ170へ出力する。
【0068】
NORゲート127は、入力値の否定論理和を出力するものである。NORゲート127は、入力端子を2つ備える。NORゲート127の一方の入力端子にはデータが入力され、他方の入力端子にはインバータ125から出力された信号が入力される。NORゲート127は、これらの信号の値の否定論理和を、信号線C2を介して出力ドライバ170へ出力する。
【0069】
上述の構成により、出力ドライバイネーブル信号が「L」状態である場合、信号線C1を伝送する信号は「H」状態、信号線C2を伝送する信号は「L」状態となる。これらの信号は、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態に制御するドライバ制御信号を構成する。出力ドライバイネーブル信号およびデータが「H」状態である場合、信号線C1およびC2を伝送する信号はいずれも「L」状態となる。これらの信号は、出力ドライバ170を「H」状態に制御するドライバ制御信号を構成する。出力ドライバイネーブル信号が「H」状態であり、データが「L」状態である場合、信号線C1およびC2を伝送する信号はいずれも「H」状態となる。これらの信号は、出力ドライバ170を「L」状態に制御するドライバ制御信号を構成する。
【0070】
ANDゲート124は、入力値の論理積を出力するものである。ANDゲート124は、入力端子を2つ備える。ANDゲートの一方の入力端子にはモード信号が入力され、他方の入力端子にはリード命令信号が入力される。ANDゲート124は、これらの信号の値の論理積を、信号線L1を介してラッチ回路180へ出力する。
【0071】
上述の構成により、ANDゲート124は、モード信号およびリード命令信号が「H」状態の場合に「H」状態となり、そうでない場合に「L」状態となるラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0072】
出力ドライバ170は、pMOS(positive channel Metal Oxide Semiconductor)171およびnMOS(negative channel Metal Oxide Semiconductor)172を備える。
【0073】
pMOS171およびnMOS172は、ゲート電圧に応じて、出力端子190への電流の供給を制御するものである。pMOS171およびnMOS172は、いずれもゲート端子、ソース端子、および、ドレイン端子を備える。pMOS171において、ソース端子は電源に接続され、ゲート端子は信号線C1に接続され、ソース端子は出力端子190に接続されている。nMOS172において、ソース端子はグランドに接続され、ゲート端子は信号線C2に接続され、ドレイン端子は出力端子190に接続されている。信号線C1を伝送する信号が「L」状態であれば、pMOS171はオン状態となる。この結果、電源レベルの電位が出力端子190に印加される。信号線C1を伝送する信号が「H」状態であれば、pMOS171はオフ状態となる。また、信号線C2を伝送する信号が「H」状態であれば、nMOS172はオン状態となる。この結果、グラントの電位が出力端子190に印加される。信号線C2を伝送する信号が「L」状態であれば、nMOS172はオフ状態となる。
【0074】
図6は、本発明の第1の実施の形態における出力ドライバ170の動作の一例を示す表である。信号線C1を伝送する信号が「H」状態であり、信号線C2を伝送する信号が「L」状態である場合、pMOS171およびnMOS172はいずれもオフ状態となる。この結果、出力端子190には電位が印加されなくなる。この状態が、出力ドライバ170のハイインピーダンス状態に相当する。信号線C1および信号線C2を伝送する信号がいずれも「L」状態である場合、電源側のpMOS171はオン状態となり、nMOS172はオフ状態となる。この結果、出力端子190には、電源レベルの電位が印加される。この状態が、出力ドライバ170の「H」状態に相当する。信号線C1および信号線C2を伝送する信号がいずれも「H」状態である場合、pMOS171はオフ状態となり、グランド側のnMOS172はオン状態となる。この結果、出力端子190には、グランドレベルの電位が印加される。この状態が、出力ドライバ170の「L」状態に相当する。
【0075】
図5に戻り、ラッチ回路180は、インバータ181および182を備える。インバータ181および182は、入力値を反転して出力するものである。インバータ181は、ゲート端子、入力端子、および、出力端子を備える。インバータ181のゲート端子は信号線L1に接続されている。信号線L1を伝送するラッチイネーブル信号が「H」状態の場合、インバータ181は、インバータ181から出力された信号の値を反転して出力端子190およびインバータ182へ出力する。インバータ182の入力端子は、インバータ181および出力端子190に接続されている。インバータ182は、入力された信号の値を反転してインバータ181へ出力する。ここで、インバータ181が出力する電流(すなわち、ラッチ電流)は、ドライバ電流と比較して微弱であるものとする。また、インバータ182を反転させるのに必要な駆動電流は、ドライバ電流以下の値とする。
【0076】
上述のラッチ回路180の構成により、インバータ181および182は、出力ドライバ170が出力端子190に印加した電位を保持し、保持した電位を出力端子190に印加する。
【0077】
このように、制御回路120は、データ出力期間の開始時点から内部クロック信号のオン期間(すなわち、ドライブ期間)が経過するまでの間、出力ドライバ170を有効の状態にする。また、データ出力期間の間だけ、ラッチ回路180を有効の状態にする。出力ドライバ170は、有効の状態において、出力端子190にデータの値に応じた電位を印加し、無効の状態にいて電位を印加しない。ラッチ回路180は、出力ドライバ170により印加された電位を保持し、保持している電位を出力端子190に印加する。この構成によれば、データ出力期間の開始時点から、その期間より短いドライブ期間だけ、出力ドライバ170が出力端子190に電位を印加する。一方、ラッチ回路180は、データ出力期間の間だけ有効の状態となる。このため、出力ドライバ170が無効の状態となった後もデータ出力期間が経過するまでは、ラッチ回路180が出力ドライバ170に代わって出力端子190に電位を引加する。
【0078】
[データ出力装置の動作]
次にデータ出力装置110の動作について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置110の制御手順の一例を示すフローチャートである。この制御手順は、「H」状態のモード信号がデータ出力装置110に入力されたときに開始する。
【0079】
制御回路120は、リード命令信号が「H」状態であるか否かを判断する(ステップS910)。リード命令信号が「H」状態である場合(ステップS910:Yes)、制御回路120は、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS920)。また、制御回路120は、内部クロック信号が「H」状態の間、出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS930)。その後、制御回路120は、内部クロック信号が「L」状態になると、出力ドライバ170を無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS940)。ステップS940の後、制御回路120は、ステップS910に戻る。
【0080】
リード命令信号が「H」状態でない場合(ステップS910:No)、制御回路120は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS950)。ステップS950の後、制御回路120は、ステップS910に戻る。
【0081】
続いて、データ出力装置110の動作結果について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態における、モード信号が「H」状態の場合のデータ出力装置110の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0082】
プロセッサ200はリードコマンドCMDと、「H」状態のモード信号「MODE」を生成し、外部クロック信号CLKに同期してメモリ100へ出力する。
【0083】
デコーダ105は、リードコマンドを復号してリード命令信号RDを生成し、内部クロック信号に同期してデータ出力装置110に入力する。
【0084】
内部クロック生成部104は、外部クロックが遅延した内部クロック信号RDCLKを生成する。
【0085】
制御回路120内部のANDゲート123は、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、出力ドライバ170を有効の状態にする出力ドライバイネーブル信号OENを生成する。
【0086】
制御回路120内部のANDゲート124は、リード命令信号のオン期間の間、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0087】
メモリ100内部のメモリセルアレイ106は、内部クロック信号に同期して記憶しているデータを制御回路120へ出力する。
【0088】
出力ドライバ170は、出力ドライバイネーブル信号OENに従って、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、有効の状態となる。出力ドライバ170は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0089】
ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号LENに従って、リード命令信号のオン期間の間、有効の状態になる。ラッチ回路180は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0090】
この結果、データ出力装置110は、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、出力ドライバ170による電位の印加によってデータを出力する。内部クロック信号が「L」状態になってからデータ出力期間が経過するまでの間、データ出力装置110は、ラッチ回路180による電位の印加によってデータを出力する。
【0091】
図9は、本発明の第1の実施の形態における、モード信号が「L」状態の場合のデータ出力装置110の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0092】
プロセッサ200はリードコマンドCMDと、「L」状態のモード信号「MODE」を生成し、外部クロック信号CLKに同期してメモリ100へ出力する。
【0093】
デコーダ105は、リードコマンドを復号してリード命令信号RDを生成し、内部クロック信号に同期してデータ出力装置110に入力する。
【0094】
内部クロック生成部104は、外部クロックが遅延した内部クロック信号RDCLKを生成する。
【0095】
制御回路120内部のANDゲート123は、リード命令信号が「H」状態である間、出力ドライバ170を有効の状態にする出力ドライバイネーブル信号OENを生成する。
【0096】
制御回路120内部のANDゲート124は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0097】
メモリ100内部のメモリセルアレイ106は、内部クロック信号に同期して記憶しているデータを制御回路120へ出力する。
【0098】
出力ドライバ170は、出力ドライバイネーブル信号OENに従って、リード命令信号が「H」状態である間、有効の状態となる。出力ドライバ170は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0099】
ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号LENに従って、無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0100】
この結果、データ出力装置110は、リード命令信号が「H」状態である間、出力ドライバ170による電位の引加によってデータを出力する。ラッチ回路180は無効の状態をとる。
【0101】
図10は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0102】
プロセッサ200は、あるクロックにおいて、メモリ100のうち「#1」からデータを読み出し、次にメモリ100のうち「#2」からデータを読み出すものとする。そして、メモリ「#1」からのデータの読み出しが遅延するものとする。
【0103】
プロセッサ200は、メモリ「#1」および「#2」から連続的にデータを読み出す前に、「H」状態のモード信号をメモリ「#1」および「#2」へ出力しておく。
【0104】
メモリ「#1」内の制御回路は、図8に例示した手順により、内部クロック信号が「H」状態である期間だけ、出力ドライバを有効の状態にし、その後はデータ出力期間が経過するまでラッチ回路を有効の状態にする。メモリ「#2」も同様の動作を行う。
【0105】
メモリ「#1」内の記憶素子からのデータの読み出しが遅延してしまうものの、出力ドライバが有効の状態になる期間が短いため、その期間は、メモリ「#2」内の出力ドライバが有効の状態になる期間と重ならない。従って、複数の出力ドライバが同時に電位を印加してデータの衝突が生じることが防止される。
【0106】
ここで、メモリ「#1」からのデータの読出しが遅延したため、メモリ「#1」のラッチ回路が有効の状態となる期間は、メモリ「#2」内の出力ドライバが有効の状態となる期間と重なる。しかし、前述したように、ラッチ回路の駆動電流は、出力ドライバが供給する電流以下である。このため、重なった期間において、メモリ「#2」の出力ドライバが印加した電位によりメモリ「#1」のラッチ回路が保持する電位が更新される。この結果、メモリ「#1」のラッチ回路が印加する電位は、メモリ「#2」の出力ドライバが印加した電位と同じとなり、データの衝突は生じない。
【0107】
このように、第1の実施の形態によれば、制御回路120がデータ出力期間の開始時点から内部クロック信号のオン期間だけ、出力ドライバ170を有効の状態にする。また、制御回路120は、データ出力期間の間だけ、ラッチ回路180を有効の状態にする。出力ドライバ170は、データの値に応じた電位を印加して出力端子190に電流を供給する。ラッチ回路180は、出力端子190の電位を保持し、保持している電位を出力端子190に印加して出力端子190に微弱な電流を供給する。
【0108】
この構成によれば、ドライブ期間は、データ出力期間よりも短くなる。このため、プロセッサ200が複数のメモリ100から連続してデータを読み出す場合に、複数の出力ドライバがデータバス300に同時に電位を印加してしまうことを防止することができる。このため、データ出力装置110は、データの衝突を防止することができる。また、データ出力期間内は、出力ドライバ170が無効の状態となった後もラッチ回路180が電位を保持するため、データ出力期間内に渡り、メモリ100はデータを出力することができる。このため、プロセッサ200がデータを受け取るマージンを充分に確保することができる。さらに、データ出力期間を経過した後は、ラッチ回路180が無効の状態になるため、各メモリのラッチ期間が重なることがない。従って、複数のラッチ回路がデータバス300の電位を保持し続けることがなくなる。この結果、データバス300の保持力が強くなりすぎることを防止することができる。
【0109】
また、複数のメモリから連続的にデータを読み出さない場合は、プロセッサ200はモード信号を「L」状態に設定し、制御回路120はラッチ回路180を無効の状態にする。このため、プロセッサおよびメモリが1対1でデータを入出力する場合は、ラッチ回路180の分、消費電力を抑えることができる。
【0110】
なお、第1の実施の形態では、データ出力装置110をメモリ100内部に実装する構成としている。しかし、装置内に複数個が搭載されるデバイスであり、それらが連続的に共通のバスへデータを出力することがある場合、メモリ100以外のデバイスにデータ出力装置110を実装してもよいのは勿論である。例えば、複数のメモリコントローラのそれぞれに、データ出力装置110と同様の装置を設けてもよい。
【0111】
また、第1の実施の形態では、図5に例示した回路により、制御回路120を構成している。しかし、図4に例示した真理値表の動作を実現することができるのであれば、図5に例示した回路以外の回路により制御回路120を構成してもよいのは勿論である。
【0112】
<2.第2の実施の形態>
[データ処理システムの構成例]
次に図11および図12を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態のデータ出力装置111は、内部クロック信号を使用せずに、出力ドライバ170を制御している点において、第1の実施の形態のデータ出力装置110と異なる。データ出力装置111は、制御回路120の代わりに制御回路130を備える点において、第1の実施の形態のデータ出力装置110と異なる。
【0113】
図11は、本発明の第2の実施の形態における制御回路130の一構成例を示す回路図である。制御回路130には、内部クロック信号が入力されず、データDATA、リード命令信号RD、および、モード信号MODEが入力される。制御回路130は、インバータ121およびNANDゲート122の代わりにNANDゲート131と、インバータ132および133とを備える点において第1の実施の形態の制御回路120と異なる。
【0114】
NANDゲート131は、入力値の否定論理積を出力するものである。NANDゲート131は入力端子を2つ備える。NANDゲート131の一方の入力端子には、リード命令信号RDが入力され、他方の入力端子にはモード信号MODEが入力される。NANDゲート131は、これらの信号の値の否定論理積をインバータ132へ出力する。
【0115】
インバータ132および133は、入力値を反転して出力するものである。インバータ132は、NANDゲート131から出力された信号の値を反転してインバータ133へ出力する。インバータ133は、インバータ132から出力された信号の値を反転してANDゲート123へ出力する。
【0116】
リード命令信号RDは、NANDゲート131と、インバータ132および133とを通過することにより反転して遅延するため、インバータ133から出力される信号を反転遅延リード命令信号RDdと称する。従って、反転遅延リード命令信号RDdおよびリード命令信号RDの論理積OENは、反転遅延リード命令信号RDdの遅延時間をオン期間とする信号になる。この遅延時間がデータ出力期間よりも短くなるように、NANDゲート131と、インバータ132および133とが選定される。
【0117】
このように、制御回路130は、内部クロック信号を使用しなくとも、遅延時間がデータ出力期間より短い反転遅延リード命令信号RDdを内部生成して使用することにより、ドライブ期間をデータ出力期間より短くすることができる。
【0118】
[データ出力装置の動作]
次にデータ出力装置111の動作について、図12を参照して説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態におけるデータ出力装置111の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0119】
プロセッサ200はリードコマンドCMDと、「H」状態のモード信号MODEを生成し、外部クロック信号CLKに同期してメモリ100へ出力する。
【0120】
デコーダ105は、リードコマンドを復号してリード命令信号RDを生成し、内部クロック信号に同期してデータ出力装置111に入力する。
【0121】
内部クロック生成部104は、外部クロックが遅延した内部クロック信号RDCLKを生成する。
【0122】
NANDゲート131と、インバータ132および133との通過により、反転遅延リード命令信号RDdは、リード命令信号RDに対して遅延する。
【0123】
制御回路130内部のANDゲート123は、反転遅延リード命令信号RDdの遅延時間の間、出力ドライバ170を有効の状態にする出力ドライバイネーブル信号OENを生成する。
【0124】
制御回路130内部のANDゲート124は、リード命令信号がオン期間の間、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0125】
メモリ100内部のメモリセルアレイ106は、内部クロック信号に同期して記憶しているデータを制御回路130へ出力する。
【0126】
出力ドライバ170は、出力ドライバイネーブル信号OENに従って、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、有効の状態となる。出力ドライバ170は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0127】
ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号LENに従って、リード命令信号のオン期間の間、有効の状態になる。ラッチ回路180は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0128】
この結果、データ出力装置111は、反転遅延リード命令信号RDdの遅延時間の間、出力ドライバ170による電位の引加によってデータを出力する。内部クロック信号が「L」状態になってからデータ出力期間が経過するまでの間、データ出力装置111は、ラッチ回路180による電位の引加によってデータを出力する。
【0129】
このように、第1の実施の形態によれば、制御回路130は、データ出力期間より短い時間だけリード命令信号に対して遅延する反転遅延リード命令信号RDdを内部生成し、その遅延時間の間だけ出力ドライバ170を有効の状態にする。
【0130】
この構成によれば、内部クロック信号を使用しなくとも、データ出力期間より短い期間だけ、出力ドライバ170を有効の状態にすることができる。
【0131】
<3.第3の実施の形態>
[データ処理システムの構成例]
次に図13乃至図16を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態のデータ出力装置112は、出力ドライバ170が無効の状態になったときからラッチ回路180を有効の状態にする点において、第1の実施の形態のデータ出力装置110と異なる。データ出力装置112は、制御回路120の代わりに制御回路140を備える点において、第1の実施の形態のデータ出力装置110と異なる。
【0132】
図13は、本発明の第3の実施の形態における制御回路140の一構成例を示す回路図である。制御回路140は、ANDゲート141をさらに備える点において第1の実施の形態の制御回路120と異なる。
【0133】
ANDゲート141は、入力値の論理積を出力するものである。ANDゲート141は、入力端子を2つ備える。ANDゲート141の一方の入力端子にはリード命令信号RDが入力され、他方の入力端子にはインバータ121から出力された信号が入力される。ANDゲート141は、これらの信号の値の論理積をANDゲート124へ出力する。ANDゲート124は、モード信号MODEおよびANDゲート141から出力された信号の値の論理積をラッチイネーブル信号LENとして出力する。
【0134】
この構成により、制御回路140は、モード信号およびリード命令信号が「H」状態であり、内部クロック信号が「L」状態である場合に、ラッチ回路180を有効の状態にし、それ以外の場合は無効の状態にする。
【0135】
図14は、本発明の第2の実施の形態における制御回路140の動作の一例を示す真理値表である。
【0136】
制御回路140は、モード信号MODEおよびリード命令信号RDが「H」状態であり、内部クロック信号RDCLKが「L」状態である場合に、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。それ以外の場合、制御回路140は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0137】
第1の実施形態では、制御回路140は、図4に例示したように、モード信号およびリード命令信号が「H」状態、すなわちデータ出力期間内であれば、内部クロック信号の値にかかわらず、ラッチ回路180を有効の状態にしていた。しかし、第3の実施形態の制御回路140は、データ出力期間内であっても、内部クロック信号が「L」状態にならないとラッチ回路180を有効の状態にしない。内部クロック信号が「L」状態になるときは、出力ドライバ170は無効の状態になるときである。つまり、ラッチ回路180は、データ出力期間内において出力ドライバ170が無効の状態になったときからデータ出力期間が経過するまでの間だけ、有効の状態になる。
【0138】
[データ出力装置の動作]
次にデータ出力装置112の動作について、図15を参照して説明する。図15は、本発明の第3の実施の形態におけるデータ出力装置112の制御手順の一例を示すフローチャートである。この制御手順は、「H」状態のモード信号がデータ出力装置112に入力されたときに開始する。
【0139】
制御回路140は、リード命令信号が「H」状態であるか否かを判断する(ステップS910)。リード命令信号が「H」状態である場合(ステップS910:Yes)、制御回路140は、内部クロック信号が「H」状態の間、出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS925)。ステップS925の後、内部クロック信号が「L」状態になると、制御回路140は、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS940)。また、内部クロック信号が「L」状態になると、制御回路140は、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS945)。ステップ945の後、制御回路140は、ステップS910に戻る。
【0140】
リード命令信号が「H」状態でない場合(ステップS910:No)、制御回路140は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS950)。ステップ950の後、制御回路140は、ステップS910に戻る。
【0141】
続いて、データ出力装置112の動作結果について、図16を参照して説明する。図16は、本発明の第3の実施の形態における、モード信号が「H」状態の場合のデータ出力装置112の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0142】
プロセッサ200はリードコマンドCMDと、「H」状態のモード信号「MODE」を生成し、外部クロック信号CLKに同期してメモリ100へ出力する。
【0143】
デコーダ105は、リードコマンドを復号してリード命令信号RDを生成し、内部クロック信号に同期してデータ出力装置112に入力する。
【0144】
内部クロック生成部104は、外部クロックが遅延した内部クロック信号RDCLKを生成する。
【0145】
制御回路140内部のANDゲート123は、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、出力ドライバ170を有効の状態にする出力ドライバイネーブル信号OENを生成する。
【0146】
制御回路140内部のANDゲート124は、リード命令信号が「H」状態であり、内部クロック信号が「L」状態である間、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。ここで、出力ドライバ170が有効から無効に切り替わるタイミングは、ラッチ回路180が無効から有効に切り替わるタイミングよりもわずかに遅延する。これは、図13に示したように、出力ドライバイネーブル信号が、インバータ125、NANDゲート126、および、NORゲート127を経由する必要があるのに対し、ラッチイネーブル信号は、論理ゲートを経由しないためである。したがって、ラッチ回路180は、出力ドライバ170が無効になる前に、出力ドライバ170から印加されている電位を保持することができる。
【0147】
メモリ100内部のメモリセルアレイ106は、内部クロック信号に同期して記憶しているデータを制御回路140へ出力する。
【0148】
出力ドライバ170は、出力ドライバイネーブル信号OENに従って、リード命令信号および内部クロック信号が「H」状態である間、有効の状態となる。出力ドライバ170は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0149】
ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号LENに従って、内部クロック信号が「L」状態である場合有効の状態になる。ラッチ回路180は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0150】
このように、第3の実施の形態によれば、制御回路140は、データ出力期間内において出力ドライバ170が無効の状態になったときからデータ出力期間が経過するまでの間だけ、ラッチ回路180を有効の状態にする。この構成により、ラッチ回路180を有効の状態にする期間を最小限に抑え、その分だけラッチ回路180の消費電流を抑制することができる。また、ラッチ回路180がデータバス300の電位を保持する期間を最小限にし、データバス300の保持力を低減することができる。
【0151】
<4.第4の実施の形態>
[データ処理システムの構成例]
次に図17を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態のメモリ100は、データ出力装置110の代わりにデータ入出力装置113を備える点において第1の実施の形態のメモリ100と異なる。
【0152】
図17は、本発明の第4の実施の形態におけるデータ入出力装置113の一構成例を示す回路図である。データ入出力装置113は、出力端子190の代わりに入出力端子191を備え、入力回路185をさらに備える点以外は、第1の実施の形態のデータ出力装置110と同様の構成である。データ入出力装置113には、プロセッサ200からのライト命令信号WTが入力される。ライト命令信号は、プロセッサ200がメモリ100にデータを記憶するように指示する信号である。
【0153】
入力回路185は、インバータ186を備える。インバータ186は、入力された信号の値を反転して出力するものである。インバータ186は、ゲート端子、入力端子、および、出力端子を備える。インバータ186のゲート端子には、ライト命令信号が入力される。ライト命令信号は、プロセッサ200が生成したライトコマンドをデコーダ105が復号して生成した信号である。インバータ186の入力端子は入出力端子191に接続されている。ライト命令信号が「H」状態の場合、インバータ186は、入出力端子191から入力された信号の値を反転して、メモリセルアレイ106へ出力する。メモリセルアレイ106は、インバータ186から出力されたデータの反転値をライトデータとして記憶する。ライト命令信号が「L」状態の場合、インバータ186は、無効の状態となり、メモリセルアレイ106へデータを出力しない。
【0154】
このように、データ入出力装置113は、入力回路185を備えることより、記憶素子からのデータの出力に加えて、記憶素子へデータを入力することもできる。
【0155】
<5.第5の実施の形態>
[データ処理システムの構成例]
次に図18乃至図21を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態のデータ出力装置114は、DDR(Double Data Rate)方式を使用する点において第1の実施の形態のデータ出力装置110と異なる。
【0156】
図18は、本発明の第5の実施の形態におけるデータ出力装置114の一構成例を示す回路図である。データ出力装置114は、制御回路120の代わりに制御回路150を備える点において第1の実施形態のデータ出力装置110と異なる。
【0157】
制御回路150は、インバータ121およびNANDゲート122の代わりに、インバータ151乃至153と、NANDゲート154および156と、ORゲート155とを備える点において第1の実施の形態の制御回路120と異なる。
【0158】
インバータ151乃至153は、入力値を反転して出力するものである。インバータ151は内部クロック信号RDCLKの値を反転してインバータ152へ出力する。インバータ152は、インバータ151から出力された信号の値を反転してインバータ153へ出力する。インバータ153は、インバータ152から出力された信号の値を反転してNANDゲート154およびORゲート155へ出力する。
【0159】
NANDゲート154は、入力値の否定論理積を出力するものである。NANDゲート154は、入力端子を2つ備える。NANDゲート154の一方の入力端子には内部クロック信号が入力され、他方の入力端子にはインバータ153から出力された信号が入力される。NANDゲート154は、これらの信号の値の否定論理積をNANDゲート156へ出力する。
【0160】
ORゲート155は、入力値の論理和を出力するものである。ORゲート155は、入力端子を2つ備える。ORゲート155の一方の入力端子には内部クロック信号が入力され、他方の入力端子にはインバータ153から出力された信号が入力される。ORゲート155は、これらの信号の値の論理和をNANDゲート156へ出力する。
【0161】
NANDゲート156は、入力値の否定論理積を出力するものである。NANDゲート156は、入力端子を3つ備える。NANDゲート156の1つ目の入力端子にはNANDゲート154から出力された信号が入力され、2つ目の入力端子にはORゲート155から出力された信号が入力される。NANDゲート156の3つ目の入力端子にはモード信号MODEが入力される。NANDゲート156は、これらの信号の値の否定論理積をANDゲート123へ出力する。
【0162】
内部クロック信号RDCLKは、インバータ151乃至153を通過することにより遅延するとともに値が反転する。インバータ153から出力された信号を反転遅延内部クロック信号RDCLKdと称する。反転遅延内部クロック信号は、内部クロック信号を3回反転させた信号である。このため、インバータ151乃至153の通過による遅延時間は、内部クロック信号の立上りから、反転遅延内部クロック信号の立下りまでの時間である。この遅延時間が、内部クロック信号の半周期よりも短くなるように、インバータ151乃至153が選定される。
【0163】
NANDゲート154は、反転遅延内部クロック信号RDCLKdと内部クロック信号RDCLKとの値の否定論理積により、内部クロック信号の立下りから上述の遅延時間の間だけオフとなる信号を生成する。この信号を立上りトリガー信号rise_OEN_trigと称する。
【0164】
ORゲート155は、反転遅延内部クロック信号RDCLKdと内部クロック信号RDCLKとの値の論理和により、内部クロック信号の立下りから上述の遅延時間の間だけオフとなる信号を生成する。この信号を立下りトリガー信号fall_OEN_trigと称する。
【0165】
NANDゲート156は、立上りトリガー信号rise_OEN_trigと立下りトリガー信号fall_OEN_trigと、モード信号との値の否定論理積を出力する。NANDゲート156から出力された信号は、モード信号が「H」の状態の場合、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけオンとなる。モード信号が「L」の状態の場合、NANDゲート156から出力される信号はオフとなる。この信号を出力イネーブルトリガ信号OEN_trigと称する。
【0166】
ANDゲート123は、出力イネーブルトリガ信号OEN_trigと、リード命令信号「RD」との値の論理積を出力ドライバイネーブル信号OENとして出力する。モード信号が「H」状態において、この出力ドライバイネーブル信号は、データ出力期間のうち、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけオンとなる信号である。一方、モード信号が「L」状態において、出力ドライバイネーブル信号は、データ出力期間に渡ってオンとなる。
【0167】
[データ出力装置の動作]
次にデータ出力装置114の動作について、図19乃至21を参照して説明する。図19は、本発明の第5の実施の形態におけるデータ出力装置114の制御手順の一例を示すフローチャートである。この制御手順は、「H」状態のモード信号がデータ出力装置114に入力されたときに開始する。
【0168】
制御回路150は、リード命令信号が「H」状態であるか否かを判断する(ステップS910)。リード命令信号が「H」状態である場合(ステップS910:Yes)、制御回路150は、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS920)。また、制御回路150は、内部クロック信号の立上りから遅延時間の間、出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS941)。その後、制御回路150は、出力ドライバ170を無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS942)。制御回路150は、内部クロック信号の立下りから遅延時間の間、出力ドライバ170を有効の状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS943)。その後、制御回路150は、出力ドライバ170をハイインピーダンス状態にするドライバ制御信号を生成する(ステップS944)。
【0169】
リード命令信号が「H」状態でない場合(ステップS910:Yes)、制御回路150は、ラッチ回路180を無効の状態にするラッチイネーブル信号を生成する(ステップS950)。
【0170】
ステップS943またはS950の後、制御回路150は、ステップS910に戻る。
【0171】
続いて、データ出力装置114の動作結果について、図20および図21を参照して説明する。図20は、本発明の第5の実施の形態における、モード信号が「H」状態の場合のデータ出力装置114の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0172】
プロセッサ200はリードコマンドCMDと、「H」状態のモード信号MODEを生成し、外部クロック信号CLKに同期してメモリ100へ出力する。
【0173】
デコーダ105は、リードコマンドを復号してリード命令信号RDを生成し、内部クロック信号に同期してデータ出力装置114に入力する。
【0174】
内部クロック生成部104は、外部クロックが遅延した内部クロック信号RDCLKを生成する。
【0175】
インバータ151乃至153の通過により、内部クロック信号RDCLKが遅延および反転して反転遅延内部クロック信号RDCLKdが生成される。
【0176】
NANDゲート154は、反転遅延内部クロック信号と内部クロック信号との値の否定論理積により、内部クロック信号の立上りから遅延時間の間だけオフとなる立上りトリガー信号rise_OEN_trigを生成する。
【0177】
ORゲート155は、反転遅延内部クロック信号と内部クロック信号との値の論理和により、内部クロック信号の立下りから遅延時間の間だけオフとなる立下りトリガー信号fall_OEN_trigを生成する。
【0178】
NANDゲート156は、立上りトリガー信号、立下りトリガー信号、および、モード信号の値の否定論理積により、出力イネーブルトリガ信号OEN_trigを生成する。この出力イネーブルトリガ信号は、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけ「H」状態となる。
【0179】
ANDゲート123は、出力イネーブルトリガ信号と、リード命令信号RDとの値の論理積により、出力ドライバイネーブル信号OENを生成する。この出力ドライバイネーブル信号は、データ出力期間において、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけ「H」状態となる。
【0180】
ANDゲート124は、リード命令信号のオン期間の間、ラッチ回路180を有効の状態にするラッチイネーブル信号LENを生成する。
【0181】
メモリ100内部のメモリセルアレイ106は、内部クロック信号の立上がり、および、立下りに応じて記憶しているデータを制御回路150へ出力する。
【0182】
出力ドライバ170は、出力ドライバイネーブル信号OENに従って、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけ有効の状態になる。その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0183】
ラッチ回路180は、ラッチイネーブル信号LENに従って、リード命令信号のオン期間の間、有効の状態になる。ラッチ回路180は、その期間以外は無効の状態、すなわちハイインピーダンス状態となる。
【0184】
この結果、データ出力装置114は、内部クロック信号の立上りから遅延時間が経過するまでと、内部クロック信号の立下りから遅延時間が経過するまでとの間だけ、出力ドライバ170による電位の引加によってデータを出力する。それ以外の期間は、データ出力期間を経過するまで、データ出力装置114は、ラッチ回路180による電位の引加によってデータを出力する。
【0185】
図21は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【0186】
プロセッサ200は、あるクロックにおいて、メモリ100のうち「#1」からデータを読み出し、続いてメモリ100のうち「#2」からデータを読み出すものとする。そして、メモリ「#1」からのデータの読み出しが遅延するものとする。
【0187】
プロセッサ200は、メモリ「#1」および「#2」から連続的にデータを読み出す前に、「H」状態のモード信号をメモリ「#1」および「#2」へ出力しておく。メモリ「#1」は、図20に例示した手順により、立上りから遅延時間の間と立下りから遅延時間の間とだけ、出力ドライバを有効の状態にし、それ外の期間はデータ出力期間が経過するまでラッチ回路を有効の状態にする。メモリ「#2」も同様の動作を行う。
【0188】
メモリ「#1」内の記憶素子からのデータの読み出しに多少遅延が生じても、出力ドライバが有効の状態となる期間が短いため、その期間は、メモリ「#2」内の出力ドライバが有効の状態となる期間と重ならない。従って、複数の出力ドライバが同時に電位を引加してデータの衝突が生じることが防止される。
【0189】
また、データ出力装置114は、内部クロック信号の立上り、および、立下りに応じてデータを出力するため、DDR方式を使用するメモリに実装することができる。
【0190】
このように、データ出力装置114は、立上りから遅延時間の間と立下りから遅延時間の間とだけ出力ドライバを有効の状態にし、それ以外の期間はデータ出力期間が経過するまでラッチ回路を有効の状態にする。このため、データの衝突を防止しつつ、データの出力速度を向上することができる。
【0191】
なお、第5の実施の形態では、制御回路150は、複数のインバータを通過させることにより内部クロック信号を遅延させている。しかし、制御回路150は、図22に例示するように、位相シフト回路を使用して内部クロック信号を遅延させてもよい。
【0192】
図22は、本発明の第6の実施の形態における制御回路150の変形例を示す回路図である。制御回路150は、インバータ151および152の代わりに90度位相シフト回路157を備える。
【0193】
90度位相シフト回路157は、内部クロック信号RDCLKの位相を90度シフトさせてインバータ153へ出力する。この結果、図20および図21に例示したように動作する制御回路を実現することができる。
【0194】
<6.変形例>
[データ出力装置の構成]
図23は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ出力装置110の変形例を示す回路図である。このデータ出力装置110は、制御回路120の代わりに制御回路160を備える。制御回路160には、モード信号が入力されない。また、制御回路160はインバータ121、NANDゲート122、および、ANDゲート124を備えない。
【0195】
ANDゲート123は、リード命令信号RDおよび内部クロック信号RDCLKの値の論理積をNANDゲート126およびインバータ125へ出力する。また、リード命令信号は、そのままラッチイネーブル信号LENとしてラッチ回路180へ出力される。
【0196】
このように簡易な構成によっても、制御回路160は、データ出力期間の開始時点からドライブ期間の間だけ、出力ドライバ170を有効の状態にし、データ出力期間の間だけ、ラッチ回路180を有効の状態にすることができる。
【0197】
図24は、本発明の第1の実施の形態におけるデータ処理システムの変形例を示す全体図である。図1に例示した構成では、メモリ100およびプロセッサ200を平面的に実装していたが、図24に示すように、3次元的に実装してもよい。
【0198】
このデータ処理システムは、複数のメモリ100、プロセッサ200、および、データバス300の代わりに、複数のメモリ101、プロセッサ201、および、複数のTSV301を備える。各メモリ101およびプロセッサ201は、3次元的に実装される。TSV301は、これらのメモリ101およびプロセッサ201を貫通する電極である。各メモリ101およびプロセッサ201は、データバス300の代わりにTSV301により接続される。
【0199】
このように、各メモリが、TSV301など、データバス300以外の経路にデータを出力する構成とすることもできる。
【0200】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0201】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【符号の説明】
【0202】
100、101 メモリ
104 内部クロック生成部
105 デコーダ
106 メモリセルアレイ
110、111、112、114 データ出力装置
113 データ入出力装置
120、130、140、150、160 制御回路
121、125、132、133、151〜153、181、182、186 インバータ
122、126、131、154、156 NANDゲート
123、124、141 ANDゲート
127 NORゲート
155 ORゲート
157 90度位相シフト回路
170 出力ドライバ
171 pMOS
172 nMOS
180 ラッチ回路
185 入力回路
190 出力端子
191 入出力端子
200、201 プロセッサ
210 処理部
220 データ入力装置
300 データバス
301 TSV
401〜406 信号線
C1、C2、L1 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子と、
入力されたデータの値に応じた電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を前記出力端子に供給する出力ドライバと、
前記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が前記所定値より小さいラッチ電流を前記出力端子に供給するラッチ部と、
前記ドライバ電流または前記ラッチ電流を前記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバに前記データを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に前記ラッチ電流の供給を停止させる制御部と
を具備するデータ出力装置。
【請求項2】
前記制御部は、クロック周期の半分が前記ドライブ期間となるクロック信号を取得し、前記開始時点から前記ドライブ期間が経過したか否かを前記クロック信号に基づいて判断することにより、前記ドライブ期間だけ前記出力ドライバに前記データを入力する
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記開始時点から前記ドライブ期間だけ遅延する内部信号を生成し、前記開始時点から前記内部信号の遅延時間が経過するまでの間だけ前記出力ドライバにデータを入力する
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記開始時点から前記データ出力期間を経過したときまでの間だけ前記ラッチ部に前記ラッチ電流を供給させる
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ドライブ期間を経過したときから前記データ出力期間を経過したときまでの間だけ前記ラッチ部に前記ラッチ電流を供給させる
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項6】
前記制御部は、クロック周期が前記データ出力期間より短く、前記クロック周期の半分が第1のドライブ期間および第2のドライブ期間より長いクロック信号を取得し、前記クロック信号の立上りから前記第1のドライブ期間を経過するまでの間、および、前記クロック信号の立下りから前記第2のドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバにデータを入力する
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記クロック信号の位相を所定期間だけずらしたシフトクロック信号を生成する位相シフト部と、
前記クロック信号の立上りから前記シフトクロック信号の立下りの時点までの間、および、前記クロック信号の立下りから前記シフトクロック信号の立下りまでの間だけ前記出力ドライバにデータを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に電流の供給を停止させる出力制御部と
を具備する請求項6記載のデータ出力装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記出力端子が接続される経路に複数のデータ出力装置が接続される場合、前記開始時点から前記ドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバにデータを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に電流の供給を停止させ、前記経路に接続されるデータ出力装置が1台の場合、前記データ出力期間の間だけ前記出力ドライバにデータを入力するとともに前記ラッチ部を無効にする
請求項1記載のデータ出力装置。
【請求項9】
入出力端子と、
データが入力されている間だけ前記データの値に応じた電位を前記入出力端子に印加することにより絶対値が所定値となる電流を前記出力端子に供給する出力ドライバと、
抵抗値が前記所定値となる内部抵抗に基づく電流が前記入出力端子に供給されたときに前記入出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が前記所定値より小さい電流を前記入出力端子に供給するラッチ部と、
前記データに応じた電流を前記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバに前記データを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に前記ラッチ電流の供給を停止させる制御部と
前記入出力端子に印加された電位に応じたデータを生成する入力部と
を具備するデータ入出力装置。
【請求項10】
データを記憶し、データの出力が要求されたとき、データ出力装置にデータを出力する記憶素子と、
前記記憶素子に前記データの出力を要求する要求部と、
出力端子と、入力されたデータの値に応じた電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を前記出力端子に供給する出力ドライバと、前記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が前記所定値より小さいラッチ電流を前記出力端子に供給するラッチ部と、前記ドライバ電流または前記ラッチ電流を前記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバに前記記憶素子により出力された前記データを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に前記ラッチ電流の供給を停止させる制御部とを具備するデータ出力装置と
を具備する記憶装置。
【請求項11】
出力端子と、入力されたデータの値に応じた電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を前記出力端子に供給する出力ドライバと、前記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が前記所定値より小さいラッチ電流を前記出力端子に供給するラッチ部と、前記ドライバ電流または前記ラッチ電流を前記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記出力ドライバに前記データを入力するとともに、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ部に前記ラッチ電流の供給を停止させる制御部とを具備する複数のデータ出力装置と、
前記複数のデータ出力装置が具備する前記出力端子に接続された経路と、
前記経路に印加された電位に応じたデータを生成して処理する処理装置と
を具備するデータ処理システム。
【請求項12】
入力されたデータの値に応じた電位を出力端子に印加することにより絶対値が所定値となるドライバ電流を前記出力端子に供給する出力ドライバに、電流を前記出力端子に供給すべき期間であるデータ出力期間の開始時点から前記データ出力期間より短いドライブ期間を経過するまでの間だけ前記データを入力する入力手順と、
前記出力端子に印加された電位を保持するとともに、保持している前記電位を前記出力端子に印加することにより絶対値が前記所定値より小さいラッチ電流を前記出力端子に供給するラッチ部に、前記データ出力期間を経過したときに前記ラッチ電流の供給を停止させる停止手順と
を具備するデータ出力装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−98779(P2012−98779A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243563(P2010−243563)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】